(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113074
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
A63F5/04 651
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015212
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大久保 誉
(72)【発明者】
【氏名】沼尾 崇広
(72)【発明者】
【氏名】立石 紀幸
(72)【発明者】
【氏名】大平 祥太朗
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518CA01
2C518EA02
2C518EB07
2C518EB16
2C518EC02
2C518EC15
2C518EC17
2C518EC27
(57)【要約】
【課題】 払い出しのあるリーチ目であっても、払い出しのないリーチ目と同様のタイミングで告知可能な遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技機の報知手段は、特別遊技状態を発生可能な状態であって、変動表示手段に所定識別情報が停止表示される場合に、付与手段による遊技価値の付与が完了し、かつ、操作手段が非操作状態であることに基づいて、特別報知を実行可能であり、特別遊技状態を発生可能な状態であって、変動表示手段に第1特定識別情報が停止表示される場合に、操作手段が非操作状態であることに基づいて、特別報知の実行を可能であり、特別遊技状態を発生可能な状態であって、変動表示手段に第2特定識別情報が停止表示される場合に、付与手段による遊技価値の付与が完了する前であっても、操作手段が非操作状態であることに基づいて、特別報知を実行可能な構成としてある。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の実行に関連して複数の識別情報を変動表示可能な変動表示手段と、
前記変動表示手段に関する制御を実行可能な制御手段と、
前記変動表示手段に停止表示される識別情報の種類に基づいて遊技価値を遊技者に付与可能な付与手段と、
遊技の進行に影響を与える操作を受付可能な操作手段と、
を備え、
前記変動表示手段に特別識別情報が停止表示された場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、
前記特別遊技状態を発生可能な状態であることを示す特別報知を実行可能な報知手段を備え、
前記制御手段は、
前記変動表示手段に特定識別情報を停止表示させることで、前記特別遊技状態を発生可能な状態であることを遊技者に認識させることが可能であり、
前記変動表示手段に所定識別情報を停止表示させることで、前記特別遊技状態を発生可能な状態である可能性があることを遊技者に示唆することが可能であり、
前記特定識別情報には、第1特定識別情報と、第2特定識別情報と、が含まれ、
前記付与手段は、
前記変動表示手段に前記第1特定識別情報が停止表示されることに基づいて、前記遊技価値を付与せず、
前記変動表示手段に前記第2特定識別情報が停止表示されることに基づいて、前記遊技価値を付与可能とし、
前記変動表示手段に前記所定識別情報が停止表示されることに基づいて、前記遊技価値を付与可能とし、
前記報知手段は、
前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記所定識別情報が停止表示される場合に、前記付与手段による前記遊技価値の付与が完了し、かつ、前記操作手段が非操作状態であることに基づいて、前記特別報知を実行可能であり、
前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記第1特定識別情報が停止表示される場合に、前記操作手段が非操作状態であることに基づいて、前記特別報知の実行を可能であり、
前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記第2特定識別情報が停止表示される場合に、前記付与手段による前記遊技価値の付与が完了する前であっても、前記操作手段が非操作状態であることに基づいて、前記特別報知を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記所定識別情報が停止表示される場合には、複数の状況として、第1の状況と、第2の状況と、が含まれ、
前記報知手段は、
前記第1の状況である場合に、前記操作手段が操作状態であっても前記付与手段による前記遊技価値の付与を開始可能とし、当該付与が完了することに基づいて、前記特別報知を実行可能であり、
前記第2の状況である場合に、前記操作手段が非操作状態であることに基づいて前記付与手段による前記遊技価値の付与を開始可能とし、当該付与が完了することに基づいて、前記特別報知を実行可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記付与手段による付与が行われる場合に、所定の演出を実行可能な演出手段を備え、
前記演出手段は、
前記変動表示手段に前記所定識別情報が停止表示されることに基づいて前記遊技価値が付与される場合には、前記所定の演出を実行可能とし、
前記変動表示手段に前記第2特定識別情報が停止表示されることに基づいて前記遊技価値が付与される場合には、前記所定の演出を実行しない
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記報知手段は、
前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記所定識別情報が停止表示される場合に、前記付与手段による前記遊技価値の付与中に前記操作手段が非操作状態となり、そのまま前記遊技価値の付与が完了したことに基づいて、前記特別報知を実行可能であり、
