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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112805
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】打撃工具
(51)【国際特許分類】
   B25D 17/00 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
B25D17/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014748
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003052
【氏名又は名称】弁理士法人勇智国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前川 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】西尾 譲
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 聖展
(72)【発明者】
【氏名】中川 和樹
【テーマコード(参考)】
2D058
【Fターム(参考)】
2D058AA15
2D058CB07
2D058DA00
(57)【要約】
【課題】打撃工具における結線作業の効率向上に資する技術を提供する。
【解決手段】打撃工具は、ハウジングと、モータと、コントローラとを備える。ハウジングは、駆動軸を規定する。コントローラは、打撃工具の動作を制御するように構成されている。ハウジングは、第1ハウジングと、第1ハウジングに連結された第2ハウジングとを含む。第2ハウジングは、コントローラを少なくとも収容する。コントローラから延びる少なくとも1つの電線と、第1ハウジングに配置された少なくとも1つの部品とは、ハウジングの外側で互いに接続されている。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を打撃することで、前記先端工具を駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成された打撃工具であって、
前記駆動軸を規定するハウジングと、
前記打撃工具の動作を制御するように構成されたコントローラとを備え、
前記ハウジングは、
第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに連結され、前記コントローラを少なくとも収容する第2ハウジングとを含み、
前記コントローラから延びる少なくとも1つの電線と、前記第1ハウジングに配置された少なくとも1つの部品とが、前記ハウジングの外側で互いに接続されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項2】
請求項1に記載の打撃工具であって、
前記第2ハウジングは、前記コントローラを収容する第1部分と、前記第1部分と連結された第2部分とを含み、 前記第1部分のうち前記第2部分との接続端、又は、前記第2部分のうち前記第1部分との接続端には、配線用の少なくとも1つの凹部が形成されており、
前記少なくとも1つの凹部は、前記第1部分と前記第2部分とが連結された状態で、前記ハウジングの内部と外部とを連通させることを特徴とする打撃工具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の打撃工具であって、
バッテリが取り外し可能に装着されるように構成された少なくとも1つのバッテリ装着部を更に備え、
前記少なくとも1つのバッテリ装着部は、前記第ハウジングの外側で前記ハウジングに支持され、前記バッテリの装着に応じて前記バッテリの端子に電気的に接続可能な端子を備え、
前記少なくとも1つの電線は、前記端子に直接接続された少なくとも1つの端子用電線を含むことを特徴とする打撃工具。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記第1ハウジングに収容されたモータを更に備え、
前記第2ハウジングは、前記第1ハウジングの少なくとも一部を覆うように構成され、前記1ハウジングに対し、前記駆動軸と平行な第1方向に一体的に移動可能に、少なくとも1つの弾性部材を介して前記1ハウジングに連結されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項5】
請求項4に記載の打撃工具であって、
前記2ハウジングは、内部壁を有し、
前記2ハウジング内には、前記内部壁によって前記第1ハウジングから隔てられた通路が規定されており、
前記少なくとも1つの電線は、前記モータに接続されるモータ用電線を含み、
前記モータから延びる電線は、前記通路内を通って、前記第2ハウジングの外側に延び出て、前記モータ用電線と接続されていることを特徴とする打撃工具。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1つに記載の打撃工具であって、
把持部を有し、前記ハウジングの外側で前記ハウジングに連結固定された少なくとも1つのハンドルを更に備え、
前記少なくとも1つのハンドルは、前記ハウジングの外側に配置された前記少なくとも1つの電線を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする打撃工具。
【請求項7】
請求項6に記載の打撃工具であって、
前記少なくとも1つのハンドルは、前記駆動軸に直交する第2方向において、前記ハウジングの両側に配置された2つのハンドルを含み、
前記2つのハンドルの夫々の前記把持部は、前記第2方向に延在する軸に沿って延びることを特徴とする打撃工具。
【請求項8】
請求項3、あるいは、請求項3に直接的又は間接的に従属する請求項4~7の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記少なくとも1つのバッテリ装着部は、前記駆動軸に直交する第2方向において前記ハウジングの両側に夫々配置された2つのバッテリ装着部を含むことを特徴とする打撃工具。
【請求項9】
請求項8に記載の打撃工具であって、
前記2つのバッテリ装着部の各々は、前記ハウジングから外側へ突出する壁部を含み、
前記端子は、前記壁部に支持されており、
前記少なくとも1つの端子用電線は、前記2つのバッテリ装着部の夫々の前記壁部に形成された開口を通って前記端子に接続された2つの端子用電線を含むことを特徴とする打撃工具。
【請求項10】
請求項1~9の何れか1つに記載の打撃工具であって、
前記第2ハウジングは、
第2ハウジング本体と、
前記第2ハウジング本体に連結固定され、前記コントローラを収容するケースとを含み、
前記ケースは、前記コントローラの仮留め機能を有することを特徴とする打撃工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、先端工具を直線状に駆動するように構成された打撃工具に関する。
【背景技術】
【0002】
打撃工具は、先端工具の一端を間欠的に打撃することで、先端工具を駆動軸に沿って直線状に駆動し、加工材に対する加工作業を行う。打撃工具の多くは、打撃工具の動作を制御するコントローラを備える。例えば、特許文献1には、先端工具の加工材への押圧に応じて、コントローラがモータの回転速度を制御することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-113863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
打撃工具は、コントローラとの間で結線作業が必要な各種部品(例えば、モータ、スイッチ)を備える。かかる結線作業には、効率化が望まれている。
【0005】
