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特開2023-112685光発振器からの電磁放射を安定化させる方法、及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112685
(43)【公開日】2023-08-14
(54)【発明の名称】光発振器からの電磁放射を安定化させる方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/14 20060101AFI20230804BHJP
   H01S 5/062 20060101ALI20230804BHJP
   H01S 3/10 20060101ALI20230804BHJP
【FI】
H01S5/14
H01S5/062
H01S3/10 D
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023011760
(22)【出願日】2023-01-30
(31)【優先権主張番号】10 2022 102 272.2
(32)【優先日】2022-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】523031851
【氏名又は名称】メンロ システムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ニコライ リリエンファイン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフガング ヘンゼル
(72)【発明者】
【氏名】ロナルト ホルツヴァルト
(72)【発明者】
【氏名】ジーモン ホルツベルガー
(72)【発明者】
【氏名】マルク フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック ベーレ
【テーマコード(参考)】
5F172
5F173
【Fターム(参考)】
5F172NN22
5F172NN24
5F172NP02
5F172NQ12
5F173SA08
5F173SA14
5F173SA15
5F173SE01
5F173SF09
5F173SF17
5F173SF33
5F173SF43
5F173SF54
(57)【要約】
【課題】光発振器、特にレーザ、例えば外部共振器を有するダイオードレーザの電磁放射を安定化させるための方法又は装置(特に制御装置)を提供する。
【解決手段】光発振器の第1電磁放射を安定化させることは、光発振器の第1電磁放射と基準との間の偏差を測定し、第1偏差信号を生成し、第1偏差信号で第1コントローラを制御し、少なくとも2つの操作量の内の少なくとも1つの第1操作量を制御することによって第1偏差信号を設定し、第1操作量は、第1コントローラの第1出力信号によって制御され、第1操作量は、光発振器の第1電磁放射に影響を与える。
そして、変調ユニットで変調信号を生成し、変調信号で第1又は第2操作量を制御し、第1コントローラの第1出力信号を変調信号で復調し、固定値に関して第2偏差信号を生成し、第2偏差信号で第2コントローラを制御し、第2コントローラの出力信号で操作量の1つを制御し、第2偏差信号を設定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発振器(3)、特に第1レーザ(13)の第1電磁放射(1)を安定化させる方法であって、
前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)と基準(21、23、39、41、115)との間の偏差(35、37、43、38)を測定し、第1偏差信号(35、37、43、38)を生成するステップと、
前記第1偏差信号(35、37、43、38)で第1コントローラ(55、123)を制御するステップと、
少なくとも2つの操作量(5、7、89)の内の少なくとも1つの第1操作量(5、7、89)を制御することによって前記第1偏差信号(35、37、43、38)を設定し、前記第1操作量(5、7、89)は、前記第1コントローラ(55、123)の第1出力信号(57、135)によって制御され、前記第1操作量(5、7、89)は、前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)に影響を与えるステップと、を備える方法において、
変調ユニット(63、139)で変調信号(65、141)を生成し、前記変調信号(65、141)で前記第1又は第2操作量(5、7、89)を制御するステップと、
前記第1コントローラ(55、123)の前記第1出力信号(57、135)を前記変調信号(65、141)で復調し、固定値(73、146)に関して第2偏差信号(71、145)を生成するステップと、
前記第2偏差信号(71、145)で第2コントローラ(74、147)を制御するステップと、
前記第2コントローラ(74、147)の出力信号(75、149)で前記操作量(5、7、89)の1つを制御し、前記第2偏差信号(71、145)を設定するステップと、を備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記偏差(35、37、38、43)は最小化されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変調ユニット(63)で第2変調信号(66)を生成し、前記第2変調信号(66)で第1及び第2操作量(5、7、89)のもう片方を制御し、特に、前記第1電磁放射(1)に対する前記変調信号(65)及び前記第2変調信号(66)の効果は、互いに位相が反対であるステップと、
前記変調信号(65)の位相及び/又は振幅を調整し、前記第2変調信号(66)の位相及び/又は振幅を調整して、前記第1電磁放射(1)を変調無しで提供するステップと、を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準(21、23、39、41、115)は、無線周波数基準(159)及び第2レーザ(163、111)の第2電磁放射(161、109)を含み、前記偏差(35、37、38、43)は、前記第1電磁放射(1)と前記第2電磁放射(161、109)の差分に対する、前記無線周波数基準(159)の差分として生成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記偏差(35、37、38、43)は、周波数偏差(37、43)又は位相偏差(35、43)を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記基準(23)は共振器(25)を含み、前記偏差(35、37、38、43)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相と、前記共振器(25)の周波数又は位相との間の周波数偏差(37、43)又は位相偏差(35、43)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記共振器(25)は10000から1000000の間の範囲の品質を含み、
前記品質は、前記共振器(25)の周波数を前記共振器(25)の周波数帯域幅で割ったものに等しく、及び、前記共振器(25)は、好ましくはULE(超低膨張)スペーサを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記共振器(25)はエタロン、特にファブリー・ペローエタロンを含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記基準(23)は、原子又は分子ガス(27)を含み、前記偏差(35、37、38、43)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相と、前記原子又は分子ガス(27)の共鳴の周波数又は位相との間の周波数偏差(37、43)又は位相偏差(35、43)を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記基準(23)は、周波数又は位相測定器(29、31、33)、特に波長計(31)又は干渉計(33)を含み、前記偏差(35、37、38、43)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相と、前記周波数又は位相測定器(29、31、33)の周波数又は位相との間の周波数偏差(37、43)又は位相偏差(35、43)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記光発振器(3)は、前記操作量(5、7、89)を含み、及び、半導体レーザ(13)、特にダイオードレーザ(13)を含み、前記操作量は、前記ダイオードレーザのダイオード電流(5、7、89)を含み、及び/又は前記ダイオードレーザ(13)のダイオード温度(5、7、89)を含むことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記光発振器(3)は、第1表面(99)及び第2表面(101)を備え、前記第1表面(99)及び前記第2表面(101)の少なくとも一方は、前記第1電磁放射(1)に対して部分的に透明であり、
特に、前記光発振器(3)は、前記第1電磁放射(1)の少なくとも1つの波長を選択するための調整可能な波長フィルタ(95)を備えることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記操作量(5、7、89)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相を調整するために、前記第1表面(99)及び/又は前記第2表面(101)に力を及ぼすための前記第1表面(99)及び/又は前記第2表面(101)に結合された少なくとも1つのピエゾアクチュエータを表すことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記操作量(5、7、89)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相を調整するために、前記光発振器(3)のビーム経路に配置された少なくとも1つの電気光学変調器を表すことを特徴とする、請求項6乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記操作量(5、7、89)は、調整可能な波長フィルタ(95)を表し、前記調整可能な波長フィルタ(95)を調整するように構成されることを特徴とする、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記操作量(5、7、89)の少なくとも1つは、前記光発振器(3)の外部にあり、音響光学変調器又は周波数シフタを表すことを特徴とする、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
光発振器(3)、特に第1レーザ(13)の第1電磁放射(1)を安定化させるための制御装置(1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000)であって、
測定装置(17、107)と、
基準(21、115)を生成するための基準生成器(19、117)と、
第1コントローラ(55、123)と、
第2コントローラ(74、147、155)と、を備え、
前記測定装置(17、107)は、前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)と前記基準(21)との間の偏差(35、37、38、43)を測定するように構成され、
前記第1コントローラ(55、123、127)は、第1偏差信号(35、37、43)によって制御され、第1出力信号(57、131、135、143、151)で少なくとも2つの操作量(5、7、89)の少なくとも1つの第1操作量(5、7、89)を制御して前記偏差信号(35、37、38、43)を設定するよう構成されている制御装置において、
変調信号(65、141)で前記第1又は第2操作量(5、7、89)を制御するように設計された変調ユニット(63、139)と、
前記第1コントローラ(55、123)の前記第1出力信号(57、135、131)を前記変調信号(65、141)で復調し、固定値(73、146)に対する第2偏差信号(71、145)を生成するように構成された復調ユニット(61、137)と、を備え、
前記第2コントローラ(74、147、155)は、前記第2偏差信号(71、145)によって制御され、前記第2偏差信号(71、145)を設定するように、出力信号(75、149、157、151)で前記操作量(5、7、89)の1つを制御するように構成されることを特徴とする、制御装置。
【請求項18】
光発振器(3)、特に第1レーザ(13)の第1電磁放射(1)を安定化させる方法であって、
前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)と基準(21、23、39、41)との間の偏差(35、37、38、43)を測定し、第1偏差信号(35、37、38、43)を生成するステップと、
前記第1偏差信号(35、37、38、43)で第1コントローラ(55)を制御するステップと、
少なくとも2つの操作量(5、7、89)のうちの少なくとも1つの第1操作量(5、7、89)を制御することによって前記第1偏差信号(35、37、38、43)を設定し、前記第1操作量(5、7、89)は、前記第1コントローラ(55)の第1出力信号(57)により制御され、前記第1操作量(5、7、89)は、前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)に影響を与えるステップと、を備える方法において、
前記操作量(5、7、89)の少なくとも1つの変調指数(77)、特に周波数及び/又は位相変調指数を測定し、固定値(83)からの前記変調指数(77)の偏差から第2偏差信号(81)を生成するステップと、
前記第2偏差信号(81)で第2コントローラ(74)を制御するステップと、
前記第2コントローラ(74)の出力信号(75)で、前記操作量(5、7、89)の1つを制御し、前記第2偏差信号(81)又は前記変調指数(77)を設定するステップと、を備え、
前記変調指数(77)は、前記操作量(5、7、89)の内の少なくとも1つの制御と、前記第1電磁放射(1)に対する前記少なくとも1つの操作量(5、7、89)の効果との比率であることを特徴とする、方法。
【請求項19】
