(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113299
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20230808BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015557
(22)【出願日】2022-02-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-02
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】520460339
【氏名又は名称】株式会社BELLOWL
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】松田 萌々子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザが食品に特化した評価を入力する情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置と、ユーザ端末とを備え、これらがネットワークを通じて通信可能な情報処理システムにおいて、情報処理装置の制御部による情報処理は、ユーザから調理又は加工された状態で提供される食品に関する複数の項目に対する評価の入力を受け付けることと、ユーザから入力された評価が可視化された画像を表示させることと、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、調理又は加工された状態で提供される食品に関する複数の項目に対する評価の入力を、ユーザから受け付け、
第1の表示ステップでは、前記評価が可視化された画像を表示させる、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記複数の項目とは、前記食品の味若しくは食感、又は前記食品における各食材の量、質、若しくは比率を含む項目である、もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、第2の表示ステップでは、前記画像において、可視化された参考評価を表示させ、ここで
前記参考評価は、前記ユーザが前記評価を入力する際に参照可能な態様で表示される、もの。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記参考評価とは、前記ユーザ以外による評価、又は複数の前記評価から統計的に算出された1の評価である、もの。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
さらに、提示ステップでは、前記ユーザによって過去に入力された評価を含むユーザ情報と、前記参考評価を含む参照情報とに基づいて、前記ユーザに推奨する食品に関する推奨情報を提示する、もの。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記推奨情報は、前記過去に入力された評価と類似又は合致する評価を有する食品に関する情報である、もの。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理システムにおいて、
前記推奨情報は、一部の項目について前記過去に入力された評価と異なる評価を有し、かつ、その他の項目については、前記過去に入力された評価と合致する評価を有する食品に関する情報である、もの。
【請求項8】
請求項5~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記ユーザ情報は、前記ユーザによって前記食品の中から選択された、前記ユーザの好む食品に関するお気に入り情報を含み、
前記提示ステップでは、前記お気に入り情報に基づいて、前記ユーザに推奨する食品に関する推奨情報を提示する、もの。
【請求項9】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを備える、もの。
【請求項10】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲食店で提供される料理を含む食品を購入したユーザが、その食品又は食品を購入した店舗の評価を投稿可能なWEBサイトが知られている。例えば、特許文献1には、ユーザが実際に店舗に来店したか否かを判定し、来店していないユーザからの評価がWEBサイトに投稿されることを防止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、顧客によっては、店舗のサービス等を含む総合的な質ではなく、食品に特化した質が重要視される場合があり得る。
【0005】
本発明では上記事情を鑑みて、ユーザが食品に特化した評価を入力することが可能な技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。受付ステップでは、調理又は加工された状態で提供される食品に関する複数の項目に対する評価の入力を、ユーザから受け付ける。第1の表示ステップでは、評価が可視化された画像を表示させる。
【0007】
