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特開2023-113178高低差情報表示システム及び高低差情報表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113178
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】高低差情報表示システム及び高低差情報表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20230808BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
A63B71/06 U
G09B29/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015339
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】395023118
【氏名又は名称】株式会社テクノクラフト
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栂坂 昌業
【テーマコード(参考)】
2C032
【Fターム(参考)】
2C032HB05
2C032HB22
2C032HC08
2C032HC14
2C032HC22
2C032HC27
(57)【要約】
【課題】所定範囲内の地形の高低差情報を表示させる高低差情報表示システム及び高低差情報表示プログラムを提供する。
を提供する。
【解決手段】携帯端末1と、携帯端末1と通信手段11を介して接続可能なサーバ装置12と、を備え、携帯端末1の表示部3に高低差情報を表示させる高低差情報表示システムであって、高低差情報が、複数の高度取得点を有する地図情報13と高度情報14から生成される表示地図と、表示地図に重ねて表示する色彩を有する半透明の仮想シートを有し、高度取得点は、基準点と比較点を有し、仮想シートは、基準点と比較点との高低差に基づいて配置される位置が決定され、仮想シートの重なりによる色彩の濃淡で高低差を表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と、前記携帯端末と通信手段を介して接続可能なサーバ装置と、を備え、前記携帯端末の表示部に高低差情報を表示させる高低差情報表示システムであって、
前記高低差情報が、複数の高度取得点を有する地図情報と高度情報から生成される表示地図と、前記表示地図に重ねて表示する色彩を有する半透明のシート状表示体を有し、
前記高度取得点は、基準点と比較点を有し、
前記シート状表示体は、前記基準点と前記比較点との高低差に基づいて配置される位置が決定されることを特徴とする高低差情報表示システム。
【請求項2】
前記シート状表示体の重なりによる前記色彩の濃淡により前記高低差の度合いを示すことを特徴とする請求項1に記載の高低差情報表示システム。
【請求項3】
前記携帯端末又は前記サーバ装置が、
前記表示地図を生成する表示地図生成部と、
前記基準点を特定し、前記基準点と前記比較点との前記高低差を算出する高低差算出部と、
前記高低差に基づいて前記シート状表示体を生成し、前記表示地図に重ねて表示した高低差画像を生成する高低差画像生成部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高低差情報表示システム。
【請求項4】
前記基準点が最も高度が低い前記高度取得点又は最も高度が高い前記高度取得点であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の高低差情報表示システム。
【請求項5】
請求項3に記載の高低差情報表示システムにおいて、前記携帯端末又は前記サーバ装置を、前記表示地図生成部、前記高低差算出部及び前記高低差画像生成部の少なくとも1つとして機能させることを特徴とする高低差情報表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末等の表示部に所定範囲内の地形の高低差情報を表示させる高低差情報表示システム及び高低差情報表示プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフコースにおいて、グリーン近傍でボールを打とうとしているプレイヤーの位置に対するピン高低差を数字で表示するゴルフプレイ支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のゴルフプレイ支援装置は、端末(10)の表示部(5)にグリーン図(30)と、ピン位置(31)と、前後左右エッジ距離(Ef)、(Eb)、(El)、(Er)と、ピン距離(P)と、ピン手前エッジ距離(F)と、ピン奥エッジ距離(B)と、ピン高低差(H)と、目安十字線(36)と、ホール番号と、パー数等の支援情報を、同時(同一画面上)に表示する(特許文献1の図15及び図16参照)。
