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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112347
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】肌ケア装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
A61N5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014085
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】橋本 俊治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 雅子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 歩
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 襟伽
【テーマコード(参考)】
4C082
【Fターム(参考)】
4C082PC05
4C082PJ21
(57)【要約】
【課題】肌に与える刺激を抑制しつつ、より広い範囲に光を照射することが可能な肌ケア装置を得る。
【解決手段】肌ケア装置10は、光源40と、光源40から出射された光Lを透過させて先端側から照射することが可能な拡散体20と、拡散体20が設けられる基部11と、を備えている。また、拡散体20は、光源40から出射された光Lを先端側へ導く導光部21と、導光部21の先端に設けられて外部に光Lを照射する照射部22と、を備えている。そして、照射部22は、一端222aが導光部21の側面211に連設されて他端222b側に向かうにつれて内側に傾斜する傾斜面222と、傾斜面222の他端222bに連設されて、平面又は先端側に凸となる形状をした先端面221と、を備えている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射された光を透過させて先端側から照射することが可能な拡散体と、
前記拡散体が設けられる基部と、
を備え、
前記拡散体は、
前記光源から出射された光を先端側へ導く導光部と、
前記導光部の先端に設けられて外部に光を照射する照射部と、
を備え、
前記照射部は、
一端が前記導光部の側面に連設されて他端側に向かうにつれて内側に傾斜する傾斜面と、
前記傾斜面の他端に連設されて、平面又は先端側に凸となる形状をした先端面と、
を備えている、
肌ケア装置。
【請求項2】
前記傾斜面が凹部を有している、
請求項1に記載の肌ケア装置。
【請求項3】
前記傾斜面が前記凹部を複数有している、
請求項2に記載の肌ケア装置。
【請求項4】
前記拡散体は、前記基部からの突出方向と交差する一方向に細長い形状をしている、
請求項1~3のうちいずれか1項に記載の肌ケア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、肌ケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、以下の特許文献1に示すように、基部と、基部から突出するように設けられた拡散ロッドと、を備える装置が知られている。この特許文献1では、拡散ロッドの一端が、光源と対向するように配置されて光源から照射される光を収集する収集端となっており、他端が、収集端から拡散ロッド内に導入された光を外部に出射する拡散端となっている。そして、収集端から拡散ロッド内に導入されて拡散端から出射される光を頭皮(皮膚)などの被照射面に向けて照射させることができるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2021―513887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、肌に光を照射することで肌のケアを行う肌ケア装置に上記従来の技術を適用することが考えられる。
【0005】
しかしながら、上記従来の技術では、拡散ロッドの拡散端は、被照射面に平行な平坦面、または、被照射面側に凸となる収束レンズとなっているため、光の照射範囲が狭くなってしまう。
【0006】
