(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113238
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】検索装置、検索方法および検索プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/908 20190101AFI20230808BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230808BHJP
【FI】
G06F16/908
G06Q30/06 322
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015445
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土屋 義己
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 竜
(72)【発明者】
【氏名】小河 有史
(72)【発明者】
【氏名】金子 剛志
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175FB03
5L049BB09
(57)【要約】
【課題】検索処理を効率良く行うことができる検索装置、検索方法および検索プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る検索装置は、記憶部と、検索部とを備える。記憶部は、商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の範囲を示す範囲データが含まれるインデックス情報を記憶する。検索部は、インデックス情報の中から検索クエリで指定された範囲を含む範囲データの商品群を抽出し、抽出した商品群の中から検索クエリで指定された範囲に該当する商品を抽出して検索結果とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の範囲を示す範囲データが含まれるインデックス情報を記憶する記憶部と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索部と、
を備え、
前記検索部は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群を抽出し、抽出した前記商品群の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
検索装置。
【請求項2】
前記インデックス情報は、
前記商品群に分類されない前記商品に関し、該商品の前記商品情報を前記範囲データとして含み、
前記検索部は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群および前記商品を抽出し、抽出した前記商品群および前記商品の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記インデックス情報は、
前記商品および前記商品群それぞれに検索のタイプに関するタイプ情報が紐付られ、
前記検索部は、
前記インデックス情報の中から、前記検索クエリが指定する前記タイプに合致した前記商品および前記商品群の中で前記検索を行う
請求項1または2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記検索部は、
前記範囲を指定しない前記検索クエリである場合、前記インデックス情報の中から、前記検索クエリに合致する前記商品を抽出して検索結果とする
請求項1~3のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項5】
前記所定の条件を満たす商品群は、
同じ製品の商品群である
請求項1~4のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項6】
前記所定の条件を満たす商品群は、
同じストアの商品群である
請求項1~5のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項7】
前記範囲データは、
前記商品に関わる料金の範囲である
請求項1~6のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項8】
前記商品に関わる料金は、
前記商品の販売価格である
請求項7に記載の検索装置。
【請求項9】
前記商品に関わる料金は、
前記商品の送料である
請求項7または8に記載の検索装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する検索方法であって、
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の範囲を示す範囲データが含まれるインデックス情報を記憶部に記憶する記憶工程と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索工程と、
を含み、
前記検索工程は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群を抽出し、抽出した前記商品群の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
検索方法。
【請求項11】
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の範囲を示す範囲データが含まれるインデックス情報を記憶部に記憶する記憶手順と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記検索手順は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群を抽出し、抽出した前記商品群の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