変調ユニット(63、139)で変調信号(65、141)を生成し、前記変調信号(65、141)で前記第1又は第2操作量(5、7、89)を制御するステップを備えることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記変調ユニット(63)で第2変調信号(66)を生成し、前記第2変調信号(66)で前記第1及び第2操作量(5、7、89)の他方を制御するステップであって、
特に、前記第1電磁放射(1)に対する前記変調信号(65)の効果と、前記第1電磁放射(1)に対する前記第2変調信号(66)の効果が、互いに逆位相であるステップと、
前記変調信号(65)の位相及び/又は振幅を調整し、前記第1電磁放射(1)を変調せずに提供するために、前記第2変調信号(66)の位相及び/又は振幅を調整するステップと、を備えることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1、15及び16のプリアンブルによる特徴をそれぞれ有する、光発振器、特に第1レーザの第1電磁放射を安定化させる方法、及び装置(特に制御装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
上記で言及されたタイプの方法又は装置、特に制御装置は、原子又は分子の吸収分光法などの分光学的測定法、又は医療法においてしばしば使用される。ここで、少なくとも、基準からの波長偏差又は周波数偏差を最小にした電磁放射を生成することが望まれている。光発振器、特にレーザの電磁放射のより良い安定化を達成するために、既に存在する方法又は装置(特に制御装置)をさらに改良することが特に関心事である。また、最も一般的な利益を可能にするために、この目的のために最も簡単な実装を達成することが目標である。
【0003】
例えば、非特許文献1には、ダイオードレーザの操作量を調整し、ダイオードレーザの電磁放射の強度又は周波数ノイズを測定し、操作量を制御することによって強度又は周波数ノイズを制御して、ダイオードレーザの放射の安定化を達成することが記載されている。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、レーザの操作量を調整し、その光強度を測定し、レーザを制御して光強度を最大化することが記載されている。
【0005】
特許文献3には、レーザの放射の安定化を達成するためにレーザの透過の制御が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US 2009/0262762 A1
【特許文献2】US 6,687,269 B1
【特許文献3】US 2008/0159340 A1
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Chiow et al. "Extended-cavity diode lasers with tracked resonances," Applied Optics, Volume 46, page 7997, publication year 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、光発振器、特にレーザ(例えば外部共振器を有するダイオードレーザ)の電磁放射を安定化させるための方法又は装置、特に制御装置を提供することである。この方法及び装置、特に制御装置は、それぞれ、基準に対してできるだけ一定である少なくとも1つの波長又は周波数を有する放射線を生成するために特に安定な電位を提供すること、及び、特にレーザ(例えば外部共振器を有するダイオードレーザ)のモードジャンプ(mode jumps)を回避することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明によれば、請求項1及び16にそれぞれ記載の方法、並びに請求項15に記載の、光発振器、特にレーザの電磁放射を安定化させるための装置、特に制御装置によって対処される。
【0010】
ここで達成される技術的効果は、光発振器、特にレーザからの電磁放射の改善された安定化を提供することである。
【0011】
好ましくは、複数の操作量のうちの1つは、制御器の出力信号によって制御されてもよく、光発振器の電磁放射の周波数又は位相の偏差信号が制御されてもよい。
【0012】
好ましくは、少なくとも2つの操作量の変調指数、特に周波数又は位相変調指数の比を測定し、固定値からの比の偏差から偏差信号を生成してもよく、さらに、操作量の1つをコントローラの出力信号で制御して、偏差信号又は比を制御してもよい。このようにして、光発振器の少なくとも1つの操作量にダイナミックレンジを提供するように条件を作成してもよい。
【0013】
さらに好ましくは、少なくとも1つの操作量の周波数又は位相変調指数を測定し、周波数又は位相変調指数の固定値からの偏差から偏差信号を生成してもよく、さらに操作量をコントローラの出力信号で制御し、偏差信号を設定してもよい。このようにして、光発振器の少なくとも1つの操作量にダイナミックレンジを提供するように条件を作成してもよい。
【0014】
変調指数は、操作量の制御と電磁放射に対する操作量の効果との間の比率として理解されるものである。それに対応して、周波数変調指数は、操作量の制御と電磁放射の周波数に対する操作量の効果(影響)として理解されるものである。さらに対応して、位相変調指数は、操作量の制御と、電磁放射の位相に対する操作量の効果(影響)として理解されるものである。
【0015】
有利には、第2操作量の変調指数と第1操作量の変調指数との間の比率を制御することによって、光発振器の周波数又は位相制御のための広いダイナミックレンジが提供され得る。したがって、光発振器、特にレーザの電磁放射の改善された安定化が達成され得る。
【0016】
以下では、例えばレーザ又は異なる基準源によって生成されるだけでなく、電磁放射を生成し得る他の源又は発生器によって生成される電磁放射は、少なくとも1つの周波数又は等価的に少なくとも1つの波長を含んでよく、電磁放射は、少なくとも1つの位相を含むことができる。したがって、異なる電磁放射間の差(差分)を生成することが言及される場合、ここでは、周波数差及び/又は位相差が生成されることを意味する。それによって、少なくとも前述の周波数差及び/又は位相差を含み得る電磁放射が生成されてもよい。電磁放射を調整することが言及される場合、ここでこれは特に、電磁放射の周波数及び/又は位相が調整されることを意味し得る。しかし、電磁放射の振幅の調整、特に場の量(field quantity)又は電力の調整を意味してもよく、場の量は、電圧、電流、電界又は磁界を含んでもよい。
【0017】
電磁放射を制御することは、それに対応して、少なくとも1つの周波数又は少なくとも1つの波長を制御することを含んでもよく、及び/又は少なくとも1つの位相を制御することを更に含んでもよい。
【0018】
さらに以下では、波長と周波数が互いに基本的な関係にあることを考慮して、波長と周波数の概念を使用し、それによれば、波長と周波数の積は速度に対応する。ここで、その速度は光の速度であってもよい。ここで、光の速度は、真空中の光の速度であってもよいし、媒質中の光の速度であってもよい。媒質は屈折率によって特徴付けられ、媒質中の光の速度は、真空中の光の速度よりも遅くなり得る。真空中の光の速度に対する媒質中の光の速度の遅さは、真空中の光の速度を屈折率で割ることによって定量化され得る。
【0019】
好ましくは、本発明による装置、特に制御装置に設けられる全ての操作量、及び本発明による方法に設けられる全ての操作量は、それぞれ、たとえそれが明示的に言及されていなくても、少なくとも1つのコントローラによって制御されてよい。操作量は、一般に、複数の制御信号によって、特に1つ以上のコントローラによって制御されてもよい。複数の制御信号で操作量を制御する場合、制御信号は重ね合わせられてもよく、特に追加されてもよい。したがって、特に、設けられた任意の操作量は、光発振器、特にレーザの電磁放射を安定化させるために使用され得る。制御は、直接的であってもよいが、例えば、装置又は方法の他の構成要素の第2制御を介して、間接的であってもよい。操作量は、一般に、電磁放射を調整するために電磁放射に影響を与えるように構成され得る。特に、操作量は、電磁放射の周波数及び/又は位相を調整するために、電磁放射の周波数及び/又は位相に影響を与えるように構成され得る。
【0020】
好ましくは、光発振器、特に第1レーザの第1電磁放射を安定させるための本発明による方法は、光発振器の第1電磁放射と基準との間の偏差を測定し、第1偏差信号を生成することを含み、その第1偏差信号で第1コントローラを制御し、少なくとも2つの操作量の内の少なくとも第1操作量を制御して第1偏差信号を調節することをさらに含んでもよい。ここで、第1操作量は、第1コントローラの第1出力信号によって制御されてもよく、第1操作量は、光発振器の第1電磁放射に影響してもよく、変調ユニットで変調信号を生成し、変調信号で第1又は第2操作量を制御し、変調信号で第1コントローラの第1出力信号を復調して固定値に対して第2偏差信号を生成し、第2偏差信号で第2コントローラを制御し、第2コントローラの出力信号で操作量の1つを制御して第2偏差信号を設定する。
【0021】
上記のように、少なくとも2つの操作量のうち少なくとも1つの第1操作量を制御して第1偏差信号を設定することは、1つ又は複数の制御信号で制御することを含んでもよい。
【0022】
一実施形態では、その方法は、少なくとも2つの操作量を制御することによって第1偏差信号を設定することを含んでもよく、その2つの操作量はそれぞれ第1コントローラの少なくとも1つの出力信号によって制御されてもよく、2つの操作量は光発振器の第1電磁放射に作用してもよい。好ましい実施形態において、偏差は最小化され得る。
【0023】
好ましい実施形態において、基準は、第2レーザからの第2電磁放射を含んでもよく、偏差は、第1電磁放射と第2電磁放射との間の差として得られてもよい。
【0024】
好ましい実施形態において、基準は、無線周波数基準及び第2レーザの第2電磁放射を含んでもよく、偏差は、第1電磁放射と第2電磁放射の差分に対する、無線周波数基準の差分として得てもよい。
【0025】
好ましい実施形態において、偏差は、周波数偏差又は位相偏差を含んでもよい。
【0026】
一実施形態において、第2レーザは、連続波レーザであってもよい。
第2レーザは、サニャックレーザとして構成されてもよい。
一実施形態において、第2レーザは、パルスレーザであってもよい。
一実施形態において、第2レーザは、周波数コムレーザであってもよい。
一実施形態において、第2電磁放射は、電気光学変調によって生成される周波数コムであってもよい。
一実施形態において、第2電磁放射は、非線形周波数変換によって生成される周波数コムであってもよい。
【0027】
好ましい実施形態において、基準は共振器を含んでもよく、偏差は、第1電磁放射の周波数又は位相と共振器の周波数又は位相との間の、周波数偏差又は位相偏差を含んでもよい。
【0028】
好ましい実施形態において、共振器は、10000と1000000の間の範囲の品質(品質係数)を含んでもよく、その品質は、共振器の周波数を共振器の周波数帯域幅で割ったものに等しくてもよい。好ましくは、共振器は、ULE(超低膨張)スペーサを含んでもよい。
【0029】
有利には、共振器は、50000と700000の間の範囲の品質を含んでよく、その品質は、共振器の周波数を共振器の周波数帯域幅で割ったものに等しくてもよく、共振器は、好ましくは、ULE(超低膨張)スペーサを含んでよい。さらに有利には、共振器は、100000と500000の間の範囲の品質を含んでもよい。さらに有利には、共振器は、300000と500000の間の範囲内の品質を含んでもよい。
【0030】
好ましい実施形態において、共振器は、エタロンを含んでもよい。エタロンは、方法及び/又は共振器におけるその機能に応じて異なって構成され、設計されてもよい。特に、エタロンは、ファブリー・ペローエタロンであってもよい。
【0031】
好ましい実施形態において、共振器は、干渉計を含んでもよい。
【0032】
干渉計は、ファイバ干渉計、特にファイバ自由空間干渉計として構成されてもよい。
干渉計は、フリービーム干渉計として構成されてもよい。
干渉計は、フィゾー干渉計として構成されてもよい。
干渉計は、ファブリペロ干渉計として構成されてもよい。
干渉計は、サニャック干渉計として構成されてもよい。
干渉計は、マイケルソン干渉計として構成されることができる。マイケルソン干渉計は、異なる長さ、特に異なる光学的又は幾何学的長さの2つの干渉計アームを含むことができる。
【0033】
好ましい実施形態において、基準は、原子又は分子ガスを含んでもよく、偏差は、第1電磁放射の周波数又は位相と、原子又は分子ガスの共振(共鳴)の周波数又は位相との間の周波数偏差又は位相偏差を含んでもよい。周波数偏差又は位相偏差の測定には、飽和分光法又はラムゼイ分光法を含んでもよい。
【0034】
一実施形態において、基準は、原子ビーム又は原子ビーム干渉計を含んでもよく、偏差は、第1電磁放射の周波数又は位相と、原子ビーム又は原子ビーム干渉計の共振(共鳴)の周波数又は位相との間の周波数偏差又は位相偏差を含んでもよい。
【0035】
一実施形態において、基準は、レーザ冷却された原子又はイオンを含んでもよく、偏差は、第1電磁放射の周波数又は位相と、原子又はイオンの共振(共鳴)の周波数又は位相との間の周波数偏差又は位相偏差を含んでもよい。
【0036】
好ましい実施形態において、基準は、周波数又は位相測定器、特に波長計又は干渉計を含んでもよく、偏差は、第1電磁放射の周波数又は位相と、周波数又は位相測定器の周波数又は位相との間の周波数偏差又は位相偏差を含んでもよい。
【0037】
好ましい実施形態において、光発振器は、操作量を含み、半導体レーザ、特にダイオードレーザを含んでもよく、操作量は、ダイオードレーザのダイオード電流を含んでもよく、及び/又はダイオードレーザのダイオード温度を含んでもよい。操作量は、パラメータ又はアクチュエータであってもよい。
【0038】
ダイオードレーザは、外部共振器を備えてもよい。第1電磁放射の周波数及び/又は位相は、基準系に対して安定化され得る。基準系は、光発振器を含んでもよく、基準系の光発振器は、基準構成部品として実装されてもよい。
【0039】
外部キャビティダイオードレーザの第1電磁放射は、周波数コムの電磁放射によって基準系に対して安定化され得る。
【0040】
