IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エビデントの特許一覧

特開2023-11332検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム
<>
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図1
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図2
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図3
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図4
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図5
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図6
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図7
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図8
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図9
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図10
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図11
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図12
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図13
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図14
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図15
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図16
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図17
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図18
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図19
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図20
  • 特開-検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム 図21
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011332
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/24 20060101AFI20230117BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20230117BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230117BHJP
【FI】
G02B23/24 B
G02B23/24 A
A61B1/045 622
A61B1/00 552
A61B1/045 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115136
(22)【出願日】2021-07-12
(71)【出願人】
【識別番号】322004393
【氏名又は名称】株式会社エビデント
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】山内 英巧
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040BA21
2H040BA22
2H040BA23
2H040GA02
2H040GA10
2H040GA11
4C161AA29
4C161CC06
4C161DD03
4C161HH51
4C161HH55
4C161JJ17
4C161LL02
4C161WW18
(57)【要約】
【課題】画像を必要とせずに検査結果を解析することができる検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラムを提供する。
【解決手段】検査解析方法は、解析ステップ、予測ステップ、および出力ステップを有する。解析部は、前記解析ステップにおいて、検査における操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する。前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示す。前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す。予測部は、前記予測ステップにおいて、前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、検査対象の状態を予測する。出力部は、前記出力ステップにおいて、前記状態を示す状態情報を報知装置に出力する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析方法であって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
解析部が、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析ステップであって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析ステップと、
予測部が、前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、前記検査対象の状態を予測する予測ステップと、
出力部が、前記状態を示す状態情報を報知装置に出力する出力ステップと、
を有する検査解析方法。
【請求項2】
内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析方法であって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
解析部が、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析ステップであって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析ステップと、
出力部が、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを報知装置に出力する出力ステップと、
を有する検査解析方法。
【請求項3】
前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記ユーザーが前記操作を実施したときに前記検査対象に挿入されている前記内視鏡の部分の長さを示す挿入量を算出し、
前記予測部は、前記予測ステップにおいて、前記挿入量を基準にすることにより前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較する
請求項1に記載の検査解析方法。
【請求項4】
