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特開2023-112424保冷剤用の収容保持具、及び収容保持具と保冷剤との組み合わせ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112424
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】保冷剤用の収容保持具、及び収容保持具と保冷剤との組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/10 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
A61F7/10 330S
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014211
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】391036404
【氏名又は名称】株式会社ロゴスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】柴田 茂樹
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA02
4C099CA19
4C099EA08
4C099NA02
4C099NA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、使用者に対する保冷剤の冷却効果を向上させることができる保冷剤用の収容保持具を提供する。
【解決手段】保冷剤用の収容保持具S1は、少なくとも一つの保冷剤を収容保持可能な構成である保持具本体100と、保持具本体100に設けられた少なくとも一つの開口Hとを備えている。保持具本体100内に少なくとも一つの保冷剤Iが収容保持された状態で、少なくとも一つの開口Hから少なくとも一つの保冷剤Iを保持具本体100の外部から接触可能に露出させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの保冷剤を収容保持可能な構成である保持具本体と、
前記保持具本体に設けられた少なくとも一つの開口とを備えており、
前記保持具本体内に前記少なくとも一つの保冷剤が収容保持された状態で、前記少なくとも一つの開口から前記少なくとも一つの保冷剤を前記保持具本体の外部から接触可能に露出させる保冷剤用の収容保持具。
【請求項2】
請求項1記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記保持具本体は、第1主壁と、第2主壁と、側壁とを有しており、
前記少なくとも一つの開口が、少なくとも前記第1主壁及び前記側壁にわたって又は前記第2主壁及び前記側壁にわたって設けられている保冷剤用の収容保持具。
【請求項3】
請求項1記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記保持具本体は、第1主壁と、第2主壁と、側壁とを有しており、
前記少なくとも一つの開口が、前記第1主壁、前記第2主壁及び前記側壁のうちの少なくとも一つの一部分に設けられている保冷剤用の収容保持具。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記保持具本体は、第1部と、前記第1部に対して開閉自在に接続された第2部とを有しており、
前記少なくとも一つの開口は、前記第1部及び前記第2部の少なくとも一方に設けられており、
前記第2部が前記第1部に対して開状態にあるときに、前記少なくとも一つの保冷剤が前記第1部に収容され、前記第2部が前記第1部に対して閉じ合わされた状態で、前記第1部及び前記第2部内に前記少なくとも一つの保冷剤が収容保持される保冷剤用の収容保持具。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記保持具本体に設けられた第1係合部を更に備えている保冷剤用の収容保持具。
【請求項6】
請求項1~4の何れかに記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記保持具本体の一方に設けられた第1係合部と、
前記保持具本体の他方に設けられた第2係合部とを更に備えている保冷剤用の収容保持具。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記保持具本体に設けられており且つ被取付対象に取り付け可能な取付手段を更に備えており、
前記保持具本体内に前記少なくとも一つの保冷剤が収容保持された状態で、前記取付手段が前記被取付対象に取り付けられることによって前記保持具本体の前記少なくとも一つの開口から露出する保冷剤が前記被取付対象に接触する保冷剤用の収容保持具。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記保持具本体に被せられており且つ前記少なくとも一つの開口を覆うカバーを更に備えており、
前記カバーの少なくとも前記少なくとも一つの開口を覆う部分の断熱性が前記保持具本体の断熱性よりも小さい及び/又は少なくとも前記少なくとも一つの開口を覆う部分の厚み寸法が前記保持具本体の厚み寸法よりも小さい保冷剤用の収容保持具。
【請求項9】
請求項1~7の何れかに記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記少なくとも一つの保冷剤は複数であり、
前記保持具本体は、前記複数の保冷剤を収容保持可能な構成であり、
前記保持具本体内に前記複数の保冷剤が収容保持された状態で、前記少なくとも一つの開口から前記複数の保冷剤を前記保持具本体の外部から接触可能に露出させる保冷剤用の収容保持具。
【請求項10】
請求項9記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記少なくとも一つの開口は複数であり、