本開示は、打撃工具における結線作業の効率向上に資する技術を提供することを、非限定的な1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の非限定的な1つの態様によれば、先端工具を打撃することで、先端工具を駆動軸に沿って直線状に駆動するように構成された打撃工具が提供される。この打撃工具は、ハウジングと、コントローラとを備える。
【0007】
ハウジングは、駆動軸を規定する。コントローラは、打撃工具の動作を制御するように構成されている。ハウジングは、第1ハウジングと、第1ハウジングに連結された第2ハウジングとを含む。第2ハウジングは、コントローラを少なくとも収容する。コントローラから延びる少なくとも1つの電線と、第1ハウジングに配置された少なくとも1つの部品とは、ハウジングの外側で互いに接続されている。
【0008】
なお、「第1ハウジングに配置された」とは、第1ハウジングの内部に配置されている場合、及び第1ハウジングの外側で第1ハウジングに支持(保持)されている場合を含む。「第1ハウジングに配置された部品」の非限定的な例として、モータ、スイッチ、及び、バッテリと電気的に接続可能な端子が挙げられる。
【0009】
また、第2ハウジングに収容されたコントローラから延びる少なくとも1つの電線と、第1ハウジングに配置された少なくとも1つの部品とが「ハウジングの外側で接続されている」態様として、次の非限定的な3つの態様が挙げられる。第1の態様は、コントローラから延びる少なくとも1つの電線と、第1ハウジングの内部に配置された少なくとも1つの部品(典型的にはモータ)から延びる少なくとも1つの電線とが、ハウジングの外側で直接接続されている態様である。第2の態様は、コントローラから延びる少なくとも1つの電線と、第1ハウジングの内部に配置された少なくとも1つの部品(典型的にはモータ)から延びる少なくとも1つの電線とが、電線とは別個の少なくとも1つの接続部品(コネクタ、カプラー、端子等)を介して、ハウジングの外側で接続されている態様である。第3の態様は、コントローラから延びる少なくとも1つの電線が、第1ハウジングに支持(保持)された少なくとも1つの部品に、ハウジングの外側で直接接続されている態様である。以下の説明においても、「ハウジングの外側で接続されている」という表現は、明示的な別の限定がない限り、上記3つの態様を包含する。
【0010】
本態様の打撃工具によれば、打撃工具の組立作業者は、第2ハウジングに収容されたコントローラと、第1ハウジングに配置された少なくとも1つの部品との間の結線作業を、ハウジングの外側で、目視しながら容易に行うことができる。よって、結線作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態に係るハンマの斜視図である。
図2】ハンマの正面図である。
図3図2のIII-III線における断面図である。
図4図3のIV-IV線における断面図である。
図5図4の部分拡大図である。
図6】トップカバーが取り外された状態のハンマの上面図である。
図7】コントローラアセンブリが収容された状態のコントローラケースの斜視図である。
図8】コントローラケースの斜視図である。
図9】コントローラケースの別の斜視図である。
図10】右側のハンドル及びバッテリハウジングのカバー部が取り外された状態のハンマの斜視図である。
図11】トップカバー、右側のハンドル及びバッテリハウジングのカバー部が取り外された状態のハンマの右側面図である。
図12図4のXII-XII線における断面図である。
図13図4のXIII-XIII線における断面図である。
図14】左側のハンドル及びバッテリハウジングのカバー部が取り外された状態のハンマの斜視図である。
図15】トップカバー、左側のハンドル及びバッテリハウジングのカバー部が取り外された状態のハンマの左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の非限定的な一実施形態において、第2ハウジングは、コントローラを収容する第1部分と、第1部分と連結された第2部分とを含んでもよい。第1部分のうち第2部分との接続端、又は、第2部分のうち第1部分との接続端には、配線用の少なくとも1つの凹部(切り欠き)が形成されていてもよい。少なくとも1つの凹部は、第1部分と第2部分とが連結された状態で、ハウジングの内部と外部とを連通させてもよい。この実施形態によれば、組立作業者は、第2ハウジングに収容されたコントローラから延びる電線(及び、第1ハウジングに収容された部品(例えば、モータ)から延びる電線)が少なくとも1つの凹部を通過する状態で、第1部分と第2部分とを連結するだけで、電線を容易にハウジングの外側に導き出すことができる。また、結線工程は、第1部分と第2部分との連結の前でも後でもよいため、作業効率及び利便性が向上する。
【0013】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、打撃工具は、ハウジングの外側に配置され、バッテリが取り外し可能に装着されるように構成された少なくとも1つのバッテリ装着部を更に備えてもよい。少なくとも1つのバッテリ装着部は、ハウジングの外側でハウジングに支持され、バッテリの装着に応じてバッテリの端子に電気的に接続可能な端子を備えていてもよい。コントローラから延びる少なくとも1つの電線は、端子に直接接続された少なくとも1つの端子用電線を含んでもよい。この実施形態によれば、結線作業の効率化に加え、部品数を低減することができる。
【0014】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、打撃工具は、第1ハウジングに収容されたモータを更に備えてもよい。第2ハウジングは、第1ハウジングの少なくとも一部を覆うように構成されていてもよい。また、第2ハウジングは、第1ハウジングに対し、駆動軸と平行な第1方向に一体的に移動可能に、少なくとも1つの弾性部材を介して第1ハウジングに連結されていてもよい。この実施形態によれば、防振構造を有するハウジングが提供される。よって、モータの駆動に伴って第1ハウジングに第1方向の振動が生じても、第2ハウジングに収容されたコントローラに振動が伝達されるのを抑制することができる。これにより、コントローラを振動から保護することができる。また、第2ハウジングの外側に配置された電線は、第1ハウジングの振動時に第1ハウジングと接触しないため、電線の劣化を抑制することができる。
【0015】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第2ハウジングは、内部壁を有してもよい。第2ハウジング内には、内部壁によって第1ハウジングから隔てられた通路が規定されていてもよい。コントローラから延びる少なくとも1つの電線は、モータに接続されるモータ用電線を含んでもよい。モータから延びる電線は、通路内を通って第2ハウジングの外側に延び出て、モータ用電線と接続されていてもよい。この実施形態によれば、組立作業者は、コントローラから延びる電線と、モータから延びる電線とを、ハウジングの外側で容易に接続することができる。また、第1ハウジングの振動時に、モータから延びる電線のうち第2ハウジング内に配置されている部分が第1ハウジングに接触する可能性を低減し、電線の劣化を抑制することができる。
【0016】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、把持部を有する少なくとも1つのハンドルを更に備えていてもよい。少なくとも1つのハンドルは、ハウジングの外側でハウジングに連結固定されていてもよい。更に、少なくとも1つのハンドルは、ハウジングの外側に配置された少なくとも1つの電線を少なくとも部分的に覆ってもよい。この実施形態によれば、少なくとも1つのハンドルを利用して、ハウジングの外側に配置された電線の少なくとも一部を保護することができる。
