(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113053
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
A63F5/04 605B
A63F5/04 691B
A63F5/04 603E
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015172
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 晃宏
(72)【発明者】
【氏名】田村 謙
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CB04
2C182CD22
2C182CD34
2C182DA25
2C182EB11
(57)【要約】
【課題】挙動や操作の分かりやすい遊技機を提供する。
【解決手段】第1操作手段58と、音出力手段36と、音制御手段96と、を備え、遊技機と接続される専用ユニット200との間で遊技価値の送受信が可能な遊技機であって、音制御手段96は、専用ユニット200から遊技機に遊技価値が送信され、クレジット数が増加する場合に、音高が上昇していく効果音を音出力手段36に出力させ、第1操作手段58に対する操作に基づいて遊技機から専用ユニット200に遊技価値が送信され、クレジット数が減少する場合に、音高が下降していく効果音を音出力手段36に出力させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1操作手段と、
音出力手段と、
音制御手段と、を備え、
遊技機と接続される専用ユニットとの間で遊技価値の送受信が可能な遊技機であって、
前記音制御手段は、
前記専用ユニットから遊技機に遊技価値が送信され、クレジット数が増加する場合に、音高が上昇していく効果音を前記音出力手段に出力させ、
前記第1操作手段に対する操作に基づいて遊技機から前記専用ユニットに遊技価値が送信され、クレジット数が減少する場合に、音高が下降していく効果音を前記音出力手段に出力させることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機としてスロットマシンやパチンコ遊技機等が知られている。また、これらの遊技機として、実際のメダルや遊技球ではなく、電子的情報としての遊技価値を使用して遊技を実行可能とした遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技機では、遊技機の挙動や操作を分かりやすくすることが求められている。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、挙動や操作の分かりやすい遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
第1操作手段と、
音出力手段と、
音制御手段と、を備え、
遊技機と接続される専用ユニットとの間で遊技価値の送受信が可能な遊技機であって、
前記音制御手段は、
前記専用ユニットから遊技機に遊技価値が送信され、クレジット数が増加する場合に、音高が上昇していく効果音を前記音出力手段に出力させ、
前記第1操作手段に対する操作に基づいて遊技機から前記専用ユニットに遊技価値が送信され、クレジット数が減少する場合に、音高が下降していく効果音を前記音出力手段に出力させることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、専用ユニットから遊技機に遊技価値が送信され、クレジット数が増加する場合に、音高が上昇していく効果音が出力され、遊技機から専用ユニットに遊技価値が送信され、クレジット数が減少する場合に、音高が下降していく効果音が出力されるので、専用ユニットと遊技機との間での遊技価値の流れ(クレジット数の増減)を直感的に遊技者に伝達することができる。換言すると、遊技者は、専用ユニットから遊技機への遊技価値の転送に係る操作と、遊技機から専用ユニットへの遊技価値の転送に係る操作とを直感的に理解することが可能となる。したがって、遊技機の挙動および操作を分かりやすくすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技機の挙動や操作を分かりやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示す斜視図である。
【
図2】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図3】同、遊技機および専用ユニットを正面側から見た図である。
【
図4】同、計数処理について説明するためのフローチャートである。
【
図5】同、第1効果音および第2効果音の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態は本発明を遊技機の一つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明において、基本的に、「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0011】
本実施形態の遊技機は、遊技を行う際に物理的なメダルを投入し、役の入賞によって物理的なメダルが払い出される従来のスロットマシンとは異なり、物理的なメダルを用いずに電子的情報としての遊技価値を用い、遊技によって遊技価値が消費されたり、遊技価値が付与されたりするメダルレス遊技機となっている。なお、メダルレス遊技機における遊技価値は、従来のスロットマシンにおける遊技価値であるメダルに対応し、メダルレス遊技機における遊技価値は仮想的なメダルと解すことができるため、本実施形態における遊技価値をメダルと称してもよい。また、以下では、遊技価値の数を仮想的なメダルの数と捉え、遊技価値の数を「~枚」あるいは「~個」と示す場合がある。
【0012】
図1は本実施形態の遊技機Xを示す正面側斜視図である。遊技機Xは、筐体10を備えており、この筐体10は、底板、左右の側板、天板および背板を備え、当該筐体10の正面側に開口する正面開口部を有する箱形に形成されている。また、筐体10の正面には、筐体10の正面開口部を開閉可能に閉塞する前扉12が設けられており、この前扉12は、前記開口部の上部を開閉可能に閉塞する上扉30と、前記開口部の下部を開閉可能に閉塞する下扉40とを備えている。なお、前扉12を上扉30と下扉40とに分けない一体の構造としてもよい。
【0013】
