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特開2023-112759田んぼダム用管部材、これを用いた水位調整装置及び田んぼダム用管部材の制作方法
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  • 特開-田んぼダム用管部材、これを用いた水位調整装置及び田んぼダム用管部材の制作方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112759
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】田んぼダム用管部材、これを用いた水位調整装置及び田んぼダム用管部材の制作方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 25/00 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
A01G25/00 501A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014662
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】501126630
【氏名又は名称】東北興商株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(74)【代理人】
【識別番号】100106356
【弁理士】
【氏名又は名称】松枝 浩一郎
(72)【発明者】
【氏名】蔵本 修一
(72)【発明者】
【氏名】香川 勇士
(72)【発明者】
【氏名】安田 巧
(57)【要約】
【課題】田んぼダム機能を持たせるための水位調整装置に用いる新規の田んぼダム用管部材を提供する。
【解決手段】田んぼダム用管部材は、前面側で水田に面して配置される水位調整板と、水位調整板の左右両側を保持する左右の側壁と、左右の側壁の後端に接続し且つ水位調整板の上端を超えた水を排出するための排水孔を有する後壁とを有する水位調整装置に設置される田んぼダム用管部材であって、その田んぼダム用管部材は、フランジが設けられた一端側の開口面から他端側の開口面に向かって先細形状の周面を有して形成され、フランジが排水孔の周縁に当接するように排水孔に挿入され、他端側の開口面が排水孔に接続する排水管の内部に入って配置される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側で水田に面して配置される水位調整板と、前記水位調整板の左右両側を保持する左右の側壁と、前記左右の側壁の後端に接続し且つ前記水位調整板の上端を超えた水を排出するための排水孔を有する後壁とを有する水位調整装置に設置される田んぼダム用管部材であって、
前記田んぼダム用管部材は、フランジが設けられた一端側の開口面から他端側の開口面に向かって先細形状の周面を有して形成され、
前記フランジが前記排水孔の周縁に当接するように前記排水孔に挿入され、前記他端側の開口面が前記排水孔に接続する排水管の内部に入って配置されることを特徴とする田んぼダム用管部材。
【請求項2】
前記田んぼダム用管部材は、前記周面において、前記一端側の開口面と前記他端側の開口面の両方に対して直角となり且つ前記一端側の開口面から前記他端側の開口面にわたって直線状の周面部位を有する形状をなし、当該周面部位が前記排水管の水平に延びる底部と面して配置されることを特徴とする請求項1に記載の田んぼダム用管部材。
【請求項3】
前記他端側の開口面の口径の大きさを示す目盛りが前記周面に付されていることを特徴とする請求項1または2に記載の田んぼダム用管部材。
【請求項4】
前記フランジより小さい径の別のフランジが前記周面に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の田んぼダム用管部材。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかに記載の田んぼダム用管部材が前記排水孔に取り付けられていることを特徴とする水位調整装置。
【請求項6】
請求項1乃至4いずれかに記載の田んぼダム用管部材の制作方法であって、
頂点からの垂線が前記一端側の開口面の円周上で交わる斜円錐形状となる円錐形状部材を製造する工程と、
前記他端側の開口面が形成されるように前記円錐形状部材の頂部を切断する工程を有することを特徴とする田んぼダム用管部材の制作方法。
【請求項7】
前記他端側の開口面の口径に応じて切断する前記円錐形状部材の頂部の位置が設定されることを特徴とする請求項6に記載の田んぼダム用管部材の制作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水田に一定量の雨水を貯水できるようにするダム機能(田んぼダム)を持たせるための水位調整装置に用いる田んぼダム用管部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化により頻発する豪雨被害を軽減するための方策として、水田に一時的に雨水を貯めてダム化するいわゆる「田んぼダム」の取組が実施されている。田んぼダムは、水田に設置されている水位調整装置を利用して実施され、田んぼダムに用いることができる水位調整装置が各種提案されている(特許文献1乃至6)。
