(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112911
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】電子機器及び電子機器の制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
G06F3/041 522
G06F3/041 580
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014933
(22)【出願日】2022-02-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】上井 修智
(72)【発明者】
【氏名】高野 智輝
(72)【発明者】
【氏名】庄田 有作
(57)【要約】
【課題】近距離無線通信とタッチパネルとの電気的な干渉を抑制でき、タッチパネルの誤動作を抑制できる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器100は、タッチパネル3と、NFCアンテナ5と、タッチパネル3の近傍でNFCアンテナ5の周囲に設けられ、物体の近接を検出する近接センサ6と、NFCアンテナ5により近距離無線通信中である場合、又は近接センサ6によりNFCアンテナ5と通信可能なNFCカード200の近接が検出された場合、タッチパネル3による検出を停止する制御部11と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
近距離無線通信アンテナと、
前記タッチパネルの近傍で前記近距離無線通信アンテナの周囲に設けられ、物体の近接を検出する近接センサと、
前記近距離無線通信アンテナにより近距離無線通信中である場合、又は前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記タッチパネルによる検出を停止する制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記近接センサにより前記物体の近接が検出されなくなった場合、前記タッチパネルによる検出の停止を解除する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記近接センサにより前記物体の近接が検出されなくなった場合、前記電子機器の動作モードを前記近距離無線通信アンテナが電波を発信しない非近距離無線通信モードに設定し、
前記非近距離無線通信モードに設定してから、前記タッチパネルによる検出の停止を解除する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと近距離無線通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記電子機器の動作モードを前記近距離無線通信アンテナが電波を発信する近距離無線通信モードに設定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記近距離無線通信アンテナと前記通信媒体との間の近距離無線通信が前記タッチパネルの検出に電気的に干渉する距離であるタッチパネル干渉距離は、前記近距離無線通信アンテナにより近距離無線通信可能な距離である通信可能距離よりも長く、前記近接センサにより検出可能な距離である物体検出距離よりも短い、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記近接センサにより前記物体の近接が検出されなくなった場合、前記タッチパネルに蓄積された静電容量をリセットする、
請求項1~5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記近接センサは複数あり、
前記制御部は、複数の前記近接センサが同時に前記物体の近接を検出した場合、前記通信媒体が近接したことを検出する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
前記近接センサは、3つ設けられ、
3つの前記近接センサのそれぞれは、平面視で矩形の前記近距離無線通信アンテナの3辺のそれぞれに沿って配置される、
請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
タッチパネルと、近距離無線通信アンテナと、前記タッチパネルの近傍で前記近距離無線通信アンテナの周囲に設けられ、物体の近接を検出する近接センサと、を備える電子機器の制御方法であって、
前記近距離無線通信アンテナにより近距離無線通信中である場合、又は前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記タッチパネルによる検出を停止する、
電子機器の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器及び電子機器の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指などの指示体による入力操作を検出するタッチパネルが知られている。タッチパネルは、一般的に、電子機器の表示装置上に取り付けられる。これにより、タッチパネルは、電子機器のユーザーインターフェースを提供する。タッチパネルの方式には、抵抗膜方式、静電容量方式などがある。
