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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112850
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】4足歩行ロボット
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20230807BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20230807BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20230807BHJP
   B62D 57/032 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
G05D1/02 H
B25J5/00 Z
B25J13/00 Z
B62D57/032 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014818
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】加藤 達彦
(72)【発明者】
【氏名】柚木崎 創
【テーマコード(参考)】
3C707
5H301
【Fターム(参考)】
3C707CS08
3C707HS27
3C707JU02
3C707KS21
3C707KS36
3C707KT03
3C707KT04
3C707KX02
3C707KX10
3C707WA14
3C707WA16
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
(57)【要約】
【課題】ユーザが日常的な用途で使用可能であるコンパクトな4足歩行ロボットを提供する。
【解決手段】4足歩行ロボットは、人が跨って着座する座部を含む本体と、前記座部に着座した状態の人が掴むハンドルと、前記本体に連結され且つ屈曲動作する4つの脚部であって、2つ以上の関節をそれぞれが含む4つの脚部と、複数の前記関節を駆動する複数のアクチュエータと、前記ハンドルに配置され、前記4足歩行ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける操作器と、前記操作器から受け取る指令に従って前記複数のアクチュエータを制御するコントローラとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4足歩行ロボットであって、
人が跨って着座する座部を含む本体と、
前記座部に着座した状態の人が掴むハンドルと、
前記本体に連結され且つ屈曲動作する4つの脚部であって、2つ以上の関節をそれぞれが含む4つの脚部と、
複数の前記関節を駆動する複数のアクチュエータと、
前記ハンドルに配置され、前記4足歩行ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける操作器と、
前記操作器から受け取る指令に従って前記複数のアクチュエータを制御するコントローラとを備える
4足歩行ロボット。
【請求項2】
前記本体は、前記本体における第1側方向であり且つ前記座部の下方向である位置で、前記座部に着座した状態の人の脚を受け入れるようにくぼむ第1凹部と、前記本体における第2側方向であり且つ前記座部の下方向である位置で、前記座部に着座した状態の人の脚を受け入れるようにくぼむ第2凹部とを含み、
前記本体における第1側方向及び第2側方向は、互いに反対方向であり、前記本体における前後方向及び上下方向と交差する方向である
請求項1に記載の4足歩行ロボット。
【請求項3】
前記座部は、人が跨って着座する座面と、前記本体における前記座面の後方向の位置で前記座面よりも前記本体における上方向に高くなった第1部分とを含む
請求項1又は2に記載の4足歩行ロボット。
【請求項4】
前記本体は、前記本体における前記座部の前方向の位置で前記座部よりも前記本体における上方向に高くなった第2部分を含む
請求項1から3のいずれか一項に記載の4足歩行ロボット。
【請求項5】
前記第2部分は、前記本体における前記座部の下方向に位置する第3部分よりも、前記本体における第1側方向及び第2側方向に張り出し、
前記本体における第1側方向及び第2側方向は、互いに反対方向であり、前記本体における前後方向及び上下方向と交差する方向である
請求項4に記載の4足歩行ロボット。
【請求項6】
前記ハンドルは、前記座部に着座した状態の人が掴むバーを含み、
前記操作器は、前記バーに配置されるジョイスティック及びキーのいずれか又は両方を含む
請求項1から5のいずれか一項に記載の4足歩行ロボット。
【請求項7】
前記本体から垂下した状態で配置され、前記座部に着座した状態の人が足を載せるフットレストをさらに備える
請求項1から6のいずれか一項に記載の4足歩行ロボット。
【請求項8】
前記4足歩行ロボットの周囲を走査するセンサをさらに備え、
前記コントローラは、前記センサから受け取る信号を処理して、前記4足歩行ロボットの周囲の物体及び前記物体の位置のいずれか又は両方を検出するように構成される
請求項1から7のいずれか一項に記載の4足歩行ロボット。
【請求項9】
前記センサはカメラを含み、
前記コントローラは、前記カメラから受け取る画像信号を処理して、前記4足歩行ロボットの周囲の物体及び前記物体の位置のいずれか又は両方を検出するように構成される
請求項8に記載の4足歩行ロボット。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記4足歩行ロボットに実行させるタスクの指令を受け付け、
前記センサから受け取る信号の処理結果に基づき、前記タスクを実行する所定のプログラムに従って、前記4足歩行ロボットに自走させるように前記複数のアクチュエータを制御する
請求項8又は9に記載の4足歩行ロボット。
【請求項11】
前記コントローラは、前記4足歩行ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける無線操作器と、無線通信を介して通信するように構成され、
前記コントローラは、
前記無線操作器から受け取る指令に従って前記複数のアクチュエータの動作を制御し、
前記センサから受け取る信号の処理結果を前記無線操作器に送信する
請求項8から10のいずれか一項に記載の4足歩行ロボット。
【請求項12】
前記4つの脚部それぞれは、前記本体に連結される基部関節と、前記基部関節と前記脚部の先端との間に配置される1つ以上の中間関節とを含み、
前記基部関節は、2つ以上の自由度で動作し、
前記中間関節は、1つ以上の自由度で動作する
請求項1から11のいずれか一項に記載の4足歩行ロボット。
【請求項13】
前記4つの脚部それぞれの前記基部関節は、
前記本体における上下方向に延びる第1軸と交差する方向に延びる第2軸を中心に屈曲する第1屈曲部分と、
前記第1軸及び前記第2軸と交差する方向に延びる第3軸を中心に屈曲する第2屈曲部分とを含み、
前記4つの脚部それぞれの1つ以上の前記中間関節は、当該脚部における前記中間関節の両側の部分がなす角度を変えるように屈曲する第3屈曲部分を含む
請求項12に記載の4足歩行ロボット。
【請求項14】
前記4つの脚部それぞれにおいて、前記本体に連結される前記関節と前記脚部の先端との間の1つ以上の前記関節に、回動可能な第1ホイールを備え、
前記第1ホイールは、前記関節が動作することで前記4足歩行ロボットを支持する支持面に接触して前記4足歩行ロボットを支持するように、配置される
請求項1から13のいずれか一項に記載の4足歩行ロボット。
【請求項15】
前記第1ホイールは、前記支持面に接触している状態で、前記関節によって動作される前記脚部と共に移動することで、前記第1ホイールの進行方向を変えるように配置される
請求項14に記載の4足歩行ロボット。
【請求項16】
前記4つの脚部それぞれは、1つ以上の前記関節の動作を制止するストッパをさらに含み、
前記コントローラは、所定ケースでは、前記ストッパが1つ以上の前記関節の動作を制止し且つ前記第1ホイールが前記支持面に接触する状態に、前記4つの脚部を動作させるように、前記複数のアクチュエータを制御し、
前記所定ケースは、前記4足歩行ロボットが休止するケースと、前記4足歩行ロボットへ人が乗り降りするケースとの一方又は両方を含む
請求項14又は15に記載の4足歩行ロボット。
【請求項17】
前記4つの脚部それぞれは、前記ストッパとして、前記本体に連結される前記関節の動作を制止する第1ストッパを含み、
前記コントローラは、前記所定ケースでは、前記第1ストッパが前記関節の動作を制止し且つ前記第1ホイールが前記支持面に接触する状態に、前記4つの脚部を動作させるように前記複数のアクチュエータを制御する
請求項16に記載の4足歩行ロボット。
【請求項18】
前記4つの脚部それぞれは、
前記ストッパとして、前記第1ホイールが配置される前記関節の動作を制止する第2ストッパを含み、
前記コントローラは、前記所定ケースでは、前記第2ストッパが前記関節の動作を制止し且つ前記第1ホイールが前記支持面に接触する状態に、前記4つの脚部を動作させるように、前記複数のアクチュエータを制御する
請求項16又は17に記載の4足歩行ロボット。
【請求項19】
前記4つの脚部それぞれは、前記第1ホイールが配置される前記関節と前記脚部の先端との間に、回動可能な第2ホイールをさらに含み、
前記第2ホイールは、前記第2ストッパが前記関節の動作を制止し且つ前記第1ホイールが前記支持面に接触する状態において、前記支持面に接触するように配置される
請求項18に記載の4足歩行ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、4足歩行ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1及び2は、不整地移動能力を備えるロボットを開示する。これらのロボットはそれぞれ、胴体の両側部に配置された一対の車輪と、胴体に前後端に配置された4つの脚と、胴体の上に配置されたシートとを備える。各車輪及び各脚は、DCサーボモータによって駆動される。さらに、特許文献2のロボットは、各脚に補助輪を備える。特許文献1及び2は、ロボットは、車輪のみを使用するモード、脚のみを使用するモード、車輪及び脚を使用するモード、又は、車輪、脚及び補助輪を使用するモードを選択して動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4482677号公報
【特許文献2】特許第4724845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2のロボットは、林業及び建設業等の産業での使用を想定し、高速走行を目的とするため、大型の車輪での移動に適した大型な構造を有する。本開示は、ユーザが日常的な用途で使用可能であるコンパクトな4足歩行ロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットは、人が跨って着座する座部を含む本体と、前記座部に着座した状態の人が掴むハンドルと、前記本体に連結され且つ屈曲動作する4つの脚部であって、2つ以上の関節をそれぞれが含む4つの脚部と、複数の前記関節を駆動する複数のアクチュエータと、前記ハンドルに配置され、前記4足歩行ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける操作器と、前記操作器から受け取る指令に従って前記複数のアクチュエータを制御するコントローラとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施の形態に係る4足歩行ロボットの構成の一例を示す斜視図
図2図1の4足歩行ロボットの側面図
図3図1の4足歩行ロボットの操作器の構成の一例を示す図
図4図1の4足歩行ロボットの平面図
図5】実施の形態に係る4足歩行ロボットの関節の構成の一例を示す図
図6図1の4足歩行ロボットの4足歩行モードでの構成の一例を示す側面図
図7図1の4足歩行ロボットの車輪走行モードでの構成の一例を示す側面図
図8図6の4足歩行ロボットが脚部と走行装置とを併用して移動する例を示す側面図
図9】人間が乗降するときの図6の4足歩行ロボットの状態の一例を示す側面図
図10図6の4足歩行ロボットの休止状態の一例を示す側面図
図11図6の4足歩行ロボットの休止状態の一例を示す側面図
図12図11の4足歩行ロボットの別の一例を示す側面図
図13】実施の形態に係る4足歩行ロボットのコントローラの構成の一例を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下において、本開示の例示的な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。添付の図面における各図は、模式的な図であり、必ずしも厳密に図示されたものでない。各図において、実質的に同一の構成要素に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。本明細書及び請求項では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