【0017】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、少なくとも1つのハンドルは、駆動軸に直交する第2方向において、ハウジングの両側に配置された2つのハンドルを含んでもよい。2つのハンドルの夫々の把持部は、第2方向に延在する軸に沿って延びていてもよい。この実施形態によれば、使用者が両手で把持部を把持し、先端工具が下方に向けられた姿勢で使用するのに適した打撃工具が実現される。
【0018】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、少なくとも1つのバッテリ装着部は、駆動軸と直交する第2方向においてハウジングの両側に配置された2つのバッテリ装着部を含んでもよい。この実施形態によれば、バッテリ装着時の第2方向の重量バランスを最適化することができる。よって、使用者は、打撃工具をより安定した状態で保持し、打撃作業を行うことができる。
【0019】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、2つのバッテリ装着部の各々は、前記ハウジングから外側へ突出する壁部を含んでもよい。端子は、壁部に支持されていてもよい。少なくとも1つの端子用電線は、2つのバッテリ装着部の夫々の壁部に形成された開口を通って端子に接続された2つの端子用電線を含んでもよい。この実施形態によれば、2つのバッテリ装着部の端子に至る電線の効率的な経路が形成される。
【0020】
上記実施形態に加え、あるいは上記実施形態に代えて、第2ハウジングは、第2ハウジング本体と、第2ハウジング本体に連結固定され、コントローラを収容するケースとを含んでもよい。ケースは、コントローラの仮留め機能を有してもよい。この実施形態によれば、組立作業者は、コントローラをケースに仮留めした状態で、コントローラとケースとを一体的に取り扱うことができるため、第2ハウジングにケースを連結固定する作業が容易となる。
【0021】
以下、図面を参照して、本開示の代表的且つ非限定的な実施形態に係る電動式のハンマ(breaker hammer、demolition hammerともいう)1について説明する。ハンマ1は、先端工具(例えば、ハンマビット)を所定の駆動軸A1に沿って直線状に駆動するように構成された打撃工具の一例である。
【0022】
まず、ハンマ1の概略構成について説明する。
【0023】
図1及び図2に示すように、ハンマ1は、主に、ハウジング11と、ツールホルダ15と、一対のハンドル4と、一対のバッテリハウジング5とを備えている。
【0024】
ハウジング11は、駆動軸A1に沿って延在する長尺状の筐体である。ツールホルダ15は、ハウジング11の長軸方向における一端部に連結され、駆動軸A1に沿って延びている。ツールホルダ15は、先端工具(図示略)を取り外し可能に保持するように構成されている。ハンドル4は、夫々、使用者によって把持される把持部42を含む。ハンドル4は、夫々の把持部42が、ハウジング11から互いに逆方向に突出するように、ハウジング11の長軸方向における他端部に連結されている。本実施形態では、把持部42は、駆動軸A1に実質的に直交する軸A2に沿って延びている。このような配置により、ハウジング11と2つのハンドル4とは、駆動軸A1及び軸A2に直交する方向にみてT字形状を成している。2つのハンドル4のうち一方の把持部42には、トリガ43が設けられている。
【0025】
一般的に、作業者は、左手及び右手で把持部42を把持し、ツールホルダ15に装着された先端工具が下方に突出する姿勢でハンマ1を使用する。よって、以下では、説明の便宜上、駆動軸A1の延在方向(ハウジング11の長軸方向ともいえる)を、ハンマ1の上下方向と規定する。上下方向において、ツールホルダ15が配置されている側をハンマ1の下側と規定し、反対側(ハンドル4が配置されている側)をハンマ1の上側と規定する。また、軸A2(把持部42)の延在方向を、ハンマ1の左右方向と規定する。左右方向において、トリガ43が設けられた把持部42が配置されている側をハンマ1の右側と規定し、反対側(トリガ43のない把持部42が配置されている側)をハンマ1の左側と規定する。上下方向及び左右方向に直交する方向を、ハンマ1の前後方向と規定する。
【0026】
バッテリハウジング5には、バッテリ59を装着可能である。本実施形態では、2つのバッテリハウジング5が、夫々、2つのハンドル4の下方に、ハンドル4に隣接して設けられている。ハンマ1は、バッテリハウジング5に装着された2つのバッテリ59を電源として動作する。具体的には、使用者によってトリガ43が押圧されるのに応じて、モータ71(図3図4参照)が駆動され、先端工具が直線状に駆動される。
【0027】
以下、ハンマ1の詳細構成について説明する。
【0028】
図3図4に示すように、ハウジング11は、第1ハウジング2と、第2ハウジング3とを含む。第1ハウジング2と第2ハウジング3とは、駆動軸A1の延在方向、つまり上下方向に相対移動可能に連結されている。
【0029】
以下、第1ハウジング2と、その内部に配置された要素について説明する。
【0030】
第1ハウジング2は、モータ71と、先端工具の駆動機構(運動変換機構73及び打撃機構75)とを収容する。このことから、第1ハウジング2は、駆動機構ハウジングとも称されうる。第1ハウジング2は、上側収容部21と、上側収容部21の下端部に連結された下側収容部26とを含む。
【0031】
上側収容部21には、主に、モータ71と、運動変換機構73の一部とが収容されている。モータ71は、上側収容部21の上端部内に配置されている。なお、本実施形態のモータ71は、ブラシレスモータである。運動変換機構73は、モータ71の下方に配置されている。運動変換機構73は、回転運動を直線運動に変換する機構であって、本実施形態では、周知のピストン・クランク機構が採用されている。簡単に説明すると、運動変換機構73は、モータ71の出力シャフト711に動作可能に連結され、偏心ピンを有するクランクシャフト731と、連結ロッド733を介して偏心ピンと動作可能に連結されたピストン735とを含む。モータ71及び運動変換機構73は、出力シャフト711の回転軸及びクランクシャフト731の回転軸が、夫々、駆動軸A1に直交して前後方向に延在するように配置されている。
【0032】
下側収容部26は、全体としては概ね円筒状に形成されており、バレル部とも称される。本実施形態では、下側収容部26は、上側収容部21とは別個の部材であって、上側収容部21の下端部に固定され、駆動軸A1に沿って延びる。下側収容部26の下端部には、ツールホルダ15が固定されている。下側収容部26には、シリンダ261が収容されている。シリンダ261の内部には、ピストン735及び打撃機構75が配置されている。ピストン735は、モータ71の駆動に伴い、シリンダ261内を上下方向に往復摺動する。本実施形態の打撃機構75は、ストライカ751及びインパクトボルト753を含む周知の構成を有する。打撃機構75は、ピストン735の往復動により空気室750内で生じる圧力変動に応じて動作し、先端工具を駆動軸A1に沿って直線状に駆動する。
【0033】
以下、第2ハウジング3と、その内部に配置された要素について説明する。
【0034】
図1図5に示すように、第2ハウジング3は、全体としては、下端が開放された箱状体であって、第1ハウジング2の上部(詳細には上側収容部21の概ね全体)を覆うように構成されている。このことから、第2ハウジング3は、アウタハウジング又はアウタカバーとも称されうる。本実施形態の第2ハウジング3は、互いに連結固定されたメインカバー31と、トップカバー34と、コントローラケース37とを含む。
【0035】
メインカバー31は、筒状の部材であって、上側収容部21の外周部を取り巻くように配置されている。メインカバー31は、左右一対の側壁部311と、側壁部311を接続する前壁部313と後壁部315とを含む。なお、本実施形態のメインカバー31は、左右方向に互いに連結固定された2つの半割体(左側シェル及び右側シェル)によって形成されている。
