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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112598
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】買い物用バッグ及び買い物カート
(51)【国際特許分類】
   A45C 3/04 20060101AFI20230804BHJP
   B62B 3/02 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
A45C3/04 B
A45C3/04 E
B62B3/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014496
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000505
【氏名又は名称】アロン化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(72)【発明者】
【氏名】内野 雄市郎
【テーマコード(参考)】
3B045
3D050
【Fターム(参考)】
3B045AA53
3B045CE07
3B045EA02
3B045EA03
3B045EA06
3B045EB12
3B045EB17
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3B045GD05
3B045KA07
3B045KB02
3B045LA10
3B045LB04
3D050AA02
3D050BB04
3D050DD01
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG03
(57)【要約】
【課題】上側のカバー部を閉じたまま長尺物を収容することができる買い物用バッグ及び買い物カートを提供する。
【解決手段】買い物カートは、買い物した物を収容するバッグ13を備える。バッグ13は、買い物した物を収容可能な箱状のバッグ本体51を有する。バッグ本体51には、前方に開放された前側開口部と、上方に開放された上側開口部59とが形成されている。これら前側開口部及び上側開口部59を通じてバッグ本体51に物の出し入れが可能となっている。バッグ13は、前側開口部を開閉可能な前側カバー53と、上側開口部59を開閉可能な上側カバー54とをさらに備える。上側カバー54の一部は、上側カバー54により上側開口部59が閉じられている状態で上側開口部59を部分的に開閉させる開閉部71となっている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
買い物した物を収容可能であるとともに、上方に開口され物の出し入れが可能な上側開口部を有するバッグ本体と、
前記上側開口部を開閉可能な上側カバー部とを備え、
前記上側カバー部の一部は、前記上側カバー部により前記上側開口部が閉じられている状態で前記上側開口部を部分的に開閉させる開閉部となっている、買い物用バッグ。
【請求項2】
前記開閉部は、前記上側カバー部の周縁部に形成されている、請求項1に記載の買い物用バッグ。
【請求項3】
前記開閉部は、前記上側カバー部のコーナ部に形成されている、請求項1又は2に記載の買い物用バッグ。
【請求項4】
前記バッグ本体には、前記上側開口部と連続し前方に開口された前側開口部が形成され、
前記前側開口部を開閉する前側カバー部を備え、
前記開閉部は、前記上側カバー部の後側の前記コーナ部に形成されている、請求項3に記載の買い物用バッグ。
【請求項5】
前記上側カバー部は、その後縁部が前記バッグ本体に接続されていることにより後方に開くことが可能となっており、
前記開閉部は、前記後側のコーナ部を形成する後縁部及び側縁部を有した三角形状とされているとともに、それら後縁部及び側縁部がいずれも前記バッグ本体に非接続とされている、請求項4に記載の買い物用バッグ。
【請求項6】
前記バッグ本体の内部には、買い物した物を載置するトレイが設けられ、
前記トレイには、前記トレイを上下に貫通するトレイ開口部が形成され、
前記トレイ開口部は、前記開閉部と上下に並んで配置されている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の買い物用バッグ。
【請求項7】
前記トレイは、上下方向に複数設けられ、
前記各トレイにはそれぞれ前記トレイ開口部が形成され、
