(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113077
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/24 20140101AFI20230807BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20230807BHJP
A63F 13/95 20140101ALI20230807BHJP
A63F 13/31 20140101ALI20230807BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20230807BHJP
【FI】
A63F13/24
A63F13/20 A
A63F13/95 A
A63F13/31
G06F1/16 312E
G06F1/16 312G
G06F1/16 312Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015230
(22)【出願日】2022-02-02
(71)【出願人】
【識別番号】599064214
【氏名又は名称】株式会社セガトイズ
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 生吾
(72)【発明者】
【氏名】山中 広之
(72)【発明者】
【氏名】山本 洋平
(72)【発明者】
【氏名】久保田 咲耶
(57)【要約】
【課題】ゲームコンテンツの実行に必要な情報保持媒体の読取手段を備えたゲーム装置において、情報保持媒体の取付・読取操作とゲームコンテンツとが連係していることがより体感し易く、情報保持媒体の使用感や、使用した際の満足感がより感じやすいゲーム装置を提供することを課題とする。
【解決手段】情報保持媒体からコンテンツに関する情報を読取る読取手段と、前記情報保持媒体から読取った情報を用いてコンテンツを実行する本体装置と、コンテンツを操作する操作装置と、を備え、前記情報保持媒体はメダル状に形成されるとともに、一方側の面に形成されたマーク部によって表されるデジタルコードを有し、前記操作装置に、メダル状の前記情報保持媒体が所定位置に着脱可能に取付けられる着脱手段と、前記着脱手段により取付けられた前記情報保持媒体から前記デジタルコードを読取る前記読取手段とを設けた。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報保持媒体からコンテンツに関連する情報を読取る読取手段と、
前記情報保持媒体から読取った情報を用いてコンテンツを実行する本体装置と、
コンテンツを操作する操作装置と、を備え、
前記情報保持媒体はメダル状に形成されるとともに、一方側の面に形成されたマーク部によって表されるデジタルコードを有し、
前記操作装置に、メダル状の前記情報保持媒体が所定位置に着脱可能に取付けられる着脱手段と、前記着脱手段により取付けられた前記情報保持媒体から前記デジタルコードを読取る前記読取手段とを設けた
ゲーム装置。
【請求項2】
前記操作装置は、前記本体装置と無線又は有線で接続されるマウス型の操作具とし、
前記着脱手段は、前記操作具に形成された挿入部内に前記情報保持媒体を挿脱可能に構成された
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記挿入部の上面側を透光性のあるカバー部材で構成した
請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記挿入部は、その挿入端側を凹設した切欠部が形成された
請求項2又は3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記デジタルコードは、前記マーク部を1列に複数並べることにより構成された
請求項2乃至4の何れかに記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記デジタルコードは、前記マーク部を前記挿入部への挿脱方向と直交する方向に並べることにより構成されるとともに、前記情報保持媒体の挿入前端側と挿入後端側とに対称配置され、
前記着脱機構は、前記情報保持媒体を前後何れの方向からでも挿脱可能に構成された
請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記マーク部は、凸部の有無によって表され、
前記凸部は、前記情報保持媒体の挿入方向に沿って湾曲した円弧状に形成され、
前記読取部は、前記凸部の有無を検出する検出スイッチとした
