(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112293
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】商品提供装置
(51)【国際特許分類】
G07F 9/00 20060101AFI20230804BHJP
G07F 9/02 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
G07F9/00 Z
G07F9/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022013976
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100156605
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 彰彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤広
【テーマコード(参考)】
3E044
【Fターム(参考)】
3E044AA01
3E044BA01
3E044CA01
3E044DB07
3E044DE10
3E044EB01
3E044FB09
3E044FB17
(57)【要約】
【課題】利用者に増量感を実感しやすくする。
【解決手段】本発明は、利用者が排出口から排出された商品を取出口から取り出せるようにした商品提供装置であって提供数量を無作為に決定する数量決定部と、複数の単位物品を繋げて連続状態にした商品群のうちの前記決定された提供数量分の単位物品が、連続状態のまま前記排出口から排出されるように搬送する搬送部と、前記排出口から前記取出口へ向かう経路に沿って設けられ、連続状態のまま前記排出口から排出された前記提供数量分の単位物品を、前記利用者に提供する商品として提示する商品提示部と、を備える商品提供装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が排出口から排出された商品を取出口から取り出せるようにした商品提供装置であって、
提供数量を無作為に決定する数量決定部と、
複数の単位物品を繋げて連続状態にした商品群のうちの前記決定された提供数量分の単位物品が、連続状態のまま前記排出口から排出されるように搬送する搬送部と、
前記排出口から前記取出口へ向かう経路に沿って設けられ、連続状態のまま前記排出口から排出された前記提供数量分の単位物品を、前記利用者に提供する商品として提示する商品提示部と、
を備える商品提供装置。
【請求項2】
前記利用者に提供する商品として提示された前記提供数量分の単位物品を、前記商品群から分離させる分離部と、
を備える請求項1に記載の商品提供装置。
【請求項3】
前記商品提示部は、前記利用者に提供する商品として提示された前記提供数量分の単位物品に対し、光を発する発光部を備える、
請求項1又は2に記載の商品提供装置。
【請求項4】
前記決定された提供数量分の単位物品が、連続状態のまま前記排出口から順次排出されて行き、前記取出口へ向かうときの移動に合わせて、前記発光部を発光させる制御を行う発光制御部と、
を備える請求項3に記載の商品提供装置。
【請求項5】
前記数量決定部は、提供数量を無作為に決定せずに、
前記商品群に含まれる単位物品の残量に応じて提供数量を決定する、
請求項1-4のいずれかに記載の商品提供装置。
【請求項6】
前記商品群は、1つの区分に対応付けて配置された単位物品と複数の区分に対応付けて配置された単位物品を複数繋げて連続状態にしたものであり、
1つの区分に対応付けて配置された単位物品又は複数の区分に対応付けて配置された単位物品を検出するための商品検出部をさらに備え、
前記搬送部は、前記商品検出部によって複数の区分に対応付けて配置された単位物品が検出された場合に、1つの区分に対応付けて配置された単位物品が検出された場合とは異なる搬送量で搬送する、
請求項1-5のいずれかに記載の商品提供装置。
【請求項7】
前記数量決定部は、利用者が商品提供を要求するための操作を行う前に、提供数量を無作為に決定し、
前記搬送部は、前記利用者が前記操作を行った後に、前記決定された提供数量分の単位物品を搬送する、
請求項1-6のいずれかに記載の商品提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
提供数量がランダムに決定された商品を利用者に提供する商品提供装置が知られている(たとえば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】クラシエフーズ、"チュッパチャプス"、[online]、[令和3年12月1日検索]、インターネット<URL:https://www.chupachups.jp/products/vending-machine>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような商品提供装置では、商品について提供数量が決定されたとしても、その商品を実際に手に取るまでは、どのくらい増量されたのかを利用者には実感しにくかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、商品について提供数量が決定された際に、利用者に増量感を実感しやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
利用者が排出口から排出された商品を取出口から取り出せるようにした商品提供装置であって、
提供数量を無作為に決定する数量決定部と、
複数の単位物品を繋げて連続状態にした商品群のうちの前記決定された提供数量分の単位物品が、連続状態のまま前記排出口から排出されるように搬送する搬送部と、
前記排出口から前記取出口へ向かう経路に沿って設けられ、連続状態のまま前記排出口から排出された前記提供数量分の単位物品を、前記利用者に提供する商品として提示する商品提示部と、
を備える商品提供装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本実施形態に係る自動販売機1の構成を示す概略図である。
【
図2】本実施形態に係る自動販売機1の排出口26周辺の構成を示す概略図である。
