(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112678
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】キャップを切断するための切断装置、及びこれに関連する組立方法
(51)【国際特許分類】
B26D 3/08 20060101AFI20230804BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20230804BHJP
B26D 7/26 20060101ALI20230804BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20230804BHJP
B26D 1/03 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
B26D3/08 Z
B26D3/00 601D
B26D7/26
B26D7/06 D
B26D1/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023010298
(22)【出願日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102022000001724
(32)【優先日】2022-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヴェントゥリーニ,マッテオ
【テーマコード(参考)】
3C021
【Fターム(参考)】
3C021DB06
3C021JA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】テザードキャップに切れ目を入れるために使用されるブレード、すなわち、鉛直部又は傾斜部を有するブレードの切断品質を改善する。
【解決手段】切断装置1は、少なくとも部分的に収容空間に配置されたモジュール式挿入体5を備え、収容空間内でモジュール式挿入体は、鉛直の切れ目又は傾斜した切れ目を入れる切断要素と、交換可能な当接ブロックとを含み、当接ブロックは、モジュール式挿入体の全寸を固定するため切断要素と連結可能である。当接ブロックの当接面は、収容空間の背壁に当接し、それにより切断要素の後端が背壁から離隔される。本組立方法は、前述の装置を組み立てるため、複数の交換可能な当接ブロックを提供するステップ、モジュール式挿入体の所要の全寸に基づいて複数の交換可能な当接ブロックから1つを選択するステップと、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を閉塞することを目的とするキャップ(2)を切断するように構成された切断装置(1;1’:1’’)であって、
進行方向(T)に沿って前記切断装置(1;1’:1’’)で回転するキャップに少なくとも1つの周方向の切れ目を入れるように構成された少なくとも1つの水平ブレード(3,4)を支持する支持手段と、
前記キャップに鉛直の又は傾斜した切れ目を入れるべく、前記支持手段によって支持される少なくとも1つのモジュール式挿入体(5)と、を備え、
前記少なくとも1つのモジュール式挿入体(5)は、少なくとも1つの切断要素(6)と、少なくとも1つの当接ブロック(8)を含み、各切断要素の端部には刃先(7)が設けられ、各当接ブロックは、交換可能であり、前記少なくとも1つのモジュール式挿入体(5)の寸法(D)を固定するため前記切断要素(6)と連結可能であり、前記寸法(D)とは、前記刃先(7)と、前記少なくとも1つの当接ブロック(8)当接面(12)との間の長さであり、
前記支持手段は、支持本体(9)を備え、前記支持本体は、その周縁(10)上に、各モジュール式挿入体(5)のための収容空間(11)を備え、前記モジュール式挿入体(5)は、前記収容空間(11)に取外し可能に挿入され、前記収容空間は、前記刃先(7)が前記周縁(10)から突出するようにして前記モジュール式挿入体(5)を受容すべく形成され、前記当接面(12)が、前記収容空間(11)の背壁(13)に当接するように構成され、前記切断要素(6)の前記刃先(7)と反対側の後端(14)が、前記背壁(13)から離隔される、
切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項2】
互いに異なる寸法(D,D’)を得るために交換可能な少なくとも2つの当接ブロック(8,8’)を備える、
請求項1に記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項3】
前記切断要素(6)が、前記後端(14)と前記刃先(7)との間の主方向(M)に沿って延び、前記切断要素(6)が、前記主方向(M)を横切る連結スロット(15)を備え、前記少なくとも1つの当接ブロック(8)が、前記連結スロット(15)に少なくとも部分的に挿入されて前記モジュール式挿入体(5)を形成するように構成された連結突起(16)を備え、少なくとも前記主方向(M)に平行な方向において前記少なくとも1つの当接ブロック(8)と前記切断要素(6)との間の変位が阻止される、