【0003】
一方、近年においては、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)が普及するのに伴い、静電容量方式のタッチパネル装置を採用するとともに、非接触型ICカード又は高周波識別装置(RFID:Radio Frequency Identification)タグ等の無線通信デバイスを検出し、検出した無線通信デバイスと無線通信する電子機器も提案されている。
【0004】
特許文献1は、表示装置のタッチスクリーンにおいて、タッチスクリーンを形成する配線と同時に形成される複数の導電パターンを接続することにより、タッチスクリーン面にアンテナを形成する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した電子機器において、近距離無線通信の通信アンテナは、配置スペースの観点から、タッチパネル及び表示装置の背面に配置されることが一般的である。このような構成下においては、タッチパネルが、電子機器に近接した非接触型ICカードなどの通信媒体と通信アンテナとの間に存在することになる。このため、無線通信の磁束乱れ又はスキャンノイズ等の影響がタッチパネルに現れ、タッチパネルの誤動作が発生することがある。
【0007】
本開示は、近距離無線通信とタッチパネルとの電気的な干渉を抑制でき、タッチパネルの誤動作を抑制できる電子機器及び電子機器の制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、タッチパネルと、近距離無線通信アンテナと、前記タッチパネルの近傍で前記近距離無線通信アンテナの周囲に設けられ、物体の近接を検出する近接センサと、前記近距離無線通信アンテナにより近距離無線通信中である場合、又は前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記タッチパネルによる検出を停止する制御部と、を備える電子機器である。
【0009】
本開示の一態様は、タッチパネルと、近距離無線通信アンテナと、前記タッチパネルの近傍で前記近距離無線通信アンテナの周囲に設けられ、物体の近接を検出する近接センサと、を備える電子機器の制御方法であって、前記近距離無線通信アンテナにより近距離無線通信中である場合、又は前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記タッチパネルによる検出を停止する、電子機器の制御方法である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、近距離無線通信とタッチパネルとの電気的な干渉を抑制でき、タッチパネルの誤動作を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態に係るタッチパネルを備えた電子機器の全体構成図
【
図3】電子機器とNFCカードとの相対的な位置関係を説明する断面図
【
図5】電子機器の制御方法の第1例を実行する手順を示すフローチャート
【
図6】電子機器の制御方法の第2例を実行する手順を示すフローチャート
【
図7】電子機器の制御方法の第3例を実行する手順を示すフローチャート
【
図8】タッチパネルを備えたタブレット端末としての電子機器の全体構成図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る電子機器及びタッチパネル制御方法を具体的に開示した実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るタッチパネルを備えた電子機器の全体構成図である。
図2Aは、
図1におけるA-A線に沿った断面図である。
図2Bは、
図1におけるB-B線に沿った断面図である。各図では、X方向はタッチパネル面に沿う一方向(例えば短手方向)であり、Y方向はタッチパネル面に沿いX方向と垂直な方向である。Z方向はタッチパネル面に垂直な方向である。
【0014】
電子機器100は、筐体1と、保護板2と、タッチパネル3と、LCD(Liquid Crystal Display)モジュール4と、NFCアンテナ5と、近接センサ6と、を備える。電子機器100は、例えば決済処理を行う決済処理装置である。
【0015】
筐体1は、電子機器100の外装を構成し、他の部品を収納する。なお、
図2A及び
図2Bでは、保護板2のみを図示し、筐体1の図示は省略している。保護板2はタッチパネル3の上面に配置され、タッチパネル3を保護する。
【0016】
タッチパネル3は、ユーザの指又はスタイラスペン等の指示体による入力操作を検出するユーザーインターフェースを提供する。タッチパネル3は、抵抗膜方式又は静電容量方式等の種々の方式のものがあるが、特にその種類は限定されない。
【0017】
LCDモジュール4はいわゆる液晶表示装置であり、液晶セル、偏光板など種々の部材を含むが、その種類は特に限定されない。また、LCDモジュール4の代わりに他の表示装置(例えば有機エレクトロルミネッセンス)を用いてもよい。
【0018】
