IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 弁護士ドットコム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図1
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図2
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図3
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図4
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図5
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図6
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図7
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図8
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図9
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図10
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図11
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図12
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図13
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図14
  • 特開-プログラム、方法、情報処理装置 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113043
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20230807BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015152
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】505392916
【氏名又は名称】弁護士ドットコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】福田 亮佑
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB67
(57)【要約】
【課題】電子契約において、契約書の指定範囲した部分に応じて、契約書の情報として管理することが可能になる。
【解決手段】プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、プログラムは、ユーザ間で承認される書類データの登録をユーザから受け付けて、当該書類データと関連付けて、当該書類データの管理用の情報を管理するためのものであり、プロセッサに、承認の対象となる書類データの内容をユーザに提示するステップと、ユーザに提示される内容に対し、ユーザから、内容の一部の範囲を指定する操作を受け付けるステップと、指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出するステップと、抽出されたテキストデータについて、書類データの管理用の情報の少なくともいずれかの項目と関連付けて記憶部に記憶させるステップと、を実行させる、プログラム。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備えるコンピュータを動作させるためのプログラムであって、前記プログラムは、ユーザ間で承認される書類データの登録をユーザから受け付けて、当該書類データと関連付けて、当該書類データの管理用の情報を管理するためのものであり、
前記プロセッサに、
承認の対象となる前記書類データの内容をユーザに提示するステップと、
前記ユーザに提示される前記内容に対し、前記ユーザから、前記内容の一部の範囲を指定する操作を受け付けるステップと、
前記指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出するステップと、
前記抽出されたテキストデータについて、前記書類データの前記管理用の情報の少なくともいずれかの項目と関連付けて記憶部に記憶させるステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記ユーザに対し、前記抽出されたテキストデータについて、前記管理用の情報として適用する対象となる前記項目の候補を提示するステップを実行させ、
前記記憶させるステップにおいて、前記ユーザから、前記提示される前記項目の候補を指定する入力操作を受け付けることにより、前記指定された前記項目と、前記テキストデータとを関連付けて前記記憶部に記憶させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記候補を提示するステップにおいて、前記抽出されたテキストデータの解析結果に基づいて、前記項目それぞれの優先度を設定し、設定した優先度に応じて前記項目の候補を提示する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記候補を提示するステップにおいて、前記抽出されたテキストデータに基づいて、当該テキストデータが
日付の情報、
承認を行う当事者の情報、
承認する内容の期間に関する情報、
からなる群のうち少なくともいずれかに該当するか否かを判別し、判別した結果に応じて、前記項目の候補を提示する、請求項2または3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記抽出するステップにおいて、前記書類データの内容に対し文字認識処理が行われることで特定される文字列を、前記テキストデータとして抽出する、請求項1から3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記候補を提示するステップにおいて、
前記ユーザに提示される前記書類データの内容において、前記指定されている前記一部の範囲の位置と関連付けて、前記抽出されたテキストデータと、当該テキストデータを適用する前記項目の候補とを提示する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項7】
前記指定する操作を受け付けるステップにおいて、前記ユーザから、前記内容を読み取る範囲を表す画像を前記書類データの内容と関連付けて配置する入力操作を受け付けることにより、前記一部の範囲の指定を受け付けており、
前記候補を提示するステップにおいて、前記内容を読み取る範囲を表す画像の位置の近傍に、前記抽出されたテキストデータと、当該テキストデータを適用する前記項目の候補とを提示する、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記候補を提示するステップにおいて、