請求項2に記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項4】
前記少なくとも2つの当接ブロック(8,8’)は、前記連結突起(16)と、前記当接面(12)との間に、互いに異なる距離(H,H’)を有する、
請求項3に記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの当接ブロック(8)は、前記当接面(12)と反対側に別の当接面(18)を備え、前記別の当接面は、前記収容空間(11)の前記背壁(13)とは反対側の当接壁(19)に当接するように形成される、
請求項1から4のいずれかに記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの水平ブレード(3,4)と前記支持本体(9)とが鉛直方向(Z)に沿って積み重ねられた層状構造を備える、
請求項1から4のいずれかに記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの水平ブレード(3,4)は、第1水平ブレード(3)及び第2水平ブレード(4)を備え、前記第1水平ブレードは、第1高さで1以上の水平の切れ目を入れるように構成され、前記第2水平ブレードは、前記第1高さとは異なる第2高さで1以上の水平の切れ目を入れるように構成され、前記支持本体(9)が、前記第1水平ブレード(3)と前記第2水平ブレード(4)との間に介在し、前記少なくとも1つのモジュール式挿入体(5)の不所望な鉛直方向変位を阻止する、
請求項6に記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項8】
前記支持本体(9)は、板形状であり、前記少なくとも1つのモジュール式挿入体(5)は、具体的には、前記板形状の支持本体(9)の板厚横断面に平行な方向に沿って、前記収容空間(11)に取外し可能に挿入される、
請求項1から4のいずれかに記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項9】
前記収容空間(11)は、前記板形状の支持本体(9)の板厚横断面に直交する基準面上に、L形の断面を有する、
請求項8に記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項10】
前記収容空間(11)は、前記板形状の支持本体(9)の板厚横断面に対して貫通している、
請求項8に記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項11】
前記収容空間(11)は、前記板形状の支持本体(9)の板厚横断面に対して覆われている、
請求項8に記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項12】
交換可能な少なくとも2つの切断要素(6)を備え、該切断要素は、片側のみ及び/又は両側で尖った刃先を有する、
請求項1から4のいずれかに記載の切断装置(1;1’:1’’)。
【請求項13】
キャップ(2)を切断するための切断設備(100)であって、
キャップ(2)を移動可能にさせる進行経路と、
前記進行経路内に配置された切断領域(W)と、
前記キャップ(2)に切れ目を形成すべく、前記切断領域(W)内に配置された切断装置(1;1’:1’’)と、
それぞれ前記キャップ(2)と係合して前記キャップ(2)を前記進行経路に沿って移送する複数の移送ユニット(40)が設けられたカルーセル(30)と、を備え、
前記切断装置(1;1’:1’’)が、請求項1から12のいずれか1項に記載の切断装置によって実現されることを特徴とする、
切断設備(100)。
【請求項14】
切断装置(1;1’:1’’)を組み立てるための組立方法であって、
請求項1から12のいずれか1項に記載の切断装置(1;1’:1’’)を提供するステップと、
交換可能な複数の当接ブロック(8,8’)を提供するステップと、
前記少なくとも1つのモジュール式挿入体(5)の要求される寸法(D,D’)に基づいて前記複数の当接ブロック(8,8’)のなかから1つの当接ブロック(8,8’)を選択するステップと、
前記モジュール式挿入体(5)を形成すべく、選択されたモジュール式ブロック(8,8’)を前記切断要素(6)と連結するステップと、
前記モジュール式挿入体(5)を前記支持本体(9)の前記収容空間(11)に挿入するステップと、
前記支持本体(9)に対して前記モジュール式挿入体(5)を垂直に固定するステップと、
を備える、組立方法。
【請求項15】
前記切断要素(6)を前記収容空間(11)に挿入した後に、板形状である前記支持本体(9)の板厚横断方向と平行な方向に沿って前記選択された当接ブロック(8,8’)を前記収容空間(11)に挿入することを備える、
請求項14に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、例えば樹脂で製造され、例えば瓶のような容器を閉塞するために用いられるタイプの、キャップ又はプラグを切断するための切断装置に関する。具体的には、本発明は、キャップに少なくとも1つの周方向の切り込み(少なくとも周方向の一部又は全周)と、少なくとも1つの鉛直の又は傾斜した切り込みを形成するための装置に関する。
