(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113224
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】容器回収装置
(51)【国際特許分類】
B07C 5/342 20060101AFI20230808BHJP
B07C 5/16 20060101ALI20230808BHJP
B29B 17/00 20060101ALI20230808BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20230808BHJP
B30B 9/32 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B07C5/342
B07C5/16 ZAB
B29B17/00
B65F1/00 A
B30B9/32 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015420
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520057140
【氏名又は名称】ユウキ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(72)【発明者】
【氏名】▲吉▼高 一輝
(72)【発明者】
【氏名】中谷 正樹
(72)【発明者】
【氏名】王 琳
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 妙実
【テーマコード(参考)】
3E023
3F079
4F401
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E023HA05
3E023MA03
3E023MB01
3E023MC02
3F079AD11
3F079CA32
3F079CB11
3F079CB24
3F079CB28
4F401AA22
4F401AC11
4F401BA13
4F401CA06
4F401CA31
4F401CA43
4F401FA20Z
(57)【要約】
【課題】本開示は、ボトルの大きさや形状に依存せずにボトルを選別でき、さらにはボトルを投入した場所でボトルの選別と減容を行うことができ、また、投入・選別・減容を省スペースで実施することで回収本数が多い容器回収装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示に係る容器回収装置100は、首部12aを有する容器12を回収する容器回収装置において、容器の首部を保持するネックホルダー22と、重量センサー18と、光源と受光部を有し、光源から放射された光を前記容器に照射し、容器を透過した光の有無、透過率又は反射率を検知する光センサー9と、ネックホルダーに保持された容器のうち、所定範囲の質量と光の有無若しくは所定範囲の光透過率若しくは所定範囲の反射率とを満たす容器を回収対象の前記容器として判別する制御部20と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
首部を有する容器を回収する容器回収装置において、
前記容器の首部を保持するネックホルダーと、
重量センサーと、
光源と受光部を有し、前記光源から放射された光を前記容器に照射し、該容器を透過した光の有無、透過率又は反射率を検知する光センサーと、
前記ネックホルダーに保持された容器のうち、所定範囲の質量と光の有無若しくは所定範囲の光透過率若しくは所定範囲の反射率とを満たす容器を回収対象の前記容器として判別する制御部と、を有することを特徴とする容器回収装置。
【請求項2】
前記光センサーは前記ネックホルダーより下10cm以内の個所を測定することを特徴とする請求項1に記載の容器回収装置。
【請求項3】
前記ネックホルダーに保持されている前記容器の胴部を潰して、該容器を減容する減容機をさらに有し、
前記制御部は、前記ネックホルダーに保持された前記容器を回収対象として判別した後に、前記減容機を稼動させて該容器を減容することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器回収装置。
【請求項4】
前記減容機はプレス機であることを特徴とする請求項3に記載の容器回収装置。
【請求項5】
前記プレス機は、第1板、第1板を駆動させる第1駆動部、第2板及び第2板を駆動させる第2駆動部を有し、
前記第1板と前記第2板とは向かい合わせに配置されており、