【0008】
図1を参照しつつ、実施の形態に係る4足歩行ロボット1の構成を説明する。図1は、実施の形態に係る4足歩行ロボット1の構成の一例を示す斜視図である。以下において、「4足歩行ロボット」は、単に「ロボット」とも表記される。ロボット1は、単独でも、人間を載せた状態でも4足歩行する構造を有する。限定されないが、本実施の形態では、ロボット1は、四肢哺乳動物を模した外観を有し、例えば、馬、牛、鹿、ヤギ及び羊のような人間が騎乗できる体型の四肢哺乳動物を模した外観を有する。ロボット1は、1人の人間がロボット1に跨って乗る構造を有するが、例えば前後に並ぶ2人以上の人間がロボット1に跨って乗る構造を有してもよい。ロボット1は、上記の四肢哺乳動物又はモータサイクルと同等の大きさを有してもよく、それ故コンパクトな構造を有し得る。ロボット1は、人間の手軽な移動手段である小型又は超小型モビリティとして機能できる。
【0009】
ロボット1は、胴体10と、首部20と、4つの脚部30A、30B、30C及び30Dと、コントローラ40とを備える。コントローラ40はロボット1全体を制御する。胴体10は、人間が跨って着座する座部11を胴体10における上方向Duの位置に含み、座部11に着座した状態の人間が足を載せるフットレスト12を胴体10における下方向Ddの位置に含む。胴体10は、本体の一例である。
【0010】
本明細書及び請求項において、胴体10における「前方向Df」、「後方向Db」、「上方向Du」、「下方向Dd」及び「側方向Dl」は、胴体10を基準として胴体10に設定される方向である。前方向Dfは、4足歩行時のロボット1の前進方向に向いた方向である。後方向Dbは、前方向Dfと反対方向である。側方向Dlは、第1側方向Dl1及び第2側方向Dl2を含み、第1側方向Dl1及び第2側方向Dl2は、互いに反対方向であり、前方向Df及び後方向Dbと交差する方向、例えば、垂直な方向である。上方向Du及び下方向Ddは、互いに反対方向であり、前方向Df、後方向Db、第1側方向Dl1及び第2側方向Dl2と交差する方向、例えば、垂直な方向である。上方向Duは、4足歩行時のロボット1の上方向に向いた方向である。
【0011】
図2は、図1の4足歩行ロボット1の側面図である。図2に示すように、座部11は、前方向Dfから後方向Dbに延びるシート11Aと、第1部分11Bとを含む。例えば、シート11Aは、乗馬用の鞍又はモータサイクルのクッション性のあるシートのような構造を有してもよい。限定されないが、本実施の形態では、シート11Aは、1人の人間が跨って着座できる大きさの座面11Aaを含む。座面11Aaは、2人以上の人間が跨って着座できる大きさを有してもよい。第1部分11Bは、座面11Aaの後方向Dbの位置に配置され、座面11Aaよりも上方向Duに高い。第1部分11Bは、クッション性のある構造を有し、例えば、シートバックであってもよい。第1部分11Bは、シート11Aと一体化されてもよい。
【0012】
2つのフットレスト12が、胴体10の側方向Dl1及びDl2に配置される。限定されないが、本実施の形態では、2つのフットレスト12は、胴体10から垂下した状態で配置される。フットレスト12は、乗馬用の鐙のような構造を有し、胴体10から可動に吊り下げられてもよく、胴体10に不動に固定されてもよい。又は、2つのフットレスト12は、モータサイクルのフットレストのような構造を有し、胴体10から側方向Dl1及びDl2に突出し、胴体10に不動に固定されてもよい。
【0013】
首部20は、柱状の形状を有し、座部11よりも前方向Dfの位置で胴体10から上方向Duに延びる。首部20は、胴体10に不動に固定される、又は、胴体10と一体化される。
【0014】
首部20は、座部11に着座した状態の人間が掴むハンドル23を含む。限定されないが、本実施の形態では、ハンドル23は、首部20よりも側方向Dl1及びDl2に突出する。ハンドル23は、首部20又は胴体10に不動に固定される。ハンドル23は、座部に着座した状態の人間が掴むバー23aを含む。バー23aは、側方向Dl1及びDl2に延びる直線状の形状を有する。ハンドル23は、バー23aの両端にハンドルグリップ23bを含む。ハンドルグリップ23bは、人間の手との摩擦力を増加するために、ゴム及びスポンジのような摩擦係数の高い材料で形成されてもよく、凹凸及び溝等を施す表面加工をされてもよい。
【0015】
1つのバー23aが、首部20の後方向Dbに配置されるが、首部20を貫通して配置されてもよく、2つのバー23aが、首部20から側方向Dl1及びDl2に延びるように配置されてもよい。バー23aは、首部20に対して可動であってもよい。例えば、バー23aは、自転車又はモータサイクルのハンドルバーのように回動可能であってもよい。ハンドル23の構造は、上記に限定されず、人間の手が掴むことができる構造であればよく、例えば、側方向Dl1及びDl2に延びる弧状若しくはU字状のバー、航空機の操縦桿、自動車のステアリング、手摺、U字状等の取っ手、又は、乗馬用の手綱のような構造を有してもよい。この場合も、ハンドル23は、首部20に対して不動であっても可動であってもよい。
【0016】
ロボット1は、首部20の上方向Duの端部に、四肢哺乳動物の頭部を模した頭部21を含む。ロボット1は、頭部21に、ロボット1の周囲を走査するセンサ22を含む。センサ22は、検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。
【0017】
限定されないが、本実施の形態では、センサ22は、カメラを含む。カメラの撮影方向は、前方向Dfに方向付けられている。センサ22は、被写体までの距離を検出可能な3次元カメラを含むが、単に画像を取得可能なカメラを含んでもよい。3次元カメラの例は、ステレオカメラ、TОFカメラ(トフカメラ:Time-of-Flight-Camera)、縞投影等のパターン光投影カメラ、又は光切断法を用いたカメラ等である。センサ22は、全方位の視野を有する全天球型又は半球型の360度カメラであるが、広角カメラ等の限定された視野を有するカメラであってもよい。
【0018】
センサ22は、対象物までの距離を検出可能なセンサであってもよい。このようなセンサ22は、光波、レーザ、磁気、電波、電磁波、超音波又はこれらの組み合わせ等を用いて検出を行うように構成され、光電センサ、レーザセンサ、電波式センサ、電磁波式センサ、超音波センサ、各種ライダ(LiDAR)又はこれらの組み合わせ等を含んでもよい。
【0019】
図3は、図1の4足歩行ロボット1の操作器50の構成の一例を示す図である。図3に示すように、ロボット1は、ハンドル23に配置される操作器50を備える。操作器50は、ロボット1の操作に関する指令の入力を受け付ける。限定されないが、本実施の形態では、操作器50は、2つのハンドルグリップ23bの近傍に配置される入力装置51と、バー23aの中央付近に配置される表示装置52とを含む。
【0020】
表示装置52は、ロボット1に関する様々な情報を表示する。表示装置52は、ディスプレイと、インジケータランプ及びウォーニングランプ等の表示ランプと、アナログメータ及びデジタルメータ等のメータとのうちの1つ以上を含んでもよい。ディスプレイはタッチパネルであってもよい。本実施の形態では、表示装置52は、ディスプレイを少なくとも含む。
【0021】
入力装置51は、種々の入力を受け付け、受け付けた入力情報をコントローラ40に出力する。入力装置51は、ロボット1の種々の設定、自動運転モードでの実行タスクの設定、移動目的地の設定、動作モードの選択、歩行モードの選択、手動運転モードでの操作方法の選択、手動運転モードでのマニュアル操作、乗降時のロボット1の姿勢の選択、及び、休止時のロボット1の姿勢の選択等のための入力を受け付ける。
【0022】
入力装置51は、ジョイスティック、キー、スライドスイッチ、ボタンスイッチ、レバー及びマイクの1つ以上を含んでもよい。表示装置52のタッチパネルが入力装置51の機能の一部を実現してもよい。本実施の形態では、入力装置51は、ジョイスティックを少なくとも含む。ジョイスティックは、ディスプレイ上での選択、及び、マニュアル操作等の入力を受け付ける。例えば、ジョイスティックは、マニュアル操作におけるロボット1の移動方向及び移動速度の入力を受け付けてもよい。
【0023】
ハンドル23が入力装置51の機能の一部を実現してもよい。ハンドル23が可動である場合、入力装置51は、ハンドル23の回動量及び回動速度を検出するエンコーダ等の回転センサを含んでもよい。入力装置51は、ハンドル23の回動量及び回動速度をマニュアル操作等として受け付けてもよい。ハンドル23が不動である場合、入力装置51は、2つのハンドルグリップ23b又は近傍に配置される力センサを含んでもよい。入力装置51は、力センサによって検出される力の大きさ及び方向をマニュアル操作等として受け付けてもよい。
【0024】
動作モードは、自動運転モードと手動運転モードとを含む。自動運転モードでは、コントローラ40は、所定のプログラムに従って、指定された実行タスクを自律的に実行するように、ロボット1を制御する。手動運転モードでは、コントローラ40は、入力装置51に入力されるマニュアル操作に従った動作を実行するように、ロボット1を制御する。
【0025】
手動運転での操作方法は、操作器50を用いる直接的な操作方法と、ロボット1から離れた遠隔操作器を用いる遠隔の操作方法とを含む。遠隔操作器は、ロボット1と無線通信するが、有線通信してもよく、有線通信及び無線通信の組み合わせを介して通信してもよい。遠隔操作器は、リモートコントローラ等の操作装置、又は操作端末であってもよい。遠隔操作器は、ロボット1に専用の操作器であってもよく汎用的な操作器であってもよい。例えば、遠隔操作器は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、スマートフォン及びタブレットなどのスマートデバイス、並びにその他の電子機器等であってもよい。遠隔操作器は、無線操作器の一例である。
【0026】
歩行モードは、4足歩行モードと車輪走行モードとを含む。4足歩行モードでは、コントローラ40は、4つの脚部30A、30B、30C及び30Dで歩行するように、ロボット1を制御する。車輪走行モードでは、コントローラ40は、後述するホイールで走行するように、ロボット1を制御する。
【0027】
実行タスクは、自動運転モードでロボット1が実行する仕事であり、一連の動作を含む。移動目的地は、ロボット1の移動先の目的地である。例えば、ロボット1は、ナビゲーションシステムを備えてもよく、移動目的地は、ナビゲーションシステムに対して設定されてもよい。移動目的地は、自動運転モード及び手動運転モードのいずれにおいても設定されてもよい。
【0028】
乗降時のロボット1の姿勢は、人間が座部11に乗り降りする際に選択され得る。このとき、例えば、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dを屈曲して胴体10を下方へ下げるように構成されてもよい。コントローラ40は、選択される乗降時のロボット1の姿勢に応じて、胴体10の高さ位置を変えてもよい。
【0029】
休止時のロボット1の姿勢は、ロボット1の電源をOFFにする等でロボット1を休止する場合に選択され得る。このとき、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dを屈曲して、後述する脚部30A、30B、30C及び30Dのホイールをロボット1の支持面に接触させるように構成されてもよい。これにより、ロボット1は、当該ホイールによって支持され、電源がOFFの場合でも人力により移動され得る。
【0030】
図4は、図1の4足歩行ロボット1の平面図である。図4に示すように、胴体10は、第1凹部10aと、第2凹部10bとを含む。第1凹部10aは、第1側方向Dl1であり且つ座部11の下方向Ddである胴体10の位置でくぼむ。第2凹部10bは、第2側方向Dl2であり且つ座部11の下方向Ddである胴体10の位置でくぼむ。凹部10a及び10bは、座部11に着座した状態の人間の脚を受け入れるようにくぼむ。凹部10a及び10bは、側方向Dl1及びDl2で互いに対向するように配置される。
【0031】
第1凹部10aは、胴体10における凹部10a及び10bの前方向Dfの第1胴体部分10cよりも、第2側方向Dl2へくぼむ。第1凹部10aは、胴体10における凹部10a及び10bの後方向Dbの第2胴体部分10dよりも、第2側方向Dl2へくぼむ。第2凹部10bは、胴体部分10c及び10dよりも第1側方向Dl1へくぼむ。胴体10における凹部10a及び10b間の部分は、第3胴体部分10eである。第1胴体部分10cは、第2部分の一例であり、第3胴体部分10eは第3部分の一例である。
【0032】
側方向Dl1及びDl2での第3胴体部分10eの幅は、側方向Dl1及びDl2での第1胴体部分10cの幅よりも、側方向Dl1及びDl2での座部11の幅に近くてもよい。側方向Dl1及びDl2での第3胴体部分10eの幅は、側方向Dl1及びDl2での第2胴体部分10dの幅よりも、側方向Dl1及びDl2での座部11の幅に近くてもよい。第3胴体部分10eの幅は、座部11の幅に近いため、座部11に着座した状態の人間の足の着地性が良好である。座部11に着座した状態の人間は、両脚で第3胴体部分10eを容易且つ確実に挟むことができるため、安定してロボット1に乗ることができる。より幅広な胴体部分10c及び10dは、人間が座部11上で前方向Df及び後方向Dbに滑って移動するのを抑えることができ、人間の安定した着座を可能にする。