請求項2乃至6の何れかに記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報保持媒体が着脱可能に構成されたゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームコンテンツを実行するゲーム装置に、カード等の情報保持媒体からゲームコンテンツに関する情報を読取る読取手段を設け、前記読取手段によって情報保持媒体から読込まれた情報に基づいて、ゲームコンテンツを実行する特許文献1に記載のゲーム装置が従来公知である。
【0003】
上記文献によれば、本体装置側のカードリーダ上にセットした情報保持媒体に応じて、ゲームコンテンツで使用するキャラクタ等を入れ替えたり、実行可能なイベントを異ならせたりすることができるため、ゲームコンテンツを飽きさせることなく長く楽しませたり、情報保持媒体の収集意欲を刺激したりすることができるものであるが、前記情報保持媒体は、ゲーム装置を構成する本体(筐体)側に設けたカードリーダ上に載置して用いられるため、ユーザが所有する情報保持媒体の使用感や、使用した際の満足感、所有欲を十分に満たすことができない場合が有り得るという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ゲームコンテンツの実行に必要な情報保持媒体の読取手段を備えたゲーム装置において、ユーザが情報保持媒体の取付・読取操作とゲームコンテンツとが連係していることをより体感し易く、情報保持媒体の使用感や、使用した際の満足感がより感じやすいゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願発明は第1に、情報保持媒体からコンテンツに関する情報を読取る読取手段と、前記情報保持媒体から読取った情報を用いてコンテンツを実行する本体装置と、コンテンツを操作する操作装置と、を備え、前記情報保持媒体はメダル状に形成されるとともに、一方側の面に形成されたマーク部によって表されるデジタルコードを有し、前記操作装置に、メダル状の前記情報保持媒体が所定位置に着脱可能に取付けられる着脱手段と、前記着脱手段により取付けられた前記情報保持媒体から前記デジタルコードを読取る前記読取手段とを設けたことを特徴としている。
【0007】
第2に、前記操作装置は、前記本体装置と無線又は有線で接続されるマウス型の操作具とし、前記着脱手段は、前記操作具に形成された挿入部内に前記情報保持媒体を挿脱可能に構成されたことを特徴としている。
【0008】
第3に、前記挿入部の上面側を透光性のあるカバー部材で構成したことを特徴としている。
【0009】
第4に、前記挿入部は、その挿入端側を凹設した切欠部が形成されたことを特徴としている。
【0010】
第5に、前記デジタルコードは、前記マーク部を1列に複数並べることにより構成されたことを特徴としている。
【0011】
第6に、前記デジタルコードは、前記マーク部を前記挿入部への挿脱方向と直交する方向に並べることにより構成されるとともに、前記情報保持媒体の挿入前端側と挿入後端側とに対称配置され、前記着脱機構は、前記情報保持媒体を前後何れの方向からでも挿脱可能に構成されたことを特徴としている。
【0012】
第7に、前記マーク部は、凸部の有無によって表され、前記凸部は、前記情報保持媒体の挿入方向に沿って湾曲した円弧状に形成され、前記読取部は、前記凸部の有無を検出する検出スイッチとしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
コンテンツを実行する前記本体装置に接続された前記操作装置に、コンテンツの実行(操作)に用いるメダル型に形成された前記情報保持媒体を着脱する着脱機構と、取付けられたメダル型の情報保持媒体からデジタルコードを読取る読取部とを設けたことにより、ユーザが前記情報保持媒体の着脱操作とゲームコンテンツとが連係していることをより体感し易くなる。
【0014】
また、前記操作装置は、前記本体装置と無線又は有線で接続されるマウス型の操作具とし、前記着脱手段は、前記操作具に形成された挿入部内に前記情報保持媒体を挿脱可能に構成されたものによれば、ユーザが実際に握って使用する操作具に前記情報保持媒体が挿入されるため、情報保持媒体の使用満足度が向上する。
【0015】
また、前記挿入部の上面側を透光性のあるカバー部材で構成したものによれば、ユーザは前記挿入部に挿入された状態の前記情報保持媒体を視認可能できるため、利便性が向上する。
【0016】
また、前記挿入部は、その挿入端側を凹設した切欠部が形成されたものによれば、ユーザは前記挿入部内のメダル型の前記情報保持媒体の取出操作をスムーズに行うことができる。
