(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112245
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】発泡成形体
(51)【国際特許分類】
C08J 9/04 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
C08J9/04 101
C08J9/04 CES
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013895
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000214788
【氏名又は名称】DMノバフォーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】湯本 正弘
(72)【発明者】
【氏名】三宅 祐治
【テーマコード(参考)】
4F074
【Fターム(参考)】
4F074AA22
4F074AB05
4F074AC32
4F074AD11
4F074BA38
4F074BA39
4F074BA95
4F074BC12
4F074CA22
4F074DA02
4F074DA08
4F074DA12
4F074DA13
4F074DA33
4F074DA37
4F074DA45
(57)【要約】
【課題】押出成形体や復元率の良い発泡成形体の提供。
【解決手段】エチレン-酢酸ビニル共重合体と無機粉末を含有し、ポリプロピレンを含まない樹脂組成物からなる発泡成形体であって、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル単位含有割合(原料基準)が2~40質量%であり、前記無機粉末の含有割合が、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体100質量部に対して3~20質量部であり、連続気泡の体積含有率が5vol%以上、発泡倍率が10倍以上である、発泡成形体。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレン-酢酸ビニル共重合体と無機粉末を含有し、ポリプロピレンを含まない樹脂組成物からなる発泡成形体であって、
前記エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル単位含有割合(原料基準)が2~40質量%であり、
前記無機粉末の含有割合が、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体100質量部に対して3~20質量部であり、
連続気泡の体積含有率が5vol%以上、発泡倍率が10倍以上である、発泡成形体。
【請求項2】
前記エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル単位含有割合(原料基準)が3~30質量%であり、
前記無機粉末の含有割合が前記エチレン-酢酸ビニル共重合体100質量部に対して5~20質量部である、請求項1記載の発泡成形体。
【請求項3】
前記発泡成形体中の気泡が連続気泡と独立気泡からなるものであり、
前記連続気泡と前記独立気泡の合計体積中、前記連続気泡の体積含有率が10~60vol%、前記独立気泡の体積含有率が90~40vol%であり、発泡倍率が20倍以上である、請求項1または2記載の発泡成形体。
【請求項4】
前記無機粉末が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムから選ばれる炭酸塩;カオリン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、セリサイト、ベントナイトから選ばれるケイ酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウムから選ばれる硫酸塩;シリカ、アルミナ、マグネシア、三酸化アンチモン、酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化鉄から選ばれる金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄から選ばれる金属水酸化物、ベンガラ、カーボンブラック、グラファイトから選ばれるものである、請求項1~3のいずれか1項記載の発泡成形体。
【請求項5】
前記樹脂組成物中、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル単位含有割合(原料基準)×無機粉末の含有割合≧37.5を満たしている、請求項1~4のいずれか1項記載の発泡成形体。
【請求項6】
前記発泡成形体が外径1~100mmの棒状成形体であり、前記棒状成形体が最大長2~2000mmの範囲で細断されたものである、請求項1~5のいずれか1項記載の発泡成形体の細断物。
【請求項7】
円板状、円柱状または不定形である、請求項6記載の発泡成形体の細断物。
【請求項8】
クッション、枕、布団、座布団、マットレス、ソファーから選ばれるものの中味素材として使用されるものである、請求項6または7記載の発泡成形体の細断物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、クッションなどの中味素材として使用することができる発泡成形体とその細断物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、連続気泡率が20~80%の発泡体の発明であり、前記発泡体は各種緩衝材用途に利用できることが記載されている。前記発泡体は、結晶性ポリプロピレンを必須成分として含んでおり(実施例2~4)、結晶性ポリプロピレンを含まず、少量のタルクを含む比較例1~3は、連続気泡率が0.3~1.5%と低くなっている。
【0003】
