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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112530
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】整流装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 37/02 20060101AFI20230804BHJP
【FI】
B62D37/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014377
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 一幸
(72)【発明者】
【氏名】稲山 昌秀
(72)【発明者】
【氏名】中山 大輔
(72)【発明者】
【氏名】工藤 信寛
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 利弥
(72)【発明者】
【氏名】田中 一成
(57)【要約】
【課題】整流体から回転軸に作用される負荷を分散する。
【解決手段】整流装置では、支持体22がスタンド18を支持しており、スタンド18が回転されて、整流体14が回転される。ここで、支持体22に支持部材58のアーム60が支持されており、支持部材58の支持軸64が、整流体14を支持して、スタンド18を支持している。このため、整流体14からスタンド18に作用される負荷を支持体22と支持部材58とに分散できる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開方向に回転されることで車両の前輪の前側に展開されて前記前輪への空気流を抑制すると共に、収納方向に回転されることで車体に収納される整流体と、
前記整流体の回転中心軸にされる回転軸と、
駆動されて前記整流体が回転される駆動機構と、
前記駆動機構を保持し、前記回転軸を支持する支持体と、
前記支持体に支持され、前記回転軸を支持する支持部材と、
を備える整流装置。
【請求項2】
前記支持体の外側において前記回転軸が前記整流体を支持すると共に前記支持部材が前記回転軸を支持する請求項1記載の整流装置。
【請求項3】
前記回転軸の前記支持体による支持位置と前記支持部材による支持位置との間の外側に配置され、前記整流体を駆動する駆動部材を備える請求項1又は請求項2記載の整流装置。
【請求項4】
前記回転軸の前記支持体による支持位置と前記支持部材による支持位置との間の外側に配置され、前記整流体を付勢する付勢部材を備える請求項1~請求項3の何れか1項記載の整流装置。
【請求項5】
前記支持体に取付けられ、前記駆動機構を被覆する被覆部材を備える請求項1~請求項4の何れか1項記載の整流装置。
【請求項6】
前記支持部材が前記整流体を介して前記回転軸を支持する請求項1~請求項5の何れか1項記載の整流装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前輪への空気流を抑制する整流装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の車両用整流装置では、アクチュエータが駆動されて、整流部材が回転軸を回転中心軸にされて回転される。また、アクチュエータがフレームに保持されており、フレームに回転軸が支持されている。
【0003】
ここで、このような車両用整流装置では、整流部材から回転軸に作用される負荷を分散できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-93785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、整流体から回転軸に作用される負荷を分散できる整流装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の整流装置は、展開方向に回転されることで車両の前輪の前側に展開されて前記前輪への空気流を抑制すると共に、収納方向に回転されることで車体に収納される整流体と、前記整流体の回転中心軸にされる回転軸と、駆動されて前記整流体が回転される駆動機構と、前記駆動機構を保持し、前記回転軸を支持する支持体と、前記支持体に支持され、前記回転軸を支持する支持部材と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様の整流装置は、本発明の第1態様の整流装置において、前記支持体の外側において前記回転軸が前記整流体を支持すると共に前記支持部材が前記回転軸を支持する。
【0008】
本発明の第3態様の整流装置は、本発明の第1態様又は第2態様の整流装置において、前記回転軸の前記支持体による支持位置と前記支持部材による支持位置との間の外側に配置され、前記整流体を駆動する駆動部材を備える。
