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特開2023-112915検査用ケーブル案内機構、駆動装置、検査用ケーブル挿入治具、及びこれらを備えているガスタービン検査システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112915
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】検査用ケーブル案内機構、駆動装置、検査用ケーブル挿入治具、及びこれらを備えているガスタービン検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01M 99/00 20110101AFI20230807BHJP
   B25J 17/00 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
G01M99/00 Z
B25J17/00 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014939
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】福家 康隆
(72)【発明者】
【氏名】小松 洋音
(72)【発明者】
【氏名】松澤 貴司
(72)【発明者】
【氏名】浅野 伸
(72)【発明者】
【氏名】只野 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】入江 航士朗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋一
【テーマコード(参考)】
2G024
3C707
【Fターム(参考)】
2G024AD05
2G024AD23
2G024BA27
2G024CA09
2G024CA11
2G024CA22
2G024CA27
2G024EA13
3C707AS14
3C707BS17
3C707HS27
3C707HT04
3C707KT01
3C707KT05
(57)【要約】
【課題】高温環境下でも検査対象物の内部を検査することができる検査用ケーブル案内機構を提供する。
【解決手段】ケーブルが内部を挿通可能とされ、ケーブルとの隙間を冷却空気が先端に向かって流通可能な可撓性を有する耐熱シースと、耐熱シースを外側から覆う耐熱性を有するセグメントが中心線方向に積層されることで構成されたセグメント積層体と、耐熱シースの周りに配置されるとともに中心線に沿って延びる複数のワイヤと、を備え、セグメント積層体における一のセグメントは、中心線に直交する方向に延びる揺動軸線を中心として該一のセグメントに隣接する二つのセグメントのそれぞれに対して揺動可能であり、一のセグメントが二つのセグメントのそれぞれに対して揺動する際に中心とする二つの揺動軸線は、中心線方向から見た際に直交し、各ワイヤの一端は、セグメント積層体におけるいずれかのセグメントに固定されている検査用ケーブル案内機構。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端にセンサが設けられた検査用ケーブルが内部を挿通可能とされ、前記内部における前記検査用ケーブルとの隙間を冷却空気が前記先端に向かって流通可能な可撓性を有する耐熱シースと、
前記耐熱シースを外側から覆う耐熱性を有するセグメントが前記検査用ケーブルの中心線が延びる方向に三つ以上積層されることで構成されたセグメント積層体と、
前記耐熱シースの周りに配置されるとともに前記中心線に沿って延びる複数のワイヤと、
を備え、
前記セグメント積層体における両端の前記セグメント以外の前記セグメントのうち一のセグメントは、前記中心線に直交する方向に延びる揺動軸線を中心として該一のセグメントに前記中心線方向で隣接する二つのセグメントのそれぞれに対して揺動可能であり、
前記一のセグメントが前記二つのセグメントのそれぞれに対して揺動する際に中心とする二つの前記揺動軸線は、前記中心線方向から見た際に直交し、
各前記ワイヤの一端は、前記セグメント積層体におけるいずれかの前記セグメントに固定されている検査用ケーブル案内機構。
【請求項2】
前記セグメント積層体は、複数の前記セグメントによって構成された第一関節部、第二関節部、及び第三関節部を有し、
これら第一関節部、第二関節部、及び第三関節部は、前記先端とは反対の側から前記中心線方向に前記第一関節部、前記第二関節部、前記第三関節部の順で並び、
前記複数のワイヤは、
前記第一関節部における最も前記先端側に配置された前記セグメントに一端が固定された複数の第一関節用ワイヤと、
前記第二関節部における最も前記先端側に配置された前記セグメントに一端が固定された複数の第二関節用ワイヤと、
前記第三関節部における最も前記先端側に配置された前記セグメントに一端が固定された複数の第三関節用ワイヤと、
によって構成されている請求項1に記載の検査用ケーブル案内機構。
【請求項3】
前記ワイヤを前記先端から遠ざかる方向に引っ張る、または前記先端に向かう方向に繰り出すことで請求項1または2に記載の検査用ケーブル案内機構を駆動する駆動装置であって、
前記ワイヤが巻回されたワイヤ巻回部と、
前記ワイヤ巻回部に接続され、該ワイヤ巻回部を軸線を中心に前記ワイヤの巻回方向に回転させるモータを有する回転アクチュエータと、
前記ワイヤ巻回部から前記セグメント積層体に向かって延びる前記ワイヤの方向を前記中心線に沿うように中途で転向するプーリ本体と、該プーリ本体を支持する支持部とを有するプーリと、
これらワイヤ巻回部、回転アクチュエータ、及びプーリを収容するとともに支持可能なケーシングと、
を備える駆動装置。
【請求項4】
前記回転アクチュエータは、前記モータの回転角を検出するエンコーダをさらに有し、
前記プーリは、前記支持部に設けられたロードセルをさらに有し、
前記モータは、前記エンコーダが検出した前記回転角と、前記ロードセルが測定した前記支持部にかかる荷重とに基づいて前記ワイヤ巻回部を回転させる請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記ワイヤ巻回部は、
前記モータに前記軸線方向の一方側から接続されたスプラインと、
前記スプラインに前記軸線方向の一方側から接続され、前記ワイヤが巻回される螺旋溝を有するスプールと、
前記スプールに前記軸線方向の一方側から螺合し、前記ケーシングに固定されたナットと、
を有し、
前記スプールの前記螺旋溝のピッチは、前記ナットのピッチと同一の寸法であり、
前記スプールは、前記ナットに螺合した状態で前記モータの回転に伴って前記スプラインとともに前記ナットに対して前記軸線方向に進退可能である請求項3または4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記回転アクチュエータは、前記モータを前記軸線方向に案内可能なリニアガイドをさらに有し、
前記ワイヤ巻回部は、
前記モータに前記軸線方向の一方側から接続され、前記ワイヤが巻回される螺旋溝を有するスプールと、
前記スプールに前記軸線方向の一方側から螺合し、前記ケーシングに固定されたナットと、
を有し、
前記スプールの前記螺旋溝のピッチは、前記ナットのピッチと同一の寸法であり、
前記スプールは、前記ナットに螺合した状態で前記モータの回転に伴って該モータとともに前記ナットに対して前記軸線方向に進退可能である請求項3または4に記載の駆動装置。
【請求項7】
先端にセンサが設けられた検査用ケーブルを案内する検査用ケーブル案内機構から延びるワイヤを前記先端側から遠ざかる方向に引っ張る、または前記先端側に向かう方向に繰り出すことで前記検査用ケーブル案内機構を駆動する駆動装置であって、
前記ワイヤが巻回されたワイヤ巻回部と、
前記ワイヤ巻回部に接続され、該ワイヤ巻回部を前記ワイヤの巻回方向に回転させるモータを有する回転アクチュエータと、
前記ワイヤ巻回部から前記検査用ケーブル案内機構に向かって延びる前記ワイヤの方向を中途で転向するプーリ本体と、該プーリ本体を支持する支持部と、を有するプーリと、
これらワイヤ巻回部、回転アクチュエータ、及びプーリを収容するとともに支持可能なケーシングと、
を備える駆動装置。
【請求項8】
請求項1または2に記載の検査用ケーブル案内機構に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具であって、
円筒状を成すとともに前記耐熱シース及び前記ワイヤを外側から覆い、前記中心線方向に互いに間隔を空けて並ぶ本体部と、円筒状を成すとともに該本体部を外周側から囲み、前記中心線方向にスライド可能に前記本体部に設けられたスライド部と、を有する複数の分割パイプと、
半円筒状を成し、隣り合う前記本体部同士が前記間隔をあけることで形成された空間を埋めるように隣り合う前記本体部間に配置される複数の半割れパイプと、
前記複数の分割パイプのうち一の分割パイプの前記スライド部が前記中心線方向にスライドして前記半割れパイプを外側から覆った際に、前記スライド部を前記一の分割パイプに前記中心線方向で隣接する前記分割パイプの前記本体部に固定可能なネジと、
を備える検査用ケーブル挿入治具。
【請求項9】
請求項1または2に記載の検査用ケーブル案内機構に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具であって、
前記耐熱シースが内部を挿通可能とされ、前記中心線に沿って連結された複数の分割体を有し、一方向にのみ屈曲可能とされたケーブル収容体と、
前記中心線に沿って前記ケーブル収容体に設けられ、前記ケーブル収容体に固定された際に前記ケーブル収容体の屈曲を防止する屈曲防止用部材と、
を備える検査用ケーブル挿入治具。
【請求項10】
先端にセンサが設けられた検査用ケーブルを案内する検査用ケーブル案内機構に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具であって、
円筒状を成すとともに前記検査用ケーブルを外側から覆い、前記検査用ケーブルの中心線が延びる方向に互いに間隔を空けて並ぶ本体部と、円筒状を成すとともに該本体部を外周側から囲み、前記中心線方向にスライド可能に前記本体部に設けられたスライド部と、を有する複数の分割パイプと、
半円筒状を成し、隣り合う前記本体部同士が前記間隔をあけることで形成された空間を埋めるように隣り合う前記本体部間に配置される複数の半割れパイプと、
前記複数の分割パイプのうち一の分割パイプの前記スライド部が前記中心線方向にスライドして前記半割れパイプを外側から覆った際に、前記スライド部を前記一の分割パイプに前記中心線方向で隣接する前記分割パイプの前記本体部に固定可能なネジと、
を備える検査用ケーブル挿入治具。
【請求項11】
先端にセンサが設けられた検査用ケーブルを案内する検査用ケーブル案内機構に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具であって、
前記検査用ケーブルが内部を挿通可能とされ、前記検査用ケーブルの中心線が延びる方向に沿って連結された複数の分割体を有し、一方向にのみ屈曲可能とされたケーブル収容体と、
前記中心線に沿って前記ケーブル収容体に設けられ、前記ケーブル収容体に固定された際に前記ケーブル収容体の屈曲を防止する屈曲防止用部材と、
を備える検査用ケーブル挿入治具。
【請求項12】
前記検査対象物としてのガスタービンの内部を検査するガスタービン検査システムであって、
前記センサ及び前記検査用ケーブルと、
前記ガスタービンの燃焼器を通じて該燃焼器に後続するタービンの内部に挿入され、該タービンの内部で前記検査用ケーブルを案内する請求項1または2に記載の検査用ケーブル案内機構と、
前記ガスタービンの外部に配置された請求項3から6のいずれか一項に記載の駆動装置と、
請求項8または9に記載の検査用ケーブル挿入治具と、
前記燃焼器に近づく方向または遠ざかる方向に前記駆動装置を進退させる進退アクチュエータと、
前記先端とは反対の側から前記耐熱シースにおける前記隙間に前記冷却空気を供給する冷却空気供給部と、
前記回転アクチュエータの回転、及び前記進退アクチュエータによる前記駆動装置の進退を制御する制御装置と、
