(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011256
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】ワイパアームのクランプ取付構造
(51)【国際特許分類】
B60S 1/46 20060101AFI20230117BHJP
【FI】
B60S1/46 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115003
(22)【出願日】2021-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】591012200
【氏名又は名称】株式会社東海理機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】久田 起也
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AC02
3D225AD01
3D225AE05
3D225AE09
3D225AE29
3D225AF10
(57)【要約】
【課題】ピースアームの長さにかかわらず、クランプを容易に取り付けることができるワイパアームのクランプ取付構造を提供する。
【解決手段】ワイパアーム10は、ピースアーム30と、ピースアーム30の先端部を露出させた状態でピースアーム30を保持する保持部23を有する長尺状のリテーナ20とを含む。クランプ40は、リテーナ20の外周面に取り付けられるとともにウォッシャホース50を保持するように構成されている。保持部23は、1対の第1切欠部25を有している。クランプ40は、1対の第1切欠部25に対して凹凸の関係で嵌合する凸部44を有している。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピースアームと、
前記ピースアームの先端部を露出させた状態で前記ピースアームを保持する保持部を有する長尺状のリテーナと、を含むワイパアームと、
前記リテーナの外周面に取り付けられるとともにウォッシャホースを保持するように構成されたクランプと、を備え、
前記保持部は、第1嵌合部を有しており、
前記クランプは、前記第1嵌合部に対して凹凸の関係で嵌合する第2嵌合部を有している、
ワイパアームのクランプ取付構造。
【請求項2】
前記リテーナは、金属板製であり、
前記保持部は、頂壁及び1対の側壁を有しており、
前記頂壁及び前記1対の側壁は、前記ピースアームの外周面を覆っており、
前記頂壁は、前記リテーナの意匠面を構成しており、
前記1対の側壁は、前記頂壁の幅方向の両側から延びるとともに前記ピースアームを挟んで前記頂壁とは反対側にて前記幅方向において互いに対向する端縁を有しており、
前記第1嵌合部は、前記1対の側壁の少なくとも一方に設けられた凹部であり、
前記第2嵌合部は、前記凹部に嵌合する凸部である、
請求項1に記載のワイパアームのクランプ取付構造。
【請求項3】
前記凹部は、前記1対の側壁の前記端縁の少なくとも一方に形成された切欠部である、
請求項2に記載のワイパアームのクランプ取付構造。
【請求項4】
前記切欠部は、前記1対の側壁の前記端縁の双方に形成されており、
2つの前記切欠部は、前記幅方向において対称な形状を有している、
請求項3に記載のワイパアームのクランプ取付構造。
【請求項5】
前記凹部の内周面は、平面状の第1面を有しており、
前記凸部の外周面は、前記第1面に面接触する平面状の第2面を有している、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のワイパアームのクランプ取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパアームのクランプ取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワイパアームが開示されている。このワイパアームは、シャンク(以下、リテーナ)と、アームピース(以下、ピースアーム)とを備えている。リテーナは、車体に設けられたピボット軸に回動自在に取り付けられたアームヘッドに接続されている。ピースアームの基端部は、リテーナの先端部をかしめることによってリテーナに対して固定されている。すなわち、リテーナは、ピースアームの先端部を露出させた状態でピースアームを保持している。ピースアームの先端部には、ワイパブレードが連結される。
【0003】
ピースアームには、ウィンドシールドなどの払拭面に対してウォッシャ液を噴射するウォッシャノズルと、クランプとが取り付けられている。
