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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112457
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】液体管理装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/20 20160101AFI20230804BHJP
   A01K 7/02 20060101ALI20230804BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
H02J50/20
A01K7/02
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014255
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】徳山 雄生
(72)【発明者】
【氏名】婦木 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】大澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】杉原 淳志
【テーマコード(参考)】
2B102
5G503
【Fターム(参考)】
2B102AA04
2B102AB02
2B102AD05
2B102CA01
2B102CA50
5G503BB01
5G503GB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い自由度で設置場所を定めることのできる液体管理装置を提供する。
【解決手段】液体が入れられる容器部(液槽部)111と、少なくとも一部が液体に没する状態で設けられる電気機器(電動ポンプ)20とを有し、電気機器を作動させることで容器部内の液体の状態を管理する液体管理装置である給水器10は、受電アンテナ211を有するとともに同受電アンテナを利用する無線給電によって送電装置から送られる電力を受ける受電部21と、受電部が受ける電力が供給されて充電される蓄電部22と、を備える。電気機器と受電アンテナとの間が容器部内の液体によって仕切られ、且つ、受電アンテナにおける電力を受ける部分である電力受信部が容器部の外部に露出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が入れられる容器部と、少なくとも一部が前記液体に没する状態で設けられる電気機器とを有し、前記電気機器を作動させることで前記容器部内の液体の状態を管理する液体管理装置において、
受電アンテナを有するとともに同受電アンテナを利用する無線給電によって送電装置から送られる電力を受ける受電部と、
前記受電部が受ける電力が供給されて充電される蓄電部と、を備え、
前記電気機器と前記受電アンテナとの間が前記容器部内の液体によって仕切られた構造をなし、且つ、前記受電アンテナにおける前記電力を受ける部分である電力受信部が前記容器部の外部に露出する構造をなしている、液体管理装置。
【請求項2】
前記電気機器は、全体が前記容器部内の液体中に没する態様で、前記容器部の内部に設けられている
請求項1に記載の液体管理装置。
【請求項3】
前記容器部は、前記液体が入れられる液槽と、前記液槽内の液体を通過させるとともに前記液槽内に戻す通液路と、を有し、
前記電気機器は前記通液路に前記液体を圧送する電動ポンプである
請求項1または2に記載の液体管理装置。
【請求項4】
前記液体は水である
請求項1~3のいずれか一項に記載の液体管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の状態を管理する液体管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体管理装置としては、水生生物の飼育装置、いわゆるアクアリウムなどが知られている(例えば特許文献1)。通常、アクアリウムは、水槽や、水を濾過するための濾過器、水槽内の水を濾過器に送るとともに同濾過器を通過した水を水槽に戻す水路、この水路に水槽内の水を圧送する電動ポンプなどを有している。そして、電動ポンプを作動させることで、アクアリウムの内部において濾過器を通過する態様で水が循環するようになる。