検索プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索装置、検索方法および検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、検索サービス等のように、検索用のクエリを入力することで、クエリに応じた検索結果等のコンテンツを提供する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、検索結果を生成するまでの処理を効率的に行う点で改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、検索処理を効率良く行うことができる検索装置、検索方法および検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る検索装置は、記憶部と、検索部とを備える。前記記憶部は、商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の範囲を示す範囲データが含まれるインデックス情報を記憶する。前記検索部は、前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群を抽出し、抽出した前記商品群の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、検索処理を効率良く行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る検索装置が実行する処理を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る検索システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る検索装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、インデックス情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る検索装置が実行する検索処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る検索装置、検索方法および検索プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る検索装置、検索方法および検索プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、
図1を用いて、実施形態に係る検索装置が実行する処理について説明する。
図1は、実施形態に係る検索装置が実行する処理を示す図である。なお、
図1では、実施形態に係る検索装置1を含む検索システムSの動作例を示している。
図1に示すように、実施形態に係る検索システムSは、検索装置1と、ユーザ端末100とを含む。
【0011】
本開示では、電子商取引サービスを利用しているユーザが検索クエリを入力して商品を検索する場合の処理例について説明する。
【0012】
実施形態に係る検索装置1は、検索方法を実行することで、検索クエリを受け付けてから検索結果を出力するまでの検索処理を効率良く行う。具体的には、実施形態に係る検索方法では、商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の範囲を示す範囲データが含まれるインデックス情報を予め記憶しておく。そして、実施形態に係る検索方法では、かかるインデックス情報の中から検索クエリで指定された範囲を含む範囲データの商品群および商品を抽出し、抽出した商品群および商品の中から検索クエリで指定された範囲に該当する商品を抽出して検索結果とする。
【0013】
以下、
図1を用いて、実施形態に係る検索方法を実行することで行われる検索装置1の処理例について詳細に説明する。
【0014】
まず、実施形態に係るユーザ端末100は、ユーザから電子商取引サービスにおける商品を検索するための検索クエリを受け付け、かかる検索クエリを検索装置1へ入力する(ステップS1)。
【0015】
検索クエリには、例えば、商品に関するテキストや、商品のカテゴリ指定、商品情報の範囲を指定する情報が含まれる。
図1に示す例では、商品情報の範囲として、2500円~3000円の範囲が検索クエリにより指定されたこととする。
【0016】
つづいて、検索装置1は、予め生成して記憶しておいたインデックス情報の中から検索クエリで指定された範囲を含む範囲データの商品群を抽出する(ステップS2)。
図1には、検索装置1が予め記憶しているインデックス情報の一例を示している。
【0017】
図1に示す例では、インデックス情報は、「商品ID」、「製品ID」、「価格」、「範囲データ」等の項目を含む。「商品ID」は、商品を識別する識別情報である。「製品ID」は、商品に対応する製品を識別する識別情報である。「価格」は、商品の販売価格である。「範囲データ」は、商品群である製品の販売価格の範囲データであり、
図1では、最高値および最安値が示されている。なお、
図1に示すインデックス情報のテーブル内における空白箇所は、Null値である。また、
図1に示すインデックス情報では、所定の条件を満たす商品群に関する項目が別途含まれる。
【0018】
具体的には、
図1に示すインデックス情報の1行目および2行目の項目は、インデックス情報における同じ製品に対応する商品の範囲データが含まれた情報である。例えば、1行目の商品IDがNull値で製品ID「X」の項目は、インデックス情報において商品IDが記された項目(3行目から6行目までの項目)のうち、製品ID「X」が記された商品群(3行目および4行目)に関する販売価格の最高値および最低値の範囲データを含む項目である。つまり、
図1に示すインデックス情報では、所定の条件を満たす商品群は、製品が同じ商品群である。なお、所定の条件を満たす商品群は、ストアが同じ商品群や、製造メーカが同じ商品群、機能が同じ商品群等であってもよい。なお、
図1に示すインデックス情報では、商品群の項目に、範囲データが記される。
【0019】