ウォッシャノズルには、ウォッシャノズルに対してウォッシャ液を供給するホースが接続されている。
【0004】
ホースは、クランプにより保持されることで、リテーナ及びピースアームに沿って配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうしたワイパアームにおいては、例えばリテーナから突出するピースアームの長さが短い場合には、クランプを取り付ける部位を確保することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためのワイパアームのクランプ取付構造は、ピースアームと、前記ピースアームの先端部を露出させた状態で前記ピースアームを保持する保持部を有する長尺状のリテーナと、を含むワイパアームと、前記リテーナの外周面に取り付けられるとともにウォッシャホースを保持するように構成されたクランプと、を備える。前記保持部は、第1嵌合部を有しており、前記クランプは、前記第1嵌合部に対して凹凸の関係で嵌合する第2嵌合部を有している。
【0008】
同構成によれば、リテーナの保持部に形成された第1嵌合部に、クランプの第2嵌合部が凹凸の関係で嵌合されることによって、リテーナの外周面に対してクランプが取り付けられる。そして、クランプによってウォッシャホースが保持される。したがって、リテーナから突出するピースアームの長さにかかわらず、クランプを容易に取り付けることができる。
【0009】
上記ワイパアームのクランプ取付構造において、前記リテーナは、金属板製であり、前記保持部は、頂壁及び1対の側壁を有しており、前記頂壁及び前記1対の側壁は、前記ピースアームの外周面を覆っており、前記頂壁は、前記リテーナの意匠面を構成しており、前記1対の側壁は、前記頂壁の幅方向の両側から延びるとともに前記ピースアームを挟んで前記頂壁とは反対側にて前記幅方向において互いに対向する端縁を有しており、前記第1嵌合部は、前記1対の側壁の少なくとも一方に設けられた凹部であり、前記第2嵌合部は、前記凹部に嵌合する凸部であることが好ましい。
【0010】
同構成によれば、第1嵌合部がリテーナの保持部の1対の側壁の少なくとも一方に設けられた凹部であるため、第1嵌合部を追加することに伴ってリテーナの意匠面が損なわれることを抑制することができる。
【0011】
また、上記構成によれば、金属板をプレス加工してリテーナを形成する際に、凹部を同時に形成することができる。このため、第1嵌合部を追加することに伴ってリテーナの形成が難しくなるといった不都合の発生を抑制できる。
【0012】
上記ワイパアームのクランプ取付構造において、前記凹部は、前記1対の側壁の前記端縁の少なくとも一方に形成された切欠部であることが好ましい。
同構成によれば、ワイパーアームの正面から凹部が視認されにくくなる。このため、リテーナの意匠面が損なわれることを一層抑制することができる。
【0013】
上記ワイパアームのクランプ取付構造において、前記切欠部は、前記1対の側壁の前記端縁の双方に形成されており、2つの前記切欠部は、前記幅方向において対称な形状を有していることが好ましい。
【0014】
同構成によれば、凹部が上記幅方向の中央に位置するようになる。これにより、リテーナの外周面に対して取り付けられたクランプの姿勢が安定しやすい。したがって、リテーナに対してクランプを適切に取り付けることができる。
【0015】
上記ワイパアームのクランプ取付構造において、前記凹部の内周面は、平面状の第1面を有しており、前記凸部の外周面は、前記第1面に面接触する平面状の第2面を有していることが好ましい。
【0016】
同構成によれば、凹部の内周面を構成する第1面と、凸部の外周面を構成する第2面とが面接触するため、凹部に対して凸部が回転することを抑制できる。これにより、クランプのがたつきを抑制できる。
【0017】
また、上記構成によれば、凹部の第1面に対して凸部の第2面が面接触するため、凸部の外周面に作用する応力が分散されるようになる。これにより、凸部の外周面における応力集中を抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ピースアームの長さにかかわらず、クランプを容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、一実施形態のワイパアームのクランプ取付構造を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、同実施形態のワイパアームのクランプ取付構造を示す下面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態のかしめられる前の状態のリテーナとピースアームとを互いに離して示す斜視図である。