NFCアンテナ5は、近距離無線通信用の通信アンテナ(近距離無線通信アンテナ)である。NFCアンテナ5は、近距離無線通信により、非接触型ICカード又は高周波識別装置タグ等の通信媒体を検出し、検出した通信媒体との間で無線通信する。NFCアンテナ5は、例えば、電子機器100に近接した通信媒体であるNFCカード200と近距離無線通信を行い、情報をやり取りする。NFCカード200は、例えばICカードである。つまり、電子機器100は、NFCアンテナ5を介してNFCカード200の情報を読み取り、又はNFCカード200に情報を書き込んでよい。本実施形態では、通信媒体としてNFCカード200を主に例示する。
【0019】
図1においては、ユーザが、指Fで、NFCアンテナ5と通信可能なNFCカード200を把持し、電子機器100に近づけている。電子機器100は固定された機器(据え置き型)であってもよいし、持ち運び可能な機器(可搬型、ハンドヘルド型)であってもよい。また、NFCカード200が固定された機器に埋め込まれ、ユーザが持ち運び可能な電子機器100をNFCカード200の部分に近づけてもよい。電子機器100は、例えばスマートフォンと同様のサイズでよい。
【0020】
近接センサ6は、タッチパネル3の近傍でNFCアンテナ5の周囲に設けられ、物体の近接を検出する。近接センサ6は、静電容量型センサ、光電センサ、又は超音波センサ等の種々の方式のものがあるが、特にその種類は限定されない。
【0021】
電子機器100は、
図1に示したように、筐体1が平面視で矩形であり、かつ、NFCアンテナ5も平面視で矩形であることが多い。近接センサ6は、例えば、平面視で矩形のNFCアンテナ5の3辺のそれぞれに沿って、3つの近接センサ6(6a,6b,6c)のそれぞれが配置される。3つの近接センサ6のそれぞれが、物体の近接を検出する。
図1では、NFCアンテナ5は、平面視でY方向正側に寄って配置されている。よって、3つの近接センサ6(6a,6b,6c)もY方向正側に寄って配置される。よって、電子機器100は、例えば、3つの近接センサ6によって、NFCカード200が小型の電子機器100の筐体1のY方向正側の半分程度の領域を覆うことを、検出可能である。なお、NFCアンテナ5が不在であるY方向負側は、電子機器100が把持されることが多い箇所である。
【0022】
図2A及び
図2Bに示すように、Z方向正側(上方)から順に、保護板2、タッチパネル3、LCDモジュール4、及びNFCアンテナ5が配置される。また、保護板2のZ方向負側(下方)には、タッチパネル3の外側に近接センサ6が設けられている。
【0023】
図3は、電子機器100とNFCカード200との相対的な位置関係を説明する断面図である。本実施形態では、電子機器100と他の物体との相対的な位置関係を示す1つの指標として、通信可能距離d1、タッチパネル干渉距離d2、及び物体検出距離d3が定められる。
【0024】
通信可能距離d1は、NFCアンテナ5により、NFCカード200と近距離無線通信可能な距離である。タッチパネル干渉距離d2は、NFCアンテナ5とNFCカード200との間の近距離無線通信がタッチパネル3の検出に対して電気的に干渉する距離である。物体検出距離d3は、近接センサ6により物体を検出可能な距離である。
図3から明らかなように、タッチパネル干渉距離d2は、通信可能距離d1よりも長く、物体検出距離d3よりも短くなるように設定されている(d1<d2<d3)。
【0025】
各近接センサ6で物体が近接していると判定されるのは、近接センサ6(電子機器100)と物体との距離が物体検出距離d3以下である場合である。一方、近接センサ6で物体が近接していないと判定されるのは、近接センサ6(電子機器100)と物体との距離が物体検出距離d3より長い場合である。
【0026】
図4は、電子機器100の構成例を示すブロック図である。電子機器100は、タッチパネル3と、LCDモジュール4と、NFCアンテナ5と、近接センサ6と、制御部11と、メモリ13と、を備える。
【0027】
制御部11は、例えばプロセッサにより構成される。プロセッサは、メモリ13に保持されたプログラムを実行することで、制御部11の各種機能を実現する。プロセッサは、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)等を含んでよい。プロセッサは、各種集積回路(例えばLSI(Large Scale Integration)又はFPGA(Field Programmable Gate Array))により構成されてもよい。制御部11は、電子機器100の各部を統括的に制御し、各種処理を行う。
【0028】
メモリ13は、各種データ、情報、又はプログラム等を記憶する。メモリ13は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory))を含み、例えばフラッシュメモリである。メモリ13は、一次記憶装置以外のメモリを備えてもよい。
【0029】
制御部11は、1つ以上の近接センサ6の検出状態を確認し、近接センサ6(電子機器100)へ近接する物体の有無、又は近接センサ6へ近接する物体の種別を判定してよい。例えば、制御部11は、少なくとも1つの近接センサ6で物体の近接を検出した場合、物体の近接があると判定する。例えば、制御部11は、複数ではなくいずれか1つの近接センサ6で物体の近接を検出した場合、指示体(例えば指F)の近接を検出したと判定する。例えば、制御部11は、少なくとも2つの近接センサ6(例えば3つの近接センサ6の全部)で物体の近接を検出した場合、指示体ではなくNFCカード200の近接を検出したと判定する。