【0002】
具体的には、しかし限定するものではないが、本発明は、いわゆるテザードキャップ、又は開封後でさえも容器に取り付けられたままのキャップを形成するために、切れ目又は切り込みを形成するために用いられ得る。
【0003】
このようなキャップのために、1以上の水平ブレード、及び傾斜部又は鉛直部を有する1以上のブレードが、通常配置される。
【0004】
切れ目を入れることで、タンパーリング又はタンパーバンド、あるいは(例えば、ベルト、ストラップ、又はヒンジ等のような)接続部を、キャップのタンパーリングと側壁との間、又は画定されるべきキャップの他の部分との間に、キャップの本体に形成できる。
【0005】
具体的には、しかし限定するものではないが、切断装置は、キャップを切断するための切断設備内に設けられ得る。
【0006】
本発明はまた、切断装置の組立方法に関する。
【0007】
切断設備は、カルーセル構造として知られており、この構造は、カルーセルの周面に嵌合するキャップのための複数の把持スピンドルを回転する。複数の把持スピンドルは、互いに周方向に間隔をあけて配置され、各々回転可能である。各スピンドルは、キャップを回転し、キャップを周方向の進行経路に沿って搬送する。進行経路は1以上の領域を通過する。当該領域には、公知の切断装置が配置され、当該切断装置は、キャップの側壁に切り込みを形成し又は側壁を切断する。切断装置は、複数の切断部品で構成され、及び/又は複数の支持部品で構成される。支持部品は、テザードキャップ形成用のキャップの切れ込みの寸法と対比して、その寸法が小さい。
【0008】
先行技術の幾つかの態様が改善可能である。
【0009】
第1に、キャップに切り込みを精密に且つ繰り返し可能に形成することが望ましい。
【0010】
第2に、メンテナンス時間及び製品変更時間を制限するため、切断装置の部品点数、特に鉛直の又は傾斜した切り込みのための切断部品の部品点数を制限することが望ましい。
【0011】
作業員が、切断装置の部品を入手するための時間を制限するため、メンテナンス及び/又は製品交換のための予備の部品を入手可能であることが望ましい。
【0012】
第3に、ユーザが種々の部品を容易に取り扱うことができる切断装置を提供することが望ましい。
【0013】
加えて、製品変更、又は切断部品の摩耗の補償の融通が利く切断装置を提供することが望ましい。
【0014】
単純、迅速、且つ直感的に切断装置を取り付ける方法を提供することが更に望ましい。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、キャップを切断するための公知のタイプの切断設備及び切断装置を改善することを目的の一つとする。
【0016】
前述した先行技術の制約及び欠点の少なくとも1つを解消できる設備及び/又は装置を提供することを目的の一つとする。
【0017】
先行技術の設備及び装置に対し、キャップを切断するための代替的な設備及び/又は代替的な装置を提供することを目的の一つとする。
【0018】
単純、迅速、且つ直感的な切断装置の取付方法を提供することを目的の一つとする。
【0019】
ブレードの切断品質、具体的には、テザードキャップに切れ目を入れるために使用されるブレード、すなわち、鉛直部又は傾斜部を有するブレードの切断品質を改善することが、本発明の利点の一つである。
【0020】
取付及び取扱が単純な装置を提供することが、本発明の利点の1つである。
【0021】
キャップに切れ目を入れることを正確に実施することの保証が、本発明の利点の1つである。
【0022】
構造的に単純で安価な、キャップを切断するための装置及び/又は切断設備を利用可能になることが、利点の1つである。
【0023】
キャップにコンパクトな寸法の切り込みを形成するための装置及び/又は切断設備を利用可能になることが、利点の1つである。
【0024】
標準化された切断装置、すなわち、連続生産に適したモジュール式の切断装置を提供することが、更なる利点である。
【0025】
キャップに切り込みを形成するための装置の摩耗を補償し、切り込みが設けられたキャップの生産において不良品を低減することが、他の利点である。
【0026】
以上の目的及び利点、並びにその他の目的及び利点は、後述の1以上のクレームに記載の切断設備、及び/又は切断装置、及び/又は組立方法によって達成される。
【0027】
1つの実施形態において、切断装置は、少なくとも1つのモジュール式挿入体を備える。モジュール式挿入体は、少なくとも部分的に、収容空間内に配置される。少なくとも1つのモジュール式挿入体は、キャップに少なくとも1つの鉛直の又は傾斜すいた切れ目を形成するための刃先を備える切断要素を含む。少なくとも1つのモジュール式挿入体は、交換可能な当接ブロックを含む。当接ブロックは、モジュール式挿入体の全体を固定するために切断要素と連結可能であり、当接面を有する。当接面は、収容空間の背壁に当接し、それにより切断要素の後端が背壁から離隔される。
【0028】
切断装置は、特に、切断設備に含まれ得る。切断設備は、複数の搬送ユニットが設けられたカルーセルを備え、各搬送ユニットは、キャップと係合し、キャップを切断装置に搬送するように構成されている。