【0036】
トップカバー34は、全体としては、下端が開放された箱状体であって、上壁部341と、上壁部341の周縁から下方に突出する周壁部343とを含む。周壁部343の下端部は、複数のネジでメインカバー31の上端部に固定されている。第1ハウジング2(上側収容部21)の上端部(詳細には、モータ71の収容部の一部)は、メインカバー31の上端よりも上方、つまり、トップカバー34内に突出している。但し、第1ハウジング2の上端は、トップカバー34の上壁部341よりも下方にあり、第1ハウジング2の上端とトップカバー34との間には、空間が形成されている。このトップカバー34内の空間には、コントローラケース37が配置され、トップカバー34に連結されている。
【0037】
図5に示すように、コントローラケース37は、コントローラ70を主に収容(保持)するケースである。コントローラ70は、ハンマ1の動作(モータ71の駆動等)を制御するように構成されている。本実施形態では、コントローラ70は、CPU、ROM、メモリ等を含むマイクロコンピュータであって、制御基板に搭載されている。マイクロコンピュータは、放熱部材705に支持されており、放熱部材705と共に、一体的なコントローラアセンブリ700を構成している。但し、コントローラ70には、マイクロコンピュータ以外の制御回路が採用されてもよい。また、マイクロコンピュータ(制御回路)は、放熱部材705と一体化されている必要はない。
【0038】
図5図8に示すように、コントローラケース37の中央部には、上方に開口する凹部371が形成されている。凹部371は、コントローラアセンブリ700に整合する形状(上から見て左右に長い矩形状)を有し、コントローラアセンブリ700は、この凹部371内に嵌め込まれている。
【0039】
コントローラケース37は、弾性変形(撓み)可能な2つの係止片379を有する。2つの係止片379は、凹部371の左縁及び右縁に夫々隣接して設けられている。係止片379の先端部は、凹部371の中央部に向けて突出する爪(突起)を有する。組立作業者がコントローラアセンブリ700をコントローラケース37に収容するときには、係止片379は、凹部371から離れる方向に撓むことで、コントローラアセンブリ700の凹部371への嵌め込みを許容する。係止片379が、コントローラアセンブリ700が凹部371に嵌め込まれるのに応じて元の位置に復帰すると、係止片379の爪はコントローラアセンブリ700の上面に係合し、コントローラアセンブリ700が凹部371から外れるのを防止する。
【0040】
このように、係止片379は、コントローラアセンブリ700にスナップ係合することで、コントローラアセンブリ700をコントローラケース37に仮留め(暫定的に固定)することができる。なお、「仮留めする」とは、若干の移動、又は、ある程度の外力による取り外しを許容する状態で固定又は保持することをいう。
【0041】
コントローラケース37は、凹部371内に収容されたコントローラアセンブリ700がトップカバー34の上壁部341に対向する向きで、複数のネジで下方からトップカバー34(詳細には、上壁部341)に固定されている。コントローラケース37の底壁部370は、第1ハウジング2の上端から上方に離間している(図5参照)。
【0042】
なお、本実施形態では、コントローラケース37が仮留め機能を有するため、組立作業者は、コントローラ70をコントローラケース37と一体的に取り扱うことができる。例えば、コントローラケース37が、底壁部370が上側でコントローラアセンブリ700が下側にある姿勢(逆さま)にされても、コントローラアセンブリ700はコントローラケース37から脱落することがない。よって、組立作業者は、トップカバー34を、その下端の開口が上を向く姿勢で作業台に載置し、コントローラケース37を逆さまにして、上方からネジでトップカバー34に容易に固定することができる。このため、組立作業の効率が向上する。
【0043】
また、本実施形態では、コントローラケース37は、コントローラ70に加え、主電源スイッチ77と、無線ユニット78とを支持する(図6参照)。主電源スイッチ77は、ハンマ1を通電状態に置くためのスイッチである。主電源スイッチ77がオン状態とされるのに応じて、バッテリ59からコントローラ70等に電力が供給される。無線ユニット78は、ハンマ1と共に使用される装置(例えば、集塵機)との間で無線により信号を送受信可能な公知の装置である。無線ユニット78は、起動ボタン781がオン状態とされるのに応じて、ハンマ1と共に使用される装置との間で対応付け(いわゆるペアリング)のための通信を行うように構成されている。
【0044】
主電源スイッチ77及び無線ユニット78は、凹部371に隣接してコントローラケース37に設けられた凹部375、376(図8参照)に夫々嵌め込まれている。詳細な図示は省略するが、主電源スイッチ77及び無線ユニット78は、夫々の下側から延びる電線によって、コントローラ70と電気的に接続されている。また、主電源スイッチ77及び無線ユニット78の起動ボタン781は、コントローラケース37がトップカバー34に固定された状態で、トップカバー34に形成された開口を介して外部に露出している(図1参照)。よって、使用者は、トップカバー34の外部から主電源スイッチ77及び無線ユニット78の起動ボタン781を手動操作可能である。
【0045】
更に、図6図9に示すように、コントローラケース37は、コントローラ70から延びる様々な電線38を案内するための構成を有する。より詳細には、コントローラケース37の左側部と、右側部には、夫々、電線ガイド372が設けられている。電線ガイド372は、凹部371の内部空間と連通する通路373を規定する壁部である。本実施形態の電線ガイド372は、断面略U字状の壁部であって、各通路373は、凹部371から、コントローラケース37の端に向けて、緩やかに湾曲しつつ下方に延びている。コントローラ70から延びる電線38は、左方へ延びる電線グループ38Lと、右方へ延びる電線グループ38Rとに分けられ、夫々、左側の電線ガイド372と、右側の電線ガイド372とによって、コントローラケース37の外部へ案内されている。なお、これらの電線38は、バッテリ装着部6の端子651(図6参照)等に接続されている。ハンマ1の配線については、後で詳述する。
【0046】
以下、ハンドル4及びその内部に配置された要素について説明する。なお、以下では、説明の便宜上、2つのハンドル4を総称する場合、又は、2つのうち何れか一方を区別なく指す場合、単にハンドル4という。また、トリガ43が設けられたハンドル4を特に指す場合、右ハンドル4Rといい、トリガ43を有しないハンドル4を特に指す場合、左ハンドル4Lという。
【0047】
図5に示すように、2つのハンドル4は、ハンマ1の左右方向の中心を通る平面P(駆動軸A1及びモータ71の出力シャフト711の回転軸を含む平面)に対して実質的に対称に配置されている。また、2つのハンドル4は、右ハンドル4Rのみがトリガ43を保持するように構成されている点以外、実質的に同一の構成を有する。本実施形態では、ハンドル4は、第2ハウジング3とは別個の部材であって、第2ハウジング3に連結固定されている。各ハンドル4は、ベース部41と、把持部42とを含む。
【0048】
ベース部41は、第2ハウジング3(詳細には、メインカバー31)の側壁部311に取り付けられる部分である。ベース部41は、全体としては、側方に開口する箱状の部分であって、側壁部311の概ね上半分を覆うように構成されている。ベース部41の開口側の端部は、側壁部311に複数のネジで固定されている。これにより、ハンドル4は第2ハウジング3と一体化されている。
【0049】
把持部42は、有底筒状に形成され、把持部42の内部空間とベース部41の内部空間とが連通するように、ベース部41に連結されている。なお、本実施形態では、ベース部41と把持部42とは、一体的に形成されているが、ベース部41と把持部42とは、別個の部材として形成され、互いに固定されていてもよい。右ハンドル4Rの把持部42の上部にのみ、トリガ43を外部に露出させるための開口が形成されている。