【0033】
第1胴体部分10cは、第3胴体部分10eよりも、第1側方向Dl1及び第2側方向Dl2それぞれに張り出す。第1胴体部分10cは、座部11に着座した状態の人間の脚が上方向Duへ移動するのを抑えることができ、人間の安定した着座を可能にする。第1胴体部分10cは、幅広であるため、人間の着座姿勢に悪影響を与えずに、様々な機器を収容できる。
【0034】
限定されないが、本実施の形態では、脚部30A及び30Bは、第1胴体部分10cと接続され、ロボット1の前脚として機能し得る。脚部30C及び30Dは、第2胴体部分10dと接続され、ロボット1の後脚として機能し得る。
【0035】
図2に示すように、ロボット1は、第1胴体部分10c内に、コントローラ40と、二次電池モジュール60と、電源回路70と、通信器80とを含む。
【0036】
二次電池モジュール60は、ロボット1の電力源として機能する。二次電池モジュール60は、1つ以上の二次電池を含む。二次電池は、電力の充電及び放電を可能な電池である。二次電池の例は、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、全固体電池、ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池等である。
【0037】
電源回路70は、二次電池モジュール60に対する電力の需給を制御する回路である。電源回路70は、コントローラ40の指令等に従って、電力制御をするように構成される。例えば、電源回路70は、コンバータ、インバータ、トランス及びアンプ等の機器を含んでもよい。
【0038】
電源回路70は、商用電源等の外部電源と接続されるように構成される。電源回路70は、外部電源から電力の供給を受け付け、当該電力を二次電池モジュール60に供給し蓄電させる。電源回路70は、二次電池モジュール60に供給する電力を制御する。電源回路70は、二次電池モジュール60に蓄積される電力を、ロボット1内の電力を消費する構成要素に供給する。電源回路70は、各構成要素に供給する電力を制御する。
【0039】
通信器80は、遠隔操作器と無線通信するための装置である。通信器80は、遠隔操作器と直接的に又は間接的に無線通信するように構成されてもよい。間接的な無線通信では、通信器80は、無線通信を介して通信ネットワークと接続し、通信ネットワークを介して遠隔操作器と通信するように構成されてもよい。通信器80が使用する無線通信は、特に限定されない。
【0040】
通信ネットワークは特に限定されず、例えば、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network:LAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、インターネット、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含むことができる。通信ネットワークは、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))及びZigBee(登録商標)などの近距離無線通信、ネットワーク専用回線、通信事業者の専用回線、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)、モバイル通信網、インターネット網、衛星通信、又は、これらの2つ以上の組み合わせを用いるように構成され得る。モバイル通信網は、第4世代移動通信システム及び第5世代移動通信システム等を用いるものであってもよい。通信ネットワークは、1つ又は複数のネットワークを含むことができる。
【0041】
図5は、実施の形態に係る4足歩行ロボット1の関節の構成の一例を示す図である。図5に示すように、脚部30A、30B、30C及び30Dはそれぞれ、2つ以上の関節を含む。限定されないが、本実施の形態では、脚部30A、30B、30C及び30Dはそれぞれ、胴体10に連結される基部関節31A、31B、31C及び31Dと、基部関節31A、31B、31C及び31Dと脚部30A、30B、30C及び30Dの先端との間に配置される1つ以上の中間関節32A、32B、32C及び32Dとを含む。さらに、脚部30A、30B、30C及び30Dはそれぞれ、1つ以上の中間リンク33A、33B、33C及び33Dと、先端リンク34A、34B、34C及び34Dとを含む。
【0042】
中間リンク33A、33B、33C及び33Dはそれぞれ、関節同士を連結し、脚部30A、30B、30C及び30Dの骨格の一部を形成する。先端リンク34A、34B、34C及び34Dは、中間関節32A、32B、32C及び32Dと連結され且つ脚部30A、30B、30C及び30Dの先端まで延び、脚部30A、30B、30C及び30Dの骨格の一部を形成する。先端リンク34A、34B、34C及び34Dの先端は、ロボット1を支持する支持面との摩擦力を増加する処理を受けている。例えば、先端は、ゴム及びスポンジのような摩擦係数の高い材料の部材が取り付けられてもよく、凹凸及び溝等を施す表面加工をされてもよい。
【0043】
本実施の形態では、脚部30A、30B、30C及び30Dはそれぞれ、1つの中間関節32A、32B、32C及び32Dを含む。脚部30A、30B、30C及び30Dはそれぞれ、1つの中間リンク33A、33B、33C及び33Dを含む。
【0044】
基部関節31A、31B、31C及び31Dはそれぞれ、2つ以上の自由度で動作可能であり、中間関節32A、32B、32C及び32Dはそれぞれ、1つ以上の自由度で動作可能である。本実施の形態では、基部関節31A、31B、31C及び31Dは、2つの自由度で動作可能であり、中間関節32A、32B、32C及び32Dは、1つの自由度で動作可能である。
【0045】
基部関節31A、31B、31C及び31Dはそれぞれ、第1屈曲部分31A1、31B1、31C1及び31D1と、第2屈曲部分31A2、31B2、31C2及び31D2とを含む。限定されないが、本実施の形態では、第1屈曲部分31A1、31B1、31C1及び31D1が胴体10と連結され、第2屈曲部分31A2、31B2、31C2及び31D2がそれぞれ、中間リンク33A、33B、33C及び33Dと連結される。
【0046】
第1屈曲部分31A1、31B1、31C1及び31D1はそれぞれ、第2軸A2A、A2B、A2C及びA2Dを中心に屈曲する。第2軸A2A、A2B、A2C及びA2Dはそれぞれ、胴体10の上下方向Du及びDdに延びる第1軸A1A、A1B、A1C及びA1Dと交差する方向に延びる。
【0047】
本実施の形態では、第1軸A1A、A1B、A1C及びA1Dは、上下方向Du及びDdと平行ではないが、平行であってもよい。第1軸A1A、A1B、A1C及びA1Dはそれぞれ、基部関節31A、31B、31C及び31Dから胴体10に向かう方向の軸でもある。
【0048】
本実施の形態では、第2軸A2A、A2B、A2C及びA2Dはそれぞれ、第1軸A1A、A1B、A1C及びA1Dと垂直である。さらに、第2軸A2A、A2B、A2C及びA2Dは、側方向Dl1及びDl2に延びる。第2軸A2A、A2B、A2C及びA2Dは、側方向Dl1及びDl2と平行ではないが、平行であってもよい。
【0049】
このような第1屈曲部分31A1、31B1、31C1及び31D1は、胴体10に対してピッチング方向に屈曲する。
【0050】
第2屈曲部分31A2、31B2、31C2及び31D2はそれぞれ、第3軸A3A、A3B、A3C及びA3Dを中心に屈曲する。第3軸A3A、A3B、A3C及びA3Dはそれぞれ、第1軸A1A、A1B、A1C及びA1Dと交差する方向であり且つ第2軸A2A、A2B、A2C及びA2Dと交差する方向である方向に延びる。本実施の形態では、第3軸A3A、A3B、A3C及びA3Dはそれぞれ、第2軸A2A、A2B、A2C及びA2Dと垂直である。さらに、第3軸A3A、A3B、A3C及びA3Dはそれぞれ、中間リンク33A、33B、33C及び33Dが下方向Ddに延びる状態で、前後方向Df及びDbに延びる。
【0051】
このような第2屈曲部分31A2、31B2、31C2及び31D2は、中間リンク33A、33B、33C及び33Dが下方向Ddに延びるとき、胴体10に対してローリング方向に屈曲する。
【0052】
しかしながら、第2屈曲部分31A2、31B2、31C2及び31D2が胴体10と連結され、第1屈曲部分31A1、31B1、31C1及び31D1がそれぞれ、中間リンク33A、33B、33C及び33Dと連結されてもよい。この場合、第3軸A3A、A3B、A3C及びA3Dは、前後方向Df及びDbに延びてもよい。第2軸A2A、A2B、A2C及びA2Dは、中間リンク33A、33B、33C及び33Dが下方向Ddに延びる状態で、側方向Dl1及びDl2に延びてもよい。
【0053】
基部関節31A、31B、31C及び31Dはそれぞれ、中間リンク33A、33B、33C及び33Dに、前後方向Df及びDbの揺動と側方向Dl1及びDl2の揺動とを組み合わせた動作を可能にする。
【0054】
中間関節32A、32B、32C及び32Dはそれぞれ、中間関節32A、32B、32C及び32Dの両側のリンクがなす角度を変えるように屈曲する第3屈曲部分32A1、32B1、32C1及び32D1を含む。本実施の形態では、第3屈曲部分32A1、32B1、32C1及び32D1はそれぞれ、中間リンク33A、33B、33C及び33Dと先端リンク34A、34B、34C及び34Dとがなす角度を変えるように屈曲する。
【0055】
第3屈曲部分32A1、32B1、32C1及び32D1はそれぞれ、第4軸A4A、A4B、A4C及びA4Dを中心に屈曲する。第4軸A4A、A4B、A4C及びA4Dはそれぞれ、中間リンク33A、33B、33C及び33Dが延びる方向並びに先端リンク34A、34B、34C及び34Dが延びる方向と交差する方向に延びる。第4軸A4A、A4B、A4C及びA4Dは、脚部30A、30B、30C及び30Dが下方向Ddに延びる状態で、側方向Dl1及びDl2に延びる。
【0056】
このような第3屈曲部分32A1、32B1、32C1及び32D1はそれぞれ、脚部30A、30B、30C及び30Dが下方向Ddに延びるとき、胴体10に対してピッチング方向に屈曲する。中間関節32A、32B、32C及び32Dはそれぞれ、先端リンク34A、34B、34C及び34Dに、前後方向Df及びDbの揺動を可能にする。
【0057】
ロボット1は、基部関節31A、31B、31C及び31D並びに中間関節32A、32B、32C及び32Dを駆動する複数のアクチュエータを備える。当該複数のアクチュエータは、関節アクチュエータの一例である。複数のアクチュエータは、第1屈曲部分31A1、31B1、31C1及び31D1それぞれを屈曲するように駆動するアクチュエータ35A、35B、35C及び35Dと、第2屈曲部分31A2、31B2、31C2及び31D2それぞれを屈曲するように駆動するアクチュエータ36A、36B、36C及び36Dと、第3屈曲部分32A1、32B1、32C1及び32D1それぞれを屈曲するように駆動するアクチュエータ37A、37B、37C及び37Dとを含む。アクチュエータ35Aから35D、36Aから36D及び37Aから37Dは、関節アクチュエータの一例である。
【0058】
限定されないが、本実施の形態では、アクチュエータ35Aから35D、36Aから36D及び37Aから37Dはいずれも、サーボモータSMと、減速機Rと、エンコーダ等の回転センサEとを含む。サーボモータSMは、コントローラ40によって制御され、回転センサEは、サーボモータSMの回転量を検出し、検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。減速機Rは、サーボモータSMの回転速度を減速し且つ回転駆動力を増大しつつ、サーボモータSMの回転駆動力を屈曲部分に伝達する。
【0059】
限定されないが、本実施の形態では、アクチュエータ35A、36A及び37Aは、中間リンク33Aに配置され、アクチュエータ35B、36B及び37Bは、中間リンク33Bに配置され、アクチュエータ35C、36C及び37Cは、中間リンク33Cに配置され、アクチュエータ35D、36D及び37Dは、中間リンク33Dに配置される。こにより、下方向Ddに向かって、ロボット1の構成部分の重量が小さくなるため、コントローラ40によるロボット1の姿勢バランスの制御が容易になる。
【0060】
図1及び図2に示すように、ロボット1は、中間関節32A、32B、32C及び32Dそれぞれに、回動可能な1つ以上の従動ホイール38A、38B、38C及び38Dをさらに備える。限定されないが、本実施の形態では、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dそれぞれの数量は2である。従動ホイール38A、38B、38C及び38Dのペアはそれぞれ、第4軸A4A、A4B、A4C及びA4Dを中心に同軸上で回動し、且つ中間関節32A、32B、32C及び32Dを挟むように配置される。従動ホイール38A、38B、38C及び38Dは、第1ホイールの一例である。
【0061】