前記書類データの内容にオーバーレイさせるように、前記抽出されたテキストデータと、当該テキストデータを適用する前記項目の候補とを提示し、
前記項目の候補を提示することにおいて、提示する項目の候補を一定数以下として、前記項目の候補を提示する、請求項7に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プログラムは、前記プロセッサに、さらに、
前記書類データの内容に応じて、前記書類データにおける前記一部の範囲の位置を設定する、請求項1から8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記記憶部において、前記書類データに対し指定された前記一部の範囲の位置を記憶しており、
前記設定するステップにおいて、前記書類データの内容と、前記記憶部に記憶される情報とに基づいて、当該書類データに対し、前記一部の範囲の位置を設定する、請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
プロセッサを備えるコンピュータを動作させるための方法であって、前記コンピュータは、ユーザ間で承認される書類データの登録をユーザから受け付けて、当該書類データと関連付けて、当該書類データの管理用の情報を管理するためのものであり、
前記方法は、前記プロセッサが、
承認の対象となる前記書類データの内容をユーザに提示するステップと、
前記ユーザに提示される前記内容に対し、前記ユーザから、前記内容の一部の範囲を指定する操作を受け付けるステップと、
前記指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出するステップと、
前記抽出されたテキストデータについて、前記書類データの前記管理用の情報の少なくともいずれかの項目と関連付けて記憶部に記憶させるステップと、を実行する、方法。
【請求項12】
制御部を備える情報処理装置であって、前記情報処理装置は、ユーザ間で承認される書類データの登録をユーザから受け付けて、当該書類データと関連付けて、当該書類データの管理用の情報を管理するためのものであり、
前記制御部が、
承認の対象となる前記書類データの内容をユーザに提示するステップと、
前記ユーザに提示される前記内容に対し、前記ユーザから、前記内容の一部の範囲を指定する操作を受け付けるステップと、
前記指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出するステップと、
前記抽出されたテキストデータについて、前記書類データの前記管理用の情報の少なくともいずれかの項目と関連付けて記憶部に記憶させるステップと、を実行する、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
事業活動において、社内外で様々な取り決め、申請について承認をしつつ事業を進展させることが行われている。例えば、事業者の社内では、承認者が、承認すべき内容について決裁をすることが行われている。
また、事業者の社内外において、契約については、近年、IT技術の発達により、これまでは紙により締結が行われていたものが、徐々に電子契約で行われている。
【0003】
電子契約では、電子契約サービスの利用者が、署名対象の契約書に電子署名をする。電子契約サービスは、いわゆる当事者署名型のもの、いわゆる事業者署名型(立会人型)のものなど様々な方式により事業者によって提供されている。
電子契約サービスを用いて契約締結を結ぶ際、契約の当事者を特定する情報により、契約の当事者間で契約対象の契約書を閲覧可能としつつ締結作業を進めることがある。例えば、契約の当事者を特定する情報として、メールアドレスを用いて契約締結を進める場合、契約を行いたい者の一方が、他方のメールアドレスを指定した状態で契約書を電子契約サービスへ送信する。そして、契約書を受け取った者(もしくは受け取った会社)が、電子契約サービスを用いて、契約書を承認する等により、電子契約による締結作業を進める。
【0004】
契約締結の際に使用する契約書について、下記の特開2020-190905号公報(特許文献1)には、契約書の内容に基づいて組織の契約状況を提示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-190905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の特許文献1の情報処理装置は、契約書の内容に基づいて組織の契約状況を提示することが可能なものの、契約書の情報を記憶部に記録する部分については十分な改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に示す一実施形態によると、コンピュータを動作させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、契約書のデータと関連付けて管理する項目の入力がよりいっそう容易になり、その結果、様々な観点で契約書のデータを管理することが容易になりえる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態の電子契約システム1の全体構成を示す図である。
図2図2は、受信者側端末装置10の機能的な構成を示すブロック図である。
図3図3は、サーバ20の機能的な構成を示すブロック図である。
図4図4は、電子契約を説明するための概念図である。
図5図5の2021は契約管理のデータベース2021のデータ構造を示す図である。図5の2022は契約書のデータベース2022のデータ構造を示す図である。
図6図6の2023は契約書の指定範囲のデータベース2023のデータ構造を示す図である。
図7図7は、送信者側端末装置30とサーバ20の間での契約書の処理の流れを示す図である。
図8図8は、送信者側端末装置30とサーバ20での契約書の指定範囲の操作にかかる処理の流れを示す図である。
図9図9は、契約書の指定範囲の選択を示す図である。
図10図10は、指定範囲のテキストデータの適用先候補の提示を示す図である。
図11図11は、ユーザが適用先の項目を選択した後の画面を示す図である。
図12図12は、抽出されたテキストデータについて、適用先の項目の候補を優先度に応じて提示することを示す図である。
図13図13は、抽出されたテキストデータについて、日付の情報、承認を行う当事者の情報、承認する内容の期間に関する情報、からなる群のうち少なくともいずれかに該当するか否かを判別し、判別した結果に応じてテキストデータ適用先の項目の候補を優先度に応じて提示することを示す図である。
図14図14は、適用先の項目を任意で追加できることを示す図である。
図15図15は、適用先の項目を任意で追加する局面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
<第1の実施形態の概略>
本実施形態において、ユーザは、PC(personal computer)を操作し、電子契約サービスにより契約を締結する。電子契約には契約書を承認するための承認者が一人以上存在する。承認者は契約書に基づき、当該契約書の内容に示される条件での契約締結の可否を判断する。
【0012】
<1.1 システム全体の構成図>
図1は、実施形態の電子契約システム1の全体構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、電子契約システム1は、受信者側端末装置10と、送信者側端末装置30と、サーバ20とを含み、これらの装置がネットワーク80によって互いに通信可能に接続されている。
