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特開2023-112923情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112923
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0835 20230101AFI20230807BHJP
【FI】
G06Q10/08 312
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022014954
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉村 賢一
(72)【発明者】
【氏名】森 直樹
(72)【発明者】
【氏名】牛山 純子
(72)【発明者】
【氏名】綱島 浩介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】店舗において、長時間に亘る商品の持ち出しによる不安感を抑制することを可能にする情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】この情報処理システムは、荷物を預け入れるための荷物保管部と、サーバとを備える。サーバは、荷物保管部への荷物の預け入れに関する預入情報、及び当該荷物の配送依頼者からの配送依頼に関する配送依頼情報を配送依頼者から取得する預入情報/配送依頼取得部と、荷物保管部に保管可能な保管許容時間を設定すると共に、配送依頼情報に含まれる配送希望時間に基づき、荷物保管部から荷物が取り出し可能となる取出可能時間を設定する時間設定部と、荷物保管部から荷物を取り出して荷物の配送を請け負う旨の配送申出を配送請負者から取得する配送申出取得部と、配送依頼と配送申出のマッチングの成否を判定するマッチング処理部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の預け入れに関する預入情報、及び当該荷物の配送依頼者からの配送依頼に関する配送依頼情報を取得する情報取得部と、
前記配送依頼情報に含まれる配送希望時間に基づき、前記荷物の取出しが可能となる取出可能時間を設定する時間設定部と、
前記取出可能時間を前記荷物を配送する配送請負者へ通知する取出可能時間通知部と、を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記荷物の預入後に、前記配送依頼と前記配送請負者の配送申出とのマッチングの成否を判定し、前記配送依頼者の端末及び前記配送請負者の端末に対し、マッチングの成立を通知するマッチング処理部を備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記時間設定部は、前記配送依頼者と前記配送請負者とをマッチングすることを許容するマッチング許容時間を設定し、
前記マッチング処理部は、前記配送依頼者と前記配送請負者のマッチングの成否を前記マッチング許容時間内に判定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記荷物が取り出された時刻からの経過時間を取得する経過時間取得部を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記時間設定部は、前記荷物を保管可能な保管許容時間を設定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記時間設定部は、前記保管許容時間の長さを前記荷物が冷蔵品を含むか否かにより異なる長さに設定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記配送希望時間が、前記保管許容時間よりも所定時間以上後の時間の場合には、前記配送依頼者に対し配送は不可能である旨を通知する、請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記荷物を取し出し可能とするための認証情報を送信する認証情報発行部を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記認証情報発行部は、前記配送依頼者に対し、前記取出可能時間外の時間においても前記荷物を取出し可能とする認証情報を送信する、請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取出可能時間が到来した場合又は前記取出可能時間の所定時間前に、前記配送請負者の端末に対し、前記取出可能時間に関する通知を行う、請求項1~9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記配送依頼者からの在宅確認通知の受信を条件として前記荷物を取り出し可能な状態に設定する、請求項1~10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
荷物の預け入れに関する預入情報、及び当該荷物の配送依頼者からの配送依頼に関する配送依頼情報を取得するステップと、
前記配送依頼情報に含まれる配送希望時間に基づき、前記荷物の取出しが可能となる取出可能時間を設定するステップと、
前記取出可能時間を前記荷物を配送する配送請負者へ通知するステップと
を備える情報処理方法。
【請求項13】
前記荷物の預入後に、前記配送依頼と前記配送請負者の配送申出とのマッチングの成否を判定し、前記配送依頼者の端末及び前記配送請負者の端末に対し、マッチングの成立を通知するステップを更に備える、請求項12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記配送依頼者と前記配送請負者とをマッチングすることを許容するマッチング許容時間を設定するステップを更に備え、