前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記ユーザーが前記操作を実施したときに前記検査対象に挿入されている前記内視鏡の部分の長さを示す挿入量を算出し、
前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記挿入量を基準にすることにより前記第1の操作データと前記第2の操作データとを互いに関連付ける
請求項2に記載の検査解析方法。
【請求項5】
前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記挿入量に基づいて前記検査の開始タイミングと前記検査の終了タイミングとを判断し、
前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記第1の検査の前記開始タイミングから前記第1の検査の前記終了タイミングまでに生成された前記検査情報を解析し、かつ前記第1の操作データを生成し、
前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記第2の検査の前記開始タイミングから前記第2の検査の前記終了タイミングまでに生成された前記検査情報を解析し、かつ前記第2の操作データを生成する
請求項3または請求項4に記載の検査解析方法。
【請求項6】
前記第1の操作データおよび前記第2の操作データは、前記内視鏡の湾曲回数、前記内視鏡の湾曲量、および挿入量の少なくとも1つを含み、前記挿入量は、前記ユーザーが前記操作を実施したときに前記検査対象に挿入されている前記内視鏡の部分の長さを示す
請求項1に記載の検査解析方法。
【請求項7】
前記第1の操作データおよび前記第2の操作データは、前記内視鏡の湾曲回数、前記内視鏡の湾曲量、挿入量、および挿入時間の少なくとも1つを含み、前記挿入量は、前記ユーザーが前記操作を実施したときに前記検査対象に挿入されている前記内視鏡の部分の長さを示し、前記挿入時間は、前記内視鏡が前記検査対象に挿入されている時間の長さを示す
請求項2に記載の検査解析方法。
【請求項8】
前記内視鏡は、リールに巻かれた状態で収納することができ、
前記挿入量は、前記リールから引き出されている前記内視鏡の部分の長さを示す
請求項3、請求項4、請求項6、および請求項7のいずれか一項に記載の検査解析方法。
【請求項9】
前記第1の操作データおよび前記第2の操作データは、静止画を取得した回数、前記画像を使用する計測を実行した回数、および前記計測の結果の少なくとも1つを含む
請求項1に記載の検査解析方法。
【請求項10】
前記第1の操作データおよび前記第2の操作データは、静止画を取得した回数、前記画像を使用する計測を実行した回数、前記静止画を取得するために要した時間の長さ、前記計測を実行するために要した時間の長さ、および前記画像を使用する画像処理のパラメーターを設定した回数の少なくとも1つを含む
請求項2に記載の検査解析方法。
【請求項11】
前記第2の検査における前記検査対象の種類は、前記第1の検査における前記検査対象の種類と同じであり、
前記第2の検査における前記検査対象の個体は、前記第1の検査における前記検査対象の個体と同じである、または異なる
請求項1または請求項2に記載の検査解析方法。
【請求項12】
前記第2の検査が終了した後、前記出力部は、前記出力ステップにおいて前記状態情報を前記報知装置に出力する
請求項1に記載の検査解析方法。
【請求項13】
前記第2の検査が終了した後、前記出力部は、前記出力ステップにおいて前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを前記報知装置に出力する
請求項2に記載の検査解析方法。
【請求項14】
内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析方法であって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
解析部が、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す操作データを生成する解析ステップと、
出力部が前記操作データを報知装置に出力する出力ステップと、
を有する検査解析方法。
【請求項15】
検査解析装置および内視鏡装置を有し、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析システムであって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
前記検査解析装置は、
前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析部であって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析部と、
前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、前記検査対象の状態を予測する予測部と、
前記検査情報を前記内視鏡装置から受信し、かつ前記状態を示す状態情報を前記内視鏡装置に送信する第1の通信部と、
を有し、
前記内視鏡装置は、
前記内視鏡と、
前記検査情報を前記検査解析装置に送信し、かつ前記状態情報を前記検査解析装置から受信する第2の通信部と、
前記状態情報を報知装置に出力する出力部と、
を有する
検査解析システム。
【請求項16】
検査解析装置および内視鏡装置を有し、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析システムであって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
前記検査解析装置は、
前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析部であって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析部と、
前記検査情報を前記内視鏡装置から受信し、かつ前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを前記内視鏡装置に送信する第1の通信部と、
を有し、
前記内視鏡装置は、
前記内視鏡と、
前記検査情報を前記検査解析装置に送信し、かつ前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを前記検査解析装置から受信する第2の通信部と、
前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを報知装置に出力する出力部と、
を有する
検査解析システム。
【請求項17】
内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析装置であって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析部であって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析部と、
前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、前記検査対象の状態を予測する予測部と、
前記状態を示す状態情報を報知装置に出力する出力部と、
を有する検査解析装置。
【請求項18】
内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析装置であって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析部であって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析部と、
前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを報知装置に出力する出力部と、