【0029】
1つの実施形態において、前述した装置を組み立てるための組立方法は、具体的には、複数の交換可能な当接ブロックを設けるステップと、刃先とは反対側の切断要素の後端が背壁から望ましい距離だけ離隔できるように、当接ブロックに望ましい全寸に基づいて複数の当接ブロックから当接ブロックを1つ選択するステップと、を備え得る。
【0030】
本発明は、非限定的な例示のための幾つかの実施形態を示す以下の添付の図面を参照することで、よりよく理解及び実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、キャップ、キャップの進行経路が概念的に示された、第1実施形態に係る切断装置の斜視図。
【
図2】
図2は、第1水平ブレード、第2水平ブレード、及び支持本体を示す
図1の切断装置の分解斜視図。
【
図3】
図3は、モジュール式挿入体が挿入された支持本体をより詳細に示す
図2の拡大図。
【
図4】
図4は、
図3に示される切断装置と同じ領域における
図1の拡大図であって、モジュール式挿入体を、当接ブロック、切断要素、及び対応する収容空間と共に分解された状態で示す。
【
図4a】
図4aは、分離されたモジュール式挿入体の平面図であって、対応する切断要素が両側で尖った刃先を有する状態を示す。
【
図5】
図5は、2つのモジュール式挿入体の平面図であって、各モジュール式挿入体が、所要の全寸を有する対応の収容空間に挿入されている。
【
図6】
図6は、第2実施形態に係る切断装置の斜視図であって、第1水平ブレード、第2水平ブレード、及び支持本体を示す。
【
図7】
図7は、
図6の支持本体の平面図であって、支持本体内に2つのモジュール式挿入体が挿入されている。
【
図8】
図8は、切断装置の第3実施形態の斜視図であって、切断要素が傾斜された刃先を有する。
【
図9】
図9は、
図8の切断装置の分解斜視図であって、第1水平ブレード、第2水平ブレード、及び2つのモジュール式挿入体が挿入された状態の支持本体を示す。
【
図10】
図10は、所要の全寸を有するモジュール式挿入体を形成するために適した、互いに異なる複数の当接ブロックの平面図。
【
図11】
図11は、
図9におけるモジュール式挿入体の平面図であって、各モジュール式挿入体は、各自、全体の所要の寸法を有する。
【
図12】
図12は、
図9におけるモジュール式挿入体の平面図であって、各モジュール式挿入体は、各自、全体の所要の寸法を有する。
【
図13】
図13は、切断キャップのための切断設備の平面図であって、スピンドル保持カルーセル、搬送スピンドル、及び切断装置が配置される切断領域を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
上記図面を参照して、切断装置1,1’,1’’が開示されている。切断装置1,1’,1’’は、キャップ2(又はプラグ)を切断する(又はキャップ2に切り込みを形成する)ために構成されている。キャップは、切断装置1,1’,1’’の切断部で進行方向Tに沿って回転している。キャップ2は、具体的には、例えば瓶のような、容器を閉塞するために使用可能である。切断部は、進行方向Tに対して異なる傾斜に応じて配置された刃先を備える。符号1,1’,1’’は、切断装置の複数の実施形態で参照され、これらの違いについては、本書において後述する。
【0033】
キャップ2は、具体的には、ベース壁2bを備えるキャップ形状の本体を備えてもよく、ベース壁2bは、キャップ形状の本体の閉塞端を画定する(
図1)。ベース壁2bは、互いに反対の内面及び外面を備える。ベース壁2bは、具体的には、ディスク形状であってもよく、ベース壁2bに直交し得る長手軸Cが横断する中央領域と、ディスクの周縁に近く長手軸Cから中央領域よりも遠い外周領域とを備えていてもよい。
【0034】
キャップ2は、具体的には、キャップ2の閉塞端を備える本体と、キャップの開放円筒部を備えるタンパーバンドとに、キャップ2を分離することを目的として、少なくとも1つの周方向の切り込みを備えてもよい。周方向の切り込みは、具体的には、複数の破壊促進ライン、又は脆弱化ラインを備えていてもよく、このようなラインが、長手軸Cに対して種々の傾斜にしたがってキャップ2上に設けられる。これにより、本体、タンパーバンド、及び接続部をキャップ上に形成できる。接続部は、本体を、タンパーバンド、すなわちストラップに接続する。
【0035】
切断装置1,1’,1’’は、キャップ2に切り込みを形成するための切断設備に備わってもよい(且つ使用されてもよい)。切断設備100は、具体的には、キャップ2を移動可能にする進行経路を備えていてもよく、進行経路は、具体的には、進行方向Tに沿っている。この進行経路は、具体的には、周方向の円弧を備えていてもよい。進行経路は、(切断設備に含まれる)スピンドル保持カルーセル30の周方向領域に形成されてもよい。カルーセルは、好ましい実施形態において、設備の水平ベースに対して直交する公転Vの鉛直軸周りに回転してもよい。カルーセルは、公転Vの鉛直軸周りに複数の搬送ユニット40の各々を回転させる。各搬送ユニット40は、キャップ2と係合して移動させるように構成されている。代替例では、図示はしないが、公転Vの軸線は水平である。換言すると、この代替例では、公転Vの軸線が、具体的には、設備の水平ベースに実質的に平行である。設備の更なる代替例では、公転Vの軸線が、設備の水平ベースに対して0度と90度(60進法)との間に設定された角度だけ傾斜していてもよい。進行経路は、切断装置1の切断部の近接し且つ平行に配置される。進行経路は切断部と対向する。