【0013】
図1の例では、ユーザが使用する受信者側端末装置10を示している。受信者側端末装置10は、例えばPCである。
【0014】
受信者側端末装置10は、プログラムを実行することにより、プログラムに応じたシステムを操作する環境をユーザに対して提供する。受信者側端末装置10は、プログラムを読み込んで実行することにより、受信者側端末装置10と、送信者側端末装置30と、サーバ20とを通信接続する。そして、受信者側端末装置10は、電子契約に関連するデータを、受信者側端末装置10と送信者側端末装置30とサーバ20との間で送受信する。
【0015】
サーバ20は、電子契約に必要なデータを、適宜、受信者側端末装置10へ送信することで、受信者側端末装置10での電子契約の状況を可視化させる。サーバ20は、電子契約を操作するユーザの電子契約に関連する各種データを管理する。サーバ20は、受信者側端末装置10と通信し、各ユーザの電子契約の進行に応じて、画像、ファイル、テキストデータなどを受信者側端末装置10へ送信する。
【0016】
例えば、サーバ20は、電子契約に関連するユーザの情報、電子契約に使用する契約書の情報、電子契約においてあるユーザが承認した承認日時の情報などその他の各種データを管理する。
【0017】
受信者側端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、記憶部16と、プロセッサ19とを備える。
【0018】
通信IF12は、受信者側端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0019】
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0020】
出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0021】
メモリ15は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0022】
記憶部16は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0023】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0024】
サーバ20は、電子契約により契約締結を結ぶユーザの情報、電子契約の際に使用する契約書その他の情報を管理する装置である。
【0025】
サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0026】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0027】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、および、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0028】
メモリ25は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0029】
ストレージ26は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0030】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0031】
送信者側端末装置30は、通信IF(Interface)32と、入力装置33と、出力装置34と、メモリ35と、記憶部36と、プロセッサ39とを備える。
【0032】
通信IF32は、送信者側端末装置30が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0033】
入力装置33は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0034】
出力装置34は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカー等)である。
【0035】
メモリ35は、プログラム、および、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0036】
記憶部36は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0037】
プロセッサ39は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0038】
<1.2 受信者側端末装置10の機能的な構成>
図2は、受信者側端末装置10の機能的な構成を示す図である。受信者側端末装置10は、アンテナ111と、第1無線通信部121と、プロセッサ19と、操作受付部130と、記憶部16と、メモリ15と、ディスプレイ132と、音声処理部140と、マイク141と、スピーカー142とを含む。
【0039】
アンテナ111は、受信者側端末装置10が発する信号を電波として空間へ放射する。また、アンテナ111は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部121へ与える。
【0040】
第1無線通信部121は、受信者側端末装置10が他の通信機器と通信するため、アンテナ111等を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部121は、チューナー、高周波回路などを含む無線通信用の通信モジュールであり、受信者側端末装置10が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号をプロセッサ19へ与える。
【0041】
プロセッサ19は、記憶部16に記憶されるプログラムを読み込んで実行することにより、受信者側端末装置10の動作を制御する。プロセッサ19は、例えばアプリケーションプロセッサによって実現される。
【0042】
操作受付部130は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。例えば、操作受付部130は、マウス、タッチパッド、タッチパネル等のポインティングデバイス、キーボード、コントローラ、ユーザの身体の動きを入力操作としてセンシングする撮影手段等として実現される。例えば、操作受付部130において、ユーザの身体の動きとして、手などの身体の部位の動き、ユーザの顔の表情などをセンシングすることにより、これら身体の部位等の動きを入力操作として受け付ける。操作受付部130は、タッチパッドまたはタッチパネル等に対してユーザが指を接触させる等により入力操作を受け付けた座標に基づいて、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
【0043】
記憶部16は、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等により構成され、受信者側端末装置10が使用するプログラム、および、受信者側端末装置10がサーバ20から受信する各種データ等を記憶する。
【0044】
ディスプレイ132は、プロセッサ19の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electroluminescence)その他の表示装置によって実現される。