前記マッチングの成否の判定は、前記マッチング許容時間内に判定される、請求項13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記荷物が取り出された時刻からの経過時間を取得するステップを更に備える、請求項12~14のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記荷物を保管可能な保管許容時間を設定するステップを更に備える、請求項12~15のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記保管許容時間の長さは、前記荷物が冷蔵品を含むか否かにより異なる長さに設定される、請求項16に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記配送希望時間が、前記保管許容時間よりも所定時間以上後の時間の場合には、前記配送依頼者に対し配送は不可能である旨を通知するステップを更に備える、請求項16又は17に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記荷物を取し出し可能とするための認証情報を送信するステップを更に備える、請求項12~18のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記配送依頼者に対し、前記取出可能時間外の時間においても前記荷物を取出し可能とする認証情報を送信するステップを更に備える、請求項19に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記取出可能時間が到来した場合又は前記取出可能時間の所定時間前に、前記配送請負者の端末に対し、前記取出可能時間に関する通知を行うステップを更に備える、請求項12~20のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記配送依頼者からの在宅確認通知の受信を条件として前記荷物を取り出し可能な状態に設定する、請求項12~21のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項23】
商品を販売する店舗を利用するユーザが購入者として商品を購入した場合に、その商品を含む荷物を預け入れるための荷物保管部と、
前記荷物保管部を管理すると共に、端末との間で情報の送受信を行うサーバと
を備え、
前記サーバは、
前記荷物保管部への前記荷物の預け入れに関する預入情報、及び当該荷物の配送依頼に関する配送依頼情報を配送依頼者から取得する預入情報/配送依頼取得部と、
前記荷物保管部に保管可能な保管許容時間を設定すると共に、前記配送依頼情報に含まれる配送希望時間に基づき、前記荷物保管部から前記荷物が取り出し可能となる取出可能時間を設定する時間設定部と、
前記荷物保管部から前記荷物を取り出して前記荷物の配送を請け負う旨の配送申出を配送請負者から取得する配送申出取得部と、
前記配送依頼と前記配送申出のマッチングの成否を判定するマッチング処理部と、
を備えたことを特徴とする、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンライン販売が進展する一方で、実際に店舗で物を見たり触れたりしてから購入を決めたいという要望や、店舗を訪れて非日常を楽しみつつ買い物をしたいなどの要望があり、店舗で買い物をする要望は依然として根強い。
【0003】
店舗での買い物をするうえで、ユーザにとって一番の負担は、買い物の終了後、重い荷物を持ち運ばなければならないことである。荷物を持ち運ぶことがユーザにとって心理的・肉体的な負担となり、重量やサイズが大きい商品の購入を躊躇することもある。これは、店舗における客数や客単価の増加の障壁となり得る。
【0004】
店舗での買い物においても、ユーザは、購入した商品の自宅等への配送を店舗や店舗と連携する配送業者に依頼することは可能である。しかし、配送業者等における人手不足等のため、店舗や提携配送業者は、配送依頼が発生したときに迅速に依頼に対応することが難しい。また、配送依頼に係る商品が長時間に亘り提携配送業者により店外に持ち出され、その間に商品の品質が低下したり破損したりすることも生じ得るので、依頼者は安心して購入品の配送を依頼することが出来ないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-212286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、店舗において、長時間に亘る商品の持ち出しによる不安感を抑制することを可能にする情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る情報処理装置は、荷物の預け入れに関する預入情報、及び当該荷物の配送依頼者からの配送依頼に関する配送依頼情報を取得する情報取得部と、前記配送依頼情報に含まれる配送希望時間に基づき、前記荷物の取出しが可能となる取出可能時間を設定する時間設定部と、前記取出可能時間を前記荷物を配送する配送請負者へ通知する取出可能時間通知部とを備える。
【0008】
また、本発明に係る情報処理方法は、荷物の預け入れに関する預入情報、及び当該荷物の配送依頼者からの配送依頼に関する配送依頼情報を取得するステップと、前記配送依頼情報に含まれる配送希望時間に基づき、前記荷物の取出しが可能となる取出可能時間を設定するステップと、前記取出可能時間を前記荷物を配送する配送請負者へ通知するステップとを備える。
【0009】
また、本発明に係る情報処理システムは、商品を販売する店舗を利用するユーザが購入者として商品を購入した場合に、その商品を含む荷物を預け入れるための荷物保管部と、前記荷物保管部を管理すると共に、前記端末との間で情報の送受信を行うサーバとを備える。前記サーバは、前記荷物保管部への前記荷物の預け入れに関する預入情報、及び当該荷物の配送依頼に関する配送依頼情報を配送依頼者から取得する預入情報/配送依頼取得部と、前記荷物保管部に保管可能な保管許容時間を設定すると共に、前記配送依頼情報に含まれる配送希望時間に基づき、前記荷物保管部から前記荷物が取り出し可能となる取出可能時間を設定する時間設定部と、前記荷物保管部から前記荷物を取り出して前記荷物の配送を請け負う旨の配送申出を配送請負者から取得する配送申出取得部と、前記配送依頼と前記配送申出のマッチングの成否を判定するマッチング処理部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、長時間に亘る商品の持ち出しによる不安感を抑制することを可能にする情報処理装置、情報処理方法及び情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態の係る情報処理システム1を説明する概略図である。