を備えるガスタービン検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査用ケーブル案内機構、駆動装置、検査用ケーブル挿入治具、及びこれらを備えているガスタービン検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、内部を検査用ケーブル及び駆動用ケーブル(ワイヤ)が挿通する複数のセグメントを積層させ、各セグメントが駆動用ケーブルによって駆動される連続体アームロボットセクションが開示されている。この連続体ロボットアームセクションは、例えば航空エンジン等の検査対象物の内部を検査するための検査用ケーブルの案内機構として用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0188042号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、検査対象物がガスタービンの場合、ガスタービン内部は運転停止後であっても非常に高温である。そのため、内部の温度が、案内機構が耐えうる温度まで低下するのに時間を要する場合がある。したがって、ある程度の高温環境下でも検査対象物の内部を検査できることが求められている。
【0005】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであって、高温環境下でも検査対象物の内部を検査することができる検査用ケーブル案内機構、駆動装置、検査用ケーブル挿入治具、及びガスタービン検査システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係る検査用ケーブル案内機構は、先端にセンサが設けられた検査用ケーブルが内部を挿通可能とされ、前記内部における前記検査用ケーブルとの隙間を冷却空気が前記先端に向かって流通可能な可撓性を有する耐熱シースと、前記耐熱シースを外側から覆う耐熱性を有するセグメントが前記検査用ケーブルの中心線が延びる方向に三つ以上積層されることで構成されたセグメント積層体と、前記耐熱シースの周りに配置されるとともに前記中心線に沿って延びる複数のワイヤと、を備え、前記セグメント積層体における両端の前記セグメント以外の前記セグメントのうち一のセグメントは、前記中心線に直交する方向に延びる揺動軸線を中心として該一のセグメントに前記中心線方向で隣接する二つのセグメントのそれぞれに対して揺動可能であり、前記一のセグメントが前記二つのセグメントのそれぞれに対して揺動する際に中心とする二つの前記揺動軸線は、前記中心線方向から見た際に直交し、各前記ワイヤの一端は、前記セグメント積層体におけるいずれかの前記セグメントに固定されている。
【0007】
また、本開示に係る駆動装置は、前記ワイヤを前記先端から遠ざかる方向に引っ張る、または前記先端に向かう方向に繰り出すことで上記検査用ケーブル案内機構を駆動する駆動装置であって、前記ワイヤが巻回されたワイヤ巻回部と、前記ワイヤ巻回部に接続され、該ワイヤ巻回部を軸線を中心に前記ワイヤの巻回方向に回転させるモータを有する回転アクチュエータと、前記ワイヤ巻回部から前記セグメント積層体に向かって延びる前記ワイヤの方向を前記中心線に沿うように中途で転向するプーリ本体と、該プーリ本体を支持する支持部とを有するプーリと、これらワイヤ巻回部、回転アクチュエータ、及びプーリを収容するとともに支持可能なケーシングと、を備える。
【0008】
また、本開示に係る検査用ケーブル挿入治具は、上記検査用ケーブル案内機構に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具であって、円筒状を成すとともに前記耐熱シース及び前記ワイヤを外側から覆い、前記中心線方向に互いに間隔を空けて並ぶ本体部と、円筒状を成すとともに該本体部を外周側から囲み、前記中心線方向にスライド可能に前記本体部に設けられたスライド部と、を有する複数の分割パイプと、半円筒状を成し、隣り合う前記本体部同士が前記間隔をあけることで形成された空間を埋めるように隣り合う前記本体部間に配置される複数の半割れパイプと、前記複数の分割パイプのうち一の分割パイプの前記スライド部が前記中心線方向にスライドして前記半割れパイプを外側から覆った際に、前記スライド部を前記一の分割パイプに前記中心線方向で隣接する前記分割パイプの前記本体部に固定可能なネジと、を備える。
【0009】
また、本開示に係る検査用ケーブル挿入治具は、上記検査用ケーブル案内機構に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具であって、前記耐熱シースが内部を挿通可能とされ、前記中心線に沿って連結された複数の分割体を有し、一方向にのみ屈曲可能とされたケーブル収容体と、前記中心線に沿って前記ケーブル収容体に設けられ、前記ケーブル収容体に固定された際に前記ケーブル収容体の屈曲を防止する屈曲防止用部材と、を備える。
【0010】
また、本開示に係るガスタービン検査システムは、前記検査対象物としてのガスタービンの内部を検査するガスタービン検査システムであって、前記センサ及び前記検査用ケーブルと、前記ガスタービンの燃焼器を通じて該燃焼器に後続するタービンの内部に挿入され、該タービンの内部で前記検査用ケーブルを案内する上記検査用ケーブル案内機構と、前記ガスタービンの外部に配置された上記駆動装置と、上記検査用ケーブル挿入治具と、前記燃焼器に近づく方向または遠ざかる方向に前記駆動装置を進退させる進退アクチュエータと、前記先端とは反対の側から前記耐熱シースにおける前記隙間に前記冷却空気を供給する冷却空気供給部と、前記回転アクチュエータの回転、及び前記進退アクチュエータによる前記駆動装置の進退を制御する制御装置と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、高温環境下でも検査対象物の内部を検査することができる検査用ケーブル案内機構、駆動装置、検査用ケーブル挿入治具、及びガスタービン検査システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の実施形態に係るガスタービンの概略構成を示す模式図である。
図2】本開示の実施形態に係るガスタービン検査システムの概略構成を示す模式図である。
図3】本開示の第一実施形態に係る検査用ケーブル案内機構の構成を示す図である。
図4】本開示の第一実施形態に係る耐熱シースと検査用ケーブルとの間に形成されている隙間の様子を示す図である。
図5】本開示の第一実施形態に係るセグメントの構成を示す図である。
図6】(a)は本開示の第一実施形態に係るセグメントを先端側から見た図であり、(b)は本開示の第一実施形態に係るセグメントを後端側から見た図である。
図7】本開示の第一実施形態に係るセグメントが複数積層された際の各セグメントが揺動する方向を説明する図である。
図8】本開示の第一実施形態に係る第一セグメントを先端側から見た図である。
図9】本開示の第一実施形態に係る第二セグメントを先端側から見た図である。
図10】本開示の第一実施形態に係る第三セグメントを先端側から見た図である。
図11】本開示の第一実施形態に係るセグメント積層体が湾曲した時の様子を示す図である。
図12】本開示の第一実施形態に係る駆動装置の構成を示す図である。
図13図12におけるXIII-XIII線方向の断面視である。
図14】本開示の第一実施形態に係る検査用ケーブル挿入治具の構成を示す図である。
図15】本開示の第一実施形態に係る検査用ケーブル挿入治具を用いて検査用ケーブル及び検査用ケーブル案内機構をタービン内部へ挿入する方法を説明する図である。
図16】本開示の第一実施形態に係る検査用ケーブル挿入治具の組み立て手順を説明する図である。
図17】本開示の第一実施形態に係る検査用ケーブル挿入治具を用いて検査用ケーブル及び検査用ケーブル案内機構が燃焼器内部へ挿入された時の様子を示す図である。
図18】本開示の第二実施形態に係る駆動装置の構成を示す図である。
図19】本開示の第三実施形態に係る検査用ケーブル挿入治具の構成、及び検査用ケーブル挿入治具を用いて検査用ケーブル及び検査用ケーブル案内機構をタービン内部へ挿入する方法を説明する図である。
図20】本開示の第三実施形態に係る検査用ケーブル挿入治具を用いて検査用ケーブル及び検査用ケーブル案内機構が燃焼器内部へ挿入された時の様子を示す図である。
図21】本開示のその他の実施形態に係る耐熱シースを示す図である。
図22】本開示のその他の実施形態に係る駆動装置の構成を示す図である。
図23】本開示のその他の実施形態に係る駆動装置及び検査用ケーブル案内機構の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について係るガスタービン、及びガスタービンの検査システムを図面に基づき説明する。
【0014】
<第一実施形態>
(ガスタービン)
図1に示すように、ガスタービン100は、圧縮機1と、中間ケーシング2と、燃焼器3と、タービン4と、を備えている。
【0015】
(圧縮機)
圧縮機1は、外部から導入された空気を圧縮して所定の圧力まで高めるとともに、圧縮したこの空気を中間ケーシング2へ供給する装置である。圧縮機1は、水平方向に延びるロータ軸線Arを中心として回転可能な圧縮機ロータ10と、圧縮機ロータ10を覆う圧縮機ケーシング13と、を有している。
【0016】
ここで、ロータ軸線Arが延びる方向(図1における左右方向)を「ロータ軸線方向Da」と称する。また、ロータ軸線方向Daの両側のうち、一方側(図1における左側)を「軸線上流側Dau」と称し、その反対側(図1における右側)を「軸線下流側Dad」と称する。また、圧縮機1に導入されて圧縮機1内部を流通する空気を単に「空気A1」と称し、圧縮機1によって圧縮された後に中間ケーシング2へ導入される空気A1を「圧縮空気A2」と称する。
【0017】
圧縮機ロータ10は、圧縮機ロータ軸11と、圧縮機ロータ軸11の外周面上に設けられ、ロータ軸線方向Daに間隔をあけて配列された複数の圧縮機動翼列12と、を有している。
【0018】
圧縮機ロータ軸11は、ロータ軸線方向Daに延びる柱状を成すとともにロータ軸線Ar回りに回転可能な回転軸である。複数の圧縮機動翼列12は、いずれも圧縮機ロータ軸11の外周側から設けられることで、この圧縮機ロータ軸11と一体になっている。各圧縮機動翼列12は、圧縮機ロータ軸11の周方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機1動翼を有している。
【0019】
圧縮機ケーシング13は、圧縮機1の外殻を成すとともに、圧縮機ロータ10を外周側から覆っている。圧縮機ケーシング13は、ロータ軸線Arを中心とする筒状を成す圧縮機ケーシング本体14と、空気A1を圧縮機ケーシング本体14内部に導入する空気入口部15と、圧縮機ケーシング本体14の内周面に設けられるとともにロータ軸線方向Daに間隔をあけて配列された複数の圧縮機静翼列16と、を有している。
【0020】
圧縮機ケーシング本体14は、例えば、地面や架台等に固定された圧縮機支持部(図示省略)によって支持されている。圧縮機ケーシング本体14は、空気入口部15から導入された空気A1を内部で圧縮して圧縮空気A2を生成した後、この圧縮空気A2を中間ケーシング2へ供給する。空気入口部15は、圧縮機ケーシング本体14の軸線上流側Dau設けられている。
【0021】
複数の圧縮機静翼列16は、いずれも圧縮機ケーシング本体14と一体になっている。各圧縮機静翼列16は、圧縮機ロータ軸11の周方向に間隔をあけて配列された複数の圧縮機1静翼を有している。圧縮機静翼列16と圧縮機動翼列12とは、ロータ軸線方向Daで交互に配列されている。圧縮機ケーシング13内で圧縮された圧縮空気A2は、中間ケーシング2内に導入される。
【0022】
(中間ケーシング)
中間ケーシング2は、圧縮機1から導入される圧縮空気A2を燃焼器3へ導くための空間を内部に形成する。中間ケーシング2は、圧縮機ケーシング13に軸線下流側Dadから接続されている。
【0023】
(燃焼器)
燃焼器3は、外部から供給される燃料Fと中間ケーシング2内に導入された圧縮空気A2とを利用して高温高圧の燃焼ガスGを生成するとともに、この燃焼ガスGをタービン4へ供給する装置である。
【0024】
