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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112496
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
A63F7/02 329
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014313
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】栢森 啓
(72)【発明者】
【氏名】後藤 賢也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA86
2C088CA02
2C088CA31
(57)【要約】
【課題】唯一無二のものとしての客観的な価値を遊技者の遊技履歴データに付与し、遊技者の満足感を大いに高めることが可能な遊技場用システムを提供すること。
【解決手段】遊技場用システム1は、遊技者の遊技履歴データを、遊技者の識別情報と対応付けて記憶する遊技履歴データ記憶手段と、ノンファンジブルトークンを発行するNFT発行手段と、NFT発行手段により発行されたノンファンジブルトークンを前記遊技履歴データと対応付けることによりNFT遊技履歴データを作成するNFT遊技履歴作成手段と、遊技者が獲得した遊技価値を、NFT遊技履歴作成手段により作成されたNFT遊技履歴データと交換するための景品交換処理を実行する景品交換手段と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が遊技機での遊技により獲得した遊技価値を所望の景品と交換することが可能な遊技場向けの遊技場用システムにおいて、
遊技者の遊技履歴データを、当該遊技者の識別情報と対応付けて記憶する遊技履歴データ記憶手段と、
ノンファンジブルトークンを発行するNFT発行手段と、
該NFT発行手段により発行されたノンファンジブルトークンを前記遊技履歴データと対応付けることによりNFT遊技履歴データを作成するNFT遊技履歴作成手段と、
遊技者が獲得した遊技価値を、前記NFT遊技履歴作成手段により作成された当該遊技者の識別情報を含むNFT遊技履歴データと交換するための景品交換処理を実行する景品交換手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記遊技履歴データは、遊技した日付、遊技場の識別情報、遊技機の識別情報、大当たりの発生実績に関するデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記遊技履歴データは、遊技した遊技機に関する画像データを含むことを特徴とする請求項2に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、各遊技者の遊技履歴をサーバ側で記録し、遊技終了後に遊技者がサーバへアクセスして自分自身の遊技履歴を確認することが可能なシステムが提供されている(下記の特許文献1参照。)。このようなシステムによれば、遊技者が自分自身の遊技状況を客観的なデータに基づいて振り返ることが可能となり、特に勝ったときには遊技者の満足感を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-129547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムには、一定期間が経過した時点で遊技履歴が自動的に消去されるのが通常であるため、あくまでも一時的に遊技者の自己満足感を高めことができるに過ぎないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、唯一無二のものとしての客観的な価値を遊技者の遊技履歴データに付与し、遊技者の満足感を大いに高めることが可能な遊技場用システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技場用システムは、遊技者が遊技により獲得した遊技価値を所望の景品と交換することが可能な遊技場向けのシステムである。この遊技場用システムは、ノンファンジブルトークンを発行可能であり、ノンファンジブルトークンを遊技履歴データと対応付けることによりNFT遊技履歴データを作成できる。そして、遊技場用システムは、遊技者が獲得した遊技価値を、NFT遊技履歴データと交換するための景品交換処理を実行可能である。
