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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113001
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】バイク用ハンドルカバー
(51)【国際特許分類】
   B62J 23/00 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
B62J23/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015075
(22)【出願日】2022-02-02
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】503356451
【氏名又は名称】株式会社大久保製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100135437
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 哲三
(72)【発明者】
【氏名】大久保 富彦
(72)【発明者】
【氏名】萩藤 紘行
(57)【要約】
【課題】風防と防寒のためハンドルカバーのハンドル挿入口の隙間を無くすること。
【解決手段】カバー本体部10は、上面被覆部11と下面被覆部12とを有し、これら上面被覆部11と下面被覆部12の外周と内周には外側襠部と内側襠部14とが設けられ、ハンドル挿入口15は内側襠部14の前方部に設けられ、手挿入口は前記ハンドル挿入口15と略直角方向に設けられ、ハンドル挿入口15の近傍にはカバー本体部10をハンドルに固定するための紐状部材30が設けられたバイク用ハンドルカバーである。ハンドル挿入口15の開口部の一部に風防フラップ25を設ける。バイクのハンドルをハンドル挿入口15に挿入した後に前記風防フラップ25によってハンドル挿入口15の隙間を被覆して紐状部材30によって当該風防フラップ25をカバー本体部10に固定し且つ前記ハンドルカバーをバイクのハンドルに固定できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバー本体部は、上面被覆部と下面被覆部とを有し、これら上面被覆部と下面被覆部の外周と内周には外側襠部と内側襠部とが設けられ、ハンドル挿入口は前記内側襠部の前方部に設けられ、手挿入口は前記ハンドル挿入口と略直角方向に設けられ、ハンドル挿入口の近傍には本体部をハンドルに固定するための固定手段が設けられたバイク用ハンドルカバーにおいて、
ハンドル挿入口の開口部の一部に風防フラップを設け、
イクのハンドルを前記ハンドル挿入口に挿入した後に前記風防フラップによってハンドル挿入口の隙間を被覆して前記固定手段によって当該風防フラップをカバー本体部に固定し且つ前記ハンドルカバーをハンドルに固定できることを特徴とするバイク用ハンドルカバー。
【請求項2】
前記風防フラップの不使用時には、この風防フラップをカバー本体部の内部に折り込むことができ、使用時には、カバー本体部の内部から外側に引き出してハンドル挿入口の隙間を被覆することができることを特徴とする請求書1に記載のバイク用ハンドルカバー。
【請求項3】
前記風防フラップを前記外側襠部のハンドル挿入口側に取り付け、不使用時には前記外側襠部の内側に折り込むことができることを特徴とする請求項2に記載のバイク用ハンドルカバー。
【請求項4】
前記カバー本体部の内面の全面又はその一部には防寒用シート部材が接合され、前記手挿入口の開口部の周縁部には伸縮自在の編地から成る防寒用保温部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のバイク用ハンドルカバー。
【請求項5】
前記風防フラップをカバー本体部に固定する固定手段が紐状部材からなり、当該紐状部材をカバー本体部及び風防フラップの適宜位置に設けられた挿通穴に挿通して縛り付けて固定できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のバイク用ハンドルカバー。
【請求項6】
前記風防フラップの上縁部に折込片を設け、この風防フラップをカバー本体部に固定する際に、前記上面被覆部の内側に折り込めるようにしたことを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載のバイク用ハンドルカバー。
【請求項7】