【0030】
また、制御部11は、NFCアンテナ5による近距離無線通信の状態やNFCアンテナ5とNFCカード200との位置関係に応じて、タッチパネル3による検出を実行するか実行しないか、検出を停止するか検出の停止を解除するか、等を制御してよい。
【0031】
例えば、制御部11は、NFCアンテナ5により近距離無線通信中である場合、又は近接センサ6によりNFCアンテナ5と通信可能なNFCカード200の近接が検出された場合、タッチパネル3による検出を停止する制御を行ってよい。この場合、電子機器100は、NFCアンテナ5とNFCカード200との間で近距離無線通信が開始される可能性がある場合には、タッチパネル3の検出動作を停止することにより、近距離無線通信とタッチパネル3の検出が電気的に干渉することを抑制できる。
【0032】
例えば、制御部11は、NFCアンテナ5により近距離無線通信中でない場合、又は近接センサ6によりNFCアンテナ5と通信可能なNFCカード200の近接が検出されていない場合、タッチパネル3による検出を実行する制御を行ってよい。この場合、電子機器100は、NFCアンテナ5とNFCカード200との間で近距離無線通信が開始されないと推定されるので、タッチパネル3の検出動作を実施しても、近距離無線通信とタッチパネル3の検出が電気的に干渉することを抑制できる。
【0033】
例えば、制御部11は、近接センサ6により物体の近接が検出されていた状態から検出されない状態に変化した場合、タッチパネル3による検出の停止を解除する制御を行ってよい。この場合、電子機器100は、近距離無線通信が終了したと想定される状態で、タッチパネル3の検出を再開でき、近距離無線通信とタッチパネル3による検出とが電気的に干渉することを抑制できる。
【0034】
制御部11は、電子機器100の動作モードを設定する。電子機器100の動作モードは、NFC通信が可能なNFCモードと、NFC通信が不可能な非NFCモードと、を少なくとも含む。NFCモードでは、NFCアンテナ5が、近距離無線通信用のポーリング(polling)を行い、電波を発信する。非NFCモードでは、NFCアンテナ5が、近距離無線通信用のポーリングを行わず、電波を発信しない。動作モードの設定情報は、メモリ13に保持される。
【0035】
電子機器100は、NFCアンテナ5がポーリングを行っていても、NFCカード200との間で近距離無線通信を行わないだけでも、近距離無線通信とタッチパネル3との電気的な干渉を抑制して、タッチパネル3の誤動作を抑制できる。さらに、電子機器100は、通信モードを非NFCモードとしてポーリングも行わないことで、近距離無線通信とタッチパネル3との電気的な干渉を一層抑制して、タッチパネル3の誤動作を一層抑制できる。
【0036】
また、制御部11は、NFCアンテナ5とNFCカード200との距離が、通信可能距離d1より短い状態から長い状態へと変化した際に、つまりNFCアンテナ5とNFCカード200との間の近距離無線通信が終了した際に、タッチパネル3による検出の停止を解除してよい。また、制御部11は、NFCアンテナ5とNFCカード200との間の距離が更に長くなり、この距離が物体検出距離d3より長くなり、近接センサ6によりNFCカード200を検出不可能な状態となってから、タッチパネル3による検出の停止を解除してもよい。この場合、NFCカード200は、物体検出距離d3よりも短いタッチパネル干渉距離d2内には存在しないので、NFCカード200がタッチパネル3に電気的に干渉することが抑制され、タッチパネル3の誤動作をより確実に抑制できる。なお、タッチパネル3の誤動作は、例えば、タッチパネル3による入力の誤検出であり、入力されなかった情報を検出したり、入力された情報を検出しなかったりすることでよい。また、ユーザの操作を必要とせずにタッチパネル3による検出を自動的に再開できるので、ユーザの利便性が向上する。
【0037】
次に、電子機器100の動作例について説明する。
【0038】
図5は、電子機器100の制御方法の第1例を実行する手順を示すフローチャートである。制御部11が、制御方法の各工程を実行する。例えば制御部11は、メモリ13に記憶された電子機器100の制御プログラムを読み出し、制御方法を実行する。
【0039】
まず制御部11は、電子機器100の動作モードをNFCモード(近距離無線通信モード)に設定する。即ち、制御部11は、NFCモードをオンにする(ステップS11)。NFCモードのオンにより、近距離無線通信用のポーリング(polling)が開始し、NFCアンテナ5が電波を発信する。NFCモードの設定後、制御部11は、NFCアンテナ5とNFCカード200との通信状態を確認し(ステップS12)、NFCアンテナ5がNFCカード200とが通信中であるか否かを判定する(ステップS13)。例えば、NFCアンテナ5からNFCカード200までの距離が通信可能距離d1以下である場合には、NFCアンテナ5がNFCカード200との間で通信可能である。
【0040】
NFCアンテナ5がNFCカード200と通信中であると判定された場合(ステップS13:YES)、制御部11は、タッチパネル3による指示体の検出を停止する(ステップS14)。
【0041】
制御部11は、近接センサ6の状態を確認し(ステップS15)、電子機器100に対する物体の近接があるか否かを判定する(ステップS16)。