図2】第1の実施の形態における、サーバ10のハードウエア構成、及びソフトウエア構成を説明するブロック図である。
図3】第1の実施の形態における、端末20、端末30、及びロッカー40の構成の詳細を説明するブロック図である。
図4】第1の実施の形態における、端末20及び30のディスプレイにおける表示画面の一例である。
図5】ユーザ登録データ生成部111によるユーザ登録データの生成の手順を説明するフローチャートである。
図6】ユーザが購入者として、購入しようとする商品の会計処理を端末20又は30で行う場合の手順を説明するフローチャートである。
図7】ロッカー40への預け入れがなされた場合における処理手順を説明するフローチャートである。
図8】配送申出データの登録の手順を説明するフローチャートである。
図9】サーバ10における預入情報、配送依頼情報のデータ処理と、マッチング処理の手順の一例を説明するフローチャートである。
図10】マッチングが成立した後における解錠管理部118の動作を説明するフローチャートである。
図11】ロッカー40への商品の再保管を行う場合における動作を説明するフローチャートである。
図12】第2の実施の形態の係る情報処理システム1を説明する概略図である。
図13】第2の実施の形態における、端末20、端末30、及びクローク40’の構成の詳細を説明するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本実施形態について説明する。添付図面では、機能的に同じ要素は同じ番号で表示される場合もある。なお、添付図面は本開示の原理に則った実施形態と実装例を示しているが、これらは本開示の理解のためのものであり、決して本開示を限定的に解釈するために用いられるものではない。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味においても限定するものではない。
【0013】
本実施形態では、当業者が本開示を実施するのに十分詳細にその説明がなされているが、他の実装・形態も可能で、本開示の技術的思想の範囲と精神を逸脱することなく構成・構造の変更や多様な要素の置き換えが可能であることを理解する必要がある。従って、以降の記述をこれに限定して解釈してはならない。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1を参照して、第1の実施の形態の係る情報処理システム1を説明する。この情報処理システム1は、一例として情報処理サーバ10(以下、単に「サーバ10」という)、端末20、30、及び購入商品(購入商品を含む荷物)の預入れ用のロッカー40(荷物保管部)を備える。
【0015】
この情報処理システム1は、第1に、本システム1が設置される店舗のユーザが、店舗の顧客(購入者)となって商品を購入する場合において利用され得る。そして、購入者であるユーザは、その購入商品をロッカー40に格納する(預け入れる)ことができる。また、この情報処理システム1は、店舗のユーザが、他のユーザ(購入者)が購入してロッカー40に預け入れた購入商品の配送を、当該他のユーザに代わって配送することを申し出て(以下、「配送申出」という)、配送請負者として行動する場合においても利用され得る。本システム1は、商品を購入し、その商品の配送を依頼したいユーザ(配送依頼者)と、その商品の配送を請け負って報酬を得たいユーザ(配送請負者)とをマッチングすることを可能にする。なお、ロッカー40は、一般的な格納・施錠機能のみを有するものであってもよいし、冷蔵機能を有していても良い。また、保冷バック等を収納部に含んでいてもよい。
【0016】
サーバ10は、商品を販売する店舗(百貨店、スーパーマーケット、ディスカウントストア、ショッピングモールなど)におけるユーザ(購入者、配送依頼者)への商品の販売、ユーザ(配送依頼者)からの購入商品の配送依頼の処理、及びユーザ(配送請負者)からの配送申出の処理、並びに配送依頼と配送申出をマッチングするマッチング処理、ロッカー40の施錠・解錠管理などを担当するコンピュータであり、本システム1の中心となる装置である。
【0017】
端末20、及び30は、本システム1を利用して店舗において買い物をするユーザ(購入者又は配送依頼者)、又は配送者となって他のユーザによって購入済の商品の配送を代行するユーザ(配送請負者)によって所持される情報処理端末であり、各種情報を表示するためのディスプレイ(表示部)を少なくとも1つ備える。1人のユーザは、状況により、購入者となることもできるし、配送請負者となることもできる。
【0018】
本システム1では、端末20、30を所持するユーザは、買い物客(購入者)となって商品を購入するために端末20又は30を使用して、商品の会計処理を行うことができる。そして、その購入商品の配送を他者(配送請負者)に依頼したい場合には、その購入商品をロッカー40に格納させる(預け入れる)。同時に、端末20、30を所持するユーザは、他のユーザが購入した商品の配送を引き受ける旨の申出を行い、マッチングがされた場合にはその配送依頼を引き受け、他のユーザに代わって商品を配送する配送請負者となることができる。配送完了後は、その対価として店舗から報酬を受け取ることができる。なお、図1では、2つの端末20、及び30を例示的に表示しているが、実際のシステム1は、多数の端末によりアクセスされ、利用され得る。
【0019】
端末20、30は、典型的には、スマートフォン、携帯電話、タブレットコンピュータ等であるが、ユーザにより携帯可能であり、サーバ10とネットワークNWを介して情報を送受信することができる端末であれば、その形式は不問である。端末20、30は、図示は省略するが、各種情報を表示するディスプレイを備える。なお、端末20、30とサーバ10との間の通信は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットを介して実行され得る。また、WANでの通信は、広域イーサネット(登録商標)、専用線、IP-VPN等により実行され得る。
【0020】