【0050】
トリガ43は、右ハンドル4Rによって、概ね上下方向に回動可能に支持されている。常時には、トリガ43の一部は、バネの付勢力により、右ハンドル4Rの把持部42の開口から上方に突出するオフ位置にある。トリガ43は、使用者が右ハンドル4Rの把持部42を手で把持しつつ、トリガ43を下方へ押圧するのに応じて、下方に回動する。
【0051】
右ハンドル4Rのベース部41内には、モータ71の起動用のスイッチ72が収容されている。より詳細には、メインカバー31の右の側壁部311の外面からは、複数のリブが右方に突出している。スイッチ72は、リブによって規定される凹部に嵌め込まれ、右の側壁部311に支持されている(図10参照)。トリガ43がオフ位置にある間、スイッチ72はオフ状態で維持されている。一方、トリガ43が使用者によって押圧され、オン位置まで回動すると、トリガ43の一部がスイッチ72のプランジャを押圧し、スイッチ72をオン状態とする。コントローラ70は、トリガ4がオン状態の間、モータ4を駆動する。
【0052】
以下、バッテリハウジング5の構成について説明する。
【0053】
図5に示すように、2つのバッテリハウジング5は、夫々、2つのハンドル4の真下に隣接配置され、第2ハウジング3(詳細には、メインカバー31)の側壁部311から左方及び右方に突出している。2つのバッテリハウジング5は、平面Pに対して実質的に対称に配置され、実質的に同一構成を有する。このようなバッテリハウジング5の配置によれば、2つのバッテリ59が装着された状態で、ハンマ1の左右方向の重量バランスを最適化することができる。また、2つのバッテリ59が装着されると、先端工具が下方に向けられた姿勢でのハンマ1全体の重心が下方に移動するため、使用者は、ハンマ1を安定した状態で保持し、打撃作業を行うことができる。
【0054】
図5図10図11に示すように、バッテリハウジング5は、上壁部51、下壁部52、後壁部53及び側壁部54によって形成されている。側壁部54は、バッテリ59の形状に対応する概ね矩形状の壁部であって、メインカバー31の側壁部311から側方(左方又は右方)に離間して、側壁部311と概ね平行に配置されている。上壁部51、下壁部52、後壁部53は、夫々、メインカバー31の側壁部311から夫々側方(左方又は右方)に突出し、側壁部54の上縁、下縁、後縁に接続している。かかる構成により、バッテリハウジング5は、前方に開放されたバッテリ59の収容空間を規定する。
【0055】
本実施形態では、上壁部51、下壁部52、及び、後壁部53は、二重壁構造を有する。つまり、上壁部51、下壁部52、及び、後壁部53は、夫々、内部空間を有する。上壁部51、下壁部52、及び、後壁部53の内部空間は、互いに接続しており、全体でバッテリハウジング5の内部空間50を形成する。
【0056】
本実施形態では、バッテリハウジング5は、メインカバー31の側壁部311と一体的に形成されたベース部501と、ベース部501とは別個の部材であって、ベース部501に複数のネジで固定されたカバー部502とを含む(図10参照)。ベース部501は、上壁部51、下壁部52、後壁部53の左右方向の概ね半分を含む。カバー部502は、上壁部51、下壁部52、後壁部53のうち残りの概ね半分と側壁部54とを含む。
【0057】
バッテリハウジング5は、バッテリ装着部6を有する。バッテリ装着部6は、バッテリ59を取り外し可能に受けるように構成されている。バッテリ59は、周知の充電式のバッテリ(バッテリパックともいう)であって、概ね直方体状のケースと、ケース内に収容された複数のセルを有する。バッテリ59は、ハンマ1を含む各種電動工具に選択的に装着可能である。
【0058】
バッテリ装着部6は、バッテリ59と物理的に係合可能な係合部61と、バッテリ59の端子と電気的に接続可能な端子部65とを含む。
【0059】
周知の構成であるため、詳細な図示は省略するが、係合部61は、一対の(2つの)レールを含む。レールは、上壁部51の下側に、上壁部51に隣接して設けられている。レールは、左右方向に離間して、互いに平行に前後方向に延在する。一対のレールは、バッテリ59のケースの上端部に設けられた一対の溝にスライド係合可能である。
【0060】
端子部65は、板状のベース(支持体)655と、ベース655に支持された複数の端子651とを含む。なお、複数の端子651は、少なくとも一対の電極端子を含む。端子部65は、端子アセンブリや端子台とも称されうる。端子部65は、バッテリハウジング5のベース部501とカバー部502との連結により、上壁部51の2つの半割体に挟み込まれ、支持(保持)されている。なお、上述のように、上壁部51は、二重壁構造を有する。具体的には、上壁部51は、第1の上壁511と、第1の壁の下方に配置された第2の上壁512とを含む。端子部65のベース655は、第1の上壁511と第2の上壁512との間に形成される上壁部51の内部空間に収容されている。端子651の一部は、ベース655の上側に露出している。端子651の別の一部は、第2の上壁512に形成された開口から、上壁部51の下方に突出している。
【0061】
使用者が、バッテリ59の溝と係合部61のレールとが係合した状態で、バッテリ59をバッテリハウジング5の前方から所定位置まで後方にスライドさせると、バッテリ59の端子とバッテリ装着部6の端子651とが接触し、電気的に接続する。なお、バッテリ59が所定位置に配置されると、バッテリ59のロック部材が係合部61に設けられた凹部に係合し、バッテリ59は所定位置でロックされる。このようにしてバッテリ59がバッテリ装着部6に装着されると、バッテリハウジング5は、バッテリ59の前面以外の部分を実質的に覆う。よって、バッテリハウジング5は、バッテリ59を外力から保護するプロテクタとしても機能する。
【0062】
また、バッテリハウジング5の下端部には、LEDライト79が保持されている。より詳細には、LEDライト79は、下壁部52に設けられた凹部に嵌め込まれ、支持されている。LEDライト79は、下壁部52に設けられた開口を介して、作業領域(先端工具の先端が配置される領域)に向けて光を照射することができる。コントローラ70は、LEDライト79の駆動を制御する。
【0063】
以下、第1ハウジング2と第2ハウジング3との連結構造について説明する。
【0064】
上述のように、本実施形態では、第1ハウジング2と第2ハウジング3とは、上下方向に相対移動可能に連結されている。上述のように、第2ハウジング3には、2つのハンドル4と、2つのバッテリハウジング5とが一体化されている。このため、第2ハウジング3、ハンドル4及びバッテリハウジング5の全体が、第1ハウジング2に対して一体的に上下方向に相対移動可能である。
【0065】
より詳細には、図5に示すように、上下方向において、第1ハウジング2と第2ハウジング3との間には、一対の第1弾性部材111と、一対の第2弾性部材112(図5では1つのみ図示)が介在している。なお、本実施形態では、第1弾性部材111及び第2弾性部材112の各々には、圧縮コイルバネが採用されている。第1ハウジング2と第2ハウジング3とは、第1弾性部材111及び第2弾性部材112の付勢力が作用した状態で、上下方向(互いに近づく方向及び互いから離れる方向)に相対移動することができる。
【0066】
第1弾性部材111は、把持部42(軸A2)よりも下方において、第1ハウジング2と第2ハウジング3との間に介在する。本実施形態では、2つの第1弾性部材111は、駆動軸A1に対して実質的に対称に(詳細には平面Pに対して対称に)配置されている。より詳細には、第1ハウジング2の上側収容部21の左右の側部には、夫々、バネ受け部212が設けられている。第2ハウジング3のメインカバー31の左右の側壁部311には、夫々、バネ受け部312が設けられている。第2ハウジング3のバネ受け部312は、第1ハウジング2のバネ受け部212に対向するように、その上方に配置されている。第1弾性部材111は、バネ受け部212とバネ受け部312の間で上下方向に延在するように配置されている。