【0017】
また、前記デジタルコードは、前記マーク部を1列に複数並べることにより構成されたものによれば、前記デジタルコードと、前記読取部とをシンプルに構成することができるため、コストを低く抑えることができるとともに、強度と検出精度を高く保つことができる。
【0018】
また、前記デジタルコードは、前記マーク部を前記挿入部への挿脱方向と直交する方向に並べることにより構成されるとともに、前記情報保持媒体の挿入前端側と挿入後端側とに対称配置され、前記着脱機構は、前記情報保持媒体を前後何れの方向からでも挿脱可能に構成されたものによれば、ユーザが前記情報保持媒体の挿入方向を間違えることによって故障等することを効率的且つ確実に防止することができる。
【0019】
なお、前記マーク部は、凸部の有無によって表され、前記凸部は、前記情報保持媒体の挿入方向に沿って湾曲した円弧状に形成され、前記読取部は、前記凸部の有無を検出する検出スイッチとしたものによれば、前記デジタルコードと、前記読取部とをシンプルに構成できるとともに、前記情報保持媒体の挿脱操作がスムーズになる。さらに、検出スイッチに掛かる負担も軽減できるため、読取部の寿命も伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のゲーム装置の使用状態を示した正面斜視図である。
【
図2】本発明のゲーム装置の使用状態を示した背面斜視図である。
【
図3】本発明のゲーム装置の収納状態を示した平面図である。
【
図4】4(A)及び(B)は、情報保持媒体がセットされた状態の操作装置の平面図及び底面図である。
【
図5】
図5(A)乃至(C)は、メダル型の情報保持媒体の正面図、背面図、背面斜視図である。
【
図6】操作装置への情報保持媒体の装着態様を示した要部斜視図である。
【
図7】着脱機構と読取部を示した要部正面図である。
【
図8】(A)は、情報保持媒体に形成されたデジタルコードの例を示した図であり、(B)は、デジタルコードで表されるコードの説明図であり、(C)は、デジタルコードの利用例を示した表図である。
【
図9】(A)は、別実施例の情報保持媒体の表面を示した図であり、(B)は、別実施例の情報保持媒体の裏面を示した図であり、(C)は、別実施例の情報保持媒体に形成されたデジタルコードの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態にかかるゲーム装置について説明する。まず、
図1乃至6に基づき、本発明のゲーム装置の具体的な構成例について説明する。
図1及び
図2は、本発明のゲーム装置の使用状態を示した正面斜視図及び背面斜視図であり、
図3は、本発明のゲーム装置の収納状態を示した平面図であり、
図4(A)及び(B)は、情報保持媒体がセットされた状態の操作装置の平面図及び底面図であり、
図5(A)乃至(C)は、メダル型の情報保持媒体の正面図、背面図、背面斜視図である。
【0022】
本発明のゲーム装置10は、制御手段(制御部、処理手段)50と、操作手段5,12,13,15と、出力手段7,8と、情報保持媒体6と、前記情報保持体6から情報を読取る読取手段(読取部)16と、記憶部51とを備えており(
図10参照)、図示される実施形態では、前記ゲーム装置10は、制御部と記憶部とが内装された本体装置1と、ヒンジ部材2を介して前記本体装置1の端部に開閉可能に連結された開閉蓋部3と、マウス型の操作装置(操作具)4と、ゲームコンテンツの実行に使用するメダル型の情報保持媒体6とを備えて構成されている。
【0023】
前記本体装置1は、ゲームコンテンツの実行処理をするCPU等からなる前記制御部と、ゲームコンテンツを実行するためのコンテンツ情報が記憶されるSSDやHDD等からなる記憶部とが内装されている。また、前記本体装置1は、ネットワーク等を介してサーバに接続可能にする通信インターフェース(図示しない)を設けたり、外部記憶装置を接続可能に構成したりすることにより、前記記憶部51に記憶(格納)されるコンテンツ情報を追加・更新可能に構成しても良い。ちなみに、該記憶部51に記憶されるコンテンツ情報には、ゲームコンテンツを実行するために必要なデータ(情報)の全てを含み、前記情報保持体6によって読込まれた情報と対応するコンテンツを出力するためのデータ(情報)も含む。
【0024】
また、前記本体装置1は、ゲームコンテンツの操作を行う操作具(操作手段)が設けられており、図示する例では、操作ボタンが配列されたキーボード5と、タッチ操作によってポインタ(マウスポインタ)の操作や選択操作(クリック操作)を行うことができるタッチパット15とが設けられている(
図1参照)。
【0025】