【0003】
そして、このゴルフプレイ支援装置では、特許文献1の図14-16に示すように、ピン高低差(H)が「+1」と数字で表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-92685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このピン高低差(H)は、現在位置(21)とピン位置(31)との高低差を表示したものであり、ピンの周囲の起伏や傾斜がどのようになっているかの情報を得ることができなかった。そのため、グリーンの傾斜により、グリーン上でのボールの転がり速さや曲がりの方向を予想することができず、ボールをグリーン上のどの位置に落下させるか、また、その後のパット時の軌道がどのようになるかを予想することができず、グリーン上でのプレイの戦略を立てる上では参考となる情報を提供するものではないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は以上の問題点を解決し、グリーン及びその周囲等の所定範囲内の地形の高低差(起伏)情報を表示させる高低差情報表示プログラム及び高低差情報表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る高低差情報表示システムは、携帯端末と、前記携帯端末と通信手段を介して接続可能なサーバ装置と、を備え、前記携帯端末の表示部に高低差情報を表示させる高低差情報表示システムであって、前記高低差情報が、複数の高度取得点を有する地図情報と高度情報から生成される表示地図と、前記表示地図に重ねて表示する色彩を有する半透明のシート状表示体を有し、前記高度取得点は、基準点と比較点を有し、前記シート状表示体は、前記基準点と前記比較点との高低差に基づいて配置される位置が決定されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る高低差情報表示システムは、前記シート状表示体の重なりによる前記色彩の濃淡により前記高低差の度合いを示す場合がある。
【0009】
また、本発明に係る高低差情報表示システムは、前記携帯端末又は前記サーバ装置が、前記表示地図を生成する表示地図生成部と、前記基準点を特定し、前記基準点と前記比較点との前記高低差を算出する高低差算出部と、前記高低差に基づいて前記シート状表示体を生成し、前記表示地図に重ねて表示した高低差画像を生成する高低差画像生成部と、を有する場合がある。
【0010】
また、本発明に係る高低差情報表示システムは、前記基準点が最も高度が低い前記高度取得点又は最も高度が高い前記高度取得点である場合がある。
【0011】
また、本発明に係る高低差情報表示プログラムは、前記携帯端末又は前記サーバ装置を、前記表示地図生成部、前記高低差算出部及び前記高低差画像生成部の少なくとも1つとして機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る高低差表示システム及び高低差表示プログラムによれば、所定範囲内の高低差を視覚的に認識可能な画像として表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施形態の携帯端末とプレイヤーを示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態の携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態の二次元地図を示す図である。
図4】本発明の第1の実施形態の表示地図と仮想シートを示す図である。
図5】本発明の第1の実施形態の地形の縦断面を示す図である。
図6】(A)本発明の実施形態の表示地図に第一仮想シートを重ねて表示した図である。(B)本発明の実施形態の表示地図に第二仮想シートを重ねて表示した図である。(C)本発明の実施形態の表示地図に第三仮想シートを重ねて表示した図である。(D)本発明の実施形態の表示地図に第四仮想シートを重ねて表示した図である。(E)本発明の実施形態の高低差画像を示す図である。
図7】本発明の第2の実施形態の地形の縦断面を示す図である。
図8】本発明の第3の実施形態の地形の縦断面を示す図である。
図9】本発明の第4の実施形態の地形の縦断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【0015】