【
図4】
図4は、同実施形態のクランプが取り付けられていない状態のワイパアームを示す斜視図である。
【
図5】
図5は、同実施形態のクランプが取り付けられていない状態のワイパアームを示す下面図である。
【
図6】
図6は、同実施形態のクランプを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、
図1~
図8を参照して、一実施形態について説明する。
本実施形態に係るワイパアームのクランプ取付構造は、車両用ワイパ装置に適用されるものである。
【0021】
図1及び
図2に示すように、ワイパ装置は、ピースアーム30及びリテーナ20を含むワイパアーム10、ウォッシャホース50、ウォッシャノズル60、並びにクランプ40を備えている。また、図示は省略するが、ワイパ装置は、ワイパブレードを備えている。
【0022】
<ピースアーム30>
図1~
図4に示すように、ピースアーム30は、長尺板状であり、金属線材により形成されている。
【0023】
図1及び
図2に示すように、ピースアーム30は、基端側から順に、直線状に延在する基端部31、基端部31の延在方向に対して傾斜して延在する中間部32、及び中間部32に対して傾斜して延在する先端部33を有している。ピースアーム30の板厚方向の一方の面は、意匠面を構成している。
【0024】
なお、以降において、ピースアーム30の延在方向、幅方向、及び厚さ方向をそれぞれ延在方向X、幅方向Y、厚さ方向Zとして説明する。
先端部33の先端側の部分は、厚さ方向Zにおいて上記意匠面とは反対側に180度折り曲げられており、図示しないワイパブレードが連結されるように構成されている。
【0025】
図3及び
図5に示すように、基端部31における上記意匠面とは反対側の面には、2つの突部34が延在方向Xにおいて互いに間隔をあけて設けられている。突部34の各々の断面形状は、円形状である。
【0026】
<リテーナ20>
図1、
図2、及び
図4に示すように、リテーナ20は、ピースアーム30の基端部31に沿って延在する長尺状であり、金属板材をプレス加工することにより形成されている。
【0027】
リテーナ20は、頂壁21及び1対の側壁22を有している。頂壁21は、厚さ方向Zにおいてピースアーム30に対向している。1対の側壁22は、頂壁21の幅方向Yの両側において頂壁21に対して屈曲して延びている。頂壁21及び1対の側壁22は、ピースアーム30の基端部31の外周面を覆っている。
【0028】
頂壁21におけるピースアーム30とは反対側の面は、リテーナ20の意匠面を構成している。
リテーナ20の先端部には、ピースアーム30の中間部32及び先端部33を露出させた状態でピースアーム30を保持する保持部23が設けられている。
【0029】
保持部23は、頂壁21及び1対の側壁22を有している。
図5及び
図8に示すように、保持部23を構成する1対の側壁22は、ピースアーム30の基端部31を挟んで頂壁21とは反対側において互いに近づくように屈曲している。保持部23を構成する頂壁21及び側壁22の内周面は、基端部31の外周面に接触している。
【0030】
図5に示すように、1対の側壁22は、幅方向Yにおいて互いに対向する端縁24を有している。1対の側壁22の端縁24の双方には、第1切欠部25が形成されている。2つの第1切欠部25は、幅方向Yにおいて対称な形状を有している。第1切欠部25は、下面視長方形状である。第1切欠部25の内周面は、延在方向Xに延在する平面状の底面25aを有している。
【0031】
1対の側壁22の端縁24には、それぞれ2つの第2切欠部26が延在方向Xにおいて互いに間隔をあけて形成されている。すなわち、1対の側壁22の端縁24には、2組、都合4つの第2切欠部26が設けられている。2組の第2切欠部26は、それぞれ幅方向Yにおいて対称な形状を有している。第2切欠部26は、下面視円弧状である。
【0032】
2組の第2切欠部26が、2つの突部34の外周面にそれぞれ係止されている。
本実施形態では、延在方向Xにおいて2つの第2切欠部26の間に、1つの第1切欠部25が設けられている。
【0033】
頂壁21の内面に対してピースアーム30の基端部31を接触させた状態で、1対の側壁22を、
図3に示す状態から、かしめることによって、
図5に示す保持部23が形成される。
【0034】
<ウォッシャホース50>
図1及び
図2に示すように、ウォッシャホース50は、ワイパアーム10に沿って配置されている。
【0035】
ウォッシャホース50は、可撓性を有する合成樹脂材料によって形成されている。
ウォッシャホース50の基端には、車両に搭載された図示しないウォッシャタンクが接続されている。ウォッシャホース50の先端には、ウォッシャノズル60が接続されている。