【0042】
物体の近接がないと判定された場合(ステップS16:NO)、制御部11は、NFCカード200が電子機器100から離れたので、ステップS13で検出された近距離無線通信が終了したものと判定する。この場合、制御部11は、電子機器100の動作モードを非NFCモードに設定する。即ち、制御部11は、NFCモードをオフにする(ステップS17)。NFCモードのオフにより、近距離無線通信用のポーリングが停止する。ステップS16では、全ての近接センサ6で物体の近接が検知されない場合に、物体の近接がないと判定されてよい。この場合、制御部11は、例えば、NFCカード200もNFCカード200を把持するユーザの指も近接されていない状態であると判定可能である。
【0043】
ステップS17の処理後、制御部11は、タッチパネル3による指示体等の検出停止を解除し、検出を再開する。さらに制御部11は、タッチパネル3が静電容量式である場合に、タッチパネル3に蓄積された静電容量のリセット(キャリブレーション)を実行する(ステップS18)。キャリブレーションでは、静電容量が所定値に調整される。そして、制御部11は、再びNFCモードをオンにし(ステップS11)、以降、工程を繰り返す。
【0044】
このように、電子機器100は、制御方法の第1例において、近距離無線通信中にタッチパネル3の検出を行わないようにすることで、タッチパネル3の誤動作を抑制できる。第1例では、近距離無線通信の終了後にNFCモードをオフにするので、ポーリングも終了する。そのため、NFCアンテナ5から電波が発信されていない状態でタッチパネル3の検出を再開するので、NFCアンテナ5とタッチパネル3とが電気的に一層干渉せず、タッチパネル3の誤動作を一層抑制できる。
【0045】
なお、電子機器100が
図5に示した制御方法の第1例を実施する場合、近接センサ6が3つではなく、1つで構成されてもよい。ステップS16では、物体がNFCカード200であるか指示体であるかを特定することなく、物体の近接が検出されなくなった場合に、NFCモードをオフにできれば足りるためである。
【0046】
図6は、電子機器100の制御方法の第2例を実行する手順を示フローチャートである。本例では、制御部11は、予め、電子機器100の動作モードを、NFCアンテナ5が電波を発信するNFCモードに設定している。すなわち、制御部11は、NFCモードをオンにしている(ステップS21)。第1例と異なり、制御部11は、以降の工程においても、NFCモードをオンに維持したままにする。
【0047】
制御部11は、複数の近接センサ6の状態を確認し(ステップS22)、電子機器100に対してNFCカード200の近接があるか否かを判定する(ステップS23)。この場合、制御部11は、NFCアンテナ5の周囲に配置された複数の近接センサ6のうち、少なくとも2つの近接センサ6が同時に物体を検出した場合、NFCカード200が検出されたと判別する。例えばユーザの指で電子機器100を把持する場合には、近接センサ6のうちの1つだけが覆われる可能性が高い。一方、NFCカード200はユーザの指よりも広範囲に存在し、例えば電子機器100の上側半分程度を覆う可能性が高い。このように、近接を検出した近接センサ6の本数に応じて、通信媒体であるか指示体であるかを判別可能である。
【0048】
少なくとも2つの近接センサ6で同時に物体の近接があると判定された場合(ステップS23:YES)、制御部11は、NFCカード200の近接を検出する。この場合、制御部11は、タッチパネル3による指示体の検出を停止する(ステップS24)。
【0049】
続いて、制御部11は、近接センサ6の状態を確認し(ステップS25)、電子機器100に対する物体の近接があるか否かを判定する(ステップS26)。ステップS25,S26においても、ステップS22,S23と同様に、少なくとも2つの近接センサ6が同時に物体を検出したか否かを判定し、NFCカード200が引き続き電子機器100に近接しているか否かを判定する。
【0050】
少なくとも2つの近接センサ6で物体の近接がないと判定された場合(ステップS26:NO)、つまり、物体の近接を検出した近接センサ6が1つ以下であった場合、電子機器100に物体が近接していない、又は電子機器100に指示体が近接している状態であり、電子機器100にNFCカード200が近接していないと判別可能である。この場合、制御部11は、タッチパネル3による指示体の検出停止を解除し、検出を再開する。さらに、制御部11は、タッチパネル3が静電容量式である場合に、タッチパネル3に蓄積された静電容量のリセット、いわゆるキャリブレーションを実行する(ステップS28)。そして、制御部11は、再びステップS22以降の工程を繰り返す。
【0051】
このように、電子機器100は、制御方法の第2例において、NFCモードをオフにしなくても、近接センサ6が物体を検出しないことでNFCカード200が物体検出距離d3よりも離れていることを判別できる。よって、電子機器100は、タッチパネル3の検出を再開しても、NFCカード200とNFCアンテナ5とが近距離通信を行っていない状態であるので、タッチパネル3の誤動作を抑制できる。また、電子機器100は、NFCモードをオフにしないので、電子機器100にNFCカード200を近づけることで、いつでも近距離無線通信機能を使用可能である。