図1図6は第1の実施形態を示しており、図1はゴルフのプレイヤーPとそのプレイヤーPが保有する携帯端末1を示している。携帯端末1は、一般的なスマートフォンの機能を有し、扁平状をなす本体2の正面には、画面表示のための表示部3や、手動操作のための操作部4が設けられる。本実施形態では、携帯端末1はスマートフォンを想定しているが、携帯可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話機、タブレット端末、スマートウォッチ等の腕時計、携帯型情報処理端末等であってもよい。本実施形態の携帯端末1では、表示部3がタッチパネルとなっており、表示部3の表面部分が操作部4として機能する。
【0016】
図2は、主に携帯端末1の電気的構成を示している。同図において、携帯端末1は、前述した表示部3や操作部4の他に、制御手段5と、送受信部6と、記憶部7と、GPS(Global Positioning System:地球測位システム)受信部8と、方位センサー9(地磁気センサー)と、を備えている。
【0017】
制御手段5は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの制御装置であり、予めダウンロードされ、記憶部7に記憶されたプログラム10により動作を制御されている。この制御手段5は、記憶部7からのプログラム10を読み取ることで機能するソフトウェア構成を備えている。高低差情報表示プログラムであるプログラム10により携帯端末1は、後述する高低差画像生成部22、表示地図生成部23、高低差算出部24として機能する。
【0018】
送受信部6は、インターネット等の通信手段11を介してサーバ装置12との間の双方向通信を可能にするものである。そのため携帯端末1は、サーバ装置12と各種情報を含むデータを送受信することができる。携帯端末1は、送受信部6によりサーバ装置12から最新の地図情報13や高度情報14を受信し、受信した地図情報13や高度情報14を記憶部7に記憶する。
【0019】
GPS受信部8は、携帯端末1の現在位置を取得する位置計測部を構成し、複数の人工衛星15からの電波を無線で受信することで、携帯端末1ひいてはその携帯端末1を所持するプレイヤーPの三次元位置(経度、緯度及び高度)を計測し、その位置情報を制御手段5に送出するものである。なお、携帯端末1の現在位置を検出できるものであれば、GPS受信部8以外の位置検出装置を利用してもよく、受信できる人工衛星15は、GPSを含む測位衛星システムで利用されるあらゆる測位衛星を含む。
【0020】
方位センサー9は、直交する3軸方向の地球の磁力を検出することで携帯端末1の向いている方向を検出する。なお、携帯端末1の向いている方位を検出できるものであれば、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System/全球測位衛星システム)コンパスとも呼ばれ、位置と方位を検出できる方位計等を利用してもよい。
【0021】
記憶部7は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の各種記憶装置を用いて構成され、サーバ装置12から受信した地図情報13や高度情報14等の各種情報を書き込み及び読み出し可能となっている。記憶部7に記憶された地図情報13は、図3に示すグリーン16やその周辺の二次元地図17を含む。この二次元地図17には、フェアウェイ、ラフ、ハザード(池やバンカー等)、OB範囲、カート道路等が含まれている。なお、二次元地図17は、ゴルフ場全体や各コース全体の二次元の地図であってもよい。
【0022】
制御手段5は、後述する高低差画像21を作成する高低差画像生成部22と、記憶部7に記憶された地図情報13と高度情報14に基づいて表示地図を作成する表示地図生成部23と、記憶部7に記憶されたと高度情報14に基づいて高低差を算出する高低差算出部24と、を備えている。
【0023】
高度情報14は、地図情報13の有する二次元地図17上に引いた縦横格子状の仮想線25の交点である高度取得点26の高度データを含む。なお、高度情報14は、高度取得点26の標高データを含んでいてもよい。高度情報14(高度データ)は、例えば、国土地理院の基盤地図情報や、ゴルフ場の各コースの高度を事前に測定し、この計測した高度データ等を利用することができる。隣り合う高度取得点26の間隔Mは、測定方法の精度によるが、例えば、1~10cm単位とすることが好ましいが、任意の距離とすることができ、本実施形態では、高度取得点26の間隔Mを10cmとしている。なお、図3では、図面を見易くするため仮想線25の間隔を大きくし、間隔Mを大きく表示している。また、本実施形態では、高度取得点26は二次元地図17上に均一に分布しているが不均一に分布していてもよい。
【0024】