【0045】
音声処理部140は音声信号の変復調を行う。音声処理部140は、マイク141から与えられる信号を変調して、変調後の信号をプロセッサ19へ与える。また、音声処理部140は、音声信号をスピーカー142へ与える。
【0046】
マイク141は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部140へ与える。
【0047】
スピーカー142は、音声処理部140から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を受信者側端末装置10の外部へ出力する。
【0048】
記憶部16において、契約管理情報161、契約書情報162、契約書の指定範囲情報163を記憶する。
契約管理情報161は、各契約における、契約状況や契約完了日時など契約全般を管理するための情報である。
契約書情報162は、契約書のタイトルや契約開始日など、各契約の際に用いられる契約書の詳細な情報である。
契約書の指定範囲情報163は、ユーザが範囲を指定した部分のテキストデータ読み取り結果や指定範囲した際の位置の情報など、契約書の指定範囲に関する情報である。
【0049】
プロセッサ19がプログラムに従って動作することにより、入力操作受付部191、送受信部192、データ処理部193、報知制御部194としての機能を発揮する。
入力操作受付部191は、操作受付部130等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部191は、操作受付部130が例えばタッチ・センシティブ・デバイスである場合、タッチ・センシティブ・デバイスに対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
送受信部192は、受信者側端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
データ処理部193は、受信者側端末装置10が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
報知制御部194は、情報をユーザに提示する処理として、表示画像をディスプレイ132に表示させる処理、音声をスピーカー142に出力させる処理、振動をバイブレータ等に発生させる処理などを行う。
【0050】
<1.3 サーバ20の機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0051】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0052】
記憶部202は、契約管理のデータベース2021と、契約書のデータベース2022と、契約書の指定範囲のデータベース2023等の各種データベースを記憶する。
【0053】
契約管理のデータベース2021は、電子契約システム1で締結される各契約における契約全般を管理するための情報を含むデータベースである。詳細は後述する。
【0054】
契約書のデータベース2022は、電子契約システム1で締結される各契約の際に用いられる契約書の情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0055】
契約書の指定範囲のデータベース2023は、電子契約システム1で締結される各契約の際に用いられる契約書について、ユーザが範囲を指定した部分のテキストデータ読み取り結果や範囲を指定した際の位置の情報など、契約書の指定範囲に関する情報を管理するためのデータベースである。詳細は後述する。
【0056】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、契約管理の情報取得モジュール2033、契約書の情報取得モジュール2034として示す機能を発揮する。
【0057】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0058】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0059】
契約管理の情報取得モジュール2033は、電子契約の締結において、契約の管理に必要となる情報を管理するための一連の処理を行うものである。
【0060】
契約書の情報取得モジュール2034は、電子契約の締結において、各契約の際に用いられる契約書の情報を管理するための一連の処理を行うものである。
【0061】
<1.4 電子契約を説明するための概念図>
図4は、電子契約を説明するための概念図である。本実施形態において「電子契約」とは、契約書をインターネット上で交換し、契約当事者が合意の意思表示を行い、その電子署名を契約書に付与することをいう。
【0062】
まず契約書送信者は、送信者側端末装置30を操作することにより、契約書を例えばクラウド上のサーバ20にアップロードする。サーバ20は、契約書送信者が合意した契約書に対し、契約書送信者の電子署名を付与する。
【0063】
契約書送信者は、契約書受信者に合意締結を依頼するための操作を行う。具体的には、送信者側端末装置30は、ユーザから、契約書受信者を指定する操作を受け付けてサーバ20へ送信する。本実施形態では、送信者側端末装置30は、契約書受信者を特定する情報として、1または複数の契約書受信者のそれぞれのメールアドレスを指定する操作をユーザから受け付ける。
電子契約システム1のサーバ20は、契約書送信者のユーザによって指定された受信者側のメールアドレスに宛てて、契約書にアクセスするための情報(例えば、URL(Uniform Resource Locator)として記述されるリンク)を契約書受信者に電子メールで送付する。
ここで、サーバ20は、契約書送信者から、複数の契約書受信者の閲覧順の指定を受け付けることとしてもよい。例えば、サーバ20は、契約書送信者から、契約書受信者の複数のメールアドレスの指定を受け付けた場合、指定されているメールアドレスの順序に従って、順に、契約書にアクセスするための情報を、各契約書受信者に送付することとしてもよい。
例えば、契約書送信者によって、契約書受信者として第1のメールアドレス、第2のメールアドレス、第3のメールアドレスが指定されていたとする。サーバ20は、まず、第1のメールアドレスの第1の契約書受信者に対し、契約書を閲覧させるためのリンクを送信して、承認をする操作を受け付ける。サーバ20は、第1の契約書受信者から、契約書に対し承認をする操作を受け付けることに応答して、当該第1の契約書受信者が承認をしたこと及び承認をしたタイミングを記録し(例えば、当該承認をする操作に応答して、第1の契約書受信者の電子署名を付与する)、第2のメールアドレスの第2の契約書受信者に対し、契約書を閲覧させるためのリンクを送信する。以降、サーバ20は、同様に、第2の契約書受信者が承認をしたこと及び承認をしたタイミングを記録し(例えば、当該承認をする操作に応答して、第2の契約書受信者の電子署名を付与する)、第2の契約書受信者が承認したことに応答して第3の契約書受信者に対し、契約書を閲覧させるためのリンクを送信し、第3の契約書受信者から承認をする操作を受け付ける。
【0064】
契約書受信者は、受信者側端末装置10において受信した電子メールに記載されたリンクをクリックし、オンラインでサーバ20上の契約書の内容を確認して、合意締結することができる。受信者側端末装置10は、この契約書について合意をすることを示す操作を受け付けるための画面を受信者側端末装置10のユーザに提示して、合意するための操作を当該ユーザから受け付ける。