また、上記従来の技術では、プリズムを用いることで光の拡散を改善させることは提案されているが、拡散端にプリズムを配置すると、装置の使用時に肌に与える刺激が強くなってしまうおそれがある。
【0007】
そこで、本開示は、肌に与える刺激を抑制しつつ、より広い範囲に光を照射することが可能な肌ケア装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様にかかる肌ケア装置は、光源と、前記光源から出射された光を透過させて先端側から照射することが可能な拡散体と、前記拡散体が設けられる基部と、を備え、前記拡散体は、前記光源から出射された光を先端側へ導く導光部と、前記導光部の先端に設けられて外部に光を照射する照射部と、を備え、前記照射部は、一端が前記導光部の側面に連設されて他端側に向かうにつれて内側に傾斜する傾斜面と、前記傾斜面の他端に連設されて、平面又は先端側に凸となる形状をした先端面と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、肌に与える刺激を抑制しつつ、より広い範囲に光を照射することが可能な肌ケア装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかる肌ケア装置の一例を模式的に示す裏面図である。
図2】実施の形態にかかる肌ケア装置の一例を模式的に示す側面図である。
図3】実施の形態にかかる拡散体の一例を模式的に示す斜視図である。
図4】実施の形態にかかる拡散体の一例を一方向から見た図である。
図5】実施の形態にかかる拡散体の一例を他の方向から見た図である。
図6】実施の形態にかかる肌ケア装置の一例の使用例を模式的に示す図である。
図7】実施の形態にかかる肌ケア装置の一例の使用時における毛髪の流れを説明する図である。
図8】実施の形態にかかる肌ケア装置の一例の使用時における光の照射状態を説明する図である。
図9】実施の形態にかかる拡散体の配置方法の他の例を模式的に示す裏面図である。
図10図9に示す肌ケア装置の使用時における毛髪の流れを説明する図である。
図11】実施の形態にかかる拡散体の第1変形例を模式的に示す斜視図である。
図12】実施の形態にかかる拡散体の第2変形例を模式的に示す斜視図である。
図13】実施の形態にかかる拡散体の第3変形例を模式的に示す斜視図である。
図14】実施の形態にかかる拡散体の第4変形例を模式的に示す斜視図である。
図15】実施の形態にかかる肌ケア装置の第1変形例の使用状態を模式的に示す図である。
図16】実施の形態にかかる肌ケア装置の第2変形例の使用状態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0012】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0013】
また、以下の実施の形態およびその変形例では、拡散体の先端が下方を向くようにしつつ拡散体の基部からの突出方向を上下方向に一致させた状態における肌ケア装置の上下方向を上下方向Zと規定して説明する。また、上下方向Zと交差(直交)する方向であって、拡散体の長手方向に平行な方向を前後方向Xと規定して説明する。そして、上下方向Zと交差(直交)する方向であって、拡散体の短手方向に平行な方向を幅方向Yと規定して説明する。
【0014】
また、以下の実施の形態およびその変形例では、肌ケア装置として、頭皮に光を照射して頭皮をケアする頭皮ケア装置を例示する。
【0015】
(実施の形態)
本実施の形態にかかる頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、図1に示すように、基部11と、基部11の一端に連設されて、使用者U等が把持することが可能な把持部12と、を備えている。
【0016】
本実施の形態では、基部11は、略直方体状をしており、上下方向Zに沿って見た状態における概観が、所定方向(後述する拡散体20の幅方向Y)に細長い長方形状をしている。すなわち、上下方向Zに沿って見た状態における基部11の概観が長手方向と短手方向とを有する長方形状をしている。そして、基部11の長手方向の一端側における短手方向の略中央部に、把持部12が基部11の長手方向に延びるように連設されている。
【0017】
また、頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、図2に示すように、光Lを出す光源部としての光源40と、光源40から出射された光Lを透過させて先端側から照射することが可能な拡散体20と、を備えている。
