(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113293
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20230808BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230808BHJP
【FI】
G06Q40/02 300
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015544
(22)【出願日】2022-02-03
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3(2021)年2月15日付けで、株式会社リクルートがウェブサイトにて、高木塁及び冨田一清が発明した情報処理装置に関する製品について公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 塁
(72)【発明者】
【氏名】冨田 一清
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】簡易な方法で適切で迅速な資金提供を実現する。
【解決手段】顧客に紐づく各々の店舗について、資金として提供可能な必要金額の選択肢を提示する資金提供プラン提示部と、各々の店舗の中から、資金提供を希望する店舗の選択を受け付ける店舗選択受付部と、選択された店舗について、希望する必要金額の選択と、資金提供の申し込みを受け付ける資金提供申込受付部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に紐づく各々の店舗について、資金として提供可能な必要金額の選択肢を提示する資金提供プラン提示部と、
前記各々の店舗の中から、資金提供を希望する店舗の選択を受け付ける店舗選択受付部と、
選択された店舗について、希望する前記必要金額の選択と、資金提供の申し込みを受け付ける資金提供申込受付部と、を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記資金提供プラン提示部は、
当該店舗に紐づく口座情報を表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記資金提供申込受付部は、
手数料を含む引落総額を提示する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記資金提供の申し込みが受け付けられた後、受け付けから引き落とし完了までの進捗状況を表示する進捗情報表示部を備えた、請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記進捗情報表示部は、
引落総額から引き落とし済の累計引落金額を引いた残りの引落金額を表示する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
資金の入金の履歴と、引き落としの履歴の少なくとも一方を表示する履歴表示部を備えた、請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記資金提供申込受付部は、
提供した資金の引き落としが完了していない場合には、新規の資金提供の申し込みを受け付けないように制御する、請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが、
顧客に紐づく各々の店舗について、資金として提供可能な必要金額の選択肢を提示する工程と、
前記各々の店舗の中から、資金提供を希望する店舗の選択を受け付ける工程と、
選択された店舗について、希望する前記必要金額の選択と、資金提供の申し込みを受け付ける工程と、を含む情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
顧客に紐づく各々の店舗について、資金として提供可能な必要金額の選択肢を提示する資金提供プラン提示部と、
前記各々の店舗の中から、資金提供を希望する店舗の選択を受け付ける店舗選択受付部と、
選択された店舗について、希望する前記必要金額の選択と、資金提供の申し込みを受け付ける資金提供申込受付部として、機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード会社等においては、顧客から利用額を回収できないというリスクを避けるために利用限度額を設けているが、利用限度額を低く設定しすぎると、自社の収益も上がらなくなってしまう。
【0003】
例えば、特許文献1には、顧客の所定期間の利用額に基づいて、期待収益が最大となるように利用限度額を決定する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法では、顧客の過去の利用額から利用確率分布を求め、得られた利用確率分布を用いて期待収益を算出しており、ある程度の過去データの蓄積と複雑な計算処理が必要であった。このため、小売店などに迅速に資金提供を行う場合などには適用が難しい方法であった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、簡易な方法で適切で迅速な資金提供を実現することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、顧客に紐づく各々の店舗について、資金として提供可能な必要金額の選択肢を提示する資金提供プラン提示部と、前記各々の店舗の中から、資金提供を希望する店舗の選択を受け付ける店舗選択受付部と、選択された店舗について、希望する前記必要金額の選択と、資金提供の申し込みを受け付ける資金提供申込受付部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な方法で適切で迅速な資金提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る資金提供システム1の概略構成を示す図。
【
図2】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における資金提供管理サーバ10の機能構成を示す図。
【