【0052】
図7は、電子機器100の制御方法の第3例を実行する手順を示すフローチャートである。本例では、制御部11は、予め、電子機器100の動作モードを非NFCモードに設定している。即ち、制御部11は、
図7の処理の開始時には、NFCモードをオフにしている(ステップS31)。ただし、第2例と異なり、制御部11は、後述するように、以降の工程において、NFCモードのオンとオフを切り替える。
【0053】
制御部11は、近接センサ6の状態を確認し(ステップS32)、電子機器100に対する物体の近接があるか否かを判定する(ステップS33)。この場合、制御部11は、NFCアンテナ5の周囲に配置された複数の近接センサ6のうち、少なくとも2つの近接センサ6が同時に物体を検出した場合、NFCカード200が検出されたと判別する。ここでの物体の近接の判定方法は、
図6のステップ23の方法と同様である。
【0054】
少なくとも2つの近接センサ6で同時に物体の近接があると判定された場合(ステップS33:YES)、制御部11は、NFCカード200の近接を検出する。この場合、制御部11は、タッチパネル3による指示体の検出を停止する(ステップS34)。
【0055】
続いて、制御部11は、電子機器100の動作モードをNFCモードに設定する。すなわち、制御部11は、NFCモードをオンにする(ステップS35)。
【0056】
動作モードをNFCモードに設定後、制御部11は、NFCアンテナ5とNFCカード200との通信状態を確認し(ステップS36)、NFCアンテナ5がNFCカード200と通信中であるか否かを判定する(ステップS37)。
【0057】
NFCアンテナ5がNFCカード200と通信中でない、つまり近距離無線通信が終了したと判定された場合(ステップS37:YES)、制御部11は、近接センサ6の状態を確認し(ステップS38)、電子機器100に対する物体の近接があるか否かを判定する(ステップS39)。ここでの物体の近接の判定方法は、
図6のステップ26の方法と同様である。つまり、制御部11は、少なくとも2つの近接センサ6が同時に物体を検出したか否かを判定し、NFCカード200が引き続き電子機器100に近接しているか否かを判定する。
【0058】
少なくとも2つの近接センサ6で物体の近接がないと判定された場合(ステップS39:NO)、つまり、物体の近接を検出した近接センサ6が1つ以下であった場合、電子機器10に物体が近接していない、又は電子機器10に指示体が近接している、と判別可能である。この場合、制御部11は、電子機器100の動作モードを非NFCモードに設定する、即ち、NFCモードをオフにする(ステップS40)。NFCモードのオフにより、近距離無線通信用のポーリングが停止する。
【0059】
続いて、制御部11は、タッチパネル3による指示体の検出停止を解除し、検出を再開する。さらに制御部11は、タッチパネル3が静電容量式である場合に、タッチパネル3に蓄積された静電容量のリセット、いわゆるキャリブレーションを実行する(ステップS41)。そして、制御部11は、再びステップS32以降の工程を繰り返す。
【0060】
このように、電子機器100は、制御方法の第3例において、少なくとも2つの近接センサ6により同時に物体の近接が検出された場合、つまり近接センサ6によりNFCカード200等の通信媒体の近接が検出された場合、電子機器100の動作モードをNFCモードに設定する。よって、電子機器100は、通信媒体の非検出時にはポーリングをしないことにより電力の消費を抑制でき、かつ、通信媒体の接近に伴い、自動的に近距離無線通信をオンにでき、ユーザの利便性を向上できる。
【0061】
なお、第1例~第3例のいずれにおいても、制御部11は、近接センサ6により物体の近接が検出されなくなった状態で、静電容量式のタッチパネル3のキャリブレーションを実行し、タッチパネル3に蓄積された静電容量をリセットする。したがって、電子機器100は、近距離無線通信による電気的な干渉が無い状態において、タッチパネル3のキャリブレーション動作を行うことができ、静電容量のリセットを確実に行うことができる。よって、電子機器100は、物体(例えば指示体)のタッチパネル3への接近により発生する静電容量を高精度に検出でき、NFCカード200がNFCアンテナ5から離れた後においてもタッチパネル3の誤動作が継続することを抑制できる。
【0062】
このように、本実施形態の電子機器100は、例えばNFCアンテナ5がタッチパネル3の背面に配置されており、NFCカード200とNFCアンテナ5との間にタッチパネル3、LCDモジュール4、バックライト等が存在する場合でも、近距離無線通信の磁束乱れ、スキャンノイズ等の影響を抑制でき、タッチパネル3の誤動作を抑制できる。
【0063】
また、物体検出距離d3がタッチパネル干渉距離d2よりも長くされているので、電子機器100は、近接センサ6により検出可能な物体検出距離d3よりもNFCカード200が電子機器100から離れたら、即座にタッチパネル再開できる。タッチパネル干渉距離d2内にはNFCカード200が不在であり、近距離無線通信とタッチパネル3とが電気的に干渉しないためである。また、ユーザ操作を必要とせずに自動的にタッチパネルの検出を再開できるので、ユーザ利便性が向上する。
【0064】
次に、本実施形態のバリエーションについて説明する。
【0065】