【0007】
本発明の遊技場用システムによれば、遊技者の遊技履歴データに基づくNFT遊技履歴データを、景品として遊技者に提供可能である。それ故、この遊技場用システムによれば、遊技者の個人的な遊技履歴を唯一無二のものとして客観的に証明することを可能にでき、これにより、遊技者の満足感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】遊技場用システムの構成を示すシステム図。
図2】パチンコ遊技機及び認証ユニットの正面図。
図3】パチンコ遊技機及び認証ユニットの電気的構成を示すブロック図。
図4】認証ユニットによる初期画面の正面図。
図5】認証ユニットによる会員用画面の正面図。
図6】認証ユニットによる会員未登録画面の正面図。
図7】認証ユニットによる操作メニュー画面の正面図。
図8】遊技場管理装置が管理する会員リストを例示する説明図。
図9】遊技場管理装置が管理する遊技価値データを例示する説明図。
図10】遊技場管理装置が管理する各遊技者の遊技履歴データを例示する説明図。
図11】携帯端末による属性情報入力画面の正面図。
図12】携帯端末によるクレジットカード情報入力画面の正面図。
図13】携帯端末による顔画像登録画面の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ノンファンジブルトークン(NFT、非代替性トークン)は、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721規格に従って発行されたトークンである。ノンファンジブルトークンは、様々なブロックチェーン上で発行可能であり、ブロックチェーンの種類は限定されない。
【0010】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、遊技者の遊技履歴データをNFT化し、景品として遊技者へ提供する遊技場用システム1に関する例である。この内容について、図1図13を用いて説明する。
【0011】
本例の遊技場用システム1(図1)は、遊技機2が設置される遊技場の場内システム10、及び公衆通信回線であるインターネットを介して場内システム10と通信可能に接続された外部サーバを含むシステムである。外部サーバとしては、NFT取引サイトを運営する管理サーバ11、遊技機の製造元が管理する製造業者サーバ13等がある。遊技場用システム1では、遊技者が自身の遊技者端末15をインターネットに接続することで、管理サーバ11が運営するNFT取引サイトにアクセス可能である。
【0012】
管理サーバ11は、製造業者や遊技場から提供されたコンテンツにNFTを対応付け、NFT景品として管理する外部サーバである。
製造業者サーバ13は、遊技機製造業者に設置される外部サーバである。製造業者サーバ13は、遊技機で使用される各種コンテンツ(画像、音声など)をNFT化するために管理サーバ11へアップロードする。
【0013】
遊技場では、パチンコ遊技機21やパチスロ遊技機(図示略)等の遊技機2に対して、遊技に必要な遊技価値を付与する認証ユニット4および遊技情報表示装置105等が個別に設置されている。さらに、2台の遊技機2毎に、中継装置109が1台ずつ設置されている。遊技場内の管理スペースには、遊技場内の各種機器を管理するための遊技場管理装置101が設置されている。また、遊技場内の図示しない景品交換カウンタには、遊技者が獲得した遊技価値を景品に交換する景品交換端末102等が設置されている。
【0014】
遊技場用システム1では、遊技者端末15向けのアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションという。)を管理サーバ11からダウンロード可能である。アプリケーションとして、例えば、自身のNFT資産を管理するためのアプリケーションをダウンロード可能である。このアプリケーションがインストールされた遊技者端末15であれば、NFT取引サイトにアクセスして各種NFTの取引を行うことが可能である。
【0015】
