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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112292
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】圧接コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/2452 20180101AFI20230804BHJP
   H01R 4/2433 20180101ALI20230804BHJP
【FI】
H01R4/2452
H01R4/2433
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013975
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】小山 勝三郎
(72)【発明者】
【氏名】澤田 高生
(72)【発明者】
【氏名】萬谷 祐人
【テーマコード(参考)】
5E012
【Fターム(参考)】
5E012AA03
5E012AA13
(57)【要約】
【課題】幹線ケーブルと圧接コンタクトとの接続作業が容易な圧接コネクタを提供する。
【解決手段】圧接コネクタ10は、複数の圧接コンタクト2とソケットハウジング1を備える。ソケットハウジング1は、複数の圧接コンタクト2を固定している。又、圧接コネクタ10は、上部ハウジング3とヒンジ部3hで結合したカバーハウジング31を備える。幹線ケーブルCbを上部ハウジング3の載置面に載置し、カバーハウジング31を閉じて、幹線ケーブルCbを上部ハウジング3に保持した状態において、工具9の先端部を挿通開口41hに挿通し、工具9を回動することで、挿通開口41hを支点にして上部ハウジング3をソケットハウジング1に押圧できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被覆電線を並列配置した並列多芯ケーブルと電気的に接続できる圧接コネクタであって、
前記被覆電線を圧接接続により結線する電線接続部を先端部側に有し、相手側コンタクトと接続自在なコンタクト接続部を基端部側に有する複数の圧接コンタクトと、
複数の前記圧接コンタクトの中間部を固定した直方体状のソケットハウジングと、
前記ソケットハウジングと篏合でき、並列多芯ケーブルの前記被覆電線を外周方向から導入自在な第1の電線導入溝、及び、前記圧接コンタクトの電線接続部が進入可能なスリットを並列多芯ケーブルの載置面に形成した板状の上部ハウジングと、
前記上部ハウジングの一方の端部に形成した屈曲自在なヒンジ部と端縁が結合し、並列多芯ケーブルの前記被覆電線を外周方向から導入自在な第2の電線導入溝を並列多芯ケーブルの押圧面に形成した板状のカバーハウジングと、を備え、
前記ソケットハウジングは、窓を基端部側に開口し、前記ソケットハウジングの端部から起立した起立片を有し、
並列多芯ケーブルを前記上部ハウジングの載置面に載置し、前記カバーハウジングを閉じて、並列多芯ケーブルを前記上部ハウジングに保持した状態において、
棒状の工具の先端部を前記窓に挿通し、前記工具を回動することで、前記窓を支点にして前記上部ハウジングを前記ソケットハウジングに押圧できる、圧接コネクタ。
【請求項2】
前記起立片は、一対の斜壁で基端部側が補強されている、請求項1記載の圧接コネクタ。
【請求項3】
前記起立片に固定し、前記窓を介して、前記工具の先端部を挿通自在な挿通開口を形成した金属製の補強板を更に備えている、請求項1又は2記載の圧接コネクタ。
【請求項4】
並列多芯ケーブルは、複数の芯線とこれらの芯線を被覆した被覆部を有し、
前記電線接続部は、
中間部に向かって切り欠き、前記芯線を外周方向から導入自在な切り欠き溝と、
前記切り欠き溝の両側に配置され、前記被覆部を切断可能な一対の圧接片と、を有し、
前記コンタクト接続部は、相手側コンタクトを挟持可能な一対の挟持片を有し、
前記電線接続部を面方向に対向配置している、請求項1から3のいずれかに記載の圧接コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧接コネクタに関する。特に、圧接接続により、複数の被覆電線を並列配置した並列多芯ケーブルと電気的に接続できる圧接コネクタの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、FA(ファクトリーオートメーション)を導入する工場では、複数の被覆電線を並列配置した並列多芯ケーブル(いわゆる、幹線ケーブル)の途中から複数の支線を分岐し、これらの支線を入出力機器又はアクチュエータに電気的に接続している。