この時点で契約内容に瑕疵があるような場合、サーバ20は、契約書受信者から、契約に合意をしない旨の操作を受け付けることとしてもよい。
【0065】
サーバ20は、契約書受信者から、契約書について合意する操作を受け付けることにより、当該契約書に、契約書受信者の電子署名を付与する。契約書は、サーバ20に保管される。契約当事者双方の電子署名が付与されることで、契約書の改ざんは防止される。
【0066】
本実施形態は、このようなクラウド型の電子契約サービスを実現するものである。以下の実施形態では、電子契約において、契約書のデータと関連付けて管理する項目の入力がよりいっそう容易になり、その結果、様々な観点で契約書のデータを管理することが容易になりえることを可能とするための技術について説明する。
【0067】
<2 データ構造>
図5及び図6は、サーバ20が記憶するデータベースのデータ構造を示す図である。なお、図5及び図6は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0068】
図5の契約管理のデータベース2021の各レコードは、項目「契約ID」と、項目「契約書ID」と、項目「送信者側メールアドレス」と、項目「受信者側メールアドレス」と、項目「契約のステータス」と、項目「契約完了日時」とを含む。
【0069】
項目「契約ID」は、電子契約により締結される各契約について、例えばサーバ20により発行される識別情報を示す。
【0070】
具体的には、項目「契約ID」は、ユーザ間で電子契約により締結される各契約を管理する際に必要となる、電子契約に対して一意なIDのことである。
【0071】
項目「契約書ID」は、電子契約により締結される各契約について、電子契約の対象となる契約の際に契約書の送信者から指定される契約書に対して一意なIDのことを示す。例えば、契約書の識別情報として、サーバ20が電子契約の対象として契約書のアップロードを受け付けることにより、当該契約書と関連付けて発行する一意な情報(当該契約書に発行する識別情報、当該契約書に各端末装置がアクセスするためのリンク情報など)を含む。
【0072】
項目「送信者側メールアドレス」は、電子契約により締結される各契約について、契約書送信者側となるユーザのメールアドレスのことを示す。
【0073】
項目「受信者側メールアドレス」は、電子契約により締結される各契約について、契約書受信者側となるユーザのメールアドレスのことを示す。
【0074】
項目「契約のステータス」は、契約書送信者側と契約書受信者側とで締結を進めている電子契約の締結の状況を示す。具体的には、当事者間での電子契約の締結の状況として、以下を含みうる。
・「未契約」:電子契約の締結において、契約書受信者側となるユーザの指定もされておらず、電子契約による契約の締結がまだ開始されていない状態。
・「契約途中」:電子契約の締結において、各ユーザが指定されているが、指定された各ユーザのうち少なくともいずれかのユーザから、契約の内容を承認する操作を受け付けていない状態。
・「契約完了」:電子契約の締結において、指定されている各ユーザが承認する操作をサーバ20で受け付けて、電子契約による契約の締結が完了した状態。
【0075】
項目「契約完了日時」は、電子契約により締結される各契約について、契約の締結が完了した日時を示す。
【0076】
図5の契約書のデータベース2022の各レコードは、項目「契約書ID」と、項目「タイトル」と、項目「管理用タイトル」と、項目「契約相手の名称」と、項目「契約締結日」と、項目「契約開始日」と、項目「契約終了日」と、項目「自動更新の有無」と、項目「解約通知期限」と、項目「管理番号」と、項目「取引金額」とを含む。
【0077】
項目「契約書ID」は、電子契約により締結される各契約について、電子契約の対象となる契約の際に契約書の送信者から指定される契約書に対して一意なIDのことを示す。例えば、契約書の識別情報として、サーバ20が電子契約の対象として契約書のアップロードを受け付けることにより、当該契約書と関連付けて発行する一意な情報(当該書類に発行する識別情報、当該契約書に各端末装置がアクセスするためのリンク情報など)を含む。
【0078】
項目「タイトル」は、各契約の際に用いられる契約書のタイトル名を示す。例えば、「秘密保持契約書」や「取引基本契約書」などである。なお、契約書に類似する文書として、関係当事者間の認識を確認する「取締役会議事録」などを含みうる。
【0079】
項目「管理用タイトル」は、各契約の際に用いられる契約書について、管理用の契約書のタイトル名を示す。項目「タイトル」とは別に、契約書を管理する際に、当事者が把握しやすく管理できるようなタイトルを付けることが可能となる。例えば、「A株式会社_秘密保持契約書」などである。
【0080】
項目「契約相手の名称」は、各契約の際に用いられる契約書に記載されている契約相手の名称を示す。例えば、契約相手の会社名である「A株式会社」や個人名「山田太郎」などである。
【0081】
項目「契約締結日」は、契約書の締結を行った日を示す。
【0082】
項目「契約開始日」は、契約書の契約を開始する日を示す。
【0083】
項目「契約終了日」は、契約書の契約を終了する日を示す。
【0084】
項目「自動更新の有無」は、各契約の際に用いられる契約書について、契約書の締結期間がある一定を過ぎたときに、自動で契約書の更新をするかしないかの有無を示す。
【0085】
項目「解約通知期限」は、各契約の際に用いられる契約書について、解約の通知期限の設定日を示す。
【0086】
項目「取引金額」は、各契約の際に用いられる契約書に記載されている取引する金額がいくらかを示す。
【0087】
図6の契約書の指定範囲のデータベース2023は、項目「契約書ID」と、項目「指定範囲したページ数」と、項目「指定範囲した座標(矩形左上のX座標、矩形左上のY座標)」と、項目「指定範囲した座標(矩形右下のX座標、矩形右下のY座標)」と、項目「契約書の項目」と、項目「契約書の項目と紐付けた日時」と、項目「テキストデータ読み取り結果」とを含む。
【0088】
項目「契約書ID」は、電子契約により締結される各契約について、電子契約の対象となる契約の際に契約書の送信者から指定される契約書に対して一意なIDのことを示す。例えば、契約書の識別情報として、サーバ20が電子契約の対象として契約書のアップロードを受け付けることにより、当該契約書と関連付けて発行する一意な情報(当該書類に発行する識別情報、当該契約書に各端末装置がアクセスするためのリンク情報など)を含む。
【0089】
項目「指定範囲したページ数」は、指定範囲を行ったユーザが契約書の何ページ目に対して指定範囲を行ったかのページ数を示す。
【0090】
項目「指定範囲した座標(矩形左上のX座標、矩形左上のY座標)」は、指定範囲を行ったユーザが契約書の指定範囲をした位置の情報を示す。具体的には、指定範囲を行ったユーザが指定範囲をした際の矩形左上のX座標及び矩形左上のY座標の情報を示す。
【0091】
項目「指定範囲した座標(矩形右下のX座標、矩形右下のY座標)」は、指定範囲を行ったユーザが契約書の指定範囲をした位置の情報を示す。具体的には、指定範囲を行ったユーザが指定範囲をした際の矩形右下のX座標及び矩形右下のY座標の情報を示す。
【0092】