遊技者端末15は、スマートフォン(多機能型携帯端末、以下、携帯端末という。)151やパーソナルコンピュータ150等、インターネットに接続可能な端末である。遊技者端末15は、自分が所有するNFT資産を管理するためのアプリケーションを備える端末(アプリケーションがインストールされた端末)であれば良い。本例の遊技場用システム1では、管理サーバ11が運営するNFT取引サイトに遊技者端末15を用いてアクセスでき、各種NFTの取引を行うことが可能である。
【0016】
遊技場管理装置101は、遊技場内に設置された各種機器(遊技機、認証ユニット、景品交換端末など)の稼動状況を管理するコンピュータ装置である。遊技場管理装置101は、遊技者の遊技履歴データを収集して記憶、管理する機能を備えている。なお、遊技場管理装置101が管理する遊技履歴データの一例については、図10を参照して後で説明する。
景品交換端末102は、遊技者が所有する貯玉、貯メダル等の遊技価値を景品と交換するための処理を実行する端末装置である。
【0017】
遊技機2は、パチンコ遊技機21や図示しないパチスロ遊技機などの遊技機である。遊技機2は、各種の遊技情報(消費遊技媒体数、付与遊技媒体数、大当たり発生など)を、中継装置109経由で遊技場管理装置101へ送信する。
認証ユニット4は、遊技者の認証を行うとともに、遊技者が所有する遊技価値(貯玉、貯メダル)を遊技に使用するための処理を実行する装置である。認証ユニット4は、遊技機2の側方に個別に設置されている。
【0018】
遊技情報表示装置105は、遊技に関する各種遊技情報(大当たり回数、ゲーム回数、獲得玉数など)を表示する装置である。遊技情報表示装置105は、遊技機の上方に、個別に設置されている。
中継装置109は、遊技機2、認証ユニット4、及び遊技情報表示装置105と、遊技場管理装置101と、の間のデータ送受信を中継する端末装置である。上記の通り、中継装置109は、遊技機2台につき、1台ずつ設置されている。
【0019】
遊技場では、各種機器が通信可能に接続された有線LAN等の場内ネットワーク100が構築されている。遊技機2は、対応する遊技情報表示装置105及び認証ユニット4と共に、中継装置109を介して場内ネットワーク100に接続されている。場内ネットワーク100では、遊技情報表示装置105等の周辺装置を含めた遊技機2側と、遊技場管理装置101と、の間の各種の通信が中継装置109を介して実現されている。
【0020】
遊技場管理装置101は、場内ネットワーク100に接続されているほか、公衆通信回線であるインターネットにも接続されている。遊技場用システム1では、インターネットに接続された遊技場管理装置101を介して、場内システム10と場外の管理サーバ11とが通信可能な状態で接続されている。
【0021】
次に、(A)遊技機及び認証ユニットの構成及び基本動作、(B)遊技場管理装置の管理データ、(C)遊技者端末による会員管理アプリ画面、(D)管理サーバが備える機能、(E)NFT景品との交換、について順番に説明する。
【0022】
(A)遊技機及び認証ユニットの構成及び基本動作
本例では、遊技機2の一例として、パチンコ遊技機21を例示する。パチンコ遊技機21(図2)は、ポイントを消費(使用)して遊技媒体である遊技球を発射することにより遊技される遊技機である。例示するパチンコ遊技機21は、特図始動口221への入賞に応じて大当たり抽選が実行され、大当たりに当選したときに大当たり図柄が表示されて大当たり状態が発生する、いわゆるセブン機である。
【0023】
パチンコ遊技機21は、図2に示すように、略円形状の遊技領域(遊技盤)210を有している。遊技領域210の上部、左右両側には装飾ランプ部242が設けられ、遊技領域210の下部、左側にはスピーカ241が配置されている。また、遊技領域210の下側には、情報表示部25と操作ボタン群231とが配設され、情報表示部25の右下には、操作ハンドル23が設けられている。
【0024】
情報表示部25は、液晶ディスプレイにより構成され、その表示画面には、大当たり回数や特図抽選回数など遊技に関する各種の遊技データ等、各種の情報が表示される。さらに、この情報表示部25の表示画面には、認証ユニット4から受信した遊技玉数(得点数)が表示される。遊技玉数は、遊技球を1個発射する毎に1点ずつ減算される一方、入賞に応じて所定の玉数が加算される。パチンコ遊技機21では、この遊技玉数がゼロになると遊技球を発射できなくなる。
【0025】