前記カバー本体部の上面部にバックミラー支柱部を挿通する穴部を設け、当該穴部からハンドル挿入口に至るまでに切り込み及びこの切り込みを閉鎖する留め具を設け、これにより前記バックミラー支柱部をハンドル挿入口から前記穴部に挿通させることができるようにしたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のバイク用ハンドルカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車(バイク)用のハンドルカバーに関するものであって、風防及び防寒効果を向上させたものに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献に記載のハンドルカバーは自転車用のものであって、本願出願人が先に提案したものであるが、クロスバイク用のハンドルカバーである。
この発明の課題は、ハンドルカバーの手挿入口内に手を挿入する際、カバーが前方に移動(回動)してしまわないようにすることであった。
そのために、カバー内部でハンドルのグリップエンドが対応する位置に、ゴム紐を配備し、このゴム紐の両端部をカバーの裏面外側に導出してこれら両端部を収束して、カバーが移動しないよう固定できるようにし、上記課題を解決したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-285018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記クロスバイク用ハンドルカバーでは、カバー本体部の上面被服部と下面被服部の外周と内周に外側襠部と内側襠部とが設けられていない。
というのも、自転車用であるため、バイクには存在する方向指示器やバックミラー等々の装備がされていないため、襠部を設けずに薄い形態のもので間に合うからであ。
また、ハンドル部自体の構造も自転車のものと相違するためである。
【0005】
本発明では、バイク用の防寒用ハンドルカバーを提供することを目的としており、しかも、バイクのハンドルの形態には各種のものが存在しており、上記クロスバイクのような横一文字形態のフラットハンドルもあれば、中央のハンドル支持部分が下方に窪んだ形態のものもある。
【0006】
そこで、上記外側襠部及び内側襠部を有するバイク用ハンドルカバーにおいて、ハンドル挿入口部分からの隙間風を防止するための対策が必要となる。
但し、バイク用のハンドルでもハンドルの形状が横一文字のものであれば、当該ハンドル挿入口部分で固定手段としての紐状部材を、ハンドル挿入口の周縁部に設けた複数の穴部にこれを挿通して引き絞り縛り付けることによってほぼ隙間なく装着することができる。
【0007】
しかし、それ以外の形状のバイク用ハンドルにあっては、上記のように単純な装着方法では隙間部を完全に塞いで装着することができないタイプのハンドルもある。
例えば、ハンターカブ(登録商標)のハンドル部には上記構成では隙間なく装着することが困難となるのである。
【0008】
本発明においては、このようなバイクのハンドルに装着し、ハンドル挿入口の部分に生じる隙間を塞いで装着することができる風防及び防寒の機能を有するバイク用ハンドルカバーを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、カバー本体部は、上面被覆部と下面被覆部とを有し、これら上面被覆部と下面被覆部の外周と内周には外側襠部と内側襠部とが設けられ、ハンドル挿入口は前記内側襠部の前方部に設けられ、手挿入口は前記ハンドル挿入口と略直角方向に設けられ、ハンドル挿入口の近傍には本体部をハンドルに固定するための固定手段が設けられたバイク用ハンドルカバーにおいて、ハンドル挿入口の開口部の一部に風防フラップを設け、バイクのハンドルを前記ハンドル挿入口に挿入した後に前記風防フラップによってハンドル挿入口の隙間を被覆して前記固定手段によって当該風防フラップをカバー本体部に固定し且つ前記ハンドルカバーをハンドルに固定できることを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【0010】
ここで、前記上面被覆部及び下面被覆部という表現において、「上面」及び「下面」というのは、前記ハンドルカバーをバイクのハンドルに装着した状態での上面及び下面を意味する(以下同じである。)。
また、前記「ハンドル挿入口は前記内側襠部の前方部に設けられ」という表現の「前方」とは、前記ハンドルカバーをバイクのハンドルに取り付けた状態において、そのバイクの前進方向を意味する(以下同じである。)。