前記第1駆動部及び前記第2駆動部は、前記第1板と前記第2板との間隔の中心が前記ネックホルダーに保持されている前記容器の主軸を通ることを維持しながら、前記第1板及び前記第2板を板挟み式で駆動させることを特徴とする請求項4に記載の容器回収装置。
【請求項6】
前記容器を投入するための投入部と、該投入部の下方に設けられた保管部とを有し、
前記ネックホルダー、前記重量センサー及び前記光センサーは前記投入部内に配置されており、
前記投入部は投入扉、開閉可能な床板及び該床板の開閉を駆動させる第3駆動部を有し、
前記床板の開放によって、前記投入部と前記保管部とは連通し、
前記ネックホルダーは、前記容器の保持を解放させる第4駆動部を有し、
前記制御部は、前記投入扉の閉状態の検出し、さらに前記ネックホルダーに保持された前記容器が回収対象であると判別した後、前記減容機を稼動させて該容器を減容し、減容完了後、前記第4駆動部を稼動させて前記容器の保持を解放させ、かつ、前記投入扉の閉状態を検出してから前記容器の保持を解放するまでの期間内のいずれかのタイミングで前記第3駆動部を稼動させて前記床板を開放させ、前記容器を前記保管部に落下させることを特徴とする請求項3~5のいずれか一つに記載の容器回収装置。
【請求項7】
前記重量センサーが前記ネックホルダーに備えられていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の容器回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器、例えばプラスチック容器を回収する容器回収装置に関し、さらには例えばPET(ポリエチレンテレフタレート樹脂)製ボトル(ペットボトルともいう。)を回収する容器回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
持続的な資源活用のため、プラスチックの循環利用が課題となっている。飲料用ペットボトルにおいて飲用後に回収されたペットボトルは、現在1/3が各種ペット樹脂使用製品にリサイクルされているものの、2/3は品質が悪いために、主にサーマルリサイクルされている。今後、より多くのペットボトルを回収し、かつ、回収されるペットボトルの品質を高めていくためには、消費者がペットボトルを回収ルートに乗せる利便性を高める必要がある。高品質なペットボトルを消費者より集める手段として、店頭等に容器回収装置を設置し、綺麗なペットボトルを選別して回収する方法が普及してきている。容器回収装置による高品質なペットボトルの回収量は設置数が増えるほど多くなり、容器回収装置のコストが低いほど設置数を増やせるため、容器回収装置のコストは回収量に直結する。
【0003】
また、飲料用の容器には、ペットボトル以外の容器も存在するため、所望の回収対象物だけを回収したいという要望がある。そこで、容器回収装置には、回収対象物であるか否かの判断を行い、非回収対象物を除外し、回収対象物だけを回収する機能が求められる。例えば、複数の光源とカメラの設置位置を特定することで、容器の形状等の特性を読み取り、判別する機能を有する容器回収装置に関する開示がある(例えば、特許文献1を参照。)。また、回収対象かどうかの判定を計量部、金属センサー及び光センサーにて行う容器回収装置に関する開示がある(例えば、特許文献2を参照。)。
【0004】
また、店外に容器回収装置を設置する場合は、雨風をよけるため、店の屋根に収まる程度の大きさに留めることが必要とされる。また、店内に設置する場合でも、店内の外観を阻害しない程度の大きさであることが望まれる。また、消費者からペットボトルを集めやすくするには、老若男女多くの人がボトルを投入できるような装置の形状・配置にすることが望まれる。このような背景から、容器回収装置には省スペースが望まれるものの、回収したボトルが販売時の形状のままであると、容器回収装置内部の廃ボトルを入れておくためのゴミ袋を換えるオペレーションが頻繁になり、また、輸送効率が悪くなる。そのため、回収したボトルを高い減容率で潰して保管することが求められる。そこで、ペットボトルを減容する装置に関する開示がある(例えば、特許文献2~4を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2014-525072号公報
【特許文献2】特開2018-131290号公報
【特許文献3】特表2019-508251号公報