ダイオードレーザは、レーザダイオードを含んでもよく、レーザダイオードは、反射防止コーティングを備えてもよい。反射防止コーティングは、1×10-5から1×10-1の間の範囲の反射率を含んでもよい。反射防止コーティングは、1×10-3から1×10-1の間の範囲の反射率を含んでもよい。
【0041】
ダイオードレーザは、レーザダイオードを含んでいてもよく、レーザダイオードは、反射防止コーティングがないように構成されてもよい。
【0042】
一実施形態において、光発振器は、分布ブラッグ反射器(DBR)又は分布帰還型(DFB)半導体レーザを含んでもよい。
一実施形態において、光発振器は、光励起半導体レーザ光を含んでもよく、操作量は、励起レーザの光出力を含んでもよい。特に、光励起半導体レーザは、垂直外部共振器面発光レーザ(VECSEL)であってもよい。
一実施形態において、光発振器は、1つ又は複数の半導体素子内の光集積回路として実装されてもよい。
一実施形態において、光発振器は、複数の半導体素子における異種集積光回路として実装されてもよい。
【0043】
好ましい実施形態において、光発振器は、半導体レーザを含んでもよい。半導体レーザは、電磁放射を放射してもよく、電磁放射は、350nmから10ミクロンの間、特に350nmから1500nmの間、特に350nmから550nmの間、特に600nmから800nmの間の波長を含んでもよい。
【0044】
好ましい実施形態において、光発振器は、第1表面及び第2表面を含んでもよく、第1表面及び第2表面の少なくとも一方は、第1電磁放射に対して部分的に透過性であってもよく、光発振器は、第1電磁放射の少なくとも1つの波長を選択するための調整可能な波長フィルタを含んでもよい。
【0045】
好ましい実施形態において、操作量は、第1電磁放射の周波数又は位相を調整するために、第1表面及び/又は第2表面に力を及ぼすための、第1表面及び/又は第2表面に結合され得る少なくとも1つのピエゾアクチュエータを含んでもよい。特に、ピエゾアクチュエータは、第1電磁放射の周波数又は位相の連続的な調節を提供するように構成されてもよい。一実施形態において、操作量は、調整可能な波長フィルタを含んでもよく、調整可能な波長フィルタを調整するように構成されてもよい。
【0046】
一実施形態において、操作量は、第1電磁放射の周波数又は位相を調整するためにレーザのビーム経路に配置され得る少なくとも1つの電気光学変調器を含んでもよい。一実施形態において、操作量の少なくとも1つは、光発振器の外部にあってもよく、音響光学変調器又は周波数シフタを含んでよい。
【0047】
好ましくは、光発振器、特に第1レーザからの第1電磁放射を安定化させるための本発明による装置は、制御装置を含んでもよい。
【0048】
好ましくは、制御装置は、測定装置と、基準を生成するための基準生成器と、第1コントローラと、第2コントローラと、を含んでもよい。特に、測定装置は、光発振器の第1電磁放射と基準との間の偏差を測定するように構成されてもよく、第1コントローラは、第1偏差信号によって制御され、第1出力信号で少なくとも2つの操作量のうちの少なくとも第1操作量を制御することによって偏差信号を制御又は調節するように構成されてもよい。
【0049】
好ましくは、制御装置は、変調ユニットを含むことができ、このユニットは、変調信号で第1又は第2操作量を制御するように構成され得る。
【0050】
好ましくは、制御装置は、第1コントローラの第1出力信号を変調信号で復調し、固定値からの第2偏差信号を生成するように構成され得る復調ユニットを含んでもよい。
【0051】
好ましくは、第2コントローラは、第2偏差信号によって制御され、第2偏差信号を制御又は調整するように、出力信号で操作量の1つを制御するように構成されてもよい。
【0052】
本発明は、光発振器、特にレーザの第1電磁放射を安定化させる方法を含んでもよく、この方法は、光発振器の第1電磁放射と基準との間の偏差を測定し、第1偏差信号を生成することを含んでもよい。本方法は、第1偏差信号で第1コントローラを制御することを含んでもよい。本方法は、少なくとも2つの操作量の内の少なくとも第1操作量を制御することによって第1偏差信号を制御又は調整することを含んでもよく、第1操作量は、第1コントローラの第1出力信号によって制御されてもよく、第1操作量は、光発振器の第1電磁放射に作用してもよい。特に、本方法は、操作量の少なくとも1つの変調指数、特に周波数及び/又は位相変調指数を測定することを含んでもよい。本方法は、固定値からの変調指数の偏差から第2偏差信号を生成することを含んでもよい。本方法は、第2偏差信号で第2コントローラを制御することを含んでもよい。本方法は、第2コントローラの出力信号で操作量の内の1つを制御することを含んでもよい。本方法は、第2偏差信号又は変調指数を制御又は調整することを含んでもよく、変調指数は、操作量の内の少なくとも1つの制御と、第1電磁放射に対する少なくとも1つの操作量の効果との比率である。
【0053】
一実施形態において、本方法は、少なくとも2つの操作量を制御することによって第1偏差信号を制御又は調整することを含んでもよく、2つの操作量はそれぞれ第1コントローラの出力信号によって制御されてもよく、2つの操作量は光発振器の第1電磁放射に作用してもよい。
【0054】
本発明は、光発振器、特にレーザの第1電磁放射を安定化させる方法を含んでもよく、この方法は、光発振器の第1電磁放射と基準との間の偏差を測定し、第1偏差信号を生成することを含み、第1偏差信号で第1コントローラを制御し、少なくとも2つの操作量のうち少なくとも第1操作量を制御して第1偏差信号を調節することをさらに含み、第1操作量は第1コントローラの第1出力信号で制御されてよく、第1操作量は光発振器の第1電磁放射に作用してもよい。特に、この方法は、変調ユニットで変調信号を生成することと、変調信号で第1又は第2操作量を制御することを含んでもよく、さらに、操作量を制御することから比率を測定し、固定値からの比率の偏差から第2偏差信号を生成し、第2偏差信号で第2コントローラを制御し、第2コントローラの出力信号で操作量の1つを制御し、第2偏差信号又は比率を調整することを含んでもよい。
【0055】
本発明による方法は、光発振器の電磁放射と第1基準源の電磁放射の差分と、第2基準源の電磁放射との間の位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を、比較ユニットによって生成することを含んでもよい。また、位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を第1コントローラに結合し、位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を調整するために第1コントローラの少なくとも出力信号で光発振器の少なくとも第1操作量を制御し、変調を生成し、第2コントローラの出力信号で変調の少なくとも1つの第1重畳を生成し、少なくとも1つの第1重畳で第1操作量とは異なる光発振器の少なくとも1つの第2操作量を制御し、第1コントローラの出力信号の復調信号を生成し、第1コントローラの出力信号及び前記復調信号で制御される第3コントローラの出力信号とは異なる第2重畳で光発振器の少なくとも1つの第1操作量を制御し、少なくとも1つの第1重畳で少なくとも第2操作量を制御することと、第2重畳で少なくとも1つの第1操作量を制御することとの間の比率を制御することを含んでもよい。
【0056】
有利には、比較ユニットによって位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を生成することは、位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を生成するための既知の装置及び/又は既知の方法を含むことができる。
【0057】
有利には、本方法は、光発振器の電磁放射と第1基準源の電磁放射との差分と、第2基準源の電磁放射との間の位相偏差信号の位相偏差及び/又は周波数偏差信号の周波数偏差を最小化する作用を含むことができる。
【0058】
任意選択で、光発振器、特にレーザの電磁放射を安定化させる方法は、サイド・オブ・フリンジロック周波数安定化を含んでもよく、レーザの少なくとも1つの周波数は、キャビティ又は原子若しくは分子の吸収線の共振周波数に対して離調されてよく、この目的のためにキャビティに、第1入力及び第1出力を設けてもよく、又はガスセルに原子又は分子ガス及び第1入力及び第1出力を設けてもよい。ここで、光発振器、特にレーザの電磁放射は、キャビティの第1入力又はガスセルの第1入力に結合されてもよく、キャビティの第1出力又はガスセルの第1出力から結合された光発振器、特にレーザの電磁放射は、検出器によって検出されてもよい。検出器は、特に光検出器であってよく、レーザの少なくとも1つの周波数のさらなる変動は、検出器、特に光検出器の出力信号の強度変動に変換され得て、強度変動は、追加的に設けられたフィードバックループによって最小化され得る。ここで、フィードバックループは、少なくとも第1操作量又は第2操作量を含んでよく、検出器の出力信号、特に光検出器の出力を更に含んでもよい。
【0059】
任意選択で、光発振器、特にレーザの電磁放射を安定化させる方法は、トップ・オブ・フリンジ・ロッキング周波数安定化を含んでもよく、レーザの少なくとも1つの周波数は、変調周波数で変調されてもよい。レーザの電磁放射は、検出器、特に光検出器の入力において、検出器、特に光検出器によってさらに検出されてもよく、レーザの少なくとも1つの周波数の変調は、検出器、特に光検出器の出力信号を同様に変調させることができる。この場合、検出器、特に光検出器の出力信号は、特に変調周波数で変調されてもよく、この変調周波数でレーザの少なくとも1つの周波数も変調される。検出器の、特に光検出器の入力においてレーザの電磁放射によって生成され得る信号の微分値(導関数)を生成するために、さらに、検出器、特に光検出器の出力信号の変調が、変調周波数で復調されてもよく、この変調周波数でレーザの少なくとも1つの周波数も変調される。
【0060】
レーザの少なくとも1つの周波数の変調は、微分の正又は負の数値をもたらすことができ、トップ・オブ・フリンジ・ロッキング周波数安定化は、微分の数値の大きさを最小化するように構成されてもよい。好ましくは、トップ・オブ・フリンジ・ロッキング周波数安定化は、フィードバックループを更に含んでもよく、フィードバックループは、入力及び出力を含んでもよく、微分の正又は負の数値は、フィードバックループの入力に結合されてもよく、フィードバックループの出力は、第1操作量及び/又は第2操作量を調節して、微分の数値の大きさを最小化することができる。
【0061】
本方法の有利な実施形態において、光発振器は、半導体レーザ、特にダイオードレーザを含んでもよい。
【0062】
ダイオードレーザは、レーザダイオードを含んでもよく、そのレーザダイオードは、反射防止コーティングを備えてもよく、反射防止コーティングを備えなくてもよい。
【0063】
有利には、半導体レーザは、第1表面及び第2表面を含んでもよい。
【0064】
さらに、電磁放射は、半導体レーザの第1表面及び/又は第2表面から結合されてもよく、又は、電磁放射は、半導体レーザの第1表面及び/又は第2表面から少なくとも部分的に結合されてもよい。
【0065】
有利には、電磁放射は、半導体レーザの第1表面から結合されてもよく、又は電磁放射は、半導体レーザの第1表面から少なくとも部分的に結合されてもよい。
【0066】
電磁放射が半導体レーザの第1表面から結合されるとき、半導体レーザの第2表面は、反射型構成であってもよい。
【0067】
特に、半導波管(half-waveguide)レーザの第2表面は、電磁放射に対して少なくとも部分的に透過性であってもよい。
【0068】
本方法の有利な実施形態では、光発振器はキャビティを含んでもよく、キャビティは第1表面及び第2表面を含んでもよく、キャビティの少なくとも第1表面は電磁放射に対して部分的に透過性であってもよい。しかし、代替的に、キャビティの第2表面が、電磁放射に対して部分的に透過性であってもよい。さらに、キャビティの第1表面及び第2表面の両方が、電磁放射に対して部分的に透過性であってもよい。
【0069】
特に、電磁放射は、少なくとも1つの波長を含むことができ、有利には、キャビティの長さは、電磁放射の少なくとも1つの波長よりも長くすることができる。
【0070】
有利な実施形態において、光発振器は、電磁放射の少なくとも1つの波長を選択するための、又は少なくとも1つの周波数を選択するための調整可能な波長フィルタを含んでもよく、その波長フィルタは、キャビティ内に形成されてもよく、調整可能な波長フィルタの調整は、光発振器のさらなる操作量であってよい。前述の波長フィルタによって、レーザ又は半導体レーザ、特にダイオードレーザの電磁放射の少なくとも1つの所望の周波数を選択でき、又は、同様に、レーザ又は半導体レーザ、特にダイオードレーザの電磁放射の少なくとも1つの所望の波長が選択できる。
【0071】
有利には、調整可能な波長フィルタは、体積ホログラフィックブラッグ回折格子(VHBG)を含んでもよく、電磁放射の少なくとも1つの波長を選択することは、電磁放射の伝搬方向に対してVHBGを傾けることを含んでもよい。
【0072】
有利には、調整可能な波長フィルタは、周波数選択性又は波長選択性回折格子を含んでもよく、電磁放射の少なくとも1つの波長の選択は、電磁放射の伝搬方向に対して周波数選択性回折格子を傾けることによって達成され得る。または、同様に、電磁放射の少なくとも1つの周波数の選択は、電磁放射の伝播方向に対して周波数選択性回折格子を傾けることによって達成され得る。
【0073】
有利には、調整可能な波長フィルタは、誘電体フィルタを含んでもよく、電磁放射の少なくとも1つの波長を選択すること、又は少なくとも1つの周波数を選択することは、電磁放射の伝播方向に対して誘電体フィルタを傾けることを含んでもよい。
【0074】
特に、調整可能な波長フィルタによって電磁放射の少なくとも1つの波長又は少なくとも1つの周波数を選択することは、調整可能な波長フィルタの温度を変化させて、調整可能な波長フィルタの膨張又は収縮を達成し、電磁放射の少なくとも1つの波長を選択することを含んでもよい。ここで、調整可能な波長フィルタの少なくとも1つの構造は、変位又は変形されてもよく、波長フィルタの少なくとも1つの構造の長さは、電磁放射の少なくとも1つの波長に適合されてもよく、又は波長フィルタの構造の長さは、電磁放射の半波長に適合されてもよく、又は波長フィルタの構造の長さは、電磁放射の1/4波長に適合されてもよい。有利には、波長フィルタの構造の長さは、電磁放射の波長の任意の長さに適合されてもよい。
【0075】
調整可能な波長フィルタの調整は、光発振器の操作量の1つであってもよい。
