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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112334
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】デッキプレート及び合成構造体
(51)【国際特許分類】
   E04B 5/40 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
E04B5/40 D
E04B5/40 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014063
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000231110
【氏名又は名称】JFE建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】米澤 泰斗
(57)【要約】
【課題】製造現場および施工現場の両方において省力化することができるデッキプレート及び合成構造体を提供する
【解決手段】デッキプレート1は、合成構造体用のデッキプレートであって、板状のプレート本体2と、プレート本体2に補強部材200を支持させるための支持部3と、を備える。プレート本体2は、板厚方向の一方側に配置される第1面部としての底面部21と、他方側に配置される第2面部としての上面部22と、を板の面内に沿った並設方向(Y方向)において交互に有するとともに、並設方向における両端部2A,2Bには、底面部21よりも他方側に配置されて他のデッキプレートと接続される接続部25を有する。支持部3は、補強部材200を、底面部21に対して他方側に位置するように支持する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成構造体用のデッキプレートであって、
板状のプレート本体と、
前記プレート本体に補強部材を支持させるための支持部と、を備え、
前記プレート本体は、板厚方向の一方側に配置される第1面部と、他方側に配置される第2面部と、を板の面内に沿った並設方向において交互に有するとともに、前記並設方向における両端部には、前記第1面部よりも前記他方側に配置されて他のデッキプレートと接続される接続部を有し、
前記支持部は、前記補強部材を、前記第1面部に対して前記他方側に位置するように支持することを特徴とするデッキプレート。
【請求項2】
前記支持部は、前記第1面部のうち前記他方側の面に固定される固定部と、前記固定部に対して回動可能に軸支されるとともに前記補強部材を支持する起立部と、を有し、
前記起立部は、前記固定部に対して回動することで、前記板厚方向における前記補強部材と前記第1面部との間隔を調節可能であることを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート。
【請求項3】
前記プレート本体は、前記第1面部と前記第2面部とを接続するとともに前記板厚方向に対して傾斜した傾斜面部を有し、
前記支持部は、前記傾斜面部、前記傾斜面部と前記第2面部との境界部、前記傾斜面部と前記接続部との境界部に形成された凹部に係合する係合部を有して前記プレート本体に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート。
【請求項4】
前記凹部は、前記第1面部及び前記第2面部の延在方向に沿って延びる蟻溝であることを特徴とする請求項3に記載のデッキプレート。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のデッキプレートと、前記補強部材と、コンクリート構造体と、を備えた合成構造体であって、
前記プレート本体は、前記第1面部が梁に載置される底面部となり、
前記コンクリート構造体は、前記プレート本体の前記他方側の面に設けられ、
前記接続部は、前記梁から前記他方側に離隔した位置において他のデッキプレートの接続部と接続されることを特徴とする合成構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デッキプレート及び合成構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、合成スラブ構造に用いられる鉄筋構造体として、補強金網を支持する支持部材を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された鉄筋構造体では、波形鋼板に対して支持部材が折り畳み可能に構成されており、支持部材を折り畳んだ状態で搬送した後、施工現場において支持部材を組み立てることができるようになっており、搬送効率及び施工性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-29662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された鉄筋構造体では、支持部材が波状鋼板のうち谷底面部に支持されている。波状鋼板は、谷底面部が幅方向の両端部に位置するような向きで用いられ、谷底面部が隣り合う波状鋼板と接続される。このとき、谷底面部のうち、幅方向の中央に配置されるもの(他の波状鋼板と接続されないもの)と、幅方向の端部に配置されるもの(他の波状鋼板と接続されるもの)と、で形状が異なる場合があった。このため、それぞれの谷底面部に合わせた支持部材を設けなければならず、部品の種類が増加してしまい、製造現場での工数が増加する可能性があった。