前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記所定識別情報が停止表示される場合に、前記付与手段による前記遊技価値の付与中に前記操作手段が非操作状態となり、かつ、前記遊技価値の付与が完了する前に前記操作手段が操作状態となり、前記遊技価値の付与が完了しても、前記操作手段の操作状態が維持される限り、前記特別報知を実行しない
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記報知手段は、
前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記第2特定識別情報が停止表示される場合に、前記付与手段による前記遊技価値の付与が完了する前であっても、前記操作手段が非操作状態となり、かつ、所定量の遊技価値が付与されることに基づいて、前記特別報知を実行可能である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、当選を示唆する図柄の組み合わせである、所謂リーチ目によりボーナスを告知する遊技機が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機には、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の遊技機は、遊技の実行に関連して複数の識別情報を変動表示可能な変動表示手段と、前記変動表示手段に関する制御を実行可能な制御手段と、前記変動表示手段に停止表示される識別情報の種類に基づいて遊技価値を遊技者に付与可能な付与手段と、遊技の進行に影響を与える操作を受付可能な操作手段と、を備え、前記変動表示手段に特別識別情報が停止表示された場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な遊技機において、前記特別遊技状態を発生可能な状態であることを示す特別報知を実行可能な報知手段を備え、前記制御手段は、前記変動表示手段に特定識別情報を停止表示させることで、前記特別遊技状態を発生可能な状態であることを遊技者に認識させることが可能であり、前記変動表示手段に所定識別情報を停止表示させることで、前記特別遊技状態を発生可能な状態である可能性があることを遊技者に示唆することが可能であり、前記特定識別情報には、第1特定識別情報と、第2特定識別情報と、が含まれ、前記付与手段は、前記変動表示手段に前記第1特定識別情報が停止表示されることに基づいて、前記遊技価値を付与せず、前記変動表示手段に前記第2特定識別情報が停止表示されることに基づいて、前記遊技価値を付与可能とし、前記変動表示手段に前記所定識別情報が停止表示されることに基づいて、前記遊技価値を付与可能とし、前記報知手段は、前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記所定識別情報が停止表示される場合に、前記付与手段による前記遊技価値の付与が完了し、かつ、前記操作手段が非操作状態であることに基づいて、前記特別報知を実行可能であり、前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記第1特定識別情報が停止表示される場合に、前記操作手段が非操作状態であることに基づいて、前記特別報知の実行を可能であり、前記特別遊技状態を発生可能な状態であって、前記変動表示手段に前記第2特定識別情報が停止表示される場合に、前記付与手段による前記遊技価値の付与が完了する前であっても、前記操作手段が非操作状態であることに基づいて、前記特別報知を実行可能な構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】遊技機の表示窓における有効ラインを示す図である。
【
図6】入賞役と入賞役に対応する図柄組み合わせ、及び特典を示す図である。
【
図7】リーチ目に対応する図柄組み合わせ、及びメダル付与の有無を示す図である。
【
図8】通常のリーチ目時における告知制御処理を示すタイミングチャートである。
【
図9】チェリー重複時における告知制御処理を示すタイミングチャートである。
【
図10】払い出しが行われるリーチ目時における告知制御処理を示すタイミングチャートである。
【
図11】プレミアのチェリー重複時における告知制御処理を示すタイミングチャートである。
【
図12】告知後制御処理を示すフローチャートである。
【
図13】払い出しが行われるリーチ目時における告知制御処理の変形例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら、本発明における遊技機の好ましい実施形態について説明する。
なお、遊技機は、遊技場等に設置されるものであり、様々な種類があるが、本実施形態の一例として、スロットマシン1に適用した場合について説明する。
【0008】
[スロットマシン]
スロットマシン1は、
図1~
図3に示すように、正面側が開口した筐体1bと、筐体1bの正面側を開閉することができるように覆う前扉1aとで構成される遊技機である。
前扉1aの上部には、例えば、液晶表示器から構成され、遊技に応じた表示による演出や情報表示を行い、演出手段の一例として機能する表示器Lを備えている。
表示器Lの左右には、音声を出力するスピーカ9や、光による演出を行うLED等の発光手段を備えるランプ11が内蔵されている。
【0009】
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、変動表示手段の一例として機能するリール41に表された図柄を視認できる。
表示窓6を介して視認される各リール41a~41cの図柄の組み合わせには、複数の有効ラインが設定されている(
図4参照)。
有効ラインには、3つ水平に並んだ中段、上段、下段の有効ライン1、有効ライン2、有効ライン3と、斜めにクロスする2つの有効ライン4、有効ライン5の計5ラインが設けられている。