本開示によれば、ユーザが食品に特化した評価を入力することが可能な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置2の機能を示す機能ブロック図である。
【
図5】情報処理装置2による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図6】情報処理装置2による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図7】ユーザに視認される表示部34の態様の一例を示した画面例である。
【
図8】ユーザに視認される表示部34の態様の一例を示した画面例である。
【
図9】ユーザに視認される表示部34の態様の一例を示した画面例である。
【
図10】ユーザに推奨する料理を提示する態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成について説明する。
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【0014】
1.1.情報処理システム1
情報処理システム1は、情報処理装置2と、ユーザ端末3とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成される。一実施形態において、情報処理システム1とは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。仮に例えば、情報処理装置2のみからなる場合であれば、情報処理システム1は情報処理装置2となりうる。以下、これらの各構成要素についてさらに説明する。
【0015】
1.2.情報処理装置2
図2は、情報処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備え、これらの構成要素が情報処理装置2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。
【0016】
通信部21は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0017】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される情報処理装置2に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0018】
制御部23は、情報処理装置2に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置2に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部(
図4参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0019】
1.3.ユーザ端末3
ユーザ端末3は、食品に関する評価の入力を望むユーザが操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置2にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0020】
図3は、ユーザ端末3のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、入力部35とを備え、これらの構成要素がユーザ端末3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。通信部31、記憶部32及び制御部33の説明は、情報処理装置2における各部の説明と同様のため省略する。
【0021】
表示部34は、ユーザ端末3筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部34は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末3の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。以下では、表示部34は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものとして説明する。
【0022】
入力部35は、ユーザ端末3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部35は、表示部34と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部35がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス30を介して制御部33に転送され、制御部33が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0023】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。
図4は、情報処理装置2の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、記憶部22に記憶されたソフトウェアによる情報処理がハードウェア(具体的には、制御部23)によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0024】