【
図3】本実施形態に係る自動販売機1の構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る商品群の構成を説明する図である。
図4Aは、商品群の説明図である。
図4Bは、シール表面の説明図である。
図4Cは、シール裏面の説明図である。
【
図5】本実施形態に係る搬送部16の構成を示す概略図である。
【
図6】本実施形態に係る自動販売機1の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係るシールの配置例を示す図である。
図7Aは、シール台紙の1区分に配置されたシールを示す図である。
図7Bは、シール台紙の複数区分に跨って配置されたシールの一例を示す図である。
図7Cは、シール台紙の複数区分に跨って配置されたシールの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
即ち、利用者が排出口から排出された商品を取出口から取り出せるようにした商品提供装置であって、
提供数量を無作為に決定する数量決定部と、
複数の単位物品を繋げて連続状態にした商品群のうちの前記決定された提供数量分の単位物品が、連続状態のまま前記排出口から排出されるように搬送する搬送部と、
前記排出口から前記取出口へ向かう経路に沿って設けられ、連続状態のまま前記排出口から排出された前記提供数量分の単位物品を、前記利用者に提供する商品として提示する商品提示部と、
を備える商品提供装置である。
このような商品提供装置によれば、提供数量が無作為に決定された際に、その決定された提供数量分の単位物品が、利用者に提供する商品として連続状態のままで提示されることになるため、利用者にとってみれば、その商品を実際に手に取るまでもなく、増量感や大量連続感を実感しやすくなる。
【0008】
また、かかる商品提供装置であって、
前記利用者に提供する商品として提示された前記提供数量分の単位物品を、前記商品群から分離させる分離部を備えることとしても良い。
このような商品提供装置によれば、商品として提示された前記提供数量分の単位物品が、商品群から分離されるため、その商品を取出口から取り出しやすくなる。
【0009】
また、かかる商品提供装置であって、
前記商品提示部は、前記利用者に提供する商品として提示された前記提供数量分の単位物品に対し、光を発する発光部を備えることとしても良い。
このような商品提供装置によれば、商品として提示された前記提供数量分の単位物品に対して光が照射され、その商品が目立つようになるため、利用者の興奮度を高めることができる。
【0010】
また、かかる商品提供装置であって、
前記決定された提供数量分の単位物品が、連続状態のまま前記排出口から順次排出されて行き、前記取出口へ向かうときの移動に合わせて、前記発光部を発光させる制御を行う発光制御部を備えることとしても良い。
このような商品提供装置によれば、排出口から取出口へ向かうときの移動に合わせて、商品として提示された前記提供数量分の単位物品に対して光が照射され、商品の移動と光の移動が連動することになるため、増量感や大量連続感をより実感し易くなる。
【0011】
また、かかる商品提供装置であって、
前記数量決定部は、提供数量を無作為に決定せずに、
前記商品群に含まれる単位物品の残量に応じて提供数量を決定することとしても良い。
このような商品提供装置によれば、前記商品群に含まれる単位物品を残らず払い出すことが可能となる。
【0012】
また、かかる商品提供装置であって、
前記商品群は、1つの区分に対応付けて配置された単位物品と複数の区分に対応付けて配置された単位物品を複数繋げて連続状態にしたものであり、
1つの区分に対応付けて配置された単位物品又は複数の区分に対応付けて配置された単位物品を検出するための商品検出部をさらに備え、
前記搬送部は、前記商品検出部によって複数の区分に対応付けて配置された単位物品が検出された場合に、1つの区分に対応付けて配置された単位物品が検出された場合とは異なる搬送量で搬送することとしても良い。
このような商品提供装置によれば、商品群の中に、複数の区分に対応付けて配置された単位物品が含まれていても、適切に単位物品を搬送することが可能となる。
【0013】
また、かかる商品提供装置であって、
前記数量決定部は、利用者が商品提供を要求するための操作を行う前に、提供数量を無作為に決定し、
前記搬送部は、前記利用者が前記操作を行った後に、前記決定された提供数量分の単位物品を搬送することとしても良い。
このような商品提供装置によれば、利用者が操作を行う前に提供数量を決定することができるため、利用者に商品を提供するための準備を早めに行うことが可能となる。
【0014】
===実施形態===
本実施形態では、商品を利用者に提供する商品提供装置の一例として、商品の一例としてのシールを利用者に自動で販売する自動販売機について、具体的に説明する。
【0015】
<<自動販売機1の構成>>
<全体構成について>
本実施形態に係る自動販売機1の構成例について、
図1乃至
図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る自動販売機1の構成を示す概略図である。
図2は、本実施形態に係る自動販売機1の排出口26周辺の構成を示す概略図である。
図3は、本実施形態に係る自動販売機1の構成を示すブロック図である。
【0016】
以下の説明では、
図1に示すように各方向を定義する。すなわち、鉛直方向を「上下方向」とし、重力に従って「上」と「下」を定義する。また、自動販売機1に対峙する利用者側から見たときを基準にして、手前側を「前」とし、奥側を「後」として「前後方向」定義する。また、上下方向及び前後方向に垂直な方向を「左右方向」とし、利用者側から見たときを基準にして、「右」と「左」を定義する。
【0017】
本実施形態に係る自動販売機1は、店舗(例えば、家電量販店、飲食店等)や利用施設(例えば、ショッピング施設、アミューズメント施設等)等に設定され、利用者による代金の支払いに応じてシールを販売するシール販売機である。本実施形態では、利用者が代金を支払うと、シールの提供数量を所定範囲の中からランダムに決定し、その決定された提供数量分のシールを商品として販売する。そのため、利用者が1回分の代金で購入できるシールは最低限の枚数に固定されないことから、シールの増量感を楽しむことが可能となっている。