筐体10内には、リールユニットや主制御手段(メイン基板)70、副制御手段(サブ基板)72等が設けられている(
図2参照)。リールユニットは、周囲に複数の図柄を表示した3個の回転リール(第1リール20a、第2リール20b、第3リール20c)と、リール20a~20cを回転させるための駆動モータ(ステッピングモータ)と、各リール20a~20cに対応して設けられたインデックスセンサと、を有している。各インデックスセンサは、各リール20a~20cの内側に取り付けられた半円帯状のインデックスのエッジを検知するようになっている。そして、このインデックスセンサによる検知情報に基づいて、リール20a~20cの停止制御等が行われる。
【0014】
図1に示すように、上扉30には、表示窓31が設けられ、この表示窓31の奥には、3個のリール20a~20cが横一列に設けられている。また、リール20a~20cの前側には、液晶ディスプレイ34(画像表示装置)が表示窓31に面して設けられている。
【0015】
液晶ディスプレイ34は、その表示領域(表示面)35に、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の演出画像が表示される。また、表示領域35は、第1表示領域35aと第2表示領域35bとを有している。第1表示領域35aは、液晶ディスプレイ34の正面視において、略下半分に横長の矩形状に形成されている。液晶ディスプレイ34は、透過型の液晶ディスプレイとなっており、第1表示領域35aの後方にある部材を視認可能な状態とすることができるようになっている。
【0016】
第1表示領域35aの後方には、リールユニットが、その一部が第1表示領域35aを介して視認可能となるように配置されている。各リール20a~20cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、リール20a~20cが停止すると、第1表示領域35aおよび表示窓31を介して1リール当たり3個の連続する図柄が表示される。また、第1表示領域35a(表示窓31)には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要な遊技価値の数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数の遊技価値が投入されると、各リール20a~20cの中段によって構成される有効ラインが有効化される。また、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。すなわち、リール20a~20cが停止したときに表示窓31を通して表示される図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
【0017】
第1表示領域35aは、透明な状態と演出画像を表示した状態とを含む複数の状態を有している。そして、第1表示領域35aが透明な状態においては、リール20a~20cの図柄が視認可能な状態となる。また、第1表示領域35aが演出画像を表示した状態においては、リール20a~20cの前方に演出画像が表示される。なお、第1表示領域35aが演出画像を表示した状態において、リール20a~20cの図柄は視認可能(視認容易)となっていてもよく、視認不可能(視認困難)となっていてもよい。このように第1表示領域35aは、リール20a~20cの図柄が視認可能で、かつ演出用の画像を表示可能な領域となっている。
【0018】
第2表示領域35bは、液晶ディスプレイ34の表示領域35のうち、第1表示領域35aを除いた部分であり、本実施形態の遊技機では、第1表示領域35aより上側の広い横長矩形の領域、第1表示領域35aより下側の狭い横長矩形の領域および第1表示領域35aより左右側の縦長矩形の狭い領域によって構成されている。つまり、第2表示領域35bは、第1表示領域35aを囲むように配置されている。第2表示領域35bは、演出用の画像を表示可能となっており、第2表示領域35bと第1表示領域35aとにわたって一つのまとまりのある画像を表示することも可能となっている。また、第2表示領域35bは、透明な状態を有さず、後方にある部材を透過させて視認可能とすることはできないようになっている。ただし、第2表示領域35bも透明な状態を有していてもよい。換言すると、表示領域35全体が第1表示領域35aとなっていてもよい。
【0019】
なお、液晶ディスプレイ34は透過型の液晶ディスプレイでなくてもよく、リール20a~20cは、液晶ディスプレイ34を介して視認されるものでなくてもよい。例えば、リール20a~20cを視認可能とする表示窓31の他に、液晶ディスプレイ34を視認可能とする第2の表示窓を設け、当該第2の表示窓を介して液晶ディスプレイ34が視認されるようにしてもよい。
【0020】
また、上扉30や下扉40には、スピーカ(音出力手段)36が複数設けられている。スピーカ36からは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の演出音(音楽、効果音、音声等)が出力される。また、前扉12には、報知や演出などを行うための照明装置38が複数設けられている。
【0021】
また、上扉30は、筐体10にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体10の開口上部を開閉するようになっている。また、下扉40は筐体10にヒンジを介して回動可能に連結されることで、筐体10の開口下部を開閉するようになっている。
なお、この遊技機Xは、分離型筐体タイプの構造を有するものであり、機種の交換時に筐体10、下扉40および筐体10内の電源ユニット等が遊技店の島設備に取り付けられたままで、上扉30およびリールユニット20等を交換可能となっている。また、遊技機Xは、分離型筐体タイプに限られるものではなく、機種交換時にスロットマシン全体を交換するものであってもよい。
【0022】
また、上扉30の下端部には、下扉40の前面より後方側で下扉40の上端より下側に突出する係合部が設けられ、下扉40が閉じた状態で、上扉30を開放することができない構造になっている。
【0023】
また、下扉40の上部には遊技機Xを操作するための操作領域50が設けられている。操作領域50には、遊技を開始させるためのスタートレバー53、3個のリール20a~20cそれぞれの回転を停止させるための3個のストップボタン54、最大数の3枚のメダルをベットするときに操作されるMAXベットボタン(ベットボタン)56、ベットされたメダルをクレジットに戻すときに操作される精算ボタン57、計数ボタン58および遊技価値数表示器100等が設けられている。