【0009】
本発明の第4態様の整流装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つの整流装置において、前記回転軸の前記支持体による支持位置と前記支持部材による支持位置との間の外側に配置され、前記整流体を付勢する付勢部材を備える。
【0010】
本発明の第5態様の整流装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つの整流装置において、前記支持体に取付けられ、前記駆動機構を被覆する被覆部材を備える。
【0011】
本発明の第6態様の整流装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つの整流装置において、前記支持部材が前記整流体を介して前記回転軸を支持する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様の整流装置では、駆動機構が駆動されて、整流体が回転軸を回転中心軸にされて回転される。さらに、整流体が展開方向に回転されることで、整流体が、車両の前輪の前側に展開されて、前輪への空気流を抑制する。一方、整流体が収納方向に回転されることで、整流体が車体に収納される。
【0013】
また、駆動機構を支持体が保持しており、支持体が回転軸を支持する。
【0014】
ここで、支持体に支持部材が支持されており、支持部材が回転軸を支持する。このため、整流体から回転軸に作用される負荷を支持体と支持部材とに分散できる。
【0015】
本発明の第2態様の整流装置では、支持体の外側において回転軸が整流体を支持しており、支持体の外側において支持部材が回転軸を支持する。このため、支持体の外側において回転軸が整流体を支持する場合でも、整流体から回転軸に作用される負荷を支持体と支持部材とに分散できる。
【0016】
本発明の第3態様の整流装置では、駆動部材が整流体を駆動する。
【0017】
ここで、回転軸の支持体による支持位置と支持部材による支持位置との間の外側に駆動部材が配置される。このため、支持部材を小さくでき、支持部材による回転軸の支持剛性を高くできる。
【0018】
本発明の第4態様の整流装置では、付勢部材が整流体を付勢する。
【0019】
ここで、回転軸の支持体による支持位置と支持部材による支持位置との間の外側に付勢部材が配置される。このため、支持部材を小さくでき、支持部材による回転軸の支持剛性を高くできる。
【0020】
本発明の第5態様の整流装置では、支持体に被覆部材が取付けられており、被覆部材が駆動機構を被覆する。このため、駆動機構を保護できる。
【0021】
本発明の第6態様の整流装置では、支持部材が整流体を介して回転軸を支持する。このため、支持部材が回転軸を直接支持する構成にする必要をなくすことができ、支持部材の構成の自由度を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態における車両の前部を示す車幅方向外方から見た側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る整流装置を示す車両後方かつ車幅方向内方から見た分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る整流装置を示す車両前方かつ車幅方向外方から見た斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る整流装置を示す車幅方向外方から見た側面図である。
図5】本発明の実施形態に係る整流装置を示す下方から見た下面図である。
図6】本発明の実施形態に係る整流装置を示す車両前方から見た正面図である。
図7】本発明の実施形態に係る整流装置を示す下方から見た断面図(図6の7-7線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、本実施形態における車両12の前部が車幅方向外方(車両右方)から見た側面図にて示されており、図2には、本実施形態に係る整流装置10が車両後方かつ車幅方向内方から見た分解斜視図にて示されている。さらに、図3には、整流装置10が車両前方かつ車幅方向外方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示している。
【0024】
図1に示す如く、本実施形態に係る整流装置10は、車体12Aの前端部内に設置されて、車両12の前輪12Bの前側に配置されている。
【0025】
図1図3に示す如く、整流装置10には、樹脂製で略直方体形箱状の整流体14が設けられており、整流体14は、収納位置(図1の破線位置)に配置されている。
【0026】