燃焼器3は、中間ケーシング2に設けられ、ロータ軸線Arに交差する方向に延びる燃焼器軸線Acを中心に延びている。以下では、燃焼器軸線Acが延びる方向を「燃焼器軸線方向Dac」と称する。
【0025】
(タービン)
タービン4は、燃焼器3から供給される燃焼ガスGで駆動される装置である。タービン4は、ロータ軸線Arを中心として回転可能なタービンロータ40と、タービンロータ40を覆うタービンケーシング43と、を有している。
【0026】
タービンロータ40は、タービンロータ軸41と、タービンロータ軸41の外周面上に設けられるとともに、ロータ軸線方向Daに間隔をあけて配列された複数のタービン動翼列42と、を有している。
【0027】
タービンロータ軸41は、ロータ軸線方向Daに延びる柱状を成すとともにロータ軸線Ar回りに回転可能な回転軸である。複数のタービン動翼列42は、いずれもタービンロータ軸41の外周側から設けられることで、このタービンロータ軸41と一体になっている。各タービン動翼列42は、タービンロータ軸41の周方向に間隔をあけて配列された複数のタービン動翼を有している。
【0028】
タービンケーシング43は、タービン4の外殻を成すとともに、タービンロータ40を外周側から覆っている。タービンケーシング43は、ロータ軸線Arを中心とする筒状を成すタービンケーシング本体44と、タービンケーシング本体44の内周面に設けられるとともにロータ軸線方向Daに間隔をあけて配列された複数のタービン静翼列45と、を有している。
【0029】
タービンケーシング本体44は、例えば、地面や架台等に固定されたタービン支持部(図示省略)によって支持されている。タービンケーシング本体44は、燃焼器3から導入された燃焼ガスGを内部で流通させる。燃焼ガスGは、タービンケーシング本体44の軸線上流側Dauから導入される。複数のタービン静翼列45は、いずれもタービンケーシング本体44と一体になっている。
【0030】
各タービン静翼列45は、タービンロータ軸41の周方向に間隔をあけて配列された複数のタービン静翼を有している。タービン静翼列45とタービン動翼列42とは、ロータ軸線方向Daで交互に配列されている。タービンケーシング本体44内で仕事を終えた燃焼ガスGは、タービンケーシング本体44から軸線下流側Dadに向かって排出される。
【0031】
タービンロータ軸41の外周側とタービンケーシング本体44の内周側との間であって、軸方向でタービン静翼列45及びタービン動翼列42が配置される環状の空間は、燃焼器3からの燃焼ガスGが流れる燃焼ガス流路Cgとされている。この燃焼ガス流路Cgは、ロータ軸線Arを中心として環状を成しており、ロータ軸線方向Daに長い。
【0032】
本実施形態では、圧縮機ケーシング13、中間ケーシング2、及びタービンケーシング43によってガスタービンケーシング101が構成されている。また、圧縮機ロータ10とタービンロータ40とは、同一軸線上に位置しており、これらが例えば、中間ケーシング2内で互いに接続されることでガスタービンロータ102が構成されている。このガスタービンロータ102(圧縮機ロータ10)の軸線上流側Dauの端部には、例えば、発電機300が備える発電機出力軸301が接続されている。
【0033】
以下、上記構成を備えるガスタービン100の概略動作を説明する。圧縮機1は、空気A1を圧縮して圧縮空気A2を生成する。この圧縮空気A2は、中間ケーシング2を介して、燃焼器3内に流入する。燃焼器3には、燃料Fが外部から供給される。
【0034】
燃焼器3内では、圧縮空気A2中で燃料Fが燃焼して、高温高圧の燃焼ガスGが生成される。この燃焼ガスGは、燃焼器3からタービンケーシング43内に送られる。タービンロータ40は、この燃焼ガスGによって回転する。このタービンロータ40の回転に伴って、ガスタービンロータ102に接続されている発電機300の発電機出力軸301が回転する。この結果、発電機300が発電する。
【0035】
(ガスタービン検査システム)
ガスタービン検査システム200は、検査対象物としての上記ガスタービン100の運転が停止された際に、ガスタービン100のタービン4内部における異常や欠陥等を検査するためのシステムである。
【0036】
図2に示すように、ガスタービン検査システム200は、センサ20aと、検査用ケーブル20bと、検査用ケーブル案内機構21と、駆動装置23と、検査用ケーブル挿入治具25と、進退アクチュエータ26と、ガイド管27と、冷却空気供給部28と、制御装置29と、を備えている。
【0037】
(センサ)
図2及び図3に示すように、センサ20aは、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の半導体素子(固体撮像素子)が組み込まれたセンサモジュールである。センサ20aは、タービン4内部に導入されることによって、タービン4内部の様子を撮像する。
【0038】
(検査用ケーブル)
検査用ケーブル20bは、外部の装置とセンサ20aとの間で電気信号をやり取り可能な同軸ケーブルである。この検査用ケーブル20bの先端にセンサ20aが設けられている。検査用ケーブル20bは、例えば複数の芯線(信号線)が束ねられた状態で合成樹脂等の絶縁体材料によって外部から被覆されることにより形成されている。
【0039】
また、この検査用ケーブル20bの仮想的な中心線を単に「中心線CL」と称し、この中心線CLが延びる方向を「中心線方向Dcl」と称する。中心線方向Dclの両側のうち、先端の側を向く一方側(図3における右側)を「先端側Dcla」と称し、その反対側(図3における左側)を「後端側Dclb」と称する。
【0040】
(検査用ケーブル案内機構)
検査用ケーブル案内機構21は、タービン4の内部で検査用ケーブル20bの位置及び姿勢を調整することでこの検査用ケーブル20bを案内する機構である。図3に示すように、検査用ケーブル案内機構21は、耐熱シース210と、セグメント積層体211と、複数のワイヤ22と、を備えている。
【0041】
(耐熱シース)
耐熱シース210は、検査用ケーブル20bを外側から覆うとともに、検査用ケーブル20bを熱的に保護する被覆である。耐熱シース210は、検査用ケーブル20bが内部を挿通可能とされたチューブ状の部材である。耐熱シース210は、可撓性を有するとともに耐熱性を有する材料で形成されている。本実施形態における耐熱シース210を形成する材料には、例えば、合成樹脂等が採用される。
【0042】
図4に示すように、耐熱シース210の内部におけるこの耐熱シース210の内周面と検査用ケーブル20bとの間には、隙間Sが形成されている。当該隙間Sには、検査用ケーブル案内機構21の外部に設けられた装置によって先端側Dclaとは反対の側(後端側Dclb)の耐熱シース210の端部から冷却空気A3が供給される。隙間Sに供給された冷却空気A3は、先端に向かって耐熱シース210内を流通した後、耐熱シース210における先端側Dclaの端部から排出される。
【0043】
(セグメント積層体)
図3に示すように、セグメント積層体211は、耐熱シース210を外側から覆い、耐熱シース210とともに耐熱シース210の内部を挿通する検査用ケーブル20bの位置及び姿勢を調整可能な部材である。セグメント積層体211は、耐熱シース210を外側から覆うセグメント212が中心線方向Dclに三つ以上積層されることで構成されている。
【0044】
セグメント積層体211は、第一関節部211aと、第二関節部211bと、第三関節部211cと、接続部211jと、を有している。本実施形態における第一関節部211a、第二関節部211b、及び第三関節部211cは、十個のセグメント212が中心線方向Dclに積層されることによって構成されている。
【0045】
したがって、セグメント積層体211は、三十個のセグメント212が中心線方向Dclに積層されることによって構成されている。接続部211jは、検査用ケーブル案内機構21に後端側Dclbから接続される検査用ケーブル挿入治具25と、第一関節部211aの最も後端側Dclbに位置するセグメント212とを接続するための部材である。
【0046】
これら第一関節部211a、第二関節部211b、第三関節部211c、及び接続部211jは、後端側Dclbから中心線方向Dclに接続部211j、第一関節部211a、第二関節部211b、第三関節部211cの順で並んでいる。
【0047】
(セグメント)
セグメント212は、耐熱性を有する金属によって形成されている。本実施形態におけるセグメント212を形成する材料には、例えばチタン合金等が採用される。図5に示すように、各セグメント212は、中心線方向Dclに複数積層された際に中心線CLを中心とする円筒状を成すセグメント本体213と、該セグメント本体213から突出する一対の凸部218と、を有している。以下では、セグメント212が中心線方向Dclに複数積層された際のセグメント積層体211が備える各要素の構成を説明する。
【0048】
セグメント本体213は、先端側Dclaを向く先端面213aと、後端側Dclbを向く後端面213bと、これら先端面213aと後端面213bとを中心線方向Dclに接続する側面としての外周面213cと、を有している。
【0049】
先端面213aは、傾斜するとともに、セグメント本体213中で最も先端側Dclaに交線を作るように互いに交わる一対の面によって構成されている。後端面213bは、傾斜するとともに、セグメント本体213中で最も後端側Dclbに交線を作るように互いに交わる一対の面によって構成されている。先端面213aにおける一対の面によって形成される交線と、後端面213bにおける一対の面によって形成される交線とは中心線方向Dclから見た際に互いに直交している。
【0050】
セグメント本体213には、先端面213aから後端面213bに向かって中心線CLを中心に貫通する貫通孔214が形成されている。中心線方向Dclで隣り合うセグメント本体213に形成された貫通孔214同士は、耐熱シース210が挿通可能なように連なっている。
【0051】
セグメント本体213は、先端面213a及び外周面213cの一部を切り欠くように形成された一対の凹部215を有している。一対の凹部215は、貫通孔214を間に挟むように配置されている。各凹部215は、凹面215aと、凹部当接面215bとによって構成されている。
【0052】
凹面215aは、所定の曲率半径を有する円筒面状に形成された面である。凹面215aは、先端面213aから後端面213bに向かって凹むように形成されている。凹部当接面215bは、凹面215aと先端面213aとを接続するとともに外周面213cよりも内側で外周面213c側を向く面である。一対の凹部215の凹部当接面215b同士は、互いに平行の関係にある。
【0053】
セグメント本体213には、ワイヤ22が中心線方向Dclに挿通可能な複数のワイヤ挿通孔216が形成されている。各ワイヤ挿通孔216はセグメント本体213の先端面213aから後端面213bにかけて貫通している。図6に示すように、複数のワイヤ挿通孔216は、貫通孔214の周りに等間隔に配置されている。本実施形態におけるセグメント本体213には、九つのワイヤ挿通孔216が貫通孔214の周りに等間隔に配置されている。
【0054】
また、図5に示すように、セグメント本体213には、外周面213cから貫通孔214の内周面にかけて貫通する複数の肉抜き孔217が形成されている。本実施形態におけるセグメント本体213には、正面視で矩形を成している四つの肉抜き孔217が中心線CLを中心にして放射状に中心線CL回りに等間隔に配置されている。
【0055】
一対の凸部218は、セグメント本体213の後端面213bからセグメント本体213と一体に後端側Dclbへ突出している。一対の凸部218は、貫通孔214を間に挟むように配置されている。ここで、図6に示すように、中心線方向Dclから見た際の一対の凸部218が並ぶ方向は、セグメント本体213における一対の凹部215が並ぶ方向に対して直交している。
【0056】
各凸部218は、凸面218aと、凸部外面218bと、凸部当接面218cとによって構成されている。凸面218aは、セグメント本体213に形成された凹部215の凹面215aよりも小さい曲率半径を有する円筒面状に形成された面である。
【0057】
凸部外面218bは、凸面218aとセグメント本体213の外周面213cとを接続する面である。凸部外面218bは、セグメント本体213の外周面213cと面一を成すとともに、外側を向いている。凸部当接面218cは、凸面218aと後端面213bとを接続する面である。