【0024】
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。本実施形態の遊技機は、主制御手段70と副制御手段72とによって制御される。主制御手段70は、スタートレバー53、ストップボタン54、ベットボタン56、精算ボタン57および計数ボタン58等からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算や遊技価値に関する各種の演算を行い、演算結果に基づいてリール20a~20c等の出力手段の制御を行う。
【0025】
副制御手段72は、主制御手段70から送られてくる情報(信号)を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ34、スピーカ36、照明装置38等の演出用の装置の制御を行う。
【0026】
主制御手段70と副制御手段72とは電気的に接続されており、主制御手段70から副制御手段72へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、副制御手段72から主制御手段70へは情報を送信できないようになっている。また、主制御手段70や副制御手段72の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0027】
主制御手段70は、遊技制御手段80と、遊技価値数制御手段(表示制御手段)82と、演出主制御手段84と、記憶手段86と、を備えている。副制御基板72は、演出副制御手段90と、副記憶手段92と、を備えている。演出主制御手段84と演出副制御手段90とによって、演出制御手段96が構成されている。演出主制御手段84は、遊技機の状態に応じて演出副制御手段90へ指示を出す。また、演出副制御手段90は、演出主制御手段84から送信される情報(指示)に基づき、副記憶手段92に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出主制御手段84で行う制御は、演出副制御手段90で行ってもよく、演出副制御手段90で行う制御は、演出主制御手段84で行ってもよい。、
【0028】
遊技制御手段80は、遊技の進行を制御する手段である。本実施形態では、記憶手段86の遊技価値数記憶領域(クレジット数記憶領域)110に遊技価値をクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、遊技機に遊技価値がクレジット記憶された状態でベットボタン56が押下されると、遊技制御手段80が、規定投入数を限度として、クレジット記憶された遊技価値を投入状態に設定する。
【0029】
遊技制御手段80は、規定投入数に相当する遊技価値が投入されたことに基づいて、スタートレバー53に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当する遊技価値の投入に基づいて有効化されたスタートレバー53の最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、リール20a~20cの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。すなわち、遊技制御手段80は、スタートレバー53に対する遊技開始操作に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行うとともに、リール20a~リール20cの回転を開始させる。また、リール20a~20cの回転速度が所定の速度まで上昇して定常回転状態となると、ストップボタン54a~54cに対する停止操作が有効な状態となる。この状態において、ストップボタン54a~54cに対する停止操作が行われると、遊技制御手段80は、内部抽選の結果に応じた態様で回転中のリールを停止させる。また、遊技制御手段80は、リール20a~20cが停止し、有効ライン上に表示された図柄組合せに基づいて役が入賞したか否かを判定し、判定結果(遊技の結果)に応じた処理を行う。具体的には、遊技制御手段80は、判定結果に応じて、所定数の遊技価値を付与する処理や、遊技価値を新たに消費することなく再度遊技を開始可能な状態とする処理(リプレイ処理)等を行う。
【0030】
遊技価値数制御手段82は、遊技価値数記憶領域110に記憶される遊技価値の数(クレジット数:遊技価値数記憶領域110の記憶値)に関する制御を行う。具体的には、遊技価値数制御手段82は、所定の役(小役)が入賞し、所定数の遊技価値が付与される場合に、当該所定数分、クレジット数を増加させる。また、遊技価値数制御手段82は、遊技の開始に際し遊技価値を投入する操作が行われると、投入された遊技価値数分、クレジット数を減少させる。また、遊技価値数制御手段82は、後述する専用ユニット200から遊技機Xに転送される遊技価値を受信する制御を行う。そして、遊技価値数制御手段82は、専用ユニット200から遊技機Xに遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、クレジット数を増加させる。また、遊技価値数制御手段82は、遊技機Xから専用ユニット200に遊技価値を転送する制御を行う。そして、遊技価値数制御手段82は、遊技機Xから専用ユニット200に遊技価値が転送される場合に、転送される遊技価値数分、クレジット数を減少させる。
【0031】
また、遊技価値数制御手段82は、クレジット記憶された遊技価値の数(クレジット数)を遊技価値数表示器100に表示させる。また、遊技価値数制御手段82は、クレジット数の増減に従って遊技価値数表示器100の表示内容を変化させる。遊技価値数表示器100は、5桁または6桁の7セグメント表示器を有しており、当該7セグメント表示器によって、クレジット数が表示されるようになっている。また、本実施形態では、遊技価値数記憶領域110には、最大で16383枚の遊技価値を記憶することが可能となっており、遊技価値数表示器100には、クレジット数に相当する値が表示されるようになっている。
【0032】
遊技機Xの側方(右側方)には、