【0011】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記風防フラップの不使用時には、この風防フラップをカバー本体部の内部に折り込むことができ、使用時には、カバー本体部の内部から外側に引き出してハンドル挿入口の隙間を被覆することができることを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【0012】
本発明の第3のものは、上記第2の発明において、前記風防フラップは、外側襠部のハンドル挿入口側に連結され、不使用時には前記外側襠部の内側に折り込まれることを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【0013】
本発明の第4のものは、上記第1乃至第3の何れかの発明において、前記カバー本体部の内面の全面又はその一部には防寒用シート部材が接合され、前記手挿入口の開口部の周縁部には伸縮自在の編地から成る防寒用保温部材が設けられていることを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【0014】
本発明の第5のものは、上記第1乃至第4の何れかの発明において、前記風防フラップをカバー本体部に固定する固定手段が紐状部材からなり、当該紐状部材をカバー本体部及び風防フラップの適宜位置に設けられた挿通穴に挿通して縛り付けて固定できるようにしたことを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【0015】
本発明の第6のものは、上記第3乃至第5の何れかの発明において、前記風防フラップの上縁部に折込片を設け、この風防フラップをカバー本体部に固定する際に、前記上面被覆部の内側に折り込めるようにしたことを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【0016】
本発明の第7のものは、上記何れかの発明において、前記カバー本体部の上面部にバックミラー支柱部を挿通する穴部を設け、当該穴部からハンドル挿入口に至るまでに切り込み及びこの切り込みを閉鎖する留め具を設け、これにより前記バックミラー支柱部をハンドル挿入口から前記穴部に挿通させることができるようにしたことを特徴とするバイク用ハンドルカバーである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1のものにおいては、風防フラップをハンドル挿入口の開口縁部の一部に設けているため、バイクのハンドルを前記ハンドル挿入口に挿入した後に前記風防フラップによってハンドル挿入口の隙間を被覆して前記固定手段によって当該風防フラップをカバー本体部に固定し且つ前記ハンドルカバーをハンドルに固定することができる。
【0018】
本発明の第2のものにおいては、風防フラップの不使用時又はバイクのハンドルの形態により使用する必要がない時には、カバー本体部の内部に折り込むことができ、使用する必要のある時には、カバー本体部の内部から外側に引き出してハンドル挿入口の隙間を被覆することができる。
【0019】
本発明の第3のものにおいては、風防フラップを取り付ける位置を特定したものであり、即ち、前記風防フラップを前記外側襠部のハンドル挿入口側に取り付け、不使用時には前記外側襠部の内側に折り込むことができることを特定したものである。
【0020】
本発明の第4のものは、上記それぞれの発明において、前記カバー本体部の内面の全面又はその一部に防寒用シート部材が接合され、前記手挿入口の開口部の周縁部には伸縮自在の編地から成る防寒用保温部材が設けられ、防寒効果を向上させた構造としたものである。
【0021】
本発明の第5のものは、上記固定手段を特定したものであり、即ち、この固定手段が紐状部材からなり、当該紐状部材をカバー本体部及び風防フラップの適宜位置に設けられた挿通穴に挿通して縛り付けて固定できるようにしたものである。
【0022】
本発明の第6のものにおいては、風防フラップを更に限定したものであり、即ち、この風防フラップの上縁部に折込片を設け、この風防フラップをカバー本体部に固定する際に、前記上面被覆部の内側に折り込めるようにしたものである。
これにより風防フラップとハンドル挿入口との隙間をより少なくすることができ、防寒効果を向上させることが出来る。
【0023】
本発明の第7のものにおいては、上記それぞれの発明において、バックミラー支柱部を挿通させるための穴部等を設け、バックミラー支柱部の存在にも拘わらず何ら問題なく装着できるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係るバイク用ハンドルカバーの一実施形態を示す全体説明図であって、その上面側の斜視説明図である。
図2】上記実施形態に係るハンドルカバーの下面側の斜視説明図である。