【0067】
第2弾性部材112は、把持部42(軸A2)よりも上方において、第1ハウジング2と第2ハウジング3との間に介在する。本実施形態では、2つの第2弾性部材112は、駆動軸A1に対して実質的に対称に配置されている。より詳細には、第1ハウジング2の上側収容部21の上面には、2つのバネ受け部213(図5では1つのみ図示)が設けられている。第2ハウジング3のトップカバー34に固定されたコントローラケース37の下面には、2つのバネ受け部374(図9参照)が設けられている。コントローラケース37のバネ受け部374は、第1ハウジング2のバネ受け部213に対向するように、その上方に配置されている。第2弾性部材112は、バネ受け部213とバネ受け部374の間で上下方向に延在するように配置されている。
【0068】
なお、第1ハウジング2と第2ハウジング3との連結作業では、まず、第1ハウジング2に、第1弾性部材111を介してメインカバー31が連結される。その後、第1ハウジング2に、第2弾性部材112を介してトップカバー34が連結され、トップカバー34はメインカバー31にネジで固定される。
【0069】
更に、ハウジング11は、第1ハウジング2と第2ハウジング3との上下方向の相対移動を案内するためのガイド構造を備えている。
【0070】
図5及び図12に示すように、2つの第1ガイド部114が、上下方向において、把持部42(軸A2)の近傍(把持部42と概ね同じ位置)に設けられている。本実施形態では、2つの第1ガイド部114は、平面Pに対して実質的に対称に配置されている。本実施形態では、各第1ガイド部114は、ガイド筒115と、ガイド溝116とを含む。ガイド筒115は、円筒状の金属部材である。2つのガイド筒115は、夫々、第1ハウジング2の上側収容部21の左右の側部に固定されており、軸A2に直交するように、上下方向に延在する。ガイド溝116は、湾曲面で規定される断面半円状の溝である。ガイド溝116の湾曲面は、ガイド筒115の外周面に整合する。2つのガイド溝116は、夫々、第2ハウジング3のメインカバー31の左右の側壁部311の内側に形成されている。ガイド筒115は、夫々、ガイド溝116内に部分的に配置されており、ガイド溝116に沿って上下方向にスライド可能である。
【0071】
更に、図5及び図13に示すように、2つの第2ガイド部117が、上下方向において、第1ガイド部114よりも下方に設けられている。より詳細には、第2ガイド部117は、上下方向においてバッテリハウジング5の近傍(バッテリハウジング5と概ね同じ位置)に設けられている。本実施形態では、2つの第2ガイド部117は、平面Pに対して実質的に対称に配置されている。本実施形態では、各第2ガイド部117は、ガイド突起118と、2つのガイドリブ119とを含む。ガイド突起118は、断面矩形状の突起である。2つのガイド突起118は、第1ハウジング2の上側収容部21の左右の側部に夫々形成されており、上下方向に延在する。2つのガイドリブ119は、夫々、ガイド突起118の前側と後ろ側で、第2ハウジング3のメインカバー31の左右の側壁部311の内側から突出している。ガイド突起118は、夫々、ガイドリブ119の間に部分的に配置されており、ガイドリブ119に沿って上下方向にスライド可能である。
【0072】
以上のような構成により、第1ハウジング2と第2ハウジング3とは、初期状態では、第1弾性部材111及び第2弾性部材112によって、上下方向において互いに離れる方向(つまり、下方及び上方)に付勢され、初期位置(図5に示す位置)に配置されている。一方、打撃作業時には、第1ハウジング2に駆動軸A1の延在方向(つまり上下方向)の振動が生じる。この振動に応じて、第1ハウジング2と第2ハウジング3とは、第1弾性部材111及び第2弾性部材112の付勢力を受けつつ相対移動する。この間、第1ガイド部114及び第2ガイド部117は、第1ハウジング2と第2ハウジング3との上下方向の相対移動を安定して案内する。かかる防振構造により、第1ハウジング2から第2ハウジング3、ひいては使用者に把持される把持部42への振動伝達を抑制することができる。また、第2ハウジング3に収容されたコントローラ70を振動から効果的に保護することができる。
【0073】
以下、ハンマ1における配線、詳細には、各種電線の配置及び接続(結線作業)について説明する。
【0074】
上述のように、左右の電線ガイド372は、コントローラ70から延びる電線グループ38L、38Rを、夫々、コントローラケース37の外側へ案内する。より詳細には、図7に示すように、左側の電線ガイド372は、電線グループ38Lを、左下方向に向けて案内する。右側の電線ガイド372は、電線グループ38Rを、右下方向に向けて案内する。図6に示すように、各電線ガイド372の先端は、左右方向において、第1ハウジング2の外面と概ね同じ位置、又は、第1ハウジング2の外面よりも若干第2ハウジング3側(第1ハウジング2の外面と第2ハウジング3の内面との間)にある。よって、電線ガイド372は、左右方向において、電線グループ38L、38Rを、夫々、第1ハウジング2よりも外側に向けて案内する。電線グループ38L、38Rは、夫々、対応する電線ガイド372から出て、第2ハウジング3(トップカバー34)内を下方に延び、夫々、第2ハウジング3に設けられた開口30L、30Rを通って、第2ハウジング3の外部へ延び出ている。
【0075】
開口30L、30Rは、第2ハウジング3の内部空間と外部空間を連通させる開口であって、第2ハウジング3内に配置されたコントローラケース37から延びる電線38を、第2ハウジング3の外部に導くために設けられている。本実施形態では、開口30L、30Rは、メインカバー31の左右の側壁部311の上端に夫々形成された凹部(切り欠き)である。開口30L、30Rは、夫々、電線ガイド372の下方、且つ、前後方向において電線ガイド372と概ね同じ位置に設けられている。よって、電線グループ38L、38Rは、夫々、電線ガイド372によって開口30L、30Rに向けて案内され、最短ルートを通って開口30L、30Rに至る。
【0076】
図6図14図15に示すように、左側の電線グループ38Lは、開口30Lから第2ハウジング3を出て、左の側壁部311の外側且つハンドル4の内部に延びる。電線グループ38Lは、電線38のうち、左側のバッテリ装着部6の端子651に接続された端子用電線381と、LEDライト79に接続されたLED用電線382と、モータ71から延びる電線715に接続されたモータ用電線383とを含む。
【0077】
端子用電線381の一端は、端子部65の端子651に直接(物理的に)接続されている。上述のように、端子部65は、ベース部655がバッテリハウジング5の上壁部51内に配置された状態で、バッテリハウジング5の上壁部51に支持されている。上壁部341の第1の上壁511のうち、端子部65の一部の真上の領域には、開口513が形成されている。端子用電線381は、この開口513を通って、上壁部51内で端子651(ベース655の上方に露出した部分)に接続されている。
【0078】
LED用電線382の一端は、バッテリハウジング5の下壁部52に固定されたLEDライト79に接続されている。より詳細には、LED用電線382は、バッテリハウジング5の上壁部341の開口513からバッテリハウジング5の内部空間50に入り、下壁部52の概ね中央部まで延びて、LEDライト79に直接接続されている。
【0079】
このように、開口513は、ハンドル4の内部空間からバッテリハウジング5の内部空間50に至る端子用電線381及びLED用電線382の効率的な経路を形成している。また、バッテリハウジング5の内部空間50は、LED用電線382の通路として有効活用されている。