【0058】
図7に示すように、中心線方向Dclで並ぶセグメント212のうち最も後端側Dclbに位置するセグメント212を除く一のセグメント212の凸部218は、該一のセグメント212に後端側Dclbから隣接するセグメント212のセグメント本体213に形成された凹部215と中心線方向Dclで嵌合している。なお、図7では、肉抜き孔217の図示を省略している。
【0059】
凸部218の凸面218aと、凹部215の凹面215aとが当接することで、中心線方向Dclで隣り合うセグメント212同士は互いに揺動可能となる。この際、凸部218の凸部当接面218cと凹部215の凹部当接面215bとが、中心線CLに対して直交する方向で当接し合っている。
【0060】
つまり、セグメント積層体211における最も先端側Dcla及び後端側Dclbに位置するセグメント212以外のセグメント212のうち一のセグメント212は、中心線CLに直交する方向に延びる揺動軸線Osを中心として該一のセグメント212に中心線方向Dclで隣接する二つのセグメント212のそれぞれに対して揺動可能である。
【0061】
図6及び図7に示すように、一のセグメント212が、該一のセグメント212に対して中心線方向Dclで隣接する二つのセグメント212のそれぞれに対して揺動する際に中心とする二つの揺動軸線Osは、中心線方向Dclから見た際に直交している。
【0062】
(ワイヤ)
図3に示すように、複数のワイヤ22は、セグメント積層体211よりも後端側Dclbからセグメント積層体211に向かって延びてきて、セグメント積層体211におけるセグメント212のワイヤ挿通孔216内を中心線CLに沿いながら先端に向かって挿通する針金である。図3では、紙面の都合上、二つのワイヤ22のみを示している。
【0063】
図6に示すように、本実施形態における複数のワイヤ22は、三つの第一関節用ワイヤ22aと、三つの第二関節用ワイヤ22bと、三つの第三関節用ワイヤ22cとによって構成されている。したがって、検査用ケーブル案内機構21は、九つのワイヤ22を備えており、各ワイヤ22がセグメント212に形成されたワイヤ挿通孔216に挿通されている。
【0064】
ここで、各セグメント212のセグメント本体213に形成された九つのワイヤ挿通孔216は、三つの第一ワイヤ挿通孔216aと、三つの第二ワイヤ挿通孔216bと、三つの第三ワイヤ挿通孔216cとに分けられる。三つの第一ワイヤ挿通孔216aは、中心線CL回りに等間隔に配置されている。同様にして、三つの第二ワイヤ挿通孔216bは、中心線CL回りに等間隔に配置されており、三つの第三ワイヤ挿通孔216cは、中心線CL回りに等間隔に配置されている。
【0065】
第一関節部211aにおける各セグメント212の第一ワイヤ挿通孔216aには、第一関節用ワイヤ22aのみが挿通している。第一関節部211a及び第二関節部211bにおける各セグメント212の第二ワイヤ挿通孔216bには、第二関節用ワイヤ22bのみが挿通している。第一関節部211a、第二関節部211b、及び第三関節部211cにおける各セグメント212の第三ワイヤ挿通孔216cには、第三関節用ワイヤ22cのみが挿通している。
【0066】
言い換えれば、第二関節部211b及び第三関節部211cにおける各セグメント212の第一ワイヤ挿通孔216aには、第一関節用ワイヤ22aが挿通しておらず、第三関節部211cにおける各セグメント212の第二ワイヤ挿通孔216bには、第二関節用ワイヤ22bが挿通していない。
【0067】
各第一関節用ワイヤ22aの一端は、第一関節部211aにおける最も先端側Dclaに配置されたセグメント212に固定されている。以下では、説明の便宜上、第一関節部211aにおける最も先端側Dclaに配置されたこのセグメント212を「第一セグメント212a」と称する(図3を参照)。図8に示すように、第一関節用ワイヤ22aは、先端側Dclaを向く一端に形成されたカシメ玉222aを有している。カシメ玉222aの径は、第一ワイヤ挿通孔216aの径よりも大きい。
【0068】
これによって、第一関節用ワイヤ22aが後端側Dclbに引っ張られた際、当該カシメ玉222aが第一セグメント212aの先端面213aにおける第一ワイヤ挿通孔216aの開口を先端側Dclaから閉塞するため、第一関節用ワイヤ22aがセグメント212内を後端側Dclbに向かって移動する(抜ける)ことがない。
【0069】
各第二関節用ワイヤ22bの一端は、第二関節部211bにおける最も先端側Dclaに配置されたセグメント212に固定されている。以下では、説明の便宜上、第二関節部211bにおける最も先端側Dclaに配置されたこのセグメント212を「第二セグメント212b」と称する(図3を参照)。図9に示すように、第二関節用ワイヤ22bは、先端側Dclaを向く一端に形成されたカシメ玉222bを有している。カシメ玉222bの径は、第二ワイヤ挿通孔216bの径よりも大きい。
【0070】
これによって、第二関節用ワイヤ22bが後端側Dclbに引っ張られた際、当該カシメ玉222bが第二セグメント212bの先端面213aにおける第二ワイヤ挿通孔216bの開口を先端側Dclaから閉塞するため、第二関節用ワイヤ22bがセグメント212内を後端側Dclbに向かって移動する(抜ける)ことがない。
【0071】
各第三関節用ワイヤ22cの一端は、第三関節部211cにおける最も先端側Dclaに配置されたセグメント212に固定されている。以下では、説明の便宜上、第三関節部211cにおける最も先端側Dclaに配置されたこのセグメント212を「第三セグメント212c」と称する(図3を参照)。図10に示すように、第三関節用ワイヤ22cは、先端側Dclaを向く一端に形成されたカシメ玉222cを有している。カシメ玉222cの径は、第三ワイヤ挿通孔216cの径よりも大きい。
【0072】
これによって、第三関節用ワイヤ22cが後端側Dclbに引っ張られた際、当該カシメ玉222cが第三セグメント212cの先端面213aにおける第三ワイヤ挿通孔216cの開口を先端側Dclaから閉塞するため、第三関節用ワイヤ22cがセグメント212内を後端側Dclbに向かって移動する(抜ける)ことがない。
【0073】
これによって、複数のワイヤ22のうち一部のワイヤ22が先端から遠ざかる方向に引っ張られる、または先端に向かう方向に繰り出されることで、例えば図11に示すように、セグメント積層体211は耐熱シース210とともに三次元的に湾曲することができる。つまり、タービン4の内部に導入されたセグメント積層体211は、ワイヤ22が外部から操作することによって、検査用ケーブル20bの位置及び姿勢を調整することができる。
【0074】
(駆動装置)
駆動装置23は、上記ワイヤ22を先端から遠ざかる方向に引っ張る、または先端に向かう方向に繰り出すことで検査用ケーブル案内機構21を駆動する装置である。図12に示すように、駆動装置23は、ケーシング242と、ワイヤ駆動機構24と、を備えている。
【0075】
(ケーシング)
ケーシング242は、検査用ケーブル案内機構21を駆動するためのワイヤ駆動機構24を収容するとともにワイヤ駆動機構24が有する各種機器を支持している。ケーシング242は、ケーシング本体243と、第一支持板247と、第二支持板248と、を有している。ケーシング本体243は、円筒状を成している。
【0076】
ケーシング本体243は、円盤状を成すとともに検査用ケーブル案内機構21側を向く正面244aを有する第一端板244と、円盤状を成すとともに正面244aとは反対の側を向く背面245aを有する第二端板245と、これら第一端板244と第二端板245とを接続する接続板246と、を有している。本実施形態では、説明の便宜上、第一端板244の中心と第二端板245の中心とを結ぶ仮想的な軸線を「中心軸線Om」と称する。
【0077】
第一端板244には、検査用ケーブル案内機構21から延びる検査用ケーブル20b、耐熱シース210、及びワイヤ22が挿通可能な挿通孔244bが形成されている。挿通孔244bは、中心軸線Omを中心に第一端板244を貫通するように形成されている。
【0078】
第一支持板247は、円盤状を成しており、ケーシング本体243の内面に該ケーシング本体243と一体に固定されている。第一支持板247には、挿通孔244bを通じてケーシング本体243内部に導入されたワイヤ22を中心軸線Om方向に挿通させる第一孔247aと、この第一孔247aの周囲に等間隔に配置された複数の第一支持孔247bとが形成されている。図12では、紙面の都合上、一つの第一支持孔247bのみ表示している。
【0079】
第一孔247aは、中心軸線Omを中心に第一支持板247を貫通するように形成されている。第一支持孔247bの数は、検査用ケーブル案内機構21が備えるワイヤ22の数と同一である。即ち、本実施形態における第一支持板247に形成されている第一支持孔247bの数は、九つである。
【0080】
第二支持板248は、円盤状を成しており、第一支持板247よりも第二端板245側でケーシング本体243の内面に該ケーシング本体243と一体に固定されている。第二支持板248には、第一孔247aを挿通したワイヤ22を中心軸線Om方向に挿通させる第二孔248aと、この第二孔248aの周囲に等間隔に配置された複数の第二支持孔248bとが形成されている。図12では、紙面の都合上、一つの第二支持孔248bのみ表示している。
【0081】
第二孔248aは、挿通孔244b及び第一孔247aよりも大径に形成されている。第二孔248aは、中心軸線Omを中心に第二支持板248を貫通するように形成されている。第二支持孔248bの数は、検査用ケーブル案内機構21が備えるワイヤ22の数と同一である。即ち、本実施形態における第二支持板248に形成されている第二支持孔248bの数は、九つである。
【0082】
(ワイヤ駆動機構)
ワイヤ駆動機構24は、ワイヤ22を先端から遠ざかる方向に引っ張る、または先端に向かう方向に繰り出す機構である。ここで、本実施形態における駆動装置23は、九つのワイヤ駆動機構24を備えている。各ワイヤ駆動機構24は、ワイヤ巻回部230と、回転アクチュエータ234と、プーリ238と、を備えている。図12では、紙面の都合上、一つのワイヤ駆動機構24のみ表示している。
【0083】
(ワイヤ巻回部)
ワイヤ巻回部230は、検査用ケーブル案内機構21から延びるワイヤ22を巻回させる。ワイヤ巻回部230は、ケーシング本体243に収容されている。ワイヤ巻回部230は、スプール232を有している。
【0084】
スプール232は、ケーシング242の第二支持板248に支持されている。スプール232は、スプール頭部232aと、スプール本体232bと、を有している。
【0085】
スプール頭部232aは、軸線を中心に延びる円筒状を成しており、第二支持板248に形成された第二支持孔248bに挿通されている。スプール頭部232aは、この第二支持孔248bによって回転可能に支持されている。スプール本体232bは、スプール頭部232aに第二端板245側からこのスプール頭部232aに一体に設けられ、中心軸線Omと平行な巻回軸線Ow(軸線)を中心に延びる円筒状を成す部材である。
【0086】
ここで、巻回軸線Owが延びる方向(図12における左右方向)を「巻回軸線方向Dw」と称する。また、巻回軸線方向Dwの両側のうち、一方側(図12における左側)を単に「一方側Dwa」と称し、その反対側(図12における右側)を単に「他方側Dwb」と称する。
【0087】
検査用ケーブル案内機構21から挿通孔244b、第一孔247a、及び第二孔248aを通じて延びたワイヤ22は、スプール本体232bに巻回されている。スプール本体232bには、ワイヤ22の他端が固定されている。
【0088】
(回転アクチュエータ)
回転アクチュエータ234は、ワイヤ巻回部230に他方側Dwbから接続され、該ワイヤ巻回部230を回転させる装置である。回転アクチュエータ234は、モータ235と、エンコーダ236と、を有している。
【0089】
モータ235は、固定子等(図示省略)から成るモータ本体235aと、回転子等(図示省略)が固定されるとともにモータ本体235aから一方側Dwaに突出する出力軸235bと、を有している。
