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特開2023-112989管理システム、保管装置および制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023112989
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】管理システム、保管装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20230807BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20230807BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
B65G1/04 555Z
B65G1/04 515Z
G05B19/418 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015057
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石谷 泰行
(72)【発明者】
【氏名】柿島 信幸
(72)【発明者】
【氏名】井上 涼太
(72)【発明者】
【氏名】小原 啓史
(72)【発明者】
【氏名】大内 一生
(72)【発明者】
【氏名】上山口 潤
(72)【発明者】
【氏名】吉武 高徳
【テーマコード(参考)】
3C100
3F022
5E353
【Fターム(参考)】
3C100AA03
3C100AA22
3C100AA27
3C100AA59
3C100AA63
3C100BB19
3C100BB21
3C100EE07
3F022AA07
3F022AA08
3F022FF06
3F022HH05
3F022JJ11
3F022KK18
3F022KK20
3F022LL07
5E353AA01
5E353CC01
5E353CC04
5E353CC21
5E353CC22
5E353CC25
5E353DD02
5E353HH01
5E353HH11
5E353HH71
5E353HH80
5E353QQ23
(57)【要約】
【課題】部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダの管理を適切に行うことができる管理システムを提供する。
【解決手段】部品実装システム1は、部品実装装置30に着脱可能な台車50に着脱されるフィーダ60を保管する保管装置20を含む管理システムであって、保管装置20は、フィーダ60を保管する保管部25と、台車50を格納する台車格納部26と、台車格納部26に格納された台車50に、保管部25に保管されているフィーダ60を取り付けるマニピュレータ23と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置を含む管理システムであって、
前記保管装置は、
フィーダを保管する保管部と、
前記台車を格納する台車格納部と、
前記台車格納部に格納された前記台車に、前記保管部に保管されているフィーダを取り付けるマニピュレータと、を備える、
管理システム。
【請求項2】
前記管理システムは、さらに、前記台車格納部に前記台車が格納されているか否かを判定する判定部を備え、
前記マニピュレータは、前記判定部によって前記台車が格納されていると判定された場合、前記保管部に保管されているフィーダのうち、生産計画で使用することが予定されているフィーダを前記台車に取り付ける、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理システムは、さらに、前記台車を搬送する無人搬送車を備え、
前記無人搬送車は、前記判定部によって前記台車が格納されていないと判定された場合、前記台車を搬送して前記台車格納部に格納する、
請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記マニピュレータは、前記台車に搭載されているフィーダのうち、前記生産計画で使用することが予定されていないフィーダを前記保管部に移動する、
請求項2または3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記管理システムは、さらに、前記部品実装装置から実装データを取得する取得部と、
前記実装データに基づいて判定されたフィーダの状態情報を記憶する記憶部と、を備える、
請求項2~4のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記生産計画と前記状態情報とに基づいて、前記生産計画で使用される予定のフィーダが不調であるか否かを判定し、
前記マニピュレータは、不調と判定されたフィーダを前記台車から前記保管部に移動する、
請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記マニピュレータは、前記生産計画で使用される予定のフィーダが前記判定部によって不調と判定された場合、代わりに正常なフィーダを前記保管部から前記台車に取り付ける、
請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
前記管理システムは、さらに、前記不調のフィーダの使用を制限するように前記生産計画を更新する更新部を備える、
請求項6または7に記載の管理システム。
【請求項9】
部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置であって、
フィーダを保管する保管部と、
前記台車を格納する台車格納部と、
前記台車格納部に格納された前記台車にフィーダを取り付けるマニピュレータと、を備える、
保管装置。
【請求項10】
部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置を含む管理システムにおける制御方法であって、
前記保管装置に前記台車が格納されているか否かを判定し、