操作ボタン群231は、情報表示部25に表示させる遊技データを遊技者が選択するための操作ボタンや、遊技演出に利用される操作ボタン等によって構成されている。操作ボタン群231には、パチンコ遊技機21が記憶する遊技玉数の計数を求める計数ボタン231Aが含まれている。
【0026】
遊技領域210は、遊技媒体である遊技球が流下する領域である。遊技領域210では、図柄表示部24を含む表示装置が中心近くに配置され、入賞することなく流下した遊技球を回収するためのアウト孔225が最下部に設けられている。特図始動口221は、図柄表示部24の下側に配置され、特図始動口221とアウト孔225の中間には、大入賞口222が設けられている。
【0027】
遊技者側から向かって図柄表示部24の左側には通過ゲート式の普図始動口223等が配置されている。普図始動口223は、遊技球の通過を検知するためのゲートである。遊技球を通過させるのみの普図始動口223には、遊技球の払い出し(賞球)が設定されていない。普図始動口223により遊技球が検知されると、普通図柄の当否判定(以下、普図抽選という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図抽選が実行される。普図抽選の当否は、図柄表示部24によって表示される。
【0028】
特図始動口221は、電動チューリップ(電動役物)を備え、特別図柄の当否判定(以下、特図抽選という。)の契機となる可変入賞口である。電動チューリップは、普図抽選での当選を契機として開放し、特図始動口221の入賞率を格段に高くする。特図始動口221に遊技球が入賞(始動入賞)すると、特図抽選用の抽選用乱数が抽出され、特図抽選(大当たり抽選)が実行される。
【0029】
図柄表示部24は、液晶ディスプレイにより図柄を変動表示する表示部である。図柄表示部24は、特図抽選の当否(抽選結果)を表示する特図表示部としての機能と、普図抽選の当否(抽選結果)を表示する普図表示部としての機能と、を有している。特図抽選にて当選すると、大入賞口222の開放を含む大当たりが発生する。
【0030】
パチンコ遊技機21は、図3のごとく主制御部20を中心として構成されている。主制御部20に対しては、情報表示部25、操作ボタン群231、演出制御部291、入賞した遊技球のセンサ293~295、特図始動口(電チュー)221を開放する特図始動ソレノイド296、大入賞口222を開放させる大入賞口ソレノイド297、及び電力供給のための電源回路部298等が電気的に接続されている。さらに、主制御部20には、中継装置109及び認証ユニット4との通信窓口をなすI/F部200が電気的に接続されている。
【0031】
演出制御部291には、スピーカ241を駆動するアンプ241Aや装飾ランプ部242が電気的に接続されているほか、図柄表示部24の表示画面を制御する表示制御部292が通信可能に接続されている。
【0032】
入賞した遊技球の検出センサとしては、図2及び図3のごとく、特図始動口221への入賞を検出する特図入賞センサ293、普図始動口223の入賞を検出する普図入賞センサ294、及び大入賞口222への入賞を検出する大入賞センサ295がある。
【0033】
主制御部20は、図3のごとく、CPU(Central Processing Unit)201、記憶素子であるROM(Read Only Memory)202・RAM(Random Access Memory)204、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)205等を備えている。
【0034】
認証ユニット4は、パチンコ遊技機21に個別に対応するよう、隣り合うパチンコ遊技機21との台間スペースに設置されている(図1参照。)。この認証ユニット4は、遊技球を発射する権利となる遊技玉数(得点)の付与機能(貸出機能)を備えている。
【0035】
認証ユニット4の前面(図2参照。)には、装置エラー等の作動状態を表示する状態ランプ41、遊技者の顔認証用のカメラ部42、液晶表示画面にタッチスクリーンシートが積層されたタッチパネル式の表示部43、代金引き落としに応じて遊技に必要な遊技玉数の貸出を受けるための貸出ボタン44、遊技場に預け入れた貯玉数を利用するための再プレイボタン45、遊技を終了させるための終了ボタン46、等が配設されている。
【0036】