【0010】
表示窓6の左下側には、告知ランプ8が設けられている。
告知ランプ8は、内部抽選の結果、「ボーナス役」に当選したことを遊技者に報知(特別報知)するものであり、「ボーナス役」に当選すると、内部に設けられたLED(発光素子)が発光し、この発光によってパネル上の文字や絵柄(GOO!等)が透光表示される。
【0011】
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部には、メダル(遊技価値)を投入するメダル投入口2と、複数の操作手段が設けられている。
操作手段として、例えば、掛け数を設定するベットボタン2aと、遊技者がゲームを開始する際に操作するスタートレバー3と、リール41を停止させる際に遊技者が押下する停止ボタン5等が設けられている。
なお、ベットボタン2aには、クレジットとして貯留されたメダルを、1回の操作で1回のゲームに掛けられる最大枚数(例えば、3枚)を掛けることができるMAXベットボタン2a1と、1回の操作につき1枚を掛けることができる1ベットボタン2a2とがある。
また、前扉1aの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口7bを備えている。
【0012】
筐体1bの上部には、遊技を統括的に制御する主制御部10と、この主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行う副制御部20とを備えている。
主制御部10は、各種演算処理等を行うCPUと、制御プログラムや制御データ等が格納されたROMと、各種データを一時記憶する記憶領域やCPUの作業領域等を備えたRAM等の記憶手段を備えている。
主制御部10には、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、スタートレバー3、停止ボタン5、ドラムユニット4、メダル払出装置7等が接続され、各機器に内蔵されたセンサからの各種信号を受信できるように構成されている。
また、主制御部10は、制御手段、抽選手段の一例として機能することで、遊技の開始処理や、乱数発生器からの乱数をサンプリングする処理等を行い、このサンプリングされた乱数に基づき役の内部抽選処理を行う。
なお、以下の説明では、ベットボタン2a、スタートレバー3、停止ボタン5等の主制御部10に接続されている操作手段を纏めて「メイン系操作手段」ともいう。
【0013】
副制御部20には、表示器L、スピーカ9、ランプ11、告知ランプ8等が接続され、各機器に対して各種信号を送信できるように構成されている。
副制御部20は、主制御部10から受信する制御情報に基づき、これらを制御する。
筐体1bの中央部には、リール41を回転駆動させるドラムユニット4を備えている。
ドラムユニット4は、水平方向に並設されるリール41a、リール41b、リール41cを備え、これらリール41a~41cがステッピングモータ(不図示)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、複数の図柄が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
筐体1bの下部には、メダルの払い出しを行うメダル払出装置7やメダルを貯留するホッパー7aを備え、このメダル払出装置7から払い出されたメダルはメダル払出口7bを介して遊技者に払い出される。
このように構成されるスロットマシン1は、主制御部10が以下のようなゲームを制御する。
【0014】
まず、遊技者によりメダル投入口2からメダルが投入されると、メダルがメダルセレクタ2bにより検出され、検出信号が主制御部10に入力される。
また、ベットボタン2aが操作された場合は、操作信号が主制御部10に入力される。
主制御部10は、これらの信号の入力の有無からゲーム可能なメダル数を監視するとともに、スタートレバー3の操作を監視する。
そして、主制御部10は、ゲーム開始可能なメダル数となったときに、スタートレバー3が操作されると、ドラムユニット4を駆動して、各リール41a~41cを回転させる制御を行う。
これにより、各リール41a~41cに表されている図柄が変動表示される。
【0015】
各リール41a~41cの周面には、
図5に示すように、識別情報となる複数(例えば、21個)の図柄として、例えば、「7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「ピエロ」、「ブドウ」、「チェリー」等がそれぞれ表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた各停止ボタン5a~5cを押下できる状態となる。
【0016】
このとき、主制御部10は、スタートレバー3の操作とともに抽選対象となる「ハズレ」を含む複数の役の中から、1ゲームごとに内部抽選処理を行う。
内部抽選処理では、複数の役の中からゲームが行われるたびに入賞役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
【0017】
図6は、表示窓6の有効ラインに沿って停止される入賞役とその入賞役に対応する図柄の組み合わせ、及び特典について示す図である。
内部抽選の対象には、例えば、
図6に示すように、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)等の2つの種別を含むボーナスゲーム(特別遊技状態)に移行する権利を獲得する「ボーナス役」、所定枚数のメダルが付与される「小役」(ベル、ピエロ、ブドウ、チェリー等)、メダルを投入することなく次回ゲームが可能となる「リプレイ役」、図示しないハズレ等がある。
内部抽選では、これらの抽選対象ごとに予め設定された当選値と、スタートレバー3が操作されたタイミングで取得される乱数値とを比較し、乱数値と一致する当選値に対応する抽選対象を今回ゲームの当選対象(ハズレも含む)として決定する。