【0005】
これに対し、波状鋼板における複数の山頂面部は互いに同様の形状を有していることから、山頂面部に支持部材を設ければ、部品の種類の増加を抑制し、製造現場での工数を低減することができる。一方、施工時において、山頂面部は作業者の足場として使われやすい部分であり、山頂面部に支持部材を配置すると、施工現場における作業性が低下してしまう。このように、製造現場と施工現場とのうち一方を省力化することはできても、両方を省略化することは困難であった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造現場および施工現場の両方において省力化することができるデッキプレート及び合成構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るデッキプレートは、合成構造体用のデッキプレートであって、板状のプレート本体と、前記プレート本体に補強部材を支持させるための支持部と、を備え、前記プレート本体は、板厚方向の一方側に配置される第1面部と、他方側に配置される第2面部と、を板の面内に沿った並設方向において交互に有するとともに、前記並設方向における両端部には、前記第1面部よりも前記他方側に配置されて他のデッキプレートと接続される接続部を有し、前記支持部は、前記補強部材を、前記第1面部に対して前記他方側に位置するように支持することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記支持部は、前記第1面部のうち前記他方側の面に固定される固定部と、前記固定部に対して回動可能に軸支されるとともに前記補強部材を支持する起立部と、を有し、前記起立部は、前記固定部に対して回動することで、前記板厚方向における前記補強部材と前記第1面部との間隔を調節可能である。
【0009】
本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記プレート本体は、前記第1面部と前記第2面部とを接続するとともに前記板厚方向に対して傾斜した傾斜面部を有し、前記支持部は、前記傾斜面部、前記傾斜面部と前記第2面部との境界部、前記傾斜面部と前記接続部との境界部に形成された凹部に係合する係合部を有して前記プレート本体に取り付けられる。
【0010】
本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記凹部は、前記第1面部及び前記第2面部の延在方向に沿って延びる蟻溝である。
【0011】
本発明に係る合成構造体は、上記いずれかに記載のデッキプレートと、前記補強部材と、コンクリート構造体と、を備えた合成構造体であって、前記プレート本体は、前記第1面部が梁に載置される底面部となり、前記コンクリート構造体は、前記プレート本体の前記他方側の面に設けられ、前記接続部は、前記梁から前記他方側に離隔した位置において他のデッキプレートの接続部と接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るデッキプレート及び合成構造体によれば、製造現場および施工現場の両方において省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係るデッキプレートを示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るデッキプレートを示す断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るデッキプレートの支持部を示す側面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係るデッキプレートを示す斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態に係るデッキプレートを示す断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係るデッキプレートの支持部を示す側面図である。
図7】本発明の第1の変形例に係るデッキプレートを示す断面図である。
図8】本発明の第1の変形例に係るデッキプレートの支持部を示す側面図である。
図9】本発明の第1の変形例に係るデッキプレートを示す断面図および平面図である。
図10】本発明の第2の変形例に係るデッキプレートを示す断面図である。