【0018】
本実施形態における自動販売機1は、
図1乃至
図3に示すように、自動販売機の本体2と、扉体3と、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、商品保管部15と、搬送部16と、商品提示部17と、音声出力部18と、代金検出部19と、設定部20と、商品サンプル展示部25と、排出口26と、取出口27等を有している。
【0019】
扉体3は、
図1に示すように、本体2の前面に開閉可能に設けられている。本実施形態では、扉体3の左端が上下方向に延在する回動軸(不図示)を介して本体2に連結されているため、その軸周りに回転することによって開閉可能となっている。
【0020】
本実施形態における扉体3には、商品サンプル展示部25と、操作部13と、代金検出部19と、表示部14と、透明部3aと、音声出力部18と、取出口27が設けられている。
【0021】
商品サンプル展示部25は、扉体3の前面左側に設けられており、複数種類のシール見本(商品サンプル)を展示可能に構成されている。本実施形態における商品サンプル展示部25は、
図1に示すように、複数種類のシール見本を上下方向に陳列している。
【0022】
操作部13は、商品サンプル展示部25の下方に設けられており、利用者が商品を購入するために使用される。本実施形態における操作部13は、
図1に示すように、扉体3の前面左側に設けられた操作ボタン13aによって実現される。
【0023】
代金検出部19は、操作ボタン13aの下方に設けられており、利用者による代金の支払いを検出するためのものである。本実施形態における代金検出部19は、コイン投入口19aと、返却レバー19b、返却口19c、コイン検出センサー(不図示)と、コイン通過経路(不図示)、コインボックス(不図示)を有している。
【0024】
本実施形態では、利用者が硬貨をコイン投入口19aから投入すると、その投入された硬貨はコイン検出センサーによって検出される。コイン検出センサーは、例えば光学式のセンサーであって、コイン通貨経路上に取付けられている発光部と受光部により、その投入された硬貨の有無を検出する。コイン通貨経路を通過した硬貨は、コインボックスに収容される。
【0025】
表示部14は、
図1に示すように、扉体3の前面右上側に設けられており、ディスプレイ上で各種情報を表示するものである。本実施形態における表示部14は、ランダムに決定された提供数量をカウント表示できるように構成されており、例えば、7セグメントディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等によって実現される。なお、制御部11からの指令に基づき、商品購入に関する案内画面や商品の広告画面や、シール全てを排出したことによる在庫不足のエラー画面等を表示可能に構成してもよい。
【0026】
透明部3aは、透明な素材(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ガラス等)によって形成されており、商品サンプル展示部25や商品提示部17を外部から視認可能とするために、扉体3の少なくとも前面に設けられている。
【0027】
音声出力部18は、扉体3の前面左下側に設けられており、制御部11から出力された音声、効果音、警告音等の音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、音声出力するものである。例えば、スピーカー等によって実現される。
【0028】
取出口27は、
図1に示すように、扉体3の前面右下側に設けられており、ランダムに決定された提供数量分のシールを、利用者が取り出すためのものである。本実施形態では、ランダムに決定された提供数量分のシールは、商品群(以下、シール群とも呼ぶ)から分離されることによって、排出口26から落下する(
図2参照)。そのため、利用者はその落下したシールを連続状態のまま取出口27から取り出すことができるようになっている。
【0029】
本実施形態における本体2には、制御部11と、記憶部12と、商品保管部15と、搬送部16と、商品提示部17と、設定部20と、排出口26が設けられている。
【0030】
制御部11は、自動販売機1全体の制御を行うためのものであり、CPU(Central Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0031】
本実施形態における制御部11は、少なくとも数量決定部111と、搬送制御部112と、発光制御部113等を有している。
【0032】
数量決定部111は、提供数量を無作為に決定する処理を実行する機能を有している。本実施形態における数量決定部111は、利用者によって代金の支払いが行われると、所定範囲(所定下限数から所定上限数までの範囲)の中からシールの提供枚数を無作為に決定する。
【0033】
搬送制御部112は、シールを搬送する処理を実行する機能を有している。本実施形態における搬送制御部112は、例えば、シール群のうちの数量決定部111により決定された提供数量分のシールが、排出口26から取出口27へ向かう方向に移動するように搬送部16の制御を行う。
【0034】
発光制御部113は、商品提示部17にて光を照射する処理を実行する機能を有している。本実施形態における発光制御部113は、数量決定部111により決定された提供数量分のシールが、連続状態のまま排出口26から順次排出されて行き、取出口27へ向かうときの移動に合わせて、商品提示部17にて光を照射する制御を行う。
【0035】
記憶部12は、自動販売機1において必要となる各種プログラムや各種情報が記憶された読み取り専用の記憶領域であるROM(Read Only Memory)と、制御部11による演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)を有しており、例えば、フラッシュメモリやハードディスク等の不揮発性記憶装置によって実現される。本実施形態における記憶部12は、稼動中に設定された設定情報や稼動状況を記憶する。稼動状況の一例としては、最初にセットした未使用のシール群に含まれるシールの初期数量を記憶する。なお、シール排出の度に、初期数量から数量決定部111が決定した提供数量を差し引いた残量を記憶してもよい。