項目「契約書の項目」は、指定範囲を行ったユーザが契約書の指定範囲を行った部分について、契約書のデータベース2022のどの項目と紐付けたか示す。ユーザが契約書の指定範囲を行った際に、サーバは指定範囲を行った部分のテキストデータを抽出する。指定範囲を行ったユーザは、抽出されたテキストデータに対して、契約書のデータベース2022のどの項目と紐付けるかを選択する。
【0093】
項目「契約書の項目と紐付けた日時」は、指定範囲を行ったユーザが契約書の指定範囲を行った部分について、契約書のデータベース2022の項目と紐付けた日時を示す。
【0094】
項目「テキストデータ読み取り結果」は、サーバが契約書の指定範囲の部分について、どのようなテキストデータを読み取った結果を示す。サーバは、指定範囲の部分について文字認識処理を行うことにより、テキストデータを抽出する。
【0095】
<第1の実施形態の動作>
次に、電子契約システム1を構成する各装置の動作について説明する。
以降の実施形態の記述について、送信者側のユーザが操作する例を記載しているが、受信者側のユーザが同様の操作を行ってもよいものとする。
【0096】
図7は、送信者側端末装置30とサーバ20の間での契約書の処理の流れを示す図である。以下の説明では、契約書送信者側のユーザ(第2のユーザ)が、サーバ20を介して契約書の指定範囲の操作等を進めていく例を説明する。
契約書とは、典型的にはドキュメント作成用のソフトウェアで作成され、内容の改変ができないファイル(例えばPDF(Portable Document Format)ファイル)である。
【0097】
ステップS701において、第2のユーザの送信者側端末装置30は、ユーザから、電子契約で用いる契約書を指定する操作を受け付けて、サーバ20へ送信する。
【0098】
ステップS731において、サーバ20は、第2のユーザの送信者側端末装置30から、電子契約で用いる契約書の情報を受信する。そして、サーバ20は、指定された契約書の情報をもとに、契約書のデータベース2022を参照し、情報の更新をする。
【0099】
ステップS702において、第2のユーザの送信者側端末装置30は、電子契約で用いる契約書の内容をユーザに提示する。
【0100】
ステップS703において、第2のユーザの送信者側端末装置30は、ユーザから契約書に対して指定範囲を選択する操作を受け付けて、サーバ20へ送信する。指定範囲は、ユーザからマウスのドラッグ操作等をして入力を受け付ける、また、指定範囲とは、ユーザがドラッグ操作等をして得られた矩形の範囲の部分のことを指す。
【0101】
ステップS732において、サーバ20は、第2のユーザの送信者側端末装置30から、指定範囲の情報を受け付けて、指定範囲に対して文字認識処理を行う。サーバ20は、文字認識処理を行うことにより、指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出する。
【0102】
ステップS704において、第2のユーザの送信者側端末装置30は、指定範囲のテキストデータの内容をユーザに提示する。
【0103】
ステップS705において、第2のユーザの送信者側端末装置30は、テキストデータについて、契約書のどの項目と関連付けるかを指定する操作をユーザから受け付ける。
【0104】
ステップS733において、サーバ20は、第2のユーザの送信者側端末装置30から受け付けた情報をもとに、契約書のデータベース2022及び契約書の指定範囲のデータベース2023の情報を更新する。
図7では、サーバ20は、契約締結の前段階で契約書の項目との関連付けを行っている。しかし、この例にとどまらず、サーバ20は、契約書のアップロード段階だけでなく、締結完了まで、また、締結完了後の段階で上記のような契約書の項目との関連付けを行ってもよいものとする。
サーバ20は、送信者側と受信者側とで、それぞれ、契約書のデータベース2022に示すように、契約書と関連付けて、契約締結日などの各項目を管理している。例えば、サーバ20は、送信者側のユーザが、上記のように、契約書のデータに対して指定した範囲を読み取った結果、および、ユーザが指定した項目について、送信者側の事業者の情報と関連付けて、契約書のデータベース2022において管理する。これにより、各事業者は、自らが管理したい項目(契約締結日、自動更新の有無など)によって、契約書の管理をすることができる。
【0105】
図8は、送信者側端末装置30とサーバ20での契約書の指定範囲の操作にかかる処理の流れを示す図である。以下の説明では、契約書送信者側のユーザ(第2のユーザ)が、サーバ20を介して契約書の指定範囲の操作等を進めていく例を説明する。
【0106】
ステップS801において、第2のユーザの送信者側端末装置30は、ユーザから契約書に対して指定範囲を選択する操作を受け付けて、サーバ20へ送信する。指定範囲は、ユーザからマウスのドラッグ操作等をして入力を受け付ける。また、指定範囲とは、ユーザがドラッグ操作等をして得られた矩形の範囲の部分のことを指す。
【0107】
ステップS831において、サーバ20は、第2のユーザの送信者側端末装置30から、指定範囲の情報を受け付けて、指定範囲に対して文字認識処理を行う。サーバ20は、文字認識処理を行うことにより、指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出する。
【0108】
また、ステップS831において、サーバ20は、抽出されたテキストデータに対して、契約書のどの項目と関連付けるかの優先度を判定する。
サーバ20は、以下のように優先度の判定を行ってもよい。まず、サーバ20は、テキストデータが日付の情報、承認を行う当事者の情報、承認する内容の期間に関する情報、からなる群のうち少なくともいずれかに該当するか否かを判定する。サーバ20は、判定した結果を用いて優先度を判定してもよい。例えば、抽出されたテキストデータが「2022年1月1日」であれば、テキストデータは日付の情報であるので、日付に関する項目の優先度を高く判定してもよい。
【0109】
ステップS802において、第2のユーザの送信者側端末装置30は、テキストデータと優先度に応じた項目をユーザに提示する。送信者側端末装置30は、ユーザの操作により指定された指定範囲に近い位置に、優先度が高い項目を、順に、提示することとしてもよい。例えば、送信者側端末装置30は、指定範囲の下部に、契約書と関連付ける項目を表示する場合、優先度が高い順に従い上から順に提示されてもよい。
【0110】
ステップS803において、第2のユーザの送信者側端末装置30は、テキストデータについて、契約書のどの項目と関連付けるかを指定する操作をユーザから受け付ける。
【0111】
ステップS832において、サーバ20は、第2のユーザの送信者側端末装置30から受け付けた情報をもとに、契約書のデータベース2022、契約書の指定範囲のデータベース2023の情報を更新する。
【0112】
<画面例>
図9は、契約書の指定範囲の選択を示す図である。
【0113】
第2のユーザの送信者側端末装置30は、ユーザから契約書に対して指定範囲を選択する操作を受け付けて、サーバ20へ送信する。指定範囲は、ユーザからマウスのドラッグ操作等をして入力を受け付ける。また、指定範囲を選択するとは、ユーザがドラッグ操作等をして矩形の範囲を選択することを指す。
【0114】
具体的には、送信者側端末装置30は、第2のユーザに対して、ダイアログ画面901に以下の各情報を提示する。