認証ユニット4は、図3のごとく、CPU401、ROM402、RAM403、I/O404等を備える制御部40を中心として電気的に構成されている。制御部40に対しては、上記の各構成のほか、I/F部400が電気的に接続されている。認証ユニット4は、I/F部400を介して中継装置109と通信可能であるほか、対応するパチンコ遊技機21と直接接続されている。
【0037】
続いてパチンコ遊技機21及び認証ユニット4の基本動作を説明する。パチンコ遊技機21は、対応する認証ユニット4から遊技玉数を受信すると、その遊技玉数分の遊技球を発射できるようになる。パチンコ遊技機21は、遊技球を発射する毎に1玉ずつ遊技玉数を減算する一方、入賞が発生した場合には、入賞に応じた付与玉数を遊技玉数に加算する。パチンコ遊技機21では、この遊技玉数がゼロになった時点で、遊技球の発射ができなくなり遊技を継続できなくなる。
【0038】
パチンコ遊技機21では、操作ハンドル23を操作することで遊技領域210の左上に配置された図示しない発射装置から遊技球を発射できる。遊技球が特図始動口221へ入賞すると特図抽選(大当たり抽選)が実行され、図柄表示部24にて特図の図柄変動が開始される。
【0039】
特図抽選で当選した場合は、図柄表示部24にて、777などの大当たり図柄が停止表示されて大当たりが報知され、大当たり状態へ移行する。大当たり状態では、大入賞口222が規定回数開放されることにより、入賞率が大幅に向上する。
【0040】
なお、普図始動口223へ入賞すると普図抽選が実行され、普図の図柄変動が図柄表示部24で開始される。普図抽選に当選すると、図柄表示部24でその旨が報知されると共に、特図始動口221の電動チューリップが開放して特図始動口221への入賞が容易になる。
【0041】
パチンコ遊技機21の遊技状態としては、上記の大当たり状態のほか、通常状態、確変状態がある。確変状態は、通常状態よりも特図判定及び普図判定の当選確率が高まり、大当たりの期待度が高くなる熱い状態である。なお、パチンコ遊技機21の遊技中では、情報表示部25へのタッチ操作に応じて各種の遊技データ(大当たり回数、特図抽選回数など)の閲覧が可能である。
【0042】
遊技終了時など、パチンコ遊技機21が記憶している遊技玉数の計数を受けるためには、計数ボタン231Aを操作すれば良い。計数ボタン231Aが操作されると、パチンコ遊技機21は、記憶している遊技玉数を認証ユニット4へ送信する。計数ボタン231Aは、短押しで遊技玉数を1玉ずつ送信でき、長押しで遊技玉数を全玉一括して送信できる。認証ユニット4では、パチンコ遊技機21から受信した遊技玉数が持玉数へ変換される。パチンコ遊技機21が記憶している遊技玉数は、認証ユニット4への送信完了に応じてゼロリセットされる。
【0043】
認証ユニット4は、対応するパチンコ遊技機21から各種の遊技信号を受信して遊技データを算出・記憶すると共に、遊技場管理装置101へ随時、遊技データを送信する。また、認証ユニット4は、遊技場管理装置101から各種設定情報(遊技機番号、機種名、得点単価など)を受信し、記憶している。
【0044】
認証ユニット4は、貸出ボタン44の操作など遊技者の求めに応じて遊技者の入金残高、貯玉数、持玉数を遊技玉数に換算し、対応するパチンコ遊技機21へ送信する。例えば貸出ボタン44が操作されたときには、一定金額(例えば1000円)ずつ遊技玉数(250玉)に変換され、パチンコ遊技機21へ送信される。例えば再プレイボタン45が操作されたときには、持玉数あるいは貯玉数が250玉ずつ遊技玉数へ変換され、パチンコ遊技機1へ送信されて持玉、貯玉による再プレイが可能になる(再プレイ処理)。なお、遊技者が持玉数と貯玉数の両方を所持する場合、優先的に持玉数が遊技玉数の変換元となる。
【0045】
認証ユニット4は、パチンコ遊技機21の計数ボタン231Aの操作に応じて受信した遊技玉数を、持玉数として記憶する。認証ユニット4は、入金残高及び持玉数の少なくとも何れか一方が存在する状態で終了ボタン46が操作されたとき、遊技者の入金残高、持玉数を遊技場管理装置101へ送信してリセットし、空台状態とする。
【0046】
認証ユニット4は、カメラ部42により遊技者の顔画像を取得し、随時遊技場管理装置101へ送信すると共に、顔画像による遊技者の認証結果を遊技場管理装置101から随時、受信する。認証ユニット4に対する入金処理は、上記の顔認証によるクレジット決済又はデビット決済により実行される。入金処理が実行された際には、予め登録されたメールアドレスへ実行の旨が送信される。
