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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112448
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】折り畳み手持ち用具
(51)【国際特許分類】
   A47G 21/00 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
A47G21/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014244
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】391036404
【氏名又は名称】株式会社ロゴスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】安東 渉
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA13
3B115AA15
3B115AA23
3B115BA02
3B115BA10
3B115BA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使い勝手と低コスト化との双方を図ることが可能な折り畳み手持ち用具を提供する。
【解決手段】折り畳み手持ち用具100は、スプーンの用具本体110と、平面視コ字状体であり且つ前記用具本体の後端側に折り畳み可能に設けられた把持部120と、用具本体110を把持部120に対して展開した状態を維持してロックするための部材であって把持部120に装着されたロック部材130とを備える。ロック部材130は、把持部120の一対のガイド部121、122の間に挟まれた状態で同ガイド部に沿って移動自在になっており且つ先端側への移動に伴って一対のガイド部121、122の先端側の間に保持される構成になっている。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプーン、フォーク、ナイフその他の用具本体と、平面視コ字状体であり且つ前記用具本体の後端側に折り畳み可能に設けられた把持部と、前記用具本体を前記把持部に対して展開した状態を維持してロックするための部材であって前記把持部に装着されたロック部材とを備え、前記用具本体の後端側には、前記把持部の先端部位をその左右両側から挟んで支持するための一対の支持片が設けられており、前記把持部は、互いに対向した位置関係になっている部分である一対のガイド部と、前記一対のガイド部の後端側同士を繋ぐ部分である横架部と、前記一対のガイド部の先端側が外側に各々向けられた部分である一対の軸部とを有し、前記一対の支持片の面上には、前記一対の軸部が各々挿入される一対の軸受部が各々形成されており、前記一対のガイド部は、間隔が同ガイド部の長手方向の先端側にいく従って漸次狭くなっており、前記ロック部材は、前記一対のガイド部の間に挟まれた状態で同ガイド部に沿って移動自在になっており且つ先端側への移動に伴って前記一対のガイド部の先端側の間に保持される構成になっていることを特徴とする折り畳み手持ち用具。
【請求項2】
請求項1記載の折り畳み手持ち用具において、前記一対のガイド部は、間隔が同ガイド部の長手方向の後端側にいくに従って漸次狭くなっており、前記ロック部材は、後端側への移動に伴って前記一対のガイド部の後端側の間に保持される構成になっていることを特徴とする折り畳み手持ち用具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の折り畳み手持ち用具において、前記ロック部材は面的に湾曲した板状体であって、その両側端面に前記一対のガイド部の一部が入り込む案内溝が各々形成されており、前記一対のガイド部は前記ロック部材の形状に対応して円弧状に湾曲していることを特徴とする折り畳み手持ち用具。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の折り畳み手持ち用具において、前記把持部は金属製又は樹脂製のものが使用され、前記ロック部材は木製又は木目調材のものが使用されていることを特徴とする折り畳み手持ち用具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアウトドア用のスプーン、フォーク、ナイフ等に利用可能な折り畳み手持ち用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の折り畳み手持ち用具の一例が下記特許文献1に記載されている。この折り畳み手持ち用具は、スプーンである用具本体と、平面視コ字状体であって用具本体の基端側に折り畳み可能に設けられた把持部と、用具本体を把持部に対して展開した状態を維持するための部材であって把持部に装着されたロック部材とを備えている。
