(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112844
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】野生動物の捕獲装置
(51)【国際特許分類】
A01M 23/22 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
A01M23/22
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014808
(22)【出願日】2022-02-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】520506556
【氏名又は名称】小西 穰
(72)【発明者】
【氏名】小西穰
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA01
2B121BA11
2B121BA36
2B121BA39
2B121BA42
2B121BA51
2B121EA21
2B121FA01
(57)【要約】
【課題】 野生動物の被害が多くなってきています、有害駆除動物、クジャク、猿、キョン、猪、鹿などを対象に、里山で動物に合わせ一人で設置撤去できる、軽量で簡素な捕獲装置罠が理想です。
【解決手段】 動物の目線では二本の支柱しか見えない装置で、上方に設置した捕獲網を固定した落下枠を地表に落下固定する事で、捕獲網と地表との間に動物を閉じ込める装置で、動物が穴を掘り逃亡する事を防止できるのが特色で有り、対象動物に合わせ、大きさ・材質を変えられる。又、軽量簡素で一人で、分解組立が容易に出きて搬送でき、作業効率と捕獲数を向上させる事ができるのが特徴で有る野生動物の捕獲装置です。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一本のパイプ状部材中央を曲げ加工し、中央から等間隔の部分をそれぞれ中央方向に等角度で曲げ加工して、両端を鉛直に地中に埋設した支柱と、
前記支柱の上部に落下自在に吊り下げられている捕獲ネットを固定した四角形の落下枠と、
捕獲動物の逃亡を防ぐために地表に設置した網目状鋼棒部材と、
前記捕獲ネットを固定した四角形の落下枠を支柱上部に吊り下げ支持する落下枠支持解除装置と、
前記落下枠を落下誘導及び地表部に固定する落下枠誘導固定装置と、
動物が前記落下枠支持解除装置を接触作動させた時、前記捕獲ネットを固定した落下枠を、前記落下枠誘導固定装置をもって地表に固定させて、地表に設置された前記網目状鋼棒部材との間に動物を閉じ込め、捕獲するように形成されていることを特徴とする野生動物の捕獲装置。
【請求項2】
前記支柱は、前記一本のパイプ状部材を三か所曲げ加工した両端を鉛直に地中に埋設されており、前記落下枠はパイプ状部材を四か所曲げ加工した長方形であって前記支柱中央に吊り下げて支持されるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の野生動物の捕獲装置。
【請求項3】
前記捕獲ネットは、箱型で底が無い五面体をもって形成されており、前記五面体の上面は長方形、大きさは前記落下枠と同一とし、高さは捕獲動物の体高とし、前記五面体の底部を前記落下枠に固定したことを特徴とする請求項1または請求項2の記載の野生動物の捕獲装置。
【請求項4】
前記地表に設置した網目状鋼棒部材は、鋼棒を網目状に溶接加工した複数の部材を、地表において連結固定して、前記捕獲ネットを固定した落下枠との間に野生動物を閉じ込めるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の野生動物の捕獲装置。
【請求項5】
前記捕獲ネットを固定した落下枠を前記支柱中央に吊り下げる前記落下枠支持解除装置は、前記捕獲ネットを固定した落下枠の吊り下げ状態を支持及び解除する作動部分と、捕獲動物が接触することによる作動部分との間に重りを有することを特徴とする請求項1から請求項4の記載のいずれか1項に記載の野生動物の捕獲装置。
