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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113139
(43)【公開日】2023-08-15
(54)【発明の名称】接触システム接続要素
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20230807BHJP
【FI】
H01R4/48 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023014078
(22)【出願日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】10 2022 102 441.5
(32)【優先日】2022-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】10 2022 134 962.4
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】505092795
【氏名又は名称】ヴェルマ ホールディング ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ティモ シュットル
(72)【発明者】
【氏名】ロニー ローエル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、接続要素であって、信号装置を、例えば機械、設備、乗り物などの技術装置の1つ又は複数の異なる動作状態を信号で送るための照明モジュールや、信号装置の無線接続を生成するための無線モジュールなどの、接続要素に隣接する機能モジュールに電気的に接続するための接続要素を提供する。
【解決手段】機能モジュールの電気的接続のための接続要素は、電気伝導体9の少なくとも1つの電気的接触面10を有している。接続要素は、接触面を有する電気伝導体が、電気ケーブルの少なくとも1つのケーブル心線との接続のために、接続要素のケーブル接続クランプ15まで延在していることによって特徴付けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続要素(1)であって、信号装置を、例えば、機械、設備、乗り物などの技術装置の1つ又は複数の異なる動作状態を信号で送るための照明モジュールや、前記信号装置の無線接続を生成するための無線モジュールなどの、前記接続要素(1)に隣接する機能モジュールに電気的に接続するための接続要素(1)であり、前記機能モジュールを電気的に接続するための前記接続要素(1)が、機械的接続のためのハウジング(2)と、少なくとも1つの電気伝導体(9)の少なくとも1つの電気的接触面(10)との電気的接続のための電気的接触要素(7)とを有する接続要素であって、
前記接触面(10)を有する前記電気伝導体(9)が、電気ケーブルの少なくとも1つのケーブル心線(13)との接続のために、前記接続要素(1)のケーブル接続クランプ(15)まで延在し、
前記電気伝導体(9)が、前記機能モジュールを接続するための前記接触面(10)と、前記ケーブル接続クランプ(15)のケーブルクランプばね(12)とを備える一体型ばね要素として形成されている
ことを特徴とする、接続要素。
【請求項2】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
ケーブルの心線端部(13)を挿入するための通路が前記ケーブルクランプばね(12)に設けられていることを特徴とする、接続要素。
【請求項3】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記ケーブルクランプばね(12)を緩めるための装置が設けられていることを特徴とする、接続要素。
【請求項4】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記ケーブルクランプばね(12)を押すためのねじ回し、又は、前記ケーブルクランプばねを押すための可動レバーや加圧プランジャなどの常在している緩め要素など、独立した工具(17)のための通路が設けられていることを特徴とする、接続要素。
【請求項5】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記隣接する機能モジュールのための前記接触面(10)は、前記接触面(10)に対して横方向に弾性力を有し、前記接続要素(1)の長軸(A)方向に作用する接点ばね(18)の一面であることを特徴とする、接続要素。