前記保持具本体内に前記複数の保冷剤が収容保持された状態で、前記複数の開口から前記複数の保冷剤を前記保持具本体の外部から接触可能に露出させる保冷剤用の収容保持具。
【請求項11】
請求項9又は10記載の保冷剤用の収容保持具において、
前記保持具本体に被せられており且つ前記複数の開口を覆うカバーを更に備えており、
前記カバーの少なくとも前記複数の開口を覆う部分の断熱性が前記保持具本体の断熱性よりも小さい及び/又は少なくとも前記複数の開口を覆う部分の厚み寸法が前記保持具本体の厚み寸法よりも小さい保冷剤用の収容保持具。
【請求項12】
請求項1~8の何れかに記載の保冷剤用の収容保持具と、
前記収容保持具の前記保持具本体内に収容保持された少なくとも一つの保冷剤とを備えている収容保持具と保冷剤との組み合わせ。
【請求項13】
請求項9~11の何れかに記載の保冷剤用の収容保持具と、
前記収容保持具の前記保持具本体内に収容保持された複数の保冷剤とを備えている収容保持具と保冷剤との組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保冷剤用の収容保持具、及び収容保持具と保冷剤との組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、保冷剤を収容保持する従来の収容保持具が記載されている。この収容保持具は、布製の略直方体の袋である袋本体部を備えている。袋本体部の背面が使用者に当接される部分となっており、使用者に対する肌触りを良くするためにタオル地の布で構成されている。袋本体部の背面以外の部分は断熱性に優れるフェルト材で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3228878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の収容保持具は、袋本体部のタオル地の布が使用者に接するため、使用者に対する保冷剤の冷却効果が低下する。
【0005】
本発明は、使用者に対する保冷剤の冷却効果を向上させることができる保冷剤用の収容保持具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の保冷剤用の収容保持具は、少なくとも一つの保冷剤を収容保持可能な構成である保持具本体と、保持具本体に設けられた少なくとも一つの開口とを備えている。保持具本体内に少なくとも一つの保冷剤が収容保持された状態で、少なくとも一つの開口から少なくとも一つの保冷剤を保持具本体の外部から接触可能に露出させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様の保冷剤用の収容保持具による場合、保持具本体内に少なくとも一つの保冷剤が収容保持された状態で、保持具本体の少なくとも一つの開口から露出した少なくとも一つの保冷剤に、使用者が直接触れることができるので、使用者に対する保冷剤の冷却効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本発明の実施例1に係る保冷剤用の収容保持具の平面図である。
図1B】前記収容保持具の底面図である。
図1C】前記収容保持具の正面図である。
図1D】前記収容保持具の背面図である。
図1E】前記収容保持具の左側面図である。
図1F】前記収容保持具の右側面図である。
図1G】前記収容保持具の斜視図である。
図2】前記収容保持具の第1部及び第2部が開いた状態を示す斜視図である。
図3】前記収容保持具に保冷剤を収容保持させた状態の斜視図である。
図4】前記収容保持具の保持具本体に被せられるカバーの斜視図である。
図5A】前記収容保持具の保持具本体に前記カバーを被せた状態の平面側からの斜視図である。
図5B】前記収容保持具の保持具本体に前記カバーを被せた状態の底面側からの斜視図である。
図6A】前記収容保持具の保持具本体に前記カバーを被せた状態の底面側からの斜視図であって、第1ベルト及び第2ベルトを保持具本体に取り付ける前の状態を示す図である。
図6B】前記収容保持具の保持具本体に前記カバーを被せた状態の底面側からの斜視図であって、第1ベルト及び第2ベルトを保持具本体に取り付ける前の状態を示す図である。
図7A】本発明の実施例2に係る保冷剤用の収容保持具の平面図である。
図7B】前記収容保持具の底面図である。
図7C】前記収容保持具の正面図である。
図7D】前記収容保持具の背面図である。
図7E】前記収容保持具の左側面図である。
図7F】前記収容保持具の右側面図である。
図7G】前記収容保持具の斜視図である。
図8】前記収容保持具の第1部及び第2部が開いた状態を示す斜視図である。
図9】前記収容保持具に保冷剤を収容保持させた状態の斜視図である。
図10】前記収容保持具の保持具本体に被せられるカバーの斜視図である。
図11A】前記収容保持具の保持具本体に前記カバーを被せた状態の平面側からの斜視図である。
図11B】前記収容保持具の保持具本体に前記カバーを被せた状態の底面側からの斜視図である。
図12A】前記収容保持具の保持具本体に前記カバーを被せた状態の平面側からの斜視図であって、第1ベルト及び第2ベルトを保持具本体に取り付ける前の状態を示す図である。
図12B】前記収容保持具の保持具本体に前記カバーを被せた状態の平面側からの斜視図であって、第1ベルト及び第2ベルトを保持具本体に取り付ける前の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例1、2及びその設計変形例を含む複数の実施例について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【実施例0010】
以下、本発明の実施例1及びその設計変更例を含む複数の実施例に係る保冷剤用の収容保持具S1について、図1A図6Bを参照しつつ説明する。図1A図6Bには、実施例1の収容保持具S1が示されている。図1A図1B及び図1E図2には、Y-Y’方向が示されており、図1A図1D及び図1G図2には、Y-Y’方向に略直交するX-X’方向が示されており、図1C図2には、Y-Y’方向及びX-X’方向に略直交するZ-Z’方向が示されている。Y-Y’方向は、Y方向及びY’方向を含む。X-X’方向は、X方向及びX’方向を含む。Z-Z’方向は、収容保持具S1の高さ方向であり、Z方向及びZ’方向を含む。