図3に示すように、遊技価値を貸し出す装置としての専用ユニット(遊技価値貸出装置、遊技メダル貸出装置、所定の装置)200が設けられている。また、専用ユニット200の前面には、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口201、カード(遊技価値管理媒体)を挿入/排出可能なカード挿入/排出口202、貸出ボタン(貸出操作手段)203、再プレイボタン(貸出操作手段)204およびカード返却ボタン205等が設けられている。カードは、遊技者の所有する遊技価値数を管理するのに用いられる。換言すると、カードによって、遊技者の所有する遊技価値数が把握可能となっている。また、カードは、プリペイド残高を記憶可能になっていてもよい。なお、カードによる遊技価値数の管理は、遊技価値数をカード自体に記憶することにより行われてもよく、遊技価値数は遊技場等に設置された所定の管理装置等に記憶しておき、当該管理装置等に記憶された遊技価値数とカードに記憶された識別情報(遊技者のIDや各カード固有の識別番号等)とを紐づけておくことなどにより行われてもよい。
【0033】
専用ユニット200では、貸出ボタン203に対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機Xに転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。貸出ボタン203が押下されると、紙幣挿入口201に挿入された紙幣あるいはカードにプリペイド残高として記憶されている記憶値等を消費して、所定数(例えば、50枚)の遊技価値が遊技機Xにクレジットされるようになっている。
【0034】
また、専用ユニット200では、再プレイボタン204に対する操作(押下操作)が遊技価値を遊技機Xに転送する貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられる。再プレイボタン204が押下されると、カードによって管理されている遊技者の所有する遊技価値(カードに紐づけられている遊技価値)を消費して、所定数(例えば、50枚)の遊技価値が遊技機Xにクレジットされるようになっている。
【0035】
すなわち、本実施形態では、貸出操作手段としての貸出ボタン203または再プレイボタン204に対する操作が、貸出操作(遊技価値転送操作)として受け付けられ、貸出操作に基づいて、専用ユニットから遊技機Xに所定数の遊技価値が転送(貸出)されるようになっている。なお、メダルの転送(遊技機Xへのクレジット)は、貸出操作がされてから、所定時間(例えば、約2.5秒)経過後に実行されるようになっている。
【0036】
遊技者が遊技を終了する場合等には、返却操作(計数操作)としての計数ボタン58に対する操作(押下操作)に基づき、クレジットされた遊技価値を遊技機Xから専用ユニット200へ転送することが可能となっている。そして、遊技価値を専用ユニット200へ転送後にカード返却ボタン205に対する操作(押下操作)が行われると、遊技者の所有する遊技価値数を把握可能とするカードが専用ユニット200(カード挿入/排出口202)から排出される。
【0037】
次に、遊技価値数制御手段82における計数ボタン58の操作に係る処理(計数処理)について、
図4に示すフローチャートを用いて説明する。遊技価値数制御手段82は、計数ボタン58から入力される信号(計数ボタン信号)の状態(信号状態)を監視している。計数ボタン58が操作されていない状態では、遊技価値数制御手段82に入力される信号はOFFとなり、計数ボタン58が操作されている状態では、遊技価値数制御手段82に入力される信号はONとなる。
【0038】
遊技価値数制御手段82は、計数ボタン信号のONからOFFへの変化を検出(OFFエッジを検出)した場合、あるいは計数ボタン信号のONを所定時間以上検出した場合に、所定数のクレジット(クレジット数の全部または一部)に相当する値を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、遊技価値数記憶領域110の記憶値から当該所定数に相当する値を減算する。換言すると、遊技価値数制御手段82は、計数ボタン58の操作に基づいて所定数の遊技価値を専用ユニット200に転送し、遊技価値数記憶領域110の記憶値から当該所定数に相当する値を減算する。当該所定数の減算(クレジット数の減少)に伴い、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が減少する。
【0039】
計数処理においては、遊技価値数制御手段82は、まず、計数ボタン信号がONであるか否かを判定する(ステップS301)。ステップS301において、計数ボタン信号がONであると判定した場合(ステップS301:YES)、所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS302)。一方、ステップS301において、計数ボタン信号がONでないと判定した場合(ステップS301:NO)、ステップS301の処理を繰り返す。所定の条件とは、(1)計数ボタン信号のOFFエッジを検出し、計数ボタン信号のONの検出時間(ON検出時間)が500ms未満であるという条件(第1条件)、あるいは(2)計数ボタン信号のON検出時間が500ms以上であるという条件(第2条件)である。
【0040】
ステップS302において、所定の条件を満たすと判定した場合(ステップS302:YES)、遊技価値数制御手段82は、第1条件であるか否かを判定する(ステップS303)。一方、ステップS302において、所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS302:NO)、ステップS301に戻る。
【0041】
ステップS303において、第1条件であると判定した場合(ステップS303:YES)、遊技価値数制御手段82は、クレジット数が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS304)。一方、ステップS303において、第1条件でないと判定した場合(ステップS303:NO)、遊技価値数制御手段82は、クレジット数が「50」以上であるか否かを判定する(ステップS306)。
【0042】
ステップS304において、クレジット数が「1」以上であると判定した場合(ステップS304:YES)、遊技価値数制御手段82は、クレジット数「1」(クレジット数の一部に相当する値)を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、クレジット数から「1」を減算する(ステップS305)。ステップS305の後、ステップS301に戻る。一方、ステップS304において、クレジット数が「1」未満であると判定した場合(ステップS304:NO)、ステップS301に戻る。
【0043】