前記各トレイの前記トレイ開口部は、前記開閉部とともに上下方向に並んでいる、請求項6に記載の買い物用バッグ。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の買い物用バッグと、
前記買い物用バッグを支持するバッグ支持部と、
前記買い物用バッグの上方に設けられ、買い物かごが載置されるかご載置部と、
を備える買い物カートであって、
前記かご載置部は、前記開閉部の上方において開口する枠状に形成されている、買い物カート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、買い物用バッグ、及び買い物用バッグを備える買い物カートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スーパーマーケット等の店舗にて購入した物を自宅まで運ぶ際に用いられる買い物用バッグが知られている。買い物用バッグは、買い物した物を収容する箱状のバッグ本体と、バッグ本体の下部に取り付けられた車輪とを有し、その車輪を転がしながらバッグを移動させることが可能となっている。
【0003】
特許文献1には、バッグ本体の前面と上面とがそれぞれ開口され、それらの開口部を通じてバッグ本体に物の出し入れが可能とされた買い物用バッグが開示されている。この買い物用バッグでは、それらの開口部にそれぞれカバーが設けられ、それらのカバーにより開口部を開閉可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭58-21813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、店舗において買い物する物としては、ねぎやごぼう等の長尺物がある。ここで、こうした長尺物を特許文献1のバッグに収容する場合、長尺物が上面側の開口部を通じて上方にはみ出してしまうおそれがある。その場合、上側のカバーを開じることができず都合が悪い。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上側のカバー部を閉じたまま長尺物を収容することができる買い物用バッグ及び、その買い物用バッグを備えた買い物カートを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の買い物用バッグは、買い物した物を収容可能であるとともに、上方に開口され物の出し入れが可能な上側開口部を有するバッグ本体と、前記上側開口部を開閉可能な上側カバー部とを備え、前記上側カバー部の一部は、前記上側カバー部により前記上側開口部が閉じられている状態で前記上側開口部を部分的に開閉させる開閉部となっている。
【0008】
第1の発明によれば、上側カバー部の一部が開閉部となっているため、上側カバー部により上側開口部が閉じられている状態で開閉部を開くことにより、上側開口部の一部を開口させることができる。そのため、その開口された開口部分に長尺物を通した状態で、長尺物をバッグ本体に収容することができる。これにより、上側カバー部を閉じたまま長尺物を収容することができる。
【0009】
第2の発明の買い物用バッグは、第1の発明において、前記開閉部は、前記上側カバー部の周縁部に形成されている。
【0010】
第2の発明によれば、開閉部が上側カバー部の周縁部に形成されているため、開閉部を開くことにより上側開口部の周縁部の一部が開口される。この場合、その開口部分を通じてバッグ本体に収容される長尺物が他の収容物の邪魔になりにくくすることができる。
【0011】
第3の発明の買い物用バッグは、第1又は第2の発明において、前記開閉部は、前記上側カバー部のコーナ部に形成されている。
【0012】
第3の発明によれば、開閉部が上側カバー部のコーナ部に形成されているため、開閉部を開くことにより上側開口部の隅部の一部が開口される。この場合、その開口部分を通じて収容される長尺物が他の収容物の邪魔により一層なりにくくすることができる。
【0013】
第4の発明の買い物用バッグは、第3の発明において、前記バッグ本体には、前記上側開口部と連続し前方に開口された前側開口部が形成され、前記前側開口部を開閉する前側カバー部を備え、前記開閉部は、前記上側カバー部の後側の前記コーナ部に形成されている。
【0014】