【0090】
モータ本体235aは、第一支持板247に形成された第一支持孔247bに挿通され、この第一支持孔247bによって支持されている。モータ本体235aの固定子には、外部から電力を供給するためのケーブル等(図示省略)が接続されている。
【0091】
出力軸235bは、モータ本体235aに設けられており、端部がこのモータ本体235aよりも一方側Dwaに突出している。出力軸235bの端部には、一方側Dwaからスプール頭部232aが接続されている。言い換えれば、スプール232のスプール頭部232aには他方側Dwbからモータ235の出力軸235bが接続されている。
【0092】
したがって、モータ本体235aに外部から電力が供給されることによって出力軸235bが回転する。この出力軸235bの回転に伴って、スプール232にトルクが伝達し、スプール本体232が回転する。
【0093】
エンコーダ236は、モータ本体235aの内部で出力軸235bの回転角を検出し、検出結果を外部の装置に送信可能な装置である。
【0094】
(プーリ)
プーリ238は、ワイヤ巻回部230から検査用ケーブル案内機構21のセグメント積層体211に向かって延びるワイヤ22の延びる方向を中途で転向させる装置である。プーリ238は、プーリ本体239と、支持部240と、ロードセル241と、を有している。
【0095】
プーリ本体239は、ワイヤ22を支持しながら該ワイヤ22の方向を転向させる滑車である。支持部240は、ケーシング242の第一支持板247に設けられており、プーリ本体239を支持する部材である。支持部240は、四角柱状を成すとともに、一端が第一支持板247に固定された第一支持部240aと、四角柱状を成すとともに、第一支持部240aの他端及びプーリ本体239を接続する第二支持部240bとによって構成されている。
【0096】
第一支持部240aには、互いに相反する方向を向く面同士を貫く方向に貫通する支持部孔240cが形成されている。当該支持部孔240cが第一支持部240aに形成されていることによって、第一支持部240aの剛性が低下する。本実施形態における第一支持部240aと第二支持部240bとが成す角は、90°とされている。
【0097】
ロードセル241は、ワイヤ22からプーリ本体239にかかる荷重を検出するひずみゲージを有する荷重変換器である。ロードセル241は、第一支持部240aにおける支持部孔240cが形成されていない第一支持板247側を向く第一面240dに固定された第一測定部241aと、第一面240dとは反対の側を向くとともに支持部孔240cが形成されていない第二面240eに固定された第二測定部241bと、を有する。
【0098】
ここで、図13に示すように、九つのワイヤ駆動機構24は、中心軸線Omを中心に放射状かつ中心軸線Omを取り囲むように等間隔に配置されている。
【0099】
(検査用ケーブル挿入治具)
検査用ケーブル挿入治具25は、検査用ケーブル20b及び検査用ケーブル案内機構21をガスタービン100のタービン4内部へ挿入するための治具である。検査用ケーブル挿入治具25は、検査用ケーブル案内機構21に先端とは反対の側(後端側Dclb)から接続され、該検査用ケーブル案内機構21とともにタービン4の内部に挿入される。
【0100】
検査用ケーブル挿入治具25は、検査用ケーブル案内機構21と駆動装置23との間に介在している。図14に示すように、本実施形態における検査用ケーブル挿入治具25は、複数の分割パイプ250と、複数の半割れパイプ255と、ネジ256と、を有している。
【0101】
(分割パイプ)
各分割パイプ250は、本体部251と、スライド部254と、を有している。本体部251は、耐熱シース210及びワイヤ22を外側から覆う筒状の部材である。本実施形態における本体部251は、円筒状を成す内側筒252と、円筒状を成すとともに内側筒252を外側から囲むように該内側筒252と一体に形成された外側筒253とによって構成されている。
【0102】
中心線方向Dclで隣り合う分割パイプ250の内側筒252同士は、中心線方向Dclで互いに間隔を空けて並んでいる。即ち、隣り合う分割パイプ250間には、耐熱シース210及びワイヤ22がむき出しとされた空間が形成されている。外側筒253は、内側筒252の中心線方向Dclにおける端部を露出させた状態で内側筒252を外側から覆っている。
【0103】
スライド部254は、内側筒252の外側筒253に覆われていない部分(露出している部分)のうち、先端側Dclaの部分を外側から覆う円筒状を成す部材である。スライド部254は、内側筒252に設けられており、該内側筒252に対して長手方向にスライド可能とされている。
【0104】
半割れパイプ255は、半円筒状を成し、中心線方向Dclで隣り合う分割パイプ250の本体部251間に形成された空間を埋めるように隣り合う本体部251間に配置される部材である。半割れパイプ255は、一対が組み合わさることで、中心線方向Dclで隣り合う内側筒252同士の間に形成される空間で露出している耐熱シース210及びワイヤ22を外側から覆う。
【0105】
ネジ256は、一の分割パイプ250のスライド部254が中心線方向Dcl(長手方向)にスライドすることで、このスライド部254が半割れパイプ255と、一の分割パイプ250に隣接する分割パイプ250における内側筒252の端部とを外側から覆った際に、スライド部254を隣接する本体部251の内側筒252に固定する。
【0106】
(進退アクチュエータ)
図2に示すように、進退アクチュエータ26は、駆動装置23を燃焼器3に近づく方向または遠ざかる方向に進退させる電動スライダである。進退アクチュエータ26は、ガイドレール260と、進退駆動部261と、を有している。
【0107】
ガイドレール260は、内部にリニアガイド(図示省略)やサーボモータ等(図示省略)を内蔵している台座である。進退駆動部261は、ガイドレール260の上面260a上にスライド可能に載置されている。進退駆動部261は、例えば、ガイドレール260に内蔵されたサーボモータの駆動により、リニアガイドにしたがってガイドレール260上を進退する(スライドする)。
【0108】
(ガイド管)
ガイド管27は、検査用ケーブル案内機構21及び検査用ケーブル挿入治具25をタービン4へ導入する際に、これらを燃焼器3内でタービン4に向かって案内するとともにこれらが燃焼器3に接触することを防止する治具である。
【0109】
ガイド管27は、検査用ケーブル案内機構21及び検査用ケーブル挿入治具25をタービン4へ導入する際に燃焼器3に設けられる部材である。本実施形態におけるガイド管27は、第一ガイド管271と、第二ガイド管272、固定部273と、によって構成されている。
【0110】
第一ガイド管271は、金属等で形成された円筒状を成す管である。第二ガイド管272は、第一ガイド管271を形成する金属と同種の材料で形成された円筒状を成す管であり、第一ガイド管271よりも小径に形成されている。第二ガイド管272は、第一ガイド管271の端部に一体に接続されている。
【0111】
固定部273は、第一ガイド管271の第二ガイド管272と接続された端部とは反対の側の端部に設けられている。固定部273は、進退アクチュエータ26のガイドレール260の上面260aに固定されている。
【0112】
ここで、これら第一ガイド管271、第二ガイド管272、及び固定部273は、燃焼器3に設けられた際に、燃焼器軸線方向Dacにおける燃焼器3から離れる側から固定部273、第一ガイド管271、第二ガイド管272の順で一体に形成されている。
【0113】
検査用ケーブル案内機構21及び検査用ケーブル挿入治具25は、燃焼器3内部でガイド管27によって案内される。検査用ケーブル案内機構21は、このガイド管27の第二ガイド管272を抜けた後にタービン4内部へ導入される。
【0114】
(冷却空気供給部)
冷却空気供給部28は、検査用ケーブル案内機構21の耐熱シース210の内部における隙間Sに後端側Dclbから冷却空気A3を供給する装置である。本実施形態における冷却空気A3には、例えば常温の空気が採用される。
【0115】
(制御装置)
制御装置29は、駆動装置23における各ワイヤ駆動機構24の回転アクチュエータ234の回転、及び進退アクチュエータ26による駆動装置23の進退等を制御する。制御装置29は、回転アクチュエータ234が有するモータ235のモータ本体235a、回転アクチュエータ234が有するエンコーダ236、プーリ238が有するロードセル241、及び進退アクチュエータ26に内蔵されたサーボモータのそれぞれと電気的に接続されている。
【0116】
制御装置29は、例えば、第一支持部240aの撓みによるロードセル241の第一測定部241a及び第二測定部241bが測定したそれぞれの荷重測定値の差分に基づいて、プーリ本体239がワイヤ22から受けている荷重が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
【0117】
当該荷重が閾値以上であると制御装置29が判定した場合、制御装置29は当該荷重の大きさに基づいてモータ本体235aに供給する電力量を低下させる。これによって、モータ本体235aのスプール232を回転させる力(トルク)が低下するため、プーリ本体239がワイヤ22から受ける荷重の大きさを低減させることができる。
【0118】
また、制御装置29は、例えば、各ワイヤ駆動機構24における回転アクチュエータ234のエンコーダ236が検出したモータ235の出力軸235bの回転角に基づいて、各ワイヤ駆動機構24における回転アクチュエータ234のモータ本体235aに供給する電力量を増加または低減させる。これによって、検査用ケーブル案内機構21の位置及び姿勢を調整することができる。
【0119】
詳細な説明を省略するが、制御装置29には、検査用ケーブル20bが電気的に接続されている。制御装置29は、検査用ケーブル20bを介してセンサ20aに電力を供給している。また、例えば、制御装置29は、検査用ケーブル20bを介してセンサ20aが取得した映像信号を受けとり、当該映像信号にしたがって映像を表示する表示装置(図示省略)を有している。
【0120】
以下、図15図17を参照して上記検査用ケーブル挿入治具25を用いた検査用ケーブル20b、及び検査用ケーブル案内機構21のタービン4内部への挿入方法を説明する。
【0121】
まず初めに、図15に示すように燃焼器軸線方向Dacに駆動装置23を進退させられるように進退アクチュエータ26を燃焼器3の入口近傍に配置する。次いで、ガイド管27を燃焼器3内部に挿通させた状態で、このガイド管27を用いて検査用ケーブル案内機構21を燃焼器3内部に挿入する。次いで、検査用ケーブル挿入治具25の中心線方向Dclで並ぶ分割パイプ250のうち先端側Dclaに位置する分割パイプ250から順番にガイド管27を用いて燃焼器3内部に挿入する。
【0122】
この際、中心線方向Dclで隣り合う分割パイプ250の長手方向が、燃焼器軸線Acと平行になったら、図16の(a)に示すように、半割れパイプ255を隣り合う分割パイプ250間に生じる空間に配置する。次いで、図16の(b)に示すように、スライド部254を長手方向にスライドさせる。
【0123】
次いで、図16の(c)に示すように、スライド部254と本体部251の内側筒252とをネジ256で固定する。ネジ256による固定を終えたら、後端側Dclbに並ぶ分割パイプ250でも同様の手順を経る。
【0124】
検査用ケーブル案内機構21及び検査用ケーブル挿入治具25を燃焼器3内に挿入し終えたら、図17に示すように、駆動装置23を進退アクチュエータ26の進退駆動部261上に載置する。そして、進退アクチュエータ26によって駆動装置23を燃焼器3に近づく方向に移動させることで、検査用ケーブル案内機構21がタービン4内部へ導入される。
【0125】
(作用効果)
ここで、検査対象物がガスタービン100の場合、ガスタービン100内部の温度は運転停止後であっても500℃程度と非常に高温である。そのため、ガスタービン100内部の温度が、検査用ケーブル案内機構21が耐えうる温度(常温)まで低下するのに時間を要する場合がある。
【0126】