【0018】
本実施の形態では、光源40としてLED41が用いられており、複数個のLED41が基部11の裏面11aに配置されている。このとき、各LED41は、主光軸方向が上下方向Zの下方を向くようにした状態で基部11の裏面11aに配置されている。
【0019】
そして、複数本の拡散体20が、突出方向を上下方向Zに略一致させた状態で基部11にそれぞれ設けられている。このとき、各拡散体20は、基部11の裏面11aに配置された1個のLED41を覆うようにした状態で、基部11に設けられている。こうすることで、光源40としてのLED41から出射された光Lが、拡散体20の根元側(上側)から先端側(下側)に向けて導光されて、拡散体20の先端側から外部に照射されるようにしている。
【0020】
ここで、本実施の形態では、複数本の拡散体20は、2次元状に広がるように基部11の裏面11aに設けられている。すなわち、複数本の拡散体20が、直線状ではなく平面状に配置されるようにしている。図1には、9本の拡散体20を基部11の長手方向に所定のピッチで並ぶように配置した列が、基部11の短手方向に所定のピッチで3列設けられるようにしたものを例示している。こうすることで、基部11の長手方向で隣り合う拡散体20の間に、短手方向に延びる略直線状の隙間50が形成されるようにしている。このように、複数本の拡散体20を2次元状に広がるように配置することで、頭皮ケア装置(肌ケア装置)10を使用する際に、より効率よく頭皮(肌)Sに光Lを照射させることができるようにしている。
【0021】
なお、本実施の形態では、基部11の内部が空洞になっており、この空洞内に光源40を駆動させるための電源部30が配置されている。また、図示省略したが、基部11または把持部12には、電源部30のオン・オフを切り替えるスイッチが設けられている。そして、図示省略したスイッチを操作して電源部30をオンにすることで、各LED41が駆動し、各拡散体20の先端から光Lが照射されるようになっている。
【0022】
このように、本実施の形態にかかる頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、ブラシタイプの装置となっており、ブラシを用いて毛髪Hの整髪を行う要領で使用することができるようになっている。
【0023】
このような拡散体20は、例えば、光透過性の高い樹脂、または、ガラス等を用いて形成することができる。こうすれば、根元側(上下方向Zの上側)に配置されたLED41から出射された光L1を、根元側(上下方向Zの上側)から先端側(上下方向Zの下側)まで導光させることができるようになる。
【0024】
また、本実施の形態では、図3図5に示すように、拡散体20が、光源40から出射された光Lを先端側へ導く導光部21と、導光部21の先端に設けられて外部に光Lを照射する照射部22と、を備えるようにしている。こうすることで、根元側(上下方向Zの上側)から拡散体20内に挿入された光Lのほぼ全てを先端側の照射部22から照射されるようにし、頭皮(肌)Sの近傍で光Lが照射されるようにしている。
【0025】
本実施の形態では、導光部21は、略直方体状をしており、上下方向Zに突出するように形成されている。すなわち、上下方向Zに沿って見た状態における導光部21の概観が、所定方向(前後方向X)に細長い長方形状をしている。言い換えると、上下方向Zに沿って見た状態における導光部21の概観が長手方向(前後方向Xに延びる辺)と短手方向(幅方向Yに延びる辺)とを有する長方形状をしている。
【0026】
こうすることで、導光部21がLED41の主光軸方向に沿って延在するようにしている。そして、導光部21の上端面の略中央部に1個のLED41が配置されるようにし、より多くの光Lを照射部22に導光させることができるようにしている。すなわち、比較的高い密度の光Lを照射部22から照射できるようにしている。
【0027】
ここで、本実施の形態では、頭皮(肌)Sに与える刺激を抑制しつつ、頭皮(肌)Sのより広い範囲に光Lを照射することができるようにしている。
【0028】
具体的には、照射部22が、導光部21の側面211の下端に連設されて、上下方向Zに対して傾斜した傾斜面222と、傾斜面222の下端に連設されて、頭皮(肌)Sに接触させることが可能な先端面221と、を備えるようにしている。
