(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112705
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】高低間移動補助装置
(51)【国際特許分類】
B66F 19/00 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
B66F19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014562
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000223241
【氏名又は名称】湯浅 岩雄
(72)【発明者】
【氏名】湯浅岩雄
(57)【要約】 (修正有)
【課題】人や物を高所や低所に楽に移動する。
【解決手段】シリンダーとその内部に設置したピストン間で真空を造りそのピストンに大気圧を加えピストンを移動させる時の抗力で、人や物の荷重を低減させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本案はシリンダーとその内部に設置したピストン間で真空を造りそのピストンに大気圧を加えピストンを移動させる時の抗力で、人や物の荷重を低減させ高所、低所に移す装置
【請求項2】
シリンダーを複数個、いれこ式に設置してピストンの行程を伸ばし、高低差間の移動距離を増した請求項1の装置
【請求項3】
ピストンと荷重を繋ぐ牽引部材を動滑車、定滑車で繋ぎ、牽引部材の長さの行程を伸ばし、高低差間の移動距離を増した請求項1、2の装置
【請求項4】
シリンダー、ピストンの牽引部材をドラムで巻き取るようにして牽引部材の長さの行程を伸ばし、高低差間の移動距離を増した請求項1,2,3の装置
【請求項5】
荷重用牽引部材に荷重の増減を調整して下降、上昇力を加減する調整用カウンタウエイを設置した請求項1,2,3、4の装置
【請求項6】
荷重用牽引部材に搭乗者に荷重がわかる計りを設置し、カウンタウエイを調整するようにした請求項1,2,3、4、5の装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物など、特に人間が高所、低所へ行ったり、作業をする為に、わずかな力で上げ下げする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高所に物を揚げるのには重力に逆らってそれ相当のエネルギーを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-155200 高所移動補助装置
【先行技術】
【0004】
モーターでものを上げ下げしている通常の方法である。モーターは重いし、電気エネルギーを供給し続けなければならない。
またつるべ式井戸のように重しを使ったものもあるが、荷重に合った重しを設置しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
いかに荷物を省エネでわずかな力で上げ下げ出来るかである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
空気中の大気圧は真空間に1kg重/毎平方cmの力を与えている。水中ならもっと大きい力を与えられる。一方は閉じ、他方は開放したシリンダー内にピストンを密接、設置し、閉じた方の空気をピストンで押し出したり、真空ポンプなどで真空を造り、大気圧力を与える。ピストン、シリンダーの断面積を変えれば容易にピストン荷重、抗力を変えられる。ピストン、シリンダーの断面積の形状は円形の他三角、四角形のような有面積であればよい。またシリンダー内のピストン位置にかかわらずピストン抗力、荷重は一定の大きさである。
【発明の効果】
【0007】
荷重とピストン抗力が釣り合っていればわずかな力で荷重を高所に移動出来るので楽であり、低所への移動も足を踏ん張らなくてもよい。石などの固体、水などの液体で重量を持つ調整用カウンタウエイトを付ければ容易に抗力を釣り合わせられるし、下降、上昇速度も変えられる。屋外なら屋根などから集水した雨水容器からカップなどで調整用カウンタウエイト容器に水量を正確に出し入れ、移せる、安全に扱える。高所で荷重を掛けて一旦、最初の使用時に真空を造り、低所でそれを保持すれば、以降繰り替えし利用出来る。従来のつるべ式井戸のようなカウンタウエイトの重しと比較して軽量な材質であるほど軽く、差が大きくなり、移設、設置出来る場所が多く得られる。また他のエネルギーと違い、大気圧が在る限り、ずーと無料で利用出来る。ピストン抗力より重い荷重でもその差を支えればよくて、楽に上下移動出来る。軽い荷重なら自動で持ち上げられる。坂、崖の上下間を人、住民や物が往来したり、建物の外面の作業や窓拭きに利用するなどがある
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