前記開閉蓋部3は、前記ヒンジ部材2を軸に開閉操作することにより、ゲーム装置10によりゲームコンテンツを実行可能な使用状態と、収容状態とに切換える開閉蓋として機能しており、前記開閉蓋部3の内面側には、ゲームコンテンツを出力する出力手段として、ゲームコンテンツの映像情報を出力する表示部であるモニタ7と、ゲームコンテンツの音情報を出力するスピーカ8とが設けられている(
図1参照)。
【0026】
また、前記開閉蓋部3の外面側には、前記操作部4を着脱可能に支持するマウス支持部9と、前記情報保持媒体6を着脱可能に支持する複数のメダル支持部11とが形成されている(
図2及び
図3参照)。
【0027】
該構成によれば、ゲーム装置10は、前記本体装置1と前記開閉蓋部3とによって、ラックトップ(ノートPC)状に構成されている。すなわち、前記ゲーム装置10は、前記開閉蓋部3を開けて、前記モニタ7と前記スピーカ8と、各操作手段4,5,15が使用可能な開姿勢に切換えることにより(
図1参照)、ゲーム装置10を用いてゲームコンテンツを実行可能な使用状態となる。その一方で、ゲーム装置10を使用しない場合には、前記操作装置4と前記情報保持媒体6を前記開閉蓋部3の外面側に取付けた状態で、前記開閉蓋部3を閉じる閉姿勢に切換えることにより(
図3参照)、ゲームコンテンツの実行に必要なものを集約しつつゲーム装置10全体をコンパクトに収納する収納状態となる。
【0028】
前記操作装置4は、
図4に示されるように、無線又は有線で前記本体装置1(制御部)側に接続可能に構成されて、ユーザが握るようにして使用するマウス型の操作具である。具体的には、該操作装置4は、ゲームコンテンツを操作する操作手段として、その下面側にマウスポインタの操作を行うための検出部12が設けられ(
図4(B)参照)、その上面側には選択操作等を実行するための操作ボタン13が設けられている(
図4(A)等参照)。
【0029】
また、前記操作装置4は、前記操作手段の他に、メダル型の前記情報保持媒体を着脱(挿脱)する着脱機構(着脱手段)14と、取付けられた前記情報保持媒体6からゲームコンテンツの実行に用いる情報を読取る読取部(読取手段)16とが設けられている(
図4、
図7等参照)。着脱機構14と読取部16の具体的な構成については後述する。
【0030】
前記情報保持媒体6は、
図5に示されるように、前記操作装置4に着脱可能な板状(メダル状、コイン状)の部材であって、表面側には、情報保持媒体6が保持するデジタルコード19に対応するデータ(コンテンツ情報)の種類を識別可能にする絵や文字等が印字される印字部17と、挿入方向を示す目印18とが設けられ、裏面側には、ゲームコンテンツの実行に使用されるデジタルコード19を形成するコード部20が形成されている。
【0031】
上記デジタルコード19を形成するコード部20は、情報保持媒体6の裏面側に形成された凸部の有無によって表されており、該コード部20を複数(図示する例では5つ)並べて一列形成することによって構成されている。なお、
図5(B)に示される例では、コード部20として凸部が一方向に5つ並べて形成された例が示されている。前記コード部20と、該コード部20を読取る読取部16の具体的な構成については後述する。
【0032】
また、前記情報保持媒体6の裏面の外縁側には、厚さ方向に突出形成されるとともに、前記操作装置4側への挿脱方向に沿って延設された一対のリブ21,21が形成されている。該リブ21は、前記着脱機構14に取付ける際のガイド部として機能するとともに、所定の取付位置で係止するための係止片としても機能するように構成されている。さらに、該リブ21によって、メダル型の情報保持媒体6の裏面側に、凸部の有無(コード部20)によって構成される前記デジタルコード19を形成するための空間を確保している(
図5(C)参照)。情報保持媒体6の具体的な着脱態様については後述する。
【0033】
上述のゲーム装置10は、前記制御部により育成ゲームや対戦ゲーム、学習ゲーム、収集ゲーム等の各種ゲームコンテンツが実行可能に構成されるとともに、各ゲームコンテンツを実行する際に特定のキャラクタやアイテムを選択することができるように構成されており、これらの特定の選択操作を実行する際に、選択操作に関する情報(デジタルコード19)を有するメダル型の前記情報保持媒体6を前記操作装置4にセットし、セットされた前記情報保持媒体6のデジタルコード19を読取ることで、特定の選択操作が実行されるように構成されている。具体的には後述する。
【0034】
ちなみに、前記情報保持媒体6が保持する情報は、上述の例に限られず、例えば、前記情報保持媒体6が保持する情報に応じて、前記制御部によって実行可能なゲームコンテンツの種類を切換可能とする構成であっても良い。