【0011】
収容保持具S1は、保冷剤I(図3参照)を収容保持可能な構成である保持具本体100を備えている。保冷剤Iは、保冷物質が硬質の樹脂製のケース又は軟質のビニール製の袋内に充填された周知のものである。保冷物質は、常温ではゲル状となり、氷点下に冷却されることによって、凝固して固体となる。
【0012】
保持具本体100は、保冷剤Iを収容可能なケースである。保持具本体100は、例えば、断熱性を有する素材(例えば、EVAフォーム、ポリウレタンフォーム又はポリエチレンフォーム等)で構成されていても良い(図1A図6B参照)が、断熱性を有さない素材(例えば、ポリエステル生地やナイロン生地等)で構成されていても良い。保持具本体100は、軟質なケース(図1A図6B参照)であってもよいし、図示しない硬質なケースであってもよい。保持具本体100は、Z’方向側の第1主壁110と、Z’方向側の第2主壁120と、側壁130とを有する。
【0013】
保持具本体100は、たとえば、保冷剤Iを収容保持可能なケースであって、その内形、内形サイズが、保冷剤Iの外形、外形サイズに略対応した構成とすることが可能である(図1A図3参照)。保持具本体100内に保冷剤Iが嵌合(FIT IN)することによって、保持具本体100が、その内部で保冷剤Iを収容し且つ保持する。
【0014】
保冷剤Iが略円板状(図3参照)である場合、保持具本体100の内形も円板状とし、保持具本体100の内形サイズが保冷剤Iの外形サイズに略対応する構成とするとよい。この場合、保持具本体100内に保冷剤Iが収容保持された状態で、保持具本体100の第1主壁110が、保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、保持具本体100の第2主壁120が、保冷剤IのZ方向の外面に当接し、保持具本体100の略円筒状の側壁130が、保冷剤Iの略円筒状の側面に当接する。
【0015】
保冷剤Iが略直方体の板状(図示なし)である場合、保持具本体100の内形も直方体の板状とし、保持具本体100の内形サイズが保冷剤Iの外形サイズに略対応する構成とするとよい。この場合、保持具本体100内に保冷剤Iが収容保持された状態で、保持具本体100の第1主壁110が、保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、保持具本体100の第2主壁120が、保冷剤IのZ方向の外面に当接し、保持具本体100の略角筒状の側壁130が、保冷剤Iの略角筒状の側面に当接する。
【0016】
別の実施例では、保持具本体100内に保冷剤Iが収容されることによって、保持具本体100が、その内部で保冷剤Iを収容し且つZ-Z’方向、X-X’方向及びY-Y’方向において保冷剤Iを保持する構成とすることが可能である。この場合、保持具本体100内に保冷剤Iが収容保持された状態で、保持具本体100の第1主壁110が、保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、保持具本体100の第2主壁120が、保冷剤IのZ方向の外面に当接し、保持具本体100の側壁130のX方向側の部分、X’方向側の部分、Y方向側の部分、Y’方向側の部分が、保冷剤Iの側面のX方向側の部分、X’方向側の部分、Y方向側の部分、Y’方向側の部分に当接する。
【0017】
更に別の実施例では、保持具本体100は、その内形サイズが、保冷剤Iの外形サイズよりも大きいケースとすることも可能である(図示しない)。この場合、保持具本体100内には、保冷剤Iを収容保持する図示しない収容部が設けられていても良い。収容部は、例えば、第1主壁110と、第2主壁120と、第1主壁110からZ方向に延びた略筒とを有する構成、又は、第1主壁110と、第2主壁120と、第2主壁120からZ’方向に延びた略筒とを有する構成とすることが可能である。収容部の略筒は、その一部が側壁130の一部で構成されていてもよいが、これに限定されるものではない。収容部の内形、内形サイズが、保冷剤Iの外形、外形サイズに略対応した構成としてもよい。この場合、保持具本体100の収容部内に保冷剤Iが嵌合(FIT IN)することによって、保持具本体100が、その内部で保冷剤Iを収容し且つ保持する。又は、収容部の内部のZ-Z’方向の寸法、X-X’方向の寸法、Y-Y’方向の寸法が、保冷剤IのZ-Z’方向の寸法、X-X’方向の寸法、Y-Y’方向の寸法に略対応した構成としてもよい。この場合、保持具本体100の収容部内に保冷剤Iが収容されることによって、収容部が、その内部で保冷剤Iを収容し且つZ-Z’方向、X-X’方向及びY-Y’方向において保冷剤Iを保持する。
【0018】
以下、説明の便宜状、上記何れかのとおりに保持具本体100内に保冷剤Iが収容保持された状態を、単に「収容状態」と称する。この収容状態が、収容保持具100と保冷剤Iとを組み合わせた状態となる。
【0019】
収容保持具S1は、保持具本体100に設けられた少なくとも一つの開口Hを更に備えている。少なくとも一つの開口Hは、一又は複数とすることが可能である。一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、保持具本体100の第1主壁110、第2主壁120及び側壁130の少なくとも一つを貫通する貫通孔である。
【0020】
例えば、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、(1)第1主壁110を貫通する貫通孔、(2)第2主壁120を貫通する貫通孔、又は、(3)側壁130を貫通する貫通孔とすることが可能である。(1)の場合、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、第1主壁110の一部分に設けられていてもよいが、これに限定されるものではない。(2)の場合、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、第2主壁120の一部分に設けられていてもよいが、これに限定されるものではない。(3)の場合、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、側壁130の一部分に設けられていてもよいが、これに限定されるものではない。