【請求項6】
前記落下枠誘導固定装置は、二つの部材に各二つの機構を併せ持たせた装置である。落下枠の四隅の外側に軸方向を垂直に固定された短いパイプ状部材と、上部に細筒管を被覆した鋼棒に折り曲げた部品と環状部品を溶接固定した部分と別の鋼棒で構成された部材で成り立つことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の野生動物の捕獲装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、野生動物及び有害駆除動物等を捕獲する野生動物の捕獲装置に係り、有害駆除動物、沖縄宮古島のクジャク、千葉県のキョン、全国の野生動物、猿、猪、鹿などを捕獲する、従来に無い装置で有る野生動物の捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
捕獲装置には、くくり罠・箱罠・網罠などが有ります。有害獣駆除の為の罠も各種の特許物件が有りますが、大型や電子化など複雑な罠は普及していません。その理由は次のように考えられ、動物が餌を求めて移動します、動物に合わせ一人で設置撤去できる罠が理想です。一番簡単な、くくり罠が多く使われ、同じ様に箱罠が普及しています。有害獣駆除は捕獲装置と猟銃に由る方法が有りますが、猟銃保持者は著しく減少しています。捕獲従事者もなかなか増えない上に高齢化が進んでいます。より簡素に単純な効率の良い罠が求められています。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】[特許文献1]特開2018-019616号公報 [特許文献2]特開2014-000036号公報 [特許文献3]特開2020-115784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の罠は、特定の動物を対象にしています。例えば、鹿用に、落下式捕獲装置が有ります((特許文献1)特開2018-019616号公報及び(特許文献2)特開2014-000036号公報参照)。
上記文献などは、ドロップネット式などの捕獲網を有する装置ですが、猪は捕れません。何故なら猪の特性として落とし罠(くくり罠)に掛かった時など、短時間で穴を掘り目だけ出して隠れています。猪の穴を掘る事による逃亡を防ぐ装置は、現在くくり罠と箱罠しか見当たりません。
上記文献以外のドロップネット式捕獲装置にも、多数の支柱が使用されていますが、支柱が多くなれば成るほど、設置人数が増え労力が掛かります。野生動物の目には異物がたくさん有り警戒感がより増します。
上記(特許文献3)特開2020-115784号公報は、猪用の罠で、網袋を使用した箱罠の一種です、箱罠の鉄製の部分をネットに替えた発明で、地上に設置している事は本発明と大きく違い、箱罠と同じに猪には大いなる異物となり、猪の捕獲は大変と思われます。
一番普及している、くくり罠(落とし罠を含む)は、何時掛かるか判りません。毎日見回りする事が出来無い時は、鹿と猪は足を食い千切り逃亡しますし、時には動物が死んでいます。キョンは、中型犬より小さく、成人男子の親指程の足首ですので、落とし罠による捕獲が如何に難しいか推察できます。さらにキョンは、人家の庭先にて花まで食べています。鹿も朝林道などで見かける様になりました。猪は本来夜行性ですが昼間に見かける事が多くなり、テレビなどの映像も増えました。
箱罠でも、分解した1/6部品でも重さが30~50kg位で大きさが60×100cm以上ですから、一人で50m先まで、6個の部品を運ぶのは大変ですし、時には二人以上必要になります。その上、餌を置いても設置後直ぐには入りません。猿・猪・鹿などは狭い空間に入り込む習性は無く、時には半年~一年位動物は掛かりません。
少子高齢化の時代に、捕獲従事者が増えるとは考えられません。