第4の発明によれば、バッグ本体に上側開口部と連続する前側開口部が形成され、その前側開口部が前側カバー部により開閉される。この場合、前側カバー部を開くことで、前側開口部を通じてバッグ本体に物の出し入れを行うことができる。また、かかる構成において、開閉部は上側カバー部の後側のコーナ部に形成されている。これにより、開閉部を開いて長尺物をバッグ本体に収容した状態で、前側開口部より物の出し入れをする際、長尺物が邪魔で出し入れしづらくなったり、長尺物が前側開口部を通じて脱落したりする等の不都合が生じるのを抑制することができる。
【0015】
第5の発明の買い物用バッグは、第4の発明において、前記上側カバー部は、その後縁部が前記バッグ本体に接続されていることにより後方に開くことが可能となっており、前記開閉部は、前記後側のコーナ部を形成する後縁部及び側縁部を有した三角形状とされているとともに、それら後縁部及び側縁部がいずれも前記バッグ本体に非接続とされている。
【0016】
第5の発明によれば、開閉部が、上側カバー部の後側のコーナ部を形成する後縁部及び側縁部を有した三角形状とされ、それら後縁部及び側縁部がいずれもバッグ本体に非接続とされている。この場合、開閉部を、その三角形状の斜辺部に沿って上方に折り曲げて開くことができる。そのため、後ろ開き式の上側カバー部において、後側のコーナ部に好適に開閉部を形成することができる。
【0017】
第6の発明の買い物用バッグは、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記バッグ本体の内部には、買い物した物を載置するトレイが設けられ、前記トレイには、前記トレイを上下に貫通するトレイ開口部が形成され、前記トレイ開口部は、前記開閉部と上下に並んで配置されている。
【0018】
第6の発明によれば、バッグ本体の内部に設けられたトレイにトレイ開口部が形成され、そのトレイ開口部と開閉部とが上下に並んでいる。この場合、開閉部を開くことにより開口される開口部分(上側開口部の一部)とトレイ開口部とが上下に並ぶため、それら開口部分とトレイ開口部とを通じて長尺物をバッグ本体に収容することができる。これにより、トレイ付きの買い物用バッグにも、長尺物を収容することが可能となる。
【0019】
第7の発明の買い物用バッグは、第6の発明において、前記トレイは、上下方向に複数設けられ、前記各トレイにはそれぞれ前記トレイ開口部が形成され、前記各トレイの前記トレイ開口部は、前記開閉部とともに上下方向に並んでいる。
【0020】
第7の発明によれば、上下に複数設けられた各トレイのトレイ開口部が開閉部とともに上下方向に並んでいる。この場合、開閉部を開けることにより開口される開口部分(上側開口部の一部)と、各トレイのトレイ開口部とが上下に並ぶため、それら開口部分及び各トレイ開口部を通じて長尺物をバッグ本体に収容することができる。これにより、トレイを複数有する買い物用バッグにも、長尺物を収容することが可能となる。
【0021】
第8の発明の買い物カートは、第1乃至第7のいずれかの発明の買い物用バッグと、前記買い物用バッグを支持するバッグ支持部と、前記買い物用バッグの上方に設けられ、買い物かごが載置されるかご載置部と、備える買い物カートであって、前記かご載置部は、前記開閉部の上方において開口する枠状に形成されている。
【0022】
第8の発明によれば、買い物用バッグが買い物カートに備え付けられているため、店内で購入した商品を買い物用バッグに収容し、その収容状態で買い物カートを移動させ自宅まで運ぶことが可能となっている。また、買い物用バッグの上方にはかご載置部が設けられているため、店舗内ではかご載置部に買い物かごを載置して、買い物カートをショッピングカートとして利用することが可能となる。
【0023】
また、かご載置部は、開閉部の上方にて開口した枠状に形成されている。これにより、開閉部を開くことにより開口される開口部分を通じて長尺物を買い物用バッグに収容した際、その長尺物においてバッグから上方にはみ出た部分をかご載置部の枠内に通すことができる。そのため、買い物用バッグに収容される長尺物がかご載置部と干渉するのを好適に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】買い物カートを前方から見た斜視図。
図2】買い物カートを前方から見た斜視図であり、バッグを買い物カートから取り外した状態で示している。
図3】買い物カートを示す側面図。
図4】買い物カートを後方から見た斜視図。
図5】バッグの構成を示す斜視図であり、前側カバーをバッグ本体から離した状態で示している。
図6】バッグを前側カバー及び上側カバーを取り外した状態で示す斜視図。
図7】(a)が上側カバーを示す正面図であり、(b)が上側カバーの断面図である。
図8】バッグを示す斜視図であり、上側カバーの開閉部を開いた状態で示している。