前記台車が格納されていると判定された場合、前記台車に搭載されているフィーダのうち、生産計画で使用することが予定されていないフィーダを前記保管装置に移動するように、あるいは、前記保管装置に保管されているフィーダのうち、前記生産計画で使用することが予定されているフィーダを前記台車に取り付けるように、前記保管装置の中に備わるマニピュレータを制御する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置、保管装置を含む管理システム、および、管理システムにおける制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、部品を支持するトレイが搭載される搭載部と、走行面に接触可能な車輪とを有するカートと、連結機構を介してカートと相対移動可能に連結され、走行面を走行する無人搬送車とを備え、カートは、トレイを支持可能な昇降部材を有するエレベータ装置に設けられた通路空間に進入して、前記昇降部材との間でトレイを搬送する部品搬送装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、リール保管庫と、リール保管庫に設けられているリール巻き替え装置と、リール保管庫に設けられ、リールを含む収納物を収納するための収納スペースと、巻き替え部と、移動部とを備える保管装置が開示されている。リール保管庫は、部品を収容する部品テープが巻き回されている第一リール、および、第一リールと比べてリール径が異なる第二リールのうちの少なくとも一方であるリールを保管する。巻き替え部は、第一リールがリール保管庫に入庫するときに、第二リールへの巻き替えの必要に応じて、リール巻き替え装置を用いて、第一リールに巻き回されている部品テープを、第二リールに巻き替えさせる。移動部は、リールを所定の収納スペースに移動させて収納させ、リールの出庫時に、当該収納スペースに収納されているリールをリール保管庫の出庫口に移動させて出庫させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6785742号公報
【特許文献2】特許第6893565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2に開示されるような部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダの管理を適切に行いたいという要望がある。
【0006】
そこで、本開示は、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダの管理を適切に行うことができる管理システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る管理システムは、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置を含む管理システムであって、前記保管装置は、フィーダを保管する保管部と、前記台車を格納する台車格納部と、前記台車格納部に格納された前記台車に、前記保管部に保管されているフィーダを取り付けるマニピュレータと、を備える。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な側面は、システム、装置、方法、記録媒体、または、コンピュータプログラムで実現されてもよく、システム、装置、方法、記録媒体、および、コンピュータプログラムの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る管理システムなどによれば、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダの管理を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る部品実装システムの全体構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る部品実装システムの構成の詳細を示す図である。
図3】実施の形態に係る保管装置を示す斜視図である。
図4】台車が格納された保管装置を模式的に示す図である。
図5】台車が格納された保管装置を模式的に示す図である。
図6】保管装置の台車格納部を模式的に示す図である。
図7】保管装置に格納された台車にフィーダが取り付けられ、台車が部品実装装置に連結されるまでの流れを説明するための図である。
図8】台車が保管装置に格納され、台車に取り付けられたフィーダが保管装置の保管部に保管されるまでの流れを説明するための図である。
図9】実施の形態に係る部品実装システムの動作を示すシーケンス図である。
図10】実施の形態に係る管理コンピュータの生産開始前の動作の一例を示すフローチャートである。
図11】実施の形態に係る管理コンピュータの段取り替え時または生産終了後の動作の一例を示すフローチャートである。
図12】実施の形態に係る管理コンピュータの生産開始前または段取り替え時の動作の他の一例を示すフローチャートである。
図13】実施の形態に係る管理コンピュータの生産で使用するフィーダおよび生産で使用しないフィーダを決定する際の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本開示の一態様を得るに至った経緯)
部品実装装置を用いた基板の生産の開始前に、部品実装装置に着脱可能な台車の指定された位置に、生産に必要なフィーダを人が取り付けている。また、生産終了後には、人が、台車に取り付けられたフィーダを取り外して、保管ラックなどに保管している。このように人の手を介して台車へのフィーダの着脱が行われる場合には、フィーダの管理が煩雑となり得る。
【0012】
これに対して、以下では、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダの管理を適切に行うことができる管理システムなどについて説明する。
【0013】
本開示の管理システムは、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置を含む管理システムであって、前記保管装置は、フィーダを保管する保管部と、前記台車を格納する台車格納部と、前記台車格納部に格納された前記台車に、前記保管部に保管されているフィーダを取り付けるマニピュレータと、を備える。
【0014】
これによれば、保管装置の台車格納部に格納された台車へ、人の手を介さずにマニピュレータを用いて自動でフィーダを取り付けることができる。このため、フィーダの管理をコンピュータによって自動化することができ、フィーダの管理を適切に行うことができる。また、保管装置の台車格納部に台車が格納されることで、台車と保管装置に設けられたマニピュレータとの位置関係を固定しやすくなるため、台車へのフィーダの取り付けを正確に行うことができる。
【0015】
例えば、前記管理システムは、さらに、前記台車格納部に前記台車が格納されているか否かを判定する判定部を備え、前記マニピュレータは、前記判定部によって前記台車が格納されていると判定された場合、前記保管部に保管されているフィーダのうち、生産計画で使用することが予定されているフィーダを前記台車に取り付けてもよい。
【0016】
これによれば、台車格納部に台車が格納されているか否かを判定することができる。また、台車格納部に格納されている台車に、生産計画で使用することが予定されているフィーダを取り付けることができる。
【0017】
例えば、前記管理システムは、さらに、前記台車を搬送する無人搬送車を備え、前記無人搬送車は、前記判定部によって前記台車が格納されていないと判定された場合、前記台車を搬送して前記台車格納部に格納してもよい。
【0018】
これによれば、台車格納部に台車が格納されていない場合には、無人搬送車によって台車を自動で台車格納部に格納することができる。