具体的には、制御部23は、各機能部として、受付部231と、表示制御部232と、提示部233と、画像生成部234と、記憶制御部235とを備える。なお、受付部231及び表示制御部232以外は、必須ではない。
【0025】
受付部231は、受付ステップを実行可能に構成される。具体的には、受付部231は、通信部21又は記憶部22を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、受付部231は、ユーザ端末3からネットワーク及び通信部21を介して種々の情報を受け付けるように構成される。
【0026】
表示制御部232は、第1の表示ステップ及び第2の表示ステップを実行可能に構成される。具体的には、表示制御部232は、記憶部22に記憶された種々の情報若しくはこれらを含む画面、又は後述する画像生成部234が生成した画像等を、ユーザ端末3で視認可能な態様で表示させる。例えば、表示制御部232は、画面、静止画又は動画を含む画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報を、ユーザ端末3の表示部34に表示させるように制御する。表示制御部232は、視覚情報をユーザ端末3に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。
【0027】
提示部233は、提示ステップを実行可能に構成される。具体的には、提示部233は、受付部231が受け付けた情報に基づいて、種々の情報をユーザに提示する。
【0028】
画像生成部234は、画像生成ステップを実行可能に構成される。具体的には、画像生成部234は、受付部231が受け付けた情報に基づいて、種々の画像を生成する。例えば、画像生成部234は、情報処理装置2において生成した画像をユーザ端末3に送信してもよく、ユーザ端末3に対して画像を生成する命令を送信し、ユーザ端末3において画像を生成してもよい。
【0029】
記憶制御部235は、記憶制御ステップを実行可能に構成される。具体的には、記憶制御部235は、受付部231が受け付けた種々の情報を、記憶部22に記憶させる。例えば、記憶制御部235は、ユーザ端末3の入力部35を介して入力された情報を、記憶部22に記憶させる。
【0030】
3.情報処理の詳細
第3節では、アクティビティ図を参照しながら、情報処理装置2により実行される情報処理方法について説明する。下記に示す通り、情報処理方法は、次の各ステップを備える。なお、処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、その全ての処理を実行しなくてもよい。
【0031】
3.1.料理に対する評価の記録
図5は、情報処理装置2による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。ここでは、一例として、飲食店の顧客であるユーザが、提供された料理に対する評価を記録する場面について説明を行う。
【0032】
以下において評価とは、1以上の項目に対する個々の評価結果を含むものとする。したがって、複数の評価結果の集合のことを、単に評価と称する場合がある。個々の項目は、言葉、数値等を用いて評価されてもよく、複数の選択肢の中から1以上の分類、度合い、段階等を示す選択肢が選ばれることによって評価されてもよい。また、以下において食品とは、原材料である食材(例えば、肉、魚介、野菜、穀物等)がなんらかの調理又は加工をされたものを指し、その種類については特に制限されない。食品とは、特に、飲食店又は食品メーカーにおいて調理又は加工された料理、菓子、加工食品、冷凍食品等であってよい。
【0033】
まず、表示制御部232は、ユーザによる入力部35を介した入力に基づいて、表示部34に記録画面4を表示させる(アクティビティA001)。記録画面4については、後に詳述する。
【0034】
次に、受付部231は、入力部35を介して、ユーザから飲食店の店舗名及び料理名の入力を受け付ける(アクティビティA002)。
【0035】
次に、受付部231は、入力された店舗名及び料理名に対応する参考評価を記憶部22から読み出し、受け付ける(アクティビティA003)。具体的には、参考評価とは、ユーザ以外による評価、又は複数の評価から統計的に算出された1の評価である。ユーザ以外による評価とは、例えば、ユーザ以外のユーザによってされた評価、情報処理システム1の運営者(以下、単に運営者と称す)によってされた評価等である。また、複数の評価から統計的に算出された1の評価とは、例えば、ユーザ以外のユーザによってされた評価の平均を示すものであってよい。本実施形態では、参考評価が、運営者によって入力された、特定の料理に対する評価であるものとして説明を行う。
【0036】
次に、画像生成部234は、受付部231が受け付けた、運営者による評価を可視化した画像IM1を生成する(アクティビティA004)。具体的には、画像IM1とは、運営者によって入力された評価が可視化されたチャートである。
【0037】
次に、表示制御部232は、画像生成部234によって生成されたチャートを、表示部34に表示させる(アクティビティA005)。換言すると、表示制御部232は、第2の表示ステップとして、画像IM1において、可視化された参考評価を表示させる。ここで、参考評価の一例である運営者による評価は、次のアクティビティA006においてユーザが評価を入力する際に参照可能な態様で表示される。