表示地図生成部22は、地図情報13と高度情報14に基づいて携帯端末1の表示部3に表示する表示地図27を作成する。表示地図27は、二次元地図17に高度情報14を含めた地形Gの斜め上方から見た三次元画像である。表示地図27は、表示地図情報として記憶部7に記憶される。携帯端末1は、サーバ装置12から最新の地図情報13や高度情報14を受信すると、表示地図生成部22がこの最新の地図情報13や高度情報14に基づいて最新の表示地図27を作成する。
【0025】
高低差算出部24は、高度情報14に基づいて各高度取得点26の高低差を算出する。高低差算出部24は、高度取得点26のうち高度が最も低い高度取得点26である基準点26A(図3参照)を決定する。なお、高度が最も低い高度取得点26が複数存在する場合には、そのうち任意の1つの高度取得点26を基準点26Aとする。そして、基準点26Aと他の高度取得点26(比較点)との高低差を算出する。最小高低差単位は、例えば、1~10cmとすることが好ましく、本実施形態では、最小高低差単位を10cmとしている。したがって、実際の高低差が0cmより大きく10cm未満である場合には、高低差0cmとして算出される。高低差算出部24によって算出された各高度取得点26(比較点)の高低差は、高低差情報として記憶部7に記憶される。
【0026】
ここで、高低差画像生成部22による高低差画像21の生成方法について説明する。高低差画像生成部22は、単数又は複数の半透明の仮想シート28を表示地図27に重ねて表示することで高低差画像21を生成する。シート状表示体である仮想シート28は、色彩を有する半透明なシート状表示体であるが、厚さを考慮しない仮想的なものである。なお、図4では、仮想シート28が矩形状を有しているが、仮想シート28の形状は高低差情報により決定される。
【0027】
高低差画像生成部22は、高低差情報に基づいて仮想シート28を配置する。図5に示すように、第一仮想シート28Aは、基準点26Aとの高低差が0cm以上10cm以下の高度取得点26の上方に配置され、基準点26Aとの高低差が10cmよりも大きい高度取得点26の上方には配置されない。第二仮想シート28Bは、基準点26Aとの高低差が0cm以上20cm以下の高度取得点26の上方に配置され、基準点26Aとの高低差が20cmよりも大きい高度取得点26の上方には配置されない。第三仮想シート28Cは、基準点26Aとの高低差が0cm以上30cm以下の高度取得点26の上方に配置され、基準点26Aとの高低差が30cmよりも大きい高度取得点26の上方には配置されない。第四仮想シート28Dは、基準点26Aとの高低差が0cm以上40cm以下の高度取得点26の上方に配置示され、基準点26Aとの高低差が40cmよりも大きい高度取得点26の上方には配置されない。
【0028】
仮想シート28は、高度取得点26以外の部分の上方にも配置される。例えば、図3に示す4つの高度取得点26に囲まれた部分Hは、4つの高度取得点26が全て同一の高低差である場合には、その4つの高度取得点26に囲まれた部分Hの高低差は4つの高度取得点26と同一であるとみなして、その上方にも同一の仮想シート28が配置される。
【0029】
本実施形態では、基準点26Aから最も高低差が大きい高度取得点26の高低差は50cmであるが、最も高低差が大きい高度取得点26の上方には仮想シート28が配置されない設定となっている。なお、基準点26Aから最も高低差が大きい高度取得点26の高低差が60cmよりも大きい場合には、基準点26Aから50cm以下(0~50cm)の高低差の高度取得点26の上方に第五仮想シート(図示せず)、基準点26Aから60cm以下(0~60cm)の高低差の高度取得点26の上方に第六仮想シート(図示せず)等、配置する仮想シート28の数は高低差画像21に表示される地形Gの高低差の大小に応じて決定される。
【0030】
第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dは、それぞれ1枚ずつ配置されるとは限らず、離れた場所で同一の高低差を有する高度取得点26が存在する場合には複数枚配置される。
【0031】
図5に示すように、第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dが互いに平行に配置された状態で表示される。図6(A)は、表示地図27に第一仮想シート28Aを重ねて表示したものである。図6(B)は、表示地図27に第二仮想シート28Bを重ねて表示したものである。図6(C)は、表示地図27に第三仮想シート28Cを重ねて表示したものである。図6(D)は、表示地図27に第四仮想シート28Dを重ねて表示したものである。そして、図6(E)は、第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dを全て表示地図27に重ねて表示した高低差画像21を示している。
【0032】