図3】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における顧客に資金を提供する処理の一例を示すフローチャート。
【
図4】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における店舗選択画面を例示する図。
【
図5】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における資金提供プラン表示画面を例示する図。
【
図6】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における必要金額の選択肢の例を示す図。
【
図7】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における申込内容確認画面を例示する図。
【
図8】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における進捗状況確認画面を例示する図。
【
図9】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における進捗状況確認画面を例示する図。
【
図10】本発明の実施形態に係る資金提供システム1における入金・引落履歴表示画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る資金提供システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、資金提供システム1は、資金提供管理サーバ(情報処理装置)10と、顧客端末20と、決済代行サービス管理サーバ30を含んでいる。資金提供管理サーバ10と、顧客端末20および決済代行サービス管理サーバ30は、通信ネットワークNを介して接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。また、顧客端末20は複数含まれていてもよい。
【0012】
資金提供管理サーバ10は、顧客への資金提供サービスを管理するサーバである。資金提供サービスは、顧客の過去の売上等に基づいて、顧客が必要とする資金を早期に提供し、売上から提供した金額を引き落とすことによって回収するサービスである。提供管理サーバ10は、汎用的なコンピュータであり、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。資金提供管理サーバ10は、制御装置11と、記憶装置12を備えている。制御装置11は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。
【0013】
図2は、制御装置11のCPUがROM等に格納されたプログラムを実行することによって実現される機能モジュールを示すブロック図である。
図2に示すように、機能モジュールには、資金提供プラン提示部111、店舗選択受付部112、資金提供申込受付部113、進捗情報表示部114、履歴表示部115が含まれる。
【0014】
記憶装置12には、顧客情報データベース121が実装されている。顧客情報データベース121には、顧客アカウント(ID、パスコード)に紐づけて、1以上の店舗の情報(店舗名、所在地等)と、各々の店舗に紐づく口座情報(資金提供をする際の振込先の口座番号等)が登録されている。また、各店舗に紐づく最大資金提供額、決済代行サービス管理サーバ30から取得した決済情報等が記憶されている。最大資金提供額は、顧客に紐づく店舗毎にあらかじめ設定された資金提供の限度額であり、回収可能性を考慮して算出した金額である。例えば、過去12か月における平均月次決済高に基づいて決めることができる。さらに、顧客情報データベース121には、各店舗に対して提供している資金提供サービスの情報が記録されている。具体的には、店舗毎に、提供している資金の額(必要金額)、必要金額にサービス利用料を加算した引落総額、申し込み時に設定された引落率、現在の累積の引落額等の情報が記録されている。
【0015】
顧客端末20は、顧客が、資金提供サービスを利用するための端末である。ユーザ20は、タブレット端末、スマートフォン、ノートPC(パーソナルコンピュータ)、PCなど、通信ネットワークNを介して資金提供管理サーバ10と通信が可能な端末である。顧客は、顧客端末20を操作して資金提供サービスのサイトにアクセス、または専用アプリを起動し、顧客アカウントを用いてログインすることにより、資金提供サービスを利用することができる。顧客アカウントは、決済代行サービス管理サーバ30を利用するためのアカウントと共通のものにしてもよい。これにより、決済代行サービス管理サーバ30が管理する情報との連携が容易になる。例えば、顧客に紐づく店舗の情報や、店舗毎の決済情報を決済代行サービス管理サーバ30から取得することができる。
【0016】
決済代行サービス管理サーバ30は、顧客に紐づく各店舗での事業における決済代行サービスを行うサーバである。具体的には、各店舗において買い物や飲食を行った利用者がクレジットカード、電子マネー、QRコード(登録商標)等で代金を支払う際、専用のカードリーダーを介して決済処理を行い、利用者から回収した売上金額を、一定期間(例えば毎月)毎に、顧客の口座へ振り込むサービスを提供する。
【0017】
次に、本実施形態に係る資金提供システム1による、顧客Aに紐づく飲食店Bへの資金提供の流れについて、
図3のフローチャートと画面図を用いて説明する。
【0018】
まず、顧客Aが顧客端末20を操作してログインを行い、メニュー画面から早期資金提供の項目を選択すると、
図4に示すような店舗選択画面が表示される(ステップS101)。資金提供管理サーバ10の資金提供プラン提示部111は、店舗選択画面に、顧客情報データベース121から取得した顧客Aに紐づく店舗(ここでは飲食店B)の情報を表示する。
【0019】
図4に示すように、店舗選択画面には、店舗名P1、当該店舗に対する最大資金提供額P2、当該店舗に紐づく口座情報P3等が表示される。また、当該店舗への資金提供を選択する場合に操作する店舗選択ボタンB1が表示される。なお、顧客Aに複数の店舗が紐づいて登録されている場合には、スクロールやスライドなどの操作によって各店舗の情報を表示させることができる。
【0020】
顧客Aが店舗選択ボタンB1を操作して飲食店Bを選択すると、店舗選択受付部112によって店舗選択が受け付けられ(ステップS102)、