【0035】
次に、
図4乃至
図7に基づいて、操作装置の着脱機構の具体的な構成について説明する。
図6は、操作装置への情報保持媒体の装着態様を示した要部斜視図であり、
図7は、カバー部材を省略したことにより、着脱機構と読取部を示した要部正面図である。
【0036】
前記着脱機構14は、前記操作装置4の後端側からメダル型の前記情報保持媒体6が挿入可能に形成された挿入部(挿入穴)26と、前記挿入部26に向けて挿入した前記情報保持媒体6の挿入前端側を係止する前側係止部27と、前記挿入部26に向けて挿入した前記情報保持媒体6の挿入後端側を係止する一対の後側係止部28,28と、前記操作装置4の挿入部26の開口端側に設けられて前記挿入部26内で係止された前記情報保持媒体6の係止を解除する解除操作具29とを有している(
図7参照)。
【0037】
上記挿入部26は、前記操作装置4をユーザが把持した場合の手首側となる後端(後側面)側からメダル型の前記情報保持媒体6が挿入可能に形成された溝であり、その下面側の挿入端側には前記読取部16と、前記前側係止部27とが設けられ、その下面側の開口端側には前記後側係止部28が設けられている(
図7参照)。
【0038】
また、上記挿入部26の上面側は、透光性を有するカバー部材31によって形成されている。該構成によれば、前記挿入部26内に取付けた(セットした)前記情報保持媒体6を、取付けた状態のまま視認することができる。
【0039】
さらに、前記カバー部材31は、前記挿入部の開口端側を前方(挿入方向)に向けて切欠き形成した凹設部(切欠部)31aが形成されており、前記挿入部26内に挿入された情報保持媒体6の後端側を露出させることができるように構成されている(
図4(A)等参照)。
【0040】
上記前側係止部27は、前記挿入部26の挿入端側に設けられてメダル型の前記情報保持媒体6の挿入方向先端側の形状に応じて湾曲形成された係止部材であって、付勢部材(図示しない)によって、前記挿入部26に挿入された前記情報保持媒体6を前記挿入部26から外(開口部)側に押出す方向に付勢している(
図7参照)。
【0041】
上記後側係止部28は、前記挿入部26の開口端側に設けられてメダル型の前記情報保持媒体6の挿入方向後端側に形成された前記係止片(前記リブ21の端部側)と係止する係止部材であって、付勢部材(図示しない)によって前記挿入部26側に露出する方向に付勢されている(
図7参照)。
【0042】
該構成によれば、前記後側係止部28,28は、メダル型の前記情報保持媒体6が前記挿入部26に挿入されると、前記情報保持媒体6(リブ21)によって付勢部材の付勢力に抗して前記挿入部26の下面外側に押出される。その後、前記情報保持媒体6が所定の取付位置までさらに挿入されると、付勢部材の付勢力によって前記後側係止部28が前記挿入部26内に突出されて(戻り)、前記情報保持媒体6の後端側を係止(固定)することができるように構成されている。
【0043】
上記解除操作具29は、前記操作装置4の後端側、言い換えると、前記挿入部26の開口端側の近傍に配置された操作具であって、前記解除操作具29を押操作することにより、前記後側係止部28を付勢部材の付勢力に抗して、前記挿入部26内から前記挿入部26の下面外側へと退避させることができる。
【0044】
該構成によれば、前記解除操作具29は、前記後側係止部28を退避作動させることにより、前記後側係止部28と、前記挿入部26内の前記情報保持媒体6の後端側と、の係止を解除することができる。これにより、係止が解除された前記挿入部26内の前記情報保持媒体6は、前記前側係止部27によって前記挿入部26の開口端側に向けて押出されるため、前記凹設部31aからユーザの指で前記情報保持媒体6の後端側を押付けながらスライドさせることにより、前記情報保持媒体6を前記挿入部26からスムーズに取外すことができる。
【0045】
次に、
図7及び
図8に基づいて、操作装置の読取部の具体的な構成について説明する。
図8(A)は、情報保持媒体に形成されたデジタルコードの例を示した図であり、
図8(B)は、デジタルコードで表されるコードの説明図であり、
図8(C)は、デジタルコードの利用例を示した表図である。
【0046】
前記読取部16は、前記挿入部内の挿入端側に配置されており、凸部20a(コード部20)の有無を検出可能な検出スイッチ32を前記挿入部26の挿脱方向Xと直交する方向に複数(図示する例では5つ)並べて配置することによって構成されている(
図7参照)。これにより、前記読取部16は、凸部20aの有無によって表現される5つのコード部20を一列に並べて形成されたデジタルコード19を読取ることができる。