端末20、30は、本システム1の運用のためのアプリケーションを実行可能に構成されている。アプリケーションは、端末20、30にインストールされて実行可能とされてもよいし、店舗が運営するWEBサイトに端末20、30にインストールされたブラウザを通じてアクセスすることにより実行可能とされてもよい。このアプリケーションは、端末20、30において、商品を購入する購入者となる場合に利用し得る第1情報(または、第1情報を表示されるための第1オブジェクト)と、他のユーザのために購入された前記商品を購入者に代わって配送する配送者となるために利用し得る第2情報(又は、第2情報を表示させるための第2オブジェクト)とを、同時に(又は交互に)端末20、30の一のディスプレイ(表示部)に表示可能なように構成される。
【0021】
第1情報は、一例として、各種商品の広告(各種商品の価格、各種商品の価格の変更の情報(割引、セール、その他))の他、購入商品の配送依頼情報等を含む。上記の情報の組合せは任意であり、一部が省略されてもよいし、上記以外の情報が含まれても良い。
【0022】
また、第2情報は、他のユーザからの配送依頼の有無、配送先、配送ルート、配送料金等の情報を少なくとも含む。上記の情報の組合せは任意であり、一部が省略されてもよいし、上記以外の情報が含まれても良い。
【0023】
次に、サーバ10のハードウエア構成、及びソフトウエア構成を、図2のブロック図を参照して説明する。
【0024】
このサーバ10は、一例として、CPU(Central Processing Unit)101、ROM102、RAM103、ハードディスクドライブ(HDD)104、入出力制御部105、通信制御部106、表示制御部107を備えて構成される。
【0025】
CPU101は、本システム1の動作の全体を司る中央制御装置である。ROM102、及びHDD104は、本システムにおける各種プログラム、及びこれらのプログラムを実行するのに必要な各種データを格納する記憶装置である。RAM103は、当該プログラムの演算結果等を一時的に記憶する記憶装置である。
【0026】
表示制御部107は、前述のプログラムの実行画面等を端末20、及び30のディスプレイに表示させる場合の表示制御を担当する制御部である。入出力制御部105は、端末20、30からのデータや命令の入力、及びCPU101から出力される各種データの出力を制御する制御部である。また、通信制御部106は、端末20、30や、他のコンピュータとの間でのデータ通信を司る制御部である。
【0027】
ROM102、又はHDD104に格納されているプログラムは、一例として、ユーザ登録データ生成部111、預入情報取得部112、配送依頼取得部113、配送申出取得部114、マッチング処理部115、許容時間設定部116、認証情報発行部117、解錠管理部118をサーバ10に実現させることが可能に構成されている。
【0028】
ユーザ登録データ生成部111は、店舗を利用するユーザの属性(ユーザの氏名、ユーザID、パスワード、住所、年齢、性別、職業、家族構成、年収、電話番号、メールアドレス、SNSアカウント、クレジットカード番号、来店時の主な交通手段(自動車の場合はその車種等)、その他)を示すユーザ登録データを生成する。ユーザ登録データは、本システム1のユーザとして登録するユーザ登録を行ったときのデータが用いられても良い。
【0029】
また、預入情報取得部112は、ロッカー40に購入商品が預け入れられたことを示す預入情報を取得する機能を有する。預入情報は、一例として、ロッカー番号などの預け入れ場所の情報、購入商品に関するデータ(例えば、冷蔵品、又は冷凍品であるか否か)等を含む。
【0030】
配送依頼取得部113は、ユーザが購入者として商品を購入し、その購入商品をロッカー40に預け入れた場合に、本人に代わり、他のユーザに購入商品のロッカー40からの解錠・取出し・及び配送を依頼した場合において、その配送依頼に係る配送依頼データを取得する機能を有する。取得された配送依頼データは、配送依頼取得部113に対応する記憶部に格納される。なお、複数の購入者によって入力された複数組の配送依頼データは、配送先住所や配送希望時間帯に応じて、1組の配送依頼データに合成され得る。合成された1つの配送依頼データには、複数の配送先、配送ルートなどのデータが含まれ得る。
【0031】
また、配送申出取得部114は、ユーザが、他のユーザにより購入されロッカー40に格納された商品を、当該他のユーザに代わって配送する配送請負者から送られた、配送申出に係る配送申出データを取得する機能を有する。生成された配送申出データは、配送申出取得部114に対応する記憶部に格納される。
【0032】
マッチング処理部115は、配送依頼データと、配送申出データとを照合して、配送依頼データと配送申出データとのマッチング処理を実行する。すなわち、配送依頼データに含まれる配送依頼を引き受け可能な配送請負者がいるか否かを判定し、マッチング処理を実行する。
【0033】
許容時間設定部116は、後述する各種の許容時間を設定する機能を有する。また、認証情報発行部117は、配送請負者がロッカー40を解錠する場合における認証情報を発行する機能を有する。
【0034】
解錠管理部118は、ロッカー40の解錠の動作を管理する機能を有し、具体的には、解錠可能時間設定部121、解錠情報送信部122、解錠可能時間通知部123、解錠時刻取得部124、及び経過時間取得部125を備える。
【0035】
解錠可能時間設定部121は、所定の条件において、ロッカー40の解錠を可能とする時間帯である解錠許可能時間を設定する機能を有する。また、解錠情報送信部122は、ロッカー40の解錠に関する情報を解錠情報として端末20、30等に送信する。また、解錠可能時間通知部123は、設定された解錠可能時間(取出可能時間)を、端末20、30に送信する。また、解錠時刻取得部124は、実際にロッカー40の解錠がなされた時刻に関する情報をロッカー40等から取得する。また、経過時間取得部125は、各種経過時間の情報を外部から取得する。
【0036】
図3は、端末20、端末30、及びロッカー40の構成の詳細を説明するブロック図である。図3は、端末20が配送依頼を行うユーザ(配送依頼者)の端末であり、端末30が配送申出を行うユーザ(配送請負者)の端末である場合を示している。あるユーザが、配送依頼者、配送請負者のいずれとしても活動する場合には、その端末には、図3の構成要素21~24、31~34の全てがアプリケーションソフトウエア、又はWEBサイトにより搭載され得る。
【0037】