【0029】
そして、先端面221が下方(先端側)に凸となる湾曲面となるようにしている。こうすることで、頭皮ケア装置(肌ケア装置)10の使用時に頭皮(肌)Sに与える刺激が抑えられるようにしている。このような構成は、例えば、照射部22の先端凸部を微小隆起した凸面形状、又は、滑らかな凸面形状とすることで得ることができる。なお、照射部22の先端凸部が、水平な(突出方向に略直交する)平坦面を有するようにすることも可能である。また、照射部22の先端凸部に複数の溝が形成されるようにすることも可能である。
【0030】
本実施の形態では、照射部22が一対の傾斜面222を有しており、一対の傾斜面222は、上端(一端)222aが導光部21の幅方向Yの両側の側面211の下端にそれぞれ連設されている。この一対の傾斜面222は、下方に向かうにつれて互いに近づく方向に傾斜するように形成されている。そして、下方(先端側)に凸となるように湾曲させた先端面221が、一対の傾斜面222の下端(他端)222bを結ぶように形成されている。
【0031】
このとき、一対の傾斜面222の上端(一端)222aの全辺が、導光部21の幅方向Yの両側の側面211の下端の全辺にそれぞれ連設されるようにしている。すなわち、一対の傾斜面222の上端(一端)222aの辺を、導光部21の幅方向Yの両側の側面211の下端の辺にそれぞれ一致させるようにしている。したがって、本実施の形態では、傾斜面222は、前後方向Xに細長い長方形状をした平坦面となっている。
【0032】
同様に、先端面221の両端の全辺が、一対の傾斜面222の下端(他端)222bの全辺にそれぞれ連設されるようにしている。すなわち、先端面221の両端の辺を、一対の傾斜面222の下端(他端)222bの辺にそれぞれ一致させるようにしている。したがって、本実施の形態では、先端面221は、前後方向Xを軸とする円柱の側面の一部となっている。
【0033】
このように、本実施の形態では、照射部22が、一端222aが導光部21の側面211に連設されて他端222b側に向かうにつれて幅方向Yの内側に傾斜する一対の傾斜面222を備えている。また、照射部22が、一対の傾斜面222の他端222bにそれぞれ連設される先端面221を備えている。
【0034】
そして、拡散体20(導光部21および照射部22)は、基部11からの突出方向(上下方向Z)と交差する一方向(前後方向X)に細長い形状をしている。
【0035】
こうすることで、前後方向Xに沿って見た照射部22の形状が、幅方向Yの中央部で下方に突出する頂点が丸められた三角形状となるようにしている。また、照射部22が、三角形状に垂直な方向(前後方向X)に延伸された形状となるようにしている。そして、LED41から上下方向Zの下方に向けて出射された光Lを、傾斜面222を通過する際に屈折させて幅方向Yの外側に光Lが照射されるようにしている。このとき、前後方向Xに沿って見た状態で、下方に突出する頂点部分の角度が90度以下となるようにするのが好ましい。こうすれば、拡散体20よりも幅方向Yの外側に光Lを照射させることができるようになる。このように、本実施の形態では、照射部22の形状を、先端凸部を構成する先端面221と、先端面221の両端に延設される平面状の斜面とで構成される三角形状となるようにしている。そして、照射部22が、平面又は微小隆起した凸面形状又は滑らかな凸面形状又は複数の溝で構成される先端凸部を有するようにし、この照射部22を、光源40の光Lを先端凸部から照射する光拡散部として機能させるようにしている。
【0036】
なお、本実施の形態では、基部11には、一方向(前後方向X)に細長い形状をした拡散体20が、拡散体20の長手方向を基部11の短手方向に一致させた状態で複数本配置されている。したがって、本実施の形態では、基部11の短手方向が前後方向Xとなっており、基部11の長手方向が幅方向Yとなっている。
【0037】
そして、このような構成をした頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、例えば、図6に示すように、ブラシを用いて毛髪Hの整髪を行う要領で使用することができる。
【0038】