この様な問題を解決する為に、本発明は捕獲従事者の負担軽減を図り、軽量簡素で単純な装置を提案し、初心者でも組立分解を短時間で行うことが出来る野生動物の捕獲装置を提供する事を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するために本発明の野生動物の捕獲装置の態様は、一本のパイプ状部材中央を曲げ加工し、中央から等間隔の部分をそれぞれ中央方向に等角度で曲げ加工して、両端を鉛直に地中に埋設した地表部二本の支柱からなる全体形状は、例えば家の記号マークに見えるのが特徴です。
箱型の捕獲ネットを固定した長方形の落下枠を、支柱の上部に吊り下げて落下させる事で、特に猪の逃亡を防ぐために地表に設置した網目状鋼棒部材との間に、捕獲動物を閉じ込める装置です。
更に捕獲ネットを固定した長方形の落下枠を支柱上部に吊り下げ支持、動物が接触する事で支持を解除する落下枠支持解除装置と、次の装置は二つの部材に各々二つの機構を併せ持つ装置で、捕獲ネットを固定した落下枠の落下を誘導する落下枠誘導装置と、地表に落下した前記落下枠を固定する落下枠固定装置で構成された落下枠誘導固定装置により、動物が落下枠支持解除装置に接触作動させた時、捕獲ネットを固定した落下枠を、落下枠誘導固定装置をもって地表に向けて誘導落下させるとともに地表部に固定させて、地表に設置された網目状鋼棒部材との間に動物を閉じ込め、捕獲するように形成されている事を特徴とする。
【0006】
本発明の野生動物の捕獲装置の一実施形態は、一人で組立できる大きさに分割し、絞り加工などの加工を施し、現地で組立分解出来る様にするのが望ましい。
支柱は三か所、落下枠は四か所パイプ部材を曲げ加工して制作されており、分割組立出来るように加工します。一本の支柱の両端を鉛直に地中に埋設し、長方形の落下枠に捕獲ネットを固定して吊り上げて支柱中央に支持します。
捕獲ネットは箱型で底が無い五面体をもって形成されており、五面体の上面は長方形、大きさは落下枠と同一とし、高さは捕獲動物の体高とし、五面体の底部を前記落下枠に固定したことを特徴とする。
【0007】
本発明の野生動物の捕獲装置は、動物の視界に入る物は、支柱地表部二本と細い落下枠誘導用部材四本です。特に、落下枠誘導用部材を天然の素材細竹などに替える事により、捕獲動物の警戒感がより無く成り、完全に餌を食べている事を確認後、捕獲ネットを固定した落下枠の上方での仮止め固定を解除し、吊り上げ支持解除装置に連結します。動物が検知領域に入り、落下枠支持解除装置の地表線状部材に接触反応して、捕獲ネットを有する落下枠が、地表に落下固定する事で動物の捕獲が完了します。
【0008】
本発明の野生動物の捕獲装置の一実施形態は網目状鋼棒部材を提案しています。
猪はくくり罠に掛かると、穴を掘り潜っています。したがって、((特許文献1)特開2018-019616号公報及び(特許文献2)特開2014-000036号公報参照)では、猪は穴を掘り逃亡します。設置予定場所に餌を撒き足跡で猪と確認できると、鋼棒を網目状に溶接加工した複数の部材を、地表において連結固定して、捕獲ネットを固定した落下枠との間に野生動物を閉じ込めるように形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の野生動物の捕獲装置は、猪以外は網目状鋼棒部材を使用しません。より簡素になり、作業はより楽になります。また、動物が検知領域内に置いた餌(動物に合わせた餌)を食べている事を確認後、地上部分を組み立て、落下枠を仮止めします。完全に餌を食べている状態を確認後仮止めを外します。
【0010】
本発明の捕獲装置の一実施形態は、捕獲ネットを固定した落下枠を、支柱中央に吊り上げ支持解除する装置は、支柱側部片側に3つの機構一式を連続して固定する。