【0003】
水位調整装置は、畦畔に設置される落水桝であり、落水桝に設置される水位調整板の高さを変えることで、稲の生育状況に合わせて水田の水位を調整することができる。水位調整板の高さを超える分の水量は、水位調整板を超えて、落水桝から排水路に流れて排出される。降雨の際、水位調整板より高さがあり且つ排水量を調整するための孔が穿設されている田んぼダム用堰板を落水桝に追加的に配置することで、水田により多くの水を貯めることができるようになり、一時的に排水路から河川への流れ込む水量を抑制する。これにより、降雨による河川の増水のピークをずらし、下流域での急激な水位上昇を抑え、洪水による水害を予防することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-110543号公報
【特許文献2】特開2014-132851号公報
【特許文献3】特開2012-120510号公報
【特許文献4】特開2019-60092号公報
【特許文献5】特許第5914744号公報
【特許文献6】特許第5939526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既設の水位調整装置は田んぼダム用堰板を設置できない構造のものもあり、例えば、既設の水位調整装置において、排水孔が設けられている水位調整装置の後壁と水位調整板との間の奥行空間が比較的狭く、水位調整板の後方側に田んぼダム用堰板を設置するのに十分な奥行空間がない構造がある。その場合、水田に田んぼダム機能を持たせるには、田んぼダム用堰板を設置可能な別の水位調整装置に取替交換する必要があり、そのための多大なコストと作業のために田んぼダムの普及・拡大の遅れを招いている。
【0006】
この度、本願の発明者は、田んぼダム用堰板を用いずに、田んぼダム機能を有しないさまざまな形状・サイズの既設の水位調整装置に簡易に田んぼダム機能を持たせることができる田んぼダム用管部材を開発した。
【0007】
そこで、本発明の目的は、水田の水位調整装置に用いる新規の田んぼダム用管部材、これを用いた水位調整装置、さらに田んぼダム用管部材の制作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の田んぼダム用管部材は、前面側で水田に面して配置される水位調整板と、前記水位調整板の左右両側を保持する左右の側壁と、前記左右の側壁の後端に接続し且つ前記水位調整板の上端を超えた水を排出するための排水孔を有する後壁とを有する水位調整装置に設置される田んぼダム用管部材であって、前記田んぼダム用管部材は、フランジが設けられた一端側の開口面から他端側の開口面に向かって先細形状の周面を有して形成され、前記フランジが前記排水孔の周縁に当接するように前記排水孔に挿入され、前記他端側の開口面が前記排水孔に接続する排水管の内部に入って配置されることを特徴とする。
【0009】
本発明の水位調整装置は、上記本発明の田んぼダム用管部材が前記排水孔に取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
上記本発明の田んぼダム用管部材の制作方法は、頂点からの垂線が前記一端側の開口面の円周上で交わる斜円錐形状となる円錐形状部材を製造する工程と、前記他端側の開口面が形成されるように前記円錐形状部材の頂部を切断する工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、さまざまな形状・サイズの既設の水位調整装置に田んぼダム機能を持たせることができる汎用性の高い田んぼダム用管部材が提供される。低廉なコストで制作することができ、既設の水位調整装置の改修作業を行うことなく、簡易な取付作業にて田んぼダム機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態における田んぼダム用管部材が設置された水位調整装置の全体構成例を示す図である。
図2】水位調整装置の構成例を示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態におけるの田んぼダム用管部材の構成例を示す図である。
図4】田んぼダム用管部材が排水管16に挿入されて配置されている状態を示す部分拡大図である。
図5】田んぼダム用管部材30の製作及び設置工程について説明する図である。
図6】円錐形状部材300に付された目盛りの例を示す。
図7】本発明の実施の形態におけるの田んぼダム用管部材の別の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の実施の形態について、具体的な図に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態における田んぼダム用管部材が設置された水位調整装置の全体構成例を示す図であり、図2は水位調整装置の構成例を示す斜視図である。
【0015】
水位調整装置10は、水田20側に面する前側を開放に形成された矩形のブロック構造物であり、方形状の底面板11の奥側(後側)において下端部に排水孔12を設けた後壁13を配置し、該底面板11の両側に一対の側壁14を配置してコ字状に形成される。左右の側壁14は、水位調整板の左右両側を保持するものであり、左右の側壁と土留を兼ねた水位調整板15を差し込むための縦溝14aが設けられ、水位調整板15を設置することにより、土留とともに、その高さにより水田の水位が調整される。水位調整板15は、着脱可能に配置され、高さの異なる板に交換することにより、水田の水位を調整することができる。