図11】本発明の第2の変形例に係るデッキプレートの支持部を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るデッキプレート1を示す斜視図であり、図2は、デッキプレート1を示す断面図であり、図3は、デッキプレート1の支持部3を示す側面図である。
【0015】
図1,2に示すように、本発明の第1実施形態に係るデッキプレート1は、合成構造体用のデッキプレートであって、板状のプレート本体2と、プレート本体2に補強部材200を支持させるための支持部3と、を備える。プレート本体2は、板厚方向の一方側に配置される第1面部としての底面部21と、他方側に配置される第2面部としての上面部22と、を板の面内に沿った並設方向(Y方向)において交互に有するとともに、並設方向における両端部2A,2Bには、底面部21よりも他方側に配置されて他のデッキプレートと接続される接続部25を有する。支持部3は、補強部材200を、底面部21に対して他方側に位置するように支持する。以下、デッキプレート1について具体的に説明する。
【0016】
デッキプレート1のプレート本体2にコンクリートが打設されることにより、合成スラブ構造(合成構造体)が構成されるようになっている。即ち、この合成スラブ構造は、デッキプレート1と、補強部材200と、プレート本体2の上面に設けられるコンクリート構造体と、を備える。尚、この合成スラブ構造には、補強用の金網等が含まれていてもよい。また、デッキプレート1には、補強部材200以外に他の補強部材が設けられていてもよい。
【0017】
デッキプレート1は、板状のプレート本体2と、補強部材200を支持するための複数の支持部3と、を有する。支持部3は、補強部材200を支持可能なように適宜な間隔で配置される。
【0018】
プレート本体2は、平面視長方形状に形成されている。以下では、この長方形の長辺方向(プレート本体2の延在方向)をX方向とし、短辺方向(幅方向)をY方向とし、プレート本体2の板厚方向をZ方向とする。また、デッキプレート1は、Z方向が鉛直方向に一致するように用いられ、且つ、梁Hに対して鉛直方向の上側に配置される。以下では、Z方向における上下は鉛直方向を基準とし、鉛直方向の下側をZ方向の一方側とし、鉛直方向の上側をZ方向の他方側とする。
【0019】
プレート本体2は、X方向に延びる溝部と、X方向に延びる山部と、がY方向に交互に並んだ波型鋼板である。プレート本体2は、2つの底面部21と、1つの上面部22と、底面部21と上面部22とを接続する傾斜面部23,24と、接続部25,26と、を有する。尚、1つのプレート本体における底面部及び上面部の数は上記に限定されない。プレート本体2は、全体が1枚の薄鋼板により形成されおり、その表面には溶融亜鉛メッキ等の耐食加工が適宜に施されていてもよい。底面部21、上面部22、傾斜面部23,24、接続部25,26は、X方向を長手方向(延在方向)としている。
【0020】
底面部21は、梁Hに載置される部分であって、Y方向の両端に傾斜面部23,24が接続されている。傾斜面部23,24は、底面部21から上側に向かうにしたがってY方向において互いに離れるように、Z方向に対して傾斜している。上面部22は、一対の傾斜辺部23,24の上端部同士を連結する部分であって、梁Hから上方に離隔して配置される。底面部21は、板厚方向(Z方向)の一方側(下側)に配置される第1面部であり、上面部22は、板厚方向(Z方向)の他方側(上側)に配置される第2面部であり、これらはプレート本体2の板の面内に沿ったY方向において交互に並んでいる。即ち、Y方向が底面部21と上面部22との並設方向となる。
【0021】
プレート本体2には、傾斜面部23,24の上面に溝部231,241が形成され、傾斜面部23,24と上面部22との境界部に蟻溝221が形成され、傾斜面部23,24と接続部25,26との境界部に蟻溝251,261が形成されている。溝部231,241は、例えば平面視矩形状の凹部がX方向に複数並ぶことで構成されている。蟻溝221,251,261は、X方向に延在する溝部である。
【0022】
プレート本体2は、底面部21が梁Hに載置された状態において、Y方向の両端部2A,2Bに位置する接続部25,26が、梁Hから上方に離れた位置に配置される。即ち、接続部25,26は、底面部21から上側に向かって延びる傾斜面部23,24に接続されている。接続部25,26は、Z方向において上面部22と同等の高さに配置され、底面部21よりも上側に配置される。一方の接続部25は、他方の接続部26と嵌合可能な形状を有しており、例えば端縁が互いに逆向きに折り返された形状となっている。即ち、あるデッキプレート1の接続部25と、Y方向に隣り合う他のデッキプレート1の接続部26と、が嵌合により接続され、これらのデッキプレート1同士が接続されるようになっている。このように、本実施形態のデッキプレート1は、接続部が梁に載置されるようなデッキプレートとは逆向きで用いられるものである。
【0023】