【0076】
有利には、電磁放射を安定化させる方法において、キャビティの長さは調整可能であってもよく、キャビティの第1表面及び/又は第2表面は、アクチュエータに結合されてもよい。アクチュエータは、第1表面及び/又は第2表面に作用して長さを調整し、それによって電磁放射の少なくとも1つの波長を調整するように構成されてもよく、少なくとも第2操作量は、第1表面及び/又は第2表面に作用するアクチュエータの動作を含むことができる。
【0077】
特に、キャビティの長さを調整することにより、半導体レーザ、特にダイオードレーザと、キャビティとの結合を調整することができる。ここで、半導体レーザ、特にダイオードレーザは、キャビティの所定の長さで、キャビティの1つの電磁モード又は複数の電磁モードを励起してもよい。電磁モード又は複数の電磁モードは、少なくとも1つの波長を含み得るが、更なる波長の励起は抑制されてもよい。このようにして、電磁放射の少なくとも1つの波長の調整を達成することができる。
【0078】
特に、アクチュエータは、圧電効果に基づいてもよいし、電気光学変調器であってもよい。
【0079】
好ましくは、キャビティは、電磁放射の少なくとも1つの波長を調整するために熱膨張によってキャビティの長さを変更するための温度素子を介して加熱可能であってもよく、温度素子によって生成されるキャビティの熱膨張は、光発振器のさらなる操作量を表すことができる。
【0080】
好ましくは、キャビティは、電磁放射の少なくとも1つの波長を調整するために熱収縮によってキャビティの長さを変更するための温度素子を介して冷却可能であってもよく、温度素子によって生成されるキャビティの熱収縮は、光発振器のさらなる操作量を表すことができる。
【0081】
温度素子は、キャビティの部分領域のみを加熱するように配置されてもよい。しかし、温度素子はまた、キャビティ全体にわたって少なくとも大部分が均一に分布する温度でキャビティを加熱するように配置されてもよい。温度素子は、キャビティの温度を制御するため、特にキャビティの温度を安定させるための温度測定装置を含んでもよい。
【0082】
有利には、半導体レーザは、電流によって電子的に励起(ポンピング)されてもよい。この場合、電流の絶対値を変更すると、電磁放射の少なくとも1つの波長が短縮又は伸張され得る。また、少なくとも第1操作量は電流を含んでもよい。
【0083】
有利には、半導体レーザは、電磁放射の少なくとも1つの波長を調整するために半導体レーザの形状を変更するために加熱可能であり、半導体レーザの形状を変更することは、光発振器の別の操作量を表すことができる。
【0084】
有利な実施形態において、比較ユニットによって位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を生成することは、光発振器の電磁放射と第1基準源の電磁放射との間の周波数差及び/又は位相差を生成するための少なくとも1つの波長変換処理を含んでもよい。
【0085】
ここで、波長変換処理は、アナログミキサで実現してもよい。
【0086】
有利には、第1基準源の電磁放射は、周波数コムによって生成されてもよい。
【0087】
有利な実施形態では、第2基準源の電磁放射は、光発振器の電磁放射と第1基準源の電磁放射との間の周波数差及び/又は位相差に対して調整及び適応可能であり得る。
【0088】
有利な実施形態では、第2基準源の電磁放射は、少なくとも1つの周波数を含んでもよく、第2基準源の電磁放射の周波数は、500kHz~10GHzの範囲、好ましくは500kHz~1GHzの範囲、好ましくは500kHz~3GHzの範囲、好ましくは500kHz~5GHzの範囲に設定されてもよい。
【0089】
有利な実施形態において、本発明による方法は修正されてもよく、本発明による方法の修正は、第2コントローラの出力信号をオフにするために、第2コントローラを非アクティブにすること、ダイオードドライバを設けること、第2重畳を生成するために、第3コントローラの出力信号を第1コントローラの出力信号に重ね合わせる代わりに、第1重畳を生成するために、変調を第3コントローラの出力信号を重ね合わせること、を含んでいる。ここで、第2重畳を生成するために、光発振器の少なくとも1つの第1操作量を制御するために、ダイオードドライバの出力信号をさらに第1コントローラの出力信号に重ね合わせてもよい。ダイオードドライバの出力信号は電圧及び/又は電流であってもよく、好ましくは、ダイオードドライバの出力信号は電圧パルス及び/又は電流パルスであってもよい。
【0090】
本発明による装置は、有利には、波長変換器と波長比較器とを含む比較ユニットを含んでもよく、さらに、第1基準源と、第2基準源と、第1コントローラと、少なくとも第1操作量とを含んでもよく、光発振器は第1操作量によって制御されるように構成され、比較ユニットは位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を発生するように構成される。波長変換器は、光発振器の電磁放射と第1基準源の電磁放射の間の周波数差及び/又は位相差を生成するように構成され、波長比較器は、光発振器の電磁放射と第1基準源の電磁放射との間の周波数差及び/又は位相差を、第2基準源の電磁放射の周波数及び/又は位相と比較し、位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を生成する。ここで、さらに第1コントローラは、位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を受信して、第1コントローラの少なくとも出力信号で第1操作量を制御し、位相偏差信号及び/又は周波数偏差信号を制御又は調整するように構成され、変調を生成する変調ユニットを含んでもよく、第2コントローラの出力信号で変調の少なくとも第1重畳を生成する第1重畳ユニットを含んでもよい。さらに、本発明による装置は、第2操作量を含んでもよく、光発振器は、第2操作量によって制御されるように構成されてもよく、少なくとも第2操作量は、第1重畳によって制御されるように構成されてもよい。特に、本発明による装置は、第1コントローラの出力信号から復調信号を生成するように構成され得る復調ユニットを含んでもよく、復調ユニットは、復調信号で第3コントローラを制御し、復調信号により制御される第3コントローラの出力信号を生成するようにさらに構成されてもよい。好ましくは、本発明による装置は、光発振器の少なくとも1つの第1操作量を第2重畳で制御するように構成され得る第2重畳ユニットを含んでもよく、第2重畳ユニットは、第1コントローラの出力信号及び復調信号によって制御される第3コントローラの出力信号から第2重畳を生成するように構成されてもよい。特に、本発明による装置は、制御ユニットを含んでもよく、この制御ユニットは、第2操作量を制御することと、第1操作量を制御することとの間の比率を制御するように構成されてもよい。
【0091】
本装置の有利な実施形態では、電磁放射の少なくとも1つの波長を選択するために、調整可能な波長フィルタが発振器のキャビティ内に配置されてもよく、調整可能な波長フィルタは、光発振器の別の操作量であってもよい。
【0092】
代替の有利な実施形態において、本発明による装置は修正されてもよく、本発明による装置の修正は、第2コントローラを含まず、第2コントローラの出力信号を含まない装置を含んでもよく、さらにダイオードドライバを含んでもよい。ダイオードドライバは、出力信号を生成するように構成されてもよく、ダイオードドライバの出力信号は電圧及び/又は電流を含んでよく、有利にはダイオードドライバの出力信号は、電圧パルス及び/又は電流パルスを含んでもよい。修正はさらに、第1重畳ユニットを含んでもよく、第1重畳ユニットは、第2重畳ユニットに、第1コントローラの出力信号を第3コントローラの出力信号に重ね合わせて第2重畳を生成させる代わりに、変調ユニットの変調を第3コントローラの出力信号に重ね合わせて少なくとも第1重畳を生成するように構成されてもよい。修正は、第2重畳ユニットをさらに含んでもよく、第2重畳ユニットは、光発振器の少なくとも1つの第1操作量を制御するために、ダイオードドライバの出力信号を第1コントローラの出力信号に重ね合わせて第2重畳を生成するように構成されてもよい。
【0093】
ダイオードドライバは、レーザを駆動するように構成されてよく、レーザの内部部品として設計されてもよい。好ましくは、ダイオードドライバは、レーザの外部部品として構成されてもよく、電子接続を介してレーザに結合されてもよい。
【0094】
本発明を、図に示される例示的な実施形態を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
図1】本発明による方法の好ましい実施形態による、又は本発明による装置の好ましい実施形態による、電磁放射の制御の概略図である。
図2】本発明による方法の好ましい実施形態による、又は本発明による装置の好ましい実施形態による、電磁放射の制御の概略図である。
図3】本発明による方法の好ましい実施形態による、又は本発明による装置の好ましい実施形態による、電磁放射の制御を示す概略図である。
図4】本発明による方法の好ましい実施形態による、又は本発明による装置の好ましい実施形態による、電磁放射の制御を示す概略図である。
図5】本発明による方法の好ましい実施形態による、又は本発明による装置の好ましい実施形態による、電磁放射の制御を示す概略図である。
図6】本発明による方法の好ましい実施形態による、又は本発明による装置の好ましい実施形態による、電磁放射の制御を示す概略図である。
図7】本発明による方法に従う、又は本発明による装置による、電磁放射を生成し安定化させるための2つの操作量を有する光発振器を示す概略図である。
図8】本発明による方法の有利な実施形態による、又は本発明による装置の有利な実施形態による、電磁放射の制御を示す概略図である。
図9】本発明による方法の代替的な有利な実施形態による、又は本発明による装置の代替的な有利な実施形態による、電磁放射の制御を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0096】
対応する構成要素には、図及び以下の詳細な図の説明において、同じ参照符号を付している。さらに、上記及び後述の光発振器(特にレーザ)の電磁放射を安定化させる方法の構成要素、又は光発振器(特にレーザ)の電磁放射を安定化させるための装置の構成要素など、対応する効果を有する代替の構成要素は、上記及び後述の同じ方法又は装置の構成要素と交換可能と見なされる。
【0097】
図1は、光発振器3の電磁放射1を安定化させるための本発明による好ましい方法を可能にし得る、電磁放射1を安定化させるための本発明による装置1000の好ましい実施形態を示している。光発振器3は、第1操作量5と第2操作量7を含んでもよい。さらに、光発振器3は、キャビティ9を含んでもよく、キャビティ9は長さ11を有してもよい。そのような光発振器3は、図7において装置1000とは別に示されており、装置1000においてそのように使用されてもよいが、幾何学的に異なる配置の光発振器3又は機能的に異なる配置の光発振器3も装置1000において使用されてもよい。特に、光発振器3はレーザであってもよい。光発振器3は、電磁放射1を生成するために、本発明による好ましい装置1000に配置されてもよい。ここで、光発振器3は、半導体レーザ13をさらに含んでもよく、その半導体レーザ13は、キャビティ9の内部領域15に配置されてもよい。この点、半導体レーザ13は、キャビティ9の少なくとも1つのモードを励起してもよい。さらに、測定装置17が設けられてもよく、その測定装置17は、電磁放射1を受信するように構成されてもよい。測定装置17は、以下でさらに説明するように、様々な方法で構成されてもよい。
【0098】
好ましくは、測定装置17は、第1基準21を生成するための基準生成器19を含んでもよい。第1基準21は、信号、特に基準信号21の形態であってよい。基準信号21は、周波数及び/又は位相を含んでもよい。
【0099】
さらに好ましくは、測定装置17は、電磁放射1に対して独立した測定装置として構成されてもよく、この構成では、測定装置17は、以下に説明するように構成されてもよい。
【0100】
測定装置17が独立した測定装置として構成されている場合、すなわち基準生成器19がない場合、基準信号を測定装置17の内部で生成してもよい。このため、独立した測定装置として構成された測定装置17は、物理的な構成要素として第2基準23を含んでもよい。物理的な構成要素としての第2基準23は、電磁放射1を分析、測定又は処理するための測定器又はさらなる構成要素であってもよい。
【0101】
この点に関して、測定装置17がスタンドアロン測定装置として実装される場合、測定装置17は、様々な周波数選択要素を含んでもよく、特に様々な周波数選択要素は、個別に又は組み合わせて、物理的な構成要素として前述の第2基準23を形成してもよい。有利には、様々な周波数選択要素は、共振器25、さらに有利には原子又は分子ガス27、又はさらに有利には、任意の構成であるが装置1000内で機能するように適合された周波数又は位相測定器29、特に波長計31又は干渉計33を含んでもよい。
【0102】
特に、上記した周波数安定化は、共振器25、原子又は分子ガス27、又は周波数又は位相測定器29、特に波長計31又は干渉計33を含んでもよい。
【0103】
好ましくは、測定装置17は、電磁放射1、特に電磁放射3の位相又は周波数を、第1基準21及び/又は第2基準23と比較することによって、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37を生成するように構成されてもよい。第2基準23は、ここでは、例えば共振器25の共振周波数41のような特性周波数39を含んでもよい。
【0104】
有利には、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37は、電磁放射1と第1基準21又は第2基準23との間の差分43に比例し得る信号であってもよく、特に差分43は、電磁放射1と基準信号23又は特性周波数39との間で定義されてもよい。有利には、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37は、差分38に比例し得る信号であってもよく、その差分38は、電磁放射1と第1基準21との間の差分を取り、基準23から電磁放射1と第1基準21との間の差分を減算することによって定義されてもよい。差分38に比例する信号は、第1偏差信号38とも称される。一実施形態では、差分43に比例する信号が、第1偏差信号38とみなされてもよい。差分38及び差分43は、電磁放射信号であってもよく、各々、周波数及び位相を含んでもよい。