【0021】
また、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、(4)第1主壁110及び側壁130にわたって設けられ且つ第1主壁110及び側壁130を貫通する貫通孔、(5)第2主壁120及び側壁130にわたって設けられ且つ第2主壁120及び側壁130を貫通する貫通孔、又は、(6)第1主壁110、第2主壁120及び側壁130にわたって設けられ且つ第1主壁110、第2主壁120及び側壁130を貫通する貫通孔とすることが可能である。(4)の場合、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、第1主壁110の一部分及び側壁130の一部分に設けられていてもよいが、これに限定されるものではない。(5)の場合、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、第2主壁120の一部分及び側壁130の一部分に設けられていてもよいが、これに限定されるものではない。(6)の場合、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、第1主壁110の一部分、第2主壁120の一部分及び側壁130の一部分に設けられていてもよいが、これに限定されるものではない。
【0022】
何れの構成であっても、上記収容状態で、一の開口H、又は、複数の開口Hの各々から保冷剤Iを保持具本体100の外部から接触可能に露出させるようになっている。
【0023】
保持具本体100は、第1部101と第2部102とを有する2ピース構造とすることが可能である。第2部102は、第1部101に対して開閉自在に接続されている。第2部102は、第1部101に対して開状態にあるときに、保冷剤Iが第1部101に収容され、第2部102は、第1部101に対して閉じ合わされた状態(閉状態)で、第1部101及び第2部102内に保冷剤Iが収容保持される。
【0024】
例えば、第1部101は、保持具本体100を構成する上記した何れかのケースのZ’方向側の略半分の部分とし、第2部102は、同ケースのZ方向側の略半分の部分とすることが可能である(図1A図6B参照)。この場合、第1部101は、第1主壁110と、側壁130のZ’方向側の略半分の部分とを有し、第2部102は、第2主壁120と、側壁130のZ方向側の略半分の部分とを有する。又は、第1部101は、保持具本体100を構成する上記した何れかのZ方向に開口したケース本体とし、2部102は、ケース本体の開口を開閉自在に塞ぐ蓋とすることが可能である(図示しない)。この場合、第1部101は、第1主壁110と、側壁130とを有し、第2部102は、第2主壁120とを有する。
【0025】
保持具本体100が、上記2ピース構造を有する場合、保持具本体100は、第1部101と第2部102とが閉じ合わされた状態でロックするロック手段を更に備えていてもよい。ロック手段としては、例えば、線ファスナ140を用いることができる。線ファスナ140は、第1部101の縁部に設けられた第1務歯列と、第2部102の縁部に設けられた第2務歯列と、第1務歯列と第2務歯列とを開閉するスライダとを有している。第1部101及び第2部102が閉じ合わせられ、第1務歯列と第2務歯列とが略平行になった状態で、スライダが移動することによって、第1、第2務歯列の閉じ合わせ(すなわち、ロック)及びそのロックの解除がなされるようになっている。固定手段としては、線ファスナ140の代わりに、一組の面ファスナやスナップボタンを用いてもかまわない。この場合、第1部101又は第2部102に設けられた舌部に、一組の面ファスナ又はスナップボタンの一方が設けられて、第2部102又は第1部101に、一組の面ファスナ又はスナップボタンの他方が設けられている。両者が接続される(係合される)ことによって、第1部101と第2部102とが閉じ合わされた状態でロックされる。なお、ロック手段は省略可能である。
【0026】
なお、保持具本体100が、上記2ピース構造を有していなくても構わない。この場合、保持具本体100を伸縮する素材で構成し、少なくとも一つの開口Hから保冷剤Iを出し入れ可能とするとよい。
【0027】
収容保持具S1は、保持具本体100に設けられた第1係合部150aを更に備えていてもよい。第1係合部150aは、例えば、保持具本体100の第1主壁110、第2主壁120及び側壁130の何れかに設けられており且つ第1係合対象に係合可能な構成とすることが可能である。例えば、第1係合対象がフックである場合、第1係合部150aは、フックを引っ掛けることが可能であるスリーブ(図1A図6B参照)又はループ等とするとよい。第1係合対象がスリーブ又はループである場合、第1係合部150aは、スリーブ又はループに引っ掛けることが可能であるフック等とするとよい。第1係合対象が面ファスナの一方、スナップボタンの一方又はコネクタの一方である場合、第1係合部150aは、面ファスナの一方に接続される面ファスナの他方、スナップボタンの一方に接続されるスナップボタンの他方、又はコネクタの一方に接続されるコネクタの他方等とするとよい。
【0028】
収容保持具S1は、第2係合部150bを更に備えていてもよい。この場合、第1係合部150aは、保持具本体100の一方(例えば、側壁130のX方向側又はY方向側の部分)に設けられ、第2係合部150bは、保持具本体100の他方(例えば、側壁130のX’方向側又はY’方向側の部分)に設けられているとよい。第2係合部150bは、第2係合対象に係合可能な構成とすることが可能である。例えば、第2係合対象がフックである場合、第2係合部150bは、フックを引っ掛けることが可能であるスリーブ(図1A図6B参照)又はループ等とするとよい。第2係合対象がスリーブ又はループである場合、第2係合部150bは、スリーブ又はループに引っ掛けることが可能であるフック等とするとよい。第2係合対象が面ファスナの一方、スナップボタンの一方又はコネクタの一方である場合、第2係合部150bは、面ファスナの一方に接続される面ファスナの他方、スナップボタンの一方に接続されるスナップボタンの他方、又はコネクタの一方に接続されるコネクタの他方等とするとよい。