【0003】
ところで、幹線ケーブルの途中から複数の支線を分岐する場合には、工場の内部に配置された入出力機器の位置に対応して、幹線ケーブルの分岐点を予め特定するのが容易で無いことから、幹線ケーブルの長さ方向の任意の位置に、幹線ケーブルと接続できる圧接コネクタが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4-319267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1による圧接コネクタは、直方体状の上部ハウジングと上部ハウジングと篏合できる下部ハウジングを備えている。上部ハウジングは、幹線ケーブルと接続できる複数の圧接コンタクトを内部に配列している。圧接コンタクトは、圧接接続部を上部ハウジングの底部側に突出している。下部ハウジングは、その長手方向の端縁に形成したヒンジ部と屈曲自在に結合したカバーハウジングを有している。
【0006】
特許文献1による圧接コネクタは、カバーハウジングが上部ハウジングの底面を閉じることで、複数の電線を上部ハウジングの底部に向かって押し上げ、圧接コンタクトの圧接接続部と複数の電線を電気的に接続できる。特許文献1による圧接コネクタは、下部ハウジングとカバーハウジングを一体成形することで、圧接コネクタの組立作業が容易になる、としている。
【0007】
従来技術による圧接コネクタは、幹線ケーブルの長さ方向の任意の位置に取り付けることができるので、配線作業の自由度を確保できる。しかしながら、従来技術よる圧接コネクタは、カバーハウジングを閉じて、圧接接続部により、複数の被覆電線を圧接コンタクトで一度に押し込むには、相当の力を要し、配線作業が容易でないという問題がある。
【0008】
圧接接続により、複数の被覆電線を並列配置した並列多芯ケーブルと電気的に接続できる圧接コネクタであって、並列多芯ケーブルと圧接コンタクトとの接続作業が容易な圧接コネクタが求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、複数の被覆電線を並列配置した並列多芯ケーブルと圧接コンタクトとの接続作業が容易な圧接コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を満たすため、圧接接続により、複数の被覆電線を並列配置した並列多芯ケーブルと電気的に接続できる圧接コネクタであって、複数の圧接コンタクトを有するソケットハウジング、ソケットハウジングと篏合でき、電線を導入可能な上部ハウジング、及び、上部ハウジングとヒンジ部で結合したカバーハウジングで圧接コネクタを構成し、棒状の工具を用いて、カバーハウジングを上部ハウジングに押圧し、上部ハウジングをソケットハウジングに押圧することで、上記の課題を解決可能なことを見出し、これに基づいて、以下のような新たな圧接コネクタを発明するに至った。
【0011】
(1)本発明による圧接コネクタは、複数の被覆電線を並列配置した並列多芯ケーブルと電気的に接続できる圧接コネクタであって、前記被覆電線を圧接接続により結線する電線接続部を先端部側に有し、相手側コンタクトと接続自在なコンタクト接続部を基端部側に有する複数の圧接コンタクトと、複数の前記圧接コンタクトの中間部を固定した直方体状のソケットハウジングと、前記ソケットハウジングと篏合でき、並列多芯ケーブルの前記被覆電線を外周方向から導入自在な第1の電線導入溝、及び、前記圧接コンタクトの電線接続部が進入可能なスリットを並列多芯ケーブルの載置面に形成した板状の上部ハウジングと、前記上部ハウジングの一方の端部に形成した屈曲自在なヒンジ部と端縁が結合し、並列多芯ケーブルの前記被覆電線を外周方向から導入自在な第2の電線導入溝を並列多芯ケーブルの押圧面に形成した板状のカバーハウジングと、を備え、前記ソケットハウジングは、窓を基端部側に開口し、前記ソケットハウジングの端部から起立した起立片を有し、並列多芯ケーブルを前記上部ハウジングの載置面に載置し、前記カバーハウジングを閉じて、並列多芯ケーブルを前記上部ハウジングに保持した状態において、棒状の工具の先端部を前記窓に挿通し、前記工具を回動することで、前記窓を支点にして前記上部ハウジングを前記ソケットハウジングに押圧できる。