【特許文献4】特表2002-516184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~4に開示されているように、ペットボトル回収装置は一般的にセンサー等でペットボトルを選別する選別部と、ペットボトルを減容する減容部を別々に有している、あるいは、どちらかのみを有している。
【0007】
昨今ペットボトルの容量・形状は多様化しており、あるいは、ボトルを減容した状態で持ってこられる場合があり、選別部から減容部までの挙動はボトルの形状に依存するため、トラブルが発生しやすい状況にあると想定される。
【0008】
また、減容後のボトルを貯めておく回収部は一般的に投入部や減容部の下に配置されており、運搬コスト、従業員の作業負荷低減の観点から、回収部のスペースをなるべく大きくすることが求められている。
【0009】
そこで本開示は、ボトルの大きさや形状に依存せずにボトルを選別でき、さらにはボトルを投入した場所でボトルの選別と減容を行うことができ、また、投入・選別・減容を省スペースで実施することで回収本数が多い容器回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは鋭意検討したところ、ボトルの投入部において、ペットボトルの首部をホルダーで保持して首吊り状態にし、重量センサー及び光センサーで計測することで、ペットボトルであるか否かの判定をすることができ、さらにはペットボトルを保持したまま胴部のみを潰して容易に減容することができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係る容器回収装置は、首部を有する容器を回収する容器回収装置において、前記容器の首部を保持するネックホルダーと、重量センサーと、光源と受光部を有し、前記光源から放射された光を前記容器に照射し、該容器を透過した光の有無、透過率又は反射率を検知する光センサーと、前記ネックホルダーに保持された容器のうち、所定範囲の質量と光の有無若しくは所定範囲の光透過率若しくは所定範囲の反射率とを満たす容器を回収対象の前記容器として判別する制御部と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る容器回収装置では、前記光センサーは前記ネックホルダーより下10cm以内の個所を測定することが好ましい。容器の胴部が潰れているか否かの影響を受けずに測定することができる。
【0012】
本発明に係る容器回収装置では、前記ネックホルダーに保持されている前記容器の胴部を潰して、該容器を減容する減容機をさらに有し、前記制御部は、前記ネックホルダーに保持された前記容器を回収対象として判別した後に、前記減容機を稼動させて該容器を減容することが好ましい。回収対象の容器であると判別した容器についてはその胴部を潰して減容することができる。
【0013】
本発明に係る容器回収装置では、前記減容機はプレス機であることが好ましい。シンプルな構造となるため、後工程のトラブルを減らすことができる。
【0014】
本発明に係る容器回収装置では、前記プレス機は、第1板、第1板を駆動させる第1駆動部、第2板及び第2板を駆動させる第2駆動部を有し、前記第1板と前記第2板とは向かい合わせに配置されており、前記第1駆動部及び前記第2駆動部は、前記第1板と前記第2板との間隔の中心が前記ネックホルダーに保持されている前記容器の主軸を通ることを維持しながら、前記第1板及び前記第2板を板挟み式で駆動させることが好ましい。容器を保持した状態のまま減容することができる。
【0015】
本発明に係る容器回収装置では、前記容器を投入するための投入部と、該投入部の下方に設けられた保管部とを有し、前記ネックホルダー、前記重量センサー及び前記光センサーは前記投入部内に配置されており、前記投入部は投入扉、開閉可能な床板及び該床板の開閉を駆動させる第3駆動部を有し、前記床板の開放によって、前記投入部と前記保管部とは連通し、前記ネックホルダーは、前記容器の保持を解放させる第4駆動部を有し、前記制御部は、前記投入扉の閉状態の検出し、さらに前記ネックホルダーに保持された前記容器が回収対象であると判別した後、前記減容機を稼動させて該容器を減容し、減容完了後、前記第4駆動部を稼動させて前記容器の保持を解放させ、かつ、前記投入扉の閉状態を検出してから前記容器の保持を解放するまでの期間内のいずれかのタイミングで前記第3駆動部を稼動させて前記床板を開放させ、前記容器を前記保管部に落下させることが好ましい。投入部は容器の選別部及び容器の減容部を兼ねているので省スペース化が図られ、かつ装置の構造がより簡易になる。投入部にて胴部を潰した空容器を投入部の床下にある保管部に容易に排出して、保管部に収容することができる。そして、容器の選別部及び容器の減容部を兼ねている投入部の省スペース化が図られることによって保管部の容積を大きくとることを可能とする。