を有する検査解析装置。
【請求項19】
内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析装置のコンピュータに解析ステップ、予測ステップ、および出力ステップを実行させるためのプログラムであって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
前記コンピュータは、前記解析ステップにおいて、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成し、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示し、
前記コンピュータは、前記予測ステップにおいて、前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、前記検査対象の状態を予測し、
前記コンピュータは、前記出力ステップにおいて、前記状態を示す状態情報を報知装置に出力する
プログラム。
【請求項20】
内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析装置のコンピュータに解析ステップおよび出力ステップを実行させるためのプログラムであって、
前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、
前記コンピュータは、前記解析ステップにおいて、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析ステップであって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示し、
前記コンピュータは、前記出力ステップにおいて、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを報知装置に出力する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ボイラー、パイプ、および航空機エンジン等の内部の傷および腐食等の検査に工業用の内視鏡装置が使用されている。工業用の内視鏡装置の分野において、ネットワーク(クラウド)上のサーバーを使用するサービスが提供されている。内視鏡装置は、検査において取得された画像をサーバーに送信する。サーバーは、内視鏡装置から受信された画像を保存する。サーバーは、その画像に基づいて検査結果を解析し、故障予測などを実行する。
【0003】
特許文献1に開示された技術は、クラウドを使用する検査システムを提供する。その検査システムは、検査デバイスおよびモバイルデバイスを有する。検査デバイスによって取得されたデータは、クラウドを経由してモバイルデバイスに送信される。モバイルデバイスは、検査結果を解析し、報告書を生成する。その報告書は、クラウドを経由して共有される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-209196号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
内視鏡装置は、検査において検査画像を生成する。検査画像は、動画および静止画の少なくとも一方である。検査画像のデータ量が多いため、内視鏡装置における記録媒体の容量が圧迫される。ネットワーク上のサーバーを使用するサービスでは、データ量に応じた金額が請求される。検査画像がネットワーク上のサーバーに保存される場合、課金額が多くなりやすい。そのため、データ量の削減が望まれる。また、内視鏡装置またはサーバーに保存された検査画像がネットワークなどを経由して他者に漏洩する懸念がある。
【0006】
検査の委託元が検査対象を所有する。その検査対象の画像をネットワーク上のサーバーに保存するためには、その委託元の承認が必要である。その承認を得るために手間がかかる。
【0007】
本発明は、画像を必要とせずに検査結果を解析することができる検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析方法であって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、解析部が、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析ステップであって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析ステップと、予測部が、前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、前記検査対象の状態を予測する予測ステップと、出力部が、前記状態を示す状態情報を報知装置に出力する出力ステップと、を有する検査解析方法である。
【0009】
本発明は、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析方法であって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、解析部が、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析ステップであって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析ステップと、出力部が、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを報知装置に出力する出力ステップと、を有する検査解析方法である。
【0010】
本発明の検査解析方法において、前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記ユーザーが前記操作を実施したときに前記検査対象に挿入されている前記内視鏡の部分の長さを示す挿入量を算出し、前記予測部は、前記予測ステップにおいて、前記挿入量を基準にすることにより前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較する。
【0011】
本発明の検査解析方法において、前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記ユーザーが前記操作を実施したときに前記検査対象に挿入されている前記内視鏡の部分の長さを示す挿入量を算出し、前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記挿入量を基準にすることにより前記第1の操作データと前記第2の操作データとを互いに関連付ける。
【0012】
本発明の検査解析方法において、前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記挿入量に基づいて前記検査の開始タイミングと前記検査の終了タイミングとを判断し、前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記第1の検査の前記開始タイミングから前記第1の検査の前記終了タイミングまでに生成された前記検査情報を解析し、かつ前記第1の操作データを生成し、前記解析部は、前記解析ステップにおいて、前記第2の検査の前記開始タイミングから前記第2の検査の前記終了タイミングまでに生成された前記検査情報を解析し、かつ前記第2の操作データを生成する。
【0013】
本発明の検査解析方法において、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データは、前記内視鏡の湾曲回数、前記内視鏡の湾曲量、および挿入量の少なくとも1つを含み、前記挿入量は、前記ユーザーが前記操作を実施したときに前記検査対象に挿入されている前記内視鏡の部分の長さを示す。