【0036】
商品保管部15は、複数の単位物品を繋げて連続状態にした商品群を、本体2の内部において保管するためのものである。本実施形態では、1枚のシールを単位物品として設定し、複数のシールを連続的に繋げたものをロール状に巻くことによって商品群(シール群)を形成している。そのため、本実施形態における商品保管部15は、ロール状の商品群(シール群)を回転可能に支持できるようになっている。
【0037】
搬送部16は、本体2の内部に設けられ、シールを搬送する所定の方向(以下、搬送方向という)に、シールを上流側から下流側に搬送するものである。本実施形態における搬送部16は、例えば、シール群のうちの無作為に決定された提供数量分のシールが、搬送方向に沿って、連続状態のまま排出口26から排出されるように搬送する。
【0038】
商品提示部17は、自動販売機1の前面において、代金を支払った利用者に提供する商品を提示するものである。
【0039】
本実施形態における商品提示部17は、
図1及び
図2に示すように、扉体3の透明部3aによって外部から視認可能となっているため、連続状態のまま排出口26から排出された提供数量分のシールを、利用者に提供する商品として提示できるようになっている。
【0040】
また、商品提示部17は、連続状態のまま排出口26から排出された提供数量分のシールが取出口27へ向かう経路に沿って設けられており、そのシールを排出口26から取出口27へ案内するガイドとしても機能する。
【0041】
また、商品提示部17は、
図1に示すように、上下方向に並んだ発光部の一例としての発光パネル17aを有している。発光パネル17aのそれぞれには、LED等の光源が設けられており、シールの裏面に対して光を照射する。
【0042】
設定部20は、販売者が設定操作を行う際に使用するためのものである。本実施形態における設定部20は、設定操作部(不図示)と、設定表示部(不図示)を有している。本実施形態では、販売者が設定表示部を見ながら設定操作部を操作して、1回分の代金を事前に設定することができる。そして、1回分の代金を設定すると、シールの提供数量の範囲(下限枚数から上限枚数までの範囲)が同時に設定されるようになっている。
【0043】
例えば、1回分の代金を「100円」、「200円」、「300円」の3段階に設定することができる場合、1回分の代金を「100円」に設定すると、シールの提供数量の範囲が「下限5枚から上限15枚までの範囲」に設定され、1回分の代金を「200円」に設定すると、シールの提供数量の範囲が「下限10枚から上限30枚までの範囲」に設定され、1回分の代金を「300円」に設定すると、シールの提供数量の範囲が「下限15枚から上限45枚までの範囲」に設定される。
【0044】
排出口26は、
図1及び
図2に示すように、本体2の前面右上側で、扉体3の表示部14の後方に設けられており、ランダムに決定された提供数量分のシールを、商品保管部15側から商品提示部17側へ排出するためのものである。本実施形態では、シール群のうちのランダムに決定された提供数量分のシールが、搬送部16によって連続状態のまま排出口26から順次排出される。
【0045】
<商品群について>
本実施形態に係る商品群の構成例について、
図4を用いて説明する。
図4は、本実施形態に係る商品群の構成を説明する図である。
図4Aは、商品群の説明図であり、
図4Bは、シール表面の説明図であり、
図4Cは、シール裏面の説明図である。
【0046】
商品群とは、複数の単位物品を繋げて連続状態にしたものである。本実施形態における商品群は、単位物品である1枚のシールを複数繋げて連続状態にしたシール群である。具体的には、
図4Aに示すように、シールが均等の間隔で並んで貼られた帯状に連続するシール台紙を、芯材にロール状に巻き付けて形成されたロールシールである。
【0047】
シールの表面には、
図4Bに示すように、デザインが印刷済みであるシールが、帯状のシール台紙が連続する方向に均等の間隔で、そのシール台紙に並べられている。シール台紙は、1枚のシールに対応するシール台紙の1区分を1つずつ切り離しやすくするために、境界位置の両端に切り込みを設けると共に、境界位置にミシン目や折り目等を設ける構成となっている。
【0048】
シールに印刷済みであるデザインには、予め複数種類が用意されている。本実施形態では、ロールシールにおいて、互いに繋がって隣り合うシールのデザインが異なるように配列されている。そのため、ランダムに決定された提供数量分のシールが提供されても、シールの種類が重複しにくいため、利用者の満足度を高めることができる。
【0049】
シールの裏面については、
図4Cに示すように、ロールシールを搬送するときの目印として利用されるマークが、シール台紙の1区分ごとに予め印刷されている。本実施形態におけるマークは、シール表面の印刷済みデザインの位置に対応するようにシール裏面(シール台紙の裏面)に印刷されている。このマークをセンサーが検知することで、ランダムに決定された提供数量分のシールをカウントして、その提供数量分のシールが排出口26に向かって搬送されているかを確認することができる。
【0050】
<搬送部16について>
本実施形態に係る搬送部16の構成例について、
図5を用いて説明する。
図5は、本実施形態に係る搬送部16の構成を示す概略図である。
【0051】
本実施形態における搬送部16は、
図5に示すように、給送ローラー16aと、搬送ローラー16bと、従動ローラー16cと、分離部16dと、不図示のマーク検出センサーを有している。
【0052】
給送ローラー16aは、ロールシールである商品群(シール群)が巻かれ回転可能に支持される巻軸を有しており、ロールシールが商品保管部15に保管されている状態で、その巻軸からロールシールを繰り出して排出口26側へ給送するためのローラーである。
【0053】
搬送ローラー16bは、給送ローラー16aによって給送されたロールシールを搬送方向に沿って搬送するローラーであり、不図示の搬送モーターによって駆動される。本実施形態における搬送ローラー16bは、
図5に示すように、給送ローラー16aに対して前後方向の下流側に設けられている。
【0054】