特許文献2~4には、ポリオレフィン系樹脂、吸湿性物質、グリセリン誘導体、無機充填剤を含む樹脂組成物を発泡させて成形される発泡成形体の発明が記載されている。前記発泡成形体は、流動床や合併浄化槽などの微生物を利用して汚水を処理する汚水処理装置において使用する、微生物固定化用の担体として利用できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4836583号公報
【特許文献2】特開2002-12689号公報
【特許文献3】特開2001-247703号公報
【特許文献4】特開2001-64427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、クッションなどの中味素材として使用することができる発泡成形体とその細断物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、エチレン-酢酸ビニル共重合体と無機粉末を含有し、ポリプロピレンを含まない樹脂組成物からなる発泡成形体であって、
前記エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル単位含有割合(原料基準)が2~40質量%であり、
前記無機粉末の含有割合が、前記エチレン-酢酸ビニル共重合体100質量部に対して3~20質量部であり、
連続気泡の体積含有率が5vol%以上、発泡倍率が10倍以上である、発泡成形体を提供する。
【0007】
また本開示は、前記発泡成形体が外径5~100mmの棒状成形体であり、前記棒状成形体が最大長10~2000mmの範囲で細断されたものである、請求項1~4のいずれか1項記載の発泡成形体の細断物を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の発泡成形体は、製造時における押し出し成形性が良く、圧力を加えた後で圧力を解放したときの形状の復元率が良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発泡成形体>
本開示の発泡成形体は、エチレン-酢酸ビニル共重合体と無機粉末を含有する樹脂組成物が発泡成形されてなるものである。
【0011】
(樹脂組成物)
樹脂組成物に含まれているエチレン-酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル単位含有割合(原料基準)が2~40質量%のものであり、好ましくは酢酸ビニル単位含有割合(原料基準)が3~30質量%のものである。
エチレン-酢酸ビニル共重合体は、メルトフローレート(MFR)(190℃,g/10min)が0.2~70のものが好ましく、0.4~20のものがより好ましい。
【0012】
樹脂組成物に含まれている無機粉末は、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムから選ばれる炭酸塩;カオリン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、セリサイト、ベントナイトから選ばれるケイ酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウムから選ばれる硫酸塩;シリカ、アルミナ、マグネシア、三酸化アンチモン、酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化鉄から選ばれる金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄から選ばれる金属水酸化物、ベンガラ、カーボンブラック、グラファイトから選ばれるものを使用することができる。
これらの中でも、炭酸塩、ケイ酸塩、金属酸化物、金属水酸化物から選ばれるものが好ましく、カオリン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、クレー、タルク、マイカ、セリサイト、ベントナイトなどのケイ酸塩から選ばれるものがより好ましい。
【0013】
樹脂組成物中の無機粉末の含有割合は、エチレン-酢酸ビニル共重合体100質量部に対して3~20質量部であり、好ましくは5~20質量部であり、より好ましくは7~15質量部である。
【0014】
樹脂組成物中における前記エチレン-酢酸ビニル共重合体中の酢酸ビニル単位含有割合(原料基準)と無機粉末の含有割合は、酢酸ビニル単位含有割合×無機粉末の含有量≧37.5を満たしていることが好ましい。
前記関係を満たしていると、連続気泡率と独立気泡率の割合を所定範囲にすることができるため、押出成形体と復元率が良くなるので好ましい。
【0015】
樹脂組成物は、ポリプロピレンを含んでいないが、本開示の効果を損なわない範囲内であれば、必要に応じて以下に列挙する他の成分を含有することができる。なお、ポリプロピレンを含む樹脂組成物の製造ラインと同じ製造ラインを使用することで、不純物程度の量(組成物中の1質量%未満)のポリプロピレンを含むことは妨げない。
【0016】
樹脂組成物は、脂肪酸アミドを含有することができる。脂肪酸アミドとしては、一価又は二価の長鎖脂肪酸(C10-30飽和又は不飽和脂肪酸など)とアミン類、アンモニアとの酸アミド、例えば、カプリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドなどのC16-24飽和脂肪酸の酸アミド;オレイン酸アミドなどのC16-24不飽和脂肪酸の酸アミド;C1-6アルカンジアミン(特に、C1-4アルカンジアミン)とC16-24脂肪酸とのビスアミド(例えば、エチレンビスステアリルアミド、ヘキサメチレンジアミン-ジステアリン酸アミドなどのC16-24飽和脂肪酸ビスアミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどのC16-24不飽和脂肪酸ビスアミドなど)などを挙げることができる。
【0017】