具体的には、まず、図示省略したスイッチを操作して電源部30をオンにすることで、各LED41が駆動し、各拡散体20の先端から光Lが照射されるようにする。こうすれば、LED41から出射された光Lは、まず、拡散体20の導光部21に導入されることになる。そして、導光部21に導入された光Lは、導光部21の突出方向(上下方向Zの下方)に沿って導光されて照射部22に導入される。そして、照射部22に導入された光Lのうち、先端面221に向かう光Lは、ほとんど屈折せずに拡散体20の外へ照射される。すなわち、先端面221から上下方向Zの下方に向けて光Lが照射される。一方、傾斜面222に向かう光Lは、傾斜面222の傾斜角度に応じて、拡散体20の中心(幅方向Yの中心)から離れる方向に屈折して拡散体20の外へ照射される。すなわち、傾斜面222からは、上下方向Zの下方、かつ、幅方向Yの外方に向けて光Lが照射される。
【0039】
次に、把持部12を手で把持した状態で、拡散体20の先端(照射部22の先端面221)が頭皮(肌)Sに接触するように、頭皮ケア装置(肌ケア装置)10を使用者Uの頭部上端に当てる。こうすることで、毛髪Hを縫うように拡散体20を頭皮(肌)S側に導入して、拡散体20の先端(照射部22の先端面221)が頭皮(肌)Sに接触させることができるようにする。こうすれば、図8に示すように、照射部22の周囲の毛髪Hに覆われた部分に潜り込むように光Lを照射することができ、頭皮(肌)Sのより広い範囲に光Lが照射されることになる。なお、拡散体20の突出長さは、毛髪Hの厚みや拡散体20の強度等を考慮して、3mm以上15mm以下となるようにするのが好ましい。
【0040】
次に、各拡散体20の先端から光Lが照射されるようにした状態で、拡散体20の先端(照射部22の先端面221)を頭皮(肌)Sに接触させながら、基部11を前後方向X(基部11の短手方向)に移動させる。このとき、図7に示すように、短手方向に延びる略直線状の隙間50内に毛髪Hを導入させながら移動することになるため、毛髪Hの整髪も同時に行われる。なお、拡散体20は、前後方向X(拡散体20の長手方向)に沿って移動しており、毛髪Hに引っかからずにスムーズに拡散体20を移動させるためには、拡散体20の幅方向Yの長さは、2mm以上7mm以下となるようにするのが好ましい。
【0041】
そして、基部11を使用者Uの頭部上端から下端まで移動させたら、頭皮ケア装置(肌ケア装置)10を使用者Uの頭部上端に再度当てて、拡散体20の先端を頭皮(肌)Sに接触させながら、基部11を前後方向Xに移動させる。
【0042】
そして、このような動作を繰り返すことで、頭皮(肌)Sの全体に光Lが照射されるようにする。こうすることで、頭皮(肌)Sのケアが行われる。なお、頭皮(肌)Sに照射される光Lの波長は任意に設定することができ、所望の波長とすることで、その波長に応じた頭皮(肌)Sのケアを行うことができる。
【0043】
また、上記の使用方法は一例に過ぎず、頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、様々な方法で使用することが可能である。例えば、図示省略したスイッチの操作は、最初に行う必要はなく、所望のタイミングで行うことが可能である。また、スイッチの操作を行うことで、断続的に光Lを照射させるようにすることもできる。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態にかかる頭皮ケア装置(肌ケア装置)10を用いれば、毛髪Hの整髪を行いながら、頭皮(肌)Sのケアも行うことができる。また、頭皮(肌)Sに接触する先端面221が頭皮側に凸となる湾曲面であるため、拡散体20の先端を頭皮(肌)Sに接触させながら基部11を移動させたとしても、頭皮(肌)Sに与える刺激を極力抑えることができる。
【0045】
なお、複数本の拡散体20は、短手方向に延びる略直線状の隙間50が形成されるように基部11に配置する必要はなく様々な配置とすることが可能である。例えば、複数本の拡散体20を、図9に示すように配置することも可能である。
【0046】
図9には、複数本の拡散体20を基部11の長手方向に所定のピッチで並ぶように配置した列を、基部11の長手方向に交互に半ピッチだけずらして配置したものを例示している。すなわち、図9では、9本の拡散体20を基部11の長手方向に所定のピッチで並ぶように配置した列が、基部11の短手方向の両側に2列設けられるようにしている。そして、基部11の短手方向の中央に、10本の拡散体20を基部11の長手方向に所定のピッチで並ぶように配置した列が、両側の列に対して半ピッチだけずらした状態で設けられるようにしている。こうすることで、基部11の長手方向で隣り合う拡散体20の間に、短手方向に延びつつ、長手方向に曲げられた隙間50が形成されるようにしている。