【0003】
把持部は、互いに平行の位置関係になった部分である一対のガイド部と、一対のガイド部の後端側同士を繋ぐ部分である横架部と、一対のガイド部の各先端側が内側に各々折り曲げられた部分である一対の軸部とを有している。一対の軸部は、用具本体の後端側の両側端面に形成された一対の軸受部に各々挿入される。ロック部材は把持部の一対のガイド部の内部に各々通されて同ガイド部に沿って移動可能になっている。ロック部材を先端側に移動させ、用具本体の後端面に接触させると、用具本体を把持部に対して展開した状態が維持されるようになっている。この状態がロック状態である。ロック部材を元の位置に戻すとロック状態が解除され、用具本体を把持部に対して折り曲げることが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】意匠登録第1681110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例による場合、スプーンを使用する際、ロック部材を指で押さえ続ける必要があり、この点で使い勝手か悪い。この問題を解消するにはロック機構を強固なものに設計変更する必要があるが、そうすると全体の構成が複雑になり部品点数が増加し、これに伴って低コスト化を図ることが困難になる。
【0006】
本発明は上記した背景の下で創作されたもので、その目的とするところは、使い勝手と低コスト化との双方を図ることが可能な折り畳み手持ち用具を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る折り畳み手持ち用具は、スプーン、フォーク、ナイフその他の用具本体と、平面視コ字状体であり且つ前記用具本体の後端側に折り畳み可能に設けられた把持部と、前記用具本体を前記把持部に対して展開した状態を維持してロックするための部材であって前記把持部に装着されたロック部材とを備え、前記用具本体の後端側には、前記把持部の先端部位をその左右両側から挟んで支持するための一対の支持片が設けられており、前記把持部は、互いに対向した位置関係になっている部分である一対のガイド部と、前記一対のガイド部の後端側同士を繋ぐ部分である横架部と、前記一対のガイド部の先端側が外側に各々向けられた部分である一対の軸部とを有し、前記一対の支持片の面上には、前記一対の軸部が各々挿入される一対の軸受部が各々形成されており、前記一対のガイド部は、間隔が同ガイド部の長手方向の先端側にいく従って漸次狭くなっており、前記ロック部材は、前記一対のガイド部の間に挟まれた状態で同ガイド部に沿って移動自在になっており且つ先端側への移動に伴って前記一対のガイド部の先端側の間に保持される構成になっている。
【0008】
上記発明による場合、ロック部材を先端側に移動させると保持されてロックされることから、従来とは異なりスプーン等の使用時にロック部材を指で押さえ続ける必要がなくなり、従来に比べて使い勝手が良好になる。しかもロックするための機構がシンプルであることから、部品点数が少なく従来に比べて低コスト化を図ることも可能になる。
【0009】
本発明に係る他の折り畳み手持ち用具は、上記構成に加えて、前記一対のガイド部は、その間の間隔が同ガイド部の長手方向の後端側にいくに従って漸次狭くなっており、前記ロック部材は、後端側への移動に伴って前記一対のガイド部の後端側の間に保持される構成になっている。
【0010】
上記発明による場合、ロック部材を後端側に移動させるとロック部材が一対のガイド部の後端側の間に保持されることから持ち運び等の際にロック部材が不意に動くことがなくなり、この点で使い勝手が一層良好になる。しかも保持するための機構がシンプルであることから、部品点数が少なく一層の低コスト化を図ることが可能になる。
【0011】