図9】上側カバーの開閉部周辺を示す背面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1及び図2はいずれも買い物カート10を前方から見た斜視図である。図2では、バッグ13を買い物カート10から取り外した状態で示している。図3は買い物カート10を示す側面図であり、図4は買い物カート10を後方から見た斜視図である。なお、図3では便宜上、買い物かごKを二点鎖線で示している。
【0026】
また、以下の説明では、買い物カート10を移動させる際の移動方向を前後方向とし、その前後方向に対して直交する方向を左右方向とする。
【0027】
図1図4に示すように、買い物カート10は、当該カート10の骨組を構成する第1フレーム11及び第2フレーム12と、買い物した物(商品)を収容するバッグ13と、バッグ13を支持するバッグ支持部14と、買い物かごKを載置するかご載置部15とを備える。本買い物カート10によれば、スーパーマーケット等の店内ではかご載置部15に買い物かごKを載せることでショッピングカートとしての利用が可能となる。また、買い物した後は、買い物した物をバッグ13内に収容し、自宅まで運ぶことが可能となる。なお、バッグ13が「買い物用バッグ」に相当する。
【0028】
第1フレーム11と第2フレーム12とは、側面視において略X字状をなすように互いに交差して配置されている。第1フレーム11は後方に傾斜して延びており、第2フレーム12は前方に傾斜して延びている。これら各フレーム11,12は、互いに交差する交差部において連結されている。第1フレーム11の下端部には前輪16が取り付けられ、第2フレーム12の下端部には後輪17が取り付けられている。また、第1フレーム11は、第2フレーム12よりも上方に延びている。第1フレーム11の上端側には、ユーザが買い物カート10を移動する際に把持するハンドル18が設けられている。
【0029】
第1フレーム11は、左右一対の脚フレーム部21と、各脚フレーム部21の中間部に架け渡された横フレーム22と、各脚フレーム部21の上端部に架け渡されたハンドルフレーム23とを有する。脚フレーム部21は、下部フレーム25と、下部フレーム25に対して上側に配置された上部フレーム26と、下部フレーム25と上部フレーム26とを連結する連結具27とを有する。下部フレーム25及び上部フレーム26は金属製のパイプ材又は棒材により形成され、連結具27は樹脂材料により形成されている。各下部フレーム25の下端部には前輪16が取り付けられ、各上部フレーム26の上端部にはハンドルフレーム23が架け渡されている。ハンドルフレーム23によりハンドル18が構成されている。
【0030】
第2フレーム12は、左右一対の脚フレーム31と、各脚フレーム31の下端側に架け渡された横フレーム32とを有している。各脚フレーム31及び横フレーム32は金属製のパイプ材又は棒材により形成されている。各脚フレーム31は、第1フレーム11の脚フレーム部21、詳しくはその下部フレーム25と交差しており、その交差する交差部において下部フレーム25と連結されている。
【0031】
バッグ13は、上下方向に長い略直方体状に形成され、バッグ支持部14により着脱可能に支持されている。バッグ13の下端部には、左右一対の車輪33が取り付けられている。これにより、バッグ13をバッグ支持部14(ひいては買い物カート10)から取り出して、車輪33を転がしながら移動させることが可能となっている。したがって、例えば買い物して帰宅した後、玄関でバッグ13を買い物カート10から取り出し、室内側に運ぶことが可能となっている。
【0032】
バッグ支持部14は、バッグ13を下方から支持する下側支持部34と、バッグ13を後方から支持する後側支持部35とを有している。下側支持部34は、第1フレーム11の下端側に設けられ、第1フレーム11の各脚フレーム部21の間に配置されている。下側支持部34は、金属製の棒材が曲げられることにより形成され、左右両側がそれぞれ各脚フレーム部21にブラケット36を介して連結されている。
【0033】
下側支持部34は、バッグ13が載置される載置部37と、載置されたバッグ13を後方から受ける受け部38とを有している。載置部37にはバッグ13(詳しくは後述するバッグ本体51)の下面が載置され、その載置状態においてバッグ13の各車輪33が載置部37を挟んだ左右両側に位置している。また、受け部38は、載置部37の後端部から上方に立ち上がっている。載置部37と受け部38とは、全体として後方に傾いた状態で配置され、それにより、載置部37上に載置されるバッグ13も後方に傾いた状態とされている。