落下枠を支柱中央に吊り上げ状態に支持及び解除する作動部分と、動物が線状部材に接触した時、作動する部分との間に、捕獲ネットと落下枠の重量の半分以下の重りを加えることで、小動物の微弱な接触力でも作動する落下枠支持解除装置を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明の捕獲装置の一実施形態は、落下枠誘導固定装置には、二つの部材に各二つの機構を併せ持たせた装置である。
落下枠の四隅の外側に軸方向を垂直に固定された短いパイプ状部材であって、上方に有っては下方から伸びる細筒管を貫通させ、落下を許容すると同じに落下枠の下降を誘導する事で落下枠誘導装置に成り、前記短いパイプ状部材が下降して細筒管下部の地表部に有るL字状部品を貫通し、L字状部材により浮き上がりを防止されることで、地表部に固定され落下枠固定装置と成る。
【0012】
本発明の捕獲装置の落下枠誘導固定装置の、一実施形態は、鋼棒を鉛直に地中に半分以上埋設して、地上部にL字状部品を溶接固定し地中部に環状部品を溶接固定した部材、同部材の鋼棒上部に前記細筒管を被覆固定して直立させて、上方の短いパイプ状部材に貫通させて、落下枠を下降誘導させる事で落下枠誘導装置と成る。
又上記短いパイプ状部材がL字状部材を落下貫通する事で、L字状部材によりパイプ部分が抑えられて、浮き上がりを止められる、それによって地表部に固定する事で落下枠固定装置と成り、更に鋼棒の環状部品を地中に埋設固定してあり、環状部品に別の先端を曲げた鋼棒を刺し固定する事で、落下枠の浮き上がりを防止する事に成り、強固な落下枠固定装置と成る。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、捕獲従事者の負担軽減を図り、軽量簡素で単純な装置を提案し、初心者でも組立分解を短時間で行うことが出来る野生動物の捕獲装置を提供する事ができます。
具体的には、支柱と落下枠は中空のパイプを短く分割し、連結の為絞り加工などした部材で、一人で楽に運ぶ事が出来ます。捕獲ネットは猪用でも大きさ3m×3m×1m鉄又はステンレス製でも20kgを超える事は無く、クジャク猿キョンではポリエチレン又はポリエステル製で10kg以下です。網目状鋼棒部材(ワイヤーネット)は一度に2~3枚は楽に運べます、又猪以外は網目状鋼棒部材(ワイヤーネット)を使用しない為、より作業が軽減されます。その他の部材も一括して一人で運べます。組立も短いパイプを絞り加工などを施して有るので、支柱は二本の部材を鉛直に地中に打ち込み残りを差込、組み立て一本に見えます。残りの部材も地表で組立します、一人で搬送組立分解が短時間で出ます。
【0014】
本発明は、落下枠に折畳んだ捕獲網を固定した部品を地上1.5mから2m位の高さに設置する事で、動物の目で見ますと二本の支柱のみです、くくり罠と本発明は動物に取って見えにくい装置です。くくり罠はクジャク・猿には使えません。
本発明は、他の罠と違い動物を選びません、多くの動物に対応する事が出来る事が特徴です。例えば、 (特許文献)特開2018-759620号公報は、猿の捕獲装置で大掛かりな装置に成っています、本発明はクジャク・猿の時は、捕獲ネットが3m×3m×0.5m位の大きさで、他に、キョン・ハクビシン・狸・狐などの小動物用の捕獲ネットは、2m×2m×0.5m以下の大きさに成り、他の部材支柱・捕獲枠も小さく軽量に成り、動物の生態に合わせます、又一見して罠で有ると見識出来ますので、人家近くに設置可能で、如何に簡素で単純な装置か解ります。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の野生動物の捕獲装置の1つの実施形態を示す斜視図
【
図2】落下枠落下誘導固定装置、(
図1)の4、四角い枠で省略記載。
【
図3】落下枠支持固定解除装置 、(