ステップS306において、クレジット数が「50」以上であると判定した場合(ステップS306:YES)、遊技価値数制御手段82は、クレジット数「50」(クレジット数の一部)に相当する値を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、クレジット数から「50」を減算する(ステップS307)。ステップS307の後、ステップS309へ進む。一方、ステップS306において、クレジット数が50未満であると判定した場合(ステップS306:NO)、遊技価値数制御手段82は、現在のクレジット数(例えば「30」、クレジット数の全部)に相当する値を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、クレジット数を「0」にする(ステップS308)。ステップS308の後、ステップS301に戻る。なお、ステップS308では、現在のクレジット数が「0」となっている場合があり得るが、その場合にクレジット数「0」を示す情報を専用ユニット200へ送信するとともに、クレジット数から0を減算する処理が行われてもよく、そのような処理が行われなくてもよい。
【0044】
ステップS307を実行すると、遊技価値数制御手段82は、継続して計数ボタン信号のONが検出されているか否か判定する(ステップS309)。ステップS309において、継続して計数ボタン信号のONが検出されていると判定した場合(ステップS309:YES)、遊技価値数制御手段82は、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達したか否かを判定する(ステップS310)。一方、ステップS309において、継続して計数ボタン信号のONが検出されていないと判定された場合(ステップS309:NO)、ステップS301に戻る。
【0045】
ステップS310において、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達したと判定した場合(ステップS310:YES)、ステップS306へ進む。一方、ステップS310において、ステップS307の処理が行われた後の計数ボタン信号のON検出時間が300msに到達していないと判定した場合(ステップS310:NO)、ステップS309へ進む。
【0046】
本実施形態において、精算ボタン57は、ベットボタン56の操作により投入された(投入状態に設定された)遊技価値を、クレジットに返却する際に操作されるボタンとなっている。遊技価値数制御手段82は、精算ボタン57に対する操作に基づき、投入状態に設定された遊技価値をクレジットに返却する処理(投入返却処理、遊技価値に関する所定の処理)を実行する。投入返却処理は、遊技価値の投入状態の設定が解消され、投入状態に設定されていた遊技価値数が、クレジット数(遊技価値数記憶領域110の記憶値)に加算される処理である。投入状態に設定されている遊技価値が存在する状態で精算ボタン57が操作されると、当該操作に基づき遊技価値がクレジットに返却され、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が増加する。
【0047】
次に、遊技価値数表示器100の表示の変化(クレジット数の変化)に伴い出力される音について説明する。換言すると、専用ユニット200と遊技機Xとの間での遊技価値の転送に伴い出力される音について説明する。
【0048】
専用ユニット200から遊技機Xに遊技価値が転送される際には、演出制御手段96は、所定の音をスピーカ36に出力させる。このとき出力される音を第1効果音と呼ぶ。なお、第1効果音のデータは、副記憶手段92に記憶されており、演出制御手段96が、当該データを再生することで、第1効果音が出力される。
【0049】
第1効果音は、音の高さ(音高、音程)が上昇する効果音となっている。すなわち、第1効果音は、時間が進むにつれ、音高が徐々に(段階的に)上昇していく音となっている。なお、本実施形態においては、第1効果音は、出力開始から出力終了まで音高が常に上昇し続け、音高が下降する部分(時間帯)を含まないようになっているが、遊技者が聞いた際に音高が上昇していく効果音であると認識できるものであれば、一部に音高が下降する部分(時間帯)が含まれていてもよい。
【0050】
本実施形態では、専用ユニット200の貸出操作手段(貸出ボタン203または再プレイボタン204)が操作されると、専用ユニット200から遊技機X(遊技価値数制御手段82)へ、遊技価値の貸出に係る信号(貸出信号)が送信される。貸出信号には、例えば、転送される遊技価値の数等の情報が含まれていてもよい。貸出信号は、所定数の遊技価値を貸し出すことを報知する信号ともいえる。
【0051】
遊技価値数制御手段82は、貸出信号を受信すると、当該貸出信号に基づいて、遊技価値数記憶領域110の記憶値を所定数(例えば、「50」)増加させるとともに、遊技価値数表示器100の表示する遊技価値数を所定数(例えば、「50」)増加させる。また、遊技価値数制御手段82は、貸出信号を受信すると、演出制御手段96にスピーカ36から第1効果音を出力させるように制御する。すなわち、本実施形態では、貸出操作手段の操作に基づいて、専用ユニット200から遊技機Xに遊技価値が転送されると(貸し出されると)、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が増加するとともに、スピーカ36から第1効果音が出力されるようになっている。
【0052】
本実施形態では、貸出操作手段を1回押下すると、所定数(例えば、50枚)の遊技価値が専用ユニット200から遊技機Xに転送されるようになっている。そして、貸出操作手段が1回押下されると、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が所定数(例えば、「50」)増加するとともに、第1効果音が1回出力されるようになっている。また、貸出操作手段を押下し続けた(長押しした)としても、専用ユニット200から遊技機Xへの遊技価値の転送は行われず、遊技価値数表示器100の表示の更新や、第1効果音の出力がされないようになっている。換言すると、貸出操作手段を1回押下し、当該押下操作に基づいて遊技価値の転送および第1効果音の出力がされる場合、当該押下を一度止め、再度貸出操作手段を押下することで、専用ユニット200から遊技機Xへの遊技価値の再度の転送が行われ、第1効果音の再度の出力がされるようになっている。ただし、貸出操作手段を押下し続けた(長押しした)場合に、専用ユニット200から遊技機Xへの遊技価値の転送が繰り返し行われ、遊技価値数表示器100の表示の更新や、第1効果音の出力が繰り返し行われるようになっていてもよい。また、この場合に、所定数(例えば、50枚)の遊技価値が転送される毎(遊技価値数表示器100の表示が「50」更新される毎)に第1効果音の出力を行ってもよい。また、所定数(例えば、50枚)の遊技価値の転送周期(遊技価値数表示器100の更新周期)と、第1効果音の出力周期とを異ならせてもよく、同一としてもよい。