【請求項6】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記隣接する機能モジュールのための前記接触面(10)を有する前記接点ばね(18)は、前記ケーブルクランプばね(12)と電気的に接続されていることを特徴とする、接続要素。
【請求項7】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
複数のばね要素(9)が、前記隣接する機能モジュールのための複数の接触面(10)と、複数のケーブル心線(13)のためのケーブル接続クランプ(15)とを有する複数の電気伝導体として設けられていることを特徴とする、接続要素。
【請求項8】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記複数のばね要素(9)が、隣接する機能モジュールのための複数の接触面(10)を有する複数の電気伝導体と同一の形状を有し、前記複数の接触面(10)が、互いに隣り合うように配置され、前記接続要素(1)の前記長軸(A)の方向を向いていること、
及び/又は、前記同一の形状を有する複数の電気伝導体の前記複数の接触面(10)が、帯形状を有し、互いに平行に設けられていること
を特徴とする、接続要素。
【請求項9】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
隣接する機能モジュールのための複数の接触面(10)を有する複数の電気伝導体としての複数のばね要素(9)と、複数のケーブル心線(13)のためのケーブル接続クランプ(15)とを有する接触要素(7)が設けられ、前記接触要素(7)の前記ケーブル接続クランプ(15)に複数のケーブル心線(13)のための複数のケーブルクランプばね(12)が設けられていることを特徴とする、接続要素。
【請求項10】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記接触要素(7)は、複数の電気伝導体として設けられた前記複数のばね要素(9)の間に電気絶縁性材料を有していることを特徴とする、接続要素。
【請求項11】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記接続要素(1)の前記ケーブル接続クランプ(15)は、任意で、ケーブル心線(13)又はプリント回路基板の導体経路の接続を許容して、電気的接続をもたらすことを特徴とする、接続要素。
【請求項12】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記ケーブル接続クランプ(15)は、プリント回路基板の挿入又はプリント回路基板の複数の突起部の挿入のための1つ又は複数の開口を有し、前記ケーブルクランプばね(12)は、前記ケーブルクランプばね(12)を介して前記プリント回路基板の前記導体経路又はケーブル心線との接触を任意でもたらすために、前記プリント回路基板の前記導体経路のための前記1つ又は複数の開口を介してアクセス可能であることを特徴とする、接続要素。
【請求項13】
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素であって、
前記接続要素(7)は、前記接続要素(1)の前記ハウジング(2)と一体に形成されているか、又は、前記接続要素(1)の前記ハウジング(2)へ挿入するための挿入要素として形成されていることを特徴とする、接続要素。
【請求項14】
信号装置、、具体的には、離脱可能に設けられた複数の機能モジュール(29,30,31,32,33,34)を有する信号塔(28)であって、
先行する請求項のうちの1つに記載の接続要素(1)が設けられていることを特徴とする、信号装置。
【請求項15】
請求項14に記載の信号装置であって、
少なくとも1つの機能モジュール(29,30,31,32,33,34)が請求項1から13のうちの1つに記載の前記接続要素(1)の前記接続要素(7)と同様に形成された接続要素(7)を有していることを特徴とする、信号装置。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の信号装置であって、