近接センサ6の形状及び数は、
図1に例示した形状及び数に限らない。例えば、2つのL字型の近接センサ6が、NFCアンテナ5の周囲に設けられてもよい。
【0066】
また、電子機器100が、タブレット端末であってもよい。
図8は、タッチパネル3を備えたタブレット端末としての電子機器100Aの全体構成図である。
図8では、電子機器100AのX方向正側及びY方向正側に寄った位置に、NFCアンテナ5が配置されており、NFCアンテナ5のX方向正側の外側及びY方向正側の外側のそれぞれに、2つの近接センサ6が配置されている。この場合でも、
図1に示した電子機器100と同様に動作可能、制御可能である。
【0067】
以上のように、本実施形態の電子機器100は、タッチパネル3と、NFCアンテナ5(近距離無線通信アンテナの一例)と、タッチパネル3の近傍でNFCアンテナ5の周囲に設けられ、物体の近接を検出する近接センサ6と、制御部11と、を備える。制御部11は、NFCアンテナ5により近距離無線通信中である場合、又は近接センサ6によりNFCアンテナ5と通信可能な通信媒体(例えばNFCカード200)の近接が検出された場合、タッチパネル3による検出を停止する。
【0068】
これにより、電子機器100は、この場合、NFCアンテナ5とNFCカード200との間で近距離無線通信が開始される可能性がある場合には、タッチパネル3の検出動作を停止することにより、近距離無線通信とタッチパネル3の検出が電気的に干渉することを抑制できる。よって、電子機器100は、タッチパネル3の誤動作を抑制できる。
【0069】
また、制御部11は、近接センサ6により物体の近接が検出されなくなった場合、タッチパネル3による検出の停止を解除してよい。
【0070】
これにより、電子機器100は、近距離無線通信が終了したと想定される状態で、タッチパネル3の検出を再開でき、近距離無線通信とタッチパネル3による検出とが電気的に干渉することを抑制できる。
【0071】
また、制御部11は、近接センサ6により物体の近接が検出されなくなった場合、電子機器100の動作モードをNFCアンテナ5が電波を発信しない非NFCモード(非近距離無線通信モード)に設定し、非NFCモードに設定してから、タッチパネル3による検出の停止を解除してよい。
【0072】
これにより、電子機器100は、近距離無線通信時と非近距離無線通信時とで動作モードを切り替え、非近距離無線通信時には近距離無線通信用のポーリングを停止できる。よって、電子機器100は、ポーリングの無い状態で、近距離無線通信とタッチパネル3による検出とが電気的に干渉することを高精度に抑制できる。
【0073】
また、制御部11は、近接センサ6によりNFCアンテナ5と近距離無線通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、電子機器100の動作モードをNFCアンテナ5が電波を発信するNFCモードに設定してよい。
【0074】
これにより、電子機器100は、物体の非検出時にはNFCアンテナ5によりポーリングをしないことにより電力の消費を抑制でき、且つ、NFCカード200の接近に伴い、自動的に近距離無線通信をオンに設定できる。そのため、電子機器100は、近距離無線通信機能の使用に関して、ユーザの利便性を向上できる。
【0075】
また、NFCアンテナ5と通信媒体との間の近距離無線通信がタッチパネル3の検出に電気的に干渉する距離であるタッチパネル干渉距離d2は、NFCアンテナ5により近距離無線通信可能な距離である通信可能距離d1よりも長く、近接センサ6により検出可能な距離である物体検出距離d3よりも短くてよい。
【0076】
電子機器100は、例えば、近距離無線通信の終了と同時に、つまりNFCカード200までの距離が通信可能距離d1より大きくなった場合に、タッチパネル3の検出を再開するのではなく、NFCカード200がNFCアンテナ5からさらに離れ、NFCカード200までの距離が物体検出距離d3に達し、近接センサ6により物体(この場合NFCカード200)を検出不可能な状態となってから、タッチパネル3による検出の停止を解除してもよい。これにより、電子機器100は、通信媒体がタッチパネル干渉距離d2内に存在する可能性を小さくでき、タッチパネル3の誤動作をより確実に抑制できる。また、電子機器100は、NFCカード200までの距離が物体検出距離d3より大きくなった際に、即座にタッチパネル3による検出を再開(検出の停止を解除)することにより、ユーザの利便性を向上できる。
【0077】
また、制御部11は、近接センサ6により物体の近接が検出されなくなった場合、タッチパネル3に蓄積された静電容量をリセットしてよい。
【0078】
これにより、電子機器100は、NFCアンテナ5により電波の発信や受信が行われていないときにタッチパネル3の静電容量のリセットを行うので、近距離無線通信の影響がない状態でリセットでき、リセットの精度が高くなる。よって、静電容量を用いたタッチパネル3の検出精度が高くなる。よって、電子機器100は、電子機器100からNFCカード200が離れた後において、タッチパネル3の動作精度を向上できる。
【0079】
また、近接センサ6は複数設けられてよい。制御部11は、複数の近接センサ6が同時に近接を検出した場合、通信媒体が近接したことを検出してよい。
【0080】