これに対して、上記実施形態の検査用ケーブル案内機構21では、先端にセンサ20aが設けられた検査用ケーブル20bが耐熱シース210内を挿通している。さらに、検査用ケーブル20bを外側から覆う耐熱シース210と検査用ケーブル20bとの間の隙間Sを冷却空気A3が先端に向かって流通する。これにより、耐熱シース210が外部から検査用ケーブル20bに向かって伝わる熱を遮断しつつ、冷却空気A3が検査用ケーブル20bに向かって耐熱シース210内を伝わる熱を遮断する。
【0127】
また、冷却空気A3が隙間S内を流通することで耐熱シース210を冷却することができるため、外部からの耐熱シース210から検査用ケーブル20bへの伝わる熱量を低減することができる。したがって、例えばタービン4内部における高温雰囲気下で検査用ケーブル案内機構21が検査用ケーブル20bを案内する際に、検査用ケーブル20bにかかる熱負荷を低減することができる。その結果、高温環境下でも検査対象物の内部を検査することができる。
【0128】
また、セグメント積層体211のセグメント212のうち両端のセグメント212以外の一のセグメント212が隣接する二つのセグメント212のそれぞれに対する揺動の中心となる二つの揺動軸線Osは、中心線方向Dclから見た際に直交している。さらに、各セグメント212は、可撓性を有する耐熱シース210を外側から覆っている。これにより、セグメント積層体211が耐熱シース210とともに三次元的に湾曲することができる。したがって、例えばタービン4内部で検査用ケーブル案内機構21が検査用ケーブル20bを案内する際に、検査用ケーブル20bの姿勢及びセンサ20aの位置を高精度に調整することができる。その結果、検査対象物を検査する精度を高めることができる。
【0129】
また、上記実施形態の検査用ケーブル案内機構21では、セグメント積層体211の第一関節部211a、第二関節部211b、及び第三関節部211cのそれぞれが十個のセグメント212によって構成され、これらの最も先端側Dclaに配置されたセグメント212に複数のワイヤ22の一端が固定されている。これにより、各ワイヤ22に対して引っ張るまたは繰り出す操作等を行うことによって、第一関節部211a、第二関節部211b、及び第三関節部211cのそれぞれを異なる方向に向かって湾曲させることができる。即ち、三関節の自由度でセグメント積層体211を三次元的に湾曲させることができる。したがって、検査用ケーブル20bの姿勢及びセンサ20aの位置をより高精度に調整することができる。
【0130】
また、上記実施形態の駆動装置23では、ワイヤ巻回部230を回転アクチュエータ234がワイヤ22の巻回方向Dwrに回転させることで検査用ケーブル案内機構21につながるワイヤ22をワイヤ巻回部230に巻き取るまたはワイヤ巻回部230から繰り出す構成である。これにより、ワイヤ22が直線的に延びるスペースが駆動装置23で発生することを回避することができる。したがって、駆動装置23全体のサイズをコンパクト化することができる。
【0131】
また、プーリ本体239がワイヤ巻回部230から検査用ケーブル案内機構21に向かって延びるワイヤ22の方向を検査用ケーブル20bの中心線CLに沿うように転向するため、ワイヤ巻回部230の配置の自由度を高めることができる。
【0132】
また、回転アクチュエータ234のモータ235は、エンコーダ236が検出した回転角と、ロードセル241が測定した荷重とに基づいてワイヤ巻回部230を回転させるため、検査用ケーブル案内機構21から延びるワイヤ22の張力を適正な大きさに維持しながらワイヤ巻回部230にワイヤ22を巻き取らせることができる。したがって、検査用ケーブル案内機構21におけるワイヤ22の一端が固定されたセグメント積層体211に負荷がかかりすぎてしまうことやワイヤ22が損傷してしまうことを抑制することができる。
【0133】
また、検査対象物としてのタービン4の内部を検査する場合、燃焼器3を通じて検査用ケーブル20b及び検査用ケーブル案内機構21をタービン4内部へ挿入する。この際、例えば、燃焼器3の入口近傍に配管等で構成された干渉物400が存在してしまい、燃焼器3へ検査用ケーブル20b及び検査用ケーブル案内機構21を燃焼器軸線Acが延びる方向からそのまま挿入することが困難な場合がある。
【0134】
上記検査用ケーブル挿入治具25によれば、隣り合う分割パイプ250同士が間隔をあけているため、検査用ケーブル案内機構21を先頭にして検査用ケーブル挿入治具25全体を湾曲させつつ検査対象物(燃焼器3)の入口正面に斜め上方から近づけるように取り回すことができる。その際、先端側Dclaに配置された分割パイプ250の本体部251と、この分割パイプ250に後端側Dclbから隣接する分割パイプ250のスライド部254とが固定されるように組立て、これら二つの分割パイプ250を検査対象物内へ挿入させることができる。
【0135】
つまり、先端側Dclaに位置する二つの分割パイプ250を互いに固定した後にこれら二つの分割パイプ250を検査対象物内に挿入するという上記操作を繰り返すことができる。したがって、検査用ケーブル挿入治具25が長尺に形成されていたとしても、干渉物400の影響を受けることなく検査用ケーブル20b及び検査用ケーブル案内機構21を燃焼器3内に挿入することができる。
【0136】
<第二実施形態>
以下、本開示の第二実施形態に係るガスタービン検査システムについて図18を参照して説明する。第二実施形態で説明するガスタービン検査システムの駆動装置は、第一実施形態のガスタービン検査システム200に対して駆動装置23のワイヤ駆動機構24の構成が一部異なる。第一実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0137】
(駆動装置)
駆動装置23は、上記ワイヤ22を先端から遠ざかる方向に引っ張る、または先端に向かう方向に繰り出すことで検査用ケーブル案内機構21を駆動する装置である。図18に示すように、駆動装置23は、ケーシング242と、ワイヤ駆動機構24と、を備えている。ケーシング242は、第一実施形態と同様の構成を成している。
【0138】
(ワイヤ駆動機構)
ワイヤ駆動機構24は、ワイヤ22を先端から遠ざかる方向に引っ張る、または先端に向かう方向に繰り出す機構である。ここで、本実施形態における駆動装置23は、九つのワイヤ駆動機構24を備えている。各ワイヤ駆動機構24は、ワイヤ巻回部230と、回転アクチュエータ234と、プーリ238と、を備えている。図18では、紙面の都合上、一つのワイヤ駆動機構24のみ表示している。
【0139】
(ワイヤ巻回部)
ワイヤ巻回部230は、検査用ケーブル案内機構21から延びるワイヤ22を巻回させる。ワイヤ巻回部230は、ケーシング本体243に収容されている。ワイヤ巻回部230は、スプール232と、ナット233と、スプライン231と、を有している。
【0140】
スプール232は、ケーシング242の第二支持板248に支持されている。スプール232は、スプール頭部232aと、スプール本体232bと、ボルト部232cと、を有している。
【0141】
スプール頭部232aは、軸線を中心に延びる円筒状を成しており、第二支持板248に形成された第二支持孔248bに挿通されている。スプール頭部232aは、この第二支持孔248bによって回転可能に支持されている。スプール本体232bは、スプール頭部232aに一方側Dwaから接続され、中心軸線Omと平行な巻回軸線Ow(軸線)を中心に延びる円筒状を成す部材である。
【0142】
スプール本体232bには、巻回軸線Owを中心に巻回軸線方向Dwで螺旋を描く螺旋溝が形成されている。検査用ケーブル案内機構21から挿通孔244b、第一孔247a、及び第二孔248aを通じて延びたワイヤ22は、この螺旋溝に沿ってスプール本体232bに巻回されている。スプール本体232bには、ワイヤ22の他端が固定されている。ボルト部232cは、スプール本体232bから一方側Dwa(第二端板245側)に向かって巻回軸線Owを中心に延びている雄ネジである。
【0143】
ナット233は、第二端板245に固定された状態でスプール232のボルト部232cに螺合している。ナット233のピッチ(ボルト部232cのピッチ)は、螺旋溝のピッチと同一の寸法とされている。
【0144】
スプライン231は、スプール232のスプール頭部232aに他方側Dwb(第一端板244側)から接続されている。スプライン231は、スプライン本体231aと、スプラインシャフト231bと、を有している。
【0145】
スプライン本体231aは、巻回軸線Owを中心に延びる円筒状を成す部材であり、スプール頭部232aに他方側Dwbから固定されている。スプライン本体231aは、内歯(図示省略)を有している。
【0146】
スプラインシャフト231bは、巻回軸線Owを中心に延びる柱状を成す部材であり、スプライン本体231aから一体に他方側Dwbに向かって突出している。スプラインシャフト231bは、スプライン本体231aの内歯に嵌合する外歯(図示省略)を有している。
【0147】
(回転アクチュエータ)
回転アクチュエータ234は、ワイヤ巻回部230に接続され、該ワイヤ巻回部230を回転させる装置である。回転アクチュエータ234は、モータ235と、エンコーダ236と、を有している。
【0148】
モータ235は、固定子等(図示省略)から成るモータ本体235aと、回転子等(図示省略)が固定されるとともにモータ本体235aから一方側Dwaに突出する出力軸235bと、を有している。
【0149】
モータ本体235aは、第一支持板247に形成された第一支持孔247bに挿通され、この第一支持孔247bによって支持されている。モータ本体235aの固定子には、外部から電力を供給するためのケーブル等(図示省略)が接続されている。
【0150】
出力軸235bは、モータ本体235aに設けられており、端部がこのモータ本体235aよりも一方側Dwaに突出している。出力軸235bの端部には、スプライン231のスプラインシャフト231bが接続されている。言い換えれば、スプライン231のスプラインシャフト231bには他方側Dwbからモータ235の出力軸235bが接続されている。
【0151】
したがって、モータ本体235aに外部から電力が供給されることによって出力軸235bが回転する。この出力軸235bの回転に伴って、スプライン231及びスプライン231に一方側Dwaから接続されたスプール232までトルクが伝達し、スプール232が回転する。この際、スプール232は、スプライン231のスプライン本体231aとともに第二端板245に固定されたナット233に対して巻回軸線方向Dwに進退可能である。
【0152】
エンコーダ236は、モータ本体235aの内部で出力軸235bの回転角を検出し、検出結果を外部の装置に送信可能な装置である。
【0153】
(プーリ)
プーリ238は、第一実施形態と同様の構成を成している。
【0154】
(作用効果)
上記実施形態の駆動装置23では、ワイヤ巻回部230のスプール232が有する螺旋溝のピッチがナット233のピッチと同一の寸法であり、スプール232がナット233に螺合した状態でモータ235の回転に伴ってスプライン231とともにナット233に対して進退可能な構成である。
【0155】
これにより、モータ235の回転に伴ってスプール232にワイヤ22が巻き取られる際、またはスプール232からワイヤ22が繰り出される際にスプール232におけるワイヤ22の巻取り位置及び繰り出し位置を一定の位置に留めることができる。
【0156】
したがって、スプール232とワイヤ22との間における摺動摩擦の発生を抑制することができる。その結果、スプール232がワイヤ22を円滑に巻き取るまたは繰り出すことができる。
【0157】
<第三実施形態>
以下、本開示の第三実施形態に係るガスタービン検査システムについて図19及び図20を参照して説明する。第二実施形態で説明するガスタービン検査システムは、第一実施形態のガスタービン検査システム200に対して検査用ケーブル挿入治具の構成が一部異なる。第一実施形態と同様の構成要素については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0158】
(検査用ケーブル挿入治具)
図19に示すように、本実施形態における検査用ケーブル挿入治具25は、ケーブル収容体257と、屈曲防止用部材258と、を備えている。
【0159】