本発明に係る他の折り畳み手持ち用具は、上記構成に加えて、前記ロック部材は面的に湾曲した板状体であって、その両側端面に前記一対のガイド部の一部が入り込む案内溝が各々形成されており、前記一対のガイド部は前記ロック部材の形状に対応して円弧状に湾曲している。
【0012】
上記発明による場合、ロック部材等が湾曲していることから、上記ロック等の力が強まり、この点で使い勝手が一層良好になる。また、組み立てを行い易い構造になっていることから、この点で低コスト化を更に図ることも可能になる。
【0013】
本発明に係る他の折り畳み手持ち用具は、上記構成に加えて、前記把持部は金属製又は樹脂製のものが使用され、前記ロック部材は木製又は木目調材のものが使用されている。
【0014】
上記発明による場合、ロック部材が目立ち易いだけでなく指の触り心地も良く、この点で使い勝手が更に良好になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】本発明の実施例に係る折り畳み手持ち用具の展開状態を示す正面図である。
図1B】前記折り畳み手持ち用具の背面図である。
図1C】前記折り畳み手持ち用具の底面図である。
図1D】前記折り畳み手持ち用具の左側面図である。
図1E】前記折り畳み手持ち用具の右側面図である。
図1F】前記折り畳み手持ち用具のロック部材が中間位置から先端側に移動したロック位置にある状態を示す正面図である。
図1G】前記折り畳み手持ち用具のロック部材が中間位置から後端側に移動した保持位置にある状態を示す正面図である。
図1H】前記折り畳み手持ち用具の折り畳み状態を示す背面図である。
図2A】本発明の変形例1に係る折り畳み手持ち用具の展開状態を示す正面図である。
図2B】前記折り畳み手持ち用具の背面図である。
図2C】前記折り畳み手持ち用具の底面図である。
図2D】前記折り畳み手持ち用具の左側面図である。
図2E】前記折り畳み手持ち用具の右側面図である。
図2F】前記折り畳み手持ち用具のロック部材が中間位置から先端側に移動したロック位置にある状態を示す正面図である。
図2G】前記折り畳み手持ち用具のロック部材が中間位置から後端側に移動した保持位置にある状態を示す正面図である。
図2H】前記折り畳み手持ち用具の折り畳み状態を示す背面図である。
図3A】本発明の変形例2に係る折り畳み手持ち用具の展開状態を示す正面図である。
図3B】前記折り畳み手持ち用具の背面図である。
図3C】前記折り畳み手持ち用具の底面図である。
図3D】前記折り畳み手持ち用具の左側面図である。
図3E】前記折り畳み手持ち用具の右側面図である。
図3F】前記折り畳み手持ち用具のロック部材が中間位置から先端側に移動したロック位置にある状態を示す正面図である。
図3G】前記折り畳み手持ち用具のロック部材が中間位置から後端側に移動した保持位置にある状態を示す正面図である。
図3H】前記折り畳み手持ち用具の折り畳み状態を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例に係る折り畳み手持ち用具100について、図1A図1Hを参照しつつ説明する。同用具100は主としてアウトドア用の折り畳みスプーンである。なお、同用具100の平面図は図1Cと左右対称に現れるため省略している。
【0017】
折り畳み手持ち用具100は、スプーンの先部分に相当する用具本体110と、スプーンの柄部分に相当する平面視コ字状体であって且つ用具本体110の後端側に折り畳み可能に設けられた把持部120と、用具本体110を把持部120に対して展開した状態を維持してロックするための部材であって把持部120に装着されたロック部材130とを備えている。
【0018】
把持部120については、断面円形ラインを平面視コ字状に折り曲げて作成された金属製部品であって、互いに対向した位置関係になっている部分である一対のガイド部121、122と、一対のガイド部121、122の後端側同士を繋ぐ部分である横架部123と、一対のガイド部121、122の先端側が外側(用具100の短手方向の一方、他方側)に各々向けられた部分である一対の軸部124、125とを有している。
【0019】