【0036】
各搬送ユニット40は、具体的には、搬送スピンドルを備える。搬送スピンドルは、その回転軸R(
図1及び
図13)周りに回転可能であり、キャップ2と相互作用するような形状に形成され、進行経路に沿ってキャップ2を供給する。種々のスピンドルの回転軸Rは、具体的には、カルーセル30の公転Vの軸線に対して鉛直であってもよく、平行であってもよい。
【0037】
スピンドルの回転軸Rは、キャップ2の長手軸C(
図1)と実質的に平行、具体的には同軸状であってもよい。
【0038】
切断設備100は、切断領域Wを備える。切断設備の運転中(
図13)、搬送ユニット40(又は搬送スピンドル)が、切断領域Wに到達して横切る。切断設備100は、切断領域Wの上流に、流入又は供給領域を備えると共に、切断領域Wの下流に、積み降ろし領域を備える。
【0039】
切断装置1,1’,1’’は、キャップ2に切り込みを形成するため、切断領域Wに配置されている。
【0040】
符号1は、切断装置の第1実施形態を示し、特段断らない限りは簡略化のため本実施形で参照される。また、実施形態1,1’,1’’に共通する部品は、同一の参照符号を付す。
【0041】
切断装置1は、具体的には、少なくとも1つの水平ブレード3,4を支持するように構成された支持手段を備えていてもよく、このブレードは、キャップに少なくとも1つの周方向の切れ目を入れる。支持手段は、具体的には、支持ブロック及び/又は支持板を備えていてもよい。
【0042】
切断装置1は、具体的には、少なくとも1つの水平ブレード3,4を備えていてもよい。「水平(horizontal)」とは、ブレードが、キャップの進行方向T(実際上概して水平である)と実質的に平行に配置されていることを意味する。少なくとも1つの水平ブレードは、具体的には、1以上の水平な刃先を備える。
【0043】
切断装置1は、具体的には、少なくとも1つのモジュール式挿入体5を備えていてもよく、モジュール式挿入体は、支持手段によって支持され、キャップに鉛直の切れ目又は傾斜した切れ目を入れる。本発明の文脈において、「鉛直(vertical)」とは、モジュール式挿入体5の刃先が、進行方向Tに対して実質的に垂直に配置されていることを意味する。「傾斜(oblique)」又は「傾斜(tilted)」は、モジュール式挿入体5の刃先が、進行方向Tに交差するように配置されていることを意味する。
【0044】
モジュール式挿入体5は、具体的には、刃先7を有する一端に設けられた切断要素6を備えていてもよい。切断要素6には、刃先7と反対側に後端14が設けられている。切断要素6は、主方向Mに沿って延びている。切断要素6は、具体的には、長尺な形状を有していてもよい。切断要素6は、具体的には、連結突起16を備えていてもよく、連結突起は、主方向Mに交差し、具体的には主方向Mに直交する。
【0045】
モジュール式挿入体5は、具体的には、少なくとも1つの交換可能な当接ブロック8を備えていてもよい。当接ブロックは、少なくとも1つのモジュール式挿入体5の全体の所要の寸法Dを固定するため、切断要素6と連結可能である。当接ブロック8には、以下に開示されるように当接面12が設けられている。モジュール式挿入体5の全体の所要の寸法Dは、刃先7と当接面12との間で測定される長さによって定義されてもよい。
【0046】
図示される具体的な実施形態において、各モジュール式挿入体5は、切断要素6及び当接ブロック8の2つの部品で構成されている。
【0047】
支持手段は、具体的には、モジュール式挿入体5を支持するように構成された支持本体9を備えてもよい。支持本体は、具体的には、その周縁10に、各モジュール式挿入体5に対応して、収容空間11を備えていてもよい。収容空間11は、具体的には、モジュール式挿入体5を部分的に受容するような形状に形成され、刃先7が、支持本体9の周縁10から突出する。
【0048】
支持本体9は、具体的には、板形状であってもよい。換言すれば、支持本体は、箔形状を有してもよく、その主要な寸法(幅及び長さ)が、断面(厚さ)に対して著しく大きい。
【0049】
モジュール式挿入体5は、収容空間11に挿入可能であり、且つ収容空間11から取外し可能である。具体的には、モジュール式挿入体5は、支持本体9の断面と平行な方向に沿って収容空間11に対して挿入及び取外し可能である。
【0050】
当接ブロック8には、当接面12が設けられており、当接面は、収容空間11の背壁13に当接するように構成され、切断要素6の後端14が、背壁13から離隔される。具体的には、収容空間11に挿入された当接ブロック8に対し、後端14は、背壁から、主方向Mに沿って測定される距離F(
図5)だけ離れている。距離Fは当接ブロック8に対応しており、当接ブロック8ごとに距離Fは異なる。