複数のプレート本体2が接続された状態において、底面部21とこれを挟む一対の傾斜面部23,24とが谷部27を形成し、上面部22とこれを挟む一対の傾斜面部23,24とが山部28を形成し、接続部25,26とこれらを挟む一対の傾斜面部23,24とが山部29を形成する。このとき、上面部22の形状と、嵌合状態の接続部25,26の形状と、が互いに異なる。
【0024】
支持部3は、各々の底面部21に設けられ、X方向に並んだ複数の支持部3によって補強部材200を支持する。補強部材200は、例えば鉄筋であって、X方向を延在方向とする棒状に形成されている。尚、X方向に並んだ複数の支持部3によって1本の補強部材200を支持してもよいし、複数本の補強部材200を支持してもよい。
【0025】
支持部3は、底面部21の上面(他方側の面)211に固定される固定部31と、固定部31に対して回動可能に軸支されるとともに補強部材200を支持する起立部32と、を有する。固定部31は、例えば上面211に沿うように配置される板状の部分を有する。固定部31の固定方法は、例えばボルト等による締結であってもよいし、溶接であってもよい。
【0026】
起立部32は、固定部31に軸支される一端部321と、固定部31とは反対側の他端部322と、一端部321と他端部322との間に延在する延在部323と、を有する。一端部321は、Y方向を回動軸の方向として固定部31に軸支される。他端部322には、補強部材200が接続される。このとき、補強部材200は、他端部322に対し、Y方向に沿った回動軸を中心に回動可能に接続されていることが好ましい。
【0027】
起立部32は、回動することにより、延在部323がX方向に沿って延びる倒れ状態と、延在部323がZ方向に沿って延びる起立状態と、を切り替え可能となっている。尚、起立部32の回動可能範囲は、少なくとも上記の2状態が可能なように設定されていればよく、例えば90°であってもよいし、180°であってもよい。起立部32を倒れ状態とすると、他端部322に接続された補強部材200は、上面部22よりも下方側に位置し、谷部27の内側に配置される。起立部32を起立状態とすると、他端部322に接続された補強部材200は、上面部22よりも上側に位置する。以上のように、支持部3は、補強部材200を、底面部21に対して上側に位置するように支持するものである。また、起立部32は、固定部31に対して回動することで、補強部材200と底面部21との間隔を調節可能であり、即ち補強部材200のZ方向位置を調節可能である。尚、補強部材200は、起立状態となった際にZ方向において底面部21と上面部22との間(即ち上面部22よりも下側)に位置するように支持されてもよい。
【0028】
上記の支持部3は、工場等においてプレート本体2に組み付けられてから出荷されてもよいし、プレート本体2とは別体として出荷された後、施工現場において組み付けられてもよい。また、支持部3がプレート本体2に組み付けられてから出荷される場合、補強部材200は、デッキプレート1の構成部品として工場等において接続されてから出荷されてもよいし、デッキプレート1とは別体として出荷された後、建築現場において接続されてもよい。
【0029】
合成構造体の施工時において上記のようなデッキプレート1を使用することで、上面部22には支持部3および補強部材200が配置されない。これにより、作業者が上面部22を足場として利用することができ、作業性を向上させることができる。また、他のデッキプレート1と接続される接続部25,26が山部29を構成することで、底面部21によって構成される谷部27の形状を同様のものとすることができ、谷部27に配置される支持部3を共通化することができる。これにより、部品の種類を少なくし、製造や管理等の工場における工数を低減することができる。
【0030】
また、山部29を構成する接続部25,26は梁Hから離隔しており、接続部が梁Hと接触する構成と比較して、嵌合形状の自由度を向上させることができる。これにより、嵌合のために凸状に形成される部分を、梁H側に凸とし、コンクリートの打設側とは反対側とすることができる。嵌合のための凸部をコンクリートの打設側に配置すると、コンクリート欠損が生じやすい。以上のように、接続部25,26が山部29を構成することで、嵌合のための凸部を梁H側に凸とすることができ、コンクリート欠損を抑制することができる。
【0031】
また、プレート本体2の上面に設けられるコンクリート構造体は、Z方向を厚さ方向とする。このようなコンクリート構造体に上側から力が作用した際、Z方向の端部に近い位置において作用する応力が大きくなり、Z方向における中央部に近づく(中立軸に近づく)と応力が小さくなる。接続部25,26が梁Hから離れていることで、接続部25,26の近傍においてコンクリート構造体に加わる応力を抑制することができる。コンクリート構造体は、接続部25,26に近傍において強度が低下しやすいものの、このように加わる応力を抑制することにより、合成構造体の耐力を向上させることができる。
【0032】
このように、本発明の第1実施形態に係るデッキプレート1によれば、支持部3が底面部21に対して補強部材200を上側に位置するように支持し、且つ、接続部25,26が底面部21よりも上側に配置されることで、製造現場および施工現場の両方において省力化することができる。