【0016】
本発明に係る容器回収装置では、前記重量センサーが前記ネックホルダーに備えられていることが好ましい。ネックホルダーによってペットボトルを保持した状態で容易にペットボトルの重量を測定することができる。
【発明の効果】
【0017】
本開示は、ボトルの大きさや形状に依存せずにボトルを選別でき、さらにはボトルを投入した場所でボトルの選別と減容を行うことができ、また、投入・選別・減容を省スペースで実施することで回収本数が多い容器回収装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る容器回収装置の全体概略図である。
【
図3】支持プレート及びネックホルダーの重量を測定する機構の一例を示す概略図である。
【
図4】容器を保持した状態の投入部の概略図である。
【
図5】投入部において行われる容器潰し工程を説明する概略図であって、ペットボトルの首部をネックホルダーに挟む工程を示す図である。
【
図6】投入部において行われる容器潰し工程を説明する概略図であって、扉を手動で閉じた後、光センサーと重量センサーで計測を行う工程を示す図である。
【
図7】投入部において行われる容器潰し工程を説明する概略図であって、ペットボトルが両サイドからプレスされ、潰される工程を示す図である。
【
図8】投入部において行われる容器潰し工程を説明する概略図であって、ペットボトルがプレスから解放され、全開している床板の開口部に落下し、回収袋に向けて落とされる工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
【0020】
(容器回収装置)
本実施形態に係る容器回収装置100は、首部を有する容器を回収する容器回収装置であり、
図1に示すように、ケース1に操作パネル部2と、顧客カード読み取り部3と、容器12を投入する開口部を有する投入部6と、減容した容器の保管部17と、を有する。投入部6は、例えば所望の空ペットボトルを選別して、空ペットボトルの胴部を潰して、保管部17に送り込む機能を有することが好ましく、本実施形態では、投入部6が容器の選別部及び容器の減容部を兼ねている形態を例として説明する。すなわち、本実施形態に係る容器回収装置100は、顧客が容器12を投入部6に投入し、投入部の扉を閉め、操作パネル部2及び必要により顧客カード読み取り部3を操作することによって回収が開始され、投入部6にて所望の空ペットボトルを選別し、選別されたペットボトルはその場で潰され、減容されたペットボトルは投入部6の下方にある、保管部17内に配置されている回収袋8に送り込まれて貯蔵される。
【0021】
顧客カード読み取り部3でポイントカードを読み込む、又は、操作パネル部2において読み込まないボタンを選択すると投入部6の投入扉5を開くことができ、容器12を投入することができる。以降、選別部及び減容部を兼ねた投入部6について詳細に説明する。
【0022】
(投入部)
図2~
図4を参照しながら投入部6について説明する。本実施形態に係る容器回収装置100は投入部6を有し、投入部6は、容器12の首部12aを保持するネックホルダー22と、ネックホルダー22に備えられた重量センサー18と、光源と受光部を有し、光源から放射された光21を容器12に照射し、容器12を透過した光の有無、透過率又は反射率を検知する光センサー9と、ネックホルダー22に保持された容器12のうち、所定範囲の質量と光の有無若しくは所定範囲の光透過率若しくは所定範囲の反射率とを満たす容器を回収対象の前記容器として判別する制御部20と、を有する。
【0023】
ネックホルダー22は、容器12の首部12aを挟持する挟み部11と挟み部11を支持する支持プレート10を有する。ネックホルダー22は、押し出しプレート13及び押し出しプレート13を支持プレート10の面内方向に移動させるモータ等の動力源14を有する第4駆動部15をさらに備えている。押し出しプレート13の位置によって、ネックホルダー22は、容器12の首部12aの挟持‐解放の機構を有することとなる。
【0024】