図1)の5、四角い枠で省略記載。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の野生動物の捕獲装置の実施形態を、図面を参照しながら、捕獲装置全体及び部品に関し詳細に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の野生動物の捕獲装置の斜視図である。本実施形態においては、一本のパイプ状部材を三か所曲げ加工し、両端を鉛直に地中に埋設した支柱(1)と、四角い落下枠(2)、落下枠四隅の短いパイプ部材(410)及び内側を貫通、地上に達する細筒管(420)、落下枠(2)に取り付けた箱型の捕獲ネット(21)、地上に設置した網目状鋼棒部材(3)などを備えている。(4)
図2と(5)
図3を四角い枠で省略記載している。
【0018】
支柱(1)は、鉄製の一本のパイプ状部材の中央を曲げ加工し(内角90度以上135度以内)、同パイプ状部材の中央から等間隔の部分をそれぞれ中央方向に等角度(内角113度以上135度以内)で曲げ加工した、計三か所曲げ加工した部材(例えば、家の記号マークに似て見える形状)であって、当該部材の両端を鉛直に地中に埋設している、この支柱(1)のパイプ状部材の中央に滑車(515)を固定している、支柱(1)の片側(
図1における右側(5) 四角い枠で省略記載)には、
図3に記載された、落下枠支持解除装置(5)を形成する3つの機構一式を連続して固定しています。
【0019】
落下枠(2)は、鉄製のパイプ状部材を90度に曲げ加工した部材で構成された長方形で正四角に近い形が望まれ、その大きさは捕獲動物の特徴に合わせて変えるとよく、また四隅に軸方向を垂直にした短いパイプ(410)(長さは10cm位)を溶接等により固定している。
なお、支柱(1)と落下枠(2)は本実施形態においては、パイプ状部材を1~2mに分割絞り加工などを施し、現地で分解組立が出来、一人で持ち運びが出来るのが望まれる。
【0020】
捕獲ネット(21)は、箱型で底が無い五面体からなり、上部は四角形である。 捕獲ネット素材は、ステンレス又はスチール製ワイヤー、又はポリエチレン及びポリエステル製ワイヤーで制作されたネットが望ましい。網目も動物により大きさを替えるのが望ましく。高さは捕獲動物に合わせる事が望まれる。捕獲ネット(21)の底部は、落下枠(2)に捕獲ネット素材と同一のワイヤー等で固定し、大きさは落下枠(2)に合わせる、重さにより二分割する事も有る。
本実施形態においては、現地で落下枠に取り付け、上方に有っては基本的には高さの部分を例えば蛇腹状に折畳んで、枠に仮止めした状態で有るが、部材と大きさにより施設方法が変わりますが、落下枠より下に垂れ下がらない様施設する。
【0021】
猪が穴を掘り逃亡する事を防止するための網目状鋼棒部材(3)(ワイヤーネット)とは、鋼棒を網目状(25cm位の網目)に溶接加工した(大きさ)1m×2m四方位の複数の部材を、地表に落下枠(2)の広さと、その外周2m位の広さに連結し地表に固定設置される。
【0022】
<落下枠誘導固定装置(4)の明細な説明>
図1(4)の四角い枠で省略表示しているのは落下枠誘導固定装置で、
図2は落下枠誘導固定装置の明細図である。落下枠誘導固定装置(4)は二つの部材に各二つの機構を併せ持たせた装置である。落下枠(2)の落下を誘導する落下誘導機能及び落下枠(2)を地表部に固定する落下枠固定機能を併せ持たせた装置である。
尚「一体した部品(2)(410)のイメージが有り、分割した時の形で有るので、落下枠の四隅の曲げ加工した部分に(22)の番号をつけました。」
【0023】
1つ目の部材は、
図1の(410)及び
図2に示すように落下枠(2)の四隅の曲げ加工した部分(22)に落下枠「(2)同(22)」平面に対して軸方向を垂直にして長さ10cm位のパイプ(410)を溶接等により固定した部材。
一つ目の機構は、
図1に表示されたように、上方に有っては、パイプ(410)内に、地表に鉛直状に立設された鋼棒(430)の上端に被覆固定された細筒管(420)を貫通させ、細筒管(420)に沿って下方向に落下枠(2)を誘導し下降するように形成されている落下枠誘導装置。