【0014】
本発明の検査解析方法において、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データは、前記内視鏡の湾曲回数、前記内視鏡の湾曲量、挿入量、および挿入時間の少なくとも1つを含み、前記挿入量は、前記ユーザーが前記操作を実施したときに前記検査対象に挿入されている前記内視鏡の部分の長さを示し、前記挿入時間は、前記内視鏡が前記検査対象に挿入されている時間の長さを示す。
【0015】
本発明の検査解析方法において、前記内視鏡は、リールに巻かれた状態で収納することができ、前記挿入量は、前記リールから引き出されている前記内視鏡の部分の長さを示す。
【0016】
本発明の検査解析方法において、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データは、静止画を取得した回数、前記画像を使用する計測を実行した回数、および前記計測の結果の少なくとも1つを含む。
【0017】
本発明の検査解析方法において、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データは、静止画を取得した回数、前記画像を使用する計測を実行した回数、前記静止画を取得するために要した時間の長さ、前記計測を実行するために要した時間の長さ、および前記画像を使用する画像処理のパラメーターを設定した回数の少なくとも1つを含む。
【0018】
本発明の検査解析方法において、前記第2の検査における前記検査対象の種類は、前記第1の検査における前記検査対象の種類と同じであり、前記第2の検査における前記検査対象の個体は、前記第1の検査における前記検査対象の個体と同じである、または異なる。
【0019】
本発明の検査解析方法において、前記第2の検査が終了した後、前記出力部は、前記出力ステップにおいて前記状態情報を前記報知装置に出力する。
【0020】
本発明の検査解析方法において、前記第2の検査が終了した後、前記出力部は、前記出力ステップにおいて前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを前記報知装置に出力する。
【0021】
本発明は、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析方法であって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、解析部が、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す操作データを生成する解析ステップと、出力部が前記操作データを報知装置に出力する出力ステップと、を有する検査解析方法である。
【0022】
本発明は、検査解析装置および内視鏡装置を有し、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析システムであって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、前記検査解析装置は、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析部であって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析部と、前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、前記検査対象の状態を予測する予測部と、前記検査情報を前記内視鏡装置から受信し、かつ前記状態を示す状態情報を前記内視鏡装置に送信する第1の通信部と、を有し、前記内視鏡装置は、前記内視鏡と、前記検査情報を前記検査解析装置に送信し、かつ前記状態情報を前記検査解析装置から受信する第2の通信部と、前記状態情報を報知装置に出力する出力部と、を有する検査解析システムである。
【0023】
本発明は、検査解析装置および内視鏡装置を有し、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析システムであって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、前記検査解析装置は、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析部であって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析部と、前記検査情報を前記内視鏡装置から受信し、かつ前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを前記内視鏡装置に送信する第1の通信部と、を有し、前記内視鏡装置は、前記内視鏡と、前記検査情報を前記検査解析装置に送信し、かつ前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを前記検査解析装置から受信する第2の通信部と、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを報知装置に出力する出力部と、を有する検査解析システムである。
【0024】
本発明は、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析装置であって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析部であって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析部と、前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、前記検査対象の状態を予測する予測部と、前記状態を示す状態情報を報知装置に出力する出力部と、を有する検査解析装置である。
【0025】
本発明は、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析装置であって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析部であって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す前記解析部と、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを報知装置に出力する出力部と、を有する検査解析装置である。
【0026】
本発明は、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析装置のコンピュータに解析ステップ、予測ステップ、および出力ステップを実行させるためのプログラムであって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、前記コンピュータは、前記解析ステップにおいて、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成し、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示し、前記コンピュータは、前記予測ステップにおいて、前記第1の操作データと前記第2の操作データとを比較し、前記検査対象の状態を予測し、前記コンピュータは、前記出力ステップにおいて、前記状態を示す状態情報を報知装置に出力するプログラムである。
【0027】