【0047】
具体的に説明すると、前記情報保持媒体6は、その裏面側に凸部有り20aを1、凸部なし20bを0とする複数のコード部を一列に並べて形成することによって、2進法で表されたデジタルコード19が形成されており、前記読取部16を用いて、各コード部20の凸部の有無を検出することにより、前記情報保持媒体6が保持する固有のデジタルデータ19を読取ることができるように構成されている。
【0048】
図示する例では、前記情報保持媒体6が有するデジタルデータ19は、5つのコード部20を前記挿入部26の挿入方向と直交する方向に一列に並べて形成されている。これにより、図示する例では、計32パターン(2の5乗)のデジタルコード19を組むことができる。その一方で、前記読取部16が前記挿入部26内に前記情報保持媒体6がセットされたか否かを検出するためには、凸部が少なくとも1つは必要となるため、図示した前記情報保持媒体6で組むことができるデジタルコード19は、計31パターンとなる。
【0049】
なお、
図8に示される例では、左から凸部有り20a→凸部なし20b→凸部有り20a→凸部なし20b→凸部20a有りの並びのコード部20によってデジタルコード19が形成されているため、前記読取部16により10101のデジタル情報を読み込むことができる。
【0050】
上記構成によれば、前記デジタルコード19を、凸部の有無により形成される複数のコード部20を一列に並べて構成したことにより、前記情報保持媒体6と、前記読取部16をシンプルで且つ低コストに構成することができる。
【0051】
ちなみに、前記コード部20を形成する凸部20aは、該コード部20が並べて配置される方向から見て(情報保持媒体6の挿脱方向Xに沿って)円弧状に形成されている(
図5C参照)。該構成によれば、前記情報保持媒体6を前記挿入部26に挿入した際に、前記凸部20aが前記読取部16を構成する検出スイッチ32を滑らか(スムーズ)に押操作することができる。これにより、前記検出スイッチ32に掛かる負荷を軽減することができるとともに、前記読取部16によるコード部20の検出不具合が起こる可能性をより減らすことができる。
【0052】
なお、前記記憶部51には、ゲームコンテンツを実行可能にするコンテンツ情報として、メダル型の前記情報保持媒体6から読取られるデジタルコードに対応するデータ、具体的には、選択するキャラクタやアイテム等に関する情報が予め記憶されており、前記制御部50は、前記操作装置4内にメダル(情報保持媒体6)がセットされたことが検出された場合には、対応するデータ(コンテンツ情報)に基づいてゲームコンテンツが実行可能となるように構成されている。
【0053】
具体的に説明すると、
図8(C)に示されるように、前記制御部は、例えば、前記操作装置にセットされた前記情報保持媒体から読取られたデジタル情報が00001だった場合には、ゲームコンテンツで使用されるキャラクタがティラノサウルに変更され、前記操作装置にセットされた前記情報保持媒体から読取られたデジタル情報が00010だった場合には、ゲームコンテンツで使用されるキャラクタがトリケラトプスに変更され、前記操作装置にセットされた前記情報保持媒体から読取られたデジタル情報が00011だった場合には、ゲームコンテンツで使用されるキャラクタがプテラノドンに変更され、前記操作装置にセットされた前記情報保持媒体から読取られたデジタル情報が00100だった場合には、ゲームコンテンツで使用されるキャラクタがブラキオサウルスに変更される等のように構成しても良い。同様に設定することにより、ゲームコンテンツの実行に使用するキャラクタ情報や、アイテム等を31種類判別することができる。このとき、必要なデータは予め本体装置側の前記記憶部(記憶手段)に記憶されている。
【0054】
すなわち、ユーザは、ゲームコンテンツの実行時に使用可能なキャラクタに対応する絵柄とデジタルコード19とを備えたメダル(型の情報保持媒体)を所有し、該メダルをユーザが把持して操作する前記操作装置(の挿入部)に挿入することによって、ゲームコンテンツ内で使用するキャラクタ等の変更操作を実行することができる。これによれば、前記操作装置4へのメダルの換装作業がより楽しくなる他、新たなメダルの収集意欲も刺激することができる。なお、情報保持媒体が保持する情報の使用方法については上記に限られない。
【0055】
なお、上述の例では、情報保持媒体6としてメダルを採用しているが、これに限られない。該情報保持媒体6としては、デジタルコード19が形成され且つ、前記操作装置4に挿脱可能に構成され、前記操作装置4(挿入部26)に挿入された状態で、前記デジタルコード19が前記読取部16で読取可能な物品であれば良く、例えば、コイン、カード、フィギュア、その他上記構成を満たす所定の物品を採用することができる。