【0051】
切断装置1の運転中、周縁10がキャップ2に対向すると、刃先7の突出は、キャップ2の切れ目の深さの決定に寄与する。刃先7の突出は、進行方向Tに対して交差するように延びている。具体的には、切断設備100、特にカルーセル30を考慮すれば、刃先14の突出が、径方向に沿って、カルーセル30の中央領域(ここには公転Vの軸線が存在する)に延びる。「径(radial)」とは、カルーセル30の公転Vの軸を基準としていることを意味する。
【0052】
モジュール式挿入体5が収容空間11に挿入されると、当接ブロック8の当接面12が、背壁13に着座する。この状況で、モジュール式挿入体5の全体の所要の寸法Dが、刃先7の突出量を決める。
【0053】
切断装置1は、具体的には、少なくとも2つの交換可能な当接ブロック8を備えていてもよい。それにより、モジュール式挿入体5を構成するために選択された当接ブロック8に基づいて、刃先7の周縁10からの突出量を変更することができる。
【0054】
図5を参照して、2つの当接ブロック8,8’が設けられていてもよい。各当接ブロックは、対応する所要の全体寸法D,D’を有するモジュール式挿入体5を形成するために適合している。
【0055】
刃先7が摩耗すると、モジュール式挿入体5の全寸が、全体の所要の寸法Dに対して減少する。同様にして、刃先7の周縁10からの突出量も減少する。この場合に、切断要素6を同一の摩耗量で維持することにより、当接ブロック8は、刃先7の突出量を回復するために交換されてもよい。
【0056】
当接ブロック8及び切断要素6は、形状連結によって相互連結可能である。当接ブロック8は、具体的には、連結突起16を備えていてもよく、連結突起は、モジュール式挿入体5を形成するため、連結スロット15に少なくとも部分的に挿入されるように構成されている。連結突起16と連結スロット15との間の形状連結により、当接ブロック8と切断要素6との間での、少なくとも主方向Mに平行な方向における移動を防止できる。
【0057】
当接ブロック8は、本体を備える。本体は、多面体形状、具体的には平行六面体形状を有していてもよい。当接面12は、本体の外面に形成される。連結突起16は、本体から延びる。連結突起16は、多面体形状、具体的には平行六面体形状を有していてもよい。図示しない1つの実施形態において、突起は、切断要素に設けられた対応の連結スロットに挿入されるように構成されたピンを備えていてもよい。
【0058】
当接面12は、具体的には、(図示される実施形態のとおり)平坦面を備えていてもよい。図示しない1つの実施形態において、当接面12は、収容空間の湾曲した背壁に当接する湾曲面を備えていてもよい。
【0059】
距離Hは、当接面12と連結突起16との間に定義されてもよい。この距離Hは、主方向Mに平行な方向(又は径方向)に沿って測定されてもよい。交換可能な当接ブロック8,8’は、連結突起16と当接面12との間に距離H,H’を有し、これらは互いに相違する(
図5)。また、
図5を参照して、当接ブロック8,8’が交換可能であることにより、モジュール式挿入体5は、別の異なる全体の所要の寸法D’(具体的な実施形態において全寸Dよりも小さい)を有するように構成され得る。例えば、寸法D’を有するモジュール式挿入体は、例えば、同じ切断要素6を、距離H’を有する別の当接ブロック8’と連結することにより構成され、距離H’は当接ブロック8の距離Hとは異なる(具体的な実施形態においては距離Hよりも小さい)。上述のとおり、刃先7の摩耗を補償するため、同一の全体の所要の寸法Dが、摩耗した切断要素6を、より大きい距離Hを有する当接ブロックと連結することによって維持される。
【0060】
切断装置において、当接ブロック8,8’,8’’,8’’’,8’’’’は、相互に異なるようにして提供され、これらは、相互に異なる距離H,H’,H’’,H’’’,H’’’’をそれぞれ有する。例えば、
図5、
図10、
図11、及び
図12に図示されるとおり、5つの当接ブロック8,8’,8’’,8’’’,8’’’’は、互いに異なるようにして提供される。代替例において、互いに異なる複数の当接ブロックが設けられてもよく、例えば、互いに異なる2個、又は3個、又は4個の当接ブロックが設けられてもよい。更なる代替例において、互いに異なる複数の当接ブロックが設けられてもよく、例えば、互いに異なる6個、又は7個、又は8個、又は9個、又は10個の当接ブロックが設けられてもよい。互いに異なるN個の当接ブロックが設けられてもよく、Nは整数である。
【0061】
当接ブロック8は、具体的には、当接面12と反対側の別の当接面18を備えていてもよい(
図5)。別の当接面18は、本体の別の外面に形成される。別の当接面18は、具体的には、(図示される実施形態のように)別の平坦面を備えていてもよい。別の当接面18は、具体的には、収容空間11の着座壁19に当接するように構成される(
図4及び
図5)。不図示の1つの実施形態において、別の当接面が、収容空間の湾曲された着座壁に当接するために湾曲面を備えていてもよい。
【0062】
着座壁19は、背壁13と反対側である。具体的には、着座壁19は、背壁13と対向する。
【0063】