【0029】
なお、第1係合部150a及び/又は第2係合部150bは省略可能である。
【0030】
収容保持具S1は、カバー200を更に備えていてもよい(図4図6B参照)。カバー200は、保持具本体100に被せられる袋体であって、一又は複数の開口Hを覆うようになっている。カバー200の内形、内形サイズは、保持具本体100の外形、外形サイズに略対応している。カバー200は、保持具本体100に被せられることによって、カバー200が保持具本体100にフィットするようになっている。カバー200には、開口部210が設けられている。開口部210は、カバー200の略中央部に設けられていてもよいし(図4図6B参照)、カバー200の端部に設けられていてもよい(図示なし)。開口部210から保持具本体100が出し入れ可能となっている。開口部210から保持具本体100の第1主壁110又は第2主壁120が露出するように、カバー200を保持具本体100に被せることが可能である。カバー200には、開口部210を開閉する図示しない蓋が設けられていてもよい。
【0031】
カバー200は、保持具本体100に被せられた状態で、少なくとも一つの開口Hを覆う少なくとも一つの被覆部を有する。少なくとも一つの被覆部は、少なくとも一つの開口Hの数に応じて一又は複数である。上記収容状態で、カバー200の一又は複数の被覆部が、一又は複数の開口Hを覆うことによって、カバー200の一又は複数の被覆部が保冷剤Iに接触する。この場合、使用者は、カバー200の一又は複数の被覆部を介して一又は複数の開口Hから露出する保冷剤Iに接触可能となる。
【0032】
カバー200は、少なくとも一又は複数の被覆部の断熱性が保持具本体100の断熱性よりも小さい、及び/又は、一又は複数の被覆部の厚み寸法が保持具本体100の厚み寸法よりも小さい素材で構成されていてもよいが、これに限定されるものではない。勿論、カバー200全体が、前述の素材で構成されていてもよい。図4図6Bでは、カバー200全体が、ポリエステル生地やナイロン生地で構成されている。なお、カバー200は省略可能である。
【0033】
保持具本体100に第1係合部150aが設けられている場合、カバー200には、第1係合部150aをカバー200の外部に突出又は露出させる第1スリット220が設けられている。カバー200が保持具本体100に被せられた状態であっても、第1スリット220から第1係合部150aが突出又は露出することによって、第1係合対象と係合可能となる。
【0034】
保持具本体100に第2係合部150bが設けられている場合、カバー200には、第2係合部150bとカバー200の外部に突出又は露出させる第2スリット220が設けられている。カバー200が保持具本体100に被せられた状態であっても、第2スリット220から第2係合部150bが突出又は露出することによって、第2係合対象と係合可能となる。なお、第1、第2スリット200の双方が設けられている場合、カバー200が保持具本体100に被せられた状態で、第2スリット220から第1係合部150aがカバー200の外部に突出又は露出し、第1スリット220から第2係合部150bがカバー200の外部に突出又は露出するようになっていてもよい。
【0035】
収容保持具S1は、取付手段を更に備えていてもよい。取付手段は、保持具本体100に設けられたベルトやゴムバンド等であっって、被取付対象(例えば、頭、首、腕又は脚等の身体)に取り付け可能となっている。
【0036】
取付手段が、保持具本体100に設けられたベルトで構成されている場合、取付手段のベルトは、第1ベルト300a及び第2ベルト300bを有する構成とすることが可能である(図6A及び図6B参照)。
【0037】
第1ベルト300a及び第2ベルト300bは、保持具本体100と別体とすることが可能である。この場合、第1ベルト300aは、第1ベルト本体310aと、第3係合部320aと、第4係合部330aとを有し、第2ベルト300bは、第2ベルト本体310bと、第5係合部320bと、第6係合部330bとを有する。
【0038】
第3係合部320aは、上記した何れかの第1係合対象であって、第1ベルト本体310aの先端部に設けられている。第5係合部320bは、上記した何れかの第2係合対象であって、第2ベルト本体310bの先端部に設けられている。第3係合部320aが上記何れかのとおりに第1係合部150aに係合することによって、第1ベルト本体310aが保持具本体100に取り付けられ、第5係合部320bが上記何れかのとおりに第2係合部150bに係合することによって、第2ベルト本体310bが保持具本体100に取り付けられる。
【0039】
第4係合部330aは、第1ベルト本体310aの後端部に設けられている。第6係合部330bは、第2ベルト本体310bの後端部に設けられている。第4係合部330aが第6係合部330bに係合可能となっている。例えば、第4係合部330a及び第6係合部330bの一方が、フックである場合、他方が、フックを引っ掛けることが可能であるスリーブ又はループ等とするとよい。第4係合部330a及び第6係合部330bの一方が、面ファスナの一方、スナップボタンの一方又はコネクタの一方である場合、他方が、面ファスナの一方に接続される面ファスナの他方、スナップボタンの一方に接続されるスナップボタンの他方、又はコネクタの一方に接続されるコネクタの他方等とするとよい。
【0040】