また、商品ID「e」は、製品IDがNull値である。これは、商品ID「e」の商品が、いわゆる1点ものであることを示しており、詳細には、製造メーカにおいて類似の製品や、シリーズ化した製品ではないことを示している。本開示では、このような、1点ものの商品(製品IDが割り振られない商品)については、インデックス情報内において商品群の項目としても機能するように、範囲データを記すようにする。なお、かかる場合、範囲データである最高値および最低値は同じ値(2500円)となる。つまり、インデックス情報は、商品群に分類されない商品に関し、商品の商品情報を範囲データとして含む。
【0020】
図1に示す例において、検索装置1は、インデックス情報の中から、範囲データが記された項目を探索し、検索クエリで指定された範囲(2500~3000円)を含む範囲データの商品群として、製品IDが「X」および「Y」の項目(商品IDはNull値)と、商品ID「e」の項目(製品IDがNull値)の項目とを抽出する。
【0021】
つづいて、検索装置1は、抽出した商品群および商品の中から、検索クエリで指定された範囲に該当する商品を抽出して検索結果とする(ステップS3)。具体的には、検索装置1は、インデックス情報のうち、抽出した商品群に含まれる商品であって、商品IDが記された商品の商品情報(
図1では価格)が検索クエリで指定された範囲に該当するか否かを判定する。
図1に示す例では、検索装置1は、製品ID「X」および「Y」が紐付いた商品ID「a」、「b」、「c」、「d」と、商品ID「e」とのうち、価格が2500~3000円の範囲に収まる商品を抽出する。
図1では、検索装置1は、商品ID「b」、「d」および「e」の商品を抽出し検索結果を生成する。
【0022】
つまり、実施形態に係る検索装置1は、ステップS2において商品群を抽出して商品群を絞り込んだ後に、ステップS3においてかかる商品群に含まれる商品の中から、検索クエリに該当する商品を抽出する。言い換えれば、検索装置1は、インデック情報から段階的に商品を抽出する。これにより、商品群を抽出する段階(ステップS2)で、範囲外の商品群を除くことができるため、すべての商品を個々に検索クエリに該当するか否かを判定する必要がなくなり、検索処理を効率良く行うことができる。
【0023】
つづいて、検索装置1は、検索結果に基づいたコンテンツを出力する(ステップS4)。例えば、検索装置1は、ステップS3で抽出した商品ID「b」、「d」および「e」の一覧表示を示す表示情報をユーザ端末100へ出力する。
【0024】
また、検索装置1は、例えば、商品の評価に関する評価スコアを商品毎に算出し、評価スコアに基づいて生成したランキング情報をユーザ端末100へ出力してもよい。なお、評価スコアは、例えば、商品の販売実績や、評価レビュー等に基づいて算出可能である。
【0025】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る検索システムSの構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る検索システムSの構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、実施形態に係る検索システムSは、検索装置1と、ユーザ端末100と、ストア端末200とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0026】
検索装置1は、電子商取引サービスを利用するユーザに対して検索サービスを提供する情報処理装置である。たとえば、検索装置1は、サーバ装置やクラウドシステムなどにより実現される。
【0027】
また、検索装置1は、各ユーザに対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、検索装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、検索装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0028】
ユーザ端末100は、電子商取引サービスを利用するユーザが管理する情報処理装置である。ユーザ端末100は、例えば、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)などの任意の情報処理端末により実現される。
【0029】
また、ユーザ端末100は、ユーザが入力した検索クエリを検索装置1へ送信したり、検索装置1から受信した検索結果等のコンテンツを表示したりする。
【0030】
ストア端末200は、電子商取引サービスに登録された商品を扱う店舗が管理する情報処理装置である。ストア端末200は、例えば、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、PDA(Personal Digital Assistant)などの任意の情報処理端末により実現される。
【0031】
ストア端末200は、電子商取引サービスへの商品の登録要求等といった商品の販売に関する要求を送信したり、ユーザからの商品の購入要求を受け付けたりする。
【0032】
次に、
図3を参照して、検索装置1の構成例について説明する。
【0033】
図3は、実施形態に係る検索装置1の構成例を示す図である。
図3に示されるように、検索装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、受付部31と、生成部32と、検索部33と、出力部34とを備える。記憶部4は、インデックス情報41を記憶する。
【0034】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0035】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、検索装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(検索プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0036】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0037】
インデックス情報41は、電子商取引サービスで販売されている商品に関する情報である商品情報を含むインデックス情報である。
図4は、インデックス情報41の一例を示す図である。
図4に示すように、インデックス情報41は、「商品ID」、「製品ID」、「価格」、「ストアID」、「在庫」、「範囲データ」および「検索タイプ」等の項目を含む。