【0047】
認証ユニット4は、対応するパチンコ遊技機21に遊技者が着席すると、図4の初期画面を表示部43に表示する。同図の初期画面は、最上段の種別表示欄430と、下部の入金残高表示欄432及び所有価値表示欄433の中間に、メッセージ表示欄438及び顔撮像エリア431が配置された表示画面である。
【0048】
種別表示欄430は、種別(単価)、単位付与数の表示欄である。初期画面のメッセージ表示欄438には、あいさつ文と、顔認証を開始する旨を表す文章と、がテキスト表示される。顔撮像エリア431は、顔の撮像エリアを示す表示である。顔撮像エリア431には、撮像画像が表示される。顔撮像エリア431に撮像画像を表示することにより、エリア内に顔が収まるように遊技者に調整を促すことができる。
【0049】
入金残高表示欄432は、上記の入金処理により入金した金額のうち、遊技玉数に未変換の入金残高を表示する欄である。所有価値表示欄433は、遊技者が所持する持玉数、貯玉数の表示欄である。
【0050】
顔認証が完了すると、表示部43による表示画面が、図4の初期画面から図5の会員用画面に切り替わる。この会員用画面では、顔認証後に遊技場管理装置101から受信した入金残高、持玉・貯玉数データが表示される。
【0051】
図5の会員用画面は、初期画面(図4)と同様、最上段に種別表示欄430が配置されていると共に、入金残高表示欄432及び所有価値表示欄433が下部に配置されている。会員用画面の中間部分には、メッセージ表示欄438及び顔撮像エリア431に加えて、メニューボタン434が配置されている。メニューボタン434は、後述する図7の操作メニュー画面を表示させるためのタッチ操作ボタンである。
【0052】
一方、顔認証されなかった場合、認証ユニット4に対して、遊技場管理装置101から未登録通知が送信される。認証ユニット4は、この未登録通知を受信した後、図6の会員未登録画面へ表示部43の表示を切り替える。この会員未登録画面は、会員登録が必要である旨のテキスト表示がメッセージ表示欄438に表示される点、及び遊技者の顔画像が顔画像撮像エリア431に表示済みである点、を除いて初期画面とほぼ同様の表示画面である。
【0053】
図7の操作メニュー画面は、会員用画面(図5)中のメニューボタン434へのタッチ操作に応じて切替表示される表示画面である。操作メニュー画面は、最上段の種別表示欄430、下部の入金残高表示欄432及び所有価値表示欄433は、会員用画面と同様である一方、中間部分の表示内容が会員用画面とは異なっている。
【0054】
操作メニュー画面(図7)の中間部分には、入金ボタン435、休憩ボタン436、遊技終了ボタン437が配置されている。これらの操作ボタンは、タッチ操作が可能である。入金ボタン435は、クレジット決済により入金するための操作ボタンである。休憩ボタンは、50分までの休憩をとるための操作ボタンである。遊技終了ボタンは、遊技を終了するための操作ボタンである。
【0055】
(B)遊技場管理装置の管理データ
遊技場管理装置101は、登録された会員の個人情報を、図8の会員リストとして記憶し管理する機能、各会員が所有する遊技価値を、図9の遊技価値データとして記憶し管理する機能、各遊技者の遊技履歴データを、図10の遊技履歴データとして記憶し管理する遊技履歴データ記憶手段の機能、等を備えている。
【0056】
図8の会員リストは、会員登録手続で入力された各会員の属性情報が登録される各会員の個人データの一覧である。会員登録手続は、例えば、携帯端末151のアプリで行うことが可能である。
図9の遊技価値データは、各会員が所有する入金残高、持玉数、貯玉数のデータであり、会員の識別番号である会員No.を対応付けて記憶されている。
図10の遊技履歴データは、各会員の遊技履歴のデータである。遊技場管理装置101は、認証ユニット4が集計して随時送信する遊技データを元にして各会員の遊技履歴データを作成し記憶する。なお、管理サーバ11において遊技場毎の区別が可能となるよう、遊技履歴データには遊技場の識別情報が含まれている。
【0057】
(C)遊技者端末による会員管理アプリ画面