一対のガイド部121、122は、用具100の長手方向に延びており、間隔α(用具100の短手方向の間隔)が同ガイド部の長手方向の先端側にいくに従って漸次狭くなっている一方、間隔αが同ガイド部の長手方向の後端側にいくに従ってしたがって漸次狭くなっている。即ち、一対のガイド部121、122の間隔αで最も大きな箇所は、同ガイド部の長手方向の中央部位の間隔であり、同ガイド部の先端部位に対して長手方向の後端側の部位(以下、「準先端部位」と称する。)の間隔α及び同ガイド部の長手方向の後端部位の間隔は、同ガイド部の長手方向の中央部位よりも小さく、同ガイド部の長手方向の先端部位の間隔は、同ガイド部の準先端部位の間隔αよりも小さくなっている。同ガイド部の準先端部位の間隔αは、同ガイド部の長手方向の後端部位の間隔と略同じに設定することが可能である。なお、同ガイド部の間隔は同ガイド部の後端側にいくに従ってしたがって漸次狭くなっておらず、同ガイド部の中央部位の間隔と同ガイド部の後端部位との間の間隔を同じにすることが可能である。一対のガイド部121、122は、上側に凸となるようにロック部材130の湾曲形状に対応して円弧状に湾曲している。
【0020】
用具本体110については、金属製部品であって、スプーンの先部分と、一対の支持片111、112とを有する。用具本体110の後端側、すなわち、スプーンの先部分の後端部には、把持部120の先端部位(ガイド部121、122の先端部位)をその左右両側から挟んで支持するための一対の支持片111、112が下向きに立設されており且つ用具100の短手方向において互いに対向している。支持片111、112には、一対の軸部124、125の端部が各々挿入される一対の軸受穴1111、1121が各々形成されている。軸部124、125を支点として、把持部120が用具本体110に対して折り畳み位置と展開位置との間を回動可能となっている。なお、折り畳み位置は、把持部120が用具本体110に対して沿うように配置される位置である。展開位置は、把持部120が用具本体110に対して用具100の長手方向に並ぶ位置である。把持部120が展開位置に位置している状態で、一対のガイド部121、122の準先端部位は、支持片111、112に対して後端側に位置する。また、支持片111、112の内側面には、軸受穴1111、1121の下側に凸部1112、1122が突設されている。把持部120が折り畳み位置から展開位置に回動する際に、一対のガイド部121、122の先端部位が内側に変位して凸部1112、1122を乗り越える。把持部120が展開位置に位置した状態で、一対のガイド部121、122の先端部位が上側から凸部1112、1122に当接する。把持部120が展開位置から折り畳み位置に回動する際に、一対のガイド部121、122の先端部位が内側に変位して凸部1112、1122を乗り越えて、凸部1112、1122との当接が解除される。
【0021】
なお、一対の軸受穴1111、1121は、クレーム上の「一対の軸受部」に相当する構成部位であり、穴の代わりに窪みである凹部に置き換えてもかまわない。
【0022】
ロック部材130については、上方向に凸となるように面的に湾曲した板状略直方体である木製部品である。ロック部材130の長手方向の寸法は、展開位置における把持部120の横架部123から用具本体110の後端までの長手方向の距離よりも小さい。ロック部材130の長手方向の寸法は、展開位置における把持部120の横架部123から用具本体110の後端までの長手方向の距離の略半分以上であり且つ2/3よりも小さい寸法としてもよいが、これに限定されるものではない。
【0023】
ロック部材130の両側端面に断面半円の案内溝131、132が各々形成されている。ロック部材130の案内溝131、132に一対のガイド部121、122の一部が入り込むことによって、ロック部材130が一対のガイド部121、122の間に挟まれた状態で一対のガイド部121、122に沿って長手方向に移動自在になっている。
【0024】
ロック部材130の案内溝131の底から案内溝132の底までの短手方向の寸法は、一対のガイド部121、122の中央部位の短手方向の間隔よりも狭く且つ一対のガイド部121、122の準先端部位の短手方向の間隔αよりも若干大きい。一対のガイド部121、122の後端部位の短手方向の間隔が一対のガイド部121、122の準先端部位の短手方向の間隔と略同じである場合、ロック部材130の案内溝131の底から案内溝132の底までの短手方向の寸法は、一対のガイド部121、122の後端部位の短手方向の間隔よりも若干大きい。ロック部材130が同ガイド部の中央部位の間の位置(以下、中央位置とも称する。)から先端側へ移動することによって、ロック部材130が一対のガイド部121、122の準先端部位の間に保持される一方、ロック部材130が同ガイド部の中央部位の間の位置から後端側へ移動することによって、ロック部材130が一対のガイド部121、122の後端部位の間に保持される。ロック部材130の機能は次の通りである。