二つ目の機構は、パイプ(410)は下方に有っては (2図) に示すように、パイプ(410)の中を鋼棒(430)の上端に被覆固定された細筒管(420)とL字状部材 (431)を貫通させています。上方から細筒管(420)に沿って、捕獲ネットを固定した落下枠に付随した短いパイプ(410)が落ちてくるのです。(
図2(c)参照)地表部に置いてL字状部材 (431)により上方への浮き上がりを止められている事で、落下枠固定装置となる。
尚、上記細筒管(420)は上方に有っては落下枠(2)の安定に寄与して、更に鋼鉄製の時は最小限の幅(2cm位)の細筒管を利用でき、また自然材例えば細竹も使用でき、どのような素材を使用しても、野生動物の視覚内では自然界の異物との認識は少ないものとなり、色々な部材を提案できる事を追符する。
【0024】
上記の2つ目の部材(
図2を参照)は、鋼棒(430)にL字状部品(b-2)(431)と環状部品(432)1~2個を溶接固定した部品と、先を曲げた鋼棒(b-1)(435)と細筒管(420)とで構成された部材である。
一つ目の機構は、
図1と(0023)により、パイプ(410)と細筒管(420)とで構成された落下枠誘導装置です、鉛直に埋設した鋼棒(430)の上部に、細筒管(420)を被覆固定した、地表部の長さは上方に吊り上げられている落下枠(2)の四隅のパイプ 部材(410)内を貫通するに足りる長さとし、上記パイプ部材(410)が細筒管(420)に添って下降する、即ちパイプ部材(410)は落下枠(2)に付随しているので、捕獲ネット(21)を固定した落下枠(2)が落ちるのであり、落下枠誘導装置と成る。
二つ目の機構は、落下枠固定装置です、
図2(b)(c)を参照、鉛直に埋設した鋼棒(430)の上方地表部にL字状部品 (431)の上部片側を下方向45度以内に溶接固定し、下部を内角40度位に鋼棒(430)に向け折り曲げて(b-2)、先端は鋼棒(430)に接するが隙間を設ける。又L字状部品 (431)の下部と、鋼棒(430)を含めた横幅は、パイプ 部材(410)内径を超える物とする。
この構造は、上方から落下枠四隅の(22)に付随したパイプ 部材(410)が落ちてきた時の圧力により、L字状部品 (431)下部の隙間が縮まり、パイプ 部材(410)が通過して、隙間が元に戻る事により、パイプ 部材(410)の内径を超えている事で、パイプ 部材(410)が戻る事が出来ず地表部に留まる。
鋼棒(430)の下方地中部分には(b-3)、環状部品(432)を1個又は2個を溶接固定する、このような鋼棒(430)を、地表の落下枠(2)の四隅のパイプ部材(410)位置に合わせ、地中に環状部品(432)まで鉛直に埋設して(b-3)(c)、環状部品(432)に一方の先端のみ曲げ加工した鋼棒(435)を地中外側斜めに刺し(c)図下部、埋設固定する事で、落下枠(2)が横ぶれ及び浮き上がる事を防止する。
<落下枠誘導固定装置(4)の簡素な説明>
落下枠(2)に付随するパイプ 部材(410)が、細筒管(420)沿いに落下、L字状部品 (431) 下部の隙間が縮まり、パイプ 部材(410)が通過して、L字状部品 (431)と地表部の間に留まり、鋼棒(430)(435)数本により、横ぶれ及び浮き上がる事を防止され強固に固定されることで、落下枠固定装置となる。
【0025】
<落下枠支持解除装置(5) の明細な説明>
図1(5)の四角い枠で省略表示しているのは落下枠支持解除装置で、
図3は落下枠支持解除装置の明細図である。落下枠支持解除装置(5)は、小動物の微細な力でも作動するように、重り(550)を使用する装置です。捕獲ネット(21)を固定した落下枠(2)の重量の半分以下の重り(550)を使用する事で、本来の半分以下の接触力で重り(550)が作動します。その重り(550)が、捕獲ネット(21)を固定した落下枠(2)を固定解除する事で、落下枠(2)が落下、地表に固定されることで、地表部に設置された網目状鋼棒(3)の間に野生動物を閉じ込め動物を捕獲することが本発明の特徴です。
例えば、本来親猿で作動する物が、子猿でも作動する事です。
【0026】