これにより、水槽内の水が綺麗な状態で保たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-198058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、上記電動ポンプは電源コンセントに接続された状態で使用される。また上記電動ポンプは、アクアリウム内の水を圧送するものであるため、水に浸かった状態で配置される。そのため、上記アクアリウムは電源コードを介して電源コンセントに接続された状態で使用される。したがって、アクアリウムを設置する際には、この電源コードが邪魔になり易いと云える。また電源コードの配設位置に制約がある場合や、適当な位置に電源コンセントが設けられていない場合には、電源コードや電源コンセントの位置によって、アクアリウムの設置場所が制限されてしまう。
【0005】
なお、水以外の液体(例えば水溶液)に浸かった状態の電気機器を利用して同液体の状態を管理する液体管理装置においては、上記不都合は同様に生じうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための液体管理装置は、液体が入れられる容器部と、少なくとも一部が前記液体に没する状態で設けられる電気機器とを有し、前記電気機器を作動させることで前記容器部内の液体の状態を管理する液体管理装置において、受電アンテナを有するとともに同受電アンテナを利用する無線給電によって送電装置から送られる電力を受ける受電部と、前記受電部が受ける電力が供給されて充電される蓄電部と、を備え、前記電気機器と前記受電アンテナとの間が前記容器部内の液体によって仕切られた構造をなし、且つ、前記受電アンテナにおける前記電力を受ける部分である電力受信部が前記容器部の外部に露出する構造をなしている。
【0007】
上記構成によれば、液体管理装置の電力源である蓄電部に対して無線給電による電力供給がなされるため、液体管理装置への電力供給のための電源ケーブルが不要になる。これにより、液体管理装置の設置に際して電源コードが邪魔になることが回避されるようになる。しかも、液体管理装置の設置場所についての電源コンセントの位置による制限を無くすことができるため、高い自由度で液体管理装置の設置場所を定めることができる。
【0008】
上記構成では、電気機器の少なくとも一部が液体中に没している。そのため、単に電気機器と同一の場所に受電部を設けると、送電装置から送られる電力(詳しくは、電磁波)が容器部内の液体によって減衰されることで、同電力を受電部によって受けることができなくなるおそれがある。上記構成によれば、受電アンテナの電力受信部が容器部の外部に露出した状態になるように、同受電アンテナが電気機器とは別の位置に設けられる。これにより「送電装置から送られる電力が受電アンテナの電力受信部に到達する前に容器部内の液体によって減衰されてしまう」といった不都合の発生が抑えられる。したがって、送電装置から送られる電力を受電部によって効率よく受けることができる。
【0009】
上記液体管理装置において、前記電気機器は、全体が前記容器部内の液体中に没する態様で、前記容器部の内部に設けられている。
上記構成によれば、容器部内の液体中に電気機器が没した状態であるとはいえ、同容器部の外部に露出する態様で設けられた受電アンテナを利用して、送電装置から送られる電力を効率よく受けることができる。
【0010】
上記液体管理装置において、前記容器部は、前記液体が入れられる液槽と、前記液槽内の液体を通過させるとともに前記液槽内に戻す通液路と、を有し、前記電気機器は前記通液路に前記液体を圧送する電動ポンプである。
【0011】
上記構成では、液体中に没した状態の電動ポンプを作動させることで、液槽および通液路を有する容器部内において液体が循環するようになる。上記構成によれば、こうした装置において、その設置場所を高い自由度で定めることができる。
【0012】
上記液体管理装置において、前記液体は水である。
水は液体の中でも電磁波の減衰度合いが高い。そのため、水の状態を管理する装置では、受電部によって電力(詳しくは、電磁波)を受ける際に、同電力の減衰を招き易いと云える。上記構成によれば、そうした水の状態を管理する装置において、送電装置から送られる電力を受電部によって効率よく受けることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高い自由度で液体管理装置の設置場所を定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】液体管理装置の一実施形態としての給水器の斜視図である。
図2】同給水器の図1の2-2線に沿った断面図である。