従動ホイール38A、38B、38C及び38Dはそれぞれ、基部関節31A、31B、31C及び31Dと中間関節32A、32B、32C及び32Dとが動作することでロボット1を支持する支持面に接触してロボット1を移動可能に支持するように、中間関節32A、32B、32C及び32Dに配置される。例えば、中間関節32A、32B、32C及び32Dが下方向Ddへ突出するように脚部30A、30B、30C及び30Dが屈曲した場合、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dが支持面と接触してもよい。
【0062】
図6は、図1の4足歩行ロボット1の4足歩行モードでの構成の一例を示す側面図である。図7は、図1の4足歩行ロボット1の車輪走行モードでの構成の一例を示す側面図である。図6及び図7では、フットレスト12の図示が省略されている。図6及び図7に示すように、ロボット1は、走行装置90を胴体10にさらに備える。
【0063】
走行装置90は、胴体10に格納されることができる。さらに、走行装置90は、胴体10に格納された状態から下方向Ddに胴体10から突出して、ロボット1を支持する支持面に接触するように動作可能であり、当該支持面と接触している状態でロボット1を移動させることができる。
【0064】
走行装置90は、走行ホイール91と、第1アクチュエータ92と、支持体93と、第2アクチュエータ94と、付勢部材95と、減衰器96とを含む。第1アクチュエータ92は、走行ホイール91を回転駆動し、第2アクチュエータ94は、支持体93を動作させる。第1アクチュエータ92は走行アクチュエータの一例であり、第2アクチュエータ94は支持体アクチュエータの一例である。アクチュエータ92及び94はいずれも、サーボモータSMと、減速機Rと、エンコーダ等の回転センサEとを含む。サーボモータSMは、コントローラ40によって制御され、回転センサEは、サーボモータSMの回転量の検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。減速機Rは、サーボモータSMの回転駆動力を駆動対象に伝達する。
【0065】
限定されないが、本実施の形態では、走行装置90は、走行ホイール91として、2つの走行ホイール91A及び91Bを含み、第1アクチュエータ92として、走行ホイール91A及び91Bそれぞれを駆動する第1アクチュエータ92A及び92Bを含む。
【0066】
支持体93は、胴体10に配置及び固定され、胴体10上で走行ホイール91A及び91Bを支持する。支持体93は、図7に示すように走行ホイール91A及び91Bが下方向Ddに胴体10から突出する第1位置と、図6に示すように走行ホイール91A及び91Bが胴体10に接近且つ胴体10に格納される第2位置との間で、走行ホイール91A及び91Bを移動するように動作することができる。
【0067】
限定されないが、本実施の形態では、支持体93は、アーム93aと、先端部材93bと、補助リンク93cとを含む。アーム93aは、先端部材93bを介して走行ホイール91A及び91Bを支持し、屈曲可能である。アーム93aは、互いに対して回動可能に連結された2つのリンク93a1及び93a2を含む。アーム93aの基部のリンク93a1の基端は、胴体10に回動可能に接続され、アーム93aの先端のリンク93a2の先端は、先端部材93bと接続される。リンク93a1の基端は、第2アクチュエータ94と接続される。リンク93a1は、第2アクチュエータ94によって、基端を中心に回動駆動される。
【0068】
補助リンク93cの基端は、胴体10に回動可能に接続される。補助リンク93cの先端は、リンク93a1及び93a2の連結部分から離れた位置でリンク93a2に回動可能に接続される。例えば、補助リンク93cの先端は、先端部材93bとリンク93a2との接続部分又はその近傍に接続されてもよい。補助リンク93cは、リンク93a2及び93cの接続部分が移動する軌道を1つの円弧状軌道に決める。これにより、リンク93a1が回動したときの先端部材93bの軌道が1つに決まる。アーム93aは、図6に示すような第2位置では屈曲し、図7に示すような第1位置では伸展する。
【0069】
先端部材93bは、アーム93aと反対側の端部において、走行ホイール91A及び91Bを同軸上で回動可能に支持する。限定されないが、本実施の形態では、走行ホイール91A及び91Bの回動軸は、側方向Dl1及びDl2に延びる。先端部材93bは、第1アクチュエータ92A及び92Bと、付勢部材95と、減衰器96とを支持する。第1アクチュエータ92A及び92Bはそれぞれ、走行ホイール91A及び91Bと接続される。付勢部材95及び減衰器96は、走行ホイール91A及び91Bの軸受又は軸受の支持部材と接続される。走行ホイール91A及び91Bの軸受又は軸受の支持部材は、走行ホイール91A及び91Bからアーム93aに向かう方向D1A及びその反対方向D1Bに移動可能である。
【0070】
付勢部材95は、走行ホイール91A及び91Bの軸受又は軸受の支持部材を介して走行ホイール91A及び91Bを付勢する。付勢部材95は、図7に示すような第1位置にある走行ホイール91A及び91Bを胴体10から離れる方向に付勢する。付勢部材95は、アーム93aから先端部材93bに向かう方向に走行ホイール91A及び91Bを付勢する。例えば、付勢部材95は、コイルバネ等のバネ、ベローズ、ガス圧若しくは液圧シリンダ、又はこれらの組み合わせを含む構造を有してもよい。
【0071】
減衰器96は、走行ホイール91A及び91Bの軸受又は軸受の支持部材を介して走行ホイール91A及び91Bに作用し、走行ホイール91A及び91Bに作用する振動エネルギーを減衰する。例えば、減衰器96は、ガス又は液体を含むダンパー、ゴム、ゲル、又はこれらの組み合わせを含む構造を有してもよい。
【0072】
例えば、4足歩行モードでは、図6に示すように、コントローラ40は、先端リンク34A、34B、34C及び34Dの先端をロボット1の支持面に接触させるように、脚部30A、30B、30C及び30Dのアクチュエータを制御する。さらに、コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを第2位置に格納するように、第2アクチュエータ94を制御する。そして、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dに歩行動作させるように、脚部30A、30B、30C及び30Dのアクチュエータを制御する。
【0073】
車輪走行モードでは、図7に示すように、コントローラ40は、中間関節32A、32B、32C及び32Dの従動ホイール38A、38B、38C及び38Dをロボット1の支持面に接触させるように、脚部30A、30B、30C及び30Dのアクチュエータを制御する。さらに、コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを第1位置に突出させるように、第2アクチュエータ94を制御する。
【0074】
限定されないが、本実施の形態では、中間関節32A及び32Bはそれぞれ、基部関節31A及び31Bの下方向Dd又は基部関節31A及び31Bよりも前方向Dfに位置する。中間関節32C及び32Dはそれぞれ、基部関節31C及び31Dの下方向Dd又は基部関節31C及び31Dよりも後方向Dbに位置する。先端リンク34A及び34Bの先端はそれぞれ、中間関節32A及び32Bよりも後方向Dbに位置し、先端リンク34C及び34Dの先端はそれぞれ、中間関節32C及び32Dよりも前方向Dfに位置する。先端リンク34A、34B、34C及び34Dの先端の位置は、上記に限定されない。中間関節32A及び32Bはそれぞれ、基部関節31A及び31Bよりも後方向Dbに位置してもよく、中間関節32C及び32Dはそれぞれ、基部関節31C及び31Dよりも前方向Dfに位置してもよい。
【0075】
コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを駆動するように、第1アクチュエータ92A及び92Bを制御する。コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを同じ回転方向且つ同じ回転速度で回転駆動することで、ロボット1を前進又は後進させる。コントローラ40は、走行ホイール91A及び91Bを、同じ回転方向且つ異なる回転速度、又は、異なる回転方向で回転駆動することで、ロボット1を左旋回又は右旋回させる。コントローラ40は、基部関節31A、31B、31C及び31Dのアクチュエータを駆動して、中間リンク33A、33B、33C又は33Dを旋回させることで、ロボット1を左旋回又は右旋回させてもよい。
【0076】
4足歩行モードでは、図8に示すように、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dと走行装置90とを併用してロボット1を移動するようにアクチュエータを制御してもよい。図8は、図6の4足歩行ロボット1が脚部30A、30B、30C及び30Dと走行装置90とを併用して移動する例を示す側面図である。
【0077】
例えば、4足歩行モードでロボット1が所定の状態のとき、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dの動作に加えて、走行装置90が胴体10から突出してロボット1の支持面を押圧するように、走行装置90のアクチュエータ92A、92B及び94の動作を制御してもよい。このとき、走行装置90によるロボット1の支持及び移動が、脚部30A、30B、30C及び30Dによるロボット1の支持及び移動に対して補助的であってもよい。脚部30A、30B、30C及び30Dによるロボット1の支持及び移動が、走行装置90によるロボット1の支持及び移動に対して補助的であってもよい。
【0078】
例えば、4足歩行モードでの所定の状態は、脚部30A、30B、30C及び30Dが受ける負荷が所定の負荷を超える状態、及び、ロボット1の姿勢が不安定である状態等であってもよい。例えば、所定の状態は、脚部30A、30B、30C及び30Dが段差のある支持面及び傾斜のある支持面等の水平方向に平坦でない支持面上を歩行する場合に生じ得る。
【0079】
車輪走行モードでロボット1が所定の状態のとき、図7に示すように、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dと走行装置90とを併用してロボット1を移動するようにアクチュエータを制御してもよい。コントローラ40は、走行装置90の動作に加えて、脚部30A、30B、30C及び30Dが従動ホイール38A、38B、38C及び38Dをロボット1の支持面を押圧するように、基部関節31A、31B、31C及び31Dのアクチュエータの動作を制御してもよい。このとき、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dによるロボット1の支持が、走行装置90によるロボット1の支持に対して補助的であってもよい。走行装置90によるロボット1の支持が、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dによるロボット1の支持に対して補助的であってもよい。車輪走行モードでロボット1が所定の状態のとき、コントローラ40は、図8に示すように、脚部30A、30B、30C及び30Dと走行装置90とを併用してもよい。
【0080】
例えば、車輪走行モードでの所定の状態は、走行ホイール91A及び91Bの駆動力がロボット1の支持面に十分に伝達できない状態、走行ホイール91A及び91Bの駆動力がロボット1の移動に不足する状態、及び、ロボット1の姿勢が不安定である状態等であってもよい。例えば、所定の状態は、走行ホイール91A及び91Bが凹凸のある支持面及び傾斜のある支持面等の水平方向に平坦でない支持面上を移動する場合に生じ得る。
【0081】
ロボット1に人間が乗降する場合、図9に示すように、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dを屈曲させて胴体10を下方向Ddに移動してもよい。図9は、人間が乗降するときの図6の4足歩行ロボット1の状態の一例を示す側面図である。走行装置90は、胴体10に格納されている。コントローラ40によって制御される胴体10の高さ位置は、固定された高さ位置であってもよく、操作器50又は遠隔操作器を介して指定される高さ位置に対応する高さ位置であってもよい。
【0082】
コントローラ40は、人間が胴体10に乗る又は胴体10から降りた後、脚部30A、30B、30C及び30Dを伸展させて胴体10を上方向Duに移動してもよい。コントローラ40は、胴体10の下方向Ddへの移動及び胴体10の上方向Duへの移動の一方又は両方において、図8に示すように、脚部30A、30B、30C及び30Dと走行装置90とを併用して胴体10を移動するようにアクチュエータを制御してもよい。
【0083】
ロボット1を休止する場合、図10に示すように、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dを屈曲させて従動ホイール38A、38B、38C及び38Dをロボット1の支持面に接触させてもよい。図10は、図6の4足歩行ロボット1の休止状態の一例を示す側面図である。走行装置90は、胴体10に格納されている。
【0084】