【0047】
このような頭皮ケア装置(肌ケア装置)10を用いれば、図10に示すように、基部11を前後方向X(基部11の短手方向)に移動させた際に、拡散体20によって毛髪Hを根元側から起毛させることができるようになる。そして、毛髪Hを根元側から起毛させるようにすれば、毛髪Hの根元の周辺の頭皮(肌)Sを露出させることができるようになるため、照射部22から照射される光Lを、毛髪Hの根元の周辺の頭皮(肌)Sにより確実に照射することができるようになる。また、毛髪Hの根元側が寝ている状態のときと較べて、毛髪に吸収される光Lの量を減少させることができるため、より多くの光Lを頭皮(肌)Sに照射することができるようになる。
【0048】
また、拡散体20の形状も様々な形状とすることが可能である。例えば、図11に示すような拡散体20とすることが可能である。
【0049】
図11に示す拡散体20は、上記実施の形態で示した拡散体20とほぼ同様の構成をしており、光源40から出射された光Lを先端側へ導く導光部21と、導光部21の先端に設けられて外部に光Lを照射する照射部22と、を備えている。
【0050】
また、照射部22が、一端222aが導光部21の側面211に連設されて他端222b側に向かうにつれて幅方向Yの内側に傾斜する一対の傾斜面222を備えている。そして、照射部22が、一対の傾斜面222の他端222bにそれぞれ連設されて、平面又は下方(先端側)に凸となるように湾曲させた先端面221を備えている。
【0051】
ここで、図11に示す拡散体20では、一対の傾斜面222のそれぞれに微小な凹凸形状が形成されるようにしている。すなわち、光拡散部としての照射部22が、表面に微小な凹凸を有する断面形状を有するようにしている。このような微小な凹凸形状は、例えば、傾斜面222にスモーク処理を施したり、シボ加工を施したりすることで形成することができる。
【0052】
このように、図11に示す拡散体20においては、1つの傾斜面222が複数の凹部2221を有している。すなわち、先端凸部を構成する先端面221から続く面が、光Lをさらに拡散する微小な凹凸又は複数の溝を有する形状となるようにしている。
【0053】
こうすることで、LED41から上下方向Zの下方に向けて出射された光Lが傾斜面222を通過する際に、複数の凹部2221によって様々な方向に拡散されるようにしている。そして、傾斜面222を通過する際に様々な方向に光Lを拡散させることで、頭皮(肌)Sのより広い範囲に光Lが照射されるようにしている。
【0054】
また、図12に示すような拡散体20とすることも可能である。
【0055】
図12に示す拡散体20も、上記実施の形態で示した拡散体20とほぼ同様の構成をしており、光源40から出射された光Lを先端側へ導く導光部21と、導光部21の先端に設けられて外部に光Lを照射する照射部22と、を備えている。
【0056】
また、照射部22が、一端222aが導光部21の側面211に連設されて他端222b側に向かうにつれて幅方向Yの内側に傾斜する一対の傾斜面222を備えている。そして、照射部22が、一対の傾斜面222の他端222bにそれぞれ連設されて、平面又は下方(先端側)に凸となるように湾曲させた先端面221を備えている。
【0057】
ここで、図12に示す拡散体20では、一対の傾斜面222のそれぞれに、複数本の溝2222を前後方向Xに延在するように形成している。
【0058】
このように、図12に示す拡散体20においても、1つの傾斜面222が複数の凹部2221を有するようにしている。すなわち、先端凸部を構成する先端面221から続く面が、光Lをさらに拡散する微小な凹凸又は複数の溝を有する形状となるようにしている。
【0059】
こうすることで、LED41から上下方向Zの下方に向けて出射された光Lが傾斜面222を通過する際に、複数の線状に拡散されるようにしている。そして、照射部22の光密度を確保しつつ、様々な方向に光Lを屈折させて、頭皮(肌)Sのより広い範囲に光Lが照射されるようにしている。
【0060】
また、図13に示すような拡散体20とすることも可能である。
【0061】
図13に示す拡散体20も、上記実施の形態で示した拡散体20とほぼ同様の構成をしており、光源40から出射された光Lを先端側へ導く導光部21と、導光部21の先端に設けられて外部に光Lを照射する照射部22と、を備えている。