機能モジュール(29,30,31,32,33)が、前記信号装置(28)の長軸(A)の方向と実質的に一直線に設けられた少なくとも1つのプリント回路基板(24,35)を有し、前記信号装置(28)が、前記長軸(A)に対して横方向に延在している1つ又は複数の端面接点(25,36)を有し、前記端面接点(25,36)が、前記プリント回路基板の導体経路と導通し、隣接する機能モジュールの接触要素(7)の複数の接触面(10)、又は、請求項1から13に記載の接続要素の複数の接触面(10)と接触し、前記プリント回路基板の前記導体経路が、前記接触面又は複数の接触面(10)とは反対側である、前記プリント回路基板の端部領域において、前記機能モジュール(29,30,31,32,33)の接触要素(7)のケーブルクランプばね(12)によって接触し、前記接触要素(7)が、請求項1から13のうちの1つに記載の接続要素(1)の前記接触要素(7)と同様に形成されていることを特徴とする、信号装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、信号装置、具体的には映像信号装置と、請求項1の序文に記載の、例えば、照明モジュールや、例えば機械、設備、乗り物などの技術装置の1つ又は複数の異なる作動状態を示すための音響モジュール、信号装置の無線接続を生成するための無線モジュールなどの、接続要素に隣接する機能モジュールとの電気的接続のための接続要素、及び、このような接続要素を有する信号装置に関する。
[先行技術]
映像信号装置や信号塔は、すでに長年にもわたって非常に幅広く多様な形で使用されてきている。互換性のある交換式の3つのモジュールを有する「典型的な」信号塔がよく使われており、これらのモジュールは、通常、赤、黄、緑の色を有する。信号塔は、通常モジュール式で構築されるため、動作条件、使途、又は意図された目的が変わったときに、青や白などの色を有する互換性のある追加のモジュールを収容することや、個々の互換モジュールを再度取り外すことも全く可能である。例えばピエゾディスク、多諧調ジェネレータ、又はホーンなどの音響信号送信機が装置と一体化していることが多く、それにより、具体的には上述のような互換モジュールによって、視覚で信号を送るだけでなく音響で信号を送ることも可能である。
【0002】
モジュール式の、具体的には視覚式の信号装置は、先ず「事前に構成された」装置として知られるものであり、例えば、赤色、黄色、緑色のモジュールのように、互いに堅固に接続されたモジュールの、固定的に指定された変更不可能な構造を有する。
【0003】
より普及しているものは、「事前に構成されていない」装置又は信号塔として知られるものにおける、工具なしで取り外し可能であり、互いに一時的に接続可能な互換モジュールである。ここでは、個々のモジュール、具体的には照明モジュール及び/又は音響モジュールは、希望どおりに互いに組み合わせることができ、その後工具を一切使わずに交換又は相互交換することができる。こうすることで、標準化された互換モジュールを使った実施可能な用途において、特に高い適応性が発揮される。その結果、例えば、「青色の」ステージ又は互換モジュールを追加すること、及び/又は、損傷又は欠陥のある照明モジュール/互換モジュールを新しく欠陥の無い照明モジュール/互換モジュールと多大な労力を要することなく交換することが可能である。
【0004】
これは、特に、長寿命LED及びプリント回路基板/回路基板を有する現代の照明モジュールにおいて、以前頻繁に使用されていた白熱灯と比較すると、白熱灯がそうであったように単なる照明手段ではなく、今ではほぼ財政上の理由で、特別に有利な点である。なぜなら、照明手段及び/又はプリント回路基板/回路基板の損傷又は破壊が生じた場合に修理は検討されず、その代わりに互換モジュール/照明モジュール全体が交換されるためである。
【0005】
特に互換モジュールを有するモジュール式で構築された信号塔においては、長年、ワイヤを使用して個々のモジュールの電力供給又はエネルギー供給を「ループスルー」することが普通であった。そのため、DE 100 41 202 A1によれば、例えば、5つまでのステージ/照明モジュールを有する信号塔が記載されており、5つの独立したエネルギー供給又は電力ライン/ワイヤに加えて、各モジュールには陰極又は中性線/ワイヤも存在し、ステージ間を「ループスルー」する。これは、各互換モジュール/照明モジュールには、これまでは、通常6本のワイヤがドームの内側に備えられており、5つまでのステージを有する信号塔の全ての互換モジュールは同様に構築され、希望どおりに互いに交換可能となることを意味する。
【0006】
特に、互換モジュールを有する信号塔において、これら接触点、及び、交換中の接触、つまり、モジュール/互換モジュールのうちの1つの実装及び/又は分解には高い需要がある。そのため、寿命を迎えるまでに、信号塔はある程度非常に頻繁にこのようなモジュール又は互換モジュールの交換を経験する。ここで、工具を使用せずに交換可能なモジュール間の安全な接触の確保、そしてエネルギー供給の安全性は、いかなる状況下でも確保されなければならない。