従動ローラー16cは、搬送ローラー16bの回転駆動に伴って回転するローラーである。本実施形態における従動ローラー16cは、搬送ローラー16bに対してロールシールを挟んで対向するように配置されている。
【0055】
このため、搬送制御部112の駆動制御により、搬送ローラー16bの回転駆動に伴って従動ローラー16cが回転することによってロールシールが搬送され、そのロールシールのうちの無作為に決定された提供数量分のシールが、連続状態のまま排出口26から順次排出されると共に、連続状態のまま商品提示部17へ徐々に流入して内部の直線経路(上下方向の上側から下側へ向かう経路)を進行し、取出口27へ向かうようになる。
【0056】
分離部16dは、搬送部16によって搬送されたロールシールの部位をロールシール本体から分離するためのものである。本実施形態における分離部16dは、
図5に示すように、カッター台16eと、カッター16fを備えている。
【0057】
本実施形態における分離部16dでは、カッター台16eと対向するようにカッター16fが配置されており、このカッター16fの後端にコイル(不図示)を巻き付け、このコイルに通電がなされると、カッター16fが固定磁石(不図示)に引き込まれて下方向へ移動し、コイルへの通電が停止されると、カッター16fがコイルバネ(不図示)の付勢力によって上方向へ移動するようになっている。したがって、搬送制御部112がコイルへの通電を行うことで、停止中のロールシールにカッター16fの刃が接するため、カッター16fの刃に接したロールシールの部位がカットされる。
【0058】
マーク検出センサーは、ロールシールの搬送方向に沿って設けられ、搬送部16によってロールシールが搬送方向に搬送される際に、シール裏面に印刷されたマークを検出するものである。搬送制御部112は、このマーク検出センサーからの検出信号に基づき、ランダムに決定された提供数量をカウントすることで、排出口26から排出させるロールシールの搬送量(ロールシールの部位の長さ)を調整したり、分離部16dによって切り離される位置を調整したりする。また、搬送制御部112は、シールの搬送中にマーク検出センサーがマークを検出できない場合、エラーであること(例えば、シールを全て排出してしまった、又はシールが正しく搬送されていない等)を判定する。
【0059】
<<自動販売機1の動作>>
本実施形態に係る自動販売機1の動作例について、
図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係る自動販売機1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0060】
制御部11は、代金検出部19のコイン検出センサーからの検出信号に基づいて、代金の支払いが利用者によって行われたか否かを判定する(ステップS101)。
【0061】
代金の支払いがない場合は(ステップS101:NO)、代金の支払いがあるまで待機する。その一方で、代金の支払いがあった場合には(ステップS101:YES)、次のステップS102へ処理を進める。
【0062】
次いで、制御部11は、利用者によって代金の支払いが行われると、無作為に提供数量を決定する(ステップS102)。
【0063】
具体的には、数量決定部111は、利用者によって代金の支払いが行われると、所定範囲(所定下限数から所定上限数までの範囲)の中からシールの提供枚数をランダムに決定する。
【0064】
例えば、1回分の代金が「100円」に設定された場合に、シールの提供数量の範囲が「下限5枚から上限15枚までの範囲」に設定されているとすると、5枚から15枚の範囲内からランダムにシールの提供数量を決定する。
【0065】
なお、上限15枚が決定されにくくするために、他の枚数よりも当選確率を低く設定してもよい。また、上限枚数に近づくに連れて当選確率が低くなるように設定してもよい。また、投入金額ごとの払い出しの平均枚数を設定でき、払い出し枚数が設定枚数に基づいて平均化してもよい。
【0066】
次いで、制御部11は、操作部13からの操作信号に基づいて、利用者が商品購入のために操作入力を行ったか否かを判定する(ステップS103)。すなわち、代金を支払った利用者が、商品購入のために操作ボタン13aを押下したか否かを判定する。
【0067】
利用者が操作ボタン13aを押下していない場合は(ステップS103:NO)、操作ボタン13aが押下されるまで待機する。その一方で、利用者が操作ボタン13aを押下した場合には(ステップS103:YES)、次のステップS104へ処理を進める。
【0068】
次いで、制御部11は、利用者が操作ボタン13aを押下したことにより、その操作信号を受信すると、搬送部16が商品群であるロールシールを搬送するように制御を行う(ステップS104)。
【0069】
具体的には、搬送制御部112は、不図示の搬送モーターを駆動することによって搬送ローラー16bを回転させると、搬送ローラー16bの回転駆動に伴って従動ローラー16cが回転することにより、商品群であるロールシールを搬送方向に搬送する。この際、搬送制御部112は、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量に基づいて、商品群であるロールシールを搬送することになる。すなわち、搬送制御部112は、搬送部16のマーク検出センサーからの検出信号に基づき、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールが排出口26から排出するように、商品群であるロールシールの搬送量(ロールシールの部位の長さ)を調整することになる。
【0070】
次いで、制御部11は、商品群であるロールシールの搬送に伴って、商品提示部17の発光パネル17aが光を照射するように制御を行う(ステップS105)。
【0071】
具体的には、発光制御部113は、商品群であるロールシールの搬送に合わせて、商品提示部17において上下方向に並ぶ複数の発光パネル17aを順番に発光させる。この際、発光制御部113は、商品提示部17において、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールの排出口26から取出口27への移動に合わせて、上下方向の上側に位置する発光パネル17aから下側に位置する発光パネル17aへと順番に発光させることになる。すなわち、発光制御部113は、搬送部16のマーク検出センサーからの検出信号に基づき、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールが連続状態のまま排出口26から順次排出されるタイミングに合わせて、発光パネル17aを順次発光させることになる。