【0062】
また、照射部22が、一端222aが導光部21の側面211に連設されて他端222b側に向かうにつれて幅方向Yの内側に傾斜する一対の傾斜面222を備えている。そして、照射部22が、一対の傾斜面222の他端222bにそれぞれ連設されて、平面又は下方(先端側)に凸となるように湾曲させた先端面221を備えている。
【0063】
ここで、図13に示す拡散体20では、一対の傾斜面222のそれぞれを幅方向Yの内側に凹む凹面となるようにしている。こうすることで、図13に示す拡散体20においては、1つの傾斜面222が1つの凹部2221を有するようにしている。すなわち、照射部22の形状を、先端凸部を構成する先端面221と、凹面を有し、先端面221の両端に延設される斜面とで構成される三角形状となるようにしている。
【0064】
こうすることで、LED41から上下方向Zの下方に向けて出射された光Lが傾斜面222を通過する際に、平坦面としたときよりも広く光Lを屈折させることができるようにしている。そして、傾斜面222を通過する際に平坦面としたときよりも広く光Lを屈折させることで、頭皮(肌)Sのより広い範囲に光Lが照射されるようにしている。
【0065】
また、図14に示すような拡散体20とすることも可能である。
【0066】
図14に示す拡散体20も、光源40から出射された光Lを先端側へ導く導光部21と、導光部21の先端に設けられて外部に光Lを照射する照射部22と、を備えている。
【0067】
また、照射部22が、一端222aが導光部21の側面211に連設されて他端222b側に向かうにつれて幅方向Yの内側に傾斜する傾斜面222を備えている。そして、照射部22が、傾斜面222の他端222bに連設されて、下方(先端側)に凸となるように湾曲させた先端面221を備えている。
【0068】
ここで、図14に示す拡散体20は、ロッド状に形成されている。なお、図14に示す拡散体20の傾斜面222は、平坦面であってもよいし、1つ以上の凹部2221を有していてもよい。
【0069】
こうすることでも、上記実施の形態で示した拡散体20とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0070】
また、上記実施の形態では、ブラシタイプの頭皮ケア装置(肌ケア装置)10を例示したが、図15に示すように、基部11の下部に拡散体20を設け、基部11の上部に取手13を設けるようにした頭皮ケア装置(肌ケア装置)10とすることも可能である。このようなタイプの頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、取手13を手で把持し、この状態で拡散体20を頭皮(肌)Sに接触させて使用することが可能である。また、取手13と基部11との間に形成された空間に指を入れることで基部11を把持し、この状態で拡散体20を頭皮(肌)Sに接触させて使用することも可能である。
【0071】
また、図16に示すようなヘルメットタイプの頭皮ケア装置(肌ケア装置)10とすることも可能である。このようなタイプの頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、例えば、頭部の形状に沿った基部11の内側に拡散体20を設け、基部11を頭部にかぶせることで、拡散体20を頭皮(肌)Sに接触させるようにするものである。なお、複数の基部11を相互に組み付けることで、ヘルメットタイプの頭皮ケア装置(肌ケア装置)10を形成することも可能である。
【0072】
このように、上記実施の形態およびその変形例で示した頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、光拡散部としての照射部22を1個以上突出して設けた平面形状又は曲面形状の基部11を有している。
【0073】
[作用・効果]
以下では、上記実施の形態およびその変形例で示した肌ケア装置の特徴的構成およびそれにより得られる効果を説明する。
【0074】
上記実施の形態およびその変形例で示した頭皮ケア装置(肌ケア装置)10は、光源40と、光源40から出射された光Lを透過させて先端側から照射することが可能な拡散体20と、拡散体20が設けられる基部11と、を備えている。
【0075】
また、拡散体20は、光源40から出射された光Lを先端側へ導く導光部21と、導光部21の先端に設けられて外部に光Lを照射する照射部22と、を備えている。