配送依頼者であるユーザの端末20は、一例として、預入情報入力部21、配送依頼入力部22、送信部23、及び経過時間表示部24を含む。また、配送請負者であるユーザの端末30は、一例として、配送依頼取得部31、認証情報取得部32、解錠時間取得部33、及び経過時間表示部34を備える。
【0038】
預入情報入力部21は、商品の購入後、ロッカー40に購入商品を預け入れ、その配送依頼を行う場合において、その購入商品の預け入れに関する情報(預け入れているロッカーの場所(ロッカー自体の識別番号、ロッカーに含まれる複数の収納部に割り振られた番号)、冷蔵品の有無等)を入力する部分である。また、配送依頼入力部22は、配送依頼を行う場合において、配送依頼に係る情報(配送希望時刻、配送依頼品の種類、配送場所等)を入力する部分である。送信部23は、入力された預入情報及び配送依頼情報を送信する機能を有する。また、経過時間表示部24は、ロッカー40への預け入れからの経過時間、配送請負者によるロッカー40の解錠からの経過時間、その他の経過時間を表示する機能を有する。
【0039】
配送依頼取得部31は、他のユーザからの配送依頼に係る配送依頼データを取得する機能を有する。この配送依頼取得部31で取得された配送依頼に係るデータは、端末30の表示部において表示される。
認証情報取得部32は、配送依頼と配送申出のマッチングが成立した場合において、サーバ10から送られる認証情報を取得する機能を有する。解錠時間取得部33は、配送依頼に係るロッカー40を解錠して商品を取り出すことができる時間に関する情報を取得する機能を有する。配送請負者は、取得された認証情報をロッカー40において解錠可能時間到来後において入力することにより、配送依頼に係る商品が格納されたロッカーを解錠して、配送依頼に係る商品を取り出すことができる。経過時間表示部34は、ロッカー40への預け入れからの経過時間、ロッカー40からの配送請負者の解錠からの経過時間、配送希望時刻からの経過時間等を表示する機能を有する。
【0040】
一方、ロッカー40は、収納部41、解錠認証部42、解錠時刻送信部43、及び在宅認証部44を備える。収納部41は、購入商品等を収納し、施錠可能に構成された部分である。解錠認証部42は、前述の認証情報の入力に従い、収納部41の解錠作業のための認証を実行する部分である。また、解錠時刻送信部43は、該当する収納部41を解錠することができる時刻を送信する部分である。解錠時刻送信部43は、ロッカー40に設ける代わりに、サーバ10に備えられても良い。在宅認証部44は、ユーザからの在宅確認通知に従い、配送依頼を行ったユーザ(配送依頼者)が既に在宅していることを認証する機能を有する。在宅認証部44は、サーバ10に設けることもでき、また、在宅認証手続き自体が行われない場合には、省略することも可能である。
【0041】
図4は、第1の実施の形態における、端末20及び30のディスプレイにおける表示画面の一例である。ディスプレイの表示画面は、第1情報を表示するための第1表示領域200と、第2情報を表示するための第2表示領域210とを備える。
【0042】
第1表示領域200は、前述の第1情報を表示する領域であり、第2表示領域210は、前述の第2情報を表示する領域である。第1表示領域200、及び第2表示領域210は、端末20、30のディスプレイに同時に(又は交互に)表示可能とされる。第1情報と第2情報とが同一のディスプレイ上で表示されることにより、あるユーザが、購入者として行動すると共に、配送請負者として行動することを決めるきっかけが与えられる。
【0043】
ユーザは、自身の端末20又は30の一のディスプレイ上において、第1情報及び第2情報を見て、ある時は、買い物客(購入者)として行動し、別の時は、他の買い物客(ユーザ)が購入した商品の配送依頼を引き受けて配送請負者として働くこともできる。端末20、30のディスプレイに第1情報及び第2情報が同時に(又は交互に)表示されることで、ユーザに対し、購入者(買い物客)となるだけでなく、配送者として活動することを促すことが容易になる。例えば、買い物に来るつもりで店舗を訪れ、買い物のために端末20、30を閲覧したときに、第1情報と同時に(又は交互に)表示される第2情報が目に入ることで、購入者としてだけでなく、配送者として行動することを考えるきっかけが与えられる。
【0044】
このように、購入者として店舗に来ているユーザに対し、配送者としても行動することが促されることにより、配送者の不足を補い、店舗における配送業務を円滑且つ迅速に、且つ安価に実行することが容易になる。このような円滑で迅速な配送が確保されることになれば、購入者の多くは、本システムが導入された店舗での買い物の機会を増やそうと考えるきっかけとなる。また、このシステムによれば、ユーザ同士が商品の配送に関して助け合う仕組みが構築されるので、住民同士のコミュニケーションの向上にも寄与することができる。
【0045】
なお、このシステム1は、店舗を訪れるユーザに、購入者としてだけではなく、配送請負者として活動してもらうことを意図しているが、専門の配送業者の存在を否定するものではないことは言うまでもない。店舗は、専門の(プロフェッショナルの)配送業者による配送と、ユーザが配送者となって行われる配送とを適宜使い分けることが可能である。また、ユーザは、自身の意思に従い、購入者のみとして行動し、配送請負者としては行動しなくてもよいことはいうまでもない。また、ユーザは、自身の意思に従い、購入者とはならない一方で、配送請負者のみとして行動することができる。
【0046】
なお、第1表示領域200、及び第2表示領域210は、端末20又は30のディスプレイ上に同時に(又は交互に)表示可能とされていればよく、第1表示領域200、及び第2表示領域210が、常に一のディスプレイ上において詳細に表示されている必要はない。例えば、第1表示領域200、及び第2表示領域210の一方の表示が最小表示又は簡易表示とされ、他方が最大表示とされ、アイコンやタイトルバーのクリックにより、最小表示から最大表示又は詳細表示に切り替わるようにされていれば十分である。
【0047】
第1表示領域200は、一例として、商品広告表示部201、会計開始アイコン202、配送依頼アイコン203、ユーザ登録アイコン204を備える。
【0048】