遊技者端末15の一例である携帯端末151は、管理サーバ11からダウンロードしたアプリケーションを実行することにより、会員管理アプリ画面を表示可能である。会員管理アプリ画面として、図11の属性情報入力画面、図12のクレジットカード情報入力画面、図13の顔画像登録画面、を例示する。
【0058】
図11の属性情報入力画面は、氏名、年齢、性別、住所、電話番号、等の属性情報を入力するための画面である。
図12のクレジットカード情報入力画面は、カード名義、カード番号、セキュリティコード、有効期限などのクレジットカード情報を入力するための画面である。
図13の顔画像登録画面は、遊技者が自ら顔を撮像して自分の顔画像を登録するための画面である。
【0059】
(D)管理サーバが備える機能
管理サーバ11は、遊技場外に設置されるサーバ装置である。管理サーバ11は、上記の製造業者サーバ13、及び各遊技場に設置された遊技場管理装置101と、インターネットを介して通信可能である(図1参照。)。管理サーバ11は、製造業者や遊技場から提供されたコンテンツにNFTを対応付け、NFT景品として管理する。また、管理サーバ11は、利用者同士がNFTの取引を行うためのサイトであるNFT取引サイトを運営する。
【0060】
管理サーバ11は、以下の各手段としての機能を有している。
(1)コンテンツ記憶手段:製造業者及び遊技場から提供を受けたコンテンツを記憶する手段。
(2)NFT発行手段:ノンファンジブルトークンを発行する手段。
(3)NFT遊技履歴作成手段:NFT発行手段により発行されたノンファンジブルトークンを遊技履歴データと対応付けることによりNFT遊技履歴データを作成する手段。NFT遊技履歴データには、遊技者の識別情報が含められる。
(4)景品交換手段:遊技者が獲得した遊技価値を、NFT遊技履歴データと交換するための景品交換処理を実行する手段。
【0061】
遊技場から提供されるコンテンツには、各遊技者の遊技履歴データが含まれている。上記のごとく製造業者サーバ13から提供されるコンテンツには、遊技機2で使用される演出画像や音声のデータなど、各種コンテンツが含まれる。遊技場のコンテンツとしては、遊技者の識別情報が対応付けられた遊技者毎の遊技履歴データ等がある。
【0062】
管理サーバ11は、遊技場あるいは製造業者サーバ13から提供を受けたコンテンツにNFTを対応付け、NFT景品として管理する。管理サーバ11は、NFTを対応付けた遊技履歴データを、NFT遊技履歴データとして管理する。また、管理サーバ11は、NFTを対応付けた演出画像を、NFT画像として管理する。
【0063】
(E)NFT景品との交換
NFT(ノンファンジブルトークン=非代替性トークン)は、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721規格に従って発行されたトークンである。Ethereum(イーサリアム)は、分散型アプリケーション及びスマートコントラクトを構築するためのプラットフォームである。なお、スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で契約などのプロトコルを自動的に実行するためのコンピュータプロトコルである。
【0064】
イーサリアムでは、スマートコントラクトの履行履歴がP2Pネットワーク上のブロックチェーンに記録される。このため、スマートコントラクトを利用すると、契約の透明性を確保することが可能になる。
NFTは、様々なブロックチェーン上で発行可能であり、ブロックチェーンの種類は限定されないという有利な特徴を有している。
【0065】
管理サーバ11は、会員自身の遊技履歴データにNFTを対応付けたNFT遊技履歴データを作成し、景品(NFT景品)として提供可能である。なお、NFT遊技履歴データの交換単価は遊技場側が任意に設定可能で、1日分のデータに対し例えば1000円と設定した場合には、単価4円のパチンコ玉なら250玉、単価20円のメダルなら50枚と交換可能になる。
【0066】
管理サーバ11は、遊技機2の製造業者から提供された各種演出画像にNFTを対応付けたNFT画像を作成し、景品(NFT景品)として提供可能である。なお、遊技機2の図柄表示部24において表示される演出画像が景品(NFT景品)として望ましい。
【0067】