限定されないが、本実施の形態では、中間関節32A及び32Bはそれぞれ、基部関節31A及び31Bの下方向Dd又は基部関節31A及び31Bよりも後方向Dfに位置する。中間関節32C及び32Dはそれぞれ、基部関節31C及び31Dの下方向Dd又は基部関節31C及び31Dよりも前方向Dfに位置する。先端リンク34A及び34Bの先端はそれぞれ、中間関節32A及び32Bよりも後方向Dbに位置し、先端リンク34C及び34Dの先端はそれぞれ、中間関節32C及び32Dよりも前方向Dfに位置する。先端リンク34A、34B、34C及び34Dの先端の位置は、上記に限定されない。
【0085】
ロボット1は、基部関節31A、31B、31C及び31Dのそれぞれに、所定方向への所定量を超える動作を制止するストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAを含む。
【0086】
限定されないが、本実施の形態では、ストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAはそれぞれ、第1屈曲部分31A1、31B1、31C1及び31D1の所定方向への所定量を超える屈曲動作を制止するように構成される。ストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAは、第1屈曲部分31A1、31B1、31C1及び31D1に加えて、第2屈曲部分31A2、31B2、31C2及び31D2の所定方向への所定量を超える屈曲動作を制止するように構成されてもよい。
【0087】
ストッパ39AA及び39BAはそれぞれ、第1屈曲部分31A1及び31B1の屈曲動作を制止することで、中間リンク33A及び33Bが中間関節32A及び32Bを後方向Dbへ移動するように所定量を超えて回動するのを制止する。ストッパ39AA及び39BAはそれぞれ、中間リンク33A及び33Bが図10の状態を超えて中間関節32A及び32Bを後方向Dbへ移動するように回動するのを制止する。
【0088】
ストッパ39CA及び39DAはそれぞれ、第1屈曲部分31C1及び31D1の屈曲動作を制止することで、中間リンク33C及び33Dが中間関節32C及び32Dを前方向Dfへ移動するように所定量を超えて回動するのを制止する。ストッパ39CA及び39DAはそれぞれ、中間リンク33C及び33Dが図10の状態を超えて中間関節32C及び32Dを前方向Dfへ移動するように回動するのを制止する。
【0089】
ストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAの構造は、基部関節31A、31B、31C及び31Dの動作を制止できる構造であれば、特に限定されない。例えば、ストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAは、制止のために能動的に動作しないように構成されてもよく、制止のために能動的に動作するように構成されてもよい。例えば、能動的に動作しないストッパは、所定方向へ動作する基部関節と係合する不動な係合体、及び、基部関節と連結されたリンク等を含んでもよい。例えば、能動的に動作するストッパは、基部関節と係合又は嵌合するように動作する係合体及びその駆動装置、及び、基部関節と接触して摩擦制止するブレーキ及びその駆動装置等を含んでもよい。
【0090】
図10に示すロボット1の基部関節31A、31B、31C及び31Dは、ストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAによって制止されている。ロボット1の全ての関節のアクチュエータの電源がOFFにされた場合、胴体10及び首部20の重量が脚部30A、30B、30C及び30Dに作用するが、基部関節31A、31B、31C及び31Dは屈曲動作をしない。これにより、ロボット1の姿勢が図10の姿勢に維持される。ロボット1は、電源がOFF状態であっても、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dが回動することで、人力で移動され得る。例えば、コントローラ40は、操作器50又は遠隔操作器から休止の指令を受け取った場合、及び、ロボット1の異常を検出した場合等に、ロボット1を図10に示す状態に動作させてもよい。
【0091】
ロボット1を休止する場合、図11に示すように、コントローラ40は、脚部30A、30B、30C及び30Dを屈曲させて、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dと、先端リンク34A、34B、34C及び34Dの先端とをロボット1の支持面に接触させてもよい。図11は、図6の4足歩行ロボット1の休止状態の一例を示す側面図である。走行装置90は、胴体10に格納されている。
【0092】
限定されないが、本実施の形態では、脚部30A、30B、30C及び30Dの状態は、図7に示す30A、30B、30C及び30Dの状態に類似する。先端リンク34A及び34Bの先端がそれぞれ、基部関節31A及び31Bの下方向Dd又は基部関節31A及び31Bよりも後方向Dbに位置することが、ロボット1を安定化するために好ましい。先端リンク34C及び34Dの先端がそれぞれ、基部関節31C及び31Dの下方向Dd又は基部関節31C及び31Dよりも前方向Dfに位置することが、ロボット1を安定化するために好ましい。しかしながら、先端リンク34A及び34Bの先端がそれぞれ、基部関節31A及び31Bよりも前方向Dfに位置してもよく、先端リンク34C及び34Dの先端がそれぞれ、基部関節31C及び31Dよりも後方向Dbに位置してもよい。いずれの場合も、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dと、先端リンク34A、34B、34C及び34Dの先端とは、ロボット1を静止した状態で支持することができる。
【0093】
ロボット1は、中間関節32A、32B、32C及び32Dのそれぞれに、所定方向への所定量を超える第3屈曲部分32A1、32B1、32C1及び32D1の屈曲動作を制止するストッパ39AB、39BB、39CB及び39DBを含む。ストッパ39AB、39BB、39CB及び39DBはそれぞれ、中間リンク33A、33B、33C及び33Dと先端リンク34A、34B、34C及び34Dとがなす内角が所定の角度よりも小さくなるような、第3屈曲部分32A1、32B1、32C1及び32D1の屈曲動作を制止する。ストッパ39AB、39BB、39CB及び39DBはそれぞれ、図11に示す状態よりも上記内角が小さくなるように第3屈曲部分32A1、32B1、32C1及び32D1が屈曲するのを制止する。
【0094】
ストッパ39AB、39BB、39CB及び39DBの構造は、中間関節32A、32B、32C及び32Dの動作を制止できる構造であれば、特に限定されない。例えば、ストッパ39AB、39BB、39CB及び39DBは、図10に示すストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAについて例示した構造の1つ以上を含んでもよい。
【0095】
図11に示すロボット1の中間関節32A、32B、32C及び32Dは、ストッパ39AB、39BB、39CB及び39DBによって制止されている。ロボット1の全ての関節のアクチュエータの電源がOFFにされた場合、胴体10及び首部20の重量が脚部30A、30B、30C及び30Dに作用するが、中間関節32A、32B、32C及び32Dは屈曲動作をせず、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dと先端リンク34A、34B、34C及び34Dの先端とが、ロボット1の支持面に接触しロボット1を支持する。このとき、基部関節31A、31B、31C及び31Dは、図11に示す状態から屈曲動作をしない。これにより、ロボット1の姿勢が図11の姿勢に維持される。ロボット1は、電源がOFF状態であっても、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dが回動することで、人力で移動され得る。例えば、コントローラ40は、操作器50又は遠隔操作器から休止の指令を受け取った場合、及び、ロボット1の異常を検出した場合等に、ロボット1を図11に示す状態に動作させてもよい。
【0096】
ロボット1は、ストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAと、ストッパ39AB、39BB、39CB及び39DBとを含んでもよい。コントローラ40は、休止する場合、ロボット1の状態に応じて、図10に示す姿勢と図11に示す姿勢とのうちの一方を選択してロボット1に実行させてもよい。
【0097】
図12に示すように、図11に示すロボット1は、先端リンク34A、34B、34C及び34Dにそれぞれ、従動ホイール38AA、38BA、38CA及び38DAをさらに含んでもよい。図12は、図11の4足歩行ロボット1の別の一例を示す側面図である。走行装置90は、胴体10に格納されている。ロボット1を休止する場合、コントローラ40は、ロボット1に図11と同様に動作させる。従動ホイール38AA、38BA、38CA及び38DAは、第2ホイールの一例である。
【0098】
限定されないが、本実施の形態では、脚部30A、30B、30C及び30Dの状態は、図11に示す30A、30B、30C及び30Dの状態に類似する。先端リンク34A及び34Bの従動ホイール38AA及び38BAがそれぞれ、基部関節31A及び31Bの下方向Dd又は基部関節31A及び31Bよりも後方向Dbに位置することが、ロボット1を安定化するために好ましい。先端リンク34C及び34Dの従動ホイール38CA及び38DAがそれぞれ、基部関節31C及び31Dの下方向Dd又は基部関節31C及び31Dよりも前方向Dfに位置することが、ロボット1を安定化するために好ましい。しかしながら、従動ホイール38AA及び38BAがそれぞれ、基部関節31A及び31Bよりも前方向Dfに位置してもよく、従動ホイール38CA及び38DAがそれぞれ、基部関節31C及び31Dよりも後方向Dbに位置してもよい。いずれの場合も、従動ホイール38A、38B、38C、38D、38AA、38BA、38CA及び38DAは、ロボット1を静止した状態で支持することができる。
【0099】
図12に示すロボット1の全ての関節のアクチュエータの電源がOFFにされた場合、中間関節32A、32B、32C及び32Dは屈曲動作をせず、従動ホイール38A、38B、38C及び38Dと従動ホイール38AA、38BA、38CA及び38DAとが、ロボット1の支持面に接触しロボット1を支持する。そして、ロボット1の姿勢が図12の姿勢に維持される。ロボット1は、電源がOFF状態であっても、従動ホイール38Aから38D及び38AAから38DAが回動することで、人力で容易に移動され得る。例えば、コントローラ40は、操作器50又は遠隔操作器から休止の指令を受け取った場合、及び、ロボット1の異常を検出した場合等に、ロボット1を図12に示す状態に動作させてもよい。
【0100】
ロボット1は、ストッパ39AA、39BA、39CA及び39DAと、ストッパ39AB、39BB、39CB及び39DBとを含んでもよい。コントローラ40は、休止する場合、ロボット1の状態に応じて、図10に示す姿勢と図12に示す姿勢とのうちの一方を選択してロボット1に実行させてもよい。
【0101】
図13は、実施の形態に係る4足歩行ロボット1のコントローラ40の構成の一例を示すブロック図である。図13に示すように、コントローラ40は、コンピュータを含み、例えば、電子回路基板、電子制御ユニット、マイクロコンピュータ等であってもよい。コントローラ40は、プロセッサP及びメモリMを含む。プロセッサP及びメモリMは、他の装置との指令、情報及びデータ等の送受信を行う。プロセッサP及びメモリMは、種々の機器からの信号の入力及び制御対象への制御信号の出力を行う。
【0102】
例えば、メモリMは、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の半導体メモリ、ROM(Read-Only Memory)等の不揮発性の半導体メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。メモリMは、プロセッサPが実行するプログラム、及び種々のデータ等を記憶する。
【0103】
コントローラ40の複数の機能の少なくとも一部の機能は、プロセッサP及びメモリMの協働により実現されてもよい。プロセッサPと、RAM及びROMを含むメモリMとは、コンピュータシステムを形成する。例えば、コンピュータシステムは、プロセッサPがRAMをワークエリアとして用いてROMに記録されたプログラムを実行することによって、上記機能を実現してもよい。
【0104】
コントローラ40の機能の一部又は全部は、上記コンピュータシステムにより実現されてもよく、電子回路又は集積回路等の専用のハードウェア回路により実現されてもよく、上記コンピュータシステム及びハードウェア回路の組み合わせにより実現されてもよい。コントローラ40は、単一のコンピュータによる集中制御により処理を実行してもよく、複数のコンピュータの協働による分散制御により処理を実行してもよい。
【0105】