図3は、3つの機構一式を、連続して支柱片側に固定するシンプルな装置で、誤作動が無く野外に適している落下枠支持解除(5)の装置です。捕獲ネット(21)を固定した落下枠(2)を支柱(1)中央に釣り上げ状態に支持及び解除する作動部分と、動物が線状部材(535) に接触した時、作動する部分との間に、捕獲ネット(21)と落下枠の重量の半分以下の重り(550)を加えることで、小動物の微弱な接触力でも作動する落下枠支持解除装置(5)を特徴とする。
更に
図3の○で表示した装置は一般に使用されている物です、丸の中の仕掛けは御覧のように単純な仕掛けで、落下物を環の付いたワイヤーで上方に吊り上げて、支柱に固定された筒の中の棒で仮止めした装置です、棒を引くことで環が外れ、落下物が開放され落下します。この装置を二つ使い間に重りを使用しています。「落下物は、本発明では落下枠(2)と重り(550)です」
この後の記載には、省略して、「
図3の丸」で記載します。
【0027】
図1に示す、落下枠(2)の一実施形態においては、落下枠支持固定用ワイヤー(510)(515)としてステンレス又はスチール製ワイヤーを採用している。落下枠(2)側より順に説明すると、落下枠(2)の四隅にそれぞれ一端部を設置される、四本のワイヤー(510)は同一の長さで、上方では落下枠(2)を水平に保っている。四本のワイヤー(510)の他端部を一つにまとめ一本のワイヤー(511)に接続している。一本のワイヤー(511)は、その反対側先端に環状部材(525)を固定してあり、支柱中央に固定されている落下枠巻き上げ用滑車(515)を通して支柱中央に落下枠(2)を吊り上げて、支柱(1)に固定された鋼棒(517)を経由して落下枠(2)を吊り上げ状態に支持及び解除する部品「
図3の上の丸」の作動部分へつながる。鋼棒(517)は
図3の(551)と同じ物で先を曲げた短い鋼棒を支柱に固定して有る。
【0028】
動物が検知領域内に侵入、線状部材(535)に接触した時、作動する部分の一実施形態は、次のように形成されている。地表部に、線状部材(535)を落下枠(2)の広さ以内、地表から高さ30cm以内、水平に線状に設置し、動物が餌を捕食するため検知領域内に侵入して、線状部材(535)に接触した時、支持及び解除する部品「
図3の下の丸」が作動して、重り(550)が落下します。線状部材(535)は小動物にはテグスなど、大形の動物にはステンレスワイヤー1mmなどが望まれ、高さは動物に合わせる。
【0029】
重りの作動する部分の一実施形態は、重り(550)に二本のワイヤー (522) (532)を取り付けた部材である。一方のワイヤー(522)においては、その先端に棒状部品(521)を固定し、「
図3上の丸」の作動部分につながる事で、捕獲ネット(21)を固定した落下枠(2)を固定している。又一方のワイヤー(532)においては、その先端に環状部品(533)を固定し、支柱(1)に固定した枝状部材(551)を経由し、「
図3下の丸」の作動部分につながる事で、重り(550)及び動物感知部分を固定している。
特記すべき事は、筒状部材(520)内径は棒状部材より一回り大きい位であり、棒状部材を内包して余る長さが必要で有る、通常横に引かれるワイヤーが縦に引かれる為、棒状部材が筒内に留まるからです。(
図3の右上丸の中の図参照)
【0030】
猪・鹿など大型の動物の時は地表部の装置「
図3下の丸」のみでも可能ですが、猪・鹿に重り(550)を使用するのは、確実に捕獲する為です。小動物には落下枠(2)をプラスチック製、捕獲ネット(21) をポリエチレン及びポリエステル製 、ワイヤー(535)を釣り用のテグスなど、より軽い部材を使用する事で、重り(550)も軽く成り、クジャク・猿・キョン・ハクビシンなどの微弱な接触力でも作用する野生動物を捕獲する装置です。
なお、本発明は前記実施形態に限られず、必要に応じて種々に変更することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 支柱