第1ベルト本体310a及び第2ベルト本体310bが、被取付対象に巻き付けられた状態で、第4係合部330aが第6係合部330bに前述の何れかのとおり係合する。上記収容状態で、このように第1ベルト本体310a及び第2ベルト本体310bが、被取付対象に取り付けられることによって、保持具本体100の一又は複数の開口Hから露出する保冷剤Iが被取付対象に接触する。上記のとおりカバー200が保持具本体100に被せられている場合、カバー200の一又は複数の被覆部を介して一又は複数の開口Hから露出する保冷剤Iが被取付対象に接触する。
【0041】
又は、第1ベルト300a及び第2ベルト300bは、保持具本体100に一体的に設けられていてもよい。この場合、第3係合部320a及び第5係合部320bは省略され、第1ベルト300aの第1ベルト本体310aは、保持具本体100の一方(例えば、側壁130のX方向側又はY方向側の部分)に一体的に設けられ、保持具本体100から一方(例えば、X方向又はY方向)に延びており、且つ、第2ベルト300bの第2ベルト本体310bは、保持具本体100の他方(例えば、側壁130のX’方向側又はY’方向側の部分)に設けられて保持具本体100から他方(例えば、X’方向又はY’方向)に延びている。
【0042】
以上のような収容保持具S1は、以下の第1~第7技術的特徴及び効果を奏する。
【0043】
第1技術的特徴及び効果
保持具本体100には、上記収容状態で、保冷剤Iに保持具本体100の外部から接触可能に露出させる少なくとも一つの開口Hが設けられている。そのため、上記収容状態で、少なくとも一つの開口Hから露出した保冷剤Iに、使用者が直接触れることができるので、使用者に対する保冷剤Iの冷却効果を向上させることができる。
【0044】
第2技術的特徴及び効果
少なくとも一つの開口Hが、第1主壁110及び側壁130にわたって、第2主壁120及び側壁130にわたって、又は、第1主壁110、第2主壁120及び側壁130にわたって設けられている場合、上記収容状態で、少なくとも一つの開口Hから露出した保冷剤Iに、多様な角度で使用者が直接触れることが可能になる。
【0045】
第3技術的特徴及び効果
少なくとも一つの開口Hが、第1主壁110、第2主壁120及び側壁130のうちの少なくとも一つの一部分に設けられている場合、上記収容状態で、少なくとも一つの開口Hから保冷剤Iが部分的に露出する一方で、保冷剤Iは、保持具本体100の少なくとも一つの開口Hの周りの部分で覆われている。よって、使用者が、保持具本体100の少なくとも一つの開口Hの周りの部分を把持して、少なくとも一つの開口Hから保冷剤Iを自身に接触させることができる。
【0046】
第4技術的特徴及び効果
保持具本体100が、第1部101及び第2部102を有する場合、第2部102を第1部101に対して開くことによって、保持具本体100内に保冷剤Iの出し入れを容易に行うことができる。
【0047】
第5技術的特徴及び効果
保持具本体100に第1係合部150a及び/又は第2係合部150bが設けられている場合、第1係合部150aに第1係合対象を係合させてたり、第2係合部150bに第2係合対象を係合させてたりすることができる。この第1係合対象及び/又は第2係合対象をかばんや被服に取り付けることによって、保持具本体100を携帯し易くなる。
【0048】
第6技術的特徴及び効果
保持具本体100に取付手段が設けられている場合、上記収容状態で、取付手段が身体等の被取付対象に取り付けられることによって、少なくとも一つの開口Hから露出した保冷剤Iを使用者が直接触れた状態で維持できる。
【0049】
第7技術的特徴及び効果
カバー200が設けられている場合、カバー200が保持具本体100に被せられ且つカバー200の少なくとも一つの被覆部が少なくとも一つの開口Hを覆うため、上記収容状体で、カバー200の一又は複数の被覆部を介して一又は複数の開口Hから露出する保冷剤Iを使用者に接触させることによって、保冷剤Iの使用者に対する冷却効果を軽減できる。しかも、カバー200を保持具本体100から取り外すことによって、少なくとも一つの開口Hから保冷剤Iが露出するので、少なくとも一つの開口Hから露出した保冷剤Iを、使用者に直接接触させることもできるので、保持具本体100に対してカバー200を着脱することによって、保冷剤Iの使用者に対する冷却効果を変化させることができる。
【実施例0050】
以下、本発明の実施例2及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る収容保持具S2について、図7A図12Bを参照しつつ説明する。図7A図12Bには、実施例2の収容保持具S2が示されている。収容保持具S1と同様に、図7A図7B及び図7E図8には、Y-Y’方向が示されており、図7A図7D及び図7G図8には、X-X’方向が示されており、図7C図8には、Z-Z’方向が示されている。
【0051】
収容保持具S2は、保持具本体100’が複数の保冷剤Iを収容保持する点及び保持具本体100’に複数の保冷剤Iの数に応じて少なくとも一つずつの開口Hが設けられている点で、収容保持具S1と相違する以外、収容保持具S1と略同じ構成である。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、収容保持具S2の説明のうち、収容保持具S1の説明と重複するものについては省略する。
【0052】
収容保持具S2の保持具本体100’は、複数の保冷剤Iの数に応じた複数の収容部103を有する構成とすることが可能である。複数の収容部103は、X-X’方向に並べて配置されている。
【0053】
各収容部103内に対応する保冷剤Iが収容されることによって、各収容部103が、その内部で対応する保冷剤Iを収容し且つZ-Z’方向、X-X’方向及びY-Y’方向において対応する保冷剤Iを保持する構成とすることが可能である。各収容部103は、保持具本体100’の第1主壁110の一部、保持具本体100’の第2主壁120の一部及び保持具本体100’の側壁130の一部を有する。各収容部103内に対応する保冷剤Iが収容保持された状態で、各収容部103の第1主壁110の一部が、対応する保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、各収容部103の第2主壁120の一部が、対応する保冷剤IのZ方向の外面に当接し、各収容部103の側壁130の一部、すなわち、Y方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分が、対応する保冷剤Iの側面のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接する。