【0034】
後側支持部35は、第1フレーム11の横フレーム22により構成されている。後側支持部35は、金属製のパイプ材又は棒材により形成され、第1フレーム11の各連結具27に架け渡されている。後側支持部35は、バッグ13の上部においてバッグ13の後方に位置している。バッグ13の背面側には、その上部にフック41が設けられている。フック41は、後側支持部35に上方から引っ掛けられており、その引っ掛けによりバッグ13が後側支持部35に着脱可能に取り付けられている。また、かかる取付状態で、バッグ13は、後側支持部35により後方から支持されている。
【0035】
上記のように、バッグ13は、下側支持部34及び後側支持部35によりそれぞれ支持されている。かかる支持状態において、バッグ13は、第1フレーム11の各脚フレーム部21の間に位置しているとともに、第2フレーム12の各脚フレーム31の間に位置している。また、バッグ13の支持状態において、第1フレーム11の各脚フレーム部21はバッグ13よりも上方に延びている。各脚フレーム部21においてバッグ13よりも上方の部分は、その全体がバッグ13よりも後方に位置している。
【0036】
バッグ13の上方には、かご載置部15が設けられている。かご載置部15は、枠状に形成され、第1フレーム11と第2フレーム12とが交差する交差部よりも上方において各フレーム11,12に跨がって設けられている。詳しくは、かご載置部15は、第1フレーム11の中間部と第2フレーム12の上端部とに跨がって設けられている。
【0037】
かご載置部15は、平面視コの字形の枠状に形成され、その枠内が後方に開放される向きで配置されている。かご載置部15は、前後方向に延びる左右一対のアーム45と、各アーム45の前端部に架け渡されて設けられた前端フレーム46とを有する。各アーム45は、その後端部が第1フレーム11の連結具27に連結され、その前端部が第2フレーム12の脚フレーム31の上端部に連結されている。また、各アーム45は、平面視にてバッグ13を挟んだ両側に位置している。
【0038】
前端フレーム46には、その中間部に後方に張り出す張出部46aが設けられている。張出部46aは、買い物かごKが載置される載置部分となっている。また、第1フレーム11の各連結具27には、左右方向の内側に張り出す張出部27aが設けられている。これらの張出部27aも買い物かごKが載置される載置部分となっている。したがって、本買い物カート10では、買い物かごKが、これら各張出部27a,46aの上に跨がって載置されるようになっている。
【0039】
なお、買い物かごKを載置するための構成は必ずしも上記の構成に限らない。例えば、かご載置部15の各アーム45上に跨がって買い物かごKを載置したり、各アーム45上及び前端フレーム46上に跨がって載置したりしてもよい。それらの場合、買い物かごKがかご載置部15のみに載置されるため、少なくとも連結具27の張出部27aについては不具備とすることができる。
【0040】
続いて、バッグ13の構成について図5及び図6に基づき説明する。図5は、バッグ13の構成を示す斜視図である。なお、図5では、前側カバー53をバッグ本体51から離した状態で示している。また、図6は、バッグ13をカバー53,54を取り外した状態で示す斜視図である。
【0041】
図5及び図6に示すように、バッグ13は、箱状のバッグ本体51と、バッグ本体51の内部に設けられたトレイ52と、複数のカバー53,54とを有する。バッグ本体51は、互いに対向する左右一対の側板部55と、各側板部55の後端部に跨って設けられた背板部56と、各側板部55及び背板部56の各下端部に跨って設けられた底部57とを有する。バッグ本体51の前面部には、前方に開口された前側開口部58が形成され、バッグ本体51の上面部には、上方に開口された上側開口部59が形成されている。前側開口部58と上側開口部59とは互いに連続しており、これらの開口部58,59を通じてバッグ13内に物の出し入れが可能となっている。また、上側開口部59は、その開口面が前方に向けて下方に傾斜した傾斜面となっている。但し、上側開口部59の開口面は、必ずしも傾斜面である必要はなく、水平面であってもよい。
【0042】