整流体14の車両前側端部には、有底筒状の結合筒14A(図7参照)が形成されており、結合筒14Aは、軸方向が車幅方向にされると共に、内部が車幅方向内側に開放されている。結合筒14Aの底壁(車幅方向外側壁)の車幅方向外側には、被支持部としての円筒状の回転筒14Bが一体形成されており、回転筒14Bは、軸方向が車幅方向にされると共に、内部が車幅方向内側に開放されて結合筒14A内に連通されている。
【0027】
整流体14の車両前側端部の車幅方向内側には、駆動装置16(図2及び図7参照)が組付けられており、駆動装置16は、車体12Aの前端部内に固定されている。
【0028】
駆動装置16には、回転軸としての樹脂製で略円筒状のスタンド18が設けられており、スタンド18の軸方向は、車幅方向にされている。スタンド18の車幅方向外側端部は、整流体14の結合筒14A内に車幅方向内側から挿入されており、所定数(本実施形態では3個)の結合ネジ20が、結合筒14Aの底壁に車幅方向外側から貫通されて、スタンド18の車幅方向外側端部に螺合されている。これにより、スタンド18に整流体14が結合(締結)されており、スタンド18は、整流体14の回転筒14Bと同軸上に配置されている。また、整流体14は、スタンド18を中心軸として、展開方向A及び収納方向Bに回転可能にされている。
【0029】
スタンド18の車幅方向外側端部近傍には、シール部としての円環状のシール筒18Aが同軸上に一体形成されており、シール筒18Aは、断面L字状にされて、底壁及び側壁が設けられている。シール筒18Aの底壁は、円環板状にされて、スタンド18と一体にされており、シール筒18Aの側壁は、円筒状にされて、シール筒18Aの底壁の径方向外側端部から車幅方向内側に突出されている。
【0030】
スタンド18の車幅方向内側には、支持体22を構成する本体部材としての樹脂製で箱状のケース24が設けられており、ケース24内は、車幅方向内側に開放されている。ケース24の下側部分には、略有底円筒状の収容筒24Aが形成されており、収容筒24Aは、軸方向が車幅方向にされると共に、内部がケース24内の上側部分に連通されている。収容筒24Aの底壁(車幅方向外側壁)には、第1支持部としての円筒状の支持筒24Bが同軸上に一体形成されており、支持筒24Bは、収容筒24Aの底壁を貫通すると共に、内部が車幅方向外側に開放されている。
【0031】
支持筒24B内には、スタンド18が同軸上に嵌合されており、これにより、支持筒24Bがスタンド18を回転可能に支持すると共に、収容筒24A内にスタンド18が同軸上に挿入されている。支持筒24Bには、車幅方向外側から、スタンド18のシール筒18Aの底壁が当接されており、これにより、スタンド18の車幅方向内側への移動が係止されている。支持筒24Bとシール筒18Aとの間には、シール部材としての円環状のシールリング26が挿入されており、シールリング26は、ゴム製にされて、シール性を有している。シールリング26は、支持筒24Bとシール筒18Aの側壁との間に挟持されて、弾性収縮されており、シールリング26は、ケース24とスタンド18との間をシールして、ケース24内への水の浸入を制限している。
【0032】
ケース24内には、支持体22を構成する保持部材としての樹脂製のモータベース28が収容されており、モータベース28の外周は、ケース24の内周に嵌合されている。モータベース28の上下方向中間部分には、固定ネジ30が一対貫通されており、一対の固定ネジ30がケース24の底壁(車幅方向外側壁)に螺合されて、モータベース28がケース24に固定(締結)されている。
【0033】
モータベース28の上側部分には、保持部としての略有底楕円筒状の保持筒28Aが一体形成されており、保持筒28Aは、車幅方向内側に突出されると共に、内部が車幅方向内側に開放されている。
【0034】
モータベース28の下側部分には、挿入部としての略有底円筒状の挿入筒28Bが一体形成されており、挿入筒28Bは、車幅方向内側に突出されると共に、内部が車幅方向外側に開放されている。挿入筒28Bは、ケース24の収容筒24Aと同軸上に配置されており、挿入筒28B内には、スタンド18が同軸上に挿入されている。挿入筒28Bの底壁(車幅方向内側壁)には、第2支持部(嵌合部)としての略有底円筒状の嵌合筒28Cが同軸上に一体形成されており、嵌合筒28Cは、挿入筒28Bの底壁から車幅方向内側に突出されている。嵌合筒28C内は、挿入筒28B内に開放されており、嵌合筒28Cは、内部にスタンド18の車幅方向内側端部が同軸上に嵌合されて、スタンド18を回転可能に支持している。
【0035】
ケース24及びモータベース28の車幅方向内側には、被覆部材としての樹脂製で箱状のカバー32が設けられており、カバー32内は、車幅方向外側に開放されている。カバー32の車幅方向外側端部内には、ケース24の車幅方向内側端部が嵌合かつ固定されており、カバー32は、ケース24及びモータベース28の車幅方向内側を被覆かつシールしている。