2 落下枠
3 網目状鋼棒
4 落下枠誘導固定装置の[2図]明細図の略図
5 落下枠支持固定解除装置の[3図]明細図の略図
21 落下枠に固定した捕獲ネット
22 鉄製(など)のパイプを90度に曲げ加工した部分
410 長さ10cm位のパイプを落下枠(22)に溶接又は器具で固定した部材
420 細筒管、 落下用誘導装置
430 90cm位の鋼棒
431 鋼棒をL字状45度以内に曲げ加工し上部を(430)に溶接固定している
432 環状部材を、一個又は二個(430)に溶接固定している
435 鋼棒の先端を90度に曲げ加工して、反対側は尖らした部材
510 落下枠に固定した巻き上げ用ワイヤー
511 落下枠巻き上げ用ワイヤー 下部に (525)を固定
515 落下枠巻き上げ用滑車
517 支柱に固定された先端を上方に曲げた鋼棒
520 円筒形の筒 支柱に固定
521 棒状部材の端部片側にワイヤー(522)を固定した部材
522 棒状部材(521)の端部片側にワイヤーを固定し重り(550)に連結した部材
525 環状部品にワイヤー(511)を固定した部材
530 円筒形の筒 支柱に固定された
531 棒状部材の端部片側にワイヤー又はテグス(535)を固定した部材
532 片側に重り(550)反対側に環状部品(533)を接続したワイヤー
533 環状部品にワイヤー(532)を接続した部材
535 線状部材、(紐・ワイヤー)に棒状部材を固定した部材
550 捕獲枠固定解除する為の重り(落下枠と捕獲ネットの重量の半分以下が理想)
551 支柱に固定された先端を上方に曲げた鋼棒
【手続補正書】
【提出日】2022-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一本のパイプ状部材中央を曲げ加工し、中央から等間隔の部分をそれぞれ中央方向に等角度で曲げ加工して、両端を鉛直に地中に埋設した支柱と、
前記支柱の上部に落下自在に吊り上げられている捕獲ネットを固定した四角形の落下枠と、
捕獲動物の逃亡を防ぐために地表に設置した網目状鋼棒部材と、
前記捕獲ネットを固定した四角形の落下枠を支柱上部に吊り上げ支持する落下枠支持解除装置と、
前記落下枠を落下誘導及び落下枠を地表に固定する落下枠誘導固定装置と、備え、
動物が前記落下枠支持解除装置を接触作動させた時、前記捕獲ネットを固定した落下枠を、前記落下枠誘導固定装置をもって地表に固定させて、地表に設置された、前記網目状鋼棒部材との間に動物を閉じ込め、捕獲するように形成されていることを特徴とする野生動物の捕獲装置。
【請求項2】
前記支柱は、前記一本のパイプ状部材を三か所曲げ加工した両端を鉛直に地中に埋設されており、前記落下枠はパイプ状部材を四か所曲げ加工した長方形であって前記支柱中央に吊り上げて支持されるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の野生動物の捕獲装置。
【請求項3】
前記捕獲ネットは、箱型で底が無い五面体をもって形成されており、前記五面体の上面は長方形、大きさは前記落下枠と同一とし、高さは捕獲動物の体高とし、前記五面体の底部を前記落下枠に固定したことを特徴とする請求項1または請求項2の記載の野生動物の捕獲装置。
【請求項4】
前記地表に設置した網目状鋼棒部材は、鋼棒を網目状に溶接加工した複数の部材を、地表において連結固定して、前記捕獲ネットを固定した落下枠との間に野生動物を閉じ込めるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の野生動物の捕獲装置。
【請求項5】
前記捕獲ネットを固定した落下枠を前記支柱中央に吊り上げる前記落下枠支持解除装置は、前記捕獲ネットを固定した落下枠の吊り上げ状態を支持及び解除する作動部分と、捕獲動物が接触することによる作動部分との間に重りを有することを特徴とする請求項1から請求項4の記載のいずれか1項に記載の野生動物の捕獲装置。