【0038】
次に、受付部231は、受付ステップとして、飲食店から提供された料理に関する複数の項目に対する評価の入力を、ユーザから受け付ける(アクティビティA006)。複数の項目については、後に詳述する。換言すると、受付部231は、調理又は加工された状態で提供される食品に関する複数の項目に対する評価の入力を、ユーザから受け付ける。
【0039】
次に、画像生成部234は、受付部231が受け付けたユーザによる評価に基づいて、この評価をさらに可視化した画像IM1を生成する(アクティビティA007)。具体的には、画像生成部234は、運営者による評価の上に、ユーザによる評価が重ねて示される態様のチャートを生成する。
【0040】
次に、表示制御部232は、画像生成部234によって生成されたチャートを、表示部34に表示させる(アクティビティA008)。換言すると、表示制御部232は、第1の表示ステップとして、評価が可視化された画像IM1を表示させる。
【0041】
次に、受付部231は、入力部35を介して、料理に対するお気に入り登録の入力を、ユーザから受け付ける(アクティビティA009)。お気に入り登録は、ユーザが好む料理に対して入力可能な態様であってよい。
【0042】
次に、受付部231は、入力部35を介して、記録が完了したことを示す入力をユーザから受け付ける(アクティビティA010)。
【0043】
次に、記憶制御部235は、アクティビティA010で受け付けた入力に基づいて、ユーザによって入力された評価を含む情報を、記憶部22に記憶する(アクティビティA011)。
【0044】
以上により、料理に特化した評価の記録が可能となる。これにより、ユーザが多角的な観点から食品を評価することができ、食事体験がより楽しくなる。
【0045】
また、参考評価を参照可能な態様で可視化することによって、ユーザがより容易に評価を決定可能な態様となる。そして、ユーザ以外による評価を参考評価として可視化することで、ユーザは自分の評価と他人の評価を比較でき、ユーザが自身の評価基準をより客観的に認識可能な態様となる。さらに、料理に詳しい運営者等の評価と、ユーザ自身の評価を比較可能な態様とすることで、初心者のユーザであっても、より容易に評価の精度を高めることが可能な態様となる。
【0046】
3.2.推奨情報IF3の提示
図6は、情報処理装置2による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。ここでは、一例として、ユーザがお気に入り登録した料理から、お勧めの料理に関する推奨情報IF3が提示される場面について説明する。
【0047】
まず、表示制御部232は、ユーザからの入力部35を介した入力に基づいて、表示部34に分析画面5を表示させる(アクティビティA101)。分析画面5については、後に詳述する。
【0048】
次に、受付部231は、記憶部22からユーザ情報IF1及び参照情報IF2を読み出して、受け付ける(アクティビティA102)。
【0049】
ユーザ情報IF1とは、ユーザによって過去に入力された評価を含む情報である。ユーザ情報IF1とは、例えば、ユーザを識別するためのユーザIDと、ユーザによって過去に記録された評価とが、関連付けて管理される情報である。さらに、過去に記録された評価は、例えば、店舗名及び料理名、記録日時等によって、それぞれが識別可能に管理される。好ましくは、ユーザ情報IF1は、お気に入り情報IF4を含む。お気に入り情報IF4とは、ユーザによって複数の料理の中から選択された、ユーザの好む料理に関する情報である。お気に入り情報IF4とは、具体的には例えば、お気に入り登録された料理を、複数の料理の中から識別するための識別子であってよい。
【0050】
参照情報IF2とは、参考評価を含む情報である。参照情報IF2とは、具体的には例えば、特定の料理と、その参考評価が関連付けられた情報である。好ましくは、特定の料理と、その料理に対する運営者の評価が関連付けられた情報である。参照情報IF2は、例えば、ルックアップテーブル、データベース、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデル、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデル等であってよい。
【0051】
次に、画像生成部234は、ユーザ情報IF1に基づいて、ユーザによってお気に入り登録された料理の評価の特徴を示す画像IM2を生成する(アクティビティA103)。例えば、画像生成部234は、ユーザによってお気に入り登録された料理に関する個々の項目に対しての評価結果を、それぞれ平均して得られた評価を示すお気に入りチャートを生成する。
【0052】
次に、提示部233は、ユーザ情報IF1と、参照情報IF2とを突合させる(アクティビティA104)。
【0053】
続いて、提示部233は、突合させた結果に基づいて、ユーザに推奨する料理を提示する(アクティビティA105)。アクティビティA104及びアクティビティA105の処理を換言すると、提示部233は、提示ステップとして、ユーザ情報IF1と、参照情報IF2とに基づいて、ユーザに推奨する料理に関する推奨情報IF3を提示する。好ましくは、提示部233は、提示ステップとして、お気に入り情報IF4に基づいて、ユーザに推奨する料理に関する推奨情報IF3を提示する。