図3】同給水器と送電装置との関係を示す略図である。
図4】同給水器および送電装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】他の実施形態の液体管理装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、液体管理装置の一実施形態について説明する。本実施形態の液体管理装置は、小動物(犬や猫など)に飲み水を与えるための給水器である。
図1および図2に示すように、給水器10は、外筒部11、圧送管12、蓋部13、および内筒部14を有している。本実施形態では、外筒部11、圧送管12、蓋部13、および内筒部14が、液体(本実施形態では、水)が入れられる容器部を構成している。
【0016】
<外筒部11>
外筒部11は有底円筒状をなしている。外筒部11の大部分は液槽部111を構成している。給水器10の使用に際しては、この液槽部111に水が入れられる。外筒部11の下部には収容部112が区画形成されている。外筒部11の内部において、収容部112と上記液槽部111との間は、外筒部11の底壁113の一部によって仕切られている。これにより、給水器10は液槽部111内の水が収容部112に漏れ出すことのない構造になっている。収容部112には、電気回路を構成する構成部品の一部が収容される。この構成部品については後述する。
【0017】
<電動ポンプ20>
液槽部111の内部には電動ポンプ20が設けられている。電動ポンプ20は、図2中に矢印W1で示すように、液槽部111内の水を圧送するためのものである。電動ポンプ20は底壁113上に配置されている。本実施形態では、給水器10の使用に際して液槽部111に水が入れられると、電動ポンプ20は液槽部111内において水中に没した状態になる。
【0018】
<圧送管12>
圧送管12は、上下方向に延びる円管状をなしている。圧送管12の下端は電動ポンプ20に接続されている。圧送管12の上端は、外部に向けて開口した状態になっている。本実施形態の給水器10では、電動ポンプ20が作動すると、図2中に矢印W2で示すように、同電動ポンプ20によって圧送された水が圧送管12の上端から噴出するようになる。
【0019】
<蓋部13>
蓋部13は、上記外筒部11の上部開口を塞ぐ態様で、同外筒部11に取り付けられる。蓋部13は、有底円筒状をなしている。蓋部13の底壁131の中央部分は水溜め部132を構成している。水溜め部132は、周縁部分に対して上方に突出する形状をなしている。水溜め部132の頂壁は頂壁凹部133を構成している。頂壁凹部133は下方に凹んだ形状をなしている。頂壁凹部133の内面は略球面になっている。本実施形態では、上記圧送管12が水溜め部132の中央部分を貫通して同水溜め部132の上方まで延びている。給水器10では、電動ポンプ20によって圧送されて圧送管12の上端から噴出する水は、水溜め部132の頂壁凹部133に受け止められて一時的に溜まるようになる。
【0020】
蓋部13の底壁131における水溜め部132の周縁部分は水排出部134を構成している。水排出部134は、水溜め部132の外縁に沿って延びる円環溝状をなしている。水排出部134の底には排出孔135が設けられている。排出孔135は蓋部13を貫通している。本実施形態の給水器10では、水溜め部132の頂壁凹部133内の水は、図2中に矢印W3で示すように、同頂壁凹部133から溢れて水排出部134に流入するようになる。そして、この水は、図2中に矢印W4で示すように、排出孔135を介して蓋部13の下方に流れ落ちる。
【0021】
<内筒部14>
内筒部14は上記蓋部13の下部に取り付けられている。内筒部14は有底円筒状をなしている。内筒部14によって蓋部13の底壁131の下面全体が覆われている。言い換えれば、内筒部14の上部開口は、上記蓋部13の底壁131によって塞がれている。内筒部14の底には還流孔141が設けられている。還流孔141は、内筒部14の底壁を貫通している。内筒部14の内部には濾過器15が設けられている。前記圧送管12は内筒部14の中央部分を貫通している。図2中に矢印W4で示すように、蓋部13の排出孔135を介して流れ落ちる水は内筒部14の内部に進入する。そして、この水は、図2中に矢印W5で示すように、濾過器15を通過した後に、還流孔141を介して内筒部14の下方、すなわち外筒部11の液槽部111に戻される。
【0022】