【0019】
例えば、前記マニピュレータは、前記台車に搭載されているフィーダのうち、前記生産計画で使用することが予定されていないフィーダを前記保管部に移動してもよい。
【0020】
これによれば、生産計画で使用することが予定されているフィーダを、人の手を介さずにマニピュレータを用いて自動で台車から保管部に移動させることができる。このため、フィーダの管理をコンピュータによって自動化することができ、フィーダの管理を適切に行うことができる。
【0021】
例えば、前記管理システムは、さらに、前記部品実装装置から実装データを取得する取得部と、前記実装データに基づいて判定されたフィーダの状態情報を記憶する記憶部と、を備えていてもよい。
【0022】
これによれば、実装データに基づいてフィーダの状態を判定することができる。例えば、実装データが良好である場合にはフィーダの状態も良好であると判定することができ、実装データが良好でない場合にはフィーダの状態も良好でないと判定することができる。このようにして判定されたフィーダの状態情報が記憶されるため、フィーダの管理を適切に行うことができる。
【0023】
例えば、前記判定部は、前記生産計画と前記状態情報とに基づいて、前記生産計画で使用される予定のフィーダが不調であるか否かを判定し、前記マニピュレータは、不調と判定されたフィーダを前記台車から前記保管部に移動してもよい。
【0024】
これによれば、不調のフィーダが使用されないようにすることができる。また、不調のフィーダを、マニピュレータを用いて自動で台車から保管部に移動させることができるため、不調のフィーダの管理(例えば、どのフィーダが不調であり、どこに保管されているかなどの管理)を行うことができる。
【0025】
例えば、前記マニピュレータは、前記生産計画で使用される予定のフィーダが前記判定部によって不調と判定された場合、代わりに正常なフィーダを前記保管部から前記台車に取り付けてもよい。
【0026】
これによれば、不調のフィーダの代わりに正常なフィーダを使用して生産を行うことができる。
【0027】
例えば、前記管理システムは、さらに、前記不調のフィーダの使用を制限するように前記生産計画を更新する更新部を備えていてもよい。
【0028】
これによれば、不調のフィーダが使用されないように生産計画を更新することができる。
【0029】
本開示の保管装置は、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置であって、フィーダを保管する保管部と、前記台車を格納する台車格納部と、前記台車格納部に格納された前記台車にフィーダを取り付けるマニピュレータと、を備える。
【0030】
これによれば、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダの管理を適切に行うことができる保管装置を提供できる。
【0031】
本開示の制御方法は、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置を含む管理システムにおける制御方法であって、前記保管装置に前記台車が格納されているか否かを判定し、前記台車が格納されていると判定された場合、前記台車に搭載されているフィーダのうち、生産計画で使用することが予定されていないフィーダを前記保管装置に移動するように、あるいは、前記保管装置に保管されているフィーダのうち、前記生産計画で使用することが予定されているフィーダを前記台車に取り付けるように、前記保管装置の中に備わるマニピュレータを制御する。
【0032】
これによれば、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダの管理を適切に行うことができる制御方法を提供できる。
【0033】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。
【0034】
(実施の形態)
以下、図1から図13を用いて実施の形態について説明する。
【0035】
図1は、実施の形態に係る部品実装システム1の全体構成を示す図である。
【0036】
部品実装システム1は、基板に電子部品などの部品を半田接合などにより実装することで実装基板を生産する機能を有している。なお、部品が接着剤などにより基板に接合されることで、実装基板が生成されてもよい。部品実装システム1は、実装基板を生産するために、部品実装ライン80と、部品実装ライン80とネットワークで接続された管理コンピュータ10とを備えている。部品実装ライン80は、基板供給装置、スクリーン印刷装置、部品実装装置30(図2参照)、リフロー装置、基板回収装置および検査装置などを備えている。管理コンピュータ10は、部品実装ライン80における生産管理に関する制御を行う。また、部品実装システム1は、保管装置20、無人搬送車制御システム70および無人搬送車40を備える。保管装置20は、部品実装装置30に着脱可能な台車50(図2参照)に着脱されるフィーダ60(図2参照)を保管する。無人搬送車制御システム70は、管理コンピュータ10によって制御されることで、無人搬送車40を制御する。無人搬送車40は、台車50を搬送し、部品実装ライン80と保管装置20との間を移動する。無人搬送車40は、例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle)やAMR(Autonomous Mobile Robot)などである。部品実装システム1は、部品実装装置30に着脱可能な台車50に着脱されるフィーダ60を保管する保管装置20を含む管理システムの一例である。
【0037】
図2は、実施の形態に係る部品実装システム1の構成の詳細を示す図である。図2には、部品実装システム1の構成として、管理コンピュータ10、部品実装装置30、無人搬送車40および保管装置20を示している。
【0038】
管理コンピュータ10は、部品実装装置30、無人搬送車40(具体的には無人搬送車制御システム70)および保管装置20と通信可能に接続されており、これらを制御し、また管理する。管理コンピュータ10は、制御部11、記憶部12および通信部13を備える。
【0039】
制御部11は、CPU装置であり、記憶部12に記憶された各種のプログラムやデータに基づいて動作する。制御部11は、台車格納部26(図6参照)に台車50が格納されているか否か、および、生産計画と状態情報とに基づいて、生産計画で使用される予定のフィーダ60が不調であるか否かを判定する判定部の一例である。また、制御部11は、部品実装装置30から実装データを取得する取得部の一例である。また、制御部11は、不調のフィーダ60の使用を制限するように生産計画を更新する更新部の一例である。また、制御部11は、不調のフィーダ60のメンテナンス計画を作成する。制御部11の動作の詳細については後述する。
【0040】
記憶部12は、生産計画情報12a、実装データ12b、フィーダ管理情報12cおよびメンテナンス計画情報12dを記憶する。