【0036】
<ウォッシャノズル60>
図1及び
図2に示すように、ウォッシャノズル60は、ウォッシャホース50の先端が接続される接続部61、及びピースアーム30の先端部33に取り付けられる取付部63を有している。
【0037】
図2に示すように、ウォッシャノズル60は、ウォッシャ液を上記払拭面に向けて噴射する噴射部62を有している。
接続部61と噴射部62とは、図示しない流路によって連通している。
【0038】
ウォッシャノズル60は、合成樹脂材料によって形成されている。
<クランプ40>
図1、
図2、及び
図8に示すように、リテーナ20の保持部23の外周面には、ウォッシャホース50を保持するクランプ40が取り付けられている。
【0039】
図6~
図8に示すように、クランプ40は、延在方向X及び幅方向Yに延在するベース部41を有している。
ベース部41における幅方向Yの一端には、厚さ方向Zの一方に延びる立壁42が設けられている。
【0040】
立壁42の先端には、幅方向Yに延びるとともにベース部41と対向する第1腕部43が設けられている。第1腕部43の先端43aは、ベース部41に向かって湾曲して延びている。
【0041】
第1腕部43の先端43aとベース部41との間には、延在方向Xの全体にわたって第1開口45が形成されている。
ベース部41、立壁42、及び第1腕部43によって、リテーナ20の保持部23を保持するリテーナ保持部46が構成されている。
【0042】
ベース部41における第1腕部43に対向する面の中央部には、第1腕部43に向かって突出する凸部44が設けられている。
図6~
図8に示すように、凸部44の外周面は、幅方向Yにおいて立壁42に対向する対向面44aと、幅方向Yにおいて対向面44aの反対側に位置する傾斜面44bとを有している。
【0043】
対向面44aは、延在方向X及び厚さ方向Zの双方に延在する平面状である。
傾斜面44bは、第1開口45に近づくほど突出高さが小さくなるように傾斜している。
【0044】
図6及び
図7に示すように、凸部44の外周面は、延在方向Xを指向する1対の側面44cを有している。
側面44cは、幅方向Y及び厚さ方向Zの双方に延在する平面状である。
【0045】
図8に示すように、凸部44は、1対の第1切欠部25に対して凹凸の関係で嵌合している。ここで、対向面44aは、1対の第1切欠部25の一方の底面25aに面接触している。
【0046】
図6及び
図8に示すように、ベース部41における幅方向Yの両端には、厚さ方向Zの他方に延びる第2腕部47がそれぞれ設けられている。
第2腕部47の先端同士の間には、延在方向Xの全体にわたって第2開口48が形成されている。
【0047】
ベース部41及び1対の第2腕部47の内周面は、断面円弧状をなしている。
ベース部41及び1対の第2腕部47によって、ウォッシャホース50を保持するホース保持部49が構成されている。
【0048】
クランプ40は、合成樹脂材料によって一体に形成されている。
なお、本実施形態において、1対の第1切欠部25が、本発明に係る第1嵌合部すなわち、凹部に相当する。また、凸部44が、本発明に係る第2嵌合部に相当する。また、底面25aが、本発明に係る第1面に相当する。また、対向面44aが、本発明に係る第2面に相当する。
【0049】
本実施形態の作用について説明する。
リテーナ20の保持部23に形成された1対の第1切欠部25に、クランプ40の凸部44が凹凸の関係で嵌合されることによって、リテーナ20の外周面に対してクランプ40が取り付けられる。そして、クランプ40によってウォッシャホース50が保持される。
【0050】
本実施形態の効果について説明する。
(1)リテーナ20の保持部23は、第1嵌合部を構成する1対の第1切欠部25を有している。クランプ40は、1対の第1切欠部25に対して凹凸の関係で嵌合する第2嵌合部を構成する凸部44を有している。
【0051】
こうした構成によれば、上記作用を奏することから、リテーナ20から突出するピースアーム30の長さにかかわらず、クランプ40を容易に取り付けることができる。
(2)第1嵌合部は、保持部23を構成する1対の側壁22の双方に設けられた凹部としての第1切欠部25である。第2嵌合部は、第1切欠部25に嵌合する凸部44である。
【0052】
こうした構成によれば、第1嵌合部がリテーナ20の保持部23の1対の側壁22の双方に設けられた第1切欠部25であるため、第1嵌合部を追加することに伴ってリテーナ20の意匠面が損なわれることを抑制することができる。
【0053】
(3)第1切欠部25は、1対の側壁22の端縁24の双方に形成されている。