【0036】
ケース24及びカバー32は、車体12Aの前端部内に固定されており、これにより、整流装置10が車体12Aの前端部内に設置されている。
【0037】
ケース24及びカバー32の内部の上側部分には、駆動機構としてのモータ42が設けられている。モータ42には、略楕円柱状の本体部42Aが設けられており、本体部42Aは、モータベース28の保持筒28A内に車幅方向内側から嵌入されて保持されている。本体部42Aからは、出力軸42Bが車幅方向外側に延出されており、出力軸42Bは、モータベース28を貫通して、モータベース28の車幅方向外側に延出されている。また、モータ42が駆動されて、出力軸42Bが回転される。
【0038】
モータ42の車幅方向外側には、樹脂製の初段ウォーム44が設けられており、初段ウォーム44の車幅方向外側端部は、ケース24の底壁に回転自在に支持されている。初段ウォーム44には、車幅方向内側からモータ42の出力軸42Bが同軸上に挿入されており、出力軸42Bが回転されることで、初段ウォーム44が出力軸42Bと一体回転される。
【0039】
初段ウォーム44の下側には、金属製の出力ウォーム46が設けられており、出力ウォーム46は、ケース24の底壁とモータベース28との間に回転自在に支持されている。出力ウォーム46の車両前側には、樹脂製の初段ギア48(ウォームホイール)が同軸上に支持されており、初段ギア48は、出力ウォーム46と一体回転される。初段ギア48は、初段ウォーム44に噛合されており、初段ウォーム44が回転されることで、初段ギア48及び出力ウォーム46が一体回転される。
【0040】
出力ウォーム46の下側には、駆動部材としての金属製で略円筒状の出力ギア50(ウォームホイール)が設けられており、出力ギア50は、内部にスタンド18が同軸上に嵌合されて、スタンド18に回転可能に支持されている。出力ギア50は、スタンド18に対し車幅方向(軸方向)に移動可能にされており、出力ギア50は、ケース24の支持筒24Bに車幅方向内側から当接されている。出力ギア50は、出力ウォーム46に噛合されて、回転を制限されており、出力ウォーム46が回転されて、出力ギア50が回転される。
【0041】
出力ギア50の車幅方向内側には、駆動部材としての金属製で略円筒状のクラッチ52が設けられており、クラッチ52は、内部にスタンド18が同軸上に嵌合されて、スタンド18に支持されている。クラッチ52は、スタンド18と一体回転可能にされると共に、スタンド18に対し軸方向(車幅方向)に移動可能にされており、クラッチ52は、出力ギア50と係合されて、出力ギア50と一体回転される。
【0042】
クラッチ52の車幅方向内側には、付勢部材としての金属製のコイルスプリング54が設けられており、コイルスプリング54内には、スタンド18が同軸上に挿入されている。スタンド18の車幅方向内側端部近傍には、係止部材としての金属製で略円環板状のプッシュナット56が嵌合かつ固定されており、プッシュナット56とクラッチ52との間には、コイルスプリング54が掛渡されている。コイルスプリング54は、軸方向に圧縮されており、コイルスプリング54は、クラッチ52及び出力ギア50を車幅方向外側に付勢して、出力ギア50とクラッチ52との係合が解除されることを制限している。
【0043】
整流体14及び駆動装置16の車両前側には、支持部材58(図3図7参照)が設けられている。
【0044】
支持部材58には、第1部としての金属製で断面L字形板状のアーム60が設けられており、アーム60の車両前側部分は、車幅方向に延伸されると共に、アーム60の車幅方向外側部分は、アーム60の車両前側部分から車両後方に延伸されている。アーム60の車幅方向内側端部には、締結ネジ62が一対貫通されており、一対の締結ネジ62がケース24の車両前側壁に車両前側から螺合されて、アーム60がケース24に支持(締結)されている。
【0045】
支持部材58には、第2部としての金属製で略円柱状の支持軸64が設けられており、支持軸64の軸方向は、車幅方向にされている。支持軸64の車幅方向外側端部近傍には、円環板状の拡径部64Aが一体形成されており、支持軸64は、拡径部64Aにおいて、同軸上に拡径されている。支持軸64の車幅方向外側端部は、アーム60の車両後側端部に貫通されており、支持軸64の車幅方向外側端部にナット66が螺合されて、ナット66と拡径部64Aとの間にアーム60の車両後側端部が挟持されることで、支持軸64がアーム60に支持(締結)されている。支持軸64は、整流体14の回転筒14B内に同軸上に嵌合されており、支持軸64は、整流体14(回転筒14B)を回転可能に支持している。
【0046】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0047】