【0053】
なお、貸出操作手段の操作に基づく、遊技価値数表示器100の表示の増加は、一気に行われてもよく、徐々に行われてもよい。具体的には、例えば、貸出操作手段が操作され、表示される遊技価値数が「50」増加する場合に、瞬時に「50」増加するようになっていてもよく、「1」ずつ増加していくようになっていってもよい。
【0054】
また、貸出操作手段の操作に基づく第1効果音の出力開始と、遊技価値数表示器100の表示の更新の開始とは、前者の開始が後者の開始より早くてもよく、後者の開始が前者の開始より早くてもよく、両者が略同時に開始されてもよい。
【0055】
なお、貸出操作手段が操作される場合に転送される遊技価値の数は常に一定でなくてもよい。例えば、カードに紐づけられている遊技価値の数が50枚以上の場合には、再プレイボタン204の操作に基づいて50枚の遊技価値が専用ユニット200から遊技機Xに転送され、カードに紐づけられている遊技価値の数が50枚未満の場合(かつ1枚以上の場合)には、再プレイボタン204の操作に基づいてカードに紐づけられている遊技価値の数と同数の遊技価値が専用ユニット200から遊技機Xに転送されるようにしてもよい。この場合に、送信される遊技価値の数に関わらず(遊技価値数が所定数の50枚かそれ未満かに関わらず)、第1効果音が1回出力されるようになっていてもよい。
【0056】
また、遊技機Xから専用ユニット200に遊技価値が転送される際には、演出制御手段96は、所定の音をスピーカ36に出力させる。このとき出力される音を第2効果音と呼ぶ。なお、第2効果音のデータは、副記憶手段92に記憶されており、演出制御手段96が、当該データを再生することで、第2効果音が出力される。
【0057】
第2効果音は、音の高さ(音高、音程)が下降する効果音となっている。すなわち、第2効果音は、時間が進むにつれ、音高が徐々に(段階的に)下降していく音となっている。なお、本実施形態においては、第2効果音は、出力開始から出力終了まで音高が常に下降し続け、音高が上昇する部分(時間帯)を含まないようになっているが、遊技者が聞いた際に音高が下降していく効果音であると認識できるものであれば、一部に音高が上昇する部分(時間帯)が含まれていてもよい。
【0058】
遊技価値数制御手段82は、計数ボタン58が操作されると、計数処理を実行し、遊技価値数記憶領域110の記憶値を減少させる(
図4参照)。また、遊技価値数制御手段82は、計数ボタン58が操作されると、演出制御手段96にスピーカ36から第2効果音を出力させるように制御する。すなわち、本実施形態では、計数ボタン58の操作に基づいて、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が減少するとともに、スピーカ36から第2効果音が出力されるようになっている。
【0059】
本実施形態では、計数ボタン58を押下し、所定時間(例えば、800ms)以内に押下を止めると、所定数の遊技価値が遊技機Xから専用ユニット200に転送されるとともに、第2効果音が1回出力されるようになっている。具体的には、500ms以内に押下を止めた場合、1枚の遊技価値が転送され、500ms以上経過後、800ms以内に押下を止めた場合、50枚の遊技価値が転送されるようになっている。すなわち、500ms以内に押下を止めた場合、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が「1」減少するとともに、第2効果音が1回出力されるようになっている。また、500ms以上経過後、800ms以内に押下を止めた場合、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が「50」減少するとともに、第2効果音が1回出力されるようになっている。なお、500ms以上経過後、800ms以内に押下を止めた場合であって、クレジット数が50枚未満(かつ1枚以上)の場合、当該クレジット数と同数の遊技価値が転送されるようになっている。そして、この場合、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が「0」に減少するとともに、第2効果音が1回出力されるようになっている。
【0060】
なお、計数ボタンが2回連続して押下された場合等であって、1回目の押下に基づく第2効果音が出力されている間において2回目の押下がされ、当該2回目の押下に基づいて所定数の遊技価値が遊技機Xから専用ユニット200に転送される場合に、当該転送に伴う(2回目の押下に基づく)第2効果音の出力がされることとしてもよく、されないこととしてもよい。例えば、1回目の押下に基づく第2効果音が出力されている間において2回目の押下がされた場合に、出力されている第2効果音(1回目の押下に基づく第2効果音)に上書きして、2回目の押下に基づく第2効果音の出力を行ってもよい。換言すると、1回目の押下に基づく第2効果音が出力されている間において2回目の押下がされた場合に、出力されている第2効果音(1回目の押下に基づく第2効果音)の出力(再生)を途中で止め、2回目の押下に基づいて第2効果音を最初から出力(再生)することとしてもよい。
【0061】
なお、計数ボタン58が500ms以上、800ms以内の時間押下された場合の遊技価値数表示器100の表示の減少は、一気に行われてもよく、徐々に行われてもよい。具体的には、例えば、計数ボタン58が押下され、表示される遊技価値数が「50」減少する場合に、瞬時に「50」減少するようになっていてもよく、「1」ずつ減少していくようになっていってもよい。
【0062】
また、本実施形態では、計数ボタン58を押下し続けた場合(長押しした場合)、所定時間(例えば、300ms)が経過する毎に所定数(例えば、50枚)の遊技価値が遊技機Xから専用ユニット200に転送されるとともに、第2効果音がループ再生されるようになっている。すなわち、計数ボタン58を長押しした場合、所定数の遊技価値の転送が所定周期で繰り返されるとともに、第2効果音の出力が所定周期で繰り返されるようになっている。換言すると、計数ボタン58を長押しした場合、長押しした期間に応じた数の遊技価値が遊技機Xから専用ユニット200に転送されるとともに、長押しした期間に応じた回数第2効果音が出力されるようになっている。
【0063】