商品広告表示部201は、広告データを表示する部分である。また、会計開始アイコン202は、ユーザが購入品の会計処理を開始したい場合にタップされるアイコンである。会計開始アイコン202がタップされると、例えば図示しないセルフレジにおける購入商品の読み込みの結果(合計金額等)が端末20又は30のディスプレイに表示され、会計処理が実行される。
【0049】
配送依頼アイコン203は、会計処理が終わり、ロッカー40に預け入れられた商品に関し、配送依頼を開始するためのアイコンである。配送依頼アイコン203がタップされると、会計処理済みの商品の一覧が表示され、その会計処理済みの商品に関し、配送依頼を行うための画面(図示せず)が表示される。
【0050】
ユーザ登録アイコン204は、ユーザ登録を開始する場合にタップされるアイコンである。ユーザ登録アイコン204が押されると、図示しないユーザ登録画面が表示され、ユーザ登録に必要は各種データの入力が促される。
【0051】
第2表示領域210は、一例として、配送依頼情報表示部211を含む。配送依頼情報表示部211は、一例として、配送依頼、その配送依頼に係る領域の名称、及び対価を含む。個々の配送依頼データの右側には、「見る」アイコンが表示されており、この「見る」アイコンがタップされることで、個々の配送依頼データの詳細が表示される。
【0052】
なお、端末20又は30のディスプレイの下方には、第1情報を表示させるための第1オブジェクト、及び第2情報を表示させるための第2オブジェクトが表示される。第1オブジェクトは、この図4に示す例では、ホームアイコン212、配送依頼アイコン213、会計開始アイコン214、ユーザ登録アイコン216である。また、第2オブジェクトは、この図4に示す例では、ホームアイコン212、配送申出アイコン215である。
【0053】
図5のフローチャートを参照して、ユーザ登録データ生成部111によるユーザ登録データの生成の手順を説明する。ユーザが、端末20又は30のユーザ登録アイコン204又は216をタップすると(ステップS101)、図示しないユーザ登録画面がディスプレイ上に表示される。ユーザは、このユーザ登録画面上において、ユーザ登録に必要な各種データを入力する(ステップS102)。入力を確定する動作(例えば、決定ボタンのタップ)がされると、入力されたデータによりユーザ登録データが生成され、登録される(ステップS103)。
【0054】
図6のフローチャートを参照して、ユーザが購入者として、購入しようとする商品の会計処理を端末20又は30で行う場合の手順を説明する。ユーザが、端末20又は30の会計開始アイコン202又は214をタップすると、図示しない会計処理画面が表示され、購入品の会計処理が開始される(ステップS111)。図示しないセルフレジ等により読み込まれた購入商品の合計の金額(税込)が表示され、承認がなされると、支払処理が開始される(ステップS112)。なお、支払処理の終了後、ロッカー40を利用した配送代行サービスの案内を端末20又は30のディスプレイに表示することも可能である。
【0055】
図7のフローチャートを参照して、ロッカー40への預け入れがなされた場合における処理手順を説明する。購入商品のロッカー40への預け入れが行われ(ステップS121)、ユーザのユーザID、パスワードの入力がされることでユーザ認証がなされた後、ロッカーが施錠されると(ステップS122)、預入動作が完了する。その後、預入動作を行ったユーザは、端末20又は30から、当該商品お預入情報と配送依頼情報をサーバ10に送信する(ステップS123)。預入情報及び/又は配送依頼情報として入力されるデータは、一例として、配送に係る商品の商品名、価格、個数、冷蔵品の有無、配送先、クーポンの有無、配送希望時間帯などである。ただし、配送商品の商品名等の入力は、システム側で自動的に行われても良い。入力が完了すると、入力データは預入データ及び配送依頼データとして登録される。
【0056】
図8のフローチャートを参照して、配送申出データの登録の手順を説明する。配送申出アイコン215がタップされると(ステップS131)、配送申出を受け付ける受付画面(図示せず)が、端末20又は30のディスプレイに表示される。この受付画面において、配送申出をしたユーザ(配送請負者)の属性(住所、氏名等)、配送請負者が利用する交通手段(自動車、バイク、自転車、徒歩、自動車の場合は、その車種など)が入力される(ステップS132)。配送請負者の属性等の入力は、ユーザ登録が完了している場合には、そのユーザ登録に係るユーザIDやパスワードの入力によって行われても良い。
【0057】
続いて、ステップS133では、配送請負者であるユーザが請け負う配送の内容が入力される。配送請負者が請け負うことを希望する特定の配送依頼データが配送請負者により指定されてもよいし、又は特定の配送依頼データは選択されないが、配送を請け負う条件(受け取り時間、配送時間帯、商品の属性等)が入力されてもよい。こうして、配送者に関するデータ、及び請け負う配送の内容等に関するデータの入力が終わると、配送申出データが生成され、配送申出取得部114に登録される(ステップS134)。
【0058】
以上のようにして、配送依頼データ、及び配送申出データが、それぞれ配送依頼取得部113、及び配送申出取得部114に登録されると、マッチング処理部115により、両者のマッチング処理が開始できる状態になる。
【0059】
図9のフローチャートを参照して、サーバ10における預入情報、配送依頼情報のデータ処理と、マッチング処理の手順の一例を説明する。サーバ10は、端末20又は30から預入情報及び配送依頼情報を受信したら(ステップS141)、その預入情報に含まれる、購入商品が冷蔵品か否かに従い、ロッカー40において購入商品を保管可能な保管許容時間Tstkを異なる値に設定する(ステップS142)。保管許容時間Tstkは、例えば、購入商品が冷蔵品である場合には、冷蔵品でない場合よりも短い時間に設定される。例えば、冷蔵品の場合、保管許容時間Tstkは2時間とし、冷蔵品でない場合には、保管許容時間Tstkはそれよりも長い、例えば3時間とすることができる。保管許容時間Tstkは、これに限定される訳ではなく、条件に従い、様々に決定することが可能である。ロッカー40が冷蔵機能を有している場合には、購入商品が冷蔵品か否かに拘わらず、同一の保管許容時間を設定することも可能である。また、保管許容時間の設定は、予め預入動作(図7)において行い、図9の手順においては、その確認のみを行うようにしてもよい。