バッグ本体51の背面側には、持ち手63が取り付けられている。持ち手63は、ユーザがバッグ13を買い物カート10から取り出して移動させる際に把持する部分である。バッグ本体51の背板部56には上述したフック41が取り付けられており、そのフック41に持ち手63が回動可能に取り付けられている。バッグ13が買い物カート10に取り付けられている場合には、持ち手63がバッグ本体51の背板部56に折り畳まれた状態とされる(図4参照)。一方、バッグ13を買い物カート10から取り出して移動させる際には、持ち手63が上方に回動され立ち上がった状態とされる。図6では、持ち手63が立ち上がった状態を示している。
【0043】
トレイ52は、四角皿状に形成され、上下方向に複数(図5では2つ)設けられている。各トレイ52には、買い物した物を載せることが可能となっている。トレイ52は、矩形板状の底板部61と、底板部61の周縁部から上方に立ち上がる側板部62とを有している。なお、各トレイ52はいずれも同じ構成を有している。
【0044】
トレイ52は、バッグ本体51の各側板部55に架け渡されて設けられている。各側板部55には、その内面にトレイ52を支持するトレイ支持部65が取り付けられている。トレイ支持部65は、前後方向に延びる長尺状をなし、トレイ52が引っ掛けられる引っ掛け部65aを有している。一方、トレイ52の側板部62には、各引っ掛け部65aに引っ掛け可能な一対の被引っ掛け部(図示略)が設けられている。これらの被引っ掛け部が引っ掛け部65aに引っ掛けられることで、トレイ52が各側板部55(ひいてはバッグ本体51)に着脱可能に取り付けられている。これにより、店舗内でトレイ52をバッグ本体51から取り外しサッカー台の上に移動させ、そのサッカー台の上で買い物した物をトレイ52に載せることが可能となっている。また、各側板部55には、トレイ支持部65が上下方向に複数設けられている。そのため、いずれのトレイ支持部65にトレイ52を支持させるかにより、トレイ52の取付位置を上下に変更することが可能となっている。
【0045】
各トレイ52には、その底板部61にトレイ開口部67が形成されている。トレイ開口部67は、底板部61を上下に貫通する矩形の孔部であり、詳しくは正方形状をなしている。トレイ開口部67は、底板部61(ひいてはトレイ52)の後側のコーナ部に形成されている。また、各トレイ52のトレイ開口部67は上下方向に並んでいる。
【0046】
各トレイ52のトレイ開口部67には、矩形平板状の蓋部68が設けられている。蓋部68は、トレイ開口部67に対してスライド可能に設けられ、そのスライドによりトレイ開口部67を開放及び閉鎖することが可能となっている。なお、蓋部68は必ずしもスライド可能とする必要はなく、例えば蓋部68を回動可能とし、その回動によりトレイ開口部67を開閉する構成としてもよい。また、蓋部68をトレイ開口部67に着脱可能に取り付ける構成としてもよい。
【0047】
カバー53,54には、前側開口部58を開閉する前側カバー53と、上側開口部59を開閉する上側カバー54とがある。これら各カバー53,54は、布材を有して形成され、矩形形状とされている。各カバー53,54のうち前側カバー53は、バッグ本体51の各側板部55に面ファスナ(図示略)を介して取り付けられている。これにより、前側カバー53はバッグ本体51に着脱可能とされている。なお、前側カバー53が前側カバー部に相当し、上側カバー54が上側カバー部に相当する。
【0048】
続いて、上側カバー54について図5に加え、図7図9を用いながら説明する。図7は、(a)が上側カバー54を示す正面図であり、(b)が上側カバー54の断面図である。図8は、バッグ13を示す斜視図であり、上側カバー54の開閉部71を開いた状態で示している。図9は、上側カバー54の開閉部71周辺を示す背面図である。
【0049】
図5に示すように、上側カバー54は、その後縁部がバッグ本体51の背板部56に接続され、それにより後方に開くことが可能となっている。上側カバー54は、その前縁側が前側カバー53と重なっており、その重なり部分において前側カバー53と面ファスナ(図示略)を介して接続されている(図1も参照)。
【0050】
図7(a)及び(b)に示すように、上側カバー54は、当該カバー54の表面及び裏面をそれぞれ形成する一対の表皮材74と、各表皮材74の間に設けられた硬質のプレート材75とを有する。各表皮材74は布材により形成されている。各表皮材74の間にプレート材75が介在された状態で、各表皮材74の周縁部が縫製により接合されている。また、プレート材75は、硬質樹脂により薄板状に形成されている。プレート材75は、上側カバー54の全域に亘るように設けられている。
【0051】