その後、主制御部10は、各停止ボタン5a,5b,5cが遊技者により、押下されると、この操作タイミングに基づき、各リール41a,41b,41cを停止する停止制御を行う。
例えば、最初に左停止ボタン5aが押下された場合、押下されたことを契機に左リール41aが停止し、2番目に中停止ボタン停止ボタン5bが押下された場合、押下されたことを契機に中リール41bが停止し、3番目に右停止ボタン5cが押下された場合、押下した指を離すことで右停止ボタン5cが押圧から開放されたことを契機に、右リール41cが停止する。
なお、以下の説明においては、停止ボタン5の操作に際して、最初に停止したリール41を第1リールといい、第1リールの次に停止したリール41を第2リールといい、第2リールの次に停止したリール41を第3リールという。
そして、第1リールの停止操作を第1停止操作といい、第2リールの停止操作を第2停止操作といい、第3リールの停止操作を第3停止操作という。
【0018】
また、このとき、主制御部10における各リール41a~41cの停止制御では、有効ラインに沿って入賞役に応じた図柄の組み合わせが停止するように制御される。
例えば、内部抽選で役が当選した場合には、遊技者が有効ライン上に入賞役の図柄組み合わせが停止するように停止ボタン5を停止操作(目押し)すると、この操作タイミングに基づいて、回転している各リール41a~41cが停止制御される。
【0019】
具体的には、操作タイミングからリール41の回転をさらに進めることができるスベリコマ数(例えば、0~4図柄)の範囲内に、入賞役に対応する図柄があるか否かを判定し、スベリコマ数の範囲内に入賞役に対応する図柄がある場合には、その図柄を有効ライン上に引き込むように引き込み制御が行われる。
そして、主制御部10は、各リール41a~41cに停止表示される図柄やその組み合わせを判定し、入賞役の図柄組み合わせが有効ライン上に揃ったとき、入賞したとして、メダル払出装置7に対して所定枚数のメダルを払い出す制御を行い、メダルをメダル払出口7bから払い出す。
したがって、主制御部10は、入賞役に応じて遊技者にメダルを付与する付与手段として機能している。
【0020】
例えば、ボーナス図柄の組み合わせ(例えば、「7・7・7」(特別識別情報))が有効ライン上に停止したときには、出玉の上限値で規定されたボーナスゲームに移行する。
このボーナスゲーム中は、所定枚数の払い出しのある「小役」に対応する図柄配列が連続して揃うように抽選、及びリールの制御が行われることで多くの遊技媒体が払い出される。
そのため、ボーナスゲーム中は、連続的な「小役」の入賞が期待できない通常遊技状態より遊技者にとって有利な遊技状態にあるといえる。
また、同じボーナスゲームであっても、BBにおける出玉の上限値は、RBにおける上限値より多い値に設定されており、これにより、BBはRBよりもメダルの払出しが多くなっている。
なお、この「ボーナス役」の当選確率は、複数段階(例えば、6段階)に変更可能な設定値により行われる。
この設定値は、通常、設定1が最も低い確率値となり、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。
したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
【0021】
「小役」には、「ベル役」、「ピエロ役」、「ブドウ役」、「チェリー役」等がある。
「小役」(例えば、「ベル・ベル・ベル」)が有効ライン上に停止したときには、「小役」ごとに規定された枚数のメダルを払い出すように制御される。
なお、後述する
図6に記載のないリーチ目「ピエロ・7・ピエロ」に関して、当然入賞役(例えば、「小役」)としても扱われる。
【0022】
「リプレイ役」(例えば、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が有効ライン上に停止したときには、次回のゲームにおいてメダルを投入することなく遊技(再遊技)できるように制御される。
以上、説明したような図柄の組み合わせに基づいて、「ボーナス役」、「小役」、「リプレイ役」の当選がそれぞれ判定され、判定の結果、対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに入賞が成立して、各入賞の成立に応じた特典が付与される。
【0023】
この他、主制御部10は、所定の遊技タイミング(例えば、スタートレバー3や停止ボタン5等の操作)で、所定の信号や情報を副制御部20に出力する。
例えば、主制御部10は、各停止ボタン5a~5cが停止操作された場合には、停止ボタン5の押し順や操作タイミング等の情報を副制御部20に出力する。
このため、主制御部10は、停止ボタン5の操作により各リール41a~41cが停止された場合、何れのリール41がどの順番、どのタイミングで停止したのかという情報を、上段・中段・下段の図柄等を識別可能な情報とともに副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、「ボーナス役」に当選した場合には、「ボーナス役」に当選したこと、及び当選した「ボーナス役」の種別を識別可能なボーナス信号(BB信号、RB信号)を副制御部20に出力する。
【0024】
副制御部20は、主制御部10から出力された情報や信号を入力すると、この情報や信号に従い、予め記憶した演出プログラムに基づき、表示器L、スピーカ9、ランプ11を制御して、所定の遊技演出を行う。
具体的には、副制御部20は、サブCPU(中央演算処理装置)、サブRAM(メモリ)、サブROM等の記憶手段、画像制御回路、音声制御回路、ランプ制御回路等が搭載されたサブ基板と、これらを収容する基板ケース等から構成され、液晶表示器からなる表示器L、音声や効果音等の音を出力するスピーカ9、ランプ11等の演出手段を駆動して、所定の映像、発光演出、及び音響演出等の遊技演出の制御を行う。