【0038】
「商品ID」は、商品を識別する識別情報である。「製品ID」は、商品に対応する製品を識別する識別情報である。「価格」は、商品の販売価格である。「ストアID」は、商品を販売するストアを識別する識別情報である。「在庫」は、商品の在庫情報である。「範囲データ」は、商品群である製品の販売価格の範囲データである。「検索タイプ」は、検索のタイプを示すタイプ情報であり、検索対象を示す情報である。
図4では、「検索タイプ」は、商品群と商品とを異なるタイプとして、異なる符号が付される。なお、検索タイプは、後述する検索部33の検索処理において参照される。
【0039】
図4に示すインデックス情報41では、商品IDがNull値で、製品IDが割り振られた行(1行目および2行目)は、商品群に関する情報であり、商品群に含まれる商品の価格の集計結果が範囲データの最高値および最安値として記される。なお、商品IDおよび製品IDが割り振られた行(3行目から6行目)は、各商品に関する情報であり、範囲データをNull値とする。また、商品IDが割り振られ、製品IDがNull値である行(7行目)は、同じ製品の商品が存在しない、いわゆる1点ものの商品であるため、商品群の行としても機能するように、範囲データを記すようにする。なお、かかる場合には、検索タイプに「0」および「1」の両方を紐付ける。
【0040】
なお、
図4に示す例では、範囲データは、販売価格の範囲である例を示したが、例えば、商品の送料等のように、商品に関わる料金の範囲であってもよい。商品の送料の場合、範囲データは、例えば、無料、有料、一部有料等のように区分け可能である。
【0041】
次に、検索装置1の制御部3の各機能(受付部31、生成部32、検索部33および出力部34)について説明する。
【0042】
受付部31は、ユーザ端末100から検索クエリを受け付ける。検索クエリには、商品に関するテキストや、商品のカテゴリ指定、商品情報の範囲を指定する情報等が含まれる。
【0043】
また、受付部31は、ストア端末200から商品の電子商取引サービスへの登録を受け付ける。例えば、受付部31は、商品の登録に関する情報(商品名、製品名、価格、説明文等)である商品情報を受け付ける。
【0044】
生成部32は、受付部31が受け付けた商品の登録に関する情報に基づいて、インデックス情報41を生成(または更新)する。具体的には、生成部32は、登録を受け付けた商品毎に商品IDおよび製品IDを割り振る。
【0045】
例えば、生成部32は、商品情報に製品名が含まれる場合には、かかる製品名に基づいて、該当する製品IDを割り振る。また、生成部32は、製品IDを割り振った後、同じ製品IDを有する商品群の項目の範囲データを商品情報に基づいて更新する。
【0046】
検索部33は、受付部31が受け付けた検索クエリに基づいて検索処理を行う。具体的には、検索部33は、インデックス情報41の中から、検索クエリによって指定された条件に該当する商品を抽出して検索結果として生成する。
【0047】
例えば、検索部33は、検索クエリにより商品情報の範囲の指定があった場合、インデックス情報41の中から検索クエリで指定された範囲を含む範囲データの商品群を抽出し、抽出した商品群の中から検索クエリで指定された範囲に該当する商品を抽出して検索結果とする。
【0048】
具体的には、検索部33は、まず、商品群に割り振られた検索タイプ「0」を含む項目の中から、指定された範囲に該当する商品群を抽出する。つづいて、検索部33は、抽出した商品群に対応する検索タイプ「1」の商品の中から、指定された範囲に該当する商品を抽出し検索結果とする。
【0049】
つまり、検索部33は、インデックス情報41の中から、検索クエリが指定するタイプに合致し記商品および商品群の中で検索を行う。すなわち、検索部33は、商品情報の範囲を指定する検索クエリである場合、インデックス情報41の中から段階的に検索結果となる商品を抽出する検索処理を行う。
【0050】
また、検索部33は、商品情報の範囲を指定しない検索クエリである場合、インデックス情報41の中から、検索クエリに合致する商品を抽出して検索結果とする。具体的には、検索部33は、検索タイプ「1」が割り振られた商品の中から、検索クエリに合致する商品を抽出し検索結果とする。
【0051】
つまり、検索部33は、商品情報の範囲を指定しない検索クエリである場合、上記した段階的な検索処理ではなく、商品の中から直接検索結果となる商品を抽出する。
【0052】
出力部34は、検索部33の検索結果に基づいたコンテンツを生成してユーザ端末100へ出力する。例えば、出力部34は、検索部33が検索結果として抽出した商品の一覧表示を示す表示情報をユーザ端末100へ出力する。
【0053】
また、出力部34は、例えば、商品の評価に関する評価スコアを商品毎に算出し、評価スコアに基づいて生成したランキング情報をユーザ端末100へ出力してもよい。なお、評価スコアは、例えば、商品の販売実績や、評価レビュー等に基づいて算出可能である。
【0054】
次に、
図5を用いて、実施形態に係る検索装置1が実行する検索処理の処理手順について説明する。
図5は、実施形態に係る検索装置1が実行する検索処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
図5に示すように、制御部3は、ユーザ端末100において入力された検索クエリを受け付ける(ステップS101)。
【0056】
つづいて、制御部3は、受け付けた検索クエリにおいて商品の範囲の指定があるか否かを判定する(ステップS102)。
【0057】
制御部3は、検索クエリにおいて商品の範囲の指定がある場合(ステップS102:Yes)、インデックス情報41の中から、検索クエリにより指定された範囲を含む範囲データの商品群および商品を抽出する(ステップS103)。
【0058】
つづいて、制御部3は、抽出した商品群および商品の中から指定された範囲に該当する商品を検索結果として抽出する(ステップS104)。
【0059】
つづいて、制御部3は、検索結果に基づいたコンテンツをユーザ端末100へ出力し(ステップS105)、処理を終了する。
【0060】