【0072】
このことにより、利用者にとってみれば、その決定された提供数量分のシールの連続状態での移動と、発光パネル17aの順次発光による光の移動とが、連動するように見えるので、そのシールの増量感や大量連続感を実感しやすくなる。
【0073】
次いで、制御部11は、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールの搬送が完了したか否かを判定する(ステップS106)。
【0074】
具体的には、搬送制御部112は、搬送部16のマーク検出センサーからの検出信号に基づいて、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールをカウントして行き、カウント数がその決定された提供数量に到達したか否かによってシールの搬送が完了したか否かを判定する。
【0075】
なお、制御部11は、このようにして上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールをカウントしている最中に、現時点のカウント数を表示部14にリアルタイムで表示するように制御してもよい。
【0076】
その決定された提供数量分のシールの搬送が完了していないと判定された場合は(ステップS106:NO)、上記ステップS104及びステップS105の処理を引き続き行う。その一方で、その決定された提供数量分のシールの搬送が完了したと判定された場合には(ステップS106:YES)、次のステップS107へ処理を進める。
【0077】
次いで、制御部11は、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールの搬送が完了すると、搬送部16に商品群であるロールシールの搬送を停止させる(ステップS107)。
【0078】
具体的には、搬送制御部112は、不図示の搬送モーターを停止することによって搬送ローラー16bの回転を停止させると、搬送ローラー16bの回転停止に伴って従動ローラー16cの回転も停止することにより、商品群であるロールシールの搬送が停止する。
【0079】
このようにして、商品群であるロールシールの搬送が停止すると、商品提示部17において、その決定された提供数量分のシールが連続状態のまま排出口26から露出した状態となるので、それが利用者に提供される商品として提示されることになる。このことにより、利用者にとってみれば、その決定された提供数量分のシールを実際に手に取るまでもなく、そのシールの増量感や大量連続感を実感しやすくなる。
【0080】
次いで、制御部11は、商品群であるロールシールの搬送が停止されたことに伴って、商品提示部17の発光パネル17aによる光の照射を停止する(ステップS108)。
【0081】
具体的には、発光制御部113は、商品群であるロールシールの搬送停止に合わせて、商品提示部17において発光パネル17aの発光を停止させる、又は、商品群であるロールシールが停止してから発光パネル17aの発光をしばらく継続させた後に発光を停止させる。
【0082】
次いで、制御部11は、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールが、商品群であるロールシールから分離されるように、搬送部16が備える分離部16dを制御する(ステップS109)。
【0083】
具体的には、搬送制御部112は、カッター16fの後端にあるコイル(不図示)への通電を行うことで、停止中のロールシールにカッター16fの刃が接するため、カッター16fの刃に接したロールシールの部位、つまり、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールをカットすることになる。これにより、その決定された提供数量分のシールが、ロールシール本体から分離されることになる。これにより、その決定された提供数量分のシールは、排出口26から商品提示部17の経路に沿って落下して、取出口27に到達する。
【0084】
このようにして、商品群であるロールシールから分離されると、利用者は、上記ステップ102の処理によって決定された提供数量分のシールを、連続状態のまま取出口27から取り出すことができる。
【0085】
以上のとおり、本実施形態に係る自動販売機1によれば、提供数量が無作為に決定されると、商品提示部17において、その決定された提供数量分のシールが、利用者に提供する商品として連続状態のままで提示されることになる。このため、利用者は、その決定された提供数量分のシールを実際に手に取るまでもなく、シールの増量感や大量連続感を視覚的に感じやすくなるので、その利用者の興奮度を高めることができる。
【0086】
===その他の実施形態===
上記の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。すなわち、本発明は、前述の実施形態と以下に述べる実施形態を適宜組み合わせて構成することも可能である。
また、前述の実施形態に開示されている複数の発明特定事項の適宜組み合わせて、種々の発明を構成することも可能である。例えば、前述の実施形態に開示される全発明特定事項からいくつかの発明特定事項を削除して発明を構成してもよいし、前述の実施形態に開示される全発明特定事項に対して以下に述べる実施形態に開示される発明特定事項を適宜組み合わせて発明を構成してもよい。
【0087】
<シール>
前述の実施形態では、1枚のシールを単位物品の一例として説明したが、以下では、シールの配置例について、
図7を用いて説明する。
図7は、シールの配置例を示す図である。
図7Aは、シール台紙の1区分に配置されたシールを示す図である。
図7Bは、シール台紙の複数区分に跨って配置されたシールの一例を示す図である。
図7Cは、シール台紙の複数区分に跨って配置されたシールの他の例を示す図である。
【0088】
自動販売機1では、単位物品である1枚のシールを、