そして、副制御部20は、主制御部10が管理する遊技の進行状態、遊技状態、抽選処理において当選した抽選対象等を識別し、ゲームと同期した演出を行うように制御する。
例えば、副制御部20は、内部抽選において「ボーナス役」に当選した場合に主制御部10から出力されるボーナス信号を入力すると告知ランプ8を発光(点灯)させるため、「ボーナス役」に当選したことを告知(以下、ボーナス告知ともいう)できる。
そのため、遊技者は、「ボーナス役」に当選していることを把握でき、ボーナスゲームに対する期待をより一層高める演出をしている。
したがって、告知ランプ8は、ボーナスゲームを発生可能な状態であることを遊技者に報知する報知手段として機能している。
【0025】
[リーチ目]
図7は、リーチ目(特定識別情報)と、そのリーチ目に対応する図柄組み合わせ、及びメダル付与の有無を示したものであり、予め記憶手段に記憶されるものである。
リーチ目とは、内部抽選において「ボーナス役」に当選していることを遊技者に知らせる出目をいう。
リーチ目を見た遊技者は、「ボーナス役」に当選していることを把握できるので、早い段階で有効ライン上に「ボーナス役」の図柄組み合わせが停止するように停止ボタン5を停止操作(目押し)できる。
本実施形態におけるスロットマシン1は、このようなリーチ目として、図柄の組み合わせパターンごとにリーチ目A、リーチ目B、リーチ目Cの3つに区分けできる。
以下、各リーチ目における図柄の組み合わせ、及びメダル付与の有無ついて説明する。
【0026】
リーチ目Aは、「ボーナス図柄」の組み合わせが有効ライン上に一直線に並ぶリーチ目である。
図7のNo(1)~(6)に、リーチ目Aの一例を示しており、リーチ目Aは、例えば、No(1)「BAR・BAR・BAR」等のように「ボーナス図柄」である「7」又は「BAR」の図柄組み合わせが、有効ライン1~5の何れかのラインに停止するリーチ目である。
したがって、リーチ目Aは、有効ラインが限定されないリーチ目となっている。
また、リーチ目Aは、No(1)~(6)のリーチ目の何れも有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止しても遊技者に対しメダルの払い出しが行われないリーチ目である。
【0027】
リーチ目Bは、「ピエロ・ボーナス図柄・ピエロ」の組み合わせが有効ライン上に一直線に並ぶリーチ目である。
図7のNo(7)、(8)に、リーチ目Bの一例を示しており、リーチ目Bは、「ボーナス図柄」の左右を「ピエロ」で挟んだ「ピエロ・7又はBAR・ピエロ」の図柄の組み合わせが、有効ライン1~5の何れかのラインに停止するリーチ目である。
このため、リーチ目Bは、リーチ目Aと同様、有効ラインが限定されないリーチ目となっている。
また、リーチ目Bにおいて、No(7)「ピエロ・BAR・ピエロ」のリーチ目は、リーチ目Aと同様に有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止してもメダルの払い出しが行われないが、No(8)「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目においては、有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止した場合、「小役」等の入賞役と同様に所定枚数(例えば、1枚)のメダルが払い出される。
なお、No(7)「ピエロ・BAR・ピエロ」のリーチ目においても、NO(8)「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目と同様に、有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止した場合には、メダルの払い出しが行われる構成としても良い。
【0028】
リーチ目Cは、「チェリー(所定識別情報)」が左リール41aに停止するリーチ目である。
図7のNo(9)、(10)に、リーチ目Cの一例を示しており、リーチ目Cは、「ボーナス役」の当選とともに、「チェリー役」も同時に成立(以下、チェリー重複ともいう)するリーチ目である。
例えば、No(9)のリーチ目は、左リール41aの上段に「チェリー」、中段に「BAR」、下段に「ブドウ」がそれぞれ停止し、かつ、中リール41bに「チェリー」がテンパイしないリーチ目である。
このため、中リール41bの上段又は中段に「チェリー」が停止した場合は、「チェリー」がテンパイするため、リーチ目ではないことになる。
No(10)のリーチ目は、左リール41aの上段に「ブドウ」、中段に「チェリー」、下段に「BAR」がそれぞれ停止するリーチ目である。
なお、中リール41b又は右リール41cの「ANY」は、停止図柄は問わないことを示している。
したがって、No(10)のリーチ目Cは、左リール41aの中段に「チェリー」が停止すれば成立するリーチ目といえる。
また、リーチ目Cは、No(9)、(10)のリーチ目の何れも有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止した場合、「チェリー役」が入賞するため、実質的に所定枚数(例えば、2枚)のメダルの払い出しが行われるリーチ目といえる。
【0029】
[告知制御処理]
続いて、リーチ目時の告知制御について説明する。
リーチ目時の告知制御は、「BAR・BAR・BAR」等のようなメダルの払い出しが行われないリーチ目と、「ピエロ・7・ピエロ」等のようなメダルの払い出しが行われるリーチ目とが違和感のないように告知ランプ8の点灯が制御されている。
スロットマシン1は、このような制御により、払い出しのあるリーチ目であっても、払い出しのないリーチ目と同じタイミングで告知ランプ8によりボーナス告知できるようになる。
以下、リーチ目時の告知制御について、
図8~
図11のタイミングチャートを参照しながら説明する。
【0030】
図8~
図11に示す例は、リーチ目が有効ライン上に停止するときのゲーム開始から告知ランプ8が点灯するまでの1ゲーム中の告知制御の具体例である。