こうした構成によれば、金属板をプレス加工してリテーナ20を形成する際に、凹部としての第1切欠部25を同時に形成することができる。このため、第1切欠部25、すなわち第1嵌合部を追加することに伴ってリテーナ20の形成が難しくなるといった不都合の発生を抑制できる。
【0054】
(4)2つの第1切欠部25は、幅方向Yにおいて対称な形状を有している。
こうした構成によれば、2つの第1切欠部25によって構成される第1嵌合部が、幅方向Yの中央に位置するようになる。これにより、リテーナ20の外周面に対して取り付けられたクランプ40の姿勢が安定しやすい。したがって、リテーナ20に対してクランプ40を適切に取り付けることができる。
【0055】
(5)第1切欠部25の内周面は、平面状の底面25aを有している。クランプ40の凸部44の外周面は、底面25aに面接触する平面状の対向面44aを有している。
こうした構成によれば、第1切欠部25の内周面を構成する底面25aと、凸部44の外周面を構成する対向面44aとが面接触するため、第1切欠部25に対して凸部44が回転することを抑制できる。これにより、クランプ40のがたつきを抑制できる。
【0056】
また、上記構成によれば、底面25aに対して対向面44aが面接触するため、凸部44の外周面に作用する応力が分散されるようになる。これにより、凸部44の外周面における応力集中を抑制できる。
【0057】
(6)クランプ40の凸部44の外周面は、幅方向Yにおいて第1開口45側に傾斜面44bを有している。
こうした構成によれば、第1開口45を通じてクランプ40のリテーナ保持部46にリテーナ20を嵌入させて組み付ける際に、傾斜面44bによってリテーナ20が凸部44を乗り越えやすくなる。したがって、リテーナ20に対するクランプ40の組み付け性を向上できる。
【0058】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0059】
・上記実施形態では、延在方向Xにおいて2つの第2切欠部26の間に、1つの第1切欠部25を設けるようにしたが、延在方向Xにおいて2つの第2切欠部26と、1つの第1切欠部25とが順に並ぶ構成であってもよい。また、延在方向Xにおける第2切欠部26の数を適宜変更することができる。また、第2切欠部26を省略することもできる。
【0060】
・クランプ40の凸部44の外周面は、傾斜面44bを有していなくてもよい。この場合、傾斜面44bに相当する面を、例えば対向面44aと同様な延在方向X及び厚さ方向Zの双方に延在する平面状にすることができる。
【0061】
・第1切欠部25は、下面視長方形状に限定されず、下面視台形状あるいは三角形状などにすることもできる。この場合であっても、第1切欠部25、すなわち凹部の内周面は、平面状の第1面を有することになる。この場合、第1切欠部25の形状に対応して凸部44の形状を適宜変更すればよい。
【0062】
・第1切欠部25は、内周面に平面状の底面25a、すなわち第1面を有するものに限定されない。第1切欠部25は、第2切欠部26と同様な下面視円弧状であってもよい。この場合、第1切欠部25の形状に対応して凸部44の形状を適宜変更すればよい。
【0063】
・2つの第1切欠部25は、幅方向Yにおいて非対称な形状を有するものであってもよい。
・第1切欠部25は、1対の側壁22の端縁24の一方にのみ設けられるものであってもよい。
【0064】
・本発明に係る凹部は、側壁22の端縁24に形成された第1切欠部25に限定されず、側壁22をその厚さ方向Zに貫通する孔であってもよい。
・保持部23は、頂壁21および1対の側壁22を有するものに限定されない。例えば、ピースアーム30の外周面を覆う円筒状の周壁を有するものであってもよい。また、保持部23を含むリテーナ20を合成樹脂材料などによって形成するようにしてもよい。
【0065】
・本発明に係る第1嵌合部は、切欠や孔などの凹部に限定されず、凸部であってもよい。この場合、クランプ40に設けられる第2嵌合部を上記凸部に凹凸の関係で嵌合する凹部とすればよい。
【符号の説明】
【0066】
10…ワイパアーム
20…リテーナ
21…頂壁
22…側壁
23…保持部
24…端縁
25…第1切欠部(第1嵌合部)
25a…底面(第1面)
26…第2切欠部
30…ピースアーム
31…基端部
32…中間部
33…先端部
34…突部
40…クランプ
41…ベース部
42…立壁
43…第1腕部
43a…先端
44…凸部(第2嵌合部)
44a…対向面(第2面)
44b…傾斜面
44c…側面
45…第1開口
46…リテーナ保持部
47…第2腕部
48…第2開口
49…ホース保持部
50…ウォッシャホース
60…ウォッシャノズル
61…接続部
62…噴射部
63…取付部