【0105】
基準信号23は、周波数及び/又は位相を含んでもよく、特性周波数39は、位相も含んでもよい。また、電磁放射1と、第1基準21又は第2基準23の周波数依存量45との間の差分が得られてもよい。位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37は、差分38を含んでもよく、幾つかの実施形態では差分43を含んでもよいので、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37は、第1偏差信号38と見なすことができる。
【0106】
好ましい実施形態において、測定装置は、第1入力47、第2入力49、及び第1出力51を含んでもよい。ここで、電磁放射1は、第1入力47に結合されてもよく、基準信号21は、第2入力49に結合されてもよく、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37は、第1出力51で出力されてもよい。
【0107】
位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37は、第1コントローラ55の第3入力53に結合されてもよい。位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37の形態に応じて、第1コントローラ55は、制御ループ59を制御するために少なくとも1つの出力信号57を生成してもよい。ここで、出力信号57は操作量5を駆動又は制御してもよく、操作量5は光発振器3に作用し、したがって、電磁放射1を調整するために電磁放射1に作用してもよい。特に、差分43が、電磁放射1が基準21(特に、基準信号21)から逸脱していることを示すとき、又は、差分43が、電磁放射1が基準23(特に、特性周波数39)から逸脱していることを示すとき、コントローラ55は、さらなるコントローラを制御するために出力信号57を生成してよい。有利な実施形態では、コントローラ55は、差分38が、電磁放射1と第1基準21との間の差が基準23から逸脱していることを示すとき、さらなるコントローラを制御するために出力信号57を生成してもよい。
【0108】
電磁放射1は、基準と完全に一致する必要はないが、基準に対する電磁放射1の一定のオフセット値からの逸脱も考慮されてよい。コントローラ55は、差分43が、電磁放射1が基準23から、特に特性周波数39から逸脱しているか、又は基準21から逸脱していることを示す場合、少なくとも出力信号57を生成してもよい。一実施形態では、コントローラ55は、差38が、電磁放射1と第1基準21との間の差が基準23から逸脱していることを示すとき、少なくとも出力信号57を生成してよい。特に、差分43が、電磁放射1が基準21から逸脱せず、特に基準信号21から逸脱しないことを示すとき、又は差分43が、電磁放射1が基準23から逸脱せず、特に特性周波数39から逸脱しないことを示すときに、当てはまる。出力信号57は、有限値を含んでもよく、特に有限の振幅を含んでもよいが、出力信号57はゼロであってもよい。出力信号57は、電磁信号であってもよいし、定電流又は定電圧を含んでもよく、定電流は0アンペアであってもよく、定電圧は0ボルトであってもよい。出力信号57は、復調ユニット61に結合されてもよい。さらに、変調ユニット63が、変調信号65を生成するために設けられてもよい。変調信号65は、復調ユニット61に提供されて、第2出力69において、固定値73からの偏差を示す第2信号71を生成してもよい。第2偏差信号71は、第2コントローラ74に提供されてもよく、第2コントローラ74は、出力信号75を生成し、出力信号75は、変調信号65と共に第2操作量7を制御してもよい。特に、第2操作量7は、電磁放射1を調整するために、光発振器3に作用してもよく、したがって、電磁放射1に作用してもよい。特に、2つの操作量5及び7は、電磁放射1を調整するために、光発振器3に一緒に作用してもよく、したがって、電磁放射1に作用してもよい。ここで、操作量5は、操作量7の反応時間とは異なる反応時間を含んでもよい。ここで、反応時間は、操作量を制御してから、操作量が光発振器3に影響を与えるまでの間に経過する時間であってもよい。また、操作量5の反応時間は、操作量7の反応時間よりも長くてもよい。一実施形態では、操作量7の応答時間も、操作量5の応答時間より長くてもよい。この場合、第1電磁放射1を安定化させるために、第2偏差信号71が規制されてもよい。
【0109】
本明細書にその全体が記載されている一般的な発明思想に従う一実施形態では、操作量5、7を制御して得られる比率77は、測定装置79によって測定されてもよい。第2偏差信号81は、固定値83からの比率77の偏差から生成されてもよい。第2偏差信号81は、第2コントローラ74が出力信号75を生成するように、第2コントローラ74に結合されてもよい。出力信号75は、変調信号65と共に、第2操作量7を制御してもよい。第1電磁放射1を安定させるために、第2偏差信号71を調整してもよいし、比率77を調整してもよい。
【0110】
操作量5及び/又は7は、キャビティ9内に配置されてもよいが、代替的に、図6に示すように、キャビティ9の外側に配置されてもよい。図6は、装置5000によって形成される、さらなる好ましい実施形態を示している。ここで、操作量5は、キャビティ9の外側に配置されてもよい。装置5000の制御部、すなわちコントローラ全体又はコントローラの一部は、上記又は下記に説明するように構成されてもよい。
【0111】
操作量又は制御要素5及び/又は7は、光発振器3に作用する異なる構成要素、例えば、半導体レーザ13を動作させるために提供され得る電流84、光発振器3に配置され得る温度コントローラ85、又は光発振器3を機械的に、特にわずかに変形させるように構成され得る少なくとも1つのアクチュエータ87を含んでもよい。
【0112】
アクチュエータ87は、光発振器3の光路長を調整するように構成されてもよい。アクチュエータ87は、電気光学変調器として構成されてもよく、その電気光学変調器に印加される電圧は、電気光学変調器に作用して、光発振器3の光路長を調整するように構成されてもよい。
【0113】
図2は、装置1500によって表される別の好ましい実施形態を示している。図2に示す実施形態は、図1に示す実施形態に基づいており、変調信号65が操作量7に結合され、第2変調信号66が操作量5に結合される。変調信号65及び66は、互いに位相が逆である信号特性によって特徴付けられる。変調信号65の振幅と変調信号66の振幅は、電磁放射1の目標状態を設定するために調整されてもよい。目標状態において、電磁放射は、変調を受けない状態であってもよい。変調信号65の位相及び変調信号66の位相は、電磁放射1の目標状態を調整するために調整されてもよい。目標状態において、電磁放射は、変調を受けない状態であってもよい。
【0114】
図3には、装置2000によって得られる、さらなる好ましい実施形態が示されている。図1に示される実施形態とは対照的に、装置2000は、操作量5を制御するために出力信号75を操作量5に結合し、操作量7を制御するために出力信号57を操作量7に結合するように構成されている。
【0115】
出力信号75は、操作量5又は操作量7のいずれかに結合されてもよく、出力信号57は、それぞれの他の操作量5又は7に結合されてもよい。また、出力信号75と出力信号57とが操作量5に結合される場合もあれば、出力信号75と出力信号57とが操作量7に結合される場合もある。また、変調信号65は、操作量5に結合されてもよいし、操作量7に結合されてもよい。この場合、操作量5は、操作量7の応答時間よりも長い応答時間を有していてもよい。しかし、一実施形態では、操作量7の応答時間も、操作量5の応答時間より長くてもよい。コントローラ55は、前述の制御動作に提供され得る少なくとも1つの出力信号57を生成してもよい。一実施形態では、コントローラは、前述の制御動作に提供され得る出力信号57及び出力信号58を生成するための、少なくとも2つの出力を含んでもよい。出力信号58は、操作量5を制御するために操作量5に結合されてもよく、出力信号57は、操作量7を制御するために操作量7に結合されてもよい。一実施形態では、出力信号58は、操作量7を制御するために操作量7に結合されてもよく、出力信号57は、操作量5を制御するために操作量5に結合されてもよい。
【0116】
操作量5が操作量7の応答時間よりも長い応答時間を有し、出力信号58が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号57が操作量7を制御するために操作量7に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号57よりも大きい振幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号57よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように制御されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が遅い出力信号58を生成するように構成されてもよい。
【0117】
操作量5が操作量7の応答時間よりも短い応答時間を有し、出力信号58が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号57が操作量7を制御するために操作量7に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号57よりも小さい振幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号57よりも大きい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が速い出力信号58を生成するように構成されてもよい。
【0118】
操作量5が操作量7の応答時間よりも長い応答時間を有し、出力信号57が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号58が操作量7を制御するために操作量7に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号58よりも大きい振幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号58よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号58よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が遅い出力信号57を生成するように構成されてもよい。
【0119】
操作量5が操作量7の応答時間よりも短い応答時間を有し、出力信号57が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号58が操作量7を制御するために操作量7に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号58よりも小さい振幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号58よりも大きい周波数帯域幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号58よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が速い出力信号57を生成するように構成されてもよい。
【0120】
また、既に上記した装置1000の制御シーケンス又は構成要素は、装置2000に設けられてもよい。装置2000の制御部、すなわち、コントローラ全体又はコントローラの一部は、上記又は以下に説明するとおりであってよい。
【0121】
図4において、装置3000によって得られる、さらなる好ましい実施形態が示されている。ここでは、操作量、例えば操作量7は、出力信号58で制御されてもよい。さらに、別の操作量、例えば操作量5は、出力信号57と同様に、第2偏差信号71又は81で制御されてもよい。出力信号75は、操作量5又は操作量7のいずれかに結合されてもよく、出力信号57は、それぞれの他の操作量5又は7に結合されてもよい。既に上記した他の実施形態、特に装置1000の制御シーケンス又は構成要素を、装置3000に設けてもよい。装置3000の制御部、すなわちコントローラ全体又はコントローラの一部は、上記又は以下に説明するとおりであってよい。
【0122】
出力信号58は、復調ユニット61に結合される。変調ユニット63で生成された変調信号65は、復調ユニット61に供給され、第2出力69における固定値73からの偏差を示す第2偏差信号71を生成する。
【0123】
出力信号58は、出力信号57をそのダイナミックレンジの中心に保つために、より大きなダイナミックレンジを有する別の制御要素、例えば操作量7を制御するように構成される。
【0124】
コントローラ55は、少なくとも、前述の制御アクティビティに提供され得る出力信号57を生成してもよい。一実施形態では、そのコントローラは、前述の制御アクティビティに提供され得る出力信号57及び出力信号58を生成するための、少なくとも2つの出力を含んでもよい。一実施形態において、出力信号58は、操作量5を制御するために操作量5に結合されてもよく、出力信号57は、操作量7を制御するために操作量7に結合されてもよい。一実施形態において、出力信号58は、操作量7を制御するために操作量7に結合されてもよく、出力信号57は、操作量5を制御するために操作量5に結合されてもよい。
【0125】
操作量5が操作量7の応答時間よりも長い応答時間を有し、出力信号58が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号57が操作量7を制御するために操作量7に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号57よりも大きい振幅を有する出力信号58を生成するために構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号57よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように制御されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が遅い出力信号58を生成するように構成されてもよい。