以上の構成の整流装置10では、整流体14が展開される際に、駆動装置16において、モータ42が正駆動されて、出力軸42B、初段ウォーム44、初段ギア48及び出力ウォーム46が回転されることで、出力ギア50、クラッチ52、スタンド18及び整流体14が展開方向Aに一体回転されて、整流体14が展開位置(図1の2点鎖線位置)に配置される。このため、整流体14が、車体12Aの下側において車両12の前輪12Bの車両前側に配置されて、前輪12Bへの車両12の走行風(空気流)を抑制する(走行風を前輪12Bの下側に流す)ことで、前輪12Bの車両前側における空気圧の増加が抑制されて、車両12の空気抵抗及び揚力が抑制される。
【0048】
一方、整流体14が収納される際には、駆動装置16において、モータ42が逆駆動されて、出力軸42B、初段ウォーム44、初段ギア48及び出力ウォーム46が回転されることで、出力ギア50、クラッチ52、スタンド18及び整流体14が収納方向Bに一体回転されて、整流体14が収納位置(図1の破線位置)に配置される。
【0049】
ところで、支持体22におけるケース24の支持筒24Bとモータベース28の嵌合筒28Cとがスタンド18を支持している。また、車両12の走行時において、車両12の走行面の凸部から整流体14に外力が作用された場合には、整流体14からスタンド18に負荷が作用される。
【0050】
ここで、支持体22のケース24に支持部材58のアーム60が支持されており、支持部材58の支持軸64が、整流体14の回転筒14Bを支持して、スタンド18の車幅方向外側端部を支持している。このため、整流体14に外力が作用された場合には、整流体14からスタンド18に作用される負荷を支持体22と支持部材58とに分散でき、スタンド18に応力が集中することを抑制できて、スタンド18の損傷を抑制できると共に、スタンド18の強度を低くできる。
【0051】
さらに、支持体22の外側(車幅方向外側)においてスタンド18が整流体14を支持しており、支持体22の外側(車幅方向外側)において支持部材58がスタンド18を支持している。このため、支持体22の外側においてスタンド18が整流体14を支持する場合でも、整流体14からスタンド18に作用される負荷を支持体22と支持部材58とに分散できる。
【0052】
また、スタンド18の支持体22による支持位置(支持筒24Bの位置)と支持部材58による支持位置(回転筒14Bの位置)との間の外側(車幅方向内側)に出力ギア50及びクラッチ52が配置されている。このため、支持部材58のアーム60の車幅方向寸法を小さくでき、アーム60の車両前側部分の剛性を高くできて、支持部材58によるスタンド18の支持剛性を高くできる。
【0053】
さらに、スタンド18の支持体22による支持位置(支持筒24Bの位置)と支持部材58による支持位置(回転筒14Bの位置)との間の外側(車幅方向内側)にコイルスプリング54が配置されている。このため、支持部材58のアーム60の車幅方向寸法を一層小さくでき、アーム60の車両前側部分の剛性を一層高くできて、支持部材58によるスタンド18の支持剛性を一層高くできる。
【0054】
また、支持部材58の支持軸64が整流体14の回転筒14B及び結合筒14Aを介してスタンド18の車幅方向外側端部を支持している。このため、支持部材58がスタンド18を直接支持する構成にする必要をなくすことができ、支持部材58の構成の自由度を大きくできる。
【0055】
さらに、ケース24にカバー32が固定されており、ケース24及びモータベース28のモータ42をカバー32が被覆している。このため、モータ42を保護できる。
【0056】
なお、本実施形態では、支持部材58のアーム60が、断面L字形板状にされて、ケース24に車両前側から固定される。しかしながら、支持部材58のアーム60が、例えば断面U字形板状にされて、ケース24に車幅方向外側から固定されてもよい。
【0057】
さらに、本実施形態では、支持部材58の支持軸64に対し整流体14の回転筒14Bが回転される。しかしながら、支持部材58の支持軸64が整流体14の回転筒14Bと一体に回転されてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、支持部材58が整流体14を介してスタンド18を支持する。しかしながら、支持部材58がスタンド18を直接支持してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10・・・整流装置、12・・・車両、12A・・・車体、12B・・・前輪、14・・・整流体、18・・・スタンド(回転軸)、22・・・支持体、32・・・カバー(被覆部材)、42・・・モータ(駆動機構)、50・・・出力ギア(駆動部材)、52・・・クラッチ(駆動部材)、54・・・コイルスプリング(付勢部材)、58・・・支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7