【0054】
複数の収容部103のうちX-X’方向で隣り合う二つの収容部103は互いに連通していてもよい。
【0055】
複数の収容部103が二つであって、互いに連通しており且つ各々が円板状の保冷剤Iを収容保持する場合(図9参照)、各収容部103の側壁130は、略C字状である。この場合、各収容部103内に対応する保冷剤Iが収容保持された状態で、各収容部103の第1主壁110の一部が、対応する保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、各収容部103の第2主壁120の一部が、対応する保冷剤IのZ方向の外面に当接し、且つ、各収容部103の側壁130のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分が、対応する保冷剤Iの側面のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接する。
【0056】
複数の収容部103が三つ以上であり、そのうちのX-X’方向で隣り合う収容部103が互いに連通しており且つ各々が円板状の保冷剤Iを収容保持する場合、三つ以上の収容部103のうちのX-X’方向の両端に位置する二つの収容部103の側壁130は、略C字状であり、三つ以上の収容部103のうちの中間に位置する一又は複数の収容部103の側壁130は、Y方向側の円弧部及びY’方向側の円弧部を有する。この場合、各収容部103内に対応する保冷剤Iが収容保持された状態で、両端に位置する二つの収容部103の各々において、第1主壁110の一部が、対応する保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、第2主壁120の一部が、対応する保冷剤IのZ方向の外面に当接し、且つ、側壁130のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分が、保冷剤Iの側面のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接し、中間に位置する一又は複数の収容部103の各々において、第1主壁110の一部が、対応する保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、第2主壁120の一部が、対応する保冷剤IのZ方向の外面に当接し、側壁130のY方向側の円弧部が、保冷剤Iの側面のY方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接し、且つ、側壁130のY’方向側の円弧部が保冷剤Iの側面のY’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接する。
【0057】
複数の収容部103が二つであって、互いに連通しており且つ各々が略直方体の板状の保冷剤Iを収容保持する場合(図示なし)、各収容部103の側壁130は、角張った略C字状である。この場合、各収容部103内に対応する保冷剤Iが収容保持された状態で、各収容部103の第1主壁110の一部が、対応する保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、各収容部103の第2主壁120の一部が、対応する保冷剤IのZ方向の外面に当接し、各収容部103の側壁130のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分が、対応する保冷剤Iの側面のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接する。
【0058】
複数の収容部103が三つ以上であり、そのうちのX-X’方向で隣り合う収容部103が互いに連通しており且つ各々が略直方体の板状の保冷剤Iを収容保持する場合、三つ以上の収容部103のうちのX-X’方向の両端に位置する二つの収容部103の側壁130は、角張った略C字状であり、三つ以上の収容部103のうちの中間に位置する一又は複数の収容部103の側壁130は、Y方向側の略凹字部及びY’方向側の略凹字部を有する。この場合、各収容部103内に対応する保冷剤Iが収容保持された状態で、両端に位置する二つの収容部103の各々において、第1主壁110の一部が、対応する保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、第2主壁120の一部が、対応する保冷剤IのZ方向の外面に当接し、且つ、側壁130のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分が、保冷剤Iの側面のY方向側の部分、Y’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接し、中間に位置する一又は複数の収容部103の各々において、第1主壁110の一部が、対応する保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、第2主壁120の一部が、対応する保冷剤IのZ方向の外面に当接し、側壁130のY方向側の略凹字部が、保冷剤Iの側面のY方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接し、且つ、側壁130のY’方向側の略凹字部が保冷剤Iの側面のY’方向側の部分、X方向側の部分、X’方向側の部分に当接する。
【0059】