図7Aに示すように、シール台紙の1区分ごとに対応付けておき、複数のシール(単位物品)を繋げて連続状態にしたシール群(ロールシール)を商品群として扱うことができるが、単位物品である1枚のシールを、シール台紙の複数区分に跨るように形成した場合にも、商品群として扱うことができる。この場合、自動販売機1には、シール台紙の1区分又は複数区分に配置されたシール(単位物品)を検出するための商品検出部を設けてもよい。
【0089】
例えば、
図7Bには、単位物品である1枚のシールが、シール台紙の2区分ごとに対応付けられている場合が示されている。この場合にも、複数のシール(単位物品)を繋げて連続状態にしたシール群(ロールシール)を商品群として扱うことができる。なお、搬送制御部112は、搬送部16のマーク検出センサーによって2つ分のマークが検出されたときに1枚のシールをカウントしたものとみなして、ロールシールの搬送量(ロールシールの部位の長さ)を調整することになる。
【0090】
また例えば、
図7Cには、単位物品である1枚のシールが、シール台紙の3区分ごとに対応付けられている場合が示されている。この場合にも、複数のシール(単位物品)を繋げて連続状態にしたシール群(ロールシール)を商品群として扱うことができる。なお、搬送制御部112は、搬送部16のマーク検出センサーによって3つ分のマークが検出されたときに1枚のシールをカウントしたものとみなして、ロールシールの搬送量(ロールシールの部位の長さ)を調整することになる。
【0091】
なお、1つのロールシール(シール群)を、シール台紙の1区分に配置されたシールのみで形成するだけでなく、シール台紙の複数区分に跨って配置されたシールのみで形成してもよい。
【0092】
また、シール台紙の1区分に配置されたシールと、シール台紙の複数区分に跨って配置されたシールを混在させて、1つのロールシール(シール群)を形成してもよい。この場合、予めロールシールの何枚目のシールが複数区分に跨っているか決めておくことで、排出の際に残り枚数から複数区分に跨ったシールを特定することができる。そして、シールの提供数量(排出枚数)を決定する際には、残り枚数から複数区分に跨ったシールを特定できた場合、複数区分に跨ったシールを除いた範囲で決定してもよい。これにより、複数区分に跨ったシールが1区分に配置されたシールとは異なる搬送量で搬送されることとなるので、途中でカットされないように調整できる。ただし、決定された提供数量(排出枚数)より多く排出されることになるが、利用者に対しては思いがけず得をした気分にさせることができる。
【0093】
また、シール台紙の1区分ごとのマークをマーク検出センサーが検出することで、複数区分に跨ったシールを正しく検出できずに、複数区分に跨ったシールを途中でカットしてしまうおそれがある。そのため、複数区分に跨ったシールに対応するシール台紙の複数区分のうち、1区分目のみにマークを印刷し(つまり、2区分目以降にはマークを配置しない)、複数区分に跨ったシールを1枚としてカウントさせてもよい。
【0094】
また、前述の実施形態では、シール裏面のマークを暗号化された識別コード(例えば、QRコード(登録商標)等)にし、そのマークを読み取ることによって不正に複製されたシールを使用しているか否かを判定してもよい。また、シール裏面のマークは、目に見えないようにすべくステルスインク等を使用して印刷してもよい。
【0095】
<提供数量>
前述の実施形態では、数量決定部111が、利用者によって代金の支払いが行われる度に(利用者が自動販売機1を利用する度に)、所定範囲(所定下限数から所定上限数までの範囲)の中からシールの提供数量を無作為に決定する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0096】
例えば、記憶部12に記憶された商品群の残数に応じて提供数量を決定してもよい。具体的には、商品群であるロールシールのシール残数が、所定下限数から所定上限数までのうちの所定上限数以下となった場合、無作為に決定せずに、そのシール残数に応じて提供数量を決定する。具体例としては、1回分の代金が「100円」に設定された場合に、シールの提供枚数の範囲が「下限5枚から上限15枚までの範囲」に設定されているとすると、数量決定部111が、ロールシールの全シール枚数と、これまで利用者に提供されたシールのカウント枚数とを比較して、ロールシールのシール残数が「上限15枚」以下となったと判定した場合に、無作為に決定せずに、提供枚数を「下限5枚」に決定する。この場合には、ロールシールのシール残数が「上限15枚」以下となると、それ以降の3回分の利用者には、提供枚数がそれぞれ「下限5枚」に決定されることになるので、最低枚数を確保しつつ、ロールシールを全て使い切ることができる。又は、ロールシールのシール残数が「上限15枚」以下となったと判定した場合に、無作為に決定せずに、提供枚数を「上限15枚」に決定してもよい。この場合には、ロールシールのシール残数が「上限15枚」以下となると、最後1回分の利用者には、提供枚数が「上限15枚」に決定されることになるので、最大枚数を確保しつつ、ロールシールを全て使い切ることができる。なお、ロールシールのシール残数が「上限15枚」以下となったと判定した場合に、シール不足であるものとして、表示部14にエラー表示してもよい。エラー表示を見た販売者は、扉体3を開けて、本体2内の商品保管部15にセットされているロールシートを、新たなロールシールと交換することになる。
【0097】
また、記憶部12に記憶されているシールの残り枚数が、1回分の代金に応じた提供数量範囲の最低数量より少ない場合、シールの提供数量の範囲に収まる代金のみを受け付けるようにしてもよい。例えば、シールの残り枚数が14枚であった場合、1回分の代金として「100円」が設定されたとすると、5枚から14枚の範囲で提供数量が決定され、1回分の代金として「200円」が設定されたとすると、10枚から30枚ではなく、10枚から14枚の範囲で提供数量が決定されるように制御する。その一方で、1回分の代金として「300円」が設定されている場合では、提供数量の範囲の最低数量である15枚より少ないため、200円が投入された時点で、これ以上の投入を受け付けないように制御し、例外的に「200円」を1回分の代金とする。
【0098】