【0060】
次に、配送依頼情報に基づき、配送依頼者が購入商品の配送を希望する配送希望時間に関する情報を取得する(ステップS143)。続いて、この配送希望時間が、ステップS142で設定された保管許容時間Tstkが定める保管期限よりも所定時間(例えば1時間)以上後の時刻であるか否かが判定される(ステップS144)。Yesであれば、配送希望時間において配送請負者による配送は不可能であると判断して、その旨を配送依頼者の端末に通知する。Noであれば、ステップS145に移行する。例えば、配送希望時間が「本日:17時~18時」である一方、保管許容時間Tstkが定める保管期限が17時よりも前も1時間以上前の15時50分である場合には、配送は不可能であるとして、その旨が配送依頼者の端末に通知される。
【0061】
ステップS145では、預け入れたロッカーの解錠が可能になる解錠可能時間を設定する。解錠可能時間は、配送希望時間に従い、配送希望時間の開始時刻よりも所定時間(例えば1時間)だけ前の時刻に設定される。例えば、配送希望時間が「本日:17時~18時」であれば、17時よりも1時間前の16時以降が解錠可能時間に設定される。解錠可能時間が設定されることにより、購入商品が過剰に早い段階でロッカー40から取り出されることを防止することができる。ロッカー40からの購入商品の取出しの時間が早すぎると、配送依頼をするユーザとしては、購入商品の品質低下や破損が心配になる。例えば、配送依頼に係る商品が冷蔵/冷凍食品や生鮮食品である場合、長い時間配送請負者が商品を持ち歩くことにより、食品が傷むことが心配になる。上記のように解錠可能時間が設定されることで、購入者の安心感を高めることができる。なお、解錠が可能となる解錠開始時刻を設定すると共に、それ以降解錠が不可能となる解錠終了時刻を併せて設定することも可能である。
【0062】
続いて、当該配送依頼について、マッチングの成立の有無を判断することを許容する時間としてのマッチング許容時間を設定する(ステップS146)。マッチング許容時間は、例えばロッカー40の施錠時刻から所定時間、例えば1時間程度に設定される。その後、マッチング処理部115において、マッチング判定が開始され(ステップS147)、その後、マッチング許容時間の経過までの間、マッチング判定が継続される。具体的には、配送依頼についての配送の請負をする旨の配送請負情報が受信され、マッチングが成立するか否かの判定が、マッチング許容時間の間継続される(ステップS148)。
【0063】
マッチング許容時間内にマッチングが成立しなかったと判定される場合には、その旨が配送依頼者の端末に通知される(ステップS149)。一方、マッチング許容時間内にマッチングが成立したと判定される場合には、その旨が配送依頼者及び配送請負者の端末20、30に通知される(ステップS150)。
【0064】
なお、マッチング処理部115におけるマッチング処理においては、主に配送依頼を遂行できる配送請負者がいるか否かを条件としてマッチングを行うことができるが、これに加え、配送依頼者から、予め配送者に関する希望(性別、年齢、居住地域、その他)に関する情報を取得し、この希望を反映するようなマッチング処理を実行することもできる。また、配送依頼者(購入者)と配送者との人的関係をも考慮に入れてマッチング処理を行うこともできる。例えば、配送依頼者が女性であり、配送者の候補が複数人いる場合には、女性を優先的に配送者として選択することができる。重量の大きい、又はサイズが大きい配送物については、男性を優先的に配送者として選択することができる。
【0065】
続いて、図10のフローチャートを参照して、マッチングが成立した後における解錠管理部118の動作を説明する。マッチングが成立すると、サーバ10は、設定された解錠可能時間を配送依頼者及び配送請負者の端末20、30に送信する。そして、サーバ10は、この解錠可能時間の到来を判定し、解錠可能時間が到来した(又は、解錠可能時間の所定時間前(例えば5分前))と判定されたら(ステップS151)、ロッカーの解錠のための認証情報を、配送請負者の端末に送信すると共に、所定のタイミングで解錠・及び商品の引き取りを促すリマインダーを所定のタイミングで送付する(ステップS152)。なお、ステップS151において、解錠可能時間の到来に加え、配送依頼者からの在宅確認通知が受信されているか否かを併せて判定することも可能である。解錠可能時間は到来したが、在宅確認通知が受領されない場合には、ステップS151においてNoの判定をすることもできる。つまり、配送依頼者からの在宅確認通知の受信を条件としてロッカー40からの商品の取り出しが可能となるような設定をすることができる。在宅確認を条件としてロッカー40が解錠可能とされるようにすることにより、配送依頼者は、在宅中に商品を受け取ることが可能となるので、より購入商品への安心感を高めることができる。また、配送請負者としても、希望届出先に到着したが配送依頼者が不在で購入商品を受け渡すことができなくなる事態を回避することができる。
【0066】
その後、認証情報を受領した配送請負者が、ロッカー40において認証情報を提示したうえで、配送依頼に係る商品の収納部41の解錠を行うと、それがロッカー40又はサーバ10において検知され(ステップS153)、その解錠時刻に応じて、当該商品の配送完了時刻(予定時刻)が設定される(ステップS154)。設定された配送完了時刻に関する情報は、適宜配送請負者の端末に送信される。
【0067】
配送請負者は、ロッカー40から取り出し配送を引き受けた商品を、指定された配送場所に、指定された配送完了時刻までに配送するよう行動する。設定された配送完了時刻までに配送が完了した場合(ステップS155のYes)、その旨を示す配送完了情報が、配送依頼者又は配送請負者の端末20又は30からサーバ10に送信される。配送完了情報が配送完了時刻までに受領された場合、サーバ10から配送請負者の端末20又は30に対し、配送の完了を確認した旨と、謝意を示すお疲れ様メッセージが送信される(ステップS156)。一方、配送完了情報が設定された配送完了時刻までに受信されなかった場合には、早急に配送を完了させることを促すアラームメッセージが送信される(ステップS157)。
【0068】
