(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112633
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】加速器屋が考えたTE011、TE01n,TM010モード高周波空洞を用いたD-D、D-T、D-He3、p-Li,p-B核融合炉
(51)【国際特許分類】
G21B 1/05 20060101AFI20230804BHJP
G21B 1/11 20060101ALI20230804BHJP
G21B 1/17 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
G21B1/05
G21B1/11 L
G21B1/17 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022024274
(22)【出願日】2022-02-01
(71)【出願人】
【識別番号】514197337
【氏名又は名称】光延 信二
(72)【発明者】
【氏名】光延 信二
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】本発明は、磁場とTE011、TE01n,TM010マイクロ波空洞を用いて水素または重水素を高エネルギーに加速しランダムに衝突させて核融合を生じさせその結果出てくる粒子のエネルギーを吸収させ熱エネルギーに変換して発電を行う装置である。
【効果】現在開発が行われている大型の核融合炉では衝突断面積が10倍以上大きなD-T反応が用いられておりオーム加熱が主に用い入られており、プラズマの温度をあげて反応が持続する事を用いている。本発明ではTE011空洞の空間に無数のサイクロトロンを形成して2次元の衝突により効率的に高いエネルギーの衝突を起こして核融合反応を生じさせるものである。途中で弾性散乱等で壁と衝突したものは壁の軽元素と反応をおこす、サイクロトロン共鳴を利用する為にはガスの圧力コントロールする事が極めて重要である。空洞の大きさとガス圧を適切に選ぶ事により最大の反応を得る事ができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は磁場とTE011、TE01nを平行に,TM010空洞とは垂直に組み合わせて磁場強度と空洞周波数をサイクロトロン共鳴が生じるよう選びD-D反応、D-T反応、D-He3反応を用いいて核融合炉を実現させるものである。空洞壁にはLI,Be,B等の薄膜を設けて反応を増幅させる。また薄膜を設けることにより水素(p)を用いて空洞壁の軽元素との核融合炉としても使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁場とTE011,TE01n,TM010モードのマイクロ波空洞を用いて水素、重水素を高エネルギーに加速し重水素どうし、重水素と3重水素を衝突させて核融合を生じさせその結果出てくる高エネルギー粒子のエネルギーを空洞等に吸収させ熱エネルギーに変換して発電等を行う装置である。水素どうしは核融合はほとんどしないが空洞壁にLi,Be,B等の薄膜をつけておき、これらの原子核と融合反応を起こして核融合エネルギーを取り出すことができる。特に同位元素Li6は重要視と、Li7とB11は陽子とそれぞれ反応した時中性子等の透過力の大きな放射線を出さないことから特に有用と考えられる。
【背景技術】
【0002】
現在核融合炉の開発には主に重水素(D)と3重水素(T)を用いて比較的低い温度で反応を進められるD+T反応が用いられる。本発明ではよく知られてはいるが高い反応エネルギーが必要な重水素どうしや壁面でのLi.Be,B等の軽元素との核融合を行う。
D+D→He+γ線(23.8MeV),D+D→T+p(4.03MeV),D+D→He3+n(3.27MeV)、壁でのD+Li,T+Li,等の軽元素との反応をもちいる。
また、陽子(p)の場合は空洞壁でのLi,Be,B等の軽元素との核融合(融合原子核は最終的には2つまたは3つのHeに分離する)を用いる。ここではプラズマ中の反応ではなく壁面の個体ターゲットLi,Be,B等との反応を用いるのが特徴である。
【0003】
水素は元より、燃料の重水素は海水に0.06%含まれており無尽蔵と言ってよく、D+D反応が実現出来れば人類のエネルギー問題の解決につながる。D-D反応が進むとD-T、D-He3反応も加わる。D-T反応炉、D-He3反応炉としても応用できる。Liもリチウム電池の材料として豊富でありBもホウ素で広く用いられている。
【0004】
現在の試験用核融合炉はプラズマを磁場により閉じこめ電流、高周波,中性ビーム加熱等により温度をあげて熱核融合を持続させることを目指している。本発明では磁場と垂直な面内に無数の高周波共鳴加速器(サイクロトロン)を形成して高エネルギーまで加速を行い互いに反対周りに加速された重水素同士の衝突また空洞壁に設けたけLi等の軽元素核との衝突により核融合を生じさせるものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決に必要な課題は今までの装置が3次元的温度を一億度以上に高めることを目指して来たのに対して、磁場と垂直な面内の等価的温度を1億度(約10keV)から数十10億度(約数100keV)に高め融合反応を生じさせる方法にある。ちなみ文献によるとDT反応の断面積は数十keVにピークを持ちその他の反応は数100keVで反応の断面積が大きくなる。磁場による強い閉じ込めを行わないので、空間での衝突と壁との衝突で核融合を行うことでエネルギーを取り出すことができ発電等の産業応用が考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は磁場とTE011円筒空洞を平行、TM010空洞の場合は垂直に置くことにより加速電場が磁場と垂直面内に生じる。(
図1)ここに水素または、重水素ガスを適度な圧力で導入することによりプラズマ状態となった水素または、重水素原子核が磁場の周りをサイクロトロン加速をはじめエネルギーが高まったところで反対方向に加速された重水素原子核と衝突を起こし核融合が生じる。共鳴を起こす必要から磁場の千分の一程度の一様性と周波数の安定性を必要とする。水素の場合は散乱のみが起こり磁場から飛び出して壁面との衝突が起こる。磁場(B)の強さと加速空洞の角周波数はωc=eB/mの整数倍のよく知られた関係を満たす必要が有る。本方法ではプラズマの磁場による閉じ込めは必要無い。磁場方向の運動に比べ加速は十分早く行われる。さらにTE01nモードを用いる事により磁気瓶による完全ではない閉じ込めを用いる事により反応を強める事ができる。
【発明の効果】
【007】
比較的小型の核融合発電機等に応用でき発電所や船舶の動力源等に利用でき強い放射性廃棄物を発生させない安全な装置を製作できる。燃料物質は海水等から無尽蔵に得られるため人類のエネルギー問題の解決に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【008】
【
図1】
図1はD-D、核融合炉の磁場とTE011空洞の配置図である。
【
図2】
図2TE011モードを用いたp-Li,D-D核融合炉の素案。(空洞内面にもLi等の薄膜を設ける)