NFT景品との交換を希望する遊技者は、景品交換カウンタにてNFT景品との交換を申告する必要がある。NFT画像との交換を行う場合には、景品交換端末102の表示部に、交換可能なNFT画像景品が一覧表示される。遊技者は、一覧表示されたNFT画像景品の中から所望のNFT画像景品を選択できる。NFT遊技履歴データとの交換を行う場合には、遊技場管理装置101が当該会員の遊技履歴データを読み出して管理サーバ11へ送信する。管理サーバ11は、NFT遊技履歴データを作成して遊技場管理装置101へ送信する。
【0068】
景品交換端末102において、交換対象となるNFT景品の選択が確定したとき、その景品価額に相当する遊技価値の減算処理が実行される。遊技者は、景品として獲得したNFT景品を、遊技者端末15のNFT管理用アプリで確認することが可能である。
【0069】
以上のように構成された本例の遊技場用システム1は、遊技者が遊技により獲得した遊技価値を所望の景品と交換することが可能な遊技場向けのシステムである。この遊技場用システム1は、ノンファンジブルトークンを発行可能であり、ノンファンジブルトークンを遊技履歴データと対応付けることによりNFT遊技履歴データを作成できる。そして、遊技場用システム1は、遊技者が獲得した遊技価値を、NFT遊技履歴データと交換するための景品交換処理を実行可能である。
【0070】
本例の遊技場用システム1によれば、遊技者の遊技履歴データに基づくNFT遊技履歴データを景品として遊技者へ提供可能である。それ故、この遊技場用システム1によれば、遊技者の個人的な遊技履歴を唯一無二のものとして客観的に証明することが可能となっており、これにより、遊技者の満足感を大いに高めることができる。
【0071】
本例の遊技履歴データには、遊技した日付、遊技機の識別情報、遊技場の識別情報、大当たりの発生実績に関するデータが含まれる。このような遊技履歴データに基づくNFT遊技履歴データは、遊技者の個人的な遊技履歴をより詳細に証明し得るものとなる。
【0072】
本実施形態の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
遊技履歴データに含まれるデータの種類は、図10で例示したデータに限定されず、どのような種類のデータを含んでも良い。例えば、全ての大当たり各々の発生時刻や獲得玉数を記憶するようにしても良い。
さらに、遊技した遊技機に関する画像データを、遊技履歴データに含めることも良い。画像データは、遊技者の個人的な遊技履歴をビジュアルなものとし、後で検索したり振り返る際の目印となり得る。
【0073】
本例では、会員登録された遊技者のみ遊技可能なシステムを例示したが、会員未登録の遊技者も現金により入金し、遊技可能としても良い。この場合、各遊技機に現金による入金手段を設ける必要がある。
例示したシステムでは、クレジットカード決済により入金可能としたが、デビットカード決済による入金を可能としても良い。
【0074】
本例では、遊技者の顔画像に基づいて会員の遊技者を識別するように構成したが、遊技者の識別手段はこれに限定されない。例えば、指紋、静脈、虹彩など他の生体情報に基づいて会員を識別するようにしても良い。また、生体情報に代えて会員カードや携帯端末などの媒体に記録された会員番号情報に基づいて、会員を識別するようにしても良い。さらに、生体情報及び会員番号情報の両方に基づいて、会員を識別することも良い。
【0075】
本例で例示した遊技機2はあくまでも一例であり、様々な仕様の遊技機を対象として遊技場用システム1を構成できる。例えば、本例では遊技媒体を利用して遊技が行われる遊技機2を例示したが、パチスロ遊技機であっても良い。さらに、本例では、遊技媒体が払い出されることがない封入式遊技機を例示したが、入賞に応じて遊技媒体を払い出す払出式のパチンコ遊技機であっても良い。
【0076】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0077】
1 遊技場用システム
10 場内システム
101 遊技場管理装置(遊技履歴データ記憶手段)
102 景品交換端末
105 遊技情報表示装置
109 中継装置
11 管理サーバ(コンテンツ記憶手段、NFT発行手段、NFT遊技履歴作成手段、景品交換手段)
13 製造業者サーバ
15 遊技者端末
150 パーソナルコンピュータ
151 携帯端末
2 遊技機
21 パチンコ遊技機
4 認証ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13