【0007】
EP 1 467 140 B1は、信号塔の長手方向に配向された基板又は回路基板を用いた信号塔を開示している。操作及び使用の間、プリント回路基板にはワイヤが常時接触する。これらワイヤは、ドームの内側に向かって半径方向外側に延在し、次いで、ドームの内側では、それぞれのモジュールの分解のために分離していなければならない接触点が、2つの隣り合った、又は、2つの離脱可能に接続可能な互換モジュール/モジュールの間に設けられる。したがって、ここでも、個々の互換モジュール/照明モジュール間の接触は、長年それが普通であったように、ワイヤによって実現される。
【0008】
文献DE 10 2015 120 280 A1は、さらに進化した信号装置を開示しており、長軸の方向における互換モジュールの接触を改善するために、接触部の少なくとも2つの離脱可能に接触可能な電気的接触面が、信号塔の長軸に対して横方向に配置されている。ここで、プリント回路基板の端面上の1つの接触面は、導体経路に接続され、もう一方の接触面は、接点ばねの一面として形成され、この接点ばねは、信号塔の長軸に対して横方向に延在する電気伝導体として機能する。
【0009】
この信号塔では、接続モジュールにおける接続クランプへの外部電線との接続のための接続モジュールが開示されている。接続クランプは、プリント回路基板に取り付けられる。次いで、接続モジュールは、信号塔の機械的固定に用いられるベースモジュールに接続される。プリント回路基板に取り付けられた接続クランプと、接続モジュールに隣接して配置される機能モジュールとの間の電気的接続は、詳述されていない。
[発明の目的]
本発明の目的は、上述したような信号装置を外部の電線に単純かつ確実に電気的に接続することを可能にすることである。
【0010】
請求項1の序文に記載の接続要素を出発点として、上述の目的は、この接続要素の特徴的な特徴によって達成される。
したがって、本発明に係る接続要素は、接触面の電気的接続のための隣接する機能モジュールと電気ケーブルのケーブル心線との接続のための接触面を有する電気伝導体が、接続要素のケーブル接続クランプまで延在するという事実によって区別される。
【0011】
この構成の結果として、間に配置された例えばワイヤやプリント回路基板などの構造要素が不要となり、接続要素の両接続、つまり、関連づけられた接触面による隣接する機能要素との接続、及び、外部ケーブルとの接続の両方が、このような電気伝導体の実装を伴う1つの動作によって接続され得る。これにより、必要な部品数及び実装の労力の両方が、大幅に低減される。
【0012】
本発明によれば、電気伝導体は、一体型ばね要素として形成され、一体型ばね要素は、機能モジュールとの接続のための接触面を備える一方で、ケーブル接続クランプのケーブルクランプばねを備える。
【0013】
この実施形態は、本実施形態で提供される接続要素を外部ケーブルに接続するときに軽減をもたらし、この場合、単純に心線のフェルール又はワイヤ端を挿入することで軽減がもたらされる。このような場合、「プッシュイン型」クランプとも称される。この場合、接続は、特に工具がなくても可能である。
【0014】
このようなクランプの具体的な実施形態は、ケーブルの心線端部を挿入するための通路がケーブルクランプばねに設けられている場合に存在する。結果として、ケーブルの心線端部は、より安定して固定され、かつ、より確実に接触される。このようなクランプは、「ケージ」クランプとも称される。
【0015】
さらなる利点は、ケーブルクランプばねを緩めるための装置が提供される本発明の展開によってもたらされる。この場合、接続要素又は関連付けられた信号装置を、外部ケーブルから簡単な方法で外すことができる。
【0016】
例えば、ケーブルクランプばねを押すためのねじ回しなどの独立した工具のための通路が設けられているか、又は、ケーブルクランプばねを押すための可動レバーや加圧プランジャなどの常在している緩め要素により、ケーブルクランプばねを緩めることができる。
【0017】
隣接する機能モジュールのための接触面が、接触面に対して横方向に弾性力を有し、接続要素の長軸方向に作用する接点ばねの面である場合も有利である。このような接点ばねは、対応する機能モジュールの長軸に平行に延在するプリント基板が、その端面上に対となる接点を有し、端面接点を接点ばねに押し当てて接触が生じる実施形態において、既に試験されている。また、接点ばねの構成によれば、ばねが様々に移動し得ることによって、複数の平行な接点の接続中に公差が補償される。このように弾性力を有する接触面は、対応するプリント回路基板の対となる接点を摺動させるために、平坦に成形され得るか、又は、面取りされた摺動面又は傾斜面を端部に有し得る。