複数の収容部103はそれぞれ独立していてもよい。この場合、各収容部103の内形、内形サイズが、対応する保冷剤Iの外形、外形サイズに略対応した構成とすることが可能である。この場合、各収容部103内に対応する保冷剤Iが嵌合(FIT IN)することによって、保持具本体100’が、その内部で複数の保冷剤Iを収容し且つ保持する。この場合、各収容部103は、保持具本体100’の第1主壁110の一部、保持具本体100’の第2主壁120の一部及び側壁を有する。各収容部103内に対応する保冷剤Iが収容保持された状態で、各収容部103の第1主壁110の一部が、対応する保冷剤IのZ’方向の外面に当接し、各収容部103の第2主壁120の一部が、対応する保冷剤IのZ方向の外面に当接し、各収容部103の側壁が、保冷剤Iの側面に当接する。各収容部103の側壁は、その一部が側壁130の一部で構成されていてもよいが、これに限定されるものではない。
【0060】
各収容部103には、開口Hが少なくとも一つずつ設けられている。すなわち、各収容部103に対して、一又は複数の開口Hが設けられている。
【0061】
各収容部103における一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、(7)各収容部103の第1主壁110の一部を貫通する貫通孔、(8)各収容部103の第2主壁120の一部を貫通する貫通孔、又は、(9)各収容部103の側壁130の一部を貫通する貫通孔とすることが可能である。
【0062】
各収容部103における一の開口H、又は、複数の開口Hの各々は、(10)各収容部103の第1主壁110の一部及び側壁130の一部にわたって設けられ且つ第1主壁110の一部及び側壁130の一部を貫通する貫通孔、(11)各収容部103の第2主壁120の一部及び側壁130の一部にわたって設けられ且つ第2主壁120の一部及び側壁130の一部を貫通する貫通孔、又は、(12)各収容部103の第1主壁110の一部、第2主壁120の一部及び側壁130の一部にわたって設けられ且つ第1主壁110の一部、第2主壁120の一部及び側壁130の一部を貫通する貫通孔とすることが可能である。
【0063】
何れの構成であっても、収容状態で、各収容部103における一又は複数の開口Hから対応する保冷剤Iを保持具本体100’の外部から接触可能に露出させるようになっている。なお、上記した収容状態が、収容保持具100’と複数の保冷剤Iとを組み合わせた状態となる。
【0064】
収容保持具S2の保持具本体100’は、X-X’方向に並べられた複数の保冷剤Iを収容保持可能なケースであって、その内形、内形サイズが、X-X’方向に並べられた複数の保冷剤Iの外形、外形サイズに略対応した構成とすることが可能である。保持具本体100’内に複数の保冷剤IがX-X’方向に並べて嵌合(FIT IN)することによって、保持具本体100’が、その内部で保冷剤Iを収容し且つ保持する。この場合も、保持具本体100’には、複数の保冷剤Iの数に応じて少なくとも一つずつの開口Hが設けられている。
【0065】
保持具本体100’は、保持具本体100と同様に、第1部101と第2部102とを有する2ピース構造とすることが可能であるが、上記2ピース構造を有していなくても構わない。
【0066】
保持具本体100’には、保持具本体100と同様に、第1係合部150a及び/又は第2係合部150bが設けられていてもよいが、第1係合部150a及び/又は第2係合部150bは設けられていなくても構わない。保持具本体100’が、上記2ピース構造を有する場合、保持具本体100’は、第1部101と第2部102とが閉じ合わされた状態でロックする上記ロック手段を更に備えていてもよい。
【0067】
保持具本体100’には、カバー200が被せられていてもよいが、被せられていなくても構わない。収容保持具S2のカバー200は、その内形、内形サイズが、保持具本体100’の外形、外形サイズに略対応している以外、収容保持具S1のカバー200と略同じ構成である。開口部210から保持具本体100’の第1主壁110又は第2主壁120が露出するように、カバー200を保持具本体100’に被せることが可能である。
【0068】
保持具本体100’には、保持具本体100と同様に、上記取付手段が設けられていてもよいが、上記取付手段は設けられていなくても構わない。上記取付手段が、保持具本体100’に設けられたベルトで構成されている場合、取付手段のベルトは、第1ベルト300a及び第2ベルト300bを有する(図12A及び図12B参照)。
【0069】
以上のような収容保持具S2は、収容保持具S1の第1~第7技術的特徴及び効果と同様の第1~第7技術的特徴及び効果を奏する。
【0070】
なお、上記した収容保持具は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0071】
上記した何れかの態様の保持具本体は、少なくとも一つの保冷剤を収容保持する構成であればよい。保持具本体100’の少なくとも一つの開口Oは、保持具本体100’に保持された複数の保冷剤Iを保持具本体100’の外部から接触可能に露出させるようになっていてもよい。
【0072】
カバー200が省略される場合、保持具本体100又は100’の一又は複数の開口Hの縁部に縫い付け又は接合されており且つ一又は複数の開口Hを覆う一又は複数の被覆部が設けられていてもよい。この場合、上記収容状態で、一又は複数の被覆部が、一又は複数の開口Hを覆っているので、一又は複数の被覆部を介して一又は複数の開口Hから露出する保冷剤Iに接触可能となる。この一又は複数の被覆部は、カバー200の一又は複数の被覆部と同様の素材で構成可能である。
【符号の説明】
【0073】
S1、S2:収容保持具
100、100’:保持具本体
101:第1部 102:第2部 110:第1主壁 120:第2主壁 130:側壁 140:線ファスナ 150a:第1係合部 150b:第2係合部 H:開口
200:カバー
210:開口部 220:第1スリット、第2スリット
300a:第1ベルト 300b:第2ベルト
310a:第1ベルト本体 310b:第2ベルト本体 320a:第3係合部 330a:第4係合部 320b:第5係合部 330b:第6係合部
I:保冷剤
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B