各当接ブロック8は、0で示される基準位置からの刃先7の偏差の定量的指標の印刷又はレリーフを表示してもよく、この偏差は、距離Hと関連する。偏差は、0.05mmと0.5mmとの間に設定されてもよい。この偏差は、具体的には数十分の1ミリメートルオーダー、例えば、0.3mm、0.25mm。0.20mm、0.15mm、0.10mmであってもよい。刃先7の突出量の定量的指標により、当接ブロック8の選択及びモジュール式挿入体5の組立を非常に直感的に行うことができる。
【0064】
当接ブロック8の全寸は、数十分の1ミリメートルオーダーであり、これにより、作業員は当接ブロック8を容易に取り扱うことができる。作業員は、相対的に減少された偏差を調整するため、適当な寸法を有する部品を手動操作で容易に取り扱うことができる。
【0065】
収容空間11は、具体的には、「L」形状の断面を有していてもよい。この断面は、支持本体9の断面に対して直交する基準面上にある。「L」断面の第1空間部は、支持本体の周縁10に開口する。この第1空間部内に、切断要素6は挿入可能であり、その刃先7が周縁から突出する。第2空間部は、具体的には、第1空間部から交差するように延びている。第1空間部は、進行方向Tに対して交差するように、具体的には径方向に沿って延びている。第2空間部は、相対的に小さいクリアランスをおいて、当接ブロック8を収容するような形状に形成されている。背壁13及び着座壁19の双方が、第2空間部を画定する。
【0066】
収容空間11は、(図示される実施形態のとおり)支持本体9の断面を通過してもよい。不図示の1つの実施形態において、収容空間は、覆われる、すなわち、支持本体9の断面に対して貫通空間でなくてもよい。
【0067】
切断装置1は、具体的には、層状構造を備えていてもよく、層状構造においては、少なくとも1つの水平ブレード3,4及び支持本体が、鉛直方向Zに沿って積み重ねられる。少なくとも1つの水平ブレード3,4が、具体的には、第1水平ブレード3と、第2水平ブレード4とを備えていてもよく、第1水平ブレードは、第1高さで1以上の水平の切れ目を入れるように構成され、第2水平ブレードは、第1高さとは異なる第2高さで1以上の水平の切れ目を入れるように構成されている。第1高さ及び第2高さは、鉛直方向Zに沿って(又はキャップ2の長手軸Xに沿って)測定される。
【0068】
第1水平ブレード3及び第2水平ブレード4は、互いに鉛直方向に間隔をあけて配置されていてもよい。具体的には、第1水平ブレード3は、第2水平ブレード4の高さよりも延長方向において高い位置に配置されていてもよい。
【0069】
支持本体9は、第1水平ブレード3と第2水平ブレード4との間に介在していてもよく、これにより、モジュール式挿入体5の不所望な鉛直方向の移動を防止できる。不図示の代替例において、1以上のロック体は、モジュール式挿入体5を鉛直方向にロックするために支持本体と共に挟持するように設けられていてもよい。
【0070】
換言すると、支持本体9は、鉛直方向において第1水平ブレード3と第2水平ブレード4との間に形成された領域に配置されていてもよい。
【0071】
支持本体9及び少なくとも1つの水平ブレード3,4は、固定手段(不図示)によって一緒に(さらには切断装置1外の支持フレームと共に)固定されていてもよい。固定手段は、具体的には、(例えば、
図2に示すように)固定孔70,80を通過するように構成されていてもよい。
【0072】
不図示の別の実施形態において、モジュール式挿入体5は、別の固定手段(不図示)によって支持本体9に対して固定されていてもよい。
【0073】
固定手段及び/又は別の固定手段は、例えば、ねじ又はボルトのような螺合要素を備えていてもよい。
【0074】
切断装置1は、具体的には、相互に交換可能な少なくとも2つの切断要素6を備えていてもよい。各切断要素6は、片側のみ又は両側で尖った刃先を備えていてもよい。
【0075】
上述したとおり、切断要素6は、鉛直方向Zに対して傾斜した刃先7を有していてもよい。
【0076】
それにも関わらず、部分的に鉛直の切れ目又は傾斜した切れ目を入れるように構成された切断要素6の刃先7を使用することができる。
【0077】
切断装置1は、具体的には、ガイド手段(不図示)を備えていてもよく、ガイド手段は、進行経路に沿ってスピンドルが進行している間に、キャップ2の外面部と接触し、キャップ2を回転させるように構成されている。ガイド手段は、具体的には、使用中のスピンドルと対向する鋸状部(knurled section)を備えていてもよい。鋸状部は、キャップ2の外面部と好適に係合するように構成され、且つ長手軸C周りにキャップ2を回転させるように構成されている。
【0078】
その代わりに、又はこれに追加して、ガイド手段は、具体的に、ブレードの一部、又は切断装置1の刃先の一部を備えていてもよく、これにより、キャップ2は、キャップ2への切り込み形成と同時に回転できる。言い換えると、切り込みがキャップに形成されている間に、キャップ2は、切断装置1のブレード上で(すなわち、切断部上で)回転してもよい。
【0079】
図1、
図2、
図3、
図6、