リーチ目の告知制御において、ベットボタン2aにより掛け数を設定した後、スタートレバー3の操作によりゲームが開始可能な状態となり、その後の停止ボタン5による停止操作やメダルの払い出しに応じて、告知ランプ8の点灯制御が異なる例を示している。
【0031】
まず、払い出しが行われないリーチ目(第1特定識別情報)時における告知制御処理について説明する。
図8は、「BAR・BAR・BAR」等のリーチ目Aや「ピエロ・BAR・ピエロ」のリーチ目B等のメダルの払い出しが行われない通常のリーチ目時における告知制御処理のタイミングチャートである。
上述したように、主制御部10は、ベットボタン2a、スタートレバー3、停止ボタン5等の操作手段からの操作信号(例えば、各操作手段に備えるセンサからのオンオフ情報(オン:操作、オフ:未操作))に基づいて、各リール41a~41cやこれらを回転駆動させるステッピングモータ等を備えるドラムユニット4、メダル払出装置7等の出力手段を制御することにより、遊技を進行させる。
【0032】
遊技の進行において、各操作手段に対する操作は以下の順序で行われる。
例えば、最初にベットボタン2aの操作後、スタートレバー3が操作されることによりリール41の回転が開始される。
リール41の回転開始から所定時間経過後に停止ボタン5に対する操作が有効となり、有効となった後に、停止ボタン5が操作されることで、リール41の回転が停止することになる。
【0033】
このような順序で各操作手段が操作されて遊技が進行することになるが、払い出しが行われないリーチ目時における告知は、以下の(1)、(2)の条件を全て満たす場合に実行される。
(1)リール41の回転が停止していること
(2)全てのメイン系操作手段が「OFF(非操作状態)」になっていること
【0034】
通常のリーチ目時における告知制御は、(1)リール41の回転が停止し、かつ、第3リールを停止するための停止ボタン5等の操作手段が未操作状態、つまり(2)メイン系操作手段が全て「OFF」になったときに、副制御部20は、主制御部10から次遊技開始コマンドを受信するが、この次遊技開始コマンドを受信後に、告知ランプ8が点灯するように制御する。
そのため、例えば、点線で示したタイミングのように、第3リールの停止操作の際、遊技者が停止ボタン5の長押しにより手を離すタイミングが遅れれば、遅れた分だけ告知ランプ8も遅れて点灯される。
【0035】
なお、リーチ目Cのような「チェリー」が左リール41aに停止するチェリー重複時は、実質的にメダルが払い出されることになるが、この場合、(1)、(2)の条件に、以下の(3)の条件が追加される。
(3)メダルの払い出しが完了していること
【0036】
チェリー重複時(第1の状況)における告知は、さらに(3)メダルの払い出しが完了していることが条件とされる。
副制御部20は、これらの条件を全て満たすときに主制御部10から次遊技開始コマンドを受信し、告知ランプ8を点灯させる。
そのため、(1)リール41の回転が停止し、かつ、(2)メイン系操作手段が全て「OFF」となり、そのまま(3)メダルの払い出しが完了すれば、告知ランプ8による告知が実行される。
また、例えば、メダルの払い出し中、(2)全てのメイン系操作手段が「OFF」になったとしても、(3)メダルの払い出しが完了する前に、再度、停止ボタン5等を押下すれば、払い出しが完了しても、停止ボタン5から遊技者が手を離すまでは、告知ランプ8による告知が行われないように制御される(
図9参照)。
【0037】
一方、
図10に示すタイムチャートは、「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目Bのようなメダルの払い出しが行われるリーチ目(第2特定識別情報)に対する告知制御処理を示している。
メダルの払い出しが行われるリーチ目時における告知は、以下の(1)、(2)の条件を全て満たす場合に実行される。
(1)リール41の回転が停止していること
(2)全てのメイン系操作手段が「OFF」になっていること
【0038】
副制御部20は、(1)リール41の回転が停止して、かつ、(2)メイン系操作手段が全て「OFF」になったとき、例えば、遊技者が第3停止操作の際、停止ボタン5から手を離したときに、主制御部10から特殊告知コマンドを受信する。
そして、特殊告知コマンドを受信した副制御部20は、告知ランプ8を点灯させる。
このとき、メダルの払い出しは、(1)リール41の回転が停止したタイミングで、(2)メイン系操作手段が全て「OFF」か否かに関係なく開始されるが、(1)リールの回転が停止して、かつ、(2)メイン系操作手段が全て「OFF」になっていれば、メダルの払い出しが完了していなくても告知するように制御される。
したがって、メダルの払い出しが完了していなくても告知が実行される点で、同じくメダルの払い出しが行われるチェリー重複時とは、異なる。
また、例えば、点線で示したタイミングのように、第3リールの停止操作の際、遊技者が停止ボタン5の長押しにより手を離すタイミングが遅れれば、遅れた分だけ告知ランプ8も遅れて点灯される。
【0039】
このように、「小役」等の入賞役のように払い出しが行われるリーチ目であっても、払い出しが行われないリーチ目と同様に、(1)リール41の回転が停止し、かつ、(2)全てのメイン系操作手段が「OFF」になっていることを主制御部10が確認するにより、副制御部20に対し特殊告知コマンドを送信して、告知ランプ8を点灯させる。
これにより、払い出しのある入賞役をリーチ目として扱っても、払い出しのないリーチ目と同一のタイミングで告知が可能になり、遊技者は、違和感なく遊技できる。
【0040】
また、副制御部20は、遊技者に対してメダルを払い出す際、メダルの払い出しを示唆する払出演出を行うように制御する。
払出演出は、入賞を示す入賞信号の受信に基づき、メダルの払い出しを示唆する音や光をスピーカ9、ランプ11から出力させる演出である。