ケーブル収容体257は、検査用ケーブル20b及びワイヤ22が内部を挿通可能とされている。ケーブル収容体257は、検査用ケーブル20bの中心線CLが延びる方向に沿って連結された複数の分割体257aと、最も後端側Dclbに位置する分割体257aに後端側Dclbから接続されたケーブル固定部257bと、を有している。
【0160】
ケーブル収容体257は、一方向にのみ屈曲可能に構成されている。分割体257a及びケーブル固定部257bは、金属等によって形成されており、屈曲防止用部材258が挿通可能なケーブル挿通孔(図示省略)を有している。
【0161】
屈曲防止用部材258は、ケーブル収容体257の屈曲可能な方向とは反対の側から該ケーブル収容体257に設けられている。具体的には、屈曲防止用部材258は、分割体257a及びケーブル固定部257bの上記ケーブル挿通孔に中心軸線CLに沿うように挿通されるとともに、ケーブル固定部257bから後端側Dclbに延びている。屈曲防止用部材258は、金属等によって形成されている。
【0162】
ここで、ケーブル固定部257bは、固定部本体258aと、ケーブル挿通孔を挿通する屈曲防止用部材258をこの固定部本体258aに固定可能なケーブル止め部258bとを有している。
【0163】
具体的には、ケーブル止め部258bは、外部から押圧されることで、屈曲防止用部材258を固定部本体258aとの間に挟む(把持する)。これによって、各分割体257aの内部を挿通する屈曲防止用部材258は移動不能にケーブル固定部257bに固定され、その結果、ケーブル収容体257が屈曲することを規制することができる。
【0164】
なお、屈曲防止用部材258の先端側Dclaの端部には上記ケーブル挿通孔の径よりも大きいカシメ部が形成されている。当該カシメ部によって屈曲防止用部材258が最も先端側Dclaに位置する分割体257aから外れることがない。
【0165】
以下、上記検査用ケーブル挿入治具25を用いた検査用ケーブル20b、及び検査用ケーブル案内機構21のタービン4内部への挿入方法を説明する。
【0166】
まず初めに、図19に示すように燃焼器軸線方向Dacに駆動装置23を進退させられるように進退アクチュエータ26を燃焼器3の入口近傍に設置する。次いで、ガイド管27を燃焼器3内部に挿通させた状態で、このガイド管27を用いて検査用ケーブル案内機構21を燃焼器3内部に挿入する。次いで、検査用ケーブル挿入治具25のケーブル収容体257を一方向に湾曲させつつ、ケーブル固定部257bが有するケーブル止め部258bを押圧した状態で先端側Dclaに位置する分割体257aから順番にガイド管27を用いて燃焼器3内部に挿入する。
【0167】
一または複数の分割体257aをガイド管27の内部に挿入し終えたら、ケーブル止め部258bの押圧を適宜解除し、ケーブル収容体257を再度一方向に湾曲させた後、ケーブル止め部258bを押圧した状態でガイド管27に挿入されていない先端側Dclaに位置する分割体257aから順番にガイド管27を用いて燃焼器3内部に挿入する。
【0168】
検査用ケーブル案内機構21及び検査用ケーブル挿入治具25を挿入し終えたら、図20に示すように、駆動装置23を進退アクチュエータ26の進退駆動部261上に載置する。そして、進退アクチュエータ26が駆動装置23を燃焼器3に近づく方向に移動させることで、検査用ケーブル案内機構21がタービン4内部に導入される。
【0169】
(作用効果)
上記実施形態の検査用ケーブル挿入治具25を用いることにより、検査用ケーブル案内機構21を先頭にして検査用ケーブル挿入治具25全体を湾曲させつつ検査対象物(燃焼器3)の入口正面に斜め上方から近づけるように取り回すことができる。また、第一実施形態における検査用ケーブル挿入治具25と比較して、より簡易に検査用ケーブル20b及び検査用ケーブル案内機構21を燃焼器3内に挿入することができる。
【0170】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成は実施形態の構成に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内での構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本開示は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0171】
なお、センサ20aは、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサの半導体素子が組み込まれたセンサモジュールに限定されることはなく、ファイバスコープ等であってもよい。
【0172】
また、耐熱シース210を形成する材料は合成樹脂に限定されることはない。例えば、図21に示すように、耐熱シース210には、複数の金属線Mが編み込まれることによって形成された金属メッシュ(ブレード)に合成樹脂が内蔵された材料を採用してもよい。
【0173】
また、セグメント積層体211を構成するためのセグメント212の個数は、上記の数に限定されることはない。セグメント積層体211を構成するセグメント212の個数は、三つ以上であればよい。
【0174】
また、駆動装置23のワイヤ駆動機構24が有するワイヤ巻回部230及び回転アクチュエータ234の構成は、上記実施形態に限定されることはない。例えば、図22に示すように、ワイヤ巻回部230がスプライン231を有さず、回転アクチュエータ234がリニアガイド237をさらに有している構成であってもよい。
【0175】
この際、モータ本体235aは、第一支持孔247b内で巻回軸線方向Dwに移動可能に支持され、リニアガイド237は、第一支持板247に固定されるとともに、モータ235を巻回軸線方向Dwに案内可能な部材である。これにより、回転アクチュエータ234のモータ235及びスプール232は、ナット233に対して巻回軸線方向Dwに進退可能となる。
【0176】
また、図23に示すように駆動装置23を直列に複数配置してもよい。これによって、セグメント積層体211が有する関節部の数を増加させることができる。図23では、駆動装置23を三つ直列に配置した場合を一例として示している。
【0177】
この際、先端側Dcla(図23における右側)から数えて二つの駆動装置23におけるケーシング242の第二端板245の中央には、ワイヤ22が挿通可能な孔245bが形成される。
【0178】
さらに検査用ケーブル案内機構21は、例えば、セグメント212を十個ずつ有する九つの関節部(第一関節部211a、第二関節部211b、第三関節部211c、第四関節部211d、第五関節部211e、第六関節部211f、第七関節部211g、第八関節部211h、第九関節部211i)を有する。
【0179】
また、分割パイプ250の本体部251が内側筒252と外側筒253とを有している構成に限定されることはない。例えば、本体部251は、一つの円筒状を成す部材であってもよい。この際、スライド部254は、本体部251を外側から覆う本体部251よりも径が大きい円筒状を成すとともに、該本体部251に対して長手方向にスライド可能な構成であればよい。
【0180】
<付記>
各実施形態に記載の検査用ケーブル案内機構、駆動装置、検査用ケーブル挿入治具、及びガスタービン検査システムは、例えば以下のように把握される。
【0181】
(1)第1の態様に係る検査用ケーブル案内機構21は、先端にセンサ20aが設けられた検査用ケーブル20bが内部を挿通可能とされ、前記内部における前記検査用ケーブル20bとの隙間Sを冷却空気A3が前記先端に向かって流通可能な可撓性を有する耐熱シース210と、前記耐熱シース210を外側から覆う耐熱性を有するセグメント212が前記検査用ケーブル20bの中心線CLが延びる方向に三つ以上積層されることで構成されたセグメント積層体211と、前記耐熱シース210の周りに配置されるとともに前記中心線CLに沿って延びる複数のワイヤ22と、を備え、前記セグメント積層体211における両端の前記セグメント212以外の前記セグメント212のうち一のセグメント212は、前記中心線CLに直交する方向に延びる揺動軸線Osを中心として該一のセグメント212に前記中心線方向Dclで隣接する二つのセグメント212のそれぞれに対して揺動可能であり、前記一のセグメント212が前記二つのセグメント212のそれぞれに対して揺動する際に中心とする二つの前記揺動軸線Osは、前記中心線方向Dclから見た際に直交し、各前記ワイヤ22の一端は、前記セグメント積層体211におけるいずれかの前記セグメント212に固定されている。
【0182】
これにより、耐熱シース210が外部から検査用ケーブル20bに向かって伝わる熱を遮断しつつ、冷却空気A3が検査用ケーブル20bに向かって耐熱シース210内を伝わる熱を遮断することができる。
【0183】
(2)第2の態様に係る検査用ケーブル案内機構21は、(1)の検査用ケーブル案内機構21であって、前記セグメント積層体211は、複数の前記セグメント212によって構成された第一関節部211a、第二関節部211b、及び第三関節部211cを有し、これら第一関節部211a、第二関節部211b、及び第三関節部211cは、前記先端とは反対の側から前記中心線方向Dclに前記第一関節部211a、前記第二関節部211b、前記第三関節部211cの順で並び、前記複数のワイヤ22は、前記第一関節部211aにおける最も前記先端側Dclaに配置された前記セグメント212に一端が固定された複数の第一関節用ワイヤ22aと、前記第二関節部211bにおける最も前記先端側Dclaに配置された前記セグメント212に一端が固定された複数の第二関節用ワイヤ22bと、前記第三関節部211cにおける最も前記先端側Dclaに配置された前記セグメント212に一端が固定された複数の第三関節用ワイヤ22cと、によって構成されていてもよい。
【0184】
これにより、各ワイヤ22に対して引っ張るまたは繰り出す操作等を行うことによって、第一関節部211a、第二関節部211b、及び第三関節部211cのそれぞれを異なる方向に向かって湾曲させることができる。
【0185】
(3)第3の態様に係る駆動装置23は、前記ワイヤ22を前記先端から遠ざかる方向に引っ張る、または前記先端に向かう方向に繰り出すことで(1)または(2)の検査用ケーブル案内機構21を駆動する駆動装置23であって、前記ワイヤ22が巻回されたワイヤ巻回部230と、前記ワイヤ巻回部230に接続され、該ワイヤ巻回部230を軸線を中心に前記ワイヤ22の巻回方向Dwrに回転させるモータ235を有する回転アクチュエータ234と、前記ワイヤ巻回部230から前記セグメント積層体211に向かって延びる前記ワイヤ22の方向を前記中心線CLに沿うように中途で転向するプーリ本体239と、該プーリ本体239を支持する支持部240とを有するプーリ238と、これらワイヤ巻回部230、回転アクチュエータ234、及びプーリ238を収容するとともに支持可能なケーシング242と、を備える。
【0186】
これにより、ワイヤ巻回部230を回転アクチュエータ234がワイヤ22の巻回方向Dwrに回転させることで検査用ケーブル案内機構21につながるワイヤ22を巻き取るまたは繰り出すことができる。また、プーリ本体239がワイヤ22の方向を中心線CLに沿うように転向するため、ワイヤ巻回部230の配置の自由度を高めることができる。
【0187】
(4)第4の態様に係る駆動装置23は、(3)の駆動装置23であって、前記回転アクチュエータ234は、前記モータ235の回転角を検出するエンコーダ236をさらに有し、前記プーリ238は、前記支持部240に設けられたロードセル241をさらに有し、前記モータ235は、前記エンコーダ236が検出した前記回転角と、前記ロードセル241が測定した前記支持部240にかかる荷重とに基づいて前記ワイヤ巻回部230を回転させてもよい。
【0188】
これにより、検査用ケーブル案内機構21から延びるワイヤ22の張力を適正な大きさに維持しながらワイヤ巻回部230にワイヤ22を巻き取らせることができる。
【0189】