第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dが全て重なった部分が基準点26Aとの高低差が最も小さい部分である。すなわち、基準点26A以外で最も高度が低い部分である。一方、仮想シート28が重なって表示されていない部分は、基準点26Aとの高低差が40cmよりも大きい部分で、最も高い部分である。配置された仮想シート28を上方から見ると、仮想シート28が多く重なっている部分は濃く見え、仮想シート28の重なりが少ない部分は薄く見える。そのため、プレイヤーPは、高低差画像21中の濃く見える部分の高度が低く、薄く見える部分の高度が高いことを一目で把握することができる。
【0033】
高低差画像21は、プレイヤーPが携帯端末1の操作部4を操作することにより、水平方向に360度回転させ、見る方向を変えることができるようになっている。なお、操作部4を操作することにより、高低差画像21を上下方向に回転させ、上下方向の見る角度を変更可能としてもよい。また、操作部4を操作することにより、特定の部分を中心に高低差画像21を拡大・縮小して表示可能としてもよい。
【0034】
プレイヤーPがグリーン16上又はグリーン16周辺で、携帯端末1の操作部4により、高低差画像21の表示指示操作を行うと、表示部3に高低差画像21が表示されるが、このとき、GPS受信部8が取得した携帯端末1の現在位置と、方位センサー9の取得した携帯端末1の向きに基づいて、携帯端末1の位置から携帯端末1の向いている方向を見た高低差画像21を表示するようにしてもよい。そして、携帯端末1の向きを変えると、それに連動して表示部3に表示される高低差画像21の向きを変えてもよい。さらに、高低差画像21に携帯端末1の現在位置を表示させてもよい。
【0035】
以上のように、本実施形態の高低差情報表示システムは、携帯端末1と、携帯端末1と通信手段11を介して接続可能なサーバ装置12と、を備え、携帯端末1の表示部3に高低差情報を表示させる高低差情報表示システムであって、高低差情報が、複数の高度取得点26を有する地図情報13と高度情報14から生成される表示地図27と、表示地図27に重ねて表示する色彩を有する半透明の仮想シート28を有し、高度取得点26は、基準点26Aと比較点26を有し、仮想シート28は、基準点26Aと比較点26との高低差に基づいて配置される位置が決定される。そのため、仮想シート28の重なりによる色彩の濃淡により地形の高低差を表示することができる。また、プレイヤーPは、高低差画像21により地形の高低差を一目で視認することができる。
【0036】
また、本実施形態の高低差情報表示システムは、仮想シート28の重なりによる色彩の濃淡により高低差の度合いを示すことにより、プレイヤーPは、高低差画像21により地形の高低差の度合いを把握することができる。
【0037】
また、本実施形態の高低差情報表示システムは、携帯端末1又はサーバ装置12が、表示地図27を生成する表示地図生成部23と、基準点26Aを特定し、基準点26Aと比較点26との高低差を算出する高低差算出部24と、高低差に基づいて仮想シート28を生成し、表示地図27に重ねて表示した高低差画像21を生成する高低差画像生成部22と、を有する。そのため、携帯端末1又はサーバ装置12は、表示地図生成部23により表示地図27を生成し、高低差算出部24により基準点26Aと比較点26との高低差を算出し、高低差画像生成部22により高低差画像21を生成することができる。
【0038】
また、本実施形態の高低差情報表示システムは、基準点26Aが最も高度が低い高度取得点26又は最も高度が高い高度取得点26であることにより、基準点26Aと高度取得点26(比較点)との高低差を仮想シート28の色彩の濃淡により、段階的に表示することができる。
【0039】
また、本実施形態の高低差情報表示プログラム10は、携帯端末1又はサーバ装置12を、表示地図生成部23、高低差算出部24及び高低差画像生成部22の少なくとも1つとして機能させる。そのため、携帯端末1又はサーバ装置12は、表示地図生成部23により表示地図27を生成し、高低差算出部24により基準点26Aと比較点26との高低差を算出し、高低差画像生成部22により高低差画像21を生成することができる。
【0040】
図7は、第2の実施形態を示すものであり、仮想シート28が地表Gに密着するように配置されたものである。図7では、説明の都合上、第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dが厚みを有するように表示されているが、上述のとおり仮想シート28は厚さを考慮しない仮想的なものであるため、上方から見た高低差画像21は、第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dの重なりにより地表Gに色彩の濃淡が付されたように見える。この実施形態でも、高低差画像21中の濃く見える部分の高度が低く、薄く見える部分の高度が高いことを一目で把握することができる。