図5に示すような資金提供プラン表示画面が表示される(ステップS103)。資金提供プラン表示画面には、資金提供プラン提示部111によって、飲食店Bに対する資金提供プランの内容が表示される。
【0021】
図5に示すように、資金提供プラン表示画面には、必要金額の選択肢を示す表示部(スライダ等)P4、引落率/引落完了期間の目安の選択肢を示す表示部(スライダ等)P5、条件を決定するための決定ボタンB2が表示される。
【0022】
必要金額の選択肢は、例えば、店舗毎に設定される資金提供プランにおいて選択可能な金額を昇順で並べたものである。顧客Aは、スライダを移動させることによって、必要金額を選択することができる。選択中の金額が、画面上部に必要金額P6として表示される。スライダで選択されている金額は色を変えて表示したり、単位(万円)を表示したりするようにしてもよい。
【0023】
図6は、必要金額の選択肢の例を示す図である。図中(a)~(f)は、それぞれ選択可能な資金提供額が1~6個の選択肢が示されている。必要金額は、例えば、各店舗について、決済代行サービス管理サーバ30から顧客Aの指定口座へ振り込まれる月毎の平均振込額(各店舗の月毎の、決済代行サービスを利用した決済における売上の平均)の実績に基づいて算出することができる。平均振込額が最大資金提供額を超える場合には、選択可能な必要金額が最大資金提供額を超えないようにする。
【0024】
引落率/引落完了期間の選択肢は、例えば、店舗毎に設定されている資金提供プランにおいて選択可能な引落率(例えば、決済代行サービス管理サーバ30から各店舗の指定口座へ振り込まれる振込額の何%を返すか)と、引落期間の目安(例えば、何か月で引落を完了する見込みか)を並べたものである。スライダを移動させることによって、引落率/引落完了期間を選択することができる。選択中の引落率に応じて、
図5に示すように、画面上部の引落額の目安P8が表示され、選択中の引落完了期間に応じて、引落完了月の目安P7が表示される。
【0025】
引落額は、例えば、決済代行サービス管理サーバ30から顧客Aへの振込額に、選択された引落率を乗算することにより算出することができる。
図5の例では、振込額(平均)に占める引落額の割合が容易に分かるようにグラフで表示されている。また、引落完了月の目安は、例えば、現在日付に下記の計算式によって算出された引落日数を加算することにより算出することができる。
引落日数=(必要金額+サービス利用料)/(平均振込額×引落率)
【0026】
顧客Aが決定ボタンB2を押下すると、選択中の必要金額と引落率/引落完了期間の内容で、資金提供の条件が確定する(ステップS104)。
【0027】
次に、資金提供申込受付部113によって、
図7に示すような、申込内容確認画面が表示される(ステップS105)。申込内容確認画面には、選択したプランに基づく、サービス料を含む引落総額P9や、振込先の口座情報P10等が表示される。また、顧客Aが同意ボタンB3を操作すると、資金提供申込受付部113によって申し込みが受け付けられ、資金提供の申し込みが完了する(ステップS106)。申し込みが受け付けられると、審査等を経たのち、指定した口座に必要金額が入金される(ステップS107)。入金後は、決済代行サービス管理サーバ30から店舗Bの口座への振込額に応じて、所定期間毎(例えば、毎月)に、選択した引落率に応じた金額が引き落とされる(ステップS108)。したがって、決済代行サービスを利用した決済における売上が多い月は返済額も多くなり、決済代行サービスを利用した決済における売上が少ない月は返済額も少なくなる。
【0028】
申し込みが完了すると、顧客Aは、
図8に示すような進捗状況確認画面にて、進捗情報表示部114によって表示される申込み受け付けから入金までの進捗状況を確認することができる。
図8に示すように、進捗状況確認画面には、申し込みが完了した金額にサービス料を加算した引落総額P11や、引落率P12、振込先の口座情報P13、現在のステータスを表す表示部(バー等)P14などが表示される。
【0029】
さらに、振込先口座へ資金が入金されると、進捗状況確認画面には、
図9に示すように、引落総額から、現在の累積引落額を引いた残りの引落金額P15、残り引落回数P16等が表示される。また、
図10に示すような入金・引落履歴表示画面にて、履歴表示部115によって表示される資金の入金と、引落の履歴を確認することができる。なお、残りの引落金額がある場合には、資金提供申込受付部113は、新たな資金提供の申し込みを受け付けないようにしてもよい。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、決済代行システムから顧客への実際の振込額に基づいて、店舗毎の必要金額(資金提供額)を設定し、顧客が希望する店舗への資金提供を顧客端末20から申し込めるようにした。これにより、簡易な方法で適切で迅速な資金提供を実現することができる。
【0031】
また、顧客端末20に、選択された店舗の口座情報や、選択された必要金額に基づく引落総額を表示するようにしたので、顧客は、申し込みの際に必要な事項を確認することができる。
【0032】
申し込み受け付け後は、入金から引き落とし完了までの進捗状況や、残りの引落金額を顧客端末20で確認できるようにしたので、顧客は、次回の資金提供の申し込み時期等の参考にすることができる。
【0033】
また、顧客端末20で、資金提供(入金)や、引き落としの履歴を確認できるようにしたので、顧客は、各店舗における入金と引き落としの状況を簡単に確認することができる。
【0034】
また、提供した資金の引き落としが完了していない顧客については、引き落としが完了するまで新規の資金提供の申し込みを受け付けないようにしたので、顧客から資金を回収できないというリスクを避けることができる。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0036】
1…資金提供システム
10…資金提供管理サーバ
11…制御装置
12…記憶装置
20…顧客端末
30…決済代行サービス管理サーバ
111…資金提供プラン提示部
112…店舗選択受付部
113…資金提供申込受付部
114…進捗情報表示部
115…履歴表示部
121…顧客情報データベース
N…通信ネットワーク