【0018】
隣接する機能モジュールのための接点ばねがケーブルクランプばねに電気的に接続されると、外部ケーブルがケーブルクランプばねに接続されると共に、隣接する機能モジュールのための接続が、隣接する機能モジュールのための接点ばねの接触面を経由して直ちに可能になる。
【0019】
本発明によれば、隣接する機能モジュールのための接点ばねの接触面とケーブルクランプばねとの電気的接続は、機能モジュールの接続のための接触面とケーブル接続クランプのケーブルクランプばねとを有する一体型ばね要素によって実現される。このようなばね要素は、外部ケーブルと隣接する機能モジュールとの両方への接続に影響する二重の機能を果たす。一体型ばね要素は、この二重の機能と、必要な部品及び必要な組み立て工程の数のさらなる削減とを兼ね備える。
【0020】
隣接する機能モジュールの2つ以上の電線の電気的接続は、隣接する機能モジュールのための複数の接触面を有する複数の電気伝導体として提供される2つ以上の同一形状のばね要素によって実現可能であり、複数の接触面は互いに隣り合って、端部要素の長軸方向を向いて配置される。
【0021】
隣接する機能モジュールのための複数の接触面が接続要素の長軸方向を向いて配置されていることにより、本発明は、このような隣接する機能モジュールの接続が、接続要素の長軸方向に延在するプリント回路基板、又は、1つ又は複数の上述の接触面によってプリント回路基板に接続される機能モジュールの端面接点によってもたらされる信号塔にも利用され得る。
【0022】
このような実施形態の展開では、複数の電気伝導体の複数の接触面は、複数の帯の形状に成形され、互いに平行に配置される。この改良において、互いに隣り合って配置されている複数の接触面の接続は、例えば、押し付け、及び/又は回転動作などの共通の動作によってもたらされ得る。
【0023】
ケーブルクランプばねと接触面とを有する一体型ばね要素として形成された複数の電気伝導体は、同様の形状を有しながらも、互いに対して回転し、かつ、複数の接触面が長軸方向を向いたままで配置され得る。ケーブルクランプばねと、隣接する機能要素又はモジュールのための接触面とを有する複数の電気伝導体として形成された複数の一体型ばね要素が、交互に180度回転するように配置されると、複数の接触面は、共に長軸方向を向くだけでなく、複数の帯の形状に成形されていれば、互いに同様に平行となり得る。この交互配置は、工具がケーブルクランプばねにアクセスするのによりよい空間配置を提供することができる。
【0024】
上述の回転させた配置は、ブロックごとに、つまり、同様に配置された複数のばね要素のグループで交互にならないように設けることもできるし、又は、ブロックごとに、つまり、グループで交互になるように設けることもできる。
【0025】
各々が同一形状の導体の1つに電気的に接続された2つ以上の平行なクランプ接続を有するケーブル接続クランプによって、2つ以上の電気伝導体と1つのケーブルクランプとの接続において、対応する利点を達成することができる。
【0026】
本発明に係る接続要素は、隣接する機能要素又はモジュールとの機械的接続のためのハウジングと、電気的接続のための電気的接触要素とを備えることができる。特別な実施形態では、電気的接触要素は、隣接する機能モジュールのための接触面を有する複数の電気伝導体としての2つ以上のばね要素と、2つ以上のケーブル心線のためのケーブル接続クランプとを備える。このような接触要素により、複数のケーブル心線と、隣接する機能要素のための複数の接触面とを平行接続することができる。例えば、この方法では、一列に配置された複数の機能要素又はモジュールが、電気的に接続されて作動され得る。
【0027】
電気的接触要素のケーブル接続クランプは、ケーブルクランプばねとして形成され、2つ以上のケーブル心線のための2つ以上のケーブルクランプばねが設けられる。そのため、複数のケーブルの端部がケーブルクランプばねに挿入されると、隣接する機能モジュール又は複数の隣接する機能モジュールのための複数の接触面までの電気的接続が、必要に応じて電気伝導体を介して生じ得る。
【0028】
上述したように、2つ以上の電気伝導体は、各々が、隣接する機能モジュールのための接触面とケーブルクランプばねとを有する一体型ばね要素として設計される。このような一体型の形態は、部品の数及び組み立て工程を削減することによって製造を簡素化する。