樹脂組成物は、脂肪酸エステルを含有することができる。脂肪酸エステルとしては、一価又は二価の長鎖脂肪酸(C10-30飽和又は不飽和脂肪酸など)と、一価アルコールとのエステル(アルキルエステル、例えば、ブチルステアレート、2-エチルヘキシルベヘネートなどのC16-24飽和脂肪酸のC1-10アルキルエステル;ブチルオレエートなどのC16-24不飽和脂肪酸のC1-10アルキルエステルなど)、前記長鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのジ乃至テトラオールなど)とのエステル(エチレングリコールモノ又はジステアリン酸エステル、グリセリンモノ乃至トリステアリン酸エステル、エチレングリコールモノ又はジオレイン酸エステル、グリセリンモノ乃至トリオレイン酸エステルなど)などを挙げることができる。
【0018】
樹脂組成物は、発泡成形体の成形方法に応じて発泡剤を含んでいてもよい。
発泡剤としては、物理発泡に用いられる揮発性発泡剤や、化学発泡に用いられる分解性発泡剤などを挙げることができる。
揮発性発泡剤としては、例えば、不活性又は不燃性ガス(窒素、炭酸ガス、フロン、代替フロンなど)、水、有機系物理発泡剤[例えば、脂肪族炭化水素(プロパン、n-ブタン、イソブタン、ペンタン(n-ペンタン、イソペンタン)、ヘキサン(n-ヘキサンなど)など)、芳香族炭化水素(トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(三塩化フッ化メタンなど)、エーテル類(ジメチルエーテル、石油エーテルなど)、ケトン類(アセトンなど)など]が挙げられる。また、分解性発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の無機炭酸塩;クエン酸などの有機酸;2,2′-アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミドなどのアゾ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物;N,N′-ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNPT)などのニトロソ化合物;テレフタルアジドなどのアジド化合物などが挙げられる。これらの発泡剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
樹脂組成物中の発泡剤(例えば、有機系物理発泡剤)の含有割合は、エチレン-酢酸ビニル共重合体100質量部に対して0.01~20質量部が好ましく、より好ましくは0.1~15質量部である。
【0019】
樹脂組成物は、界面活性剤、例えば、ノニオン性界面活性剤[例えば、エーテル型、エステルエーテル型、エステル型、含窒素型界面活性剤など]、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを含有してもよい。
【0020】
樹脂組成物は、必要に応じて慣用の添加剤として、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維などの繊維充填剤など)、安定剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤などの酸化防止剤;紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤など)、発泡助剤、難燃剤、着色剤(染料、顔料など)、分散剤、離型剤、防曇剤、核剤、滑剤、潤滑剤、衝撃改良剤、可塑剤、収縮防止剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、抗菌剤、防腐剤、防カビ剤、光触媒(酸化チタンなど)などを含有してもよい。
【0021】
(発泡成形体)
発泡成形体の大きさや形状は特に制限されるものではなく、用途に応じて調整できるものである。
例えば、棒状、紐状などの一次元的形状、シート状、フィルム状、二次元網目(ネット)状などの二次元的形状、ブロック状、板状、三次元網目状、パイプ状などの三次元的形状であってもよい。
【0022】
発泡成形体は、連続気泡と独立気泡を有しているものである。
連続気泡は、多数の気泡が連通された状態にあり、発泡成形体の外部雰囲気にも連通されているものである。
独立気泡は、他の気泡と連通されておらず、発泡成形体の外部雰囲気にも連通されていないものである。
連続気泡と独立気泡の合計体積中、連続気泡の体積含有率は5vol%以上であり、残部が独立気泡であり、好ましくは連続気泡の体積含有率は10~60vol%、独立気泡の体積含有率は90~40vol%である。
発泡倍率は10倍以上であり、好ましくは発泡倍率が20倍以上、より好ましくは発泡倍率が25倍以上である。
【0023】
(発泡成形体の製造方法)
本開示の発泡成形体は、前記樹脂組成物を発泡成形することにより製造することができる。発泡剤は、樹脂またはその組成物にあらかじめペレットなどの形態で含有させてもよく、発泡成形過程で樹脂組成物に添加または圧入してもよい。
発泡成形法としては、押出成形法(例えば、Tダイ法、インフレーション法など)、射出成形法などを使用することができる。
【0024】
<発泡成形体の細断物>
本開示の発泡成形体の細断物は、断面が円形、楕円形、多角形、不定形の棒状の発泡成形体を細断して得られるものである。
棒状の発泡成形体は、外径1~100mmのものが好ましく、外径5~50mmのものがより好ましい。前記外径は、断面が円形以外のものは、同一面積の円に換算したときの寸法である。
【0025】
細断物は、板状、柱状または不定形にすることができる。
細断物は、最大長が2~2000mmの範囲のものであり、好ましくは最大長が10~1000mmのものである。
細断物が円板状のとき最大長は直径であり、細断物が円柱状のとき最大長は円柱の長さである。
【0026】
本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせなどは一例であって、本発明の開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【実施例0027】
EVA-1:住友化学製エバテートK3010 VA含量28wt%、MFR 7 g/10min.