図7(a)及び図8に示すように、上側カバー54の一部は、開閉可能な開閉部71となっている。開閉部71は、上側カバー54の後側のコーナ部54aに形成されている。この場合、上側カバー54により上側開口部59が閉じられた状態で、上側開口部59を開閉部71により部分的に開閉することが可能となっている。
【0052】
開閉部71は、各トレイ52のトレイ開口部67と上下方向に並んでいる。開閉部71が上方に開かれると上側開口部59の一部が開口され、その開口された開口部分72と各トレイ52のトレイ開口部67とが上下方向に並ぶ。この場合、上下に並ぶ開口部分72及び各トレイ開口部67にねぎやごぼう等の長尺物を挿通し、その挿通状態で長尺物をバッグ本体51に収容することが可能となっている。
【0053】
開閉部71は、互いに直角をなす後縁部71a(後辺部)及び側縁部71b(側辺部)を含む三角形状をなしている。開閉部71の後縁部71a及び側縁部71bは上側カバー54のコーナ部54aを形成しており、互いの長さが略同じとなっている。そのため、開閉部71は、略直角二等辺三角形状とされている。
【0054】
開閉部71の後縁部71a及び側縁部71bはいずれもバッグ本体51に非接続とされている。これにより、開閉部71を、その三角形状の斜辺部71cに沿って上方に折り曲げて開くことが可能となっている。この場合、開閉部71を開くことにより開口される開口部分72は三角形状とされる。また、上側カバー54のプレート材75には斜辺部71cに沿って切れ目75aが形成されている。この切れ目75aにより、開閉部71を斜辺部71cに沿って上方に開き易くなっている。
【0055】
図9に示すように、上側カバー54は、その後縁部の一部が、バッグ本体51の背板部56の外面に重ねられ背板部56に接続される接続部77となっている。接続部77は、背板部56と縫製により接続されている。接続部77は、上側カバー54の左右方向の中間部に設けられ、開閉部71の後縁部71aよりも左右方向の中央側に位置している(図7(a)参照)。これにより、開閉部71の後縁部71aが背板部56に対して非接続とされている。
【0056】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0057】
上側カバー54により上側開口部59が閉じられている状態で上側カバー54の開閉部71を開くことにより、上側開口部59の一部を開口させることができる。そのため、その開口された開口部分72に長尺物を通した状態で、長尺物をバッグ本体51に収容することができる。これにより、上側カバー54を閉じたまま長尺物を収容することができる。
【0058】
開閉部71が上側カバー54の周縁部に形成されているため、開閉部71を開くことにより上側開口部59の周縁部の一部が開口される。この場合、その開口部分72を通じてバッグ本体51に収容される長尺物が他の収容物の邪魔になりにくくすることができる。
【0059】
詳しくは、開閉部71が上側カバー54のコーナ部54aに形成されているため、開閉部71を開くことにより上側開口部59の隅部の一部が開口される。これにより、その開口部分72を通じて収容される長尺物が他の収容物の邪魔により一層なりにくくすることができる。
【0060】
また、開閉部71は上側カバー54の後側のコーナ部54aに形成されている。これにより、開閉部71を開いて長尺物をバッグ本体51に収容した状態で、前側開口部58より物の出し入れをする際、長尺物が邪魔で出し入れしづらくなったり、長尺物が前側開口部58を通じて脱落したりする等の不都合が生じるのを抑制できる。
【0061】
開閉部71が、上側カバー54の後側のコーナ部54aを形成する後縁部71a及び側縁部71bを有した三角形状とされ、それら後縁部71a及び側縁部71bがいずれもバッグ本体51に非接続とされている。この場合、開閉部71を、その三角形状の斜辺部71cに沿って上方に折り曲げて開くことができる。そのため、後ろ開き式の上側カバー54において、後側のコーナ部54aに好適に開閉部71を形成することができる。
【0062】
バッグ本体51の内部に設けられた各トレイ52にそれぞれトレイ開口部67が形成され、それら各トレイ52のトレイ開口部67と開閉部71とが上下に並んでいる。この場合、開閉部71を開くことにより開口される開口部分72と各トレイ52のトレイ開口部67とが上下に並ぶため、それら開口部分72及び各トレイ開口部67を通じて長尺物をバッグ本体51に収容することができる。これにより、複数のトレイ52を有するトレイ付きのバッグ13にも、長尺物を収容することが可能となる。
【0063】