重量センサー18は、容器12の重量を測定する。重量センサー18は、例えばネックホルダー22とともに容器12を測定する。この場合、重量センサー18がネックホルダー22に備えられていることが好ましく、ネックホルダー22の重量を差し引いて容器12の重量を求める。ネックホルダー22は重量センサー18を介して、支柱19に支えられている。ネックホルダー22によって容器12を保持した状態で容易に容器の重量を測定することができる。また、ネックホルダー22以外にも他の部品を載せた状態で重量を測定してもよく、この場合にも他の部品の重量を差し引いて容器12の重量を求める。また、重量センサー18は、容器12そのものの重量を測定してもよい。この場合、ボトル台として重量センサーを設置し、ネックホルダーを自由に可変できるアームに取り付けることで、ネックホルダーに重量を分散することなく、ネックホルダーによるボトル保持と重量測定を両立できる。重量センサー18としては、例えば歪みゲージや圧力センサー、ロードセルなど各種市販の重量測定に応用されるセンサーを用いることが出来る。歪みゲージで検出される歪み量を重量に換算して測定する方法が、装置の小型化や経済性の観点で好ましい。
【0025】
重量センサー18によって、所定範囲の重量(ML以上MH以下)を満たす容器を判断することが可能となる。ML及びMHは、選別する容器に応じて適宜設定されることができ、容器回収装置100の設置地域によって適宜変更されてもよい。MHは、例えばMHを超える重さを有し、一定容量以上のガラス壜を排除するなどを目的として適宜設定される。MLは、例えば、軽量ごみの付着や容器が挟み部11に挟まれていないことなどを判断するため、適宜設定される。
【0026】
光センサー9は、光源と受光部を有し、光源から放射された光21を容器12に照射し、容器12を透過した光の有無、透過率又は反射率を検知する。光センサー9としては、光源と受光部が一体のものでも、別個のものでも使用でき、また、光源の波長に応じてフォトダイオードや光電子倍増管などの各種受光素子を用いたセンサーを用いることができる。
図4では、光センサー9は同一筐体に光源と受光部を有し、光源から放射された光21が容器12を透過し、その後、ミラー9aで反射され、反射光23は再度容器12を透過し、受光部に入る。この結果、容器12を透過した光の有無又は透過率を検知することができる。
図4とは異なる第1例として、光センサー9は光源と受光部を別々の筐体に有し、光源から放射された光が容器12を透過し、その透過光を受光部で検知する形態がある。この形態においても、容器12を透過した光の有無又は透過率を検知することができる
図4とは異なる第2例として、光センサー9は同一筐体に光源と受光部を有し、光源から放射された光が容器によって反射され、その反射光を受光部で検知する形態がある。この形態では反射率が測定される。光源から放射させる光は例えば可視光域や赤外光域の波長領域の光が好ましい。
【0027】
光センサー9によって、所定範囲の光透過率(TL以上TH以下)を満たす容器12若しくは透過光の有りの容器12若しくは所定範囲の反射率(RL以上RH以下)を満たす容器12を判断することが可能となる。TL及びTHは、容器回収装置100の設置地域によって適宜変更してもよい。THを超えると、主として容器12が挟み部11によって保持されていることを判断できる。TL未満であると、主として着色や濁りのある半透明プラスチック容器、金属ボトル缶、及び、茶褐色ガラス壜、緑色ガラス壜、青色ガラス壜などの着色ガラス壜を排除することができる。また、透過光なしの場合は、上記着色や濁りのある半透明プラスチック容器、金属ボトル缶及び着色ガラス壜を排除することができる。なお、透過光有りの場合であっても、容器12が挟み部11によって保持されていない場合には、重量センサー18の測定値がゼロとなるので排除できる。また、RL及びRHは、容器回収装置100の設置地域によって適宜変更してもよい。RHを超えると、壜や中身入りのペットボトルを排除することができる。RL未満であると、主として容器12が挟み部11によって保持されていない場合を排除することができる。本実施形態では、光センサー9は複数配置してもよいが、1個配置することで、容器12を透過した光の有無、透過率又は反射率の判定が可能であり、装置の簡素化に寄与する。
【0028】
光センサー9はネックホルダー22より下10cm以内の個所を測定することが好ましく、より好ましくは2cm以内である。容器の胴部が潰れているか否かの影響を受けずに測定することができる。
【0029】
制御部20は、光センサー9から出力された信号及び重量センサー18から出力された信号を入手する。そして制御部20は、ネックホルダー22に保持された容器12のうち、所定範囲の質量と光の有無若しくは所定範囲の光透過率若しくは所定範囲の反射率とを満たす容器を回収対象の空のプラスチック容器として判断する。
【0030】