【0076】
そして、照射部22は、一端222aが導光部21の側面211に連設されて他端222b側に向かうにつれて内側に傾斜する傾斜面222と、傾斜面222の他端222bに連設されて、平面又は先端側に凸となる形状をした先端面221と、を備えている。
【0077】
こうすれば、導光部21から照射部22に導入された光Lは、先端面221から上下方向Zの下方に向けて照射されることになる。一方、傾斜面222から照射される光Lは、傾斜面222を通過する際に幅方向Yの外側に屈折して斜め下方に向けて照射されることになる。そのため、照射部22から照射される光Lの照射範囲が広くなり、頭皮(肌)Sのより広い範囲に拡散体20からの光Lを照射させることができるようになる。
【0078】
また、先端面221の形状を先端側に凸となる形状としているため、頭皮ケア装置(肌ケア装置)10の使用時に拡散体20が頭皮(肌)Sに与える刺激を極力抑制することが可能になる。
【0079】
このように、上記実施の形態およびその変形例で示した頭皮ケア装置(肌ケア装置)10とすれば、頭皮(肌)Sに与える刺激を抑制しつつ、より広い範囲に光Lを照射することが可能になる。
【0080】
そのため、このような頭皮ケア装置(肌ケア装置)10を用いれば、頭皮(肌)Sに与える刺激を抑制しつつ、より効率よく頭皮(肌)Sに光Lを照射させることができるようになる。
【0081】
また、傾斜面222が凹部2221を有していてもよい。
【0082】
こうすれば、傾斜面222から照射される光Lをより拡散させることができるようになって、より広い範囲に光Lを照射することが可能になる。
【0083】
また、傾斜面222が凹部2221を複数有していてもよい。
【0084】
こうすれば、傾斜面222から照射される光Lをより一層拡散させることができるようになって、より広い範囲に光Lを照射することが可能になる。
【0085】
また、拡散体20が、基部11からの突出方向(上下方向Z)と交差する一方向(前後方向X)に細長い形状をしていてもよい。
【0086】
こうすれば、ロッド状の拡散体とした場合よりも広範囲に光Lを照射させることができるようになる。
【0087】
[その他]
以上、本開示にかかる肌ケア装置の内容を説明したが、これらの記載に限定されるものではなく、種々の変形および改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0088】
例えば、上記実施の形態およびその変形例で示した構成の変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態に本開示を適用することができる。また、上記実施の形態およびその変形例で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0089】
また、上記実施の形態およびその変形例では、肌ケア装置として頭皮に光を照射して頭皮をケアする頭皮ケア装置を例示している。しかしながら、肌ケア装置は、頭皮をケアする装置に限定されるものではなく、ヒゲ、腋毛などが生えている部位の肌をケアする様々な装置とすることが可能である。
【0090】
また、上記実施の形態およびその変形例では、光源40としてLED41を用いたもの例示したが、光源40としてLD(Laser Diode)、有機EL等を用いることも可能である。こうすることでも、与えたい肌ケア効果に合わせて波長を選択し所望の肌ケア効果を与えることができる。
【0091】
また、基部や拡散体、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上のように、本開示にかかる肌ケア装置は、肌に与える刺激を抑制しつつ、より広い範囲に光を照射することが可能であるので、毛髪に限らず、ヒゲ、腋毛などが生えているあらゆる部位のケア等の用途にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0093】
10 頭皮ケア装置(肌ケア装置)
11 基部
20 拡散体
21 導光部
211 側面
22 照射部
221 先端面
222 傾斜面
222a 上端(一端)
222b 下端(他端)
2221 凹部
40 光源
S 頭皮(肌)
L 光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16