【0054】
次に、表示制御部232は、画像生成部234によって生成された画像IM2の一例であるお気に入りチャートを、表示部34に表示させる(アクティビティA106)。また、表示制御部232は、提示部233によって提示された料理に関する推奨情報IF3を、表示部34に表示させる(アクティビティA107)。アクティビティA106及びアクティビティA107の処理は、並行して実行される。
【0055】
以上により、ユーザが過去に入力した評価に基づいてお勧めの料理を推奨することができ、ユーザに新たな料理を食べる動機付けを与えることができる。さらに、ユーザがお気に入り登録した料理に基づいてお勧めの料理を推奨することができ、推奨された料理に対してユーザが興味を持つ可能性がより高くなる。
【0056】
3.3.情報処理の詳細
続いて、前述した情報処理の詳細について説明する。
【0057】
(記録画面4)
図7及び
図8は、ユーザに視認される表示部34の態様の一例を示した画面例である。実施形態の一例として、餃子に対する評価を記録するための記録画面4について、図を用いて説明する。
図7の例では、アクティビティA005において、運営者による評価を示すチャートが表示された状態を示している。
【0058】
受付部231は、入力部35によって、店名入力ボックス401、日付入力ボックス402及び料理名入力ボックス403を介し、食事をした飲食店の名前、食事をした日の日付、及び料理名の入力をそれぞれ受け付ける。
図7の例では、ユーザが「A餃子店」の「牛肉焼餃子」に対して、評価を記録している場面が示されている。
【0059】
料理に関する複数の項目とは、例えば、料理の味若しくは食感、又は料理における各食材の量、質、若しくは比率を含む項目であってよい。複数の項目は、具体的には例えば、餃子の食感に関する項目(例えば、もちもち度、パリパリ度といったオノマトペで表現される食感の度合い、肉汁の量を表すジューシー度等)、餃子に使用される各食材の量、質、比率等に関する項目(例えば、餃子の具の量、ニンニクやネギといった薬味の量、餃子の餡のまとまり度合い、餡における肉と野菜の比率等)、又は餃子の味付けに関する項目(例えば、味付けの濃さ、辛さの度合い等)であってよい。
【0060】
受付部231は、例えば、評価値入力ボックス408を介して、評価項目407に対する個々の評価の入力を受け付ける。評価値とは、例えば、段階評価における段階を表す数値であってよい。
図7の例では、餃子の食感に対する項目は、5段階評価として入力される。
【0061】
図7の例において、画像IM1は、チャート表示エリア406と参考評価チャート409とを含む。参考評価チャート409とは、記憶部22から読み出された「A餃子店」の「牛肉焼餃子」に対する運営者による評価が可視化されたレーダーチャートである。
【0062】
ユーザは、参考評価チャート409を参考にしながら、自身の評価を入力することができる。
図8の例では、アクティビティA008において、ユーザによる評価を示すチャートが表示された記録画面4を示している。
図8において、画像IM1は、さらにユーザ評価チャート411を含む。ユーザ評価チャート411とは、受付部231によって受け付けられたユーザによる評価が可視化されたレーダーチャートである。
【0063】
図8に示すように、ユーザ評価チャート411は、参考評価チャート409に重ねて表示され、かつユーザ評価チャート411の方が参考評価チャート409よりも目立つように表示されることが好ましい。これにより、ユーザが入力した評価を視認しやすくなり、よりユーザフレンドリーである。
【0064】
また、受付部231は、評価項目407について、例えば選択ボタン404を介した選択によって、料理のジャンル、味付けの度合い等の個々の評価を受け付ける。他の例として、例えば、自由記入の感想、メモ、食べた料理の数量、値段等の入力、又は料理の写真、動画等が受け付けられてもよい。
【0065】
また、受付部231は、入力部35を介したお気に入り登録ボタン405の押下によって、お気に入り登録の入力を受け付ける。
図8の例では、お気に入り登録ボタン405が押下され、「A餃子店」の「牛肉焼餃子」がユーザのお気に入りの料理として選択された様子が示されている。
【0066】
最後に、受付部231は、ユーザによる記録ボタン410の押下によって、記録が完了したことを示す入力を受け付け、入力された評価を含む情報が、記憶制御部235によって記憶部22に記憶される。
【0067】
(分析画面5)
図9は、ユーザに視認される表示部34の態様の一例を示した画面例である。
図9の例では、アクティビティA106及びアクティビティA107において表示される分析画面5を示している。
【0068】
分析画面5は、例えば、お気に入り表示エリア501及び推奨情報表示エリア507を含む。お気に入り表示エリア501は、画像IM2を含み、画像IM2は、チャート表示エリア502及びお気に入りチャート503を含む。お気に入りチャート503は、具体的には例えば、お気に入り登録された料理の各評価項目504に対する、個々の評価値505の平均値を算出した結果を可視化したレーダーチャートであってよい。
【0069】