【0029】
接触要素が、好ましくは、種々のケーブルクランプばねの間に電気絶縁材料を備えていると、異なる導体間の望まれない接触がより生じにくくなる。
接触要素は、接続要素のハウジングと一体に形成され得るか、又は、接続要素のハウジング内に挿入される挿入要素として形成され得る。例えば、接触要素の絶縁部分は、プラスチックからハウジングを製造している間の射出成形工程において、ハウジング内に製造され得る。同様に、接触要素も、絶縁体を射出成形することによって、挿入要素として製造され得る。どちらの場合も、複数の電気伝導体は、引き続き挿入され得るか、又は、同時にオーバーモールドされ得る。ハウジングと一体に形成される実施形態の場合には、製造工程の数がより少なく、挿入部となる実施形態の場合には、同一の接触要素を異なるハウジングの変形体に使用することができる。
【0030】
既に述べたように、本発明に係る接続要素は、例えば信号塔など、交換可能な機能モジュールを備える信号装置に有利に使用される。この場合、接続要素の接触要素と同様に形成された接触要素を備える1つ又は複数の機能要素によって、追加の利点が達成され得る。その結果、同じ複数の接触要素を、接続要素と、隣接する機能モジュール又は要素との間だけでなく、複数の機能モジュール又は要素の間にも使用できる。
【0031】
これは、例えば、機能モジュールのプリント回路基板などの、ケーブル端部のためのケーブルクランプと機能モジュール又は要素のための接続接点との両方を有する接触要素によって達成され得る。
【0032】
しかしながら、特に有利な実施形態では、接続要素のケーブル接続クランプは、ケーブル心線又はプリント回路基板の導体経路の接続を任意に許容して電気的接続を生じさせるように構成されるため、プリント回路基板のために個別の接続接点を必要としない。
【0033】
したがって、例えば、ケーブル接続クランプは、プリント回路基板の挿入のための、又はプリント回路基板の複数の突出部の挿入のための1つ又は複数の開口部を有することができ、複数のケーブルクランプばねは、複数のケーブルクランプばねを介して、プリント回路基板の導体経路、又は、ケーブル心線、又は、ケーブル心線のフェルールへの接触を任意にもたらすために、プリント回路基板のための1つ又は複数の開口部を介してアクセス可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明の例示的な実施形態を図に示し、これらの図を参照して例示的な実施形態を以下に詳細に説明する。
図1】本発明に係る接続要素の側面図を示す。
図2】本発明に係る接続要素の断面図を示す。
図3】ばね要素の第1実施形態とともに図2の詳細拡大図を示す。
図4】ばね要素の第2実施形態を示す。
図5】ばね要素のさらなる実施形態とともに接触要素の詳細を示す。
図6】ばね要素のさらなる実施形態とともに接触要素の詳細を示す。
図7】ばね要素のさらなる実施形態とともに接触要素の詳細を示す。
図8】ばね要素のさらなる実施形態とともに接触要素の詳細を示す。
図9】ばね要素のさらなる実施形態とともに接触要素の詳細を示す。
図10】ばね要素の特別な実施形態を示す。
図11】機能モジュール、及び、その接触面であって、隣接する機能モジュールのプリント回路基板に接触している接触面の斜視図の詳細を示す。
図12】接続要素のさらなる実施形態を通る断面を示す。
図13】ケーブル接続クランプを有する接続要素の下方から見た平面図を示す。
図14】接続要素と複数の機能モジュールとを有する信号塔の側面図を示す。
図15図14に係る信号塔を開いた図を示す。
図16】さらなる複数の機能モジュール又は接続要素に対する接続接点を有するプリント回路基板を備える機能モジュールを開いた図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[例示的な実施形態]
詳細には、図1及び図2に係る接続要素1は、ローレット3と、機能モジュールのためのバヨネット固定5の複数の突出部4とを有するハウジング2を備える。機能モジュールは、接続要素1上に配置されるため、接続要素1と隣接する。接続モジュール1のカバー6には、接触要素7が存在し、接触要素7は、ハウジング1又はカバー6と一体に形成されてもよいし、又は、挿入要素としてカバー6に接続される。
【0036】