【0041】
生産計画情報12aは、部品実装装置30などを用いた実装基板などの生産計画を示す情報である。生産計画情報12aには、例えば、使用することが予定されているフィーダ60の情報などが含まれる。例えば、記憶部12には、生産計画情報12aとして、予め作成された生産計画が記憶されているが、制御部11によって生産計画が更新されてもよい。
【0042】
実装データ12bは、部品実装装置30によって行われた基板への部品の実装時のデータであり、例えば、生産に用いられたフィーダ60からの部品の吸着回数および部品の吸着位置のばらつきなどのデータを含む。例えば、部品の吸着回数が多いほどフィーダ60が不調となっている可能性が高くなる。また、例えば、部品の吸着位置のばらつきが大きい場合、フィーダ60が不調となっている可能性が高い。実装データ12bは、部品実装装置30から取得されて記憶部12に記憶される。
【0043】
フィーダ管理情報12cは、実装データ12bに基づいて判定された、フィーダ60の状態を示す状態情報の一例である。例えば、フィーダ管理情報12cにおいて、フィーダ60のフィーダIDと保管装置20におけるフィーダ60の保管場所とフィーダ60のメンテナンスの要否を示すフラグとが対応付けられている。つまり、フィーダ管理情報12cによって、どのフィーダIDのフィーダ60がどの場所にあるかといったことや、どのフィーダIDのフィーダ60のメンテナンスが必要であるかといったことを管理することができる。フィーダ管理情報12cは、例えば、フィーダIDごとのフィーダ60の保管場所の情報が保管装置20から取得され、フィーダ60のメンテナンスの要否を示すフラグと対応付けられて記憶部12に記憶される。
【0044】
メンテナンス計画情報12dは、不調のフィーダ60のメンテナンス計画を示す情報である。メンテナンス計画に基づいて、フィーダ60のモータの交換などのメンテナンスが行われる。メンテナンス計画情報12dは、例えば、制御部11に作成されて記憶部12に記憶される。
【0045】
通信部13は、部品実装装置30、無人搬送車制御システム70および保管装置20との通信を行う通信インタフェースである。通信部13は、部品実装装置30、無人搬送車制御システム70および保管装置20とデータおよびコマンドなどの送受信を行う。通信部13は、有線の通信インタフェースであってもよいし、無線の通信インタフェースであってもよい。
【0046】
部品実装装置30は、基板に部品を実装ヘッドで実装する部品実装作業を実行する装置である。部品実装装置30は、実装制御部31、実装記憶部32および通信部33を備える。また、部品実装装置30は、部品実装装置30に着脱可能な台車50(フィーダ台車)と連結されることで、台車50と一体化する。台車50は、部品実装装置30と連結するための連結機構51が設けられている。また、台車50は、台車50に着脱されるフィーダ60が取り付けられる。
【0047】
実装制御部31は、管理コンピュータ10から送信された生産計画情報12aなどを用いて、部品実装作業を実行する。実装制御部31は、台車50に取り付けられたフィーダ60から供給される部品を吸着し、吸着された部品を基板に実装するように、部品実装装置30が備える実装ヘッドを制御する。
【0048】
実装記憶部32は、部品実装装置30によって行われた基板への部品の実装時のデータである実装データを記憶する。実装記憶部32に記憶された実装データは、管理コンピュータ10へ送信される。
【0049】
通信部33は、管理コンピュータ10との通信を行う通信インタフェースである。通信部33は、管理コンピュータ10とデータおよびコマンドなどの送受信を行う。通信部33は、有線の通信インタフェースであってもよいし、無線の通信インタフェースであってもよい。
【0050】
無人搬送車40は、台車50を搬送する無人の搬送車である。無人搬送車40は、走行制御部41、走行機構42、搬送機構43および無線通信部44を備える。
【0051】
走行制御部41は、無人搬送車制御システム70からの指示に応じて無人搬送車40の挙動を制御する。例えば、走行制御部41は、部品実装装置30と保管装置20との間を、無人搬送車40を移動させる。なお、無人搬送車40は、無人搬送車制御システム70を介さずに、管理コンピュータ10に直接制御されてもよい。この場合、走行制御部41は、管理コンピュータ10からの指示に応じて無人搬送車40の挙動を制御する。
【0052】
走行機構42は、無人搬送車40を走行させるための機構であり、例えば、部品実装装置30および保管装置20が設けられたフロア上を走行するためのタイヤなどである。なお、部品実装装置30および保管装置20が設けられたフロア上にレールが設置されていてもよく、走行機構42は、当該レール上を走行するための車輪などであってもよい。
【0053】
搬送機構43は、無人搬送車40と台車50とを連結するための機構、または無人搬送車40が台車50を持ち上げるための機構である。搬送機構43によって無人搬送車40と台車50とが連結されることで、または無人搬送車40が台車50を持ち上げることで、無人搬送車40は、台車50を搬送することができる。無人搬送車40が台車50を持ち上げる場合、搬送機構43は、フォークリフトのように台車50を持ち上げる機構でもよいし、天板が昇降することで台車50を持ち上げるような機構でもよい。
【0054】
無線通信部44は、無人搬送車制御システム70との通信を行う無線通信インタフェースである。無線通信部44は、無人搬送車制御システム70とコマンドなどの送受信を行う。なお、無人搬送車40が、無人搬送車制御システム70を介さずに管理コンピュータ10に直接制御される場合には、無線通信部44は、管理コンピュータ10との通信を行う。
【0055】
保管装置20は、部品実装装置30に着脱可能な台車50に着脱されるフィーダ60を保管する装置である。保管装置20は、制御部21、保管場所管理部22、マニピュレータ23、認識部24、保管部25、台車格納部26および通信部27を備える。
【0056】
保管部25は、フィーダ60を保管するラックなどである。例えば、フィーダ60は、部品の送りピッチおよびテープ幅などによって様々な種類があり、同一種類のものも含め複数のフィーダ60が保管部25に保管される。
【0057】
台車格納部26は、台車50を格納するために保管装置20に設けられたスペースである。台車50が台車格納部26に格納されることで、台車50とマニピュレータ23との位置関係を固定しやすくなる。
【0058】
マニピュレータ23は、台車格納部26に格納された台車50に、保管部25に保管されているフィーダ60を取り付けたり、台車50に搭載されているフィーダ60を保管部25に移動したりする。後述する図4および図5に示されるように、例えば、マニピュレータ23はその根元が上下方向に移動可能となっている。また、例えば、マニピュレータ23では、1つ以上の関節部分を介してアームが接続されており、マニピュレータ23の先端を上下左右方向に移動可能となっている。また、例えば、マニピュレータ23の先端は、物体を把持可能な機構を有しており、フィーダ60などを把持することができる。さらに、マニピュレータ23の先端は、自転可能となっていてもよい。