【0126】
操作量5が操作量7の応答時間よりも短い応答時間を有し、出力信号58が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号57が操作量7を制御するために操作量7に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号57よりも小さい振幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号57よりも大きい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が速い出力信号58を生成するように構成されてもよい。
【0127】
操作量5が操作量7の応答時間よりも長い応答時間を有し、出力信号57が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号58が操作量7を制御するために操作量7に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号58よりも大きい振幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号58よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号58よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号58よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が遅い出力信号57を生成するように構成されてもよい。
【0128】
操作量5が操作量7の応答時間よりも短い応答時間を有し、出力信号57が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号58が操作量7を制御するために操作量7に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号58よりも小さい振幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号58よりも大きい周波数帯域幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号58よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が速い出力信号57を生成するように構成されてもよい。
【0129】
図5は、装置4000によって実装される別の好ましい実施形態を示している。ここでは、装置4000が3つの操作量5、7、89を含むように、第3操作量89が提供されてもよい。既に上記した他の実施形態、特に装置1000の制御シーケンス又は構成要素も、装置4000に設けられてもよい。装置4000の制御部、すなわちコントローラ全体又はコントローラの一部は、上記又は以下に説明するとおりであってよい。変調信号65は、第3操作量89に結合されてもよく、出力信号75は、操作量7に結合されてもよい。出力信号57は、操作量5又は89に結合されてもよい。出力信号58は、操作量5又は89の中に結合されてもよい。特に、3つの操作量5、7、89は、電磁放射1を調整するために、光発振器3に一緒に影響を与え、したがって、電磁放射1に影響を与えてもよい。しかし、3つの操作量5、7、89はまた、個別に、又は2つの操作量の組み合わせで、光発振器3に影響を与えてもよく、したがって、電磁放射1を調整するために、電磁放射1に影響を与えてもよい。
【0130】
コントローラ55は、前述の制御アクティビティに提供され得る少なくとも1つの出力信号57を生成してもよい。一実施形態では、そのコントローラは、前述の制御アクティビティに提供され得る出力信号57及び出力信号58を生成するための、少なくとも2つの出力を含んでもよい。出力信号58は、操作量5を制御するために操作量5に結合されてもよく、出力信号57は、操作量89を制御するために操作量89に結合されてもよい。一実施形態では、出力信号58は、操作量89を制御するために操作量89に結合されてもよく、出力信号57は、操作量5を制御するために操作量5に結合されてもよい。
【0131】
操作量5が操作量89の応答時間よりも長い応答時間を有し、出力信号58が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号57が操作量89を制御するために操作量89に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号57よりも大きい振幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号57よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が遅い出力信号58を生成するように構成されてもよい。
【0132】
操作量5が操作量89の応答時間よりも短い応答時間を有し、出力信号58が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号57が操作量89を制御するために操作量89に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号57よりも小さい振幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号57よりも大きい周波数帯域幅を有する出力信号58を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号57よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が速い出力信号58を生成するように構成されてもよい。
【0133】
操作量5が操作量89の応答時間よりも長い応答時間を有し、出力信号57が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号58が操作量89を制御するために操作量89に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号58よりも大きい振幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号58よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号58よりも小さい周波数帯域幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号58よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が遅い出力信号57を生成するように構成されてもよい。
【0134】
操作量5が操作量89の応答時間よりも短い応答時間を有し、出力信号57が操作量5を制御するために操作量5に結合され、出力信号58が操作量89を制御するために操作量89に結合される実施形態では、コントローラ55は、出力信号58よりも小さい振幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特に、コントローラ55は、出力信号58よりも大きい周波数帯域幅を有する出力信号57を生成するように構成されてもよく、特にコントローラ55は、出力信号58よりも振幅及び/又は周波数及び/又は位相の時間変化が速い出力信号57を生成するように構成されてもよい。
【0135】
図7は、光発振器3の一実施形態を示し、光発振器3は、第2操作量7と同様に第1操作量5を含んでもよいが、既に上記した第3操作量89(図7には示されていない)のような、さらなる操作量を含んでもよい。さらに、光発振器3は、キャビティ9によって囲まれていてもよく、キャビティ9は、長さ11を有してもよい。ここで、光発振器3の各構成要素は、光発振器3の他の構成要素とは独立して、光発振器3と組み合わせて使用することができる。しかし、2つ以上の構成要素を光発振器3と共に使用してもよい。図7に示す光発振器3のさらなる構成要素は、図8に示す装置6000と関連して説明する。図7に示す光発振器3の構成要素は、本明細書で説明する実施形態の任意の光発振器3、特に、図1~6又は9に示す実施形態の光発振器3で使用することができる。
【0136】
図8には、光発振器3からの電磁放射1を安定化させるための本発明による有利な装置6000が示されており、この装置によって、光発振器3からの電磁放射1を安定化させるための本発明による有利な方法が可能になる。図8に示す光発振器3は、光発振器3の詳細な実施形態が図7に示されており、簡略化された実施形態で示されている。しかし、「詳細な」という用語は、図7に示された光発振器が、追加の操作量などの追加の構成要素を含むように拡張され得ないことを意味するように解釈されてはならない。有利な装置6000は、追加の構成要素を含み、それら構成要素は、装置1000、2000、3000、4000、及び5000にも設けられてもよく、装置1000、2000、3000、4000、及び5000にモジュール方式で組み合わされてもよい。例えば、半導体レーザ13は、追加の構成要素を含んでもよく、及び/又は、1つ以上のフィルタがキャビティ9に設けられてもよい。これについては、次に、さらに詳細に説明する。
【0137】
ここで、光発振器3は、特に、レーザであってもよい。光発振器3は、本発明による装置6000に配置され、電磁放射1を生成してもよい。ここで、光発振器3は、半導体レーザ13をさらに含んでもよく、半導体レーザ13は、第1表面91及び第2表面93を含んでもよく、半導体レーザ13は、キャビティ9内に配置されてもよい。半導体レーザ13の第1表面91に隣接して、調整可能な波長フィルタ(波長可変フィルタ)95がさらに配置されてもよく、その波長フィルタもキャビティ9内に配置されてもよい。
【0138】
調整可能な波長フィルタ95は、体積ホログラフィックブラッグ回折格子(VHBG)であってもよく、調整可能な波長フィルタ95は、電磁放射1の少なくとも1つの波長を選択するように構成されてもよい。電磁放射1の少なくとも1つの波長の選択は、電磁放射1の伝搬方向に対して波長フィルタ95を傾斜させることによって達成されてもよい。一実施形態では、電磁放射1の少なくとも1つの波長を選択は、波長フィルタ95の温度を制御することによって達成されてもよい。この点に関して、波長フィルタ95の膨張又は収縮は、波長フィルタ95を加熱又は冷却することによって達成されてもよく、それによって、選択された波長又は選択された波長連続体の電磁放射1に対する透過又は反射特性が生じ、選択された波長又は選択された波長連続体の電磁放射は、少なくとも部分的に波長フィルタ95を透過するか、又は波長フィルタ95によって少なくとも部分的に反射する。有利な実施形態では、電磁放射1の少なくとも1つの波長の選択を達成するための特に有利な代替手段を作成するために、波長フィルタ95は、電磁放射1の伝搬方向に対して傾いていてもよい。波長フィルタ95の温度は、制御されてもよい。
【0139】
あるいは、調整可能な波長フィルタ95は、周波数選択性回析格子として構成されてもよく、電磁放射1の少なくとも1つの波長の選択は、電磁放射1の伝搬方向に対して傾斜した傾斜周波数選択性回析格子によって達成され得る。
【0140】
代替の実施形態において、調整可能な波長フィルタ95は、誘電体フィルタとして実装されてもよく、電磁放射1の少なくとも1つの波長を選択することは、電磁放射1の伝搬方向に対して長手方向の誘電体フィルタの光路長によって達成されてもよく、電磁放射1の少なくとも1つの波長をさらに選択することは、電磁放射1の伝搬方向に対して傾いた誘電体フィルタによって達成されてもよい。誘電体フィルタの光路長は、傾斜させることによって、又は誘電体フィルタの温度を変化させることによって得られてもよい。しかし、特に、誘電体フィルタの温度を変化させることにより、誘電体フィルタが伸縮して、誘電体フィルタの光路長が電磁放射1の伝搬方向に対して長手方向に変化させてもよい。特に、温度を変化させることにより、誘電体フィルタの光路長だけでなく、前述した調整可能な波長フィルタの光路長も変化させることができる。
【0141】
アクチュエータ97は、調整可能な波長フィルタ95に隣接して配置されてもよく、また、アクチュエータ97は、キャビティ9内に配置されてもよい。特に、キャビティ9又は光発振器3は、第1表面99と第2表面101とによって境界が形成されてもよい。ここで、キャビティ9の第1表面99及び/又はキャビティ9の第2表面101は、アクチュエータ97に結合されてもよく、図8の有利な実施形態では、キャビティ9の第1表面99のみがアクチュエータ97に結合される。
【0142】
さらに、第1操作量5は、電流、特に電流の変化であってよく、半導体レーザ13は、この電流によって電子的に励起されてもよい。半導体レーザ13を励起するために提供され得る電流の絶対値の変化は、電磁放射1の少なくとも1つの波長の短縮又は長波長化をもたらす可能性がある。しかし、操作量5は、外部で調節可能な電流源、特にドライバとして理解されてもよく、操作量5は、半導体レーザ13に結合されてもよい。特に、アクチュエータ97は、圧電効果に基づいていてもよく、圧電効果は、外部からアクチュエータ97に印加される電圧によって活性化されてもよい。したがって、この場合、操作量7は、アクチュエータ97に電圧を印加するように構成された電圧源、例えば電圧電源であってもよい。しかし、アクチュエータ97はまた、電気光学変調器であってもよい。この場合、電気光学変調器は、電気光学効果に基づく光学装置であってもよく、電気光学効果は、外部から電気光学変調器に印加される信号によって、電磁放射1の振幅又は位相に作用することを可能にし得る。この実施形態では、操作量7は、電気光学変調器を制御するためのシグナル伝達要素によって表されるであろう。
【0143】
さらに、比較ユニット103が本発明による装置6000に設けられてもよく、比較ユニット103は、波長変換器105及び波長比較器107をさらに含んでもよい。比較ユニット103は、典型的には、電磁放射1を比較ユニット103に結合するための第1入力105を含んでもよい。さらに、比較ユニット103は、第1基準源111からの電磁放射109を比較ユニット103に結合するための第2入力107を含んでもよい。さらに、比較ユニット103は、第2基準源117の電磁放射115に結合するための第3入力113を含んでもよい。最後に、比較ユニット103は、第1出力119を含んでもよく、そこから位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37が結合出力されてもよい。ここで、位相偏差信号35は、既に上記した位相検出器によって生成されてもよい。さらに、周波数偏差信号37は、既に上記したアナログミキサによって生成されてもよい。