図9に示すように、お気に入り表示エリア501は、料理の特徴を表す複数のタグ506を含んでもよい。タグ506は、例えば、ユーザによって手動で選択されてもよく、お気に入りチャート503に示される評価値505の値に基づいた情報処理によって特定されてもよい。
【0070】
(推奨情報IF3)
推奨情報表示エリア507には、ユーザに推奨する料理に関する推奨情報IF3が表示される。
図9に示すように、推奨情報IF3は、画像、文章又はそれらの組み合わせによって、例えば、料理、その料理を提供する店舗の情報、ユーザへのアドバイス等が示されてよい。入力部35を介して推奨情報表示エリア507が押下されることで、その料理の参考評価が表示される態様であってもよい。
【0071】
図10は、ユーザに推奨する料理を提示する態様を説明するための図である。
図10(a)に示す態様では、お気に入りチャート503における評価と、類似又は合致する参考評価を有する1以上の料理が提示される。このような態様により、ユーザのお気に入りの料理に似た特徴を有し、ユーザがより高い関心を抱く可能性のある料理を推奨することができる。
【0072】
一方で、
図10(b)に示す態様では、前回記録された料理のユーザ評価チャート411における評価と、一部の項目について異なる参考評価を有し、かつ、その他の項目については合致する参考評価を有する料理が特定される。
図10(b)の例では、前回記録された料理のユーザ評価チャート411における評価と、ジューシー度及びもちもち度のみが異なる参考評価を有し、それ以外の項目は合致する参考評価を有する料理が提示されている。味の比較を容易にする観点から、異なる評価を有する項目の数は、2つ以下であることが好ましい。
【0073】
図10(a)では、ユーザがお気に入り登録した料理から、お勧めの料理が提示される態様について説明したが、
図10(b)に示すように、ユーザが過去に記録した評価の履歴から、お勧めの料理が提示される態様であってもよい。すなわち、推奨情報IF3は、過去に入力された評価と類似又は合致する評価を有する料理に関する情報である。このような態様により、ユーザが過去に食べた料理に似た特徴を有し、ユーザがより高い関心を抱く可能性のある料理を推奨することができる。また、推奨情報IF3は、一部の項目について過去に入力された評価と異なる評価を有し、かつ、その他の項目については、過去に入力された評価と合致する評価を有する料理に関する情報である。この場合には、ユーザが前回食べた料理と比較して、一部の項目において異なる評価を有する料理を推奨することが好ましい。このような態様により、ユーザが過去に食べたことのある料理と異なる特徴を有する料理を推奨することができ、ユーザに料理の味を比較する動機付けを与えることができる。
【0074】
4.変形例
前述の実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0075】
上記の実施形態では、参考評価が参照可能に表示されている状態で、ユーザが自身の評価を入力可能な態様について説明したが、参考評価が表示されていない状態で、ユーザによる評価の入力が行われてもよい。
【0076】
画像IM1及び画像IM2は、レーダーチャートである必要はなく、評価の可視化が可能な態様であれば特に制限はない。例えば、画像IM1及び画像IM2は、2次元又は3次元のグラフ、アイコン、写真等であってよい。また、画像IM1においてユーザによる評価と参考評価が重ねて表示される例について説明したが、参考評価が参照可能な態様であればよく、例えば並べて表示されてもよい。
【0077】
実施形態の一態様は、プログラムであってよい。プログラムは、コンピュータに、情報処理装置2における各ステップを実行させる。このようなプログラムが、ネットワークとは切り離されたスタンドアロンのコンピュータにおいて、オフラインで実行可能に構成されてもよい。かかる場合、情報処理装置2と、ユーザ端末3とが同一の情報処理装置として実施されてもよい。
【0078】
情報処理装置2は、オンプレミス形態であってもよく、クラウド形態であってもよい。クラウド形態の情報処理装置2としては、例えば、SaaS(Software as a Service)、クラウドコンピューティングという形態で、上記の機能や処理を提供してもよい。
【0079】
上記の実施形態では、情報処理装置2が種々の記憶・制御を行ったが、情報処理装置2に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、ユーザ情報IF1、参照情報IF2、推奨情報IF3、お気に入り情報IF4等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0080】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記複数の項目とは、前記食品の味若しくは食感、又は前記食品における各食材の量、質、若しくは比率を含む項目である、もの。
前記情報処理システムにおいて、さらに、第2の表示ステップでは、前記画像において、可視化された参考評価を表示させ、ここで前記参考評価は、前記ユーザが前記評価を入力する際に参照可能な態様で表示される、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記参考評価とは、前記ユーザ以外による評価、又は複数の前記評価から統計的に算出された1の評価である、もの。