【0012】
(2)前記起立片は、一対の斜壁で基端部側が補強されていることが好ましい。
【0013】
(3)本発明による圧接コネクタは、前記起立片に固定し、前記窓を介して、前記工具の先端部を挿通自在な挿通開口を形成した金属製の補強板を更に備えていることが好ましい。
【0014】
(4)並列多芯ケーブルは、複数の芯線とこれらの芯線を被覆した被覆部を有し、前記電線接続部は、中間部に向かって切り欠き、前記芯線を外周方向から導入自在な切り欠き溝と、前記切り欠き溝の両側に配置され、前記被覆部を切断可能な一対の圧接片と、を有し、前記コンタクト接続部は、相手側コンタクトを挟持可能な一対の挟持片を有し、前記電線接続部を面方向に対向配置していることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明による圧接コネクタは、圧接接続により、複数の被覆電線を並列配置した並列多芯ケーブルと電気的に接続できる圧接コネクタであって、複数の圧接コンタクトを有するソケットハウジング、ソケットハウジングと篏合でき、電線を導入可能な上部ハウジング、及び、上部ハウジングとヒンジ部で結合したカバーハウジングで圧接コネクタを構成し、棒状の工具を用いて、カバーハウジングを上部ハウジングに押圧し、上部ハウジングをソケットハウジングに押圧することで、並列多芯ケーブルと圧接コンタクトとの接続作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による圧接コネクタの構成を示す斜視図であり、圧接コネクタを並列多芯ケーブルに接続した状態図である。
図2】前記実施形態による圧接コネクタの構成を示す斜視分解組立図である。
図3】前記実施形態による圧接コネクタに備わるカバーハウジング付き上部ハウジングの構成を示す斜視図であり、図3(A)は、上部ハウジングに対してカバーハウジングを開いた状態図、図3(B)は、上部ハウジングに対してカバーハウジングを閉じた状態図である。
図4】前記実施形態による圧接コネクタに備わる圧接コンタクトの構成を示す斜視図である。
図5】前記実施形態による圧接コネクタに備わるソケットハウジングの構成を示す図であり、図5(A)は、ソケットハウジングの正面図、図5(B)は、ソケットハウジングの平面図、図5(C)は、ソケットハウジングの右側面図、図5(D)は、ソケットハウジングの左側面図、図5(E)は、ソケットハウジングの下面図、図5(F)は、ソケットハウジングの背面図である。
図6】前記実施形態による圧接コネクタに備わる補強板の構成を示す斜視図である。
図7】前記実施形態による圧接コネクタが接続されるベースコネクタの構成を示す斜視図である。
図8】前記実施形態による圧接コネクタの縦断面図であり、図8(A)は、圧接コネクタをベースコネクタに接続する前の状態図、図8(B)は、圧接コネクタをベースコネクタに接続した状態図、図8(C)は、上部ハウジングの載置面に並列多芯ケーブルを載置した状態図である。
図9】前記実施形態による圧接コネクタの縦断面図であり、図9(A)は、上部ハウジングに対してカバーハウジングを閉じた状態で、工具の先端部を補強板の挿通開口に差し込んだ状態図、図9(B)は、図9(A)に示した状態から工具を操作して、上部ハウジングに対してカバーハウジングを押圧した状態図である。
図10】前記実施形態による圧接コネクタの斜視図であり、図10(A)は、圧接コネクタをベースコネクタに接続する前の状態図、図10(B)は、圧接コネクタをベースコネクタに接続した状態図、図10(C)は、上部ハウジングの載置面に並列多芯ケーブルを載置した状態図、図10(D)は、上部ハウジングに対してカバーハウジングを閉じた状態で、工具の先端部を補強板の挿通開口に差し込んだ状態図、図10(E)は、図10(D)に示した状態から工具を操作して、上部ハウジングに対してカバーハウジングを押圧した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。なお、実施形態による圧接コネクタは、ベースコネクタに接続できる形態を説明する。又、ベースコネクタは、制御ユニットに実装される形態を説明する。
【0018】
[圧接コネクタの構成]