このように、投入部6では、ネックホルダー22に首部12aを保持できない容器をまず外し、次いで、保持できた容器のうち、所定質量範囲外、または、所定光透過率範囲外若しくは所定反射率範囲外の容器を外すことで、簡易に空のプラスチック容器を選別する。回収対象とされなかった容器は、回収から除外され、例えば、操作パネル部2に回収対象外であることを通知する。
【0031】
本実施形態に係る容器回収装置100はネックホルダー22に保持されている容器12の胴部を潰して、容器12を減容する減容機4をさらに有し、制御部20は、ネックホルダー22に保持された容器12を回収対象として判別した後に、減容機4を稼動させて容器12を減容することが好ましい。回収対象の容器であると判別した容器についてはその胴部を潰して減容することができる。
【0032】
減容機は、プレス機、容器の内部ガスを排気して容器内部空間の圧力を大気圧未満として容器を潰す排気機構、容器を加熱してプラスチック樹脂を溶融することによって減容する加熱機構が例示されるが、このうち、プレス機であることが好ましい。シンプルな構造となるため、後工程のトラブルを減らすことができる。
【0033】
減容機がプレス機4である形態を詳細に説明する。
図2に示すように、第1板25aと第2板25bとはプレス面が相互に向き合っていて、接近又は離隔が可能である板挟み25を構成している。プレス機4は、第1板25a、第1板25aを駆動させる第1駆動部26a、第2板25b及び第2板25bを駆動させる第2駆動部26bを有し、第1板25aと第2板25bとは向かい合わせに配置されており、第1駆動部26a及び第2駆動部26bは、第1板25aと第2板25bとの間隔の中心がネックホルダー22に保持されている容器12の主軸を通ることを維持しながら、第1板25a及び第2板25bを板挟み式で駆動させることが好ましい。容器を保持した状態のまま減容することができる。
図2に示したプレス機4は、一つのモータ26によって、第1駆動部26a及び第2駆動部26bの両方を駆動させており、モータ26は歯車27を回転させ、ラック16を動かすことによって、第1板25aを支持している第1駆動プレート28aと第2板25bを支持している第2駆動プレート28bをそれぞれ左右対称にスライドさせる。この動きは、向かい合わせに配置された第1板25aと第2板25bとを、第1板25aと第2板25bとの間隔の中心がネックホルダー22に保持されている容器12の主軸を通ることを維持しながら、板挟み式で駆動させる。制御部20は、モータ26の動作を制御する。第1板25aと第2板25bとは、洗濯板のように、互い違いに凹凸形状になっていてもよい。また、貫通孔を有していてもよい。
【0034】
投入部6は、投入扉5、開閉可能な床板7及び床板7の開閉を駆動させる第3駆動部を有している。
【0035】
投入扉5は、手動式扉又は制御部20による自動扉であるが、手動式扉であることが好ましい。また、手動式扉である場合、制御部20は、扉のロックの解除を制御し、所望のタイミングのときのみ、投入扉5を開状態とできるようにすることが好ましい。
【0036】
床板7は、左右並列に配置された第1床板7aと第2床板7bを有することが好ましい。第1床板7aと第2床板7bとの境界部30は、挟み部11の真下に配置されていることが好ましい。第1床板7a及び第2床板7bは、
図2において水平方向に互いに離れ合うようにスライドして開くことが好ましい。第1床板7a及び第2床板7bが開く動作において、保管部17における稼動スペースを必要としない点で好ましい。1枚の床板がスライドすることで、開口部を形成することとしてもよい。或いは、第1床板7aは端部7aEを回転軸とし、第2床板7bは端部7bEを回転軸として、中央から床が抜ける方向にそれぞれ開くこととしてもよい(不図示)。第1床板7a及び第2床板7bの水平移動の駆動は不図示の第3駆動部によって行われる。或いは第1床板7a及び第2床板7bの回転軸の駆動は不図示の第3駆動部によって行われる。第3駆動部は制御部20によって制御される。
図2では、床板7は、床が開く構造の床板であれば、3枚以上の板を有する形態であってもよい。
【0037】
床板7の開放によって、投入部6と保管部17とは連通する。
【0038】