【0059】
制御部21は、マニピュレータ23を制御する。例えば、制御部21は、マニピュレータ23の先端を上下方向や左右方向に移動させたり、マニピュレータ23の先端でフィーダ60を把持したり、マニピュレータ23の先端を自転させたりする。例えば、制御部21は、管理コンピュータ10から送信された生産計画情報12aなどを用いて、目的とするフィーダ60(例えば生産計画で使用することが予定されているフィーダ60または生産計画で使用することが予定されていないフィーダ60など)へマニピュレータ23の先端を移動させて当該フィーダ60を把持させる。
【0060】
認識部24は、マニピュレータ23によって目的とするフィーダ60を把持する際に、目的とするフィーダ60であるか否かを認識する。また、認識部24によって、マニピュレータ23の先端の位置の微調整が可能となる。認識部24は、例えばカメラやレーザなどの物体検出センサなどによって実現できる。なお、必ずしも目的とするフィーダ60であるか否かの認識をしたり、マニピュレータ23の先端の位置の微調整をしたりする必要はないため、保管装置20は、認識部24を備えていなくてもよい。なお認識部24は、台車格納部26に台車が存在するか否かを示す空き状況を認識してもよい。また、マニピュレータ23が認識部24を備えてもよい。
【0061】
保管場所管理部22は、保管部25に保管されたフィーダ60の保管場所を管理する。保管場所管理部22では、例えば、保管部25に保管されたフィーダ60のフィーダIDと、フィーダ60の保管部25における保管場所とがフィーダ60ごとに対応付けられて記憶される。
【0062】
通信部27は、管理コンピュータ10との通信を行う通信インタフェースである。通信部27は、管理コンピュータ10とデータおよびコマンドなどの送受信を行う。通信部27は、有線の通信インタフェースであってもよいし、無線の通信インタフェースであってもよい。
【0063】
ここで、保管装置20について、図3から図6を用いてより詳細に説明する。
【0064】
図3は、実施の形態に係る保管装置20を示す斜視図である。図3で示されるように、保管装置20は無人搬送車40または台車50が搬出入されるための搬送口を備える。なお搬送口の形状は矩形に限らない。搬送口は複数備わっていてもよい。後述する図6に示されるように、搬送口が設けられる位置は特に限定されない。
【0065】
図4および図5は、台車50が格納された保管装置20を模式的に示す図である。図4および図5図3に示すVa-Va断面を示す断面図である。
【0066】
図6は、保管装置20の台車格納部26を模式的に示す図である。図6図3に示すVb-Vb断面を示す断面図である。
【0067】
図4の(a)に示されるように、保管装置20に対して無人搬送車40が台車50を押したり、持ち上げながら前進したりして入れるように、台車50が保管装置20に格納されてもよい。あるいは、図4の(b)に示されるように、保管装置20に対して無人搬送車40が台車50を引いたり、持ち上げながら後退したりして入れるように、台車50が保管装置20に格納されてもよい。図4の(b)の場合には、保管装置20に無人搬送車40が入るスペースが設けられていてもよい。
【0068】
図4などに示されるように、保管装置20(保管部25)は、複数のフィーダ60を保管することができる。図4などには、複数のフィーダ60として、フィーダ60a、60bおよび60cが示されている。以下では、フィーダ60a、60bおよび60cを区別して説明する必要がない場合には、フィーダ60と記載する。ここでは、説明のために、3つのフィーダ60を示しているが、保管装置20は、3つ以上のフィーダ60を保管できてもよい。また、ここでは、複数のフィーダ60が複数段に分かれて保管されている例を示しているが、1つの段に複数のフィーダ60が保管されてもよい。
【0069】
例えば、台車50にフィーダ60を取り付ける際には、フィーダ60が特定の向きとなっている必要があるが、台車50が保管装置20へ格納される際の台車の向きに応じて、保管装置20に格納された台車50の保管装置20に対する向きが異なる場合がある。例えば、図4の(a)において、無人搬送車40が台車50を保管装置20に押して入れる場合と、引いて入れる場合とで、保管装置20に格納された台車50の保管装置20に対する向きが異なる。このような場合であっても、マニピュレータ23は、先端が自転可能となっていることで、把持したフィーダ60を回転させて特定の向きとし、台車50にフィーダ60を正しく取り付けることができる。
【0070】
図5に示されるように、保管装置20に同時に複数の台車50が格納されてよい。この場合、ある台車50に対するフィーダ60の交換(取り付けまたは取り外し)を完了させた後、すぐに別の台車に対するフィーダ60の交換を開始することができ、作業効率を向上させることができる。
【0071】
図6の(a)から(c)に示されるように、保管装置20において台車格納部26が設けられる位置は特に限定されない。
【0072】
次に、台車50へフィーダ60が取り付けられ、また、台車50に取り付けられたフィーダ60が保管装置20に保管される際の流れについて図7および図8を用いて説明する。
【0073】
図7は、保管装置20に格納された台車50にフィーダ60が取り付けられ、台車50が部品実装装置30に連結されるまでの流れを説明するための図である。例えば、図7は、生産開始前の流れを示す。
【0074】
図7の(a)に示されるように、台車50が保管装置20の台車格納部26に格納される。例えば、フィーダ管理情報12cなどを用いて、生産計画で使用することが予定されているフィーダ60が特定される。ここでは、フィーダ60cが特定されたとする。
【0075】
次に、図7の(b)に示されるように、マニピュレータ23は、特定されたフィーダ60cを把持し、台車50へ取り付ける。
【0076】
次に、図7の(c)に示されるように、無人搬送車40は、フィーダ60cが取り付けられた台車50を、フィーダ60cを用いて部品の実装を行う部品実装装置30へ向けて搬送する。
【0077】
そして、図7の(d)に示されるように、フィーダ60cが取り付けられた台車50が部品実装装置30に連結される。これにより、部品実装装置30は、フィーダ60cから供給される部品を基板に実装することができる。
【0078】
図8は、台車50が保管装置20に格納され、台車50に取り付けられたフィーダ60が保管装置20の保管部25に保管されるまでの流れを説明するための図である。例えば、図8は、段取り替え時または生産終了後の流れを示す。
【0079】