最初に、本発明の一実施形態による圧接コネクタの構成を説明する。図1から図6を参照すると、本発明の一実施形態による圧接コネクタ10は、並列多芯ケーブル(以下、幹線ケーブルという)Cbと電気的に接続できる。幹線ケーブルCbは、複数の被覆電線を並列配置している(図1又は図2参照)。幹線ケーブルCbは、複数の芯線Wcとこれらの芯線Wcを被覆した被覆部Wiを有している。
【0019】
図2から図5を参照すると、圧接コネクタ10は、直方体状のソケットハウジング1と複数の圧接コンタクト2を備えている。ソケットハウジング1は、圧接コンタクト2の中間部を固定している。圧接コンタクト2は、電線接続部2aを先端部側に有し、コンタクト接続部2bを基端部側に有している(図4参照)。電線接続部2aは、被覆電線を圧接接続により結線できる。コンタクト接続部2bは、相手側コンタクトと接続できる。
【0020】
又、図2から図5を参照すると、圧接コネクタ10は、板状の上部ハウジング3と板状のカバーハウジング31を備えている。上部ハウジング3は、ソケットハウジング1と篏合できる(図2参照)。又、上部ハウジング3は半円弧状の第1の電線導入溝3d及びスリット3sを幹線ケーブルCbの載置面に形成している(図3(A)参照)。
【0021】
図3を参照すると、第1の電線導入溝3dは、幹線ケーブルCbの被覆電線を外周方向から導入できる。スリット3sには、圧接コンタクト2の電線接続部2aを進入できる。第1の電線導入溝3dが延びる方向に対して、スリット3sは横断している。
【0022】
図3を参照すると、カバーハウジング31は、上部ハウジング3の一方の端部に形成した屈曲自在なヒンジ部3hと端縁が結合している。又、カバーハウジング31は、第2の電線導入溝31dを幹線ケーブルCbの押圧面に形成している(図3(A)参照)。第2の電線導入溝31dには、幹線ケーブルCbの被覆電線を外周方向から導入できる。
【0023】
図1又は図5を参照すると、ソケットハウジング1は、その端部から起立した起立片11を有している。起立片11は、窓11wを基端部側に開口している(図5(A)参照)。幹線ケーブルCbを上部ハウジング3の載置面に載置し、カバーハウジング31を閉じて、幹線ケーブルCbを上部ハウジング3に保持した状態において(図9(B)又は図10(D)参照)、棒状の工具9の先端部を窓11wに挿通し、工具9を回動することで、窓を支点にして上部ハウジング3をソケットハウジング1に押圧できる。
【0024】
(圧接コンタクトの構成)
次に、圧接コンタクト2の構成を説明する。図4を参照して、圧接コンタクト2は、導電性を有する金属板からなり、打ち抜き加工した展開板(図示せず)を折り曲げ成形することで、所望の形状の圧接コンタクトを得ることできる。圧接コンタクト2は、銅合金などの導電性を有する金属板が好ましいが、銅合金に限定されない。
【0025】
図4を参照すると、電線接続部2aは、切り欠き溝22dと一対の圧接片22・22を有している。切り欠き溝22dは、圧接コンタクト2の中間部に向かって切り欠かれている。そして、切り欠き溝22dには、芯線Wcを外周方向から導入できる。
【0026】
図4を参照すると、コンタクト接続部2bは、一対の挟持片23・23を有している。一対の挟持片23・23は、相手側コンタクトとなるポスト51の一片を挟持できる(図2又は図7参照)。圧接コンタクト2の中間部は、C形の胴部21を形成している。電線接続部2aは、面方向に対向配置している。これにより、幹線ケーブルCbの芯線Wcと二点接触できる。
【0027】
(ソケットハウジングの構成)
次に、ソケットハウジング1の構成を説明する。図5を参照すると、ソケットハウジング1は、凸部12を中間部から段差をもって突出している。凸部12は、ベースハウジング5hに設けた挿入開口5aと嵌合できる。又、凸部12は、キー溝1dを外周に形成している。キー溝1dは、ベースハウジング5hの内壁に設けたキー5kと嵌合できる。これにより、ベースコネクタ5に対して、ソケットハウジング1の誤挿入を防止できる。
【0028】
図1又は図5を参照すると、起立片11は、一組の斜壁112・112を基端部に形成している。一組の斜壁112・112を起立片11の基端部に形成することで、工具9の操作に対する強度を補強できる。
【0029】
(補強板の構成)
図2又は図6を参照すると、圧接コネクタ10は、矩形の金属製の補強板4を更に備えている。補強板4は、ソケットハウジング1の背面側に設けた圧入溝13hに圧入できる(図5(E)参照)。図6を参照すると、補強板4は、挿通開口41hを中央部に開口している。挿通開口41hには、工具9の先端部911を挿通できる。