本実施形態の給水器10では、電動ポンプ20を作動させることで、濾過器15を有する循環経路(具体的には、液槽部111、圧送管12、蓋部13、および内筒部14)内において水が循環するようになる。この給水器10においては、圧送管12の上端から噴出する水や水溜め部132に溜まった水を小動物が飲むことを想定している。
【0023】
図3に示すように、本実施形態の給水器10は、送電装置30から送られる電力によって充電される。送電装置30は、電波(本実施形態では、マイクロ波)方式の無線給電により、給水器10に対する給電を行う。詳しくは、送電装置30の送電アンテナ31と給水器10の受電アンテナ211との間で、無線給電のための信号の送受信を行う。
【0024】
給水器10は、位置情報を含むビーコン信号を、送電装置30に対して所定の時間間隔で送信する。送電装置30は、その送電可能範囲ARに給水器10が在る場合には、給水器10のビーコン信号を受信する。送電装置30は、給水器10のビーコン信号を受信すると、同ビーコン信号をもとに給水器10の位置を特定する。送電装置30は、特定した位置に向けて電力伝送信号を送信することで給水器10への無線給電を行う。これにより、送電装置30に対する給水器10の向きや送電装置30と給水器10との距離などに応じて、給水器10への給電が効率よく行われる。
【0025】
<送電装置30>
図4に示すように、送電装置30は、送電アンテナ31と制御部32とを備えている。送電装置30は電源コードを介して電源コンセントに接続されている。送電装置30には、電源コードおよび電源コンセント(図示略)を介して、固定式の電源装置から電力が供給される。
【0026】
送電アンテナ31は、給水器10との各種通信に用いられる。送電アンテナ31は、電力伝送信号の送信や、ビーコン信号の受信に利用される。
制御部32としては、例えば、マイクロコントロールユニットが用いられる。制御部32は、プロセッサと記憶部とを備えている。記憶部は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む。制御部32は、給水器10との通信に関する各種制御を実行する。制御部32は、送電アンテナ31を制御して、給水器10が送信するビーコン信号を受信する。制御部32は、電源装置(図示略)から供給される電力を電力伝送信号に変換するとともに、この電力伝送信号を送電アンテナ31を利用して送信する。
【0027】
給水器10は、受電部21、蓄電池22、および制御部23を備えている。
<受電部21>
受電部21は、送電装置30から送られる電力を電波方式の無線給電によって受ける部分を構成している。受電部21は、受電アンテナ211と変換部212とを有している。
【0028】
図1および図2に示すように、受電アンテナ211は、送電装置30との各種通信に用いられる。受電アンテナ211は、詳しくは、送電装置30から送信される電力伝送信号の受信や、送電装置30へのビーコン信号の送信に利用される。
【0029】
受電アンテナ211は、矩形のシート状をなしている。受電アンテナ211は、外筒部11の外周面に沿って延びる態様で、同外筒部11に設けられている。受電アンテナ211は、厚さ方向の両面のうちの外方側の面が受信面213になる態様で、外筒部11の外周面に設けられている。このように本実施形態では、受電アンテナ211の電力受信部としての受信面213が給水器10(具体的には、外筒部11)の外部に露出している。
【0030】
図4に示すように、変換部212は、受電アンテナ211によって受信した電力伝送信号を直流電力に変換する部分を構成している。変換部212は整流回路や変圧回路を有している。本実施形態の給水器10では、この変換部212により変換された直流電力が蓄電池22に供給されることで、同蓄電池22が充電される。
【0031】
<制御部23>
制御部23としては、例えば、マイクロコントロールユニットが用いられる。制御部23は、プロセッサと記憶部とを備えている。記憶部は、ROMおよびRAMを含む。制御部23は、給水器10の作動制御にかかる各種制御を実行する。制御部23は、受電アンテナ211を制御して、送電装置30に対してビーコン信号を送信する。制御部23は、受電アンテナ211を制御して、上記電力伝送信号を受信する。制御部23は、電動ポンプ20の作動制御を実行する。
【0032】
<ポンプ駆動部24>
給水器10は、ポンプ駆動部24を有している。ポンプ駆動部24は、電動ポンプ20を作動させるための駆動回路を有する。本実施形態では、ポンプ駆動部24から供給される電力によって電動ポンプ20が作動する。
【0033】