【0025】
即ち、ロック部材130を一対のガイド部121、122の中央位置から先端側に移動させてロック部材130を一対のガイド部121、122の準先端部位の間に位置させると、一対のガイド部121、122の準先端部位及び先端部位が外側に押し拡げられ、一対のガイド部121、122の先端部位が一対の支持片111、112に押し付けられる。換言すると、ロック部材130を一対のガイド部121、122の準先端部位の間に位置させることによって、一対のガイド部121、122の先端部位がロック部材130と一対の支持片111、112との間で挟持される。その結果、用具本体110が把持部120に対して展開した状態が維持されロックされる。図1Fはロック部材130がロック位置にある状態を示している。特にロック部材130等が湾曲していることから、ロック部材130を一対のガイド部121、122の中間位置から先端側に移動させるに従って、ロックの力が強まり、ロック部材130の当該移動に伴ってクリック感が生じる。
【0026】
用具本体110が把持部120に対して展開した状態が維持されロックされた状態で、一対のガイド部121、122の先端部位が一対の支持片111、112に押し付けられているので、一対のガイド部121、122の先端部位が上側から凸部1112、1122に当接した状態が維持され、凸部1112、1122を乗り越えることができない。
【0027】
ロック部材130を一対のガイド部121、122の準先端部位の間から中央位置へ移動させると、ロック部材130による一対のガイド部121、122の先端部位の一対の支持片111、112に対する押し付けが解除される。そのため、一対のガイド部121、122の先端部位は、内側に変位して凸部1112、1122を乗り越え可能となる。
【0028】
一方、ロック部材130を一対のガイド部121、122の中間位置から後端側に移動させてロック部材130を一対のガイド部121、122の後端部位の間に位置させると、ロック部材130が一対のガイド部121、122の後端部位間に挟まれて保持される。図1Gはロック部材130が保持位置にある状態を示している。特にロック部材130等が湾曲していることから、ロック部材130を一対のガイド部121、122の中間位置から後端側に移動させるに従って、ロック部材130を保持する力が強まり、ロック部材130の当該移動に伴ってクリック感が生じる。
【0029】
ロック部材130を一対のガイド部121、122の後端部位の間から中央位置へ移動させると、一対のガイド部121、122の後端部位によるロック部材130に対する挟持が解除される。
【0030】
以下、上記のように構成された折り畳み手持ち用具100の利用方法について説明する。
【0031】
折り畳み手持ち用具100を使用するときは、用具本体110を把持部120に対して展開した状態で、ロック部材130を動かしてロック位置にしておく(図1F参照)。そうすると、ロック部材130から指を離してもロック状態が不意に解除されることがない。
【0032】
折り畳み手持ち用具100を使わないときは、ロック部材130を動かして保持位置にしておく(図1G参照)。そうすると、持ち運び時にロック部材130が不意に動くことがない。ロック状態は解除されているので、用具本体110を把持部120に対して折り畳むことが可能となる(図1G参照)。このときは、同用具100の全体がコンパクトになることから、収納や持ち運びに便利になる。
【0033】
上記した通り折り畳み手持ち用具100は非常に使い勝手が良い。また、ロック部材130を中間位置からロック位置又は保持位置に動かすとクリック感が生じる。ロック部材130が他の構成部品とは異なり木製であり、目立ち易いだけでなく指の触り心地も良いことから、これらの点で使い勝手が更に良好になった。ロック部材130は、折り畳み手持ち用具100の把持部120と共に持ち手部分をなすことから、この点でも使い勝手が良好になる。特に、ロック部材130の長手方向の寸法が、展開位置における把持部120の横架部123から用具本体110の後端までの長手方向の距離の略半分以上であり且つ2/3よりも小さい寸法である場合、ロック部材130が持ち手部分として持ちやすくなる。加えて、同用具100の構成がシンプルであり、部品点数が少なく組み立て易いことから、低コスト化を図ることが可能になった。
【0034】