買い物カート10のかご載置部15は、開閉部71の上方にて開口した枠状に形成されている。これにより、開閉部71を開くことにより開口される開口部分72を通じて長尺物をバッグ13に収容した際、その長尺物においてバッグ13から上方にはみ出た部分をかご載置部15の枠内に通すことができる。そのため、バッグ13に収容される長尺物がかご載置部15と干渉するのを好適に回避することができる。
【0064】
また、かご載置部15は平面視コの字形の枠状をなし、その枠内が後方に開放されるように配置されている。この場合、開閉部71が上側カバー54の後側のコーナ部54aに形成された構成にあって、バッグ13から上方にはみ出た長尺物がかご載置部15と干渉するのを回避し易くすることができる。
【0065】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0066】
・上記実施形態では、開閉部71を上側カバー54の後側のコーナ部54aに形成したが、これに代えて、前側のコーナ部に形成してもよい。また、開閉部71を、上側カバー54の周縁部のうち、コーナ部以外の部位に形成してもよい。これらの場合にも、開閉部71を開くことで上側開口部59の周縁部の一部が開口されるため、その開口部分72を通じて収容される長尺物が他の収容物の邪魔になりにくくすることができる。また、開閉部71を上側カバー54の周縁部以外の部位に形成してもよい。
【0067】
なお、上記のように、開閉部71を上側カバー54の後側のコーナ部54a以外に形成する場合には、それに応じて各トレイ52のトレイ開口部67を開閉部71と上下に並ぶ位置に形成するようにする。
【0068】
・開閉部71の構成は必ずしも上記実施形態のものに限定されない。例えば、上側カバー54に切り込みを凸状(例えばコ字状やU字状等)に形成し、その切り込みにより囲まれた内側部分を開閉部としてもよい。この場合にも、開閉部を上方に開くことで上側開口部59の一部を開口させることができる。
【0069】
・上記実施形態では、上側カバー54のプレート材75が各表皮材74の間、つまり上側カバー54の内部に設けられていたが、プレート材75が上側カバー54の裏面に露出した状態で設けられている等、他の態様で設けられていてもよい。要するに、上側カバー54が硬質のプレート材75を含んでいれば、その配置態様は任意である。
【0070】
・上記実施形態では、バッグ13が前側カバー53及び上側カバー54をそれぞれ有していたが、これを変更して、バッグ13が前側開口部58及び上側開口部59をまとめて覆う一のカバーを有する構成としてもよい。この場合、例えば、上記一のカバーは、その後縁部がバッグ本体51に接続され、後ろ開きとされる。かかる構成では、上記一のカバーにより、前側開口部58及び上側開口部59がそれぞれ開閉される。なお、この場合、上記一のカバーのうち、上側開口部59を開閉する部分が「上側カバー部」に相当し、当該部分に開閉部を形成することになる。
【0071】
・上記実施形態では、トレイ52のトレイ開口部67を孔部として形成したが、トレイ開口部を切り欠きとして形成してもよい。例えば、トレイ52のコーナ部を矩形に切り欠くことでトレイ52を上下に貫通する切り欠き部分を形成し、その切り欠き部分をトレイ開口部とすることが考えられる。
【0072】
・上記実施形態では、トレイ52を備えるトレイ付きのバッグ13に本発明を適用したが、トレイを有しないバッグに本発明を適用してもよい。
【0073】
・上記実施形態では、かご載置部15を平面視コの字形の枠状としたが、これに代えて、矩形の枠状としてもよい。例えば、かご載置部を、左右一対のアームと、各アームに架け渡された前後一対の横フレームとを有する構成とする。この場合、買い物かごを各横フレームに跨がって載置すればよい。なお、この場合にも、かご載置部の枠内を開閉部71の上方にて開口させるのが望ましい。また、かご載置部を板状に形成してもよい。
【0074】
・上記実施形態では、買い物カート10に備え付けのバッグ13(買い物用バッグ)に本発明を適用したが、買い物カート10とは独立して設けられる買い物用バッグに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0075】
10…買い物カート、13…買い物用バッグとしてのバッグ、14…バッグ支持部、15…かご載置部、51…バッグ本体、52…トレイ、53…前側カバー、54…上側カバー、58…前側開口部、59…上側開口部、67…トレイ開口部、71…開閉部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9