部品実装装置30での生産中または生産終了後に、実装データ(フィーダ60cからの部品の吸着回数および部品の吸着位置のばらつきなどのデータ)が管理コンピュータ10へ送信される。そして、図8の(a)に示されるように、無人搬送車40は、フィーダ60cが取り付けられた台車50を部品実装装置30から外し、保管装置20へ向けて搬送する。
【0080】
次に、図8の(b)に示されるように、無人搬送車40は、フィーダ60cが取り付けられた台車50を保管装置20の台車格納部26に格納する。
【0081】
次に、図8の(c)に示されるように、マニピュレータ23は、台車50に取り付けられたフィーダ60cを把持する。
【0082】
そして、図8の(d)に示されるように、マニピュレータ23は、把持したフィーダ60cを保管装置20の保管部25に保管する。フィーダ60cは、保管部25の空きスペースに保管されてもよいし、予め決められた場所に保管されてもよい。保管装置20は、フィーダ60cのフィーダIDとフィーダ60cの保管場所を管理コンピュータ10に送信し、フィーダ60cの保管場所が管理される。
【0083】
次に、部品実装システム1の動作について図9を用いて説明し、管理コンピュータ10の動作の詳細について図10から図13を用いて説明する。
【0084】
図9は、実施の形態に係る部品実装システム1の動作を示すシーケンス図である。
【0085】
管理コンピュータ10は、無人搬送車40を制御して、台車50を部品実装ライン80(部品実装装置30)から保管装置20に搬送させる(ステップS101)。具体的には、管理コンピュータ10は、無人搬送車制御システム70に対して、無人搬送車40を制御させる制御指令を送信し(ステップS102)、無人搬送車制御システム70は、無人搬送車40に対して、無人搬送車40を制御する制御指令を送信する(ステップS103)。
【0086】
無人搬送車40は、受信した制御指令に従って、台車50を保管装置20の台車格納部26に格納する(ステップS104)。
【0087】
管理コンピュータ10は、保管装置20に対して、ステップS106での処理を実行させるための制御指令を送信する(ステップS105)。これにより、保管装置20は、台車格納部26に格納された台車50のフィーダ60を交換(取り外しおよび取り付け)して、取り外したフィーダ60を保管装置20の保管部25に移動させるようにマニピュレータ23を制御する(ステップS106)。
【0088】
保管装置20は、保管されたフィーダ60のフィーダIDおよび保管場所を取得する(ステップS107)。そして、保管装置20は、取得したフィーダIDおよび保管場所を管理コンピュータ10に送信し(ステップS108)、管理コンピュータ10は、受信したフィーダIDおよび保管場所を記憶部12に記憶する(ステップS109)。
【0089】
図10は、実施の形態に係る管理コンピュータ10の生産開始前の動作の一例を示すフローチャートである。
【0090】
まず、制御部11は、保管装置20に移動させるべき台車50を特定する(ステップS11)。特定される台車50は、保管装置20においてフィーダ60が取り付けられ、部品実装装置30に連結される台車50である。台車50の特定方法は特に限定されない。例えば、生産計画で予め決められた台車50が特定されてもよいし、他の作業で使用されておらず空いている台車50が特定されてもよいし、部品実装システム1が備わる施設の作業者が端末(図示しない)へ台車50に関する情報を入力して、入力された情報を制御部11が取得することで特定されてもよい。
【0091】
次に、制御部11は、保管装置20から、保管装置20の状況を示す状況情報を取得する(ステップS12)。例えば、状況情報には、保管装置20の台車格納部26に台車50が格納されているか、格納されている台車50のID、格納されている台車50にフィーダ60が取り付けられているか、交換が終了した台車50のID、格納されている台車50に取り付けられているフィーダ60のIDといった情報が含まれる。
【0092】
次に、制御部11は、状況情報に基づいて、保管装置20の台車格納部26に、特定された台車50が格納されているか否かを判定する(ステップS13)。
【0093】
特定された台車50が保管装置20の台車格納部26に格納されていないと判定された場合(ステップS13でNo)、制御部11は、無人搬送車40を制御して、特定された台車50を保管装置20に格納させる(ステップS14)。これにより、無人搬送車40は、特定された台車50を搬送して台車格納部26に格納する。その結果、ステップS12で取得される状況情報が、特定された台車50が保管装置20の台車格納部26に格納されていることを示すことになり、ステップS13で、特定された台車50が保管装置20に格納されていると判定されるようになる。
【0094】
特定された台車50が保管装置20の台車格納部26に格納されていると判定された場合(ステップS13でYes)、制御部11は、台車50に搭載されているフィーダ60のうち、生産計画で使用することが予定されていないフィーダ60を台車50から保管装置20の保管部25に移動し、保管装置20の保管部25に保管されているフィーダ60のうち、生産計画で使用することが予定されているフィーダ60を台車50に取り付けるように、マニピュレータ23を制御する(ステップS15)。保管装置20の保管部25に移動されられたフィーダ60については、フィーダIDと保管場所が保管場所管理部22によって管理される。なお、台車50から取り外されたフィーダ60が保管装置20の保管部25に移動させられなくてもよく、当該台車50における別の場所に移動させられてもよい。ステップS15での処理の詳細については後述する図13で説明する。
【0095】
次に、制御部11は、保管装置20に移動したフィーダ60のフィーダIDとフィーダ60の保管場所を保管装置20から取得して記憶部12に記憶する(ステップS16)。これにより、保管装置20におけるフィーダ60の保管場所を管理コンピュータ10で管理することができる。
【0096】
次に、制御部11は、無人搬送車40を制御して、保管装置20の台車格納部26に格納された、フィーダ60が取り付けられた台車50に無人搬送車40を搬送させる(ステップS17)。
【0097】
そして、制御部11は、無人搬送車40を制御して、フィーダ60が取り付けられた台車50を、当該フィーダ60を使用して部品を実装する部品実装装置30に連結させる(ステップS18)。これにより、部品実装装置30は、フィーダ60から供給される部品を基板に実装することができる。
【0098】
図11は、実施の形態に係る管理コンピュータ10の段取り替え時または生産終了後の動作の一例を示すフローチャートである。
【0099】
まず、制御部11は、無人搬送車40を制御して、部品実装装置30に連結された台車50に無人搬送車40を連結させる(ステップS21)。
【0100】
次に、制御部11は、無人搬送車40を制御して、無人搬送車40に連結した台車50を保管装置20の台車格納部26に格納させる(ステップS22)。
【0101】