【0080】
モータ用電線383の一端は、コネクタ384に接続されている。モータ用電線383は、コネクタ384を介してモータ71から延びる電線715に接続されている。
【0081】
モータ71から延びる電線715は、第1ハウジング2の上側収容部21の上後端部(モータ71の後側)から第1ハウジング2の外部へ、後方に延び出ている。更に、電線715は、第2ハウジング3(メインカバー31)内を延び、第2ハウジング3に設けられた開口301を通って、第2ハウジング3の外部へ延び出ている。
【0082】
開口301は、第2ハウジング3の内部空間と外部空間を連通させる開口であって、モータ71から延びる電線715を、第2ハウジング3の外部に導くために設けられている。本実施形態では、開口301は、メインカバー31の左の側壁部311の後端部の上端に形成された凹部(切り欠き)である。なお、開口301は、電線グループ38Lが通る開口30Lよりも後方に配置されている。
【0083】
また、メインカバー31の内部には、内壁部(隔壁)317が設けられている。より詳細には、内壁部317は、第2ハウジング3のメインカバー31の後壁部315の概ね左半分及び左の側壁部311の後端部に対応して設けられている。内壁部317と上側収容部21の外面との間、及び、内壁部317と後壁部315及び側壁部311の内面との間には、夫々、隙間(空間)が設けられている。電線715は、内壁部317と、メインカバー31の後壁部315及び側壁部311の内面との間に規定される通路318を通って、開口301から第2ハウジング3外部に延びている。内壁部317は、電線715が第1ハウジング2に接触するのを妨げることで、電線715を保護する。
【0084】
電線715の一端は、コネクタ716に接続されている。モータ用電線383のコネクタ384と、モータ71からの電線715のコネクタ716とが、互いに連結されることで、モータ用電線383と、モータ71からの電線715とが電気的に接続されている。メインカバー31の左の側壁部311の外面からは、複数のリブが左方に突出している。互いに連結されたコネクタ384、716は、リブによって規定される凹部に嵌め込まれ、左の側壁部311に支持されている。
【0085】
図6図10図11に示すように、右側の電線グループ38Rは、開口30Rから第2ハウジング3を出て、右の側壁部311の外側且つハンドル4の内部に延びる。電線グループ38Rは、電線38のうち、右側のバッテリ装着部6の端子651に接続された端子用電線381と、LEDライト79に接続されたLED用電線382と、モータ71の起動用のスイッチ72に接続されたスイッチ用電線385とを含む。
【0086】
右側の電線グループ38Rの端子用電線381及びLED用電線382の配線は、左側の電線グループ38Lの端子用電線381及びLED用電線382の配線と実質的に同じである。具体的には、端子用電線381は、右の側壁部311の外側で下方に延び、バッテリハウジング5の上壁部51に形成された開口513を通って、上壁部51内で端子651に直接接続されている。LED用電線382は、右の側壁部311の外側で下方に延び、開口513からバッテリハウジング5の内部空間50に入って内部空間50を通り、LEDライト79に直接接続されている。
【0087】
スイッチ用電線385は、右の側壁部311の外側で下方に延びる。スイッチ用電線385の一端は、上述のように側壁部311のリブに保持されたスイッチ72に、直接接続されている。
【0088】
以上に説明したように、コントローラ70から延びる様々な電線38は、開口30L、30Rを通じて第2ハウジング3の外側に延び出ている。よって、電線38が第1ハウジングの振動時に第1ハウジングに接触する可能性を効果的に低減し、電線38の劣化を抑制することができる。よって、本実施形態のハンマ1では、電線38が第1ハウジング2に接触しないように、電線38を第2ハウジング3の内面側に固定する保持部材(留め具)は使用されていない。
【0089】
特に、本実施形態では、開口30L、30Rは、メインカバー31の左右の側壁部311の上端に設けられている。側壁部311の上端は、上下方向において、第1ハウジング2の上部に対応する位置にある。よって、コントローラ70から延びる電線38が第1ハウジング2の側方を通過する距離を比較的短くし、コントローラ70に比較的に近い位置で、電線38を第2ハウジング3の外側に導き出すことができる。
【0090】
また、本実施形態では、上述の構成を有するコントローラケース37が、第2ハウジング3内における電線38の保護と開口30L、30Rへ向かう最適なルートの実現に寄与する。具体的には、底壁部370は、上下方向において、電線38と第1ハウジング2との間で、電線38が第1ハウジング2と接触するのを妨げる。また、電線ガイド372は、電線38を、第1ハウジング2から離れるように、開口30L、30Rに向けて案内する。このようなコントローラケース37を採用することで、電線38が第1ハウジング2に接触する可能性をより確実に低減することができる。
【0091】
更に、ハンマ1の組立作業者は、従来に比べ、コントローラ70から延びる電線38と、他の電線又は部品との結線作業を、第2ハウジング3の外側で容易に行うことができる。
【0092】
具体的には、従来の配線構造では、トップカバー34に収容されたコントローラ70から延びる電線38と、メインカバー31の内部に配置された部品(例えば、第1ハウジング2に収容されたモータ71)から延びる電線とは、ハウジング11(第2ハウジング3)の内部で接続されることが一般的である。この場合、組立作業者は、これらの電線を、直接的に、又は別個の接続部品を介して接続した後でハウジング11内に収め、トップカバー34をメインカバー31に連結する必要がある。この場合、組立作業者は、目視が難しい状態で、接続された電線を第2ハウジング3内に収めなければならないため、作業効率が低下する。また、電線の一部が、トップカバー34とメインカバー31の間に挟まれる可能性もある。
【0093】
これに対し、本実施形態では、上述のように、コントローラ70から延びるモータ用電線383及びモータ71から延びる電線715は、夫々、開口30L及び開口301を通じて第2ハウジング3の外側に延び出ている。このため、組立作業者は、左の側壁部311の外側で、モータ用電線383と電線715とを目視しながら容易に接続することができる。なお、モータ用電線383と電線715とは、コネクタ384、716を介さずに直接接続されてもよい。また、モータ用電線383と電線715とを接続する結線工程は、トップカバー34がメインカバー31に固定される前であっても後であってもよい。これにより、配線作業を効率化することができる。また、モータ用電線383、電線715の一部がトップカバー34とメインカバー31の間に挟まれる可能性も低減することができる。
【0094】
特に、本実施形態では、開口30L、30R、及び開口301は何れも、メインカバー31の側壁部311の上端に形成された凹部(切り欠き)である。よって、組立作業者は、電線38、715を、対応する開口30L、30R、301に夫々通過させた状態で、トップカバー34とメインカバー31とを連結するだけで、電線383、715を容易に第2ハウジング3の外側に導き出すことができる。
【0095】
また、端子用電線381、LED用電線382、スイッチ用電線385も、モータ電線383と同様、開口30L、30Rを通じて第2ハウジング3の外側に延び出ている。このため、組立作業者は、これらの電線を、夫々、第2ハウジング3の外側に支持される端子651、LEDライト79、スイッチ72と容易に接続することができる。なお、本実施形態では、端子用電線381、LED用電線382、スイッチ用電線385は、別個の接続部品を介さずに、端子部65、LEDライト79、スイッチ72に直接接続されている。開口30L、30Rが凹部(切り欠き)であるため、組立作業者は、端子部65、LEDライト79、スイッチ72が予め接続された状態の端子用電線381、LED用電線382、スイッチ用電線385を開口30L、30Rに通過させた状態で、トップカバー34とメインカバー31とを連結することができる。このため、結線作業の効率向上に加え、部品数を低減することができる。