以下に限定するわけでないが、例えば、プロセッサPは、CPU(中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphic s Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びリコンフィギュラブルプロセッサ等を含み得、IC(Integrated Circuit)チップ及びLSI(Large Scale Integration)などの集積回路等に形成されたハードウェア回路である論理回路又は専用回路によって処理を実現してもよい。コントローラ40の複数の機能は、個別に1チップ化された集積回路によって実現されてもよく、一部又は全てを含むように1チップ化された集積回路によって実現されてもよい。
【0106】
コントローラ40は、センサ22及び24、操作器50、二次電池モジュール60、電源回路70、通信器80、脚部30Aのアクチュエータ35Aから37A、脚部30Bのアクチュエータ35Bから37B、脚部30Cのアクチュエータ35Cから37C、脚部30Dのアクチュエータ35Dから37D、走行装置90のアクチュエータ92A、92B及び94と接続される。
【0107】
ロボット1は、センサ22を第1センサとして備え、センサ24を第2センサとしてさらに備える。第2センサ24は、胴体10内に配置される。第2センサ24は、胴体10の動きを検出する。限定されないが、本実施の形態では、第2センサ24は、ジャイロセンサを含み、胴体10の角速度を検出する。例えば、第2センサ24は、直交する3軸周りの角速度を検出する。第2センサ24は、加速度センサをさらに含み、胴体10の加速度を検出してもよい。例えば、第2センサ24は、直交する3軸方向の加速度を検出してもよい。このような第2センサ24は、慣性計測装置を含んでもよい。第2センサ24は、検出結果を示す信号をコントローラ40に出力する。
【0108】
コントローラ40は、第1センサ22から検出結果を示す信号を受け取り処理する。第1センサ22が3次元カメラを含む場合、コントローラ40は、第1センサ22から受け取る画像を処理して、当該画像に含まれる被写体と、当該被写体とセンサ22との距離とを検出してもよい。さらに、コントローラ40は、当該被写体の3次元位置を検出してもよい。第1センサ22が、上記画像処理を行う処理回路等を含んでもよい。コントローラ40は、処理結果を、操作器50及び遠隔操作器Tの一方又は両方に出力してもよく、ロボット1の制御等の自己が実行する処理に使用してもよい。
【0109】
コントローラ40は、第2センサ24から検出結果を示す信号を受け取り処理する。コントローラ40は、第2センサ24から受け取る信号を処理して、胴体10の角速度及び加速度を検出してもよい。第2センサ24が、角速度及び加速度の検出処理を行う処理回路等を含んでもよい。コントローラ40は、検出結果を、ロボット1の姿勢制御等の自己が実行する処理に使用してもよい。
【0110】
コントローラ40は、通信器80を介して遠隔操作器Tと通信する。コントローラ40は、遠隔操作器Tから受信する信号を処理して、当該信号に含まれる指令を実行する。コントローラ40は、当該信号に含まれる情報及びデータを、メモリM等に格納する、及び、自己が実行する処理に使用する。コントローラ40は、種々の情報及びデータ等を遠隔操作器Tに送信する。
【0111】
コントローラ40は、操作器50から受け取る信号を処理して、当該信号に含まれる指令を実行する。コントローラ40は、当該信号に含まれる情報及びデータを、メモリM等に格納する、及び、自己が実行する処理に使用する。コントローラ40は、種々の情報及びデータ等を操作器50に出力する。
【0112】
コントローラ40は、遠隔操作器T及び操作器50から、ロボット1の種々の設定、自動運転モードでの実行タスクの設定、移動目的地の設定、動作モードの選択、歩行モードの選択、手動運転モードでの操作方法の選択、手動運転モードでのマニュアル操作、乗降時のロボット1の姿勢の選択、及び、休止時のロボット1の姿勢の選択等を示す信号を受け取り得る。
【0113】
コントローラ40は、電源回路70のうちの第1電源回路70aを介して、外部電源EPと接続される。コントローラ40は、第1電源回路70aを制御することで、二次電池モジュール60への外部電源EPの電力の充電を制御する。
【0114】
コントローラ40は、電源回路70のうちの第2電源回路70bを介して、脚部30Aから30Dのアクチュエータ35Aから37A、35Bから37B、及び35Dから37Dと接続される。コントローラ40は、アクチュエータ35Aから37A、35Bから37B、及び35Dから37Dへの電流の指令値を第2電源回路70bに出力し、第2電源回路70bは、当該指令値に従った電流を、二次電池モジュール60からアクチュエータ35Aから37A、35Bから37B、及び35Dから37Dに供給する。コントローラ40は、第2電源回路70bを介して、アクチュエータ35Aから37A、35Bから37B、及び35Dから37Dの回転センサEの検出結果及び当該アクチュエータの電流値を取得して、電流の指令値を決定する際のフィードバック情報として使用する。つまり、コントローラ40は、アクチュエータ35Aから37A、35Bから37B、及び35Dから37DのサーボモータSMをサーボ制御する。
【0115】
コントローラ40は、電源回路70のうちの第3電源回路70cを介して、走行装置90のアクチュエータ92A、92B及び94と接続される。コントローラ40は、アクチュエータ92A、92B及び94への電流の指令値を第3電源回路70cに出力し、第3電源回路70cは、当該指令値に従った電流を、二次電池モジュール60からアクチュエータ92A、92B及び94に供給する。コントローラ40は、第3電源回路70cを介して、アクチュエータ92A、92B及び94の回転センサEの検出結果及び当該アクチュエータの電流値を取得して、電流の指令値を決定する際にフィードバック情報として使用する。つまり、コントローラ40は、アクチュエータ92A、92B及び94のサーボモータSMをサーボ制御する。
【0116】
コントローラ40は、自動運転モードでは、操作器50又は遠隔操作器Tから受け取る実行タスク及び移動目的地等を含む指令に従って、自動運転用のプログラムを実行する。例えば、自動運転用のプログラムは、ロボット1が実行すべき脚部30Aから30Dの位置及び速度等の情報を含む制御データを含む。制御データは、ロボット1が実行すべきロボット1の位置、移動方向及び速度等の情報を含んでもよい。制御データは、教示作業を通じて設定される教示データであってもよい。
【0117】
4足歩行モードでは、コントローラ40は、制御データ、並びに、センサ22及び24の検出信号の処理結果等を用いて、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、脚部30Aから30Dを目標位置及び目標速度等にするように、アクチュエータ35Aから37A、35Bから37B、及び35Dから37Dへの電流の指令値を決定する。
【0118】
例えば、コントローラ40は、第1センサ22に関する処理結果を上記算出に反映することで、ロボット1の周囲の地表面の状態及び物体の位置等に対応した目標位置及び目標速度等を算出する。これにより、コントローラ40は、脚部30Aから30Dの動かし方の変更、移動軌跡の変更、減速及び停止等を、脚部30Aから30Dに実行させることできる。例えば、コントローラ40は、第2センサ24に関する処理結果を上記算出に反映することで、胴体10の動き及び姿勢等に対応してロボット1のバランスをとるような目標位置及び目標速度等を算出する。
【0119】
車輪走行モードでは、コントローラ40は、制御データ等を用いてロボット1の目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、ロボット1の目標位置及び目標速度等に基づき、アクチュエータ92A及び92Bへの電流の指令値を決定する。
【0120】
コントローラ40は、上記算出に、センサ22及び24の検出信号の処理結果を用いてもよい。例えば、コントローラ40は、第1センサ22に関する処理結果を用いることで、ロボット1の周囲の地表面の状態及び物体の位置等に対応した脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。これにより、コントローラ40は、地表面の状態に対応して、従動ホイール38Aから38Dと走行ホイール91A及び91Bとの水平方向及び鉛直方向の位置関係を変更するように、脚部30Aから30Dを動作させてもよい。例えば、水平方向の位置関係の変更により、ロボット1のバランスが調整され得る。鉛直方向の位置関係の変更により、脚部30Aから30Dがサスペンションとして機能し、振動及び衝撃を軽減できる。コントローラ40は、周囲の物体の位置に対応して、ロボット1の走行方向の変更、減速及び停止等をするように、ロボット1の目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0121】
例えば、コントローラ40は、第2センサ24に関する処理結果を用いることで、胴体10の動き及び姿勢等に対応してロボット1のバランスをとるように、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。これにより、コントローラ40は、胴体10の動き及び姿勢等に対応して、従動ホイール38Aから38Dと走行ホイール91A及び91Bとの水平方向及び鉛直方向の位置関係を変更するように、脚部30Aから30Dを動作させてもよい。
【0122】
コントローラ40は、手動運転モードでは、手動運転用のプログラムを実行する。コントローラ40は、操作器50又は遠隔操作器Tに入力されるマニュアル操作の内容を示す信号を、操作器50又は遠隔操作器Tから受け取る。
【0123】
4足歩行モードでは、コントローラ40は、手動運転用のプログラムに従ってマニュアル操作の内容を示す信号を処理することで、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等に基づき、アクチュエータ35Aから37A、35Bから37B、及び35Dから37Dへの電流の指令値を決定する。
【0124】
コントローラ40は、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等の算出に、センサ22及び24の検出信号の処理結果を用いてもよい。例えば、コントローラ40は、第1センサ22に関する処理結果を用いることで、ロボット1の周囲の地表面の状態に対応した目標位置及び目標速度等を算出してもよい。コントローラ40は、ロボット1の周囲の物体の位置に対応して衝突及び接触等を回避するために、脚部30Aから30Dの動作を停止又は減速してもよい。例えば、コントローラ40は、第2センサ24の検出信号の処理結果を用いることで、胴体10の動き及び姿勢等に対応してロボット1のバランスをとるように、目標位置及び目標速度等を算出してもよい。これにより、マニュアル操作による指令が、ロボット1の前進、後進、左旋回、右旋回及び進行速度等を示す単純な指令であっても、コントローラ40は、ロボット1の周囲の状況及びロボット1のバランスに対応してロボット1に動作させることができる。
【0125】
車輪走行モードでは、コントローラ40は、手動運転用のプログラムに従ってマニュアル操作の内容を示す信号を処理することで、ロボット1の目標位置及び目標速度等を算出する。コントローラ40は、ロボット1の目標位置及び目標速度等に基づき、アクチュエータ92A及び92Bへの電流の指令値を決定する。
【0126】
コントローラ40は、上記算出に、センサ22及び24の検出信号の処理結果を用いてもよい。例えば、コントローラ40は、第1センサ22に関する処理結果を用いることで、ロボット1の周囲の地表面の状態に対応して、従動ホイール38Aから38Dと走行ホイール91A及び91Bとの水平方向及び鉛直方向の位置関係を変更するように、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。例えば、水平方向の位置関係の変更により、ロボット1のバランスが調整され得る。鉛直方向の位置関係の変更により、脚部30Aから30Dがサスペンションとして機能し、振動及び衝撃を軽減できる。コントローラ40は、ロボット1の周囲の物体の位置に対応して衝突及び接触等を回避するために、ロボット1の走行を停止又は減速してもよい。コントローラ40は、第2センサ24に関する処理結果を用いることで、胴体10の動き及び姿勢等に対応してロボット1のバランスをとるように、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0127】
コントローラ40は、自動運転モード及び手動運転モードの4足歩行モードにおいて、プログラム、第1センサ22の検出結果、又は操作器50若しくは遠隔操作器Tからの指令に対応して、図8に示すように、脚部30A、30B、30C及び30Dと走行装置90とを併用してもよい。コントローラ40は、センサ22及び24に関する処理結果を用いて、脚部30A、30B、30C及び30Dとバランスをとるように、走行装置90の走行ホイール91A及び91Bの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0128】