・領域901A:契約書の内容をユーザに提示する領域である。
・領域901B:契約書の内容に基づいて、契約書の項目に関する情報を提示する領域である。
・領域901C:第2のユーザから契約書の指定範囲を受け付けた部分の領域である。ダイアログ画面901の例では、「A株式会社」が指定範囲の部分である。
【0115】
図10は、指定範囲のテキストデータの適用先候補の提示を示す図である。
【0116】
ダイアログ画面1001は、ダイアログ画面901の後に提示するものである。送信者側端末装置30は、ダイアログ画面1001において、指定範囲に関して、指定範囲の抽出されたテキストデータと適用先の項目の候補を提示する。
【0117】
具体的には、送信者側端末装置30は、第2のユーザに対して、ダイアログ画面1001に以下の各情報を提示する。
・領域1001D:指定範囲の抽出されたテキストデータと適用先の項目の候補を提示する領域である。ダイアログ画面1001の例では、「A株式会社」が抽出されたテキストデータである。また、適用先の項目として、管理用タイトルや契約相手の名称、契約締結日を提示している。
【0118】
送信者側端末装置30は、第2のユーザに対して、上記のダイアログ画面1001を提示し、どの適用先の項目を選択するかの操作を受け付ける。
【0119】
図11は、ユーザが適用先の項目を選択した後の画面を示す図である。
【0120】
ダイアログ画面1101は、ダイアログ画面1001の後に提示するものである。送信者側端末装置30は、ダイアログ画面1101において、適用先の項目が適用された状態を提示する。
【0121】
具体的には、送信者側端末装置30は、第2のユーザに対して、ダイアログ画面1101に以下の各情報を提示する。
・テキスト1101C:第2のユーザから、適用先の候補として選択したものを適用した状態を示すテキストである。ダイアログ画面1101の例では、項目「契約相手の名称」として「A株式会社」を適用している状態である。
【0122】
図12は、抽出されたテキストデータについて、適用先の項目の候補を優先度に応じて提示することを示す図である。
【0123】
送信者側端末装置30は、抽出されたテキストデータについて、ユーザの操作により指定された指定範囲に近い位置に、優先度が高い項目を、順に、提示することとしてもよい。例えば、送信者側端末装置30は、指定範囲の下部に、契約書と関連付ける項目を表示する場合、優先度が高い順に従い上から順に提示されてもよい。
【0124】
具体的には、送信者側端末装置30は、第2のユーザに対して、ダイアログ画面1201に以下の各情報を提示する。
・領域1201D:指定範囲の抽出されたテキストデータと適用先の項目の候補を提示する領域である。ダイアログ画面1201の例では、「A株式会社」が抽出されたテキストデータである。また、適用先の項目として、上から順に、契約相手の名称、管理用タイトルと提示している。
【0125】
図13は、抽出されたテキストデータについて、日付の情報、承認を行う当事者の情報、承認する内容の期間に関する情報、からなる群のうち少なくともいずれかに該当するか否かを判別し、判別した結果に応じてテキストデータ適用先の項目の候補を優先度に応じて提示することを示す図である。
【0126】
サーバ20は、抽出されたテキストデータについて、日付の情報、承認を行う当事者の情報、承認する内容の期間に関する情報、からなる群のうち少なくともいずれかに該当するか否かを判別する。そして、サーバ20は、判別した結果に応じてテキストデータ適用先の項目の候補を優先度に応じて提示する。例えば、サーバ20は、抽出されたテキストデータが日付の情報であれば、日付に関する項目を適用先の項目の候補として、優先度に応じてユーザに提示する。
【0127】
具体的には、送信者側端末装置30は、第2のユーザに対して、ダイアログ画面1310に以下の各情報を提示する。
・領域1301C:第2のユーザから契約書の指定範囲を受け付けた部分の領域である。ダイアログ画面1301の例では、「D月E日」が指定範囲の部分である。
・領域1301D:指定範囲の抽出されたテキストデータと適用先の項目の候補を提示する領域である。ダイアログ画面1301の例では、「D月E日」が抽出されたテキストデータである。また、適用先の項目として、上から順に、契約締結日、契約開始日、契約終了日と提示している。
【0128】
図14は、適用先の項目を任意で追加できることを示す図である。
【0129】
サーバ20は、第2のユーザから、適用先の項目を任意で追加する操作を受け付けることも可能である。サーバ20は、第2のユーザから、既存で提示されている項目について、最適な適用する項目が見つからない場合、適用先の項目を任意で追加する操作を受け付けることが可能である。
【0130】
具体的には、送信者側端末装置30は、第2のユーザに対して、ダイアログ画面1401に以下の各情報を提示する。
・領域1401D:指定範囲の抽出されたテキストデータと適用先の項目の候補を提示する領域である。ダイアログ画面1401の例では、「A株式会社」が抽出されたテキストデータである。また、適用先の項目として、管理用タイトルや契約相手の名称、契約締結日を提示している。
・ボタン1401E:適用先の項目を追加するボタンである。
【0131】
図15は、適用先の項目を任意で追加する局面を示す図である。
【0132】
ダイアログ画面1501は、ダイアログ画面1401の後に提示する画面である。サーバ20は第2のユーザから、ボタン1401Eまたはボタン1501Eをクリックする操作を受け付けることで、領域1501Fとボタン1501Gを提示する。そして、サーバ20は、第2のユーザから、適用先の項目名を入力し、適用先の項目を追加する操作を受け付ける。
【0133】
具体的には、送信者側端末装置30は、第2のユーザに対して、ダイアログ画面1501に以下の各情報を提示する。
・領域1501D:指定範囲の抽出されたテキストデータと適用先の項目の候補を提示する領域である。ダイアログ画面1501の例では、「A株式会社」が抽出されたテキストデータである。また、適用先の項目として、管理用タイトルや契約相手の名称、契約締結日を提示している。
・ボタン1501E:適用先の項目を追加するボタンである。
・領域1501F:項目名を入力する領域である。項目名はテキスト形式で任意で入力することが可能である。
・ボタン1501G:領域1501Fの項目を追加して適用するボタンである。サーバ20は、領域1501Fでユーザが入力した項目名について、契約書のデータベース2022の新たなカラムとして更新する。
【0134】
<変形例>
(1)ユーザが指定せずとも読み取り位置を設定
サーバ20は、第2のユーザに対して、ユーザが指定範囲を指定せずとも指定範囲の位置を設定し、提示することとしてもよい。
また、サーバ20は、第2のユーザに対して、書類データの内容に応じて、過去に読み取られた位置を特定することで、ユーザが指定範囲を指定せずとも指定範囲の位置を設定し、提示することとしてもよい。
例えば、指定範囲を受け付ける対象の書類データの種類が秘密保持契約書だとする。まず、サーバ20は、過去の秘密保持契約書の書類データにおける契約書の指定範囲のデータベース2023の情報を参照しにいく。次に、参照した情報をもとに、過去に読み取られた位置を特定することで、ユーザが指定範囲を指定せずとも指定範囲の位置を設定し、提示することとしてもよい。