【0016】
水位調整板15は、木製、合成樹脂製又は金属製の板であり、水田耕作用に水の高さを調整するためのものであり、耕作時期に応じて高さの異なる板を適宜入れ替えることで、水田の水位を調整する。水位調整板15を側壁14の縦溝14aに抜き差しすることで取り替えることができる。例えば、水位調整板15の上端高さを稲の生育状態に合わせた営農水位より10cm程度の高さである貯水水位とほぼ同じ高さに調整される。後壁13の排水孔12には、排水管16の一端が取り付けられ、排水管16の他端は排水路17につながっている。
【0017】
降雨等により水田に水が貯水される場合、水田20には、水位調整板15の高さまで水が溜められている。そして、営農水位を超える雨水は、水位調整板15の上端を越えて、水位調整板15と後壁13との間の空間に落水し、後壁13の排水孔12から排水管16を介して排水路17に流出して排出される。排水管16は、横穴である排水孔12から所定長さにわたって水平に延び、さらに下方の排水路17に下って延びる。排水孔12の口径は、水害を起こすような豪雨の場合であっても、雨水を支障なく排出可能な大きさに設計されており、これにより、水田20の水位が営農水位を超えないように保持され、畔の決壊や冠水を発生させず稲の生育に悪影響を与えないように形成されている。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態におけるの田んぼダム用管部材の構成例を示す図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は側面図、図3(c)は平面図、図3(d)は正面図である。また、図4は、田んぼダム用管部材が排水管16に挿入されて配置されている状態を示す図1の点線囲み部Aの部分拡大図である。
【0019】
田んぼダム用管部材30は、先細形状の筒状部材であり、具体的には、開口面積がより大きい一端側の開口面30aと、その先細形状により開口面積が一端側の開口面30aより小さい他端側の開口面30bとを有する筒状部材であって、水位調整装置10の排水孔12に挿入されて設置される。
【0020】
一端側の開口面30aには、その周囲を囲むフランジ32が設けられ、フランジ32は、水位調整装置10の排水孔12の周縁の後壁13に当接するように配置される。田んぼダム用管部材30は、フランジ32が排水孔12の周縁に当接するように排水孔12に挿入され、他端側の開口面30bが排水管16の内部に入り込んで配置される。
【0021】
田んぼダム用管部材30は、一端側の開口面30aから他端側の開口面30bに向かって先細に傾斜する周面を有し、その周面において、一端側の開口面30aと他端側の開口面30bの両方に対して直角となり且つ一端側の開口面30aから他端側の開口面30bにわたって直線状の周面部位30cを有する形状をなし、その周面部位30cが排水孔12及び排水管16の底部と面して合うように配置される。すなわち、田んぼダム用管部材30の該周面部位30cは、排水管16の底部に接するように配置され、周面部位30cが排水管16の水平に延びる底部と面して水平に延びて配置される。周面部位30cに対応する位置のフランジ32の一部分をオリエンテーションフラット形状としてもよい。
【0022】
周面部位30cが排水管16の底部に沿って水平に延びる配置とすることで、底側に上り傾斜がなくなり、水流の乱れが生じにくくなり、田んぼダム用管部材30内の水流をスムーズにする。また、田んぼダム用管部材30と排水管16の底部の隙間がなくなり、その隙間に草の葉、茎、根などのゴミが詰まる事態も防止でき、必要な排水量を確保することができる。
【0023】
一端側の開口面30aの口径は、排水孔12の口径とほぼ同一に設計され、多くは、既設の水位調整装置10の排水孔12の寸法は直径150mm程度であり、排水孔12の口径に嵌合可能におおよそ一致し排水孔12に挿入可能に形成される。また、他端側の開口面30bの口径は、一端側の開口面30aの口径よりも小さく設計され、その寸法は、例えば直径40mm~50mm程度である。
【0024】
田んぼダム用管部材30の材質は、例えばポリエチレンやポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂製、アルミニウムやステンレス、鉄などの金属製、ゴムや木材などの材料から制作することができ、厚さ3-6mm程度の肉厚、長さ100-200mm程度、フランジ32は好ましくは3mm以上の幅を有して形成される。後述するように、田んぼダム用管部材30は、その制作過程において、まず、例えるといわゆる三角コーン(パイロン)のような円錐形状部材を製造し、その頂部を切断してその横断面が他端側の開口面30bとなるようにして制作される。
【0025】
田んぼダム用管部材30を排水孔12に挿入して配置することにより、排水孔12から排出される雨水は、田んぼダム用管部材30を通って排水管16を流れ、他端側の開口面30bの口径を絞り、排水管16の口径より小さくすることにより、排水管16を流れる雨水の流量が減ぜられる。
【0026】