ここで、本実施形態では、計数ボタン58を長押しした場合の第2効果音が出力されるタイミングと、所定数(例えば、50枚)の遊技価値が転送されるタイミングとは、同期していない。すなわち、計数ボタン58を長押しした場合において、遊技価値の転送周期は、第2効果音の出力周期の整数倍(自然数倍)とはなっておらず、第2効果音の出力周期は、遊技価値の転送周期の整数倍とはなっていない。換言すると、計数ボタン58を長押しした場合における、計数ボタン58の押下開始後、1回目の遊技価値の転送(50枚の遊技価値の転送)がされるタイミングと、1回目の第2効果音の出力がされるタイミングとの時間差をαとし、2回目の遊技価値の転送(50枚の遊技価値の転送)がされるタイミングと、2回目の第2効果音の出力がされるタイミングとの時間差をβとすると、αとβとは異なっている。
なお、計数ボタン58を長押しした場合の第2効果音が出力されるタイミングと、所定数(例えば、50枚)の遊技価値が転送されるタイミングとは、同期していてもよい。すなわち、計数ボタン58を長押しした場合において、遊技価値の転送周期は、第2効果音の出力周期の整数倍となっていてもよく、第2効果音の出力周期は、遊技価値の転送周期の整数倍となっていてもよい。換言すると、前記αと前記βとが同一となっていてもよい。
【0064】
なお、計数ボタン58が長押しされ、所定数「50」の遊技価値の転送が所定周期で繰り返される場合に、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数は、例えば、「1」ずつ減少させてもよく、当該所定数「50」ずつ減少させてもよく、1回の長押しに基づいて減少する全遊技価値数分、一気に(瞬時に)減少させることとしてもよい。また、特定の数ずつ(例えば「1」ずつあるいは「50」ずつ)減少させる場合に、遊技価値数表示器100の表示が「50」減少するタイミングは、第2効果音が出力されるタイミングと同期していなくてもよい。すなわち、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が所定数「50」減少する周期は、第2効果音の出力周期の整数倍(自然数倍)となっていなくてもよく、第2効果音の出力周期は、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が所定数「50」減少する周期の整数倍となっていなくてもよい。すなわち、計数ボタン58の操作に基づく遊技価値数表示器100の表示の更新周期と、第2効果音の出力周期とは、同期していなくてもよい。
なお、遊技価値数表示器100の表示が「50」減少するタイミングは、第2効果音が出力されるタイミングと同期していてもよい。すなわち、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が所定数「50」減少する周期は、第2効果音の出力周期の整数倍となっていてもよく、第2効果音の出力周期は、遊技価値数表示器100に表示される遊技価値数が所定数「50」減少する周期の整数倍となっていてもよい。すなわち、計数ボタン58の操作に基づく遊技価値数表示器100の表示の更新周期と、第2効果音の出力周期とは、同期していてもよい。
【0065】
また、計数ボタン58の操作に基づく第2効果音の出力開始と、遊技価値数表示器100の表示の更新の開始とは、前者の開始が後者の開始より早くてもよく、後者の開始が前者の開始より早くてもよく、両者が略同時に開始されてもよい。
【0066】
なお、本実施形態では、第1効果音は、例えば、時間の変化に伴い「B♭・C・E♭・F・A♭・C」の順で音高が上昇していくようになっている。また、最後のCの音は、最初のCの音に比べて1オクターブ高い音となっている。また、本実施形態では、第2効果音は、例えば、時間の変化に伴い、「A♭・G・E♭・C・A♭・E♭」の順で音高が下降していくようになっている。また、2つ目のE♭の音は、1つ目のE♭の音に比べて1オクターブ低い音となっている。すなわち、第1効果音および第2効果音は、ともに、最初の音と最後の音と(最も低い音と最も高い音と)が1オクターブ以上離れているとともに2オクターブ以下離れている。また、第2効果音の方が、第1効果音に比べて音の高さの変化の幅が大きくなっている。換言すると、第2効果音の方が、第1効果音に比べて、最も低い音と最も高い音との音の高さの差(隔たり、度数)が大きくなっている。さらに換言すると、第2効果音の方が、第1効果音に比べて、最も高い音と最も低い音との周波数比(最も高い音の周波数を最も低い音の周波数で割ったときの値)が大きくなっている。また、第1効果音と第2効果音とでは、音の高さの変化の幅の差が1オクターブ以内となっている(ここで、1オクターブ以内とは差が全くない場合を含む)。
【0067】
また、第1効果音と第2効果音とは、音の長さが類似している(ここで、類似とは完全に同一の場合を含む)。具体的には、音の長さの差が、一方の音の長さの20%以下、より具体的には10%以下となっている。また、第1効果音および第2効果音は、
図5に示すように、0.3秒以上、0.4秒未満続くようになっている。なお、一方の音の長さが2秒未満であることとし、音の長さの差が、一方の音の長さの6~10%以下であることとしてもよい。なお、
図5では、第1効果音および第2効果音のそれぞれについて、上側の波形がLch(左側のスピーカ36から出力される音)の波形、下側の波形がRch(右側のスピーカ36から出力される音)の波形となっている。また、
図5では、グラフの横軸は時間(s)、縦軸は振幅(dB)となっている。
なお、ここで、第1効果音の長さは、「B♭・C・E♭・F・A♭・C」の最初のB♭の音が鳴り始めてから、最後のCの音が鳴り始めるまでの長さ(あるいは最後のCの音の大きさが所定の大きさよりも小さくなるまでの長さ)をいう。また、第2効果音の長さは、「A♭・G・E♭・C・A♭・E♭」の最初のA♭の音が鳴り始めてから最後のE♭の音が鳴り始めるまでの長さ(あるいは最後のE♭の音の大きさが所定の大きさよりも小さくなるまでの長さ)をいう。すなわち、第1効果音や第2効果音の最後の音が残響ししばらく残ることも考えられるが、第1効果音および第2効果音の長さを比較する場合に、このような残響部分(譜面上表れない部分)等については無視して比較することができる。また、第1効果音や第2効果音にエコーをかけるなどすること(例えば、「B♭・C・E♭・F・A♭・C」が徐々に小さくなりながら複数回鳴るようにすること)も考えられるが、そのような場合、最初に鳴る一組の音(例えば、「B♭・C・E♭・F・A♭・C」)を第1効果音あるいは第2効果音と捉えてもよい。また、データとして副記憶手段92に記憶されている音データの単位毎に、第1効果音あるいは第2効果音と捉えてもよい。