サーバ20は、第2のユーザから、指定範囲を指定する操作を受け付ける回数が多いほど、文字認識処理を行う必要がある。したがって上記のように構成することにより、サーバ20は、指定範囲を繰り返し読み取る操作を省き、サーバの文字認識処理を軽減することが可能になる。また、第2のユーザにとっても、指定範囲を指定せずとも読み取り位置を設定されるため、指定範囲を指定する作業が軽減化する。
【0135】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0136】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサ(29)を備えるコンピュータ(20)を動作させるためのプログラムであって、プログラムは、ユーザ間で承認される書類データの登録をユーザから受け付けて、当該書類データと関連付けて、当該書類データの管理用の情報を管理するためのものであり、
プロセッサに、
承認の対象となる書類データの内容をユーザに提示するステップ(S702)と、
ユーザに提示される内容に対し、ユーザから、内容の一部の範囲を指定する操作を受け付けるステップ(S703)と、
指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出するステップ(S732)と、
抽出されたテキストデータについて、書類データの管理用の情報の少なくともいずれかの項目と関連付けて記憶部に記憶させるステップ(S733)と、を実行させる、プログラム。
【0137】
(付記2)
プログラムは、プロセッサに、さらに、
ユーザに対し、抽出されたテキストデータについて、管理用の情報として適用する対象となる項目の候補を提示するステップ(S705)を実行させ、
記憶させるステップにおいて、ユーザから、提示される項目の候補を指定する入力操作を受け付けることにより、指定された項目と、テキストデータとを関連付けて記憶部に記憶させる(S733)、(付記1)に記載のプログラム。
【0138】
(付記3)
候補を提示するステップにおいて、抽出されたテキストデータの解析結果に基づいて、項目それぞれの優先度を設定し、設定した優先度に応じて項目の候補を提示する(S802)、(付記2)に記載のプログラム。
【0139】
(付記4)
候補を提示するステップにおいて、抽出されたテキストデータに基づいて、当該テキストデータが
日付の情報、
承認を行う当事者の情報、
承認する内容の期間に関する情報、
からなる群のうち少なくともいずれかに該当するか否かを判別し、判別した結果に応じて、項目の候補を提示する(1301D)、(付記2)または(付記3)に記載のプログラム。
【0140】
(付記5)
抽出するステップにおいて、書類データの内容に対し文字認識処理が行われることで特定される文字列を、テキストデータとして抽出する(S732)、(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
【0141】
(付記6)
候補を提示するステップにおいて、
ユーザに提示される書類データの内容において、指定されている一部の範囲の位置と関連付けて、抽出されたテキストデータと、当該テキストデータを適用する項目の候補とを提示する(1001D)、(付記2)に記載のプログラム。
【0142】
(付記7)
指定する操作を受け付けるステップにおいて、ユーザから、内容を読み取る範囲を表す画像を書類データの内容と関連付けて配置する入力操作を受け付けることにより、一部の範囲の指定を受け付けており、
候補を提示するステップにおいて、内容を読み取る範囲を表す画像の位置の近傍に、抽出されたテキストデータと、当該テキストデータを適用する項目の候補とを提示する(1001D)、(付記6)に記載のプログラム。
【0143】
(付記8)
候補を提示するステップにおいて、
書類データの内容にオーバーレイさせるように、抽出されたテキストデータと、当該テキストデータを適用する項目の候補とを提示し、
項目の候補を提示することにおいて、提示する項目の候補を一定数以下として、項目の候補を提示する(1001D)、(付記7)に記載のプログラム。
【0144】
(付記9)
プログラムは、プロセッサに、さらに、
書類データの内容に応じて、書類データにおける一部の範囲の位置を設定する、(付記1)から(付記8)のいずれかに記載のプログラム。
【0145】
(付記10)
記憶部において、書類データに対し指定された一部の範囲の位置を記憶しており、
設定するステップにおいて、書類データの内容と、記憶部に記憶される情報とに基づいて、当該書類データに対し、一部の範囲の位置を設定する、(付記9)に記載のプログラム。
【0146】
(付記11)
プロセッサ(29)を備えるコンピュータ(20)を動作させるための方法であって、コンピュータは、ユーザ間で承認される書類データの登録をユーザから受け付けて、当該書類データと関連付けて、当該書類データの管理用の情報を管理するためのものであり、
方法は、プロセッサが、
承認の対象となる書類データの内容をユーザに提示するステップ(S702)と、
ユーザに提示される内容に対し、ユーザから、内容の一部の範囲を指定する操作を受け付けるステップ(S703)と、
指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出するステップ(S732)と、
抽出されたテキストデータについて、書類データの管理用の情報の少なくともいずれかの項目と関連付けて記憶部に記憶させるステップ(S733)と、を実行する、方法。
【0147】
(付記12)
制御部(29)を備える情報処理装置(20)であって、情報処理装置は、ユーザ間で承認される書類データの登録をユーザから受け付けて、当該書類データと関連付けて、当該書類データの管理用の情報を管理するためのものであり、
制御部が、
承認の対象となる書類データの内容をユーザに提示するステップ(S702)と、
ユーザに提示される内容に対し、ユーザから、内容の一部の範囲を指定する操作を受け付けるステップ(S703)と、
指定された一部の範囲に含まれるテキストデータを抽出するステップ(S732)と、
抽出されたテキストデータについて、書類データの管理用の情報の少なくともいずれかの項目と関連付けて記憶部に記憶させるステップ(S733)と、を実行する、情報処理装置。
【符号の説明】
【0148】
1:電子契約システム、10:受信者側端末装置、12:通信IF、13:入力装置、14:出力装置、15:メモリ、16:記憶部、19:プロセッサ、20:サーバ、22:通信IF、23:入出力IF、25:メモリ、26:ストレージ、29:プロセッサ、30:送信者側端末装置、32:通信IF、33:入力装置、34:出力装置、35:メモリ、36:記憶部、39:プロセッサ、80:ネットワーク、111:アンテナ、121:第1無線通信部、130:操作受付部、132:ディスプレイ、140:音声処理部、141:マイク、142:スピーカー、161:契約管理情報、162:契約書情報、163:契約書の指定範囲情報、191:入力操作受付部、192:送受信部、193:データ処理部、194:報知制御部、201:通信部、202:記憶部、203:制御部、2021:契約管理のデータベース、2022:契約書のデータベース、2023:契約書の指定範囲のデータベース、2031:受信制御モジュール、2032:送信制御モジュール、2033:契約管理の情報取得モジュール、2034:契約書の情報取得モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15