そして、豪雨などで大量の水が水位調整板15を越えて排出される場合、田んぼダム用管部材30の配置により、排出排水管16からの排水量が制限されるため、その排出される水量が所定の上限値を超えると、営農水位すなわち水位調整板15の上端位置より高い位置まで水田に貯水されることとなる。すなわち、水位調整板15と後壁13との間の空間に流入す流量と排水孔12から田んぼダム用管部材30を通って排出される排水量との差分だけ水田に貯水されることとなる。
【0027】
このように、田んぼダム用管部材30を水位調節装置10の排水孔12に取り付けて排水孔12からの排水量を制限するように調整することで、豪雨時に水田に貯水する田んぼダム機能を水位調整装置10に追加することができ、これを既設の水位調整装置10の交換や大掛かりな改修・変更作業を行うことなく、田んぼダム用管部材30を排水孔12に嵌合させる簡易な取付作業により行うことができる。たとえ一つの水田で貯水できる水量が比較的少なくとも、対象地域のより多くの水田で少しずつ貯水することで、地域全体として水害を防止しうるほどの水量を貯水できることとなるので、田んぼダムは、より多くの水田に採用してもらうことが肝要である。その意味で、本発明の田んぼダム用管部材30は、コストも低く且つ取付作業も簡易であり、導入へのハードルが極めて低く、水田を所有する農家に本発明の田んぼダム用管部材30の採用を促すものとなる。
【0028】
田んぼダム用管部材30による排水量の調整は、他端側の開口面30bの口径を適宜寸法ぎめすることで調整可能である。
【0029】
図5は、田んぼダム用管部材30の制作工程について説明する図である。図5(a)は、田んぼダム用管部材30を制作するための元部材である円錐形状部材300を示す。円錐形状部材300は、所定の工場にて例えば射出成形技術により製造され、その形状は、一端側の開口面30aにフランジ32を有し且つ頂点からの垂線が円形である一端側の開口面30aの円周上で交わる(すなわち、縦断面が直角三角形となる)斜円錐形状である。縦断面が直角三角形となる斜円錐形状とすることは、上述のように、水平に延びる排水管16の底部に沿って配置される周面部位30cを形成するためである。
【0030】
図5(b)は、円錐形状部材300の頂部を切断した状態を示す図である。円錐形状部材300を切断してその横断面として他端側の開口面30bが現れるように、製造された円錐形状部材300の頂部をカッターや鋸などの切断手段で切断する。切断位置は、他端側の開口面30bの口径が所望の設計寸法となる位置とする。
【0031】
図6は、円錐形状部材300に付された目盛りの例を示す。円錐形状部材300の周面には、製造時の印刷工程により、あらかじめ他端側の端面30bの口径の大きさに対応する位置に合わせた目盛りが付される。作業者は、その目盛りに合わせて切断することで、他端側の端面30bの口径を設定寸法とすることができる。作業者は、設置現場で、既設の水位調整装置を確認し、その周囲環境に応じてその現場で適宜切断位置を決定してもよい。
【0032】
他端側の端面30bの口径を小さくするほど排水管16に流れる排水量は少なくなるので、水田に貯水される単位時間当たりの水量は多くなり、より早く水田の水位が高くなる傾向にある。したがって、豪雨時であっても、稲の生育に悪影響を及ぼさない水田の最大水位より水位が高くならないように、想定される最大雨量などの諸々条件に基づいて他端側の端面30bの口径が決定され、その口径となる切断位置にて円錐形状部材300を切断し、田んぼダム用管部材30を制作する。このように、円錐形状部材300の頂部横断面を任意の位置で切り落とすことで、その口径を変え、排水量を調整することができる。水位調整装置10が設置されている水田の貯水能力に応じて、他端側端面30bの口径を最適に設定することができる。
【0033】
田んぼダム用管部材30は、水位調整装置10の後壁13の前側から田んぼダム用管部材30を排水孔12を介して排水管16内部に挿入する。田んぼダム用管部材30は、作業者の手作業により排水孔12に押し込まれ、排水孔12に圧入され固定して設置される。
【0034】
図7は、本発明の実施の形態におけるの田んぼダム用管部材の別の構成例を示す図であり、図7(a)は斜視図、図7(b)は側面図である。図7に示される田んぼダム用管部材30は、一端側の開口面30aに設けられるフランジ32に加えて、その奥側(後側)の周面により小さい径の別のフランジ34が設けられる。異なる排水孔12の口径サイズに合うように、異なる径のフランジ34が追加的に設けられる。寸法例として、例えば、フランジ32がある一端側の開口面30aの内径は154mmであり、別のフランジ34がある傾斜している周面の内径は146mmである。既設の水位調整装置10の排水孔12のサイズに合わせて取り付けが可能となる。
【0035】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0036】
10:水位調整装置、11:底面板、12:排水孔、13:後壁、14:側壁、14a:縦溝、15:水位調整板、16:排水管、17:排水路、20:水田、30:田んぼダム用管部材、30a:一端側の開口面、30b:他端側の開口面、30c:周面部位、32:フランジ、34:別のフランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7