次に、本発明の変形例1に係る折り畳み手持ち用具100’について、図2A図2Hを参照しつつ説明する。同用具100’は主としてアウトドア用の折り畳みフォークである。なお、同用具100’の平面図は図2Cと左右対称に現れるため省略している。
【0035】
折り畳み手持ち用具100’は、フォークの先部分に相当する用具本体110’と、フォークの柄部分に相当する平面視コ字状体であって且つ用具本体110’の基端側に折り畳み可能に設けられた把持部120と、用具本体110’を把持部120に対して展開した状態を維持してロックするための部材であって把持部120に装着されたロック部材130とを備えている。本実施例に係る折り畳み手持ち用具100と構成上異なるのは用具本体110’のみであり、スプーンの先部分をフォークの先部分に置き換えられた内容になっており、同一の作用効果を奏する。なお、折り畳み手持ち用具100と共通する構成部については同一の部品番号を付してその説明を省略するものとする。
【0036】
次に本発明の変形例2に係る折り畳み手持ち用具100’’について、図3A図3Hを参照しつつ説明する。同用具100’’は主としてアウトドア用の折り畳みナイフである。なお、同用具100’’の平面図は図3Cと左右対称に現れるため省略している。
【0037】
折り畳み手持ち用具100’’は、ナイフの先部分に相当する用具本体110’’と、ナイフの柄部分に相当する平面視コ字状体であって且つ用具本体110の基端側に折り畳み可能に設けられた把持部120と、用具本体110を把持部120に対して展開した状態を維持してロックするための部材であって把持部120に装着されたロック部材130とを備えている。本実施例に係る折り畳み手持ち用具100と構成上異なるのは用具本体110’のみであり、スプーンの先部分をフォークの先部分に置き換えられた内容になっており、同一の作用効果を奏する。なお、折り畳み手持ち用具100と共通する構成部については同一の部品番号を付してその説明を省略するものとする。
【0038】
なお、本発明に係る折り畳み手持ち用具は上記実施形態だけの適用に止まらず、カッター等の工具類又は文房具等にも同様に適用可能である。すなわち、本発明に係る折り畳み手持ち用具の用具本体は、カッターの刃、ノコギリの刃やドライバの先端部等とすることが可能である。
【0039】
本発明の用具本体の一対の支持片111、112には、凸部1112、1122が設けられているとしたが、凸部1112、1122は省略可能である。また、一対の支持片111、112の内面には、凸部1112、1122に代えて、長手方向に延びる一対の凹部が設けられていてもよい。この場合、用具本体110が把持部120に対して展開した状態で、ロック部材130が一対のガイド部121、122の準先端部位の間に位置することによって、一対のガイド部121、122の先端部位が一対の支持片111、112に押し付けられ且つ一対の凹部に嵌合するようになっている。ロック部材130を一対のガイド部121、122の準先端部位の間から中央位置へ移動させると、ロック部材130による一対のガイド部121、122の先端部位の一対の支持片111、112に対する押し付けが解除される。そのため、一対のガイド部121、122の先端部位は、内側に変位して一対の凹部から脱すことが可能となる。
【0040】
また、ロック部材の形状については上記実施形態に限定されず、面的に湾曲しない直線状のもの、すなわち、折り畳み手持ち用具の長手方向に直線状に延びたものを用いても良い。その材質についても上記実施形態に限定されず、金属や樹脂で構成されていてもかまわない。
【0041】
把持部については平面視コ字状(横H状又はロ字状を含む)であり且つ用具本体の基端側に折り畳み可能な構成であり、一対のガイド部の間隔が同ガイド部の長手方向の先端側に従って狭くなっている形態である限り、形状や材質等が問われることがなく樹脂製のものを使用してもかまわない。ロック部材が湾曲していない場合、一対のガイド部も長手方向に直線状に延びた構成とすることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
100、100’、100’’
110 用具本体
111、112 一対の支持片
120 把持部
121、122 一対のガイド部
123 横架部
124、125 一対の軸部
130 ロック部材
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H