図3】上記実施形態に係るハンドルカバーの風防フラップを外側に引き出した状態の上面側から見た斜視説明図である。
図4】上記実施形態に係るカバーを装着しようとするバイクのハンドルグリップ部分の拡大説明図である。
図5】上記実施形態に係るカバーを図4に示したハンドルに装着する状態を示す説明図であって、その(A)がカバーをハンドルに装着し、紐状部材を引き出した状態を、その(B)が紐状部材を巻き付けた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下添付の図面と共に、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るバイク用ハンドルカバーの一実施形態を示す全体説明図であって、その上面側の斜視説明図である。
図2は、上記実施形態に係るハンドルカバーの下面側の斜視説明図である。
【0026】
本発明に係るバイク用ハンドルカバー(以下、単に「カバー」とも言う。)は、そのカバー本体部10が、合成皮革又は合成樹脂製のシート状体によって袋状に立体的に形成されたものから成る。
その外形は、バイクのハンドルグリップ部、ブレーキレバー部、バックミラー支柱の根本部、各種のスイッチ部等々をカバーできるような袋状の立体的な形状を有している。
【0027】
より具体的には、上記カバー本体部10は、上面被覆部11と、下面被覆部12と、これら上面被覆部11と下面被覆部12の外周及び内周で両者を接続する外側襠部13と内側襠部14とから構成される。
【0028】
バイクのハンドルグリップ等を挿入するハンドル挿入口15(図1参照)は、内側襠部14の前方端部に設けられ、手挿入口16(図2参照)は、前記ハンドル挿入口15と略直角の方向に設けられている。
尚、図中矢印Fが前方方向を示し、カバーがバイクのハンドルに取り付けられた際のバイクの前進方向を示している。
【0029】
上面被覆部11には、手挿入口16から後方に延長する延長部11aが形成され、使用者の腕部の上面を被覆できるように形成されている。
カバー本体部10の内表面には、ボア等からなる防寒用シート部材20が接合されており、手挿入口16の周縁部には伸縮自在のニット編地から成る防寒用保温部材26が設けられている。
【0030】
外側襠部13は、その全体が略60mm乃至80mm程度の上下幅を有しており、ハンドル挿入口15の側が少し狭く形成されている。
この外側襠部13は、上面被覆部11又は下面被覆部12と同じ生地で連続的に形成してもよいし、別の生地で縫製してもよい。
要は、この外側襠部13は 所定の上下の幅を有していればよいのである。
【0031】
他方、内側襠部14は、上記ハンドル挿入口15と手挿入口16との間に設けられることとなり、この内側襠部14は、その前方端の上下幅が一番大きく、その後方端部は、上面被覆部11と下面被覆部12が留め具23で固着されているために、その上下の幅はゼロとなっている。
即ち、この内側襠部14は、ハンドル挿入口15の前端部から後端部に至るまで徐々にその上下幅が減少するように形成されている。
【0032】
更に、上面被覆部11のハンドル挿入口15の近傍には十文字の切込から成る穴部17が形成され、この穴部17からハンドル挿入口15に至るまで切り込みが形成されている。
この切り込みは、図1では、覆い部18によって被覆されているために、図には現れていない。
【0033】
上記穴部17にバックミラーの支柱部を挿通させることができる。即ち、ハンドル挿入口15にハンドルグリップの先端を挿入し、上記切り込みを利用してバックミラー支柱部を上記穴部17に挿通させることができる。
バックミラー支柱部を穴部17に挿通した後には、上記覆い部18に設けられた留めホック19、19を係止することができ、これにより前記切り込みは閉鎖される。
【0034】
下面被覆部12にもハンドル挿入口15から切り込みが形成され、この切り込みの端部に穴部27、27が形成されている。この切り込みは覆い部28によって被覆されており、図2には現れていないが、2個の穴部27、27同士間にはこの切り込み29が一部見えている状態である。
【0035】
これらの穴部27、27には、ブレーキワイヤーが挿通されることとなる。
上記切り込み29を覆う覆い部28には留めホック19が設けられ、この切り込み29を閉鎖することができる。
【0036】
上記実施形態では、カバー本体部10は、上面被覆部11と下面被覆部12、外側襠部13と内側襠部14、そして上面被覆部11の手挿入口16側に延長する延長部11aから構成されるが、上面被覆部11と下面被覆部12とはハンドル挿入口15側で連続している。