コントローラ40は、自動運転モード及び手動運転モードの車輪走行モードにおいて、プログラム、第1センサ22の検出結果、又は操作器50若しくは遠隔操作器Tからの指令に対応して、図8に示すように、脚部30A、30B、30C及び30Dと走行装置90とを併用してもよい。コントローラ40は、センサ22及び24に関する処理結果を用いて、走行装置90とバランスをとるように、脚部30A、30B、30C及び30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0129】
コントローラ40は、いずれのモードにおいても、プログラム、又は操作器50若しくは遠隔操作器Tからの指令に対応して、図9に示すように、人間がロボット1に乗降するときに胴体10を昇降するための、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0130】
コントローラ40は、いずれのモードにおいても、プログラム、又は操作器50若しくは遠隔操作器Tからの指令に対応して、ロボット1を休止するための脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。例えば、走行装置90が胴体10から突出している場合、コントローラ40は、胴体10に格納するための走行装置90の目標位置及び目標速度等を算出してもよい。コントローラ40は、センサ22及び24に関する処理結果に基づき、図10に示すロボット1の状態と、図11又は図12に示すロボット1の状態とから、休止に用いる状態を決定してもよい。コントローラ40は、決定したロボット1の状態に対応する脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0131】
限定されないが、本実施の形態では、コントローラ40は、4足歩行モードと車輪走行モードとの間の歩行モードの切り替え動作を、自律的に実行する。自動運転モードでは、コントローラ40は、制御データに含まれる歩行モードの指令に従って、歩行モードを決定してもよい。コントローラ40は、第1センサ22の検出結果に基づく地表面の状態に応じて、歩行モードを決定してもよい。コントローラ40は、歩行モードを切り替えるとき、制御データに含まれる切り替え動作に関する脚部30Aから30Dの位置及び速度等の情報と、第2センサ24の検出信号の処理結果等とに基づき、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0132】
手動運転モードでは、コントローラ40は、歩行モードを指定する信号を操作器50又は遠隔操作器Tから受け取る。コントローラ40は、歩行モードを切り替えるとき、切り替え動作に関する脚部30Aから30Dの位置及び速度等の情報を手動運転用のプログラムから取得するが、自動運転プログラムの制御データから取得してもよい。コントローラ40は、上記情報と、第2センサ24の検出信号の処理結果等とに基づき、脚部30Aから30Dの目標位置及び目標速度等を算出してもよい。
【0133】
コントローラ40は、自動運転モードの4足歩行モードでは、図6に示すようなロボット1にタスクを自律的に実行させるために、自動運転用のプログラムに従って、センサ22及び24の検出結果を制御に反映させつつ、脚部30Aから30Dの動作を制御する。コントローラ40は、プログラム、第1センサ22の検出結果、又は操作器50若しくは遠隔操作器Tから指令に対応して、ロボット1の状態を4足歩行モードから車輪走行モードに変更し得る。
【0134】
コントローラ40は、自動運転モードの車輪走行モードでは、図7に示すようなロボット1にタスクを自律的に実行させるために、自動運転用のプログラムに従って、走行装置90の動作を制御する。コントローラ40は、センサ22及び24の検出結果に対応して、走行装置90及び脚部30Aから30Dの動作を制御し得る。コントローラ40は、プログラム、第1センサ22の検出結果、又は操作器50若しくは遠隔操作器Tからの指令に対応して、ロボット1の状態を車輪走行モードから4足歩行モードに変更し得る。
【0135】
コントローラ40は、手動運転モードの4足歩行モードでは、図6に示すようなロボット1に、操作器50又は遠隔操作器Tのマニュアル操作に従った歩行を実行させるように、脚部30Aから30Dの動作を制御する。コントローラ40は、センサ22及び24の検出結果に対応して、脚部30Aから30Dの動作を制御し得る。コントローラ40は、第1センサ22の検出結果又は操作器50若しくは遠隔操作器Tからの指令に対応して、ロボット1の状態を4足歩行モードから車輪走行モードに変更し得る。
【0136】
コントローラ40は、手動運転モードの車輪走行モードでは、図7に示すようなロボット1に、操作器50又は遠隔操作器Tのマニュアル操作に従った走行を実行させるように、走行装置90の動作を制御する。コントローラ40は、センサ22及び24の検出結果に対応して、走行装置90及び脚部30Aから30Dの動作を制御し得る。コントローラ40は、第1センサ22の検出結果又は操作器50若しくは遠隔操作器Tからの指令に対応して、ロボット1の状態を車輪走行モードから4足歩行モードに変更し得る。
【0137】
そして、いずれのモードにおいても、コントローラ40は、ロボット1に騎乗するユーザによって操作される操作器50からの指令、及び、ロボット1から離れたユーザによって操作される遠隔操作器Tからの指令のいずれの指令にも従って、ロボット1を制御することができる。
【0138】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されない。すなわち、本開示の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。例えば、各種変形を実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0139】
例えば、実施の形態に係るロボット1において、脚部30A及び30Bが、前方向Dfに偏った位置で胴体10と接続され、脚部30C及び30Dが、後方向Dbに偏った位置で胴体10と接続されるが、これに限定されない。脚部30Aから30Dと胴体10との接続位置の配置は、いかなる配置であってもよい。
【0140】
実施の形態に係るロボット1において、脚部30Aから30Dの基部関節31Aから31Dは、中間リンク33Aから33Dが下方向Ddに延びるとき、胴体10に対してピッチング方向とローリング方向との2つの軸周りに屈曲するように構成されるが、これに限定されない。例えば、基部関節31Aから31Dは、中間リンク33Aから33Dが下方向Ddに延びるとき、胴体10に対して、ピッチング方向とヨーイング方向との2つの軸周り、又は、ローリング方向とヨーイング方向との2つの軸周りに屈曲するように構成されてもよい。基部関節31Aから31Dは、胴体10に対して他の2つの軸周りに屈曲するように構成されてよい。さらに、基部関節31Aから31Dは、胴体10に対して3つ以上の軸周りに屈曲するように構成されてよい。
【0141】
実施の形態に係るロボット1において、脚部30Aから30Dの中間関節32Aから32Dは、脚部30Aから30Dが下方向Ddに延びるとき、胴体10に対してピッチング方向に屈曲するように構成されるが、これに限定されない。例えば、中間関節32Aから32Dは、脚部30Aから30Dが下方向Ddに延びるとき、胴体10に対して、ヨーイング方向、ローリング方向又は他の方向に屈曲するように構成されてもよい。中間関節32Aから32Dは、2つ以上の軸周りに屈曲するように構成されてよい。1つの脚部が2つ以上の中間関節を含む場合、中間関節の屈曲方向は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0142】
実施の形態に係るロボット1において、脚部30Aから30Dの関節及び走行装置90のアクチュエータは、サーボモータSMを駆動源として含み、サーボモータSMは、回転式の電気モータであるが、アクチュエータの駆動源は、回転式の電気モータに限定されない。例えば、アクチュエータは、回転式の電気モータ、直動式の電気モータ、回転式の液圧若しくはガス圧モータ、直動式の液圧若しくはガス圧モータ、又は、これらの2つ以上の組み合わせを駆動源とし含んでもよい。上記の種々のモータは、サーボモータであってもなくてもよい。
【0143】
実施の形態に係るロボット1は、胴体10に固定されたフットレスト12を備えるが、これに限定されない。フットレスト12は、胴体10に対して位置を変えることができるように構成されてもよい。例えば、フットレスト12は、胴体10に対して、上下方向、前後方向、又は、これらを組み合わせた方向に移動可能であってもよい。これにより、フットレスト12は、ロボット1に乗る人の体格に合わせて移動され、当該人の脚への負荷を軽減できる。
【0144】
実施の形態に係るロボット1は、人を乗せる座部11を備えるが、さらに、物を積載するように構成されてもよい。例えば、ロボット1は、座部11、胴体10及び首部20のうちの1つ以上に、物を載せるキャリア、物を吊るす吊り具、及び、物を収容するボックスの取り付け具等を備えてもよい。
【0145】
実施の形態に係るロボット1は、首部20を備えるが、首部20を備えなくてもよい。この場合、ハンドル23は、胴体10に配置されてもよい。ハンドル23は、座部11に着座した状態の人間が掴むことができる位置に配置されればよく、ロボット1が首部20を備える場合でも、首部20以外のロボット1の構成要素に配置されてもよい。
【0146】
実施の形態に係るロボット1の外観は、四肢哺乳動物を模した外観に限定されない。例えば、脚部30Aから30Dを含まないロボット1の外観は、いかなる外観であってもよい。例えば、脚部30Aから30Dを含まないロボット1の外観は、モータサイクル、自転車、3つ以上の車輪を備える自動車、船舶及び航空機等の様々な乗り物を模した外観であってもよい。
【0147】
実施の形態に係るロボット1は、二次電池モジュール60を電力源とするが、これに限定されない。例えば、ロボット1は、商用電源等の外部電源を電力源としてもよい。この場合、ロボット1は、外部電源と有線又は接触を介して電気的に接続され、外部電源から電力供給を受けつつ稼働してもよい。
【0148】
本開示の技術の各態様例は、以下のように挙げられる。本開示の一態様に係る4足歩行ロボットは、人が跨って着座する座部を含む本体と、前記座部に着座した状態の人が掴むハンドルと、前記本体に連結され且つ屈曲動作する4つの脚部であって、2つ以上の関節をそれぞれが含む4つの脚部と、複数の前記関節を駆動する複数のアクチュエータと、前記ハンドルに配置され、前記4足歩行ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける操作器と、前記操作器から受け取る指令に従って前記複数のアクチュエータを制御するコントローラとを備える。
【0149】
上記態様によると、4足歩行ロボットの本体は、人が本体に跨って座部に着座した状態でハンドルの操作器を操作できるような形状及び寸法を有する。これにより、本体はコンパクトな構造を有する。脚部は、2つ以上の関節を含むため、様々な姿勢をとることができる。これにより、4足歩行ロボットは、本体を上下方向に移動することで、4足歩行ロボットへの人の乗り降りを容易にできる。さらに、4足歩行ロボットは、様々な地形の地表面上を歩行することができる。よって、日常的な用途で使用可能であるコンパクトな4足歩行ロボットが提供される。
【0150】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記本体は、前記本体における第1側方向であり且つ前記座部の下方向である位置で、前記座部に着座した状態の人の脚を受け入れるようにくぼむ第1凹部と、前記本体における第2側方向であり且つ前記座部の下方向である位置で、前記座部に着座した状態の人の脚を受け入れるようにくぼむ第2凹部とを含み、前記本体における第1側方向及び第2側方向は、互いに反対方向であり、前記本体における前後方向及び上下方向と交差する方向であってもよい。
【0151】
上記態様によると、座部に着座した状態の人は、第1凹部及び第2凹部内の両脚で本体を容易に挟んで身体を支持することができる。座部に着座した状態の人の脚は、第1凹部及び第2凹部の前後の本体の部分によって、前後方向へスライドしないように保持され得る。よって、4足歩行ロボットは、安定した状態で人を乗せることができる。
【0152】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記座部は、人が跨って着座する座面と、前記本体における前記座面の後方向の位置で前記座面よりも前記本体における上方向に高くなった第1部分とを含んでもよい。上記態様によると、第1部分は、座面に着座した状態の人を後方から支持する。第1部分は、座面上で人が安定して着座するのに必要な身体の負担を軽減できる。
【0153】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記本体は、前記本体における前記座部の前方向の位置で前記座部よりも前記本体における上方向に高くなった第2部分を含んでもよい。上記態様によると、第2部分は、座面に着座した状態の人を前方から支持する。座面に着座した状態の人は、身体を第2部分上へもたせかけることで、身体への負荷を軽減できる。第2部分は、座面上で人が着座するのに必要な身体の負担を軽減できる。