【0144】
入力121は、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37を受信するように構成されてもよく、入力121は、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37を第1コントローラ123及び/又は第2コントローラ125に転送してもよい。さらに、制御ユニット127は、第1コントローラ123及び/又は第2コントローラ125を制御するために提供されてもよい。さらに、第1重畳ユニット129は、第2コントローラ125から出力信号131を受信するように構成されてもよい。
【0145】
さらに、第1重畳ユニット129は、第2コントローラ125の出力信号131を第2操作量7に結合するように構成されてもよい。したがって、特に、アクチュエータ97は、操作量7から第2コントローラ125の出力信号131を受信することによって、
第2コントローラ125によって制御されるように構成されてもよく、操作量7が今度はアクチュエータ97を制御する。第2重畳ユニット133は、第1コントローラ123の出力信号135を受信するように構成されてもよい。ここで、第1操作量5は、第1重畳ユニット133を介して、第1コントローラ123の出力信号135を受信するように構成されてもよい。したがって、半導体レーザ13は、第1コントローラ123の出力信号135が第1重畳ユニット133を介して操作量5を制御するという点で、第1コントローラ123の出力信号135によって制御されてもよく、操作量5は、半導体レーザ13を制御することができる。
【0146】
さらに、復調ユニット137が設けられてもよく、このユニットは、第1コントローラ123の出力信号135を受信するようにさらに構成されてもよい。さらに、変調ユニット139が設けられてもよく、このユニットは、変調141を生成するように構成されてよく、その変調141は、時変信号であってよい。特に、第1重畳ユニット129は、変調141を受信するように構成されてもよい。有利には、第1重畳ユニット129は、重畳143を生成するように構成されてもよく、その重畳143は、第1重畳ユニット129によって、変調141及び第2コントローラ125の出力信号131から生成されてもよい。特に、第2操作量7は、重畳143を受信するように構成される。特に、したがって、アクチュエータ97は、重畳143を介して第2操作量7によって制御されてもよい。
【0147】
さらに、復調ユニット137は、変調ユニット139から変調141を受信するように構成されてもよい。ここで、復調ユニット137は、固定値146から復調信号145を生成してもよい。さらに、装置6000は、第3コントローラ147を含んでもよく、それは、復調信号145によって制御されるように構成されてもよい、さらに、第3コントローラ147は、出力信号149を生成するように構成されてもよい。最後に、第2重畳ユニット133は、第3コントローラ147から出力信号149を受信するように構成されてもよい。特に、第2重畳ユニット133は、第2重畳151を生成するように構成されてもよく、第2重畳151は、第3コントローラ147の出力信号149と第1コントローラ123の出力信号135との重ね合わせであってよい。
【0148】
特に、第1操作量5は、第2重畳151によって制御されるように構成されてもよい。これにより、半導体レーザ13は、操作量5を介して、第2重畳151によって制御されてもよい。
【0149】
有利には、本発明による装置6000に温度素子153を設けてもよく、温度素子153は、キャビティ9に結合されてもよく、特に温度素子153は、キャビティ9の外壁に結合されてもよい。このようにして、キャビティ9は、熱膨張によってキャビティ9の長さ11の変化を達成するために加熱されてもよい。これによって、電磁放射1の少なくとも1つの波長が調整されてもよい。特に、温度素子153によってキャビティ9を室温以上であり得るキャビティ9の温度に向かって加熱することにより、キャビティ9の温度安定化が達成され、ひいては光発振器3の温度安定化が達成されてもよい。温度素子153はまた、ペルチェ素子を含んでもよく、熱収縮によってキャビティ9の長さ11の変化を達成するために、キャビティ9を冷却することが実現可能であるだろう。温度素子153は、別の操作量/制御要素を表してもよく、図8又は図9に明示されていないが、コントローラ123又は125によって制御されてもよい。調整可能な波長フィルタ95は、別の操作量を表してもよく、図8又は図9に明示されていないが、コントローラ123又は125によって制御されてもよい。
【0150】
この場合、第1電磁放射1を安定させるために、復調信号145を制御してもよい。復調信号145は、固定値146からの偏差信号であってもよい。
【0151】
図9は、光発振器3からの電磁放射1を安定化させるための本発明による装置のさらなる実施形態を示す。この実施形態は、示された装置7000によって実施される。図9に示された有利な実施形態に達するために、図8の発明による有利な装置6000は変更されてもよく、図8の発明による有利な装置6000の変更は、第2コントローラ123を含まず、及び出力信号131を含まない、図8の装置6000を含んでもよく、及びダイオードドライバ155をさらに含んでもよい。そのダイオードドライバ155は、出力信号157を生成するように構成されてもよく、その出力信号157は電圧及び/又は電流を含んでもよい。有利には、ダイオードドライバ155の出力信号157は、電圧パルス及び/又は電流パルスを含んでもよい。第2重畳ユニット133が、第2重畳151を生成するために、第1コントローラ123の出力信号135を第3コントローラ147の出力信号149と重ね合わせるように適合されるよりもむしろ、変更例では、重畳ユニット129をさらに含み、その重畳ユニット129は、変調141と第3コントローラ147の出力信号149を重畳し、少なくとも第1重畳143を生成するように構成されてもよい。変更例は、第2重畳ユニット133をさらに含み、その第2重畳ユニット133は、ダイオードドライバ155の出力信号157を第1コントローラ123の出力信号135と重ね合わせ、光発振器3の少なくとも1つの第1操作量5を制御するために、第2重畳151を生成するように構成されてもよい。
【0152】
したがって、図8に示され、上記した、光発振器3、特にレーザの電磁放射1を安定化させるための本発明による装置6000は、光発振器3、特にレーザの電磁放射1を安定化させるための本発明による有利な方法を実行するために使用され得る。
【0153】
特に、前述の方法は、半導体レーザ13で電磁放射1を生成することを含んでもよく、まず電磁放射1をキャビティ9で励起し、キャビティ9に配置された調整可能な波長フィルタ95によって電磁放射1の少なくとも1つの波長を選択してもよい。さらに、電磁放射1は、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37を生成するために、電磁放射1に対して部分的に透明である第1表面99から結合されてもよい。
【0154】
この目的のために、電磁放射1は、まず比較ユニット103に結合されてもよく、ここでさらに、電磁放射1の少なくとも1つの周波数と第1基準源111の電磁放射109の少なくとも1つの周波数との間に少なくとも1つの周波数差を生成するために、第1基準源111の電磁放射109も比較ユニット103に結合されてもよい。電磁放射1の少なくとも1つの周波数と第1基準源111の電磁放射109の少なくとも1つの周波数との間の少なくとも1つの周波数差の生成は、有利には、波長変換器105によって可能となり、波長変換器105は、特にアナログミキサであってよい。周波数偏差信号37を生成するために、波長比較器107が使用されてもよく、ここで、波長比較器107によって周波数偏差信号37を生成する場合、波長比較器107はアナログミキサであってもよい。この目的のために、波長コンパレータ又はアナログミキサ107は、電磁放射1の少なくとも1つの周波数と第1基準源111の電磁放射109の少なくとも1つの周波数との間の周波数差を一方とし、第2基準源117の電磁放射115の少なくとも1つの周波数を他方として、それらの間のさらなる周波数差を生成してもよい。最終的に、前述の、電磁放射1の少なくとも1つの周波数と第1基準源111の電磁放射109の少なくとも1つの周波数との間の周波数差を一方とし、第2基準源117の電磁放射115の少なくとも1つの周波数を他方として、それらの間のさらなる周波数差は、周波数偏差信号37を表すことができる。位相偏差信号35は、基本的に周波数偏差信号37と同じ方法で生成されてもよいが、波長比較器107は、既に上記したデジタル位相検出器であってもよい。
【0155】
コントローラ123及び125が、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37によって制御される場合、重畳151及び/又は重畳143を得るために、コントローラ123は出力信号135を生成してもよく、及び/又はコントローラ125は出力信号131を生成してもよく、ここでさらに重畳143及び/又は重畳151は、電磁放射1を安定化させるために、上記の装置6000、7000の機能によって生成されてもよい。重畳143は、操作量7を制御することができ、一方、重畳151は、操作量5を制御することができる。操作量5は半導体レーザ13に接続されてもよく、及び/又は操作量7はアクチュエータ97に接続されてもよいので、これにより、アクチュエータ97及び/又は半導体レーザ13を個別に又は同時に調整することが実行可能であり得る。
【0156】
有利には、第2操作量7の制御と第1操作量5の制御との間の比率を制御するための制御ユニット127がさらに備えられてもよい。特に、制御ユニット127は、第1コントローラ123及び/又は第2コントローラ125を制御してもよい。この目的のために、制御ユニット127は、フィードバックループを含んでもよく、制御ユニット127のフィードバックループは、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37を最小化するように、又は位相偏差信号35を位相偏差信号35の少なくとも固定値に制御するように、及び/又は周波数偏差信号37を周波数偏差信号37の少なくとも固定値に制御するように構成されてもよい。このために、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37は、制御ユニット127によって測定されてもよい。さらに、制御ユニット127は、位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37を最小化するために、又は位相偏差信号35及び/又は周波数偏差信号37を固定値に制御するために、第1コントローラ123及び/又は第2コントローラ125を制御してもよい。
【0157】
さらに、図9に示され、上記した、光発振器3、特にレーザの電磁放射1を安定させるための本発明による装置7000のさらなる実施形態は、光発振器3、特にレーザの電磁放射1を安定させるための方法の本発明による実施形態を実行するために使用されてもよい。
【0158】
この点で、図8に示された装置6000を使用することによって実行され得る本発明による方法は、図9に示された装置7000の実施形態を使用することによって実行され得る方法に到達するように変更されてもよい。ここで、本発明による方法の変更例は、出力信号131をオフにするための、第2コントローラ125を非アクティブにすることと、ダイオードドライバ155を設けることと、第2重畳151を生成するための、第1コントローラ123の出力信号135に第3コントローラ147の出力信号149を重ね合わせるのではなく、第1重畳143を生成するための、第3コントローラ147の出力信号149に変調141を重ね合わせることと、を含むことができる。ここで、さらにダイオードドライバ155の出力信号157を、光発振器3の少なくとも1つの第1操作量5を制御するために、第2重畳151を生成するための、第1コントローラ123の出力信号135と重ね合わせてもよく、ダイオードドライバ155の出力信号157は電圧及び/又は電流を含んでもよく、有利には、ダイオードドライバ155の出力信号157は、電圧パルス及び/又は電流パルスを含んでもよい。
【0159】
しかし、既に上記したプロセスステップは、その他にも、図9に示す装置7000の更なる実施形態にも適用可能である。
【0160】
図8に示す装置6000と図9に示す装置7000の実施形態の両方において、少なくともアクチュエータ97は、大きな周波数及び/又は大きな位相偏差を実現するために提供されてもよいという点で、制御のダイナミックレンジを増大させるために設けられてもよい。
【0161】
図8及び図9に示す装置は、アナログ回路部品を含む部品、特に電子部品を含むことができるが、それら部品はデジタル回路部品を含むこともできる。同様に、部品は、アナログ回路部品とデジタル回路部品の両方を含んでもよい。同様に、アナログ回路部品は、デジタル回路部品に置き換えられてもよく、反対に、デジタル回路部品は、アナログ回路部品に置き換えられてもよい。一方、これにより、前述の制御動作におけるノイズを抑制し、装置による信頼性の高い制御動作を可能にすることができる。このように、波長比較器107をデジタル位相検出器として実装してもよいし、波長変換器105をアナログミキサに代えてデジタルミキサとして実装してもよい。このように、波長変換器107及び波長比較器105は、完全にデジタル回路として実装されてもよく、例えば、単一チップ上の論理回路、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)チップ上に実装されてもよい。したがって、操作量5及び操作量7並びに光発振器3を除いて、前述の制御形態は、FPGAチップによって実現されてもよい。しかし、FPGAチップ上のロジックは、操作量5及び操作量7を制御又は調節するための出力信号を提供してもよい。しかし、操作量5及び操作量7は、FPGAチップ上の論理回路によっても提供され得るような方法で提供されてもよい。FPGAチップは、回路をさらに含んでもよく、回路は、第1基準源111からの電磁放射107がFPGAチップに結合されてもよく、また光発振器3からの電磁放射1がFPGAチップに結合されるように、光インターフェースを提供してもよい。例えば、第2基準源117は、電圧制御発振器であってもよい。前述の制御形態は、半導体レーザに限らず、制御可能な出力信号を含む発振器、又は安定化させる別の制御可能な信号を提供する発振器であれば、どのようなものでもよい。