【0056】
次に、
図9に基づき、上述の情報保持媒体の別実施例について説明する。
図9(A)は、別実施例の情報保持媒体の表面を示した図であり、
図9(B)は、別実施例の情報保持媒体の裏面を示した図であり、
図9(C)は、別実施例の情報保持媒体に形成されたデジタルコードの説明図である。
【0057】
前記情報保持媒体6は、図示されるように、前記挿入部26への挿入方向を示す前記目印18が前後に一対設けられるとともに、先端側からでも後端側からでも前記挿入部26へと挿入可能となるように形成されている(
図9(A)参照)。
【0058】
また、前記情報保持媒体6の裏面側は、前記デジタルコード19が点対称となる位置に一対設けられている(
図9(B)参照)。このとき、前記情報保持媒体6は、前記挿入部26への挿入方向Xと直交する方向に前記コード部20を一列だけ配置することによって、前記デジタルコード19を前記情報保持媒体6の端部側に寄せてコンパクトに配置することができるため、該デジタルコード19を、前後に対称(点対称)な位置に一対設けることができる。
【0059】
該構成によれば、前記情報保持媒体6は、前記挿入部26(操作装置4)に前後の何れの方向からでも挿入(取付)可能となるとともに、前後何れの方向から挿入された場合であっても、前記読取部16によって同じデジタルコード19を読込むことができる。
図9に示した例に基づいて具体的に説明すると、前記情報保持媒体6を、前後何れの方向から前記挿入部26に挿入した場合であっても、何れも11001の情報を読取ることができる。
【0060】
これにより、前記情報保持媒体6を前記操作装置4側に取付ける際の操作性が向上するとともに、取付方向を間違えて故障の原因になることも効率的、且つ確実に防止することができる。
【0061】
次に、
図10に基づき、本発明のゲーム装置のブロック図について説明する。
図10は、ゲーム装置のブロック図である。
【0062】
本発明のゲーム装置は、ゲームコンテンツの実行処理等を行う制御手段(制御部、処理手段)50と、ゲームコンテンツの操作を行う操作手段5,12,13,15と、ゲームコンテンツを出力する出力手段7,8と、前記情報保持媒体6からゲームコンテンツの実行に用いる情報を読取る読取手段(読取部)16と、ゲームコンテンツの実行に用いるコンテンツ情報等を記憶する記憶部51とを備えている。
【0063】
上述の例では、前記操作装置4は、前記読取部16の他に、ゲームコンテンツを操作する操作手段として、マウスポインタの操作を行うための検出部12と、操作ボタン13とが設けられているが(
図4(A)等参照)、これらの機能を省略し、メダル型の前記情報保持媒体6の情報を読取る読取操作具として用い、メダル(型の情報保持媒体6)を差し替えることにより所定の(キャラクタやアイテム等の)情報の切換操作をする専用の操作具としても良い。また、メダル型の前記情報保持媒体6が着脱される読取操作具側にゲームコンテンツを出力する出力手段を設けた構成として良い。
【0064】
また、上述の例では、ゲーム装置10は、制御部50と記憶部51とが内装された本体装置1と、出力手段(モニタ7及びスピーカ8等)が設けられた開閉蓋部3とによってラックトップ(ノートPC)状に構成されているが、これに限られない。
【0065】
例えば、ゲーム装置10を、タッチ操作可能なタブレット端末状に構成することにより、開閉蓋部3やマウス型の操作装置(操作具)4を省略するとともに、タブレット端末側に前記情報保持体6を着脱する前記着脱機構14と、該着脱機構14により取付けられた前記情報保持体6からデジタルコード19を読取る前記読取部16とを設けた構成としても良い。該構成によれば、ゲーム装置10でゲームコンテンツを実行するために必要な装置やスペースを省略して全体をコンパクトにすることができる。
【0066】
同様に、ゲーム装置10は、制御手段と、操作手段と、操作手段と、読取手段とを備えたゲーム用の筐体とし、筐体側に、前記情報保持体6を着脱する前記着脱機構14と、該着脱機構14により取付けられた前記情報保持体6からデジタルコード19を読取る前記読取部16とを設けた構成としても良い。
【符号の説明】
【0067】
1 本体装置
4 操作装置
6 情報保持媒体
7 モニタ(出力手段)
8 スピーカ(出力手段)
14 着脱手段
16 読取部(読取手段)
19 デジタルコード
20 コード部(マーク部)
20a 凸部
26 挿入部
31 カバー部材
31a 凹設部(切欠部)