図2に示すように、本実施形態の給水器10では、電気回路を構成する構成部品のうちの電動ポンプ20および受電アンテナ211以外の構成部品が、外筒部11の収容部112の内部に収容されている。具体的には、受電部21の変換部212と、蓄電池22と、制御部23と、ポンプ駆動部24とが外筒部11の収容部112内に設けられている。
【0034】
<作用効果>
以下、本実施形態の給水器10による作用効果について説明する。
(1)給水器10は、受電アンテナ211を利用する無線給電によって送電装置30から送られる電力を受ける受電部21と、同受電部21が受ける電力が供給されて充電される蓄電池22とを備える。電動ポンプ20と受電アンテナ211との間は給水器10内の水によって仕切られている。受電アンテナ211の受信面213は外筒部11の外部に露出している。
【0035】
本実施形態によれば、給水器10の電力源である蓄電池22に対して無線給電による電力供給がなされるため、給水器10への電力供給のための電源ケーブルが不要になる。これにより、給水器10の設置に際して電源コードが邪魔になることが回避されるようになる。しかも、給水器10の設置場所についての電源コンセントの位置による制限を無くすことができるため、高い自由度で給水器10の設置場所を定めることができる。
【0036】
本実施形態の給水器10では電動ポンプ20が水中に没している。そのため、単に電動ポンプ20と同一の場所に受電部21を設けると、送電装置30から送信される電波(詳しくは、電力伝送信号)が給水器10内の水によって減衰されることで、同電波を受電部21によって受信することができなくなるおそれがある。
【0037】
この点、本実施形態の給水器10では、受電アンテナ211の受信面213が給水器10(詳しくは外筒部11)の外部に露出した状態になるように、同受電アンテナ211が電動ポンプ20とは別の位置に設けられている。そのため、送電装置30の送電アンテナ31と給水器10の受電アンテナ211の受信面213とが対向するように同給水器10を配置することで、それらアンテナ31,211の間が給水器10内の水によって遮られない状態になる。これにより、送電アンテナ31から送信される電力伝達信号を、給水器10内の水を通過させることなく、受電アンテナ211によって受信することができる。そのため、「送電装置30から送信される電力伝送信号が受電アンテナ211の受信面213に到達する前に給水器10内の水によって減衰されてしまう」といった不都合の発生を抑えることができる。したがって、本実施形態の給水器10によれば、送電装置30から送られる電力を受電部21によって効率よく受けることができる。
【0038】
(2)本実施形態の給水器10では、液槽部111内の水中に電動ポンプ20の全体が没した状態になっている。こうした給水器10において、同給水器10の外部に露出する態様で設けられた受電アンテナ211を利用して、送電装置30から送られる電力を効率よく受けることができる。
【0039】
(3)給水器10は、外筒部11の液槽部111と、液槽部111内の水を通過させるとともに同液槽部111内に戻す通液路(詳しくは、圧送管12や、蓋部13の水溜め部132および水排出部134、内筒部14)とを有する。電動ポンプ20は、液槽部111内の水を圧送管12に圧送する。給水器10では、水中に没した状態の電動ポンプ20が作動する。これにより、液槽部111内の水が圧送管12、蓋部13の水溜め部132、水排出部134、および内筒部14の順に流れた後に同液槽部111内に戻るといったように、給水器10内において循環するようになる。本実施形態によれば、この給水器10の設置場所を高い自由度で定めることができる。
【0040】
(4)給水器10は、内部において水を循環させるものである。水は液体の中でも電波を減衰させる度合いが高い。そのため、内部において水を循環させる給水器は、受電アンテナによって電波を受信する際に、同電波の減衰を招き易いと云える。本実施形態によれば、内部を水が循環するタイプの給水器10において、同給水器10の外部に露出する態様で設けられた受電アンテナ211を利用することで、送電装置30から送られる電力を受電部21によって効率よく受けることができる。
【0041】
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0042】
・受電部21が受ける電力が供給されて充電される蓄電部としては、蓄電池22を採用することに代えて、キャパシタを採用することができる。
・受電アンテナ211の形状は、矩形状に限らず、任意の形状に変更することができる。
【0043】