制御部20は、投入扉5の閉状態の検出し、さらにネックホルダー22に保持された容器12が回収対象であると判別した後、減容機、例えばプレス機4を稼動させて容器12を減容し、減容完了後、第4駆動部15を稼動させて容器12の保持を解放させ、かつ、投入扉5の閉状態を検出してから容器12の保持を解放するまでの期間内のいずれかのタイミングで第3駆動部を稼動させて床板7を開放させ、容器12を保管部17に落下させることが好ましい。投入部6は容器12の選別部及び容器12の減容部を兼ねているので省スペース化が図られ、かつ装置の構造がより簡易になる。投入部6にて胴部を潰した空容器を投入部6の床下にある保管部17に容易に排出して、保管部17の中に設置された回収袋8に収容することができる。そして、選別部及び減容部を兼ねている投入部6の省スペース化が図られることによって保管部17の容積を大きくとることを可能とする。制御部20は、例えば、投入部6の室外に組付けられた制御ボードである。
【0039】
次に
図5~
図8を参照して、本実施形態に係る容器回収装置100の動作について説明する。
【0040】
顧客カード読み取り部3でポイントカードを読み込む、又は、操作パネル部2において読み込まないボタンを選択すると投入部6の投入扉5を開くことができる。
図5に示すように、開状態の投入扉5の内部に配置されているネックホルダー22の挟み部11に容器12の首部12aを保持させる。次に顧客は投入扉5を閉じると、制御部20は投入扉5の閉状態を検知する。
【0041】
図6に示すように、投入扉5が閉状態となったのち、制御部20は、光センサー9から首部12aを保持されている容器12の透過率の結果を得る。なお、容器12を透過した光の有無又は反射率の結果を得てもよい。また、制御部20は、重量センサー18から、首部12aを保持されている容器12の重量の結果を得る。制御部20は、所定範囲の質量と光の有無若しくは所定範囲の光透過率若しくは所定範囲の反射率とを満たす容器を回収対象の容器として判別する。
【0042】
回収対象とされない容器である場合には、操作パネル部2において回収対象外の容器であること及び投入扉5が開けられることを表示する。それによって、顧客は、回収対象外の容器を取り出すことができる。
【0043】
回収対象の容器である場合は、制御部はモータ26を駆動させ、歯車27が回転し、ラック16が動く。それによって第1駆動部26a及び第2駆動部26bの両方が駆動し、
図7に示すように、第1板25a及び第2板25bは、第1板25aと第2板25bとの間隔の中心がネックホルダー22に保持されている容器12の主軸を通ることを維持しながら、接近する。この結果、容器12は、第1板25a及び第2板25bによって胴部が押し潰される。
【0044】
第1板25aと第2板25bとの板挟みによって容器12の胴部が押し潰されたのち、制御部20は、制御部はモータ26を逆方向に駆動させ、歯車27が逆回転し、ラック16が逆方向に動く。それによって第1駆動部26a及び第2駆動部26bの両方が駆動して、離隔する。続いて、制御部20は、動力源14を駆動させ、押し出しプレート13を、挟み部11に挟持されている容器12の首部12aに向けて移動させ、さらに押し出す。すると、
図8に示すように押し出しプレート13によって首部12aが挟み部11から押し出され、挟み部11による首部12aの挟持が解放され、容器12を落下させることができる。
【0045】
制御部20は、投入扉5の閉状態を検出してから容器12の保持を解放するまでの期間内のいずれかのタイミングで第3駆動部を稼動させて床板7を開放させている。
【0046】
図8に示すように容器12は保管部17にある回収袋(不図示)に落下する。
【0047】
容器12を保管部17へ落下させたのち、制御部20は床板7を閉じる。
【0048】
回収袋に落とされた容器12の胴部は押し潰されて減容されているので、回収袋に多数の潰された容器が回収される。また、容器の種別の検知と、胴部の潰しを投入部で行うため、容器の種別の検知と潰しを別々の部屋で行う装置よりも省スペース化が図られる。その結果、保管部17をより大きな空間とすることができ、回収本数を多くすることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ケース
2 操作パネル部
3 顧客カード読み取り部
4 減容機(プレス機)
5 投入扉
6 投入部
7 床板
7a 第1床板
7b 第2床板
7aE 端部
7bE 端部
8 回収袋
9 光センサー
9a ミラー
10 支持プレート
11 挟み部
12 容器
12a 容器の首部
13 押し出しプレート
14 動力源
15 第4駆動部
16 ラック
17 保管部
18 重量センサー
19 支柱
20 制御部
21 光源から放射された光
22 ネックホルダー
23 反射光
25 板挟み
25a 第1板
25b 第2板
26 モータ
26a 第1駆動部
26b 第2駆動部
27 歯車
28a 第1駆動プレート
28b 第2駆動プレート
30 第1床板と第2床板との境界部
100 容器回収装置