【0033】
また、支持部3が補強部材200と底面部21との間隔を調節可能であることで、支持部3をプレート本体2に組み付けた状態で出荷する場合には、補強部材200を底面部21に近づけた状態とすることができ、搬送効率を向上させることができる。
【0034】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の第2実施形態に係るデッキプレート1Bを示す斜視図であり、図5は、デッキプレート1Bを示す断面図であり、図6は、デッキプレート1Bの支持部3を示す側面図である。本実施形態では、第1実施形態と共通する構成には同様の符号を付すとともに説明を省略する。
【0035】
本実施形態のデッキプレート1Bは、第1実施形態と同様のプレート本体2と、第1実施形態とは異なる支持部3Bと、を備える。支持部3Bは、例えば2本の線状部材によって全体が四角錐状に形成されている。即ち、Z方向から見て2本の線状部材が交差するとともに、各々の線状部材がこの交差部33において屈曲されることで、1本の線状部材が2つの斜辺を構成している。
【0036】
支持部3Bは、例えば頂点となる交差部33において補強部材200を支持するとともに、四角錐の底面の四隅に該当する部分に、プレート本体2に取り付けられる取付部34を有する。取付部34は、底面部21の上面211に沿って設けられる第1取付部341と、傾斜面部23,24の上面(谷部27の内側の面)に沿って設けられる第2取付部342と、を有する。第2取付部342は、下側を基端として上側に向かって延び、その先端(上端)には、係合部343が設けられている。係合部343は、傾斜面部23,24に向かって(例えばY方向に沿って)突出し、溝部231,241を構成する凹部のいずれかに係合する。このような係合部343によって、支持部3Bがプレート本体2に取り付けられる。
【0037】
交差部33は、上面部22よりも上側に位置し、第1実施形態と同様に、補強部材200を底面部21及び上面部22に対して上側に位置するように支持する。尚、補強部材200は、起立状態となった際にZ方向において底面部21と上面部22との間(即ち上面部22よりも下側)に位置するように支持されてもよい。
【0038】
本発明の第2実施形態に係るデッキプレート1Bによれば、第1実施形態と同様に、製造現場および施工現場の両方において省力化することができる。
【0039】
また、溝部231,241を構成する凹部に係合する係合部343によって、支持部3Bがプレート本体2に取り付けられることで、既存の凹部を利用して支持部3Bを取り付けることができ、既存のプレート本体2を流用したり、設計変更を少なくしたりすることができる。
【0040】
尚、本発明は上記の実施形態の形態に限定されず、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、上記の本発明の第2実施形態では、支持部3Bの係合部343が溝部231,241の凹部と係合するものとしたが、係合部の係合対象となる凹部は、X方向に沿って延びるものであってもよい。即ち、図7~9に一例として示すように、プレート本体2の傾斜面部23,24に、X方向に沿って延びる凹部としての蟻溝232,242が形成され、係合部343が蟻溝232,242と係合する構成としてもよい。
【0041】
また、前記第2実施形態では、交差部33が上側に凸状に形成されている(頂点部を有する)ものとしたが、図7~9に示す変形例のように、交差部33が凹状に形成されていてもよく、凹状の交差部に補強部材200が載置されるようにしてもよい。
【0042】
また、支持部の係合部の係合対象は、傾斜面部に形成された凹部に限定されず、プレート本体のうち他の部分を係合対象としてもよい。即ち、図10,11に一例として示すように、支持部3Cが、取付部35を有し、取付部35が、蟻溝221,251,261に係合する係合部353を有していてもよい。図10,11に示す例では、取付部35が、底面部21の上面211に沿って設けられる第1取付部351と、傾斜面部23,24の上面(谷部27の内側の面)に沿って設けられる第2取付部352と、を有し、係合部353は、第2取付部352の先端に設けられている。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施形態に係るデッキプレートに限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
【符号の説明】
【0044】
1,1B,1C…デッキプレート、2…プレート本体、21…底面部(第1面部)、22…上面部(第2面部)、23,24…傾斜面部、25,26…接続部、2A,2B…端部、221,232,242、251,261…蟻溝(凹部)、231,241…溝部(凹部)、3,3B,3C…支持部、31…固定部、32…起立部、343,353…係合部、200…補強部材、梁H
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11