接触要素7は、図3に係る詳細な拡大図においてより明確に視認できる。接触要素は、例えばプラスチック製の電気絶縁性のレセプタクル8を備え、レセプタクル8の内部には電気伝導体としてばね要素9が挿入されている。ばね要素は、その上部に、隣接する機能要素と電気的に接続するための接触面10を有する。ばね要素は、レセプタクル8の内部で、2つの側面11を介して支持されており、具体的に図示していない方法、例えば、返しや、ラッチ要素などで固定されている。
【0037】
ばね要素9は、その下部にケーブルクランプばね12を備え、ケーブルクランプばね12は、点線で描かれた偏向位置12’において、接続ケーブルのフェルール13を当接部14に押し当てる。角度を付けられたケーブルクランプばね12の構成により、フェルール13は引き抜きに対して把持されている。当接部14は、例えばプラスチックなどの絶縁材料、又は、例えば金属などの導電材料で構成され得る。
【0038】
フェルール13のためのケーブル接続クランプ15は、このように、レセプタクル8、ケーブルクランプばね12、及び当接部14によって形成されている。したがって、図示された例示的な実施形態において、ばね要素9の形態である必要な電気伝導体は、接触面10からケーブル接続クランプ15まで延在するというだけでなく、ばね要素9とケーブルクランプばね12との一体的な構成の結果、ケーブル接続クランプ15の一部でもある。
【0039】
レセプタクル8におけるスロット16は、点線で示すように、例えばねじ回しの形態である工具17の挿入を許容し、それによりケーブルクランプばね12をフェルール13から強制的に離間させ、フェルール13を解放する。この手段のために、ケーブル接続クランプ15は解放可能に設計されている。
【0040】
ばね要素9は、開口された形状であるため、接触面10の領域において弾力性も有する。つまり、ばね要素9は、接触要素7の上部において、隣接する機能モジュールとの接触のための接点ばね18を形成している。
【0041】
図4は、変形された当接部14とともに、ケーブルクランプばね12のばね要素9の別の実施形態を示している。この図では、ここでは斜め方向であるフェルールの挿入方向を例示のために示しているのであって、ケーブルクランプばねは、フェルールがない位置に相当する未偏向位置にある。
【0042】
図5は、図1に係る接触要素7の変形例を示しており、レセプタクル8が部分的にのみ図示されている。工具17は、単に示されているに過ぎず、実際には、当然ながら、これよりもかなり大きい。この図では、異なる断面のフェルールが使用され得ることが分かる。図示されたフェルールは、レセプタクル8における対応する開口部19よりもかなり細いため、ここでは、斜めの挿入位置が可能である。しかしながら、この図は、より大きな断面積を有するフェルール13又はケーブルワイヤのワイヤ端部を使用することも可能であろうということを明らかにしている。
【0043】
図6は、図4と同様の変形例を示している。双方の場合においても、当接部14は、別途製造されてレセプタクル8に挿入される追加部品として形成されている。
図7は、当接部14がばね要素9と一体的に形成された実施形態を示している。図7では、当接部14は、ばね要素の側面11から角度を付けられた部分として形成されている。当接部も同様に、弾性クランプばね、又は、寸法に関して安定した当接部として形成され得る。
【0044】
図8は、ケーブルクランプばねを形成しているばね要素9の端部が、クランプケージ19及び当接部20を形成するように成形された変形例を示している。フェルールは、クランプケージ19における開口部21に押し進められ、方向Zにはね返らせるので、クランプケージ19と当接部20との間においてクランプされる。工具17によって、クランプケージをばね方向Zの反対方向に押すことができるので、フェルール13のクランプを再度緩めることができる。
【0045】
図9に係る実施形態は、図8に係る実施形態に実質的に対応する。図9では、クランプケージ19は、ばね要素9とは別に形成されるため、組み立て中に挿入部品としてレセプタクル8に導入される。
【0046】
図10は、ばね要素9の構成に関する特別な例示的実施形態を示している。図10では、ばね要素9は、断面を図示するために一部のみが示されている。この設計において、ばね要素は、円形の断面を有するワイヤ21から曲げられ、ケーブルクランプばねの領域においてエンボス加工装置22によって平坦化される。接触面10の領域においても、これに相当するエンボス加工又は平坦化加工が施され得る。
【0047】