例えば、払出演出は、メダルが4枚払い出されるときには、あたかもメダルが4枚払出されたかのような、表示器Lから「1、2、3、4」という表示、スピーカ9から「ダダダダ」という音(4連続音)、ランプ11から「ピカピカピカピカ」という点灯を出力させる演出である。
なお、チェリー重複等の「小役」の同時当選時には、メダルの払い出しとともに、この払出演出が実行されるが、「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目においては、メダルの払い出し時に払出演出が行われないように制御される。
これは、あくまでも「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目は、リーチ目として機能させているため、区別して制御されている。
【0041】
次に、プレミア(特別演出)で行われる告知制御処理について説明する。
図11に示すタイムチャートは、プレミアで「ボーナス役」の当選とともに小役が同時に成立するリーチ目(主としてリーチ目Cのような「チェリー」が左リール41aに停止するチェリー重複等)の告知制御処理を示している。
ここでは、「ボーナス役」の当選とともに同時に成立する小役として、「チェリー役」の場合を一例として説明する。
【0042】
プレミアのチェリー重複時における告知ランプ8による告知は、以下の(1)~(3)の条件を全て満たす場合に実行される。
(1)リール41の回転が停止していること
(2)全てのメイン系操作手段が「OFF」になっていること
(3)メダルの払い出しが完了していること
【0043】
プレミアのチェリー重複時(第2の状況)における告知制御は、(1)リールの回転が停止して、かつ、(2)メイン系操作手段が全て「OFF」になったときであって、さらに(3)払い出しが完了されているときに、副制御部20は、主制御部10から次遊技開始コマンドを受信し、告知ランプ8を点灯させる。
このとき、メダルの払い出しは、(1)リールの回転が停止して、かつ、(2)メイン系操作手段が全て「OFF」になっていれば、メダルの払い出しが開始される。
したがって、プレミアにおけるメダルの払い出し開始条件は、通常時のメダルの払い出し開始条件と異なり、(2)全てのメイン系操作手段が「OFF」になっていることも条件とされる。
例えば、点線で示したタイミングのように、第3リールの停止操作の際、遊技者が停止ボタン5の長押しにより手を離すタイミングが遅れれば、メダルの払い出しの開始が遅れ、それに伴い遅れた分だけシフトして告知ランプ8も遅れて点灯される。
【0044】
ここで、上述した一連の告知制御処理の後に行われる特殊演出について説明する。
特殊演出は、告知ランプ8の点灯後、次ゲーム移行の「リプレイ役」成立後(メダルの1枚掛け時でも可)に発生する滅多に遭遇できないプレミアな演出である。
例えば、特殊演出は、所定の条件成立後、スピーカ9からキャラクターの鳴き声(ワワワワンッ!)が発生すると同時に告知ランプ8が点滅する演出等が行われる。
【0045】
図12は、告知後制御処理について説明するためのフローチャートである。
スロットマシン1は、ボーナス告知が行われ、実際に「ボーナス役」が有効ライン上に停止するまでの間に、所定の条件を全て満たすことによって、特殊演出が実行される。
特殊演出が実行されることの所定の条件として、例えば、(1)「BB役」に当選、(2)特殊演出実行抽選に当選、(3)「リプレイ役」に当選等の条件を有し、これらの条件を全て満たす場合には、特殊演出を行うように制御される。
【0046】
(1)「BB役」に当選
(1)の条件は、「ボーナス役」には、「BB役」又は「RB役」の何れかを有するが「BB役」の当選を条件としている(S10)。
「BB役」に当選している場合には、S11に処理を進め(S10:Yes)、「RB役」に当選している場合には処理を終了する(S10:No)。
【0047】
(2)特殊演出実行抽選に当選
(2)の条件は、「ボーナス役」の当選中に行われる特殊演出の実行をかけた特殊演出実行抽選の当選を条件としており(S11)、この抽選は、例えば、スタートレバー3の操作タイミングで実行される。
これにより、遊技者のボーナスゲームへの期待をさらに高められる構成になっている。
この特殊演出実行抽選に当選することで特殊演出の権利を獲得できるが、特殊演出実行抽選に当選している場合には、S12に処理を進め(S11:Yes)、抽選に当選していない場合には、処理を終了する(S11:No)。
【0048】
(3)「リプレイ役」に当選
(3)の条件は、「リプレイ役」の当選を条件としている(S12)。
「リプレイ役」に当選している場合には、S13に処理を進め(S12:Yes)、「リプレイ役」に当選していない場合には処理を終了する(S12:No)。
本来、ボーナスゲームに移行しない「リプレイ役」の当選は、遊技者にとって好ましくない役の当選になるところ、「リプレイ役」の当選等のこれらの条件を満たすことにより、ボーナス告知後にプレミアな特殊演出を見たいという遊技者の欲求を満たすことができる(S13)。
【0049】
なお、「リプレイ役」において、リプレイ図柄又はその図柄組み合わせが多数ある場合には、何れの「リプレイ役」が成立するかによって、特殊演出の種類も対応して複数あっても良い。
また、(2)の条件:特殊演出実行抽選に当選した場合でも、(3)の条件:「リプレイ役」に当選していない場合には、特殊演出は実行されず、特殊演出の当選の権利は消滅するが、一度でも当選した場合には、次回以降の告知制御処理の後に特殊演出が実行されるまでは、特殊演出の当選の権利を持ち越すことができる構成にしても良い。
【0050】
[変形例]
続いて、
図13を参照しながら変形例について説明する。
上述したように、払い出しが行われる「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目が有効ライン上に停止したときの告知制御処理では、メダルの払い出しが完了していなくても告知ランプ8による告知が実行される構成になっている。
【0051】