EVA-2:住友化学製エバテートH2020 VA含量15wt%、MFR 1.5 g/10min.
EVA-3:住友化学製エバテートH1010 VA含量15wt%、MFR 0.6 g/10min.
EVA-4:住友化学製エバテートD3010 VA含量10wt%、MFR 6g/10min.
EVA-5:住友化学製エバテートD2021FVA含量5wt%、MFR 2g/10min.
LDPE:日本ポリエチレン製ノバテックLF443
ポリプロピレン:住友化学製ノーブレンW101、MFR9g/10min.
ステアリン酸モノグリセライド:理研ビタミン製リケマールH-100
タルク:日本タルク製ローズタルク
【0028】
(1)連続気泡率(%)
得られた発泡体を、予め重量を測定し、水中に静置した後、-400mmHgの減圧下に1分間放置して、連続気泡構造の中に水を浸透させた。減圧状態から大気圧力に戻し、発泡体の表面に付着した水を除去して重量を測定した後、以下の式により算出した。
連続気泡率(%)={(w2-w1)/ρw}/(w1/ρf-w1/ρr)
(式中、w2は吸水後の発泡体重量、w1は吸水前の発泡体重量、ρfは発泡体の見掛密度、ρrは発泡体に使用されている樹脂組成物の密度、ρwは測定時の水の密度を示す)。
独立気泡率(%)は、100%-連続気泡率から求めた。
【0029】
(2)発泡倍率
発泡倍率は、発泡体の見掛密度ρf(g/cm3)を測定して、以下の式により算出した。
発泡倍率(倍)=ρ/ρf
[式中、ρは発泡前の樹脂密度(g/cm3)を示す]。
【0030】
(3)見掛け密度(g/cm3)
水中置換法により、見掛密度を測定した。すなわち、発泡体の空気中の重さ(g)と水中での重さ(g)とに基づいて、以下の式により見掛密度を算出した。
見掛密度ρf(g/cm3)=A/(A-B)×(ρw-d)+d
[式中、Aは試料の空気中の重さ(g)、Bは試料の水中の重さ(g)、ρwは水の密度(g/cm3)、dは空気の密度(g/cm3)を示す]。
【0031】
(4)形状復元率(%)
実施例及び比較例で得られた円筒状の発泡体(直径10mm、高さ10mm)を高さ方向に50%まで圧縮し(すなわち、高さ5mmまで圧縮し)たのち、直ちに圧縮を中止又は解放して、60秒後の復元性(復元率)を、原形(高さ10mm)に対する60秒後の高さYの比×100[すなわち、復元率=(Y/10)×100(%)]として評価した。
【0032】
(5)樹脂圧力(g/cm2)
押出成形するときの圧力(樹脂の押出圧力)であり、最小圧力と最大圧力を示した。
最小圧力と最大圧力のそれぞれの値が小さく、かつ最小圧力と最大圧力の差が小さいほど押し出し成形性が良いことを示す。
【0033】
実施例1~5、比較例1~4
押出機(スクリュー径50mm/シリンダー径60mm)を用いて表1に示す各成分を混練溶融させながら、イソブタン/n-ペンタン(質量比)=50/50の混合発泡剤を注入した。
その後、さらに混練しながら冷却して、ダイスから混合物を棒状に押出して、
図1および
図2に示す発泡成形体(外径5mm)を得た。
各測定結果を表1に示す。
【0034】
【0035】
実施例6
実施例1~5で得られた棒状の発泡成形体を長さ約20mmの円柱状に切断して、クッションの中味素材を得た。
得られた中味素材約3900gを布製カバー(直径70cm×高さ30cmの円柱形)に詰め込んで、クッションを作製した。
作製したクッションは、使い心地が良く、使用中の復元性も良好であった。