前記情報処理システムにおいて、さらに、提示ステップでは、前記ユーザによって過去に入力された評価を含むユーザ情報と、前記参考評価を含む参照情報とに基づいて、前記ユーザに推奨する食品に関する推奨情報を提示する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記推奨情報は、前記過去に入力された評価と類似又は合致する評価を有する食品に関する情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記推奨情報は、一部の項目について前記過去に入力された評価と異なる評価を有し、かつ、その他の項目については、前記過去に入力された評価と合致する評価を有する食品に関する情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記ユーザ情報は、前記ユーザによって前記食品の中から選択された、前記ユーザの好む食品に関するお気に入り情報を含み、前記提示ステップでは、前記お気に入り情報に基づいて、前記ユーザに推奨する食品に関する推奨情報を提示する、もの。
情報処理方法であって、前記情報処理システムにおける各ステップを備える、もの。
プログラムであって、コンピュータに、前記情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0081】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0082】
1 :情報処理システム
2 :情報処理装置
3 :ユーザ端末
4 :記録画面
5 :分析画面
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
231 :受付部
232 :表示制御部
233 :提示部
234 :画像生成部
235 :記憶制御部
335 :表示制御部
401 :店名入力ボックス
402 :日付入力ボックス
403 :料理名入力ボックス
404 :選択ボタン
405 :お気に入り登録ボタン
406 :チャート表示エリア
407 :評価項目
408 :評価値入力ボックス
409 :参考評価チャート
410 :記録ボタン
411 :ユーザ評価チャート
501 :お気に入り表示エリア
502 :チャート表示エリア
503 :お気に入りチャート
504 :評価項目
505 :評価値
506 :タグ
507 :推奨情報表示エリア
IF1 :ユーザ情報
IF2 :参照情報
IF3 :推奨情報
IF4 :お気に入り情報
IM1 :画像
IM2 :画像
【手続補正書】
【提出日】2022-09-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
受付ステップでは、調理又は加工された状態で提供される食品に関する複数の項目に対する評価の入力を、ユーザから受け付け、
第1の表示ステップでは、前記評価が可視化された画像を表示させ、
第2の表示ステップでは、前記画像において、可視化された参考評価を表示させ、ここで
前記参考評価は、前記ユーザが前記評価を入力する際に参照可能な態様で表示される、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記複数の項目とは、前記食品の味若しくは食感、又は前記食品における各食材の量、質、若しくは比率を含む項目である、もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記参考評価とは、前記ユーザ以外による評価、又は複数の前記評価から統計的に算出された1の評価である、もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
さらに、提示ステップでは、前記ユーザによって過去に入力された評価を含むユーザ情報と、前記参考評価を含む参照情報とに基づいて、前記ユーザに推奨する食品に関する推奨情報を提示する、もの。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記推奨情報は、前記過去に入力された評価と類似又は合致する評価を有する食品に関する情報である、もの。
【請求項6】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記推奨情報は、一部の項目について前記過去に入力された評価と異なる評価を有し、かつ、その他の項目については、前記過去に入力された評価と合致する評価を有する食品に関する情報である、もの。
【請求項7】
請求項4~請求項6の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記ユーザ情報は、前記ユーザによって前記食品の中から選択された、前記ユーザの好む食品に関するお気に入り情報を含み、
前記提示ステップでは、前記お気に入り情報に基づいて、前記ユーザに推奨する食品に関する推奨情報を提示する、もの。
【請求項8】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを備える、方法。
【請求項9】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおける各ステップを実行させる、もの。