【0096】
更に、第2ハウジング3の外側に配置された電線の大部分は、ハンドル4によって覆われている。組立作業者は、コントローラ70から延びる電線38と、対応する部品との結線作業後に、第2ハウジング3(メインカバー31)にハンドル4を取り付けることができる。よって、本実施形態のハンドル4は、結線作業を容易化しつつ電線を保護することができる。
【0097】
同様に、第2ハウジング3の外側に配置された電線の残りの部分は、バッテリハウジング5によって覆われている。バッテリハウジング5は、第2ハウジング3と一体のベース部501と、ベース部501に連結されたカバー部502とを含む。組立作業者は、コントローラ70から延びる電線38と、対応する部品との結線作業と、バッテリハウジング5への部品の取り付け作業後に、ベース部501にカバー部502を取り付けることができる。よって、本実施形態のバッテリハウジング5は、結線作業を容易化しつつ電線を保護することができる。
【0098】
上記実施形態の各構成要素(特徴)と本開示又は発明の各構成要素(特徴)の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は、単なる一例であって、本開示又は本発明の各構成要素を限定するものではない。
【0099】
ハンマ1は、「打撃工具」の一例である。モータ71は、「第1ハウジングに配置された部品」の一例である。開口30L、30R、301の各々は、「配線用の凹部」の一例である。第1弾性部材111、第2弾性部材112の各々は、「弾性部材」の一例である。バッテリハウジング5の上壁部51及び開口513は、夫々、「壁部」及び「開口」の一例である。トップカバー34は、「第2ハウジング本体」の一例である。コントローラケース37は、「ケース」の一例である。
【0100】
なお、上記実施形態は単なる例示であり、本開示に係る打撃工具は、例示されたハンマ1に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。また、これらの変更のうち少なくとも1つが、実施形態のハンマ1、及び各請求項に記載された特徴の少なくとも1つと組み合わされて採用されうる。
【0101】
本開示に係る打撃工具は、先端工具を駆動軸に沿って直線状に駆動するのみならず、先端工具を駆動軸周りに回転駆動可能なハンマドリルであってもよい。打撃工具の種類に応じて、モータや先端工具の駆動機構(運動変換機構、打撃機構)の構成や配置は、公知の任意の構成や配置に適宜変更されうる。
【0102】
第1ハウジング2及び第2ハウジング3の各々の形状や構成部材は、実施形態の例示に限られず、適宜変更されうる。例えば、コントローラ70から延びる電線38や、モータ71から延びる電線715を第2ハウジング3の外部に導くための開口(配線用の開口)の数及び位置は、互いに接続される電線又は部品の数及び位置に応じて変更されうる。例えば、配線用の開口は、トップカバー34の下端に形成された凹部(切り欠き)であってもよいし、メインカバー31及びトップカバー34の少なくとも一方に形成された貫通孔であってもよい。また、配線用の開口の変更に対応して、コントローラケース37の構成(例えば、電線ガイド372の形状、数、位置)も変更されうる。
【0103】
第1ハウジング2と第2ハウジング3との弾性的な連結構造(例えば、第1ハウジング2と第2ハウジング3との間に介在する弾性部材の種類、数、位置)は、適宜変更されうる。第1ハウジング2と第2ハウジング3の相対移動のガイド構造(例えば、第1ガイド部114と第2ガイド部117の構成、数、位置)についても同様である。なお、弾性部材及びガイド部の数は、夫々、2以上であることが好ましい。また、本開示に係る配線構造は、ハウジングが、互いに実質的に相対移動不能に連結固定される2つの収容部(2つの別個の収容体)で構成される場合にも適用可能である。
【0104】
2つのハンドル4は、メインカバー31とトップカバー34とにまたがって取り付けられていてもよいし、トップカバー34(第2ハウジング3のうち、コントローラ70を収容する部分)に取り付けられてもよい。ハンドル4の数は1つであってもよい。
【0105】
バッテリ装着部6の数(つまり、ハンマ1に装着可能なバッテリ59の数)は、1つでも、3つ以上であってもよい。また、バッテリ装着部6の位置は適宜変更されうる。ハンマ1は、バッテリ装着部6に代えて電源コードを備え、電源コードを介して外部電源に接続可能であってもよい。
【0106】
更に、本発明及び上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち何れか1つのみ、あるいは複数が、実施形態のハンマ1及びその変形例、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記ハウジングは、配線用の少なくとも1つの開口を有し、
前記少なくとも1つの開口は、前記第1ハウジングと前記第2ハウジングとが連結された状態で、前記ハウジングの内部と外部とを連通させる。
[態様2]
打撃工具は、前記第1ハウジングに収容されたモータを更に備え、
配線用の前記少なくとも1つの開口(凹部)は、前記コントローラから延びる前記少なくとも1つの電線に対応する第1開口と、前記モータから延びる電線に対応する第2開口とを含む。
[態様3]
前記打撃工具は、前記ハウジングの外側で前記ハウジングに支持された前記モータの起動用のスイッチを更に備え、
前記少なくとも1つの電線は、前記スイッチに直接接続されたスイッチ用電線を含み、
前記少なくとも1つのハンドルは、前記スイッチ用電線と前記スイッチを覆うように前記ハウジングに取り付けられている。
【符号の説明】
【0107】
1:ハンマ、11:ハウジング、111:第1弾性部材、112:第2弾性部材、114:第1ガイド部、115:ガイド筒、116:ガイド溝、117:第2ガイド部、118:ガイド突起、119:ガイドリブ、15:ツールホルダ、2:第1ハウジング、21:上側収容部、212:バネ受け部、213:バネ受け部、26:下側収容部、261:シリンダ、3:第2ハウジング、30L:開口、30R:開口、301:開口、31:メインカバー、311:側壁部、312:バネ受け部、313:前壁部、315:後壁部、317:内壁部、318:通路、34:トップカバー、341:上壁部、343:周壁部、37:コントローラケース、370:底壁部、371:凹部、372:電線ガイド、373:通路、374:バネ受け部、375:凹部、376:凹部、379:係止片、38:電線、38L:電線グループ、38R:電線グループ、381:端子用電線、382:LED用電線、383:モータ用電線、384:コネクタ、385:スイッチ用電線、4:ハンドル、4L:左ハンドル、4R:右ハンドル、41:ベース部、42:把持部、43:トリガ、5:バッテリハウジング、501:ベース部、502:カバー部、51:上壁部、511:第1の上壁、512:第2の上壁、513:開口、52:下壁部、53:後壁部、54:側壁部、59:バッテリ、6:バッテリ装着部、61:係合部、65:端子部、651:端子、655:ベース、70:コントローラ、700:コントローラアセンブリ、705:放熱部材、71:モータ、711:出力シャフト、715:電線、716:コネクタ、72:スイッチ、73:運動変換機構、731:クランクシャフト、733:連結ロッド、735:ピストン、75:打撃機構、750:空気室、751:ストライカ、753:インパクトボルト、77:主電源スイッチ、78:無線ユニット、781:起動ボタン、79:LEDライト、A1:駆動軸、A2:軸
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