【0154】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記第2部分は、前記本体における前記座部の下方向に位置する第3部分よりも、前記本体における第1側方向及び第2側方向に張り出し、前記本体における第1側方向及び第2側方向は、互いに反対方向であり、前記本体における前後方向及び上下方向と交差する方向であってもよい。上記態様によると、座部に着座した状態の人は、第1凹部及び第2凹部から第2部分にわたって、膝を側方向に開いた状態で両脚により本体を挟むことができる。第2部分は、両脚で本体を挟んでいるときの人の身体への負荷を軽減できる。
【0155】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記ハンドルは、前記座部に着座した状態の人が掴むバーを含み、前記操作器は、前記バーに配置されるジョイスティック及びキーのいずれか又は両方を含んでもよい。上記態様によると、座部に着座した状態の人は、バーを掴んだ状態の手で操作器を操作することができる。人は、腕で支持することで身体を安定させつつ操作器を操作することができる。
【0156】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットは、前記本体から垂下した状態で配置され、前記座部に着座した状態の人が足を載せるフットレストをさらに備えてもよい。上記態様によると、人は、足を本体よりも下方向の位置で支持された状態で、座部に着座することができる。これにより、人の脚の膝での屈曲角度が大きくなる。フットレストは、脚への負荷を軽減できる。
【0157】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットは、前記4足歩行ロボットの周囲を走査するセンサをさらに備え、前記コントローラは、前記センサから受け取る信号を処理して、前記4足歩行ロボットの周囲の物体及び前記物体の位置のいずれか又は両方を検出するように構成されてもよい。上記態様によると、コントローラは、周囲の物体の情報及び周囲の物体の位置の情報を、4足歩行ロボットの制御、及び、4足歩行ロボットの操作者への情報提供に使用することができる。
【0158】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記センサはカメラを含み、前記コントローラは、前記カメラから受け取る画像信号を処理して、前記4足歩行ロボットの周囲の物体及び前記物体の位置のいずれか又は両方を検出するように構成されてもよい。
【0159】
上記態様によると、コントローラは、周囲の物体の情報及び周囲の物体の位置の情報として、カメラの画像に写し出される様々な被写体の情報及び当該被写体の位置の情報を検出する。被写体の情報及び被写体の位置の情報は、画像を処理して得られるため、様々な情報を含むことができる。コントローラは、被写体の情報及び被写体の位置の情報を使用することで、4足歩行ロボットの正確な制御、及び、4足歩行ロボットの操作者への正確な情報提供を行うことができる。
【0160】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記コントローラは、前記4足歩行ロボットに実行させるタスクの指令を受け付け、前記センサから受け取る信号の処理結果に基づき、前記タスクを実行する所定のプログラムに従って、前記4足歩行ロボットに自走させるように前記複数のアクチュエータを制御してもよい。上記態様によると、コントローラは、センサから受け取る信号の処理結果に応じて、4足歩行ロボットにタスクを自律的に実行させる。例えば、コントローラは、周囲の物体の情報及び周囲の物体の位置の情報に応じた動作を実行させることで、4足歩行ロボットにタスクを確実に実行させることができる。
【0161】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記コントローラは、前記4足歩行ロボットの操作に関する指令の入力を受け付ける無線操作器と、無線通信を介して通信するように構成され、前記コントローラは、前記無線操作器から受け取る指令に従って前記複数のアクチュエータの動作を制御し、前記センサから受け取る信号の処理結果を前記無線操作器に送信してもよい。上記態様によると、コントローラは、無線操作器による遠隔操作を受け付け、遠隔操作に従って4足歩行ロボットを制御することができる。コントローラは、センサから受け取る信号の処理結果を無線操作器に送信することで、操作者の操作を容易にする。
【0162】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記4つの脚部それぞれは、前記本体に連結される基部関節と、前記基部関節と前記脚部の先端との間に配置される1つ以上の中間関節とを含み、前記基部関節は、2つ以上の自由度で動作し、前記中間関節は、1つ以上の自由度で動作してもよい。上記態様によると、脚部は多様な動きをすることができる。4足歩行ロボットは、様々な歩行形態で歩行することでき、傾斜、段差及び凹凸等を含む様々な状態の地表面を歩行することができる。
【0163】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記4つの脚部それぞれの前記基部関節は、前記本体における上下方向に延びる第1軸と交差する方向に延びる第2軸を中心に屈曲する第1屈曲部分と、前記第1軸及び前記第2軸と交差する方向に延びる第3軸を中心に屈曲する第2屈曲部分とを含み、前記4つの脚部それぞれの1つ以上の前記中間関節は、当該脚部における前記中間関節の両側の部分がなす角度を変えるように屈曲する第3屈曲部分を含んでもよい。上記態様によると、脚部は、四肢哺乳動物及び人の脚に近い動きをすることができる。
【0164】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットは、前記4つの脚部それぞれにおいて、前記本体に連結される前記関節と前記脚部の先端との間の1つ以上の前記関節に、回動可能な第1ホイールを備え、前記第1ホイールは、前記関節が動作することで前記4足歩行ロボットを支持する支持面に接触して前記4足歩行ロボットを支持するように、配置されてもよい。
【0165】
上記態様によると、4足歩行ロボットは、第1ホイールを支持面に接触させた状態で、脚部で歩行することなく移動することができる。例えば、コントローラは、支持面の状態に応じて、脚部での歩行と、ホイールでの移動とを選択して、4足歩行ロボットに移動させることができる。
【0166】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記第1ホイールは、前記支持面に接触している状態で、前記関節によって動作される前記脚部と共に移動することで、前記第1ホイールの進行方向を変えるように配置されてもよい。上記態様によると、4足歩行ロボットは、関節を動作させて脚部を動かすことで、進行方向を変えることができる。4足歩行ロボットの進行方向を変えるための構造が簡易になる。
【0167】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記4つの脚部それぞれは、1つ以上の前記関節の動作を制止するストッパをさらに含み、前記コントローラは、所定ケースでは、前記ストッパが1つ以上の前記関節の動作を制止し且つ前記第1ホイールが前記支持面に接触する状態に、前記4つの脚部を動作させるように、前記複数のアクチュエータを制御し、前記所定ケースは、前記4足歩行ロボットが休止するケースと、前記4足歩行ロボットへ人が乗り降りするケースとの一方又は両方を含んでもよい。
【0168】
上記態様によると、所定ケースでは、4つの脚部それぞれは、ストッパによって関節の動作が制止された状態で4足歩行ロボットを支持する。駆動力を発生しないアクチュエータがOFFの状態でも、4つの脚部の関節は、4足歩行ロボットの重量によって屈曲が進行しないようにストッパによって支持される。4足歩行ロボットは、アクチュエータがOFFの状態でも、第1ホイールを支持面に接触させた姿勢を維持することができる。アクチュエータがOFFの状態において、第1ホイールを用いた4足歩行ロボット移動も、4足歩行ロボットへの人が乗り降りも可能である。
【0169】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記4つの脚部それぞれは、前記ストッパとして、前記本体に連結される前記関節の動作を制止する第1ストッパを含み、前記コントローラは、前記所定ケースでは、前記第1ストッパが前記関節の動作を制止し且つ前記第1ホイールが前記支持面に接触する状態に、前記4つの脚部を動作させるように前記複数のアクチュエータを制御してもよい。
【0170】
上記態様によると、所定ケースでは、第1ストッパは、本体に連結される関節の動作を制止する。4足歩行ロボットは、アクチュエータがOFFの状態でも、4つの脚部の基部が第1ストッパによって所定の状態に制止された姿勢を維持することができる。
【0171】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記4つの脚部それぞれは、前記ストッパとして、前記第1ホイールが配置される前記関節の動作を制止する第2ストッパを含み、前記コントローラは、前記所定ケースでは、前記第2ストッパが前記関節の動作を制止し且つ前記第1ホイールが前記支持面に接触する状態に、前記4つの脚部を動作させるように、前記複数のアクチュエータを制御してもよい。
【0172】
上記態様によると、所定ケースでは、第2ストッパは、第1ホイールが配置される関節の動作を制止する。4足歩行ロボットは、アクチュエータがOFFの状態でも、4つの脚部における第1ホイールの周辺部分が第2ストッパによって所定の状態に制止された姿勢を、維持することができる。
【0173】
本開示の一態様に係る4足歩行ロボットにおいて、前記4つの脚部それぞれは、前記第1ホイールが配置される前記関節と前記脚部の先端との間に、回動可能な第2ホイールをさらに含み、前記第2ホイールは、前記第2ストッパが前記関節の動作を制止し且つ前記第1ホイールが前記支持面に接触する状態において、前記支持面に接触するように配置されてもよい。
【0174】
上記態様によると、所定ケースでは、第2ストッパが第1ホイールが配置される関節の動作を制止し、第1ホイール及び第2ホイールが支持面に接触する。所定ケースでの4足歩行ロボットが安定化する。
【0175】
本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成又はプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC、従来の回路、及び/又は、それらの組み合わせ、を含む回路又は処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路又は回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、又は手段は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、又は、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラム又は構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、又はユニットはハードウェアとソフトウェアの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェア及び/又はプロセッサの構成に使用される。
【0176】
上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0177】
本開示は、その本質的な特徴の精神から逸脱することなく、様々なかたちで実施され得るように、本開示の範囲は、明細書の記載よりも添付の請求項によって定義されるため、例示的な実施の形態及び変形例は、例示的なものであって限定的なものではない。請求項及びその範囲内にあるすべての変更、又は、請求項及びその範囲の均等物は、請求項によって包含されることが意図されている。
【符号の説明】
【0178】
1 4足歩行ロボット
10 胴体(本体)
10a,10b 凹部
10c 第1胴体部分(第2部分)
10e 第3胴体部分(第3部分)
11 座部
11Aa 座面
11B 第1部分
12 フットレスト
22 第1センサ
23 ハンドル
23a バー
30A,30B,30C,30D 脚部
31A,31B,31C,31D 基部関節
32A,32B,32C,32D 中間関節
35A,35B,35C,35D,36A,36B,36C,36D,37A,37B,37C,37D アクチュエータ
38A,38B,38C,38D 従動ホイール(第1ホイール)
38AA,38BA,38CA,38DA 従動ホイール(第2ホイール)
39AA,39AB,39BA,39BB,39CA,39CB,39DA,39DB ストッパ
40 コントローラ
50 操作器
T 遠隔操作器(無線操作器)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13