【0068】
また、
図5に示すように、第1効果音は、第2効果音に比べ、最初の音に対する最後の音の音量(振幅)が小さくなっている。すなわち、第1効果音の最初の音「B♭」の振幅(当該音に係る最大振幅)を最後の音「C」の振幅で割ったときの値は、第2効果音の最初の音「A♭」の振幅を最後の音「E♭」の振幅で割ったときの値に比べ、大きくなっている。換言すると、第1効果音は、第2効果音に比べ、最初の音と最後の音とを比較した場合の音量の変化幅(低下量)が大きくなっている。なお、「第1効果音は、第2効果音に比べ、最初の音と最後の音とを比較した場合の音量の低下量が大きい」とは、第1効果音は最初の音に比べ最後の音の音量が小さく、第2効果音は最初の音に比べ最後の音の音量が大きい場合等を含む。
また、第1効果音の最初の音の音量(当該音に係る最大振幅)は、第2効果音の最初の音の音量よりも大きくなっている。また、第1効果音の最後の音の音量は、第2効果音の最後の音の音量よりも小さくなっている。
また、第1効果音は、最初の音の音量が最も大きくなっている。また、第2効果音は、最後の音の音量が最も大きくなっている。
なお、ここでの音量に係る構成は、遊技機Xにおける音量設定を一定とした場合を前提とする。
【0069】
なお、本実施形態の遊技機では、精算ボタン57が操作され、投入状態に設定された遊技価値がクレジットに返却される場合であっても、当該返却に係る効果音(第1効果音や第2効果音等)は出力されないようになっている。なお、精算ボタン57が操作された場合に演出制御手段96がスピーカ36に当該返却に係る効果音を出力させるようにしてもよいが、当該返却に係る効果音は、第1効果音および第2効果音とは異なる音にすることが好ましい。すなわち、本実施形態の遊技機では、精算ボタン57の操作に基づきクレジット数が増加するようになっているが、このとき出力される効果音を第1効果音や第2効果音と異ならせること、あるいは効果音が出力されないようにすることで、第1効果音や第2効果音の出力時とは遊技価値の流れが異なることを分かりやすくすることができる。
【0070】
なお、本実施形態における第1効果音と第2効果音とを逆の音とすることも考えられる。すなわち、前記専用ユニット200から遊技機Xに遊技価値が送信され、クレジット数が増加する場合に、音高が低下していく効果音がスピーカ36から出力され、遊技機Xから専用ユニット200に遊技価値が送信され、クレジット数が減少する場合に、音高が上昇していく効果音がスピーカ36から出力されてもよい。
【0071】
なお、本実施形態では、主制御手段(メイン基板)86が遊技価値数制御手段82と遊技価値数記憶領域110とを備えることとしたが、主制御手段(メイン基板)86とは別の基板が、遊技価値数制御手段82や遊技価値数記憶領域110あるいはこれらの一部を備えることとしてもよい。
【0072】
本実施形態の遊技機は、
第1操作手段(計数ボタン58)と、
音出力手段(スピーカ36)と、
音制御手段(演出制御手段96)と、を備え、
遊技機と接続される専用ユニット200との間で遊技価値の送受信が可能な遊技機であって、
前記音制御手段は、
前記専用ユニット200から遊技機に遊技価値が送信され、クレジット数が増加する場合に、音高が上昇していく効果音(第1効果音)を前記音出力手段に出力させ、
前記第1操作手段に対する操作に基づいて遊技機から前記専用ユニット200に遊技価値が送信され、クレジット数が減少する場合に、音高が下降していく効果音(第2効果音)を前記音出力手段に出力させる。
【0073】
このような構成によれば、専用ユニットから遊技機に遊技価値が送信され、クレジット数が増加する場合に、音高が上昇していく効果音が出力され、遊技機から専用ユニットに遊技価値が送信され、クレジット数が減少する場合に、音高が下降していく効果音が出力されるので、専用ユニットと遊技機との間での遊技価値の流れ(クレジット数の増減)を直感的に遊技者に伝達することができる。換言すると、遊技者は、専用ユニットから遊技機への遊技価値の転送に係る操作と、遊技機から専用ユニットへの遊技価値の転送に係る操作とを直感的に理解することが可能となる。したがって、遊技機の挙動および操作を分かりやすくすることができる。
【0074】
また、本実施形態の遊技機では、専用ユニット200の貸出操作手段(貸出ボタン203または再プレイボタン204)が操作され、専用ユニット200から遊技機Xに遊技価値が送信される場合に、遊技機Xの音出力手段(スピーカ36)から第1効果音を出力させている。このような構成によれば、専用ユニットから遊技機に遊技価値が送信されたことを遊技者が認識しやすくなる。また、遊技機側で効果音を出力させることにより、遊技機への遊技価値の転送がしっかりと行われたという安心感を遊技者に与えることができる。
【0075】
(パチンコ遊技機への適用)
上記実施形態では、遊技価値としてメダル(仮想的なメダルを含む)を用いるスロットマシン(メダルレス遊技機を含む)に本発明を適用する例について説明したが、遊技価値として遊技球(仮想的な遊技球を含む)を用いるパチンコ遊技機等に本発明を適用してもよい。パチンコ遊技機に上記実施形態に係る構成を適用する場合は、専用ユニット200と遊技機との間で送受信される遊技価値は、仮想的な遊技球と解すことができる。
【0076】
すなわち、専用ユニット200の貸出操作手段(貸出ボタン203または再プレイボタン204)が操作され、専用ユニット200からパチンコ遊技機に遊技価値(遊技球に対応する電子的情報)が送信され、遊技価値数記憶領域110に記憶される遊技価値の数(クレジット数)が増加する場合に、音高が上昇していく効果音(第1効果音)を音出力手段(スピーカ36)に出力させてもよい。また、パチンコ遊技機の備える第1操作手段(計数ボタン58)に対する操作に基づいてパチンコ遊技機から専用ユニット200に遊技価値が送信され、遊技価値数記憶領域110に記憶される遊技価値の数(クレジット数)が減少する場合に、音高が下降していく効果音(第2効果音)を音出力手段に出力させてもよい。
【0077】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0078】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0079】
36 スピーカ(音出力手段)
58 計数ボタン(第1操作手段)
70 主制御手段
82 遊技価値数制御手段
96 演出制御手段(音制御手段)
100 遊技価値数表示器
110 遊技価値数記憶領域
200 専用ユニット