制御部11は、台車50に搭載されているフィーダ60のうち、生産計画で使用することが予定されていないフィーダ60を台車50から保管装置20の保管部25に移動し、保管装置20の保管部25に保管されているフィーダ60のうち、生産計画で使用することが予定されているフィーダ60を台車50に取り付けるように、マニピュレータ23を制御する(ステップS23)。なお、ステップS23での処理は、ステップS15での処理と同じであり、詳細については後述する図13で説明する。
【0102】
そして、制御部11は、保管装置20に移動したフィーダ60のフィーダIDとフィーダ60の保管場所を保管装置20から取得して記憶部12に記憶する(ステップS24)。これにより、保管装置20におけるフィーダ60の保管場所を管理コンピュータ10で管理することができる。
【0103】
図12は、実施の形態に係る管理コンピュータ10の生産開始前または段取り替え時の動作の他の一例を示すフローチャートである。
【0104】
まず、制御部11は、無人搬送車40を制御して、フィーダ60の交換が必要な台車50に無人搬送車40を搬送させる(ステップS31)。フィーダ60の交換が必要な台車50は、生産開始前においてフィーダ60が取り付けられていない台車50であってもよいし、段取り替え時において部品実装装置30に連結された台車のうち別のフィーダ60を取り付ける必要がある台車50であってもよい。
【0105】
次に、制御部11は、保管装置20から、保管装置20の状況を示す状況情報を取得する(ステップS32)。例えば、状況情報には、保管装置20の台車格納部26の空き状況の情報が含まれる。例えば、認識部24が台車格納部26に台車50が存在しないと認識した場合、保管装置20の制御部21は、台車格納部26のIDにフラグを対応付けた状況情報を生成して、生成した状況情報を制御部11に送信する。このようにして制御部11は、台車格納部26の空き状況を取得することができる。
【0106】
次に、制御部11は、状況情報に基づいて、保管装置20に空いている台車格納部26があるか否かを判定する(ステップS33)。
【0107】
空いている台車格納部26がないと判定された場合(ステップS33でNo)、制御部11は、状況情報に基づいて、保管装置20の台車格納部26に格納された台車50のうち、フィーダ60の交換が終了した台車50があるか否かを判定する(ステップS34)。フィーダ60の交換が終了した台車50がないと判定された場合(ステップS34でNo)、台車格納部26に格納された台車50のフィーダ60の交換が終了するまでステップS34での処理が繰り返される。保管装置20の制御部21は、台車50のフィーダ60の交換が終了したら、状況情報を生成して制御部11に送信してもよい。
【0108】
フィーダ60の交換が終了した台車50があると判定された場合(ステップS34でYes)、制御部11は、無人搬送車40を制御して、保管装置20の台車格納部26に格納された、フィーダ60の交換が終了した台車50に無人搬送車40を搬送させる(ステップS35)。
【0109】
そして、制御部11は、無人搬送車40を制御して、保管装置20の台車格納部26に格納された、フィーダ60の交換が終了した台車50を、保管装置20から移動させる(ステップS36)。これにより、ステップS33で、保管装置20に空いている台車格納部26があると判定されるようになる。
【0110】
空いている台車格納部26があると判定された場合(ステップS33でYes)、制御部11は、無人搬送車40を制御して、保管装置20の空いている台車格納部26に、フィーダ60の交換が必要な台車50を格納させる(ステップS37)。
【0111】
制御部11は、台車50に搭載されているフィーダ60のうち、生産計画で使用することが予定されていないフィーダ60を台車50から保管装置20の保管部25に移動し、保管装置20の保管部25に保管されているフィーダ60のうち、生産計画で使用することが予定されているフィーダ60を台車50に取り付けるように、マニピュレータ23を制御する(ステップS38)。なお、ステップS38での処理は、ステップS15での処理と同じであり、詳細については後述する図13で説明する。
【0112】
ステップS39からステップS41までの処理は、図10で説明したステップS16からステップS18までの処理と同じであるため、説明は省略する。
【0113】
図13は、実施の形態に係る管理コンピュータ10の生産で使用するフィーダ60および生産で使用しないフィーダ60を決定する際の動作の一例を示すフローチャートである。図13は、図10のステップS15、図11のステップS23および図12のステップS38での処理の具体例を示すフローチャートである。
【0114】
まず、制御部11は、実装データを部品実装装置30から取得して、記憶部12に記憶する(ステップS51)。例えば、制御部11は、実装データから、実装に用いられたフィーダ60のパフォーマンス(吸着率など)を算出し、フィーダ60のフィーダIDと対応付けて記憶部12に記憶する。
【0115】
次に、制御部11は、パフォーマンスが所定値以下のフィーダIDにフラグを付ける(ステップS52)。このフラグは、フィーダ60が不調であることを示すフラグであり、このフラグがフィーダIDに対応付けられることで、フィーダ60が不調であるかを管理することができる。
【0116】
次に、制御部11は、生産計画に基づき、生産で使用予定のフィーダ60を特定する(ステップS53)。例えば、生産計画情報12aには、生産計画で使用される予定のフィーダ60のフィーダIDが含まれており、生産計画情報12aを参照することで、生産で使用予定のフィーダ60を特定することができる。
【0117】
次に、制御部11は、使用予定のフィーダ60にフラグが付いているか否かを判定する(ステップS54)。ステップS53およびステップS54において、制御部11は、生産計画(生産計画情報12a)と状態情報(フィーダ管理情報12c)とに基づいて、生産計画で使用される予定のフィーダ60が不調であるか否かを判定する。
【0118】
使用予定のフィーダ60にフラグが付いていないと判定された場合(ステップS54でNo)、すなわち、生産計画で使用される予定のフィーダ60が不調でないと判定された場合、制御部11は、当該フィーダ60を生産で使用するようにマニピュレータ23を制御する(ステップS55)。例えば、制御部11は、フィーダ管理情報12cを参照して当該フィーダ60の保管場所を特定し、当該保管場所に保管されている当該フィーダ60を台車50に移動するように、マニピュレータ23を制御する。これにより、不調でないフィーダ60が台車50に取り付けられ、当該台車50が部品実装装置30に連結されて、不調でないフィーダ60から供給される部品の基板への実装が行われる。
【0119】