・受電アンテナ211として、外筒部11の外周面における周方向の一部分のみを覆う形状のものを設けることの他、外筒部11の周囲全周にわたって延びる形状のものを設けたり、外筒部11の周方向に間隔を置いて並ぶ態様で複数設けたりしてもよい。こうした構成によれば、様々な角度から入射される電力伝送信号を受信することができるため、給水器10の設置についての自由度を高くすることができる。
【0044】
・上記実施形態にかかる給水器10は、電動ポンプ20の一部のみが液槽部111内の水中に没した状態になっている給水器にも適用することができる。こうした給水器としては、例えば、外筒部11の底壁の中央部分を貫通する態様で電動ポンプ20が設けられた給水器を挙げることができる。この給水器では、電動ポンプ20の周囲や上部が液槽部111内の水によって囲まれた状態になる。そのため、単に電動ポンプ20と同一の場所に受電部21を設けると、送電装置30から送信される電波を受電部21によって受信することができなくなるおそれがある。こうした給水器において、受電アンテナ211の受信面213が給水器の外部に露出した状態になるように同受電アンテナ211を設けることで、送電装置30から送られる電力を受電部21によって効率よく受けることが可能になる。
【0045】
・受電アンテナ211を、外筒部11の外面に設けることに代えて、外筒部11の収容部112の内部に設けるようにしてもよい。この場合、受電アンテナ211の受信面213が外筒部11の外方(例えば、図2の右側)を向く態様で同受電アンテナ211を設けるなど、受電アンテナ211の受信面213が前記液槽部111内の水に対向しない態様で同受電アンテナ211を配置すればよい。こうした構成によっても、「送電装置30から送信される電力伝送信号が受電アンテナ211の受信面213に到達する前に給水器10内の水によって減衰されてしまう」といった不都合の発生を抑えることができる。
【0046】
・給水器10の各部(具体的には、外筒部11や、圧送管12、蓋部13、内筒部14)の形状は任意に変更することができる。
・内筒部14および濾過器15を省略する等、給水器10の構造は任意に変更することができる。
【0047】
・上記実施形態にかかる液体管理装置は、小動物に飲み水を与えるための給水器10に適用することの他、水生生物を飼育するアクアリウム等にも適用することができる。
・少なくとも一部が水中に没する状態で設けられる電気機器としては、電動ポンプ20の他、電磁弁や電動弁、照明灯、殺菌灯などを採用することができる。
【0048】
図5は、殺菌灯41が水槽43内に設けられた液体管理装置40の概略構成を示している。図5に示すように、液体管理装置40は、水が入れられる水槽43と、水槽43の周壁431に設けられた収容部44と、水槽43の内部に設けられた殺菌灯41とを有している。水槽43と上記収容部44との間は、水槽43の周壁431によって仕切られている。これにより、水槽43内の水が収容部44に漏れ出すことのない構造になっている。この収容部44には、送電装置30(図3参照)から送られる電力を受ける受電部21と、同電力が供給されて充電される蓄電池22と、殺菌灯41の作動を制御する制御部45とが収容されている。殺菌灯41は、水槽43内の水中に没した状態になっている。受電アンテナ211は、厚さ方向の両面のうちの外方側(図5の右側)の面が受信面213になる態様で、収容部44の内面に沿って延びている。この液体管理装置40は、受電アンテナ211の受信面213が水槽43の外部に露出する構造をなしている。
【0049】
・送電装置から液体管理装置に電力を送るための無線給電の方式としては、電波式を採用することの他、電磁誘導式や磁界共鳴方式など、任意の方式を採用することができる。
・上記実施形態にかかる液体管理装置は、電磁波を減衰させる液体(淡水や海水、水溶液など)の状態を管理する液体管理装置であれば、適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
10…給水器
11…外筒部
111…液槽部
112…収容部
113…底壁
12…圧送管
13…蓋部
131…底壁
132…水溜め部
133…頂壁凹部
134…水排出部
135…排出孔
14…内筒部
141…還流孔
15…濾過器
20…電動ポンプ
21…受電部
211…受電アンテナ
212…変換部
213…受信面
22…蓄電池
23…制御部
24…ポンプ駆動部
30…送電装置
31…送電アンテナ
32…制御部
40…液体管理装置
41…殺菌灯
43…水槽
431…周壁
44…収容部
45…制御部
図1
図2
図3
図4
図5