(5)第5の態様に係る駆動装置23は、(3)または(4)の駆動装置23であって、前記ワイヤ巻回部230は、前記モータ235に前記軸線方向の一方側Dwaから接続されたスプライン231と、前記スプライン231に前記軸線方向の一方側Dwaから接続され、前記ワイヤ22が巻回される螺旋溝を有するスプール232と、前記スプール232に前記軸線方向の一方側Dwaから螺合し、前記ケーシング242に固定されたナット233と、を有し、前記スプール232の前記螺旋溝のピッチは、前記ナット233のピッチと同一の寸法であり、前記スプール232は、前記ナット233に螺合した状態で前記モータ235の回転に伴って前記スプライン231とともに前記ナット233に対して前記軸線方向に進退可能であってもよい。
【0190】
これにより、スプール232にワイヤ22が巻き取られる際、またはスプール232からワイヤ22が繰り出される際にスプール232におけるワイヤ22の巻取り位置及び繰り出し位置を一定の位置に留めることができる。
【0191】
(6)第6の態様に係る駆動装置23は、(3)または(4)の駆動装置23であって、前記回転アクチュエータ234は、前記モータ235を前記軸線方向に案内可能なリニアガイド237をさらに有し、前記ワイヤ巻回部230は、前記モータ235に前記軸線方向の一方側Dwaから接続され、前記ワイヤ22が巻回される螺旋溝を有するスプール232と、前記スプール232に前記軸線方向の一方側Dwaから螺合し、前記ケーシング242に固定されたナット233と、を有し、前記スプール232の前記螺旋溝のピッチは、前記ナット233のピッチと同一の寸法であり、前記スプール232は、前記ナット233に螺合した状態で前記モータ235の回転に伴って該モータ235とともに前記ナット233に対して前記軸線方向に進退可能であってもよい。
【0192】
(7)第7の態様に係る駆動装置23は、先端にセンサ20aが設けられた検査用ケーブル20bを案内する検査用ケーブル案内機構21から延びるワイヤ22を前記先端側Dclaから遠ざかる方向に引っ張る、または前記先端側Dclaに向かう方向に繰り出すことで前記検査用ケーブル案内機構21を駆動する駆動装置23であって、前記ワイヤ22が巻回されたワイヤ巻回部230と、前記ワイヤ巻回部230に接続され、該ワイヤ巻回部230を前記ワイヤ22の巻回方向Dwrに回転させるモータ235を有する回転アクチュエータ234と、前記ワイヤ巻回部230から前記検査用ケーブル案内機構21に向かって延びる前記ワイヤ22の方向を中途で転向するプーリ本体239と、該プーリ本体239を支持する支持部240と、を有するプーリ238と、これらワイヤ巻回部230、回転アクチュエータ234、及びプーリ238を収容するとともに支持可能なケーシング242と、を備える。
【0193】
(8)第8の態様に係る検査用ケーブル挿入治具25は、(1)または(2)の検査用ケーブル案内機構21に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構21とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具25であって、円筒状を成すとともに前記耐熱シース210及び前記ワイヤ22を外側から覆い、前記中心線方向Dclに互いに間隔を空けて並ぶ本体部251と、円筒状を成すとともに該本体部251を外周側から囲み、前記中心線方向Dclにスライド可能に前記本体部251に設けられたスライド部254と、を有する複数の分割パイプ250と、半円筒状を成し、隣り合う前記本体部251同士が前記間隔をあけることで形成された空間を埋めるように隣り合う前記本体部251間に配置される複数の半割れパイプ255と、前記複数の分割パイプ250のうち一の分割パイプ250の前記スライド部254が前記中心線方向Dclにスライドして前記半割れパイプ255を外側から覆った際に、前記スライド部254を前記一の分割パイプ250に前記中心線方向Dclで隣接する前記分割パイプ250の前記本体部251に固定可能なネジ256と、を備える。
【0194】
これにより、検査用ケーブル案内機構21及び検査用ケーブル挿入治具25を検査対象物の入口の正面に例えば斜め上方から近づけるように取り回すとともに、先端側Dclaに位置する二つの分割パイプ250を互いに固定した後にこれら二つの分割パイプ250を検査対象物内に挿入するといった操作を繰り返すことができる。
【0195】
(9)第9の態様に係る検査用ケーブル挿入治具25は、(1)または(2)の検査用ケーブル案内機構21に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構21とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具25であって、前記耐熱シース210が内部を挿通可能とされ、前記中心線CLに沿って連結された複数の分割体257aを有し、一方向にのみ屈曲可能とされたケーブル収容体257と、前記中心線CLに沿って前記ケーブル収容体257に設けられ、前記ケーブル収容体257に固定された際に前記ケーブル収容体257の屈曲を防止する屈曲防止用部材258と、を備える。
【0196】
これにより、検査対象物の入口近傍に干渉物が存在したとしても検査用ケーブル20b及び検査用ケーブル案内機構21を例えば斜め上方から検査対象物内に挿入することができる。
【0197】
(10)第10の態様に係る検査用ケーブル挿入治具25は、先端にセンサ20aが設けられた検査用ケーブル20bを案内する検査用ケーブル案内機構21に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構21とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具25であって、円筒状を成すとともに前記検査用ケーブル20bを外側から覆い、前記検査用ケーブル20bの中心線CLが延びる方向に互いに間隔を空けて並ぶ本体部251と、円筒状を成すとともに該本体部251を外周側から囲み、前記中心線方向Dclにスライド可能に前記本体部251に設けられたスライド部254と、を有する複数の分割パイプ250と、半円筒状を成し、隣り合う前記本体部251同士が前記間隔をあけることで形成された空間を埋めるように隣り合う前記本体部251間に配置される複数の半割れパイプ255と、前記複数の分割パイプ250のうち一の分割パイプ250の前記スライド部254が前記中心線方向Dclにスライドして前記半割れパイプ255を外側から覆った際に、前記スライド部254を前記一の分割パイプ250に前記中心線方向Dclで隣接する前記分割パイプ250の前記本体部251に固定可能なネジ256と、を備える。
【0198】
(11)第11の態様に係る検査用ケーブル挿入治具25は、先端にセンサ20aが設けられた検査用ケーブル20bを案内する検査用ケーブル案内機構21に前記先端とは反対の側から接続され、該検査用ケーブル案内機構21とともに検査対象物の内部に挿入される検査用ケーブル挿入治具25であって、前記検査用ケーブル20bが内部を挿通可能とされ、前記検査用ケーブル20bの中心線CLが延びる方向に沿って連結された複数の分割体257aを有し、一方向にのみ屈曲可能とされたケーブル収容体257と、前記中心線CLに沿って前記ケーブル収容体257に設けられ、前記ケーブル収容体257に固定された際に前記ケーブル収容体257の屈曲を防止する屈曲防止用部材258と、を備える。
【0199】
(12)第12の態様に係るガスタービン検査システム200は、前記検査対象物としてのガスタービン100の内部を検査するガスタービン検査システム200であって、前記センサ20a及び前記検査用ケーブル20bと、前記ガスタービン100の燃焼器3を通じて該燃焼器3に後続するタービン4の内部に挿入され、該タービン4の内部で前記検査用ケーブル20bを案内する(1)または(2)の検査用ケーブル案内機構21と、前記ガスタービン100の外部に配置された(3)から(6)のいずれかの駆動装置23と、(8)または(9)の検査用ケーブル挿入治具25と、前記燃焼器3に近づく方向または遠ざかる方向に前記駆動装置23を進退させる進退アクチュエータ26と、前記先端とは反対の側から前記耐熱シース210における前記隙間Sに前記冷却空気A3を供給する冷却空気供給部28と、前記回転アクチュエータ234の回転、及び前記進退アクチュエータ26による前記駆動装置23の進退を制御する制御装置29と、を備える。
【符号の説明】
【0200】
1…圧縮機 2…中間ケーシング 3…燃焼器 4…タービン 10…圧縮機ロータ 11…圧縮機ロータ軸 12…圧縮機動翼列 13…圧縮機ケーシング 14…圧縮機ケーシング本体 15…空気入口部 16…圧縮機静翼列 20a…センサ 20b…検査用ケーブル 21…検査用ケーブル案内機構 22…ワイヤ 22a…第一関節用ワイヤ 22b…第二関節用ワイヤ 22c…第三関節用ワイヤ 22d…第四関節用ワイヤ 22e…第五関節用ワイヤ 22f…第六関節用ワイヤ 22g…第七関節用ワイヤ 22h…第八関節用ワイヤ 22i…第九関節用ワイヤ 23…駆動装置 24…ワイヤ駆動機構 25…検査用ケーブル挿入治具 26…進退アクチュエータ 27…ガイド管 28…冷却空気供給部 29…制御装置 40…タービンロータ 41…タービンロータ軸 42…タービン動翼列 43…タービンケーシング 44…タービンケーシング本体 45…タービン静翼列 100…ガスタービン 101…ガスタービンケーシング 102…ガスタービンロータ 200…ガスタービン検査システム 210…耐熱シース 211…セグメント積層体 211a…第一関節部 211b…第二関節部 211c…第三関節部 211d…第四関節部 211e…第五関節部 211f…第六関節部 211g…第七関節部 211h…第八関節部 211i…第九関節部 211j…接続部 212…セグメント 212a…第一セグメント 212b…第二セグメント 212c…第三セグメント 213…セグメント本体 213a…先端面 213b…後端面 213c…外周面 214…貫通孔 215…凹部 215a…凹面 215b…凹部当接面 216…ワイヤ挿通孔 216a…第一ワイヤ挿通孔 216b…第二ワイヤ挿通孔 216c…第三ワイヤ挿通孔 217…肉抜き孔 218…凸部 218a…凸面 218b…凸部外面 218c…凸部当接面 222a,222b,222c…カシメ玉 230…ワイヤ巻回部 231…スプライン 231a…スプライン本体 231b…スプラインシャフト 232…スプール 232a…スプール頭部 232b…スプール本体 232c…ボルト部 233…ナット 234…回転アクチュエータ 235…モータ 235a…モータ本体 235b…出力軸 236…エンコーダ 237…リニアガイド 238…プーリ 239…プーリ本体 240…支持部 240a…第一支持部 240b…第二支持部 240c…支持部孔 240d…第一面 240e…第二面 241…ロードセル 241a…第一測定部 241b…第二測定部 242…ケーシング 243…ケーシング本体 244…第一端板 244a…正面 244b…挿通孔 245…第二端板 245a…背面 245b…孔 246…接続板 247…第一支持板 247a…第一孔 247b…第一支持孔 248…第二支持板 248a…第二孔 248b…第二支持孔 250…分割パイプ 251…本体部 252…内側筒 253…外側筒 254…スライド部 255…半割れパイプ 256…ネジ 257…ケーブル収容体 257a…分割体 257b…ケーブル固定部 258…屈曲防止用部材 258a…固定部本体 258b…ケーブル止め部 260…ガイドレール 260a…上面 261…進退駆動部 271…第一ガイド管 272…第二ガイド管 273…固定部 300…発電機 301…発電機出力軸 400…干渉物 A1…空気 A2…圧縮空気 A3…冷却空気 Ac…燃焼器軸線 Ar…ロータ軸線 Cg…燃焼ガス流路 CL…中心線 Da…ロータ軸線方向 Dac…燃焼器軸線方向 Dad…軸線下流側 Dau…軸線上流側 Dcl…中心線方向 Dcla…先端側 Dclb…後端側 Dr…径方向 Dri…径方向内側 Dro…径方向外側 Dw…巻回軸線方向 Dwa…一方側 Dwb…他方側 Dwr…巻回方向 Ea…先端 Eb…後端 F…燃料 G…燃焼ガス M…金属線 Om…中心軸線 Os…揺動軸線 Ow…巻回軸線 S…隙間
図1
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