【0030】
又、図6を参照すると、補強板4は、一対の刺片4b・4bを両側面に設けている。一対の刺片4b・4bを補強板4の両側面に設けることで、補強板4を圧入溝13hに確実に圧入できる。
【0031】
(カバーハウジングの構成)
次に、カバーハウジング31の構成を説明する。図3を参照すると、カバーハウジング31は、台形台状の山部311を有している。山部311は、幹線ケーブルCbの押圧面の反対面から突出している。図9を参照すると、工具9を回動操作したときに作用点として機能する。
【0032】
又、図3を参照すると、カバーハウジング31は、ロック片31rを有している。カバーハウジング31にロック片31rを設けることで、上部ハウジング3に対して、カバーハウジング31をロックできる。
【0033】
(工具の構成)
図1又は図2を参照すると、工具9は、入手が容易なマイナスドライバを用いることが好ましい。工具9は、軸部91の先端部911に帯状の刃先を有している。工具9は、マイナスドライバに限定されない。他の棒状の工具で代用することもできる。
【0034】
図1又は図2を参照すると、圧接コネクタ10は、ベースコネクタ5と電気的に接続できる。ベースコネクタ5は、制御ユニット6に実装されている。制御ユニット6は、図示しないケーブルを介して、入出力機器又はアクチュエータに電気的に接続している。
【0035】
図2又は図7及び図8を参照すると、ベースコネクタ5に設けたポスト51は、その一片を一対の挟持片23・23と接続できる(図4参照)。ポスト51の他片は、プリント基板5pにはんだ接合されている(図2参照)。プリント基板5pは、ベースハウジング5hに取り付けられている。本実施例では、圧接コネクタ10とベースコネクタ5が電気的に接続する構成としたが、それに限定されるものでなく、圧接コネクタ10の相手側は中継用のケーブルコネクタでもよい。
【0036】
[圧接コネクタの作用]
次に、圧接コネクタ10の動作を説明しながら、圧接コネクタ10の作用及び効果を説明する。最初に、図8(A)又は図10(A)を参照して、カバーハウジング31を開いた状態で、ベースコネクタ5の上方に圧接コネクタ10を配置する。
【0037】
次に、図8(B)又は図10(B)を参照して、圧接コネクタ10をベースコネクタ5に接続し、上部ハウジング3の上方に幹線ケーブルCbを配置する。次に、図8(C)又は図10(C)を参照して、上部ハウジング3の載置面に幹線ケーブルCbを載置する。
【0038】
次に、図9(A)又は図10(D)を参照して、上部ハウジング3に対してカバーハウジング31を閉じた後に、補強板4の挿通開口41h(図6参照)に工具9の先端部911を挿入する。次に、図9(B)又は図10(E)を参照して、挿通開口41hの上縁を支点に工具9を回動することで、カバーハウジング31が幹線ケーブルCbを押し下げ、相対的に一対の圧接片22・22がスリット3s(図3(A)参照)を通過して、幹線ケーブルCbと圧接接続できる。そして、一連のケーブル接続加工を終了する。
【0039】
本発明による圧接コネクタは、並列多芯ケーブルの長さ方向の任意の位置で並列多芯ケーブルと電気的に接続できる。
本発明による圧接コネクタは、てこの原理を応用して、カバーハウジング31を押圧することで、上部ハウジング3と並列多芯ケーブルをソケットハウジングに押し下げることができるので、並列多芯ケーブルと圧接コンタクトとの接続作業が容易である。
本発明による圧接コネクタは、入手が容易な市販のマイナスドライバを用いて、圧接加工できる。
【0040】
本発明による圧接コネクタは、モータ又は照明など様々な接続部品に対して、現場作業員がドライバを用いて簡単に配線接続できる。ハーネス加工を省略できる。又、本発明による圧接コネクタは、電子機器の内部に設置した端子台と置き換えることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 ソケットハウジング
2 圧接コンタクト
3 上部ハウジング
3h ヒンジ部
9 工具
10 圧接コネクタ
11 起立片
31 カバーハウジング
Cb 幹線ケーブル(並列多芯ケーブル)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10