これにより、電子機器100は、近接センサ6に接近した物体が、NFCアンテナ5であるかタッチパネル3への指示体(指、スタイラスペンなど)であるかを判別して、タッチパネル3の動作制御を実施できる。
【0081】
また、近接センサ6は、3つ設けられてよい。3つの近接センサ6のそれぞれは、平面視で矩形のNFCアンテナ5の3辺のそれぞれに沿って配置される、
【0082】
これにより、電子機器100は、NFCカード200が例えば小型の電子機器100の筐体1の上方の半分程度の領域を覆うことを、3辺のそれぞれに沿って配置された3つの近接センサによって検出可能である。
【0083】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本開示は、近距離無線通信とタッチパネルとの電気的な干渉を抑制でき、タッチパネルの誤動作を抑制できる電子機器及びタッチパネル制御方法等に有用である。
【符号の説明】
【0085】
1 筐体
2 保護板
3 タッチパネル
4 LCDモジュール
5 NFCアンテナ
6 近接センサ
11 制御部
13 メモリ
100,100A 電子機器
200 NFCカード
【手続補正書】
【提出日】2022-06-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
近距離無線通信アンテナと、
前記タッチパネルの近傍で物体の近接を検出する近接センサと、
を備えた電子機器であって、
前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記電子機器の動作モードを前記近距離無線通信アンテナが電波を発信する近距離無線通信モードに設定し、前記タッチパネルによる検出を停止する制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記近接センサにより前記物体の近接が検出されなくなった場合、前記タッチパネルによる検出の停止を解除する、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記近接センサにより前記物体の近接が検出されなくなった場合、前記電子機器の動作モードを前記近距離無線通信アンテナが電波を発信しない非近距離無線通信モードに設定し、
前記非近距離無線通信モードに設定してから、前記タッチパネルによる検出の停止を解除する、
請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記近距離無線通信アンテナと前記通信媒体との間の近距離無線通信が前記タッチパネルの検出に電気的に干渉する距離であるタッチパネル干渉距離は、前記近距離無線通信アンテナにより近距離無線通信可能な距離である通信可能距離よりも長く、前記近接センサにより検出可能な距離である物体検出距離よりも短い、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記近接センサにより前記物体の近接が検出されなくなった場合、前記タッチパネルに蓄積された静電容量をリセットする、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記近接センサは複数あり、
前記制御部は、複数の前記近接センサが同時に前記物体の近接を検出した場合、前記通信媒体が近接したことを検出する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記近接センサは、3つ設けられ、
3つの前記近接センサのそれぞれは、平面視で矩形の前記近距離無線通信アンテナの3辺のそれぞれに沿って配置される、
請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
タッチパネルと、近距離無線通信アンテナと、前記タッチパネルの近傍で物体の近接を検出する近接センサと、を備える電子機器の制御方法であって、
前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記電子機器の動作モードを前記近距離無線通信アンテナが電波を発信する近距離無線通信モードに設定し、前記タッチパネルによる検出を停止する、
電子機器の制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本開示の一態様は、タッチパネルと、近距離無線通信アンテナと、前記タッチパネルの近傍で物体の近接を検出する近接センサと、を備えた電子機器であって、前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記電子機器の動作モードを前記近距離無線通信アンテナが電波を発信する近距離無線通信モードに設定し、前記タッチパネルによる検出を停止する制御部と、を備える電子機器である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本開示の一態様は、タッチパネルと、近距離無線通信アンテナと、前記タッチパネルの近傍で物体の近接を検出する近接センサと、を備える電子機器の制御方法であって、前記近接センサにより前記近距離無線通信アンテナと通信可能な通信媒体の近接が検出された場合、前記電子機器の動作モードを前記近距離無線通信アンテナが電波を発信する近距離無線通信モードに設定し、前記タッチパネルによる検出を停止する、電子機器の制御方法である。