従って、外側襠部13は、外側襠部の前方略中間部から側方部に向かって連続して、手挿入口16の側に配設されている。
【0037】
即ち、上記実施形態に係るカバー本体部は、連続した上面被覆部11と下面被覆部12、外側襠部13、内側襠部14、そして延長部11aの4枚の生地から縫製されている。
しかし、カバー本体部10を形成するための構成生地は自由に設計することができ、その枚数や形状を上記実施形態に限定せねばならない理由はなく、自由に設計変更することができる。
【0038】
そして、本発明における最大の特徴部分は、ハンドル挿入口15の開口縁部であって外側襠部13の縁部に風防フラップ25を設けている点である。
この風防フラップ25は、図1及び図2の両図からも解る通り、外側襠部13の内側に折り込まれているが、この状態が風防フラップ25の不使用状態を示している。
この風防フラップ25を使用する際には、次の図3にて説明するが、この風防フラップ25を外側に引き出して使用するのである。
【0039】
図3は、上記実施形態に係るハンドルカバーの風防フラップを外側に引き出した状態の上面側から見た斜視説明図である。
風防フラップ25を使用する際には、図示した通り、外側に引き出して使用する。
この風防フラップ25を使用するのは、ハンドルグリップの根元部にブレーキのマスターシリンダーや各種のスイッチが設けられた、例えばハンターカブ(登録商標)等のハンドルに本発明に係るカバーを装着する場合である。
【0040】
図3から解る通り、この風防フラップ25には、その上縁部に折込片25Pが設けられており、ハンドル挿入口15にバイクのハンドルを挿入した後、当該ハンドル挿入口15の隙間を封止又は被覆するように上記風防フラップ25を被覆し、上記折込片25Pはハンドル挿入口15の上面被覆部11の内側に差し込み、その後固定手段としての紐状部材30によって縛り付け、ハンドルに固定し、装着することができるのである。
【0041】
カバーを装着し固定するための固定手段としては上記のように紐状部材30を利用するが、具体的には、カバー本体部10に設けた複数の挿通穴31と、風防フラップ25に設けた複数の挿通穴32、32に上記紐状部材30を順次挿通し、その後ハンドルに巻き付け、紐状部材30の両端部を相互に縛り付けて固定し装着するのである。
【0042】
図4は、上記実施形態に係るカバーを装着しようとするバイクのハンドルグリップ部分の拡大説明図である。
本発明に係るハンドルカバーは、図示したハンドルグリップ部分に装着される。
この図に示したハンドルグリップ根元部は、ハンターカブ(登録商標)のもので、グリップGの根本部には各種の装備品が設けられている。
【0043】
特にブレーキのマスターシリンダーSは縦長で大きく、本発明に係る風防フラップがないと、ハンドル挿入口に隙間が出来てしまうのである。
図中、Hがハンドルバーを、Bがブレーキレバーを、Mがミラー支柱部を示している。
このようなハンドル形状の場合に、本発明に係るカバーの風防フラップ25が必要となるのである。
【0044】
図5は、上記実施形態に係るカバーを図4に示したハンドルに装着する状態を示す説明図であって、その(A)がカバーをハンドルに装着し、紐状部材を引き出した状態を、その(B)が紐状部材を巻き付けた状態を示している。
【0045】
これらの図により本発明に係るハンドルカバーの装着手順について説明する。
ます、上記実施形態に係るハンドルカバーにおいて、上面被覆部11の2個の留めホック19、19と下面被覆部12の1個の留めホック19を外しておく。勿論、風防フラップ25は外側に引き出しておく。
【0046】
ハンドル挿入口にバイクのハンドルグリップの先端を挿入させ、ハンドル挿入口の切り込みからバックミラー支柱部Mを穴部17(図3参照)に挿通させる。
同様に下面被覆部12の穴部27、27(図2参照)には、ブレーキワイヤーを挿通させる(図5には現れていない。)。
【0047】
上面被覆部11の2個の留めホック19と下面被覆部12の1個の留めホック19を係止して上面側の切り込みと下面側の切り込みを閉鎖させる。
固定手段としての紐状部材30は、予め外側襠部13に設けた2個の挿通穴に挿通させておき、それぞれの両端の端部を上面被覆部11及び下面被覆部12に設けた挿通穴に内側から外側に挿通する。
【0048】
次に、上側に引き出された紐状部材30を風防フラップの2つの挿通穴32、32に挿通する。
つまり、上側に引き出された紐状部材30は挿通フラップ25の上側の挿通穴32に外から内に挿通し、下側の挿通穴32には内から外に挿通させて、風防フラップ25の表面側に引き出される。
下側に引き出された紐状部材30は風防フラップ25の下側から表面側に取り回すのであるが、図5(A)では当該紐状部材30は下面被覆部12の下方に引き出したままの状態を図示している。
