IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧 ▶ 日本メクトロン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-蓄電モジュール 図1
  • 特開-蓄電モジュール 図2
  • 特開-蓄電モジュール 図3
  • 特開-蓄電モジュール 図4
  • 特開-蓄電モジュール 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112482
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20230804BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20230804BHJP
   H01M 50/209 20210101ALN20230804BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/505
H01M50/209
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014296
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000230249
【氏名又は名称】日本メクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】田原 智史
(72)【発明者】
【氏名】冨田 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 司
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AT02
5H040AY05
5H040CC12
5H040CC22
5H040DD03
5H040JJ03
5H040LL06
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA04
5H043CA22
5H043FA04
5H043HA09
5H043HA09F
5H043KA22
5H043LA22
5H043LA22F
(57)【要約】
【課題】複数の蓄電セルに対するバスバケースの位置決め精度を高めることが可能な蓄電モジュールを提供すること。
【解決手段】蓄電モジュールは、複数の蓄電セルと、複数の樹脂枠200と、バスバモジュール300と、を備える。蓄電セルは、一対の外部端子を有する。バスバモジュール300は、複数のバスバ310と、バスバケース320と、を有する。樹脂枠200は、バスバケース320を係止する係止部210を有する。バスバケース320は、係止部210と係合可能な被係止部324と、被係止部324が係止部210に係合した状態においてバスバ310を被係止部324側に向けて付勢する付勢部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルと、
前記一方向に互いに隣接する一対の蓄電セル間に配置された複数の樹脂枠と、
前記複数の蓄電セル及び複数の樹脂枠上に配置されたバスバモジュールと、を備え、
前記蓄電セルは、一対の外部端子を有し、
前記バスバモジュールは、
前記一方向に互いに隣接する外部端子同士を電気的に接続する複数のバスバと、
前記複数のバスバを保持するバスバケースと、を有し、
前記樹脂枠は、前記バスバケースを係止する係止部を有し、
前記バスバケースは、
前記係止部と係合可能な被係止部と、
前記被係止部が前記係止部に係合した状態において前記バスバを前記被係止部側に向けて付勢する付勢部と、を有する、蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2014-232633号公報には、複数の電池と、バスバモジュールと、を備える電源装置が開示されている。バスバモジュールは、互いに隣接する一対の電池の外部端子同士を接続する複数のバスバと、複数のバスバを収容するケースと、を有している。ケースは、バスバを収容する周壁と、弾性部と、を有している。弾性部は、バスバを挟持した状態で、バスバが周壁から離間した所定位置に位置させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-232633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2014-232633号公報に記載される電源装置では、複数の電池に対するバスバモジュールの取り付け位置のずれが比較的大きくなると、バスバケースに対するバスバの相対変位ではそのずれを吸収できない場合がある。
【0005】
本開示の目的は、複数の蓄電セルに対するバスバケースの位置決め精度を高めることが可能な蓄電モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面に従った蓄電モジュールは、一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルと、前記一方向に互いに隣接する一対の蓄電セル間に配置された複数の樹脂枠と、前記複数の蓄電セル及び複数の樹脂枠上に配置されたバスバモジュールと、を備え、前記蓄電セルは、一対の外部端子を有し、前記バスバモジュールは、前記一方向に互いに隣接する外部端子同士を電気的に接続する複数のバスバと、前記複数のバスバを保持するバスバケースと、を有し、前記樹脂枠は、前記バスバケースを係止する係止部を有し、前記バスバケースは、前記係止部と係合可能な被係止部と、前記被係止部が前記係止部に係合した状態において前記バスバを前記被係止部側に向けて付勢する付勢部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、複数の蓄電セルに対するバスバケースの位置決め精度を高めることが可能な蓄電モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態における蓄電モジュールの一部を概略的に示す平面図である。
図2】複数の蓄電セル及び複数の樹脂枠の平面図である。
図3図1において実線IIIで示される範囲の拡大図である。
図4】バスバモジュールの下方からの斜視図である。
図5図3におけるV-V線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態における蓄電モジュールの一部を概略的に示す平面図である。図2は、複数の蓄電セル及び複数の樹脂枠の平面図である。この蓄電モジュール1は、例えば、車両に搭載される。
【0011】
図1及び図2に示されるように、蓄電モジュール1は、複数の蓄電セル100と、複数の樹脂枠200と、バスバモジュール300と、を備えている。