また例えば、抽選ではなく、予め提供数量を決定しておいてもよい。具体的には、例えば1回分の代金が「100円」に設定された場合に、シールの提供枚数の範囲が「下限5枚から上限15枚までの範囲」に設定されているとすると、1回目の利用者には「5枚」、2回目の利用者には「6枚」、3回目の利用者には「7枚」のように、予め提供数量を決定しておいてもよい。その他の方法として、提供数量を毎回同じ数量になるように予め決定しておいてもよい。具体的には、例えば1回分の代金が「100円」に設定された場合に、毎回「5枚」に決定し、1回分の代金が「200円」に設定された場合には、毎回「10枚」に決定する。
【0099】
また例えば、投入金額ごとの払い出しの平均枚数を予め設定できるようにしておき、実際の払い出し枚数が、その予め設定された平均枚数に基づいて平均化させるように制御してもよい。
【0100】
また前述の実施形態では、数量決定部111が、利用者によって代金の支払いが行われたタイミングで、所定範囲(所定下限数から所定上限数までの範囲)の中からシールの提供数量を無作為に決定する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0101】
例えば、利用者によって操作ボタン13aが押下されたタイミングで、シールの提供数量を無作為に決定してもよい。
【0102】
<分離部>
前述の実施形態では、分離部16dによって、数量決定部111が決定した提供数量分のシールが、商品群であるロールシールから分離される場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0103】
例えば、自動販売機1が分離部16dを備えない構成とすることにより、又は、上下に可動しない刃を固定した分離部を備えた構成とすることにより、利用者自身が引っ張って、その決定された提供数量分のシールを、ロールシール本体から切り離せるように構成してもよい。
【0104】
<商品提示部内の経路>
前述の実施形態では、
図5に示すように、数量決定部111によって決定された提供数量分のシールが、連続状態のまま商品提示部17内の直線経路を進行する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0105】
例えば、商品提示部17内の経路は、上下方向の直線経路、左右方向の直線経路、前後方向の直線経路、曲線経路、螺旋形状の経路等、又はこれらを任意に組み合せたものであってもよい。
【0106】
<印刷部>
前述の実施形態では、デザインが印刷済みであるシールを用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0107】
例えば、自動販売機1内に印刷部(プリンター)を備える構成にしてもよい。この場合、記憶部12に記憶されたデザインデータを用いてシールに印刷した後に、そのデザイン印刷済みシールを搬送部16で搬送し、利用者に提供してもよい。
【0108】
<商品群>
前述の実施形態では、商品群であるロールシールにおいて、互いに繋がって隣り合うシールのデザインが異なるように配列されている場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一部において互いに繋がって隣り合うシールのデザインが同じ種類になるようにしてもよい。
【0109】
また前述の実施形態では、商品群であるロールシールにおいて、繋がっている複数のシールの中に、ノーマルな種類のシールとは別に、レアな種類のシールが含まれるように配列してもよい。このようにすることで、ロールシールの中に含まれるレアな種類のシールの枚数は少ないものの、数量決定部111によって決定された提供数量分のシールの中に、レアな種類のシールが入っている場合もあるので、利用者の期待感を高めることができる。
【0110】
また前述の実施形態では、複数の単位物品を繋げて連続状態にした商品群の一例として、複数のシールを繋げて連続状態にしたシール群(ロールシール)を用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0111】
例えば、1個の印刷物(カード等)を単位物品として、複数の印刷物を繋げて連続状態にしたものや、食品(菓子、例えばキャンディ、ガム、スナック類等)を個別に包装した1個の包装物を単位物品として、複数の包装物を繋げて連続状態にしたものでもよい。
【0112】
また前述の実施形態では、単位長さや単位重量で定義できるものを単位物品として、複数の単位物品の集合体を商品群としてもよい。
【0113】
例えば、帯状に長い食品(例えば、チューインガム等)、帯状に長い装飾品(例えば、リボン)等を商品群とし、その単位長さ分(例えば、5cm分)を単位物品としてもよい。この場合、商品提示部17内に透明なポリエチレン袋等を設置しておき、数量決定部111によって決定された提供数量分の食品等が、商品群であるロール状の食品群から連続状態のままその袋に排出されるようにする。
【0114】
また例えば、多量の液体(例えば、飲料水等)を商品群とし、その単位重量分(例えば、100ml分)を単位物品としてもよい。この場合、商品提示部17内に透明なポリエチレン袋等を設置しておき、数量決定部111によって決定された提供数量分の液体が、商品群である液体タンクからその袋に排出されるようにする。
【0115】
また前述の実施形態では、複数の単位物品を繋げて連続状態にした商品群の一例として、ロール状に巻いて形成された商品群(例えば、ロール状のシール群)を用いる場合を例に挙げて説明したが、多段に折り畳んで形成された商品群(例えば、折り畳み状のシール群)を用いてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 自動販売機
2 本体
3 扉体
3a 透明部
11 制御部
12 記憶部
13 操作部
13a 操作ボタン
14 表示部
15 商品保管部
16 搬送部
16a 給送ローラー
16b 搬送ローラー
16c 従動ローラー
16d 分離部
16e カッター台
16f カッター
17 商品提示部
17a 発光パネル
18 音声出力部
19 代金検出部
19a コイン投入口
19b 返却レバー
19c 返却口
20 設定部
25 商品サンプル展示部
26 排出口
27 取出口
111 数量決定部
112 搬送制御部
113 発光制御部