図11は、6つの接触面10の配置を示しており、6つの接触面10は、帯状であり、互いに平行に配置されている。接触面10は、接続要素1のカバー6から突出し、カバー6の内部には、点線で示すとおり、接触要素7が一体化されている。プリント回路基板24は、端面接点25を介して、接続要素1の接触要素7の接触面10と電気的に接続している。プリント回路基板24は、隣接する機能モジュールの要素である。隣接する機能モジュールは、さらなる図示がされていないものの、接続要素1と一対一で接続されることによって、接続要素1と接続される。
【0048】
この図は、複数の接触面10の機能を明らかにするだけでなく、複数の接触面10が、上述した平坦な形状のほかに、複数の曲面として、又は、互いに角度を付けて配置された複数の平坦な面として形成されることもでき、その結果、接続されることになる機能モジュールの複数の接点と接続するための複数の傾斜26を形成することができ、これらの接点が複数の傾斜26上で摺動できることも図示している。
【0049】
図12は、接触要素7の実施形態を示しており、接触要素7において、工具はフェルール13に平行なスロット16に導入されて、ケーブルクランプばね12を解放し、前述の例のとおり、スロットは、フェルール13のための受容口27から分離壁28によって分離されるように設計されている。
【0050】
図13では、複数のフェルール13のための複数の受容口27、及び、複数のケーブルクランプばね12を解除するための工具17のためのスロット16を使用することで、それぞれに対応するばね要素9が、交互に180度回転されて配置されていることを確認できる。複数の受容口27及びスロット16には、この目的のために番号が付されているため、受容口27.0,27.2,27.4及びスロット16.0,16.2,16.4に属する複数のばね要素9が、受容口27.1,27.3,27.5及びスロット16.1,16.3,16.5に属するばね要素9に対して交互に回転されていることを確認できる。
【0051】
図14及び図15に図示されているのは、信号塔である。この信号塔は、種々の機能モジュール29,30,31,32,33,34を備え、種々の機能モジュールは、例えば、照明モジュール、音響モジュール、又は無線モジュールとして構成され得る。これらの図に図示されていない接続要素1は、本発明に従って形成され、図示されていないケーブル心線によって機能モジュール29,30,31,32,33,34を接続するのに用いられる。図15に係る縦断面図において、複数のプリント回路基板24を確認できる。
【0052】
図16では、機能モジュールの接続、例えば、機能モジュール30又は31と33との接続を確認できる。プリント回路基板35は、複数の導電性の接触面の形態である複数の端面接点36を有する下方端面上に設けられており、視認できるように、複数の端面接点36は、信号塔28の長軸A、機能モジュール29~34、及びプリント回路基板35に対して横方向に延在している。これら端面接点36は、同様に長軸Aに対して横方向に、下方に位置する機能モジュール31の接続要素7における複数の接点ばね18の複数の接触面10、又は、下方に位置する接続要素1の複数の接触面10に対する複数の接続接点を形成する。
【0053】
機能モジュール30又は31から33の上部には、図示された機能モジュールに属する接触要素37を確認できる。接触要素37は、接触要素7と同様の方法で形成される。プリント回路基板35は、下方から接触要素内に挿入される。このため、プリント回路基板35は、任意に、複数のフェルール13に代わって複数の受容口27に差し込まれることができ、それに応じて、複数のばね要素9を使って、複数の導体経路に接触するように構成される。したがって、上方に位置するプリント回路基板38は、下方に位置するプリント回路基板35と同様の方法で、上方に位置するか又は隣接する機能モジュールに接触する。
[符号の一覧]
1…接続要素、2…ハウジング、3…ローレット、4…突出部、5…バヨネット固定、6…カバー、7…接触要素、8…レセプタクル、9…ばね要素/電気伝導体、10…接触面、11…側面、12…ケーブルクランプばね、13…フェルール、14…当接部、15…ケーブル接続クランプ、16…スロット、17…工具、18…ケーブルクランプばね、19…クランプケージ、20…当接部、21…開口部、22…ワイヤ、23…エンボス加工、24…プリント回路基板、25…端面接点、26…傾斜、27…受容口、28…信号塔、29…機能モジュール、30…機能モジュール、31…機能モジュール、32…機能モジュール、33…機能モジュール、34…機能モジュール、35…プリント回路基板、36…端面接点、37…接触要素、38…プリント回路基板、A…長軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【外国語明細書】