【0049】
そして、下側に引き出された紐状部材30は風防フラップ25の下側から表面側に取り回して、紐状部材30の両端部を交差させるのである。
この交差した状態を図5(B)が示している。
【0050】
その後、紐状部材を前方に取り回して再度手前側に巻き戻して縛り付けるとカバーの装着が完成する。
勿論、カバーの前方で縛り付けることもできるが、より堅固に縛り付けるために手前側に巻き戻して固縛するのであるが、手前側で縛り付けた方が固縛し易いのである。
【0051】
このように、本発明においては、1本の紐状部材30と上面被覆部11及び下面被覆部12並びに風防フラップ25に設けた複数の挿通穴によって固定手段としたが、挿通穴の大きさや位置等は種々設計変更することができる。
防寒効果の観点からは、上記挿通穴は紐状部材が挿通できる大きさであって最小の内径であることが望ましい。
また、紐状部材30の取り回し方、或いは、巻回の手順は自由に変更することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明においては以下の通り、各種設計変更することができる。
まず、本発明の上記実施形態に係るハンドルカバーは、例えばハンターカブ(登録商標)に適応できるものとして開発したが、バイクのハンドルグリップの根元部に各種の装備が付加されたハンドルに適用することができるものである。
勿論、ハンドルグリップの根元部に各種装備品が無いものであれば、本発明に係る風防フラップをカバー内部に折り込んで使用することも可能なものである。
【0053】
ハンドルカバーの外形形状は、ハンドルグリップ及びブレーキレバー並びに各種の付属物を覆うことができる形状に種々設計変更することができる。
要するに、グリップの根元部に設けられた各種装備品を適切に被覆できる形状であれば、種々変更してその形態を設計変更することができる。
【0054】
その素材も、ハンドルカバーとして適切に利用できる素材であればよく、即ち、保形性、耐候性、防水性、柔軟性等を考慮して、適宜適切なものを選択して使用することができる。
襠部の素材も自由に選択することができ、特に内側襠部は、伸縮性を有するものであってもよく、各種の素材を選択して利用することができる。
襠部の上下の厚みも適宜必要に応じて設定することができる。
【0055】
固定手段としては、紐状部材を利用したが、伸縮性のあるものを利用してもよい。
上面被覆部のハンドル挿入口部分に透明素材からなる窓部を設けるのも自由である。
【0056】
上面被覆部及び下面被覆部に設けた留めホックは、上記実施形態では雄留めホックと雌留めホックとから形成しているが、これら留めホックは、他の形態のもの、例えば、面ファスナー等を採用することもできる。
【0057】
風防フラップの形状も自由に設計することができ、折込片の形状、大きさ等も種々設計変更することができる。
要は、適切にこの折込片を上面被覆部のハンドル挿入口の縁部の内側に折り込めることができる形状とサイズであればよい。
【0058】
最後に、本発明に係るハンドルカバーのカバー本体部は、上面被覆部と下面被覆部、外側襠部、及び、内側襠部とから成るが、それぞれの構成部材が独立に存在していて、これらの構成部材を相互に連結(縫着又は縫製)して形成するというものではなく、上面被覆部の一部と下面被覆部の一部とが連続的に形成され、その連続部分が外側襠部を形成するというものであってもよく、上記実施形態のように内側襠部の手挿入口側端部の上下の厚みがゼロであってもよく、つまり、この内側襠部の手挿入口側端部で、上面被覆部と下面被覆部とが直接固定されているものであってもよいものである。勿論、内側襠部の手挿入口側の上下の厚みがゼロでなくてもよい。
【0059】
以上、本発明は、簡易な構成ではあるが、ハンドルカバーをバイクのハンドルに取り付ける際に、ハンドルグリップ根元部に各種の装備品があっても、風防フラップによってハンドル挿入口の隙間部を適切に被覆することができ且つ容易に装着することもでき、取り付け容易で防寒効果の優れたバイク用ハンドルカバーを提供することができたものである。
【符号の説明】
【0060】
10 カバー本体
11 上面被覆部
11a 延長部
12 下面被覆部
13 外側襠部
14 内側襠部
15 ハンドル挿入口
16 手挿入口
17、27 穴部
18、28 覆い部
19 留めホック
20 防寒用シート部材
23 留め具
25 風防フラップ
25P 折込片
26 防寒用保温部材
30 紐状部材
31、32 挿通穴
B ブレーキレバー
G グリップ
H ハンドル
M バックミラー支柱部
S マスターシリンダー(ブレーキ用)
図1
図2
図3
図4
図5