なお、上記の手順では、商品の配送を請け負う配送請負者が認証情報をサーバ10から受領しているが、商品の配送を依頼した配送依頼者にも別途認証情報を送付するようにしてもよい。これにより、配送依頼者は、追加で購入した商品を更にロッカー40に入れて配送を依頼(依頼内容を変更)したり、間違ってロッカー40に入れたものを取り出したりすることが可能になる。サーバ10は、配送依頼者に対しては、解錠可能時間外の時間においてもロッカー40を解錠し商品等を取出し可能とするような認証情報を送信することができる。
【0069】
ただし、ロッカー40に保管される商品の個数や重量が無制限に増減されることは、配送請負者にとっては好ましいことではない。そのような観点から、認証情報を用いて配送依頼者がロッカー40を再度解錠できる時刻を制限することも可能である。例えば、最初のロッカー40の施錠から所定時間内(例えば10分)はロッカー40の解錠・再保管が可能であるが、それ以降は不可能とすることができる。或いは、商品の数・商品の総重量に所定以上の変更がある場合において、サーバ10に問合せをして許可が得られたときのみ、再度のロッカー40の解錠・再保管が可能となるようにすることもできる。又は、配送請負者に確認・許可を得たときのみ配送依頼者がロッカー40を再度解錠・再保管することが可能としてもよい。
【0070】
図11を参照して、配送請負者が配送依頼に係る商品をロッカー40に再保管する手順を説明する。配送請負者がロッカー40から配送依頼に係る商品を取り出し、配送先に向かったが、配送依頼者が不在で商品を引き渡すことが出来ない場合がある。このような場合において、配送請負者は、端末20又は30からサーバ10に向けて、配送依頼者が配送先(自宅等)に不在である旨の通知を送信する。サーバ10は、この通知を受信すると(ステップS161)、当該配送依頼に係る商品の配送時刻が、配送希望時間(開始時刻)よりも後であるか否かを判定する(ステップS162)。
【0071】
ステップS162の判定がNoの場合、サーバ10は、配送請負者の端末20又は30に対し、配送依頼者の帰宅を確認するなどして、再度配送希望時間内に配送することを試みることを配送請負者へ通知(依頼)する(ステップS163)。
【0072】
一方、ステップS162の判定がYesの場合には、配送時刻が配送希望時間(終了時刻)よりも前の時刻であるか否かを判定する(ステップS164)。ステップS164の判定がNoの場合、ステップS167に移行する。ステップS164の判定がYesの場合、ステップS165において、所謂「置き配(非対面で玄関の前や所定位置へ荷物を置くこと)」による配送が不可であるか否かが判定される。ステップS165の判定がNo(置き配が可能)であれば、サーバ10はその旨を配送請負者に通知する(ステップS166)。一方、ステップS165の判定がYesの場合(置き配が不可)である場合には、ステップS167に移行する。
【0073】
配送希望時間内の配送が不可能であり、置き配も不可能である場合には、サーバ10は、配送依頼に係る商品を再度ロッカー40に再保管することを配送請負者に依頼する依頼通知を送付する。依頼通知には、商品の保管情報(ロッカー番号、認証情報、その他)が含まれる(ステップS167)。配送請負者は、適宜指定されたロッカー番号のロッカー40に、配送依頼に係る商品(一旦ロッカー40から取り出した商品)を再度保管・施錠する。保管が完了すると、配送請負者は、端末20又は30から保管完了の通知をサーバ10に送信する。サーバ10は、この通知を受信すると(ステップS168)、配送依頼者へ保管情報(ロッカー番号、認証情報、その他)を送信する(ステップS169)。この情報を配送依頼者が受信することにより、配送依頼者は、再保管された商品をロッカー40から認証情報を使って取出し、自ら持ち帰ることが可能となる。また、配送請負者が再配送を承諾した場合は、配送請負者へも認証情報が送信され、配送請負者は配送依頼者の帰宅を各種方法により確認した後、再度ロッカー40から商品を認証情報を用いて取り出し、配送を実行することもできる。
【0074】
以上説明したように、この本実施形態に係る情報処理システム1によれば、ユーザが端末20及び30を介して、ロッカー40に預け入れした購入商品の配送依頼をする一方で、他のユーザの配送依頼情報に基づき、配送申出をすることで、配送者として行動することが促される。これにより、配送者の不足を補い、店舗における配送業務を円滑且つ迅速に、且つ安価に実行することが容易になる。ロッカー40の解錠可能時間が設定されることで、長時間に亘る商品の持ち出しがされることが抑制され、配送依頼者の不安感を抑制することが可能となる。
【0075】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る情報処理システムを、図12及び図13を参照して説明する。この実施の形態は、図12に示すように、ロッカー40に代えて、有人のクローク40’を設け、配送依頼者はこのクローク40’に購入商品を預けると共に、配送請負者はクローク40’から商品を認証情報に従い取り出す(受け取る)ようにされている。
【0076】
図13に示すように、クローク40’は、ロッカー40と同様に収納部41’、解錠/取出認証部42’、解錠/取出時刻送信部43’、及び在宅認証部44’を備える。解錠/取出認証部42’は、例えば、配送請負者が端末等を介して提示した認証情報を読み取るバーコードリーダーなどにより構成され得る。このように、第2の実施の形態では、有人のクローク40’を利用して、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、クローク40’においては、スタッフが常駐していることから、収納部41’における解錠は省略し、取出認証のみとすることが可能である。
【0077】
以上、本発明の種々の実施形態を説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。例えば、上記の実施の形態では、配送依頼者が在宅しており、配送請負者が配送依頼者の在宅中に配送商品の引き渡しをする構成とされている。これに代えて、配送依頼者の在宅は不要とし、例えば所謂「置き配」により配送を完了させる形式とすることも可能である。
【符号の説明】
【0078】
10…情報処理サーバ、20、30…端末、 40…ロッカー、 40’…クローク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13