使用予定のフィーダ60にフラグが付いていると判定された場合(ステップS54でYes)、すなわち、生産計画で使用される予定のフィーダ60が不調であると判定された場合、制御部11は、当該フィーダ60を生産で使用しないようにマニピュレータ23を制御する(ステップS56)。この場合に、制御部11は、不調と判定されたフィーダ60を台車50から保管装置20の保管部25に移動するように、マニピュレータ23を制御してもよい。また、この場合に、制御部11は、フィーダ管理情報12cを参照して、不調のフィーダ60の代わりに正常なフィーダ60を特定し、特定した正常なフィーダ60を保管装置20の保管部25から台車50に取り付けてもよい。
【0120】
次に、制御部11は、生産計画を修正する(ステップS57)。例えば、制御部11は、フラグが付いているフィーダ60(つまり不調のフィーダ60)の使用を制限するように生産計画を更新する。これにより、不調のフィーダ60が生産で使用されないようにすることができ、言い換えると、正常なフィーダ60が生産で使用されるようにすることができ、不良の発生を抑制できる。
【0121】
そして、制御部11は、フラグが付いているフィーダ60(つまり不調のフィーダ60)のメンテナンス計画を作成する(ステップS58)。これにより、不調のフィーダ60の不調の程度にもよるが、不調のフィーダ60を正常なフィーダ60とすることができる。
【0122】
以上説明したように、本開示の部品実装システム1や保管装置20によれば、保管装置20の台車格納部26に格納された台車50へ、人の手を介さずにマニピュレータ23を用いて自動でフィーダ60を取り付けることができる。このため、フィーダ60の管理を管理コンピュータ10によって自動化することができ、フィーダ60の管理を適切に行うことができる。例えば、フィーダ60の保管装置20における保管場所やフィーダ60のメンテナンスの要否などの管理を適切に行うことができる。フィーダ60の管理が適切に行われることで、適切に管理されたフィーダ60を用いて生産される実装基板の品質の維持が可能となる。また、保管装置20の台車格納部26に台車50が格納されることで、台車50と保管装置20に設けられたマニピュレータ23との位置関係を固定しやすくなるため、台車50へのフィーダ60の取り付けを正確に行うことができる。
【0123】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の部品実装システム1(管理システム)および保管装置20について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、および、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0124】
例えば、上記実施の形態では、部品実装システム1が、台車格納部26に台車50が格納されているか否かを判定する機能(判定部)を備える例を説明したが、部品実装システム1は、当該機能を備えていなくてもよい。
【0125】
例えば、上記実施の形態では、部品実装システム1が、生産計画で使用される予定のフィーダ60が不調であるか否かを判定する機能(判定部)を備える例を説明したが、部品実装システム1は、当該機能を備えていなくてもよい。
【0126】
例えば、上記実施の形態では、部品実装システム1が、不調のフィーダ60の使用を制限するように生産計画を更新する機能(更新部)を備える例を説明したが、部品実装システム1は、当該機能を備えていなくてもよい。
【0127】
例えば、本開示は、部品実装システム1(管理システム)として実現できるだけでなく、管理システムを構成する各構成要素が行うステップ(処理)を含む制御方法として実現できる。
【0128】
制御方法は、部品実装装置に着脱可能な台車に着脱されるフィーダを保管する保管装置を含む管理システムにおける制御方法であって、図10に示されるように、保管装置に台車が格納されているか否かを判定し(ステップS13)、台車が格納されていると判定された場合(ステップS13でYes)、台車に搭載されているフィーダのうち、生産計画で使用することが予定されていないフィーダを保管装置に移動するように、あるいは、保管装置に保管されているフィーダのうち、生産計画で使用することが予定されているフィーダを台車に取り付けるように、保管装置の中に備わるマニピュレータを制御する(ステップS15)処理を含む。
【0129】
例えば、制御方法におけるステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本開示は、制御方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROMなどである非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0130】
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路などのハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路などから取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路などに出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0131】
また、上記実施の形態の部品実装システム1に含まれる各構成要素は、専用または汎用の回路として実現されてもよい。
【0132】
また、上記実施の形態の部品実装システム1に含まれる各構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。
【0133】
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
【0134】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、部品実装システム1に含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0135】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本開示は、部品実装装置を用いて実装基板などを生産する分野において有用である。
【符号の説明】
【0137】
1 部品実装システム
10 管理コンピュータ
11、21 制御部
12 記憶部
12a 生産計画情報
12b 実装データ
12c フィーダ管理情報
12d メンテナンス計画情報
13、27 通信部
20 保管装置
22 保管場所管理部
23 マニピュレータ
24 認識部
25 保管部
26 台車格納部
30 部品実装装置
31 実装制御部
32 実装記憶部
33 通信部
40 無人搬送車
41 走行制御部
42 走行機構
43 搬送機構
44 無線通信部
50 台車
51 連結機構
60、60a、60b、60c フィーダ
70 無人搬送車制御システム
80 部品実装ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13