一方、制御部3は、検索クエリにおいて商品の範囲の指定が無い場合(ステップS102:No)、インデックス情報41の中から、検索クエリに合致する商品を抽出し(ステップS106)、ステップS105へ移行する。
【0061】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0062】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0063】
例えば、
図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0064】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る検索装置1は、例えば
図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0065】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0066】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0067】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0068】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0069】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0070】
例えば、コンピュータ1000が検索装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0071】
上述してきたように、実施形態に係る検索装置1は、記憶部4と、検索部33とを備える。記憶部4は、商品のインデックス情報41であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の範囲を示す範囲データが含まれるインデックス情報41を記憶する。検索部33は、インデックス情報41の中から検索クエリで指定された範囲を含む範囲データの商品群を抽出し、抽出した商品群の中から検索クエリで指定された範囲に該当する商品を抽出して検索結果とする。このような構成により、検索処理を効率良く行うことができる。
【0072】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0073】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0074】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0075】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0076】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0077】
1 検索装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 受付部
32 生成部
33 検索部
34 出力部
41 インデックス情報
100 ユーザ端末
200 ストア端末
S 検索システム
【手続補正書】
【提出日】2022-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の最高値および最低値を示す範囲の範囲データが含まれるインデックス情報を記憶する記憶部と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索部と、
を備え、
前記検索部は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群を抽出し、抽出した前記商品群の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
検索装置。
【請求項2】
前記インデックス情報は、
前記商品群に分類されない前記商品に関し、該商品の前記商品情報を前記範囲データとして含み、
前記検索部は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群および前記商品を抽出し、抽出した前記商品群および前記商品の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記インデックス情報は、
前記商品および前記商品群それぞれに検索のタイプに関するタイプ情報が紐付られ、
前記検索部は、
前記インデックス情報の中から、前記検索クエリが指定する前記タイプに合致した前記商品および前記商品群の中で前記検索を行う
請求項1または2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記検索部は、
前記範囲を指定しない前記検索クエリである場合、前記インデックス情報の中から、前記検索クエリに合致する前記商品を抽出して検索結果とする
請求項1~3のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項5】
前記所定の条件を満たす商品群は、
同じ製品の商品群である
請求項1~4のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項6】
前記所定の条件を満たす商品群は、
同じストアの商品群である
請求項1~5のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項7】
前記範囲データは、
前記商品に関わる料金の範囲である
請求項1~6のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項8】
前記商品に関わる料金は、
前記商品の販売価格である
請求項7に記載の検索装置。
【請求項9】
前記商品に関わる料金は、
前記商品の送料である
請求項7または8に記載の検索装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する検索方法であって、