図7を参照して、第2実施形態に係る切断装置1’は、モジュール式挿入体5(又は鉛直の切り込み又は傾斜した切り込みのための刃先)が、第1実施形態に係る切断装置のモジュール要素5(又は刃先7)と比べ、長い距離をあけて配置されている。切断装置の第1実施形態1及び第2実施形態1’が、キャップに同じ切り込み形状を形成するように構成されている。ただし、モジュール式挿入体5(刃先7)の1つが、切断装置1の第1実施形態で配置されていた対応の位置に対してキャップが360度回転すると移動(「位相ずれ」)してもよい。
【0080】
図8、
図9、
図11、及び
図12を参照して、第3実施形態に係る切断装置1’’が、提供される。第3実施形態では、切断要素6が、鉛直方向Zに対して傾斜した刃先7を有する。刃先7は、相互に異なる傾斜、具体的には互いに反対の傾斜を有していてもよい。
【0081】
本開示の切断装置1,1’,1’’は、下記の組立方法によって組み立てられてもよい。
【0082】
組立方法は、複数の交換可能な当接ブロック8,8’,8’’,8’’’,8’’’’を提供するステップを備えていてもよい。
【0083】
複数の当接ブロック8,8’,8’’,8’’’,8’’’’を提供した後、これら当接ブロックのうちの1つが、モジュール式挿入体5が有していることが望ましい全体の所要の寸法Dに基づいて(又はこのモジュール式挿入体5で得ることが望ましいとされる深さに基づいて)選択されてもよい。
【0084】
一旦当接ブロック8が選択されると、その当接ブロック8が、モジュール式挿入体5を形成(構成)するために、切断要素6と連結されてもよい。
【0085】
一旦モジュール式挿入体5が形成されると、これが、支持本体9の収容空間11内に挿入されてもよい。モジュール式挿入体5を収容空間11に挿入する工程の代わりに、モジュール式挿入体5が、収容空間11内に直接的に形成されてもよい(又は当接ブロック8が、切断要素6と連結されてもよい)。例えば、切断要素5が、(具体的な実施形態において、鉛直軸Zに対して上から又は交差するように)収容空間11内に最初に挿入されてもよい。続いて、選択された当接ブロック8が、(具体的な実施形態において鉛直軸Zに対して上から)挿入されてもよい。
【0086】
図示される具体的な実施形態において、当接ブロック8が、支持本体9の断面に平行な方向に沿って収容空間11内に挿入されてもよい。他の不図示の実施形態において、当接ブロックが、異なる方向に従って収容空間に収容されてもよい。
【0087】
組立方法は、具体的には、支持本体9に対してモジュール式挿入体5を鉛直方向に固定するステップを備えていてもよい。この鉛直方向に固定するステップは、(収容空間11に挿入された)モジュール式挿入体5を2つの水平ブレード3,4との間に鉛直方向に固定することによって実行される。
【0088】
更に、組立方法は、具体的には、複数の切断要素6から切断要素6を選択するステップを備えていてもよい。切断要素6は、鉛直方向Zに対して大なり小なり傾斜した刃先を有する切断要素6を備えていてもよい。
【0089】
以下に、非限定的な例示を目的として、切断装置1がどのようにして組み立てられるのかに関する具体例を説明する。
【0090】
キャップに形成されるべき切り込みの形状に基づいて、作業員が、水平ブレード3,4、支持本体9、及び切断要素6を選択する。そして、所望される傾斜した切れ目又は鉛直の切れ目の深さに基づいて、作業員が、各切断要素6と対応する当接ブロック8を選択する。選択される当接ブロックは、
図5に例示されたもの(符号8,8’で示される)とは異なっていてもよく、又は
図7で例示されたもの(双方符号8’で示される)と同じであってもよい。
【0091】
作業員は、第2水平ブレード4の上方に支持本体9を配置して、各収容空間11に対応する切断要素6を挿入してもよい。そして、作業員は、例えば手動で、連結突起16を連結スロット15に連結することによって各当接ブロック8を対応する収容空間11に挿入してもよい。このとき、支持本体9の板厚に対して横断する平面内での各モジュール式挿入体5の移動が固定される。続いて、作業員は、支持本体9の上方に第1水平ブレード3を配置し、固定手段によってモジュール式挿入体を固定してもよい。
【0092】
鉛直の切れ目又は傾斜した切れ目のためのモジュール式挿入体を使用すると、種々の刃先又はブレードの位置、具体的には深さを独立して調整でき、刃先又はブレード1つ1つの貫通量を独立して調整できる。
【0093】
更に、本発明に係るモジュール式挿入体を使用することで、例えば、限定するものではないが、テザード型のキャップの形成に適した切断設備において、刃先又はブレード1つ1つの摩耗を効率的に補償できる。このような設備においては、様々な刃先が、異なるキャップ厚さを有する複数の領域に異なる角度量で切り込みを入れる必要があり、そのため、刃先間で別々に調整できることは特に有益である。
【0094】
また、切断装置の構造、特に、当接ブロックと、刃先の突出量の表示に関する特別な構成により、ユーザは、切断装置を快適に且つ直感的に調整できる。
【0095】
更に、切断装置、特に当接ブロック及び切断要素の構造が簡潔であり、その部品点数が少ないため、製品変更及び/又はメンテナンスの介入に極めて融通が利く切断装置を提供することができ、このような処理を迅速かつ単純に行える。
【外国語明細書】