【0041】
図8は、第3の実施形態を示すものであり、高度取得点26のうち高度が最も高い高度取得点26を基準点26Aとしたものである。本実施形態では、基準点26Aとの高低差が40cm以上の高度取得点26の上方に第一仮想シート28Aを配置し、基準点26Aとの高低差が30cm以上の高度取得点26の上方に第二仮想シート28Bを配置し、基準点26Aとの高低差が20cm以上の高度取得点26の上方に第三仮想シート28Cを配置し、基準点26Aとの高低差が10cm以上の高度取得点26の上方に第四仮想シート28Dを配置している。
【0042】
第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dが全て重なった部分が基準点26Aとの高低差が最も大きい部分であり、最も高度が低い部分である。一方、仮想シート28が重なって表示されていない部分は、基準点26Aとの高低差が10cm未満の部分で、最も高い部分である。配置された仮想シート28を上方から見ると、仮想シート28が多く重なっている部分は濃く見え、仮想シート28の重なりが少ない部分は薄く見える。そのため、プレイヤーPは、高低差画像21中の濃く見える部分の高度が低く、薄く見える部分の高度が高いことを一目で把握することができる。なお、本実施形態では、第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dは互いに平行となるように配置されているが、第2の実施形態のように地表Gに密着するように配置してもよい。
【0043】
図9は、第4の実施形態を示すものであり、高度取得点26のうち高度が最も高い高度取得点26を基準点26Aとしたものである。この実施形態では、基準点26Aとの高低差が10cm以下(0~10cm)の高度取得点26の上方に第一仮想シート28Aを配置し、基準点26Aとの高低差が20cm以下(0~20cm)の高度取得点26の上方に第二仮想シート28Bを配置し、基準点26Aとの高低差が30cm以下(0~30cm)の高度取得点26の上方に第三仮想シート28Cを配置し、基準点26Aとの高低差が40cm以下(0~40cm)の高度取得点26の上方に第四仮想シート28Dを配置している。
【0044】
第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dが全て重なった部分が基準点26Aとの高低差が最も小さい部分であり、基準点26A以外で最も高度が高い部分である。一方、仮想シート28が重なって表示されていない部分は、基準点26Aとの高低差が40cmよりも大きい部分で、最も低い部分である。配置された仮想シート28を上方から見ると、仮想シート28が多く重なっている部分は濃く見え、仮想シート28の重なりが少ない部分は薄く見える。そのため、プレイヤーPは、高低差画像21中の濃く見える部分の高度が高く、薄く見える部分の高度が低いことを一目で把握することができる。なお、本実施形態では、第一仮想シート28A、第二仮想シート28B、第三仮想シート28C、第四仮想シート28Dは互いに平行となるように配置されているが、第2の実施形態のように地表Gに密着するように配置してもよい。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。上記実施形態では、携帯端末1の制御手段5が高低差画像生成部22、表示地図生成部23、高低差算出部24を備える構成であるが、サーバ装置12がこれらを備える構成とし、サーバ装置12が高低差画像21を生成し、携帯端末1の表示部3に高低差画像21を表示させる構成としてもよい。また、サーバ装置12が表示地図生成部23、高低差算出部24を備え、携帯端末1が高低差画像生成部22を備える等、携帯端末1とサーバ装置12が高低差画像21を生成する工程を分担する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 携帯端末
3 表示部
10 プログラム(高低差情報表示プログラム)
11 通信手段
12 サーバ装置
13 地図情報
14 高度情報
21 高低差画像
22 高低差画像生成部
23 表示地図生成部
24 高低差算出部
26 高度取得点、比較点
26A 基準点
27 表示地図
28 仮想シート(シート状表示体)
28A 第一仮想シート(シート状表示体)
28B 第二仮想シート(シート状表示体)
28C 第三仮想シート(シート状表示体)
28D 第四仮想シート(シート状表示体)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9