変形例における告知は、以下の(1)~(3)の条件を全て満たす場合に実行される。
(1)リール41の回転が停止していること
(2)全てのメイン系操作手段が「OFF」になっていること
(3)所定量のメダルの払い出しが完了していること
【0052】
変形例では、「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目が有効ライン上に停止した場合に、メダルの払い出しが完了しなくても、(1)リール41の回転が停止し、かつ、(2)メイン系操作手段が全て「OFF」になったときであって、所定量(例えば、10枚中7枚目等)のメダルが払い出しとなるまでは、告知を保留し、(3)所定量に到達した時点で告知を行う構成になっている。
この場合、主制御部10は、これらの(1)~(3)の条件を全て満たす場合に、特殊告知コマンドを副制御部20へ送信することになり、副制御部20は、その特殊告知コマンドを受信後、告知ランプ8を点灯させる。
【0053】
これにより、告知ランプ8による告知に変化を与えることができるため、告知による演出が単調になることを防止できる。
その結果、遊技者に対し告知のタイミングに興味を持たせることができるため、例えば、告知が開始されるメダルの払出枚数によって、設定示唆を行うような制御もできる。
具体的には、メダルの払出枚数が3枚目で告知されるときは、設定3を示唆し、メダルの払出枚数が6枚目で告知されるときには、設定6を示唆する等の設定示唆ができる。
【0054】
以上のように、本実施形態における遊技機によれば、リーチ目によりボーナス告知をする際に、「小役」等の入賞役のようにメダルの払い出しが行われる遊技機において、メダルの払い出しの完了を待たずにボーナス告知を行うように制御される。
これにより、リーチ目によりボーナス告知をする際に、メダルの払い出しが行われないリーチ目の停止時と同様のタイミングでボーナス告知できるため、遊技者は、違和感なく遊技できる。
【0055】
一方、従来の遊技機では、特許文献1に開示されているように、本発明のようにリーチ目によりボーナス告知をする遊技機であるが、メダルの払い出しが発生する際の告知制御に関する情報がなく検討が十分とは言えなかった。
本発明の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべきこのような課題の全部又は一部を解決することができる。
【0056】
以上、本発明の遊技用装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明における遊技用装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。
(1)メダル等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを行う、所謂封入式遊技機にも本発明を適用できる。
(2)「BAR・BAR・BAR」等のリーチ目(特別出目)が有効ライン上に停止した後、MAXベットボタン2a1の押下、1ベットボタン2a2の押下、メダル投入の何れの操作を行っても、特別演出を行う構成としても良い。
これにより、MAXベットボタン2a1の押下時のみを条件としたときには、特別演出を実行できないが、複数の条件を設けることにより、例えば、熟練者等の遊技に慣れている遊技者は、少しでもメダルの減少を抑えるため、1枚掛けで「ボーナス役」を入賞させることがあるが、このような遊技者においても、1ベットボタン2a2の押下時に、特別演出を実行できる。
(3)プレミアのチェリー重複時の告知制御では、全てのメイン系操作手段が「OFF」となっていることがメダルの払い出し開始条件となる例にして説明したが、メダルの払い出し開始条件を、全てのメイン系操作手段が「OFF」となってからメダルの払い出しが開始されるまでの経過時間(例えば、秒数)により設定示唆を行っても良い。
例えば、全てのメイン系操作手段が「OFF」となってから、メダルの払い出しが開始されるまでの時間が遅い方が高設定である確率を高くすること等の設定示唆が挙げられる。
(4)払出枚数のカウントアップ表示(1秒経過ごとに1ずつ加算した数字を表示)を表示器Lにより行う構成の遊技機において、払出演出を行わない「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目では、例えば、通常のカウントアップ表示より高速又は低速となるようにして他のリーチ目と演出を区別しても良い。
(5)「ピエロ・7・ピエロ」のリーチ目では、払出演出を行わない構成を例にして説明したが、払出演出を行う構成としても良く、例えば、払出演出が行われた場合には、高設定である等の設定示唆を行うことができる。
(6)BBやRB等の「ボーナス役」の入賞によってメダルを獲得する、所謂「Aタイプ」の遊技機を例にして説明したが、BBやRB等のボーナスに加え、「小役」等の入賞をアシストするAT遊技状態を有する、所謂「A+ATタイプ」等でも本発明を適用できる。
この場合、「A+ATタイプ」の遊技機の仕様は、例えば、以下のようにすることができる。
・液晶(メイン液晶+サブ液晶でも良い)付きのスロットマシン1
・AT(ART含む)とAT突入のためのCZ(チャンスゾーン)を搭載
・通常区間と有利区間を搭載し、有利区間は、有利区間での遊技回数が特定回数(例えば3000ゲーム)又は有利区間での獲得枚数が特定枚数(例えば、2400枚)の何れか到達したことで終了(なお、封入式遊技機の場合は、有利区間での遊技回数における特定回数は設けなくても良い。)
・有利区間には、通常状態と、通常状態よりもCZやATの当選確率が高くなる高確率状態と、CZと、AT等を含む。
【符号の説明】
【0057】
1 スロットマシン(遊技機)
5 停止ボタン(操作手段)
8 告知ランプ(報知手段)
9 スピーカ(演出手段)
10 主制御部(制御手段、付与手段)
11 ランプ(演出手段)
20 副制御部
41 リール(変動表示手段)
L 表示器(演出手段)