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の最高値および最低値を示す範囲の範囲データが含まれるインデックス情報を記憶部に記憶する記憶工程と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索工程と、
を含み、
前記検索工程は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群を抽出し、抽出した前記商品群の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
検索方法。
【請求項11】
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の最高値および最低値を示す範囲の範囲データが含まれるインデックス情報を記憶部に記憶する記憶手順と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記検索手順は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群を抽出し、抽出した前記商品群の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
検索プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の最高値および最低値を示す範囲の範囲データが紐づいた第1データ行と、各商品の前記商品情報が紐づいた第2データ行とが含まれるインデックス情報を記憶する記憶部と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索部と、
を備え、
前記検索部は、
前記インデックス情報における前記第1データ行の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群に対応した前記第1データ行を抽出し、抽出した前記第1データ行に対応する前記商品群に対応した前記第2データ行の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品の前記第2データ行を抽出して検索結果とする
検索装置。
【請求項2】
前記インデックス情報は、
前記商品群に分類されない前記商品に関し、該商品の前記商品情報を前記範囲データとして含み、
前記検索部は、
前記インデックス情報の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群および前記商品を抽出し、抽出した前記商品群および前記商品の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品を抽出して検索結果とする
請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記インデックス情報は、
前記商品および前記商品群それぞれに検索のタイプに関するタイプ情報が紐付られ、
前記検索部は、
前記インデックス情報の中から、前記検索クエリが指定する前記タイプに合致した前記商品および前記商品群の中で前記検索を行う
請求項1または2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記検索部は、
前記範囲を指定しない前記検索クエリである場合、前記インデックス情報の中から、前記検索クエリに合致する前記商品を抽出して検索結果とする
請求項1~3のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項5】
前記所定の条件を満たす商品群は、
同じ製品の商品群である
請求項1~4のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項6】
前記所定の条件を満たす商品群は、
同じストアの商品群である
請求項1~5のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項7】
前記範囲データは、
前記商品に関わる料金の範囲である
請求項1~6のいずれか1つに記載の検索装置。
【請求項8】
前記商品に関わる料金は、
前記商品の販売価格である
請求項7に記載の検索装置。
【請求項9】
前記商品に関わる料金は、
前記商品の送料である
請求項7または8に記載の検索装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する検索方法であって、
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の最高値および最低値を示す範囲の範囲データが紐づいた第1データ行と、各商品の前記商品情報が紐づいた第2データ行とが含まれるインデックス情報を記憶部に記憶する記憶工程と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索工程と、
を含み、
前記検索工程は、
前記インデックス情報における前記第1データ行の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群に対応した前記第1データ行を抽出し、抽出した前記第1データ行に対応する前記商品群に対応した前記第2データ行の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品の前記第2データ行を抽出して検索結果とする
検索方法。
【請求項11】
商品のインデックス情報であって、所定の条件を満たす商品群における商品情報の最高値および最低値を示す範囲の範囲データが紐づいた第1データ行と、各商品の前記商品情報が紐づいた第2データ行とが含まれるインデックス情報を記憶部に記憶する記憶手順と、
前記インデックス情報に基づいて、前記範囲を指定する検索クエリにより前記商品の検索を行う検索手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記検索手順は、
前記インデックス情報における前記第1データ行の中から前記検索クエリで指定された範囲を含む前記範囲データの前記商品群に対応した前記第1データ行を抽出し、抽出した前記第1データ行に対応する前記商品群に対応した前記第2データ行の中から前記検索クエリで指定された範囲に該当する前記商品の前記第2データ行を抽出して検索結果とする
検索プログラム。