【符号の説明】
【0162】
1 電磁放射
3 光発振器
5 (第1)操作量
7 (第2)操作量
9 キャビティ
13 半導体レーザ
15 内部領域
17 測定装置
19 基準生成器
21 基準信号
23 基準信号
25 共振器
27 原子又は分子ガス
29 周波数又は位相測定器
31 波長計
33 干渉計
35 位相偏差信号
37 周波数偏差信号
38 第1偏差信号(差分)
39 特性周波数
41 共振周波数
43 差分
45 周波数依存量
47 第1入力
49 第2入力
51 第1出力
53 第3入力
55 (第1)コントローラ
57 出力信号
58 出力信号
59 制御ループ
61 復調ユニット
63 変調ユニット
65 変調信号
66 (第2)変調信号
69 第2出力
71 第2偏差信号
73 固定値
74 第2コントローラ
75 出力信号
77 比率
79 測定装置
81 第2偏差信号
83 固定値
84 電流
85 温度コントローラ
87 アクチュエータ
89 (第3)操作量
91 第1表面
93 第2表面
95 波長フィルタ
97 アクチュエータ
99 第1表面
101 第2表面
103 比較ユニット
105 波長変換器(第1入力)
107 波長比較器(第2入力)
109 電磁放射
111 第1基準源
113 第3入力
115 電磁放射
117 第2基準源
119 第1出力
121 入力
123 (第1)コントローラ
125 (第2)コントローラ
127 制御ユニット
129 第1重畳ユニット
131 出力信号
133 (第2)重畳ユニット
135 出力信号
137 復調ユニット
139 変調ユニット
141 変調
143 (第1)重畳
145 復調信号
146 固定値
147 第3コントローラ
149 出力信号
151 (第2)重畳
153 温度素子
155 ダイオードドライバ
157 出力信号
1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000 装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光発振器(3)、特に第1レーザ(13)の第1電磁放射(1)を安定化させる方法であって、
前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)と基準(21、23、39、41、115)との間の偏差(35、37、43、38)を測定し、第1偏差信号(35、37、43、38)を生成するステップと、
前記第1偏差信号(35、37、43、38)で第1コントローラ(55、123)を制御するステップと、
少なくとも2つの操作量(5、7、89)の内の少なくとも1つの第1操作量(5、7、89)を制御することによって前記第1偏差信号(35、37、43、38)を設定し、前記第1操作量(5、7、89)は、前記第1コントローラ(55、123)の第1出力信号(57、135)によって制御され、前記第1操作量(5、7、89)は、前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)に影響を与えるステップと、を備える方法において、
変調ユニット(63、139)で変調信号(65、141)を生成し、前記変調信号(65、141)で前記第1又は第2操作量(5、7、89)を制御するステップと、
前記第1コントローラ(55、123)の前記第1出力信号(57、135)を前記変調信号(65、141)で復調し、固定値(73、146)に関して第2偏差信号(71、145)を生成するステップと、
前記第2偏差信号(71、145)で第2コントローラ(74、147)を制御するステップと、
前記第2コントローラ(74、147)の出力信号(75、149)で前記操作量(5、7、89)の1つを制御し、前記第2偏差信号(71、145)を設定するステップと、を備えることを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記偏差(35、37、38、43)は最小化されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変調ユニット(63)で第2変調信号(66)を生成し、前記第2変調信号(66)で第1及び第2操作量(5、7、89)のもう片方を制御し、特に、前記第1電磁放射(1)に対する前記変調信号(65)及び前記第2変調信号(66)の効果は、互いに位相が反対であるステップと、
前記変調信号(65)の位相及び/又は振幅を調整し、前記第2変調信号(66)の位相及び/又は振幅を調整して、前記第1電磁放射(1)を変調無しで提供するステップと、を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準(21、23、39、41、115)は、無線周波数基準(159)及び第2レーザ(163、111)の第2電磁放射(161、109)を含み、前記偏差(35、37、38、43)は、前記第1電磁放射(1)と前記第2電磁放射(161、109)の差分に対する、前記無線周波数基準(159)の差分として生成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記偏差(35、37、38、43)は、周波数偏差(37、43)又は位相偏差(35、43)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記基準(23)は共振器(25)を含み、前記偏差(35、37、38、43)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相と、前記共振器(25)の周波数又は位相との間の周波数偏差(37、43)又は位相偏差(35、43)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記共振器(25)は10000から1000000の間の範囲の品質を含み、
前記品質は、前記共振器(25)の周波数を前記共振器(25)の周波数帯域幅で割ったものに等しく、及び、前記共振器(25)は、好ましくはULE(超低膨張)スペーサを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記共振器(25)はエタロン、特にファブリー・ペローエタロンを含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記基準(23)は、原子又は分子ガス(27)を含み、前記偏差(35、37、38、43)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相と、前記原子又は分子ガス(27)の共鳴の周波数又は位相との間の周波数偏差(37、43)又は位相偏差(35、43)を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記基準(23)は、周波数又は位相測定器(29、31、33)、特に波長計(31)又は干渉計(33)を含み、前記偏差(35、37、38、43)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相と、前記周波数又は位相測定器(29、31、33)の周波数又は位相との間の周波数偏差(37、43)又は位相偏差(35、43)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記光発振器(3)は、前記操作量(5、7、89)を含み、及び、半導体レーザ(13)、特にダイオードレーザ(13)を含み、前記操作量は、前記ダイオードレーザのダイオード電流(5、7、89)を含み、及び/又は前記ダイオードレーザ(13)のダイオード温度(5、7、89)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
前記光発振器(3)は、第1表面(99)及び第2表面(101)を備え、前記第1表面(99)及び前記第2表面(101)の少なくとも一方は、前記第1電磁放射(1)に対して部分的に透明であり、
特に、前記光発振器(3)は、前記第1電磁放射(1)の少なくとも1つの波長を選択するための調整可能な波長フィルタ(95)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
前記操作量(5、7、89)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相を調整するために、前記第1表面(99)及び/又は前記第2表面(101)に力を及ぼすための前記第1表面(99)及び/又は前記第2表面(101)に結合された少なくとも1つのピエゾアクチュエータを表すことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記操作量(5、7、89)は、前記第1電磁放射(1)の周波数又は位相を調整するために、前記光発振器(3)のビーム経路に配置された少なくとも1つの電気光学変調器を表すことを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項15】
前記操作量(5、7、89)は、調整可能な波長フィルタ(95)を表し、前記調整可能な波長フィルタ(95)を調整するように構成されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記操作量(5、7、89)の少なくとも1つは、前記光発振器(3)の外部にあり、音響光学変調器又は周波数シフタを表すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項17】
光発振器(3)、特に第1レーザ(13)の第1電磁放射(1)を安定化させるための制御装置(1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000)であって、
測定装置(17、107)と、
基準(21、115)を生成するための基準生成器(19、117)と、
第1コントローラ(55、123)と、
第2コントローラ(74、147、155)と、を備え、
前記測定装置(17、107)は、前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)と前記基準(21)との間の偏差(35、37、38、43)を測定するように構成され、
前記第1コントローラ(55、123、127)は、第1偏差信号(35、37、43)によって制御され、第1出力信号(57、131、135、143、151)で少なくとも2つの操作量(5、7、89)の少なくとも1つの第1操作量(5、7、89)を制御して前記偏差信号(35、37、38、43)を設定するよう構成されている制御装置において、
変調信号(65、141)で前記第1又は第2操作量(5、7、89)を制御するように設計された変調ユニット(63、139)と、
前記第1コントローラ(55、123)の前記第1出力信号(57、135、131)を前記変調信号(65、141)で復調し、固定値(73、146)に対する第2偏差信号(71、145)を生成するように構成された復調ユニット(61、137)と、を備え、
前記第2コントローラ(74、147、155)は、前記第2偏差信号(71、145)によって制御され、前記第2偏差信号(71、145)を設定するように、出力信号(75、149、157、151)で前記操作量(5、7、89)の1つを制御するように構成されることを特徴とする、制御装置。
【請求項18】
光発振器(3)、特に第1レーザ(13)の第1電磁放射(1)を安定化させる方法であって、
前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)と基準(21、23、39、41)との間の偏差(35、37、38、43)を測定し、第1偏差信号(35、37、38、43)を生成するステップと、
前記第1偏差信号(35、37、38、43)で第1コントローラ(55)を制御するステップと、
少なくとも2つの操作量(5、7、89)のうちの少なくとも1つの第1操作量(5、7、89)を制御することによって前記第1偏差信号(35、37、38、43)を設定し、前記第1操作量(5、7、89)は、前記第1コントローラ(55)の第1出力信号(57)により制御され、前記第1操作量(5、7、89)は、前記光発振器(3)の前記第1電磁放射(1)に影響を与えるステップと、を備える方法において、
前記操作量(5、7、89)の少なくとも1つの変調指数(77)、特に周波数及び/又は位相変調指数を測定し、固定値(83)からの前記変調指数(77)の偏差から第2偏差信号(81)を生成するステップと、
前記第2偏差信号(81)で第2コントローラ(74)を制御するステップと、
前記第2コントローラ(74)の出力信号(75)で、前記操作量(5、7、89)の1つを制御し、前記第2偏差信号(81)又は前記変調指数(77)を設定するステップと、を備え、
前記変調指数(77)は、前記操作量(5、7、89)の内の少なくとも1つの制御と、前記第1電磁放射(1)に対する前記少なくとも1つの操作量(5、7、89)の効果との比率であることを特徴とする、方法。
【請求項19】
変調ユニット(63、139)で変調信号(65、141)を生成し、前記変調信号(65、141)で前記第1又は第2操作量(5、7、89)を制御するステップを備えることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記変調ユニット(63)で第2変調信号(66)を生成し、前記第2変調信号(66)で前記第1及び第2操作量(5、7、89)の他方を制御するステップであって、
特に、前記第1電磁放射(1)に対する前記変調信号(65)の効果と、前記第1電磁放射(1)に対する前記第2変調信号(66)の効果が、互いに逆位相であるステップと、
前記変調信号(65)の位相及び/又は振幅を調整し、前記第1電磁放射(1)を変調せずに提供するために、前記第2変調信号(66)の位相及び/又は振幅を調整するステップと、を備えることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【外国語明細書】