安価、汎用な部品、最少な部品点数、簡易な構造で容易な操作を実現した。
【実施例0010】
図1は本案の外観図と設置方法である。1つのシリンダ4ーとその中に設置したピストン1で真空を造り、ロープ、チェーンなど牽引部材2でそのピストン抗力を人、搭乗者などの荷重3で引っ張るものである。この場合牽引部材2はハ゜イフ゜のような曲げにくい棒材でもよい。シリンダー上辺4-1を左右、斜め、前後に振れるフック5に引っかけ、下がる場合バンドやハーネスなどで部材2に固定した荷重3を低所に移動する。宙づりの他、確実、安心して移動できるように高所、低所間に設置した梯子6、ロープ、ハ゜イフ゜7などに手足で掴まって移動してもよい。荷重と抗力の大きさを見るように、牽引部材2の中間の見える箇所にはかり8を挿入設置してもよい、それを見て牽引部材2に付けた上昇、下降力、速度を加減する調整用カウンタウエイト9で荷重3を細かく調整、設定できる。底部に移動して、牽引部材2の下方に付けたフック10などでその位置を底部のフック11で保持する。荷重3が落下した場合、荷重3を保護するように、フック11はマットや運動具のトランポリンなどの衝撃吸収材12で囲み、自立できる柔らかさとする、上がる場合はフック10を外して高所に移動する・・・丸数字1
ピストン1行程を長くするようにシリンダー4を複数個いれこ式にして接続、設定し、乗り降りし易いよう荷台をL字型13のようにしたもので人の他、荷物を載せてもよい。図でいれこ式にしたシリンダーを180度回転させて内側から外側に向けていれこ式にしてもよい・・・丸数字2
【0011】
図2はこの装置が設置場所に合うようにシリンダー、ピストン1,4の力点と牽引部材2の作用点方向を滑車14を使用して違えるものである。
斜め方向を滑車14で違える・・丸数字1
平行方向を滑車14で違える・・丸数字2
直角方向を滑車14で違える・・・丸数字3
【0012】
図3はシリンダー4とピストン1の構成を示す
シリンダ4内部にピストン部材1-1の周囲にピストンリンク゛1-2で密着、滑るように設け、ピストンが抜け落ちないように、補修などでピストンをシリンダーから抜き出す場合や空気の出入りやシリンダ4内部下部を変形しにくく補強して、シリンダーから取り外しできるネジ1-3のようなストッパーをシリンダ下部に設け、部材1-1を当てて止めたり、円盤1-4に空けた貫通穴1-6、シリンダーと接する1部分に隙間1-5を設けて、ネジで固定してもよい
ピストンとシリンダー間の空気を出入り、ピストンを押したり、引いたりする時に使う点検バルブ14を設ける。ピストン側に設けてもよい・・丸数字1
いれこ式を示す。
シリンダー4-1の外側にドーナッツ状のピストンリンク゛1-2-1を設定しシリンダーの変形防止とピストンリング1-2を両側から挟むとストッパー1-3に当てて、シリンダーの抜け落ちを防ぐ。ピストンリンク゛1-2の高さHを低くして最終段のシリンダー4-Nのピストン面積が最初のピストン面積と比較してあまり変わらなくすれば全体のピストンを延ばしきってもシリンダー内のシリンダ、ピストン位置にかかわらずピストン抗力、引っ張り力、荷重は一定の大きさにできる。真空ポンプなどで空気を抜くのにボルト内部を筒状に両端を開放してボールバルブを内部に設けそれを回して開閉し、それをシリンダー側の穴にねじ込むボルト14-1。シリンダー外側側面に変形防止ステー4-1-1などで補強設置してもよい。ストッパー1-3は変形防止ステー4-1-1を通過させる貫通穴を持つようにする・・丸数字2
【0013】
図4は複滑車を使用したものである。ピストン1に動滑車13-1、シリンダ^下部に定滑車13-2を水平平行に設定し、それらを牽引部材2でつなぐ。この装置全体の重心が移動しても左右に傾かないように2コのフック5-1、5-2を設置しその間に重心がくるようにする。仕事の原理より荷重が2倍になればピストン面積を2倍にする。同一荷重を2倍移動させればピストン面積を2倍にする
・・丸数字1
固定枠13-6をシリンダー外側に設置し、いれこ式複数のシリンダーを伸ばしきった時の位置13-5に定滑車を設置したもの・・丸数字2
複滑車を使用したものである。ピストン1に動滑車13-3、シリンダ^下部に定滑車13-4を垂直に設定し、それらを牽引部材2でつなぐ・・丸数字3
枠13-6を外側に設置し、いれこ式複数のシリンダーを伸ばしきった時のその枠の下位置に定滑車を設置したもの・・丸数字4
【0014】
図5は牽引部材2をドラムで巻き取るものである。牽引部材2をテープのように薄くすれば長く巻いても厚さがあまり増えなくて、長く巻ける。ひも状でも横に巻いていき、重ねていけば厚さがあまり増えなくて同様である。ピストン用牽引ドラム14-2、牽引部材用ドラム14-3を同軸に配す。それらに牽引部材を巻き付ける・・丸数字1
ドラム14-2、14-3 は 同方向に回転するので一方は巻け、他方はほどける・・丸数字2
独立して巻いたり、ほどけるようにドラム14-2、14-3 の軸を分け、どちらかを挿入して、共通の貫通穴に挿入したピン15などを抜きハンドル16で回す。同時に回す場合はピン15を戻す・・丸数字3