【0012】
図2に示されるように、複数の蓄電セル100は、一方向に並ぶように配列されている。各蓄電セル100として、例えば、リチウムイオン電池が挙げられる。各蓄電セル100は、ケース110と、一対の外部端子120と、を有している。
【0013】
ケース110は、電極等を収容している。ケース110は、アルミニウム等からなる。ケース110は、直方体形状に形成されている。
【0014】
一対の外部端子120は、ケース110から突出する形状を有している。各外部端子120は、ケース110の上面から上方に突出している。一対の外部端子120の一方は、正極端子であり、他方は、負極端子である。なお、ケース110のうち一対の外部端子120間の部位には、安全弁(図示略)が設けられている。
【0015】
各蓄電セル100は、ケース110内に収容された液体電解質を有する電池であってもよいし、セルケース110内に収容された固体電解質を有する電池(全固体電池)であってもよい。
【0016】
各樹脂枠200は、前記一方向に互いに隣接する一対の蓄電セル100間に配置されている。各樹脂枠200は、バスバモジュール300を係止可能な係止部210を有している。係止部210は、樹脂枠200の上部に形成されている。本実施形態では、係止部210は、前記一方向及び上下方向の双方と直交する幅方向における外側に向かって突出する形状を有する爪部で構成されている。係止部210は、前記幅方向における外部端子120の外側に形成されている。このため、ケース110の安全弁からの排煙経路が確保される。
【0017】
図1に示されるように、バスバモジュール300は、複数の蓄電セル100及び複数の樹脂枠200上に配置されている。バスバモジュール300は、複数のバスバ310と、バスバケース320と、を有している。
【0018】
図3に示されるように、各バスバ310は、前記一方向に互いに隣接する外部端子120同士を電気的に接続する。各バスバ310は、一の蓄電セル100の正極端子と、一の蓄電セル100に隣接する蓄電セル100の負極端子と、を電気的に接続している。すなわち、複数の蓄電セル100は、各バスバ310によって直列接続されている。
【0019】
図3から図5に示されるように、各バスバ310は、外部端子120に溶接される被溶接部312を有している。被溶接部312は、平板状に形成されている。被溶接部312には、外部端子120の一部を露出させる貫通孔が形成されている。
【0020】
バスバケース320は、複数のバスバ310を保持している。バスバケース320は、絶縁材料(合成樹脂等)からなる。図3から図5に示されるように、バスバケース320は、収容部322と、被係止部324と、付勢部326と、複数の(本実施形態では4つの)ロック部328と、を有している。
【0021】
収容部322は、被溶接部312を収容している。収容部322は、四角筒状に形成されている。図4に示されるように、収容部322は、前記幅方向における外側に形成された外壁322aと、前記幅方向における内側に形成された内壁322bと、を有している。外壁322aと内壁322bとは、互いに幅方向に対向している。
【0022】
被係止部324は、樹脂枠200の係止部210と係合可能である。被係止部324は、収容部322から前記幅方向における外向きに突出している。被係止部324と収容部322の外壁322aとの間には、係止部210の挿通を許容する隙間が形成されている。
【0023】
図1に示されるように、複数の被係止部324は、平面視において千鳥状に並ぶように配置されている。すなわち、複数の被係止部324は、一の樹脂枠200における一対の係止部210のうち前記幅方向における一方側に形成された係止部210に係合する位置と、一の樹脂枠200に隣接する樹脂枠200における一対の係止部210のうち前記幅方向における他方側に形成された係止部210に係合する位置と、が前記一方向に沿って交互に並ぶように配置されている。
【0024】
付勢部326は、被係止部324が係止部210に係合した状態においてバスバ310を被係止部324側(幅方向における外側)に向けて付勢している。より詳細には、図4及び図5において矢印で示されるように、付勢部326は、内壁322bから外壁322aに向かってバスバ310を付勢している。図4に示されるように、付勢部326は、内壁322bに形成された一対のスリット間の部位で構成されている。
【0025】
各ロック部328は、収容部322の内面に設けられている。各ロック部328は、付勢部326により付勢されているバスバ310が収容部322内で回転するのを規制している。各ロック部328は、バスバ310を収容部322内でセンタリングさせる機能を有している。各ロック部328は、例えば、スナップフィット構造で構成される。
【0026】
以上のように、本実施形態における蓄電モジュールでは、樹脂枠200が係止部210を有し、バスバケース320が被係止部324を有するため、複数の蓄電セル100に対するバスバモジュール300の位置決め精度が高まる。さらに、バスバケース320が付勢部326を有しているため、各バスバ310のバスバケース320に対する位置精度も高まる。
【0027】
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0028】
上記実施形態における蓄電モジュールは、一方向に並ぶように配置された複数の蓄電セルと、前記一方向に互いに隣接する一対の蓄電セル間に配置された複数の樹脂枠と、前記複数の蓄電セル及び複数の樹脂枠上に配置されたバスバモジュールと、を備え、前記蓄電セルは、一対の外部端子を有し、前記バスバモジュールは、前記一方向に互いに隣接する外部端子同士を電気的に接続する複数のバスバと、前記複数のバスバを保持するバスバケースと、を有し、前記樹脂枠は、前記バスバケースを係止する係止部を有し、前記バスバケースは、前記係止部と係合可能な被係止部と、前記被係止部が前記係止部に係合した状態において前記バスバを前記被係止部側に向けて付勢する付勢部と、を有する。
【0029】
この蓄電モジュールでは、樹脂枠が係止部を有し、バスバケースが被係止部を有するため、複数の蓄電セルに対するバスバモジュールの位置決め精度が高まる。さらに、バスバーケースが付勢部を有しているため、各バスバのバスバケースに対する位置精度も高まる。
【0030】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 蓄電モジュール、100 蓄電セル、110 ケース、120 外部端子、200 樹脂枠、210 係止部、300 バスバモジュール、310 バスバ、312 被溶接部、320 バスバケース、322 収容部、324 被係止部、326 付勢部。
図1
図2
図3
図4
図5