本発明は、内視鏡を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する検査解析装置のコンピュータに解析ステップおよび出力ステップを実行させるためのプログラムであって、前記操作は、前記内視鏡の第1の操作と、前記内視鏡の先端に配置された撮像素子によって生成された画像に関する第2の操作とを含み、前記コンピュータは、前記解析ステップにおいて、前記操作に関する検査情報を解析し、前記操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する解析ステップであって、前記第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示し、前記第2の操作データは、前記第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示し、前記コンピュータは、前記出力ステップにおいて、前記第1の操作データおよび前記第2の操作データを報知装置に出力するプログラムである。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、検査解析方法、検査解析システム、検査解析装置、およびプログラムは、画像を必要とせずに検査結果を解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施形態による検査解析システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置の斜視図である。
図3】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態によるサーバーの構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図6】本発明の第1の実施形態によるサーバーが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図7】本発明の第1の実施形態における解析処理の手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の第1の実施形態における湾曲量の変化の例を示すグラフである。
図9】本発明の第1の実施形態における操作データの例を示す図である。
図10】本発明の第1の実施形態における挿入量の変化の例を示すグラフである。
図11】本発明の第1の実施形態における挿入量の変化の例を示すグラフである。
図12】本発明の第1の実施形態による内視鏡装置が有する表示部に表示される画像の例を示す図である。
図13】本発明の第1の実施形態の変形例による内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図14】本発明の第1の実施形態の変形例による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図15】本発明の第2の実施形態によるサーバーの構成を示すブロック図である。
図16】本発明の第2の実施形態による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図17】本発明の第2の実施形態によるサーバーが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
図18】本発明の第2の実施形態における操作データの例を示す図である。
図19】本発明の第2の実施形態におけるレポートの例を示す図である。
図20】本発明の第2の実施形態の変形例による内視鏡装置の構成を示すブロック図である。
図21】本発明の第2の実施形態の変形例による内視鏡装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。本発明の各実施形態における検査対象は、工業製品である。検査対象は、1つ以上の検査部位を有する。例えば、検査対象が飛行機のエンジンである場合、検査部位は燃焼管または高圧タービン等である。
【0031】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、第1の実施形態による検査解析システム10の構成を示す。検査解析システム10は、検査対象の故障予測を実行し、検査対象の予測をユーザーに報知するサービスを提供する。図1に示す検査解析システム10は、内視鏡装置1およびサーバー7を有する。内視鏡装置1およびサーバー7は、互いに通信を実施する。例えば、サーバー7はクラウドサーバーである。
【0032】
図2は、内視鏡装置1の外観を示す。図2に示す内視鏡装置1は、挿入部2、本体部3、操作部4、表示部5、およびケーブル6を有する。
【0033】
挿入部2は、内視鏡を構成する。挿入部2は、検査対象の内部に挿入される。先端部20が挿入部2の先端に配置されている。挿入部2は、先端部20から基端部にわたって屈曲可能な細長い管状である。光学アダプター11が先端部20に装着される。先端部20の基端側に湾曲部21が配置されている。湾曲部21は、所定の方向に湾曲することができる。挿入部2の基端部は、操作部4に接続されている。
【0034】
操作部4は、ユーザーが操作を実施するためのボタンおよびジョイスティック等を有する。操作部4は、ケーブル6によって本体部3に接続されている。ユーザーは、操作部4を操作することにより、湾曲指示、静止画取得指示、または計測指示などを内視鏡装置1に入力する。湾曲指示は、湾曲部21を湾曲させる指示を示す。静止画取得指示は、静止画を取得する指示を示す。計測指示は、静止画を使用する計測を実行する指示を示す。操作部4は、ユーザーによって入力された指示を本体部3に出力する。
【0035】
本体部3の表面に表示部5が配置されている。表示部5は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニタ(ディスプレイ)である。表示部5は、無線で接続されるタッチパネルであってもよい。表示部5がタッチパネルとして構成されている場合、ユーザーは、体の一部(例えば、指)または道具を使用することにより表示部5の画面をタッチする。
【0036】
図3は、内視鏡装置1の構成を示す。図3に示す先端部20は、撮像素子200およびセンサ201を有する。撮像素子200は、CCDセンサまたはCMOSセンサ等のイメージセンサである。撮像素子200は、2枚以上の画像(フレーム)を連続的に生成する。その2枚以上の画像は動画を構成する。撮像素子200は、生成された各画像を本体部3に出力する。静止画取得指示が本体部3から出力された場合、撮像素子200は1枚以上の静止画を生成し、生成された静止画を本体部3に出力する。
【0037】
センサ201は、加速度センサまたはジャイロセンサ(角速度センサ)である。加速度センサは、先端部20の加速度を検出する。ジャイロセンサは、先端部20の角速度を検出する。センサ201は、加速度センサおよびジャイロセンサの組み合わせであってもよい。センサ201は、3軸の加速度および3軸の角速度を検出する6軸慣性センサであってもよい。
【0038】
センサ201は、物理量を計測し、その物理量を示すセンサ情報を出力する。その物理量は、加速度または角速度である。センサ情報は、先端部20の加速度または先端部20の角速度を示す。
【0039】
図3に示す本体部3は、制御部30、湾曲制御部31、記憶部32、および通信部33を有する。制御部30は、装置制御部300、計測部301、および出力部302を有する。
【0040】
装置制御部300は、内視鏡装置1の全体を制御する。また、装置制御部300は、検査においてユーザーが実施した操作に関する検査情報を生成する。
【0041】
装置制御部300は、操作部4から出力された指示を受け付ける。湾曲指示が操作部4から出力されたとき、装置制御部300は湾曲指示を湾曲制御部31に出力する。静止画取得指示が操作部4から出力されたとき、装置制御部300は静止画取得指示を撮像素子200に出力する。
【0042】
装置制御部300は、センサ201から出力されたセンサ情報を取得する。装置制御部300は、湾曲指示、静止画取得指示、計測指示、センサ情報、および時刻情報を含む検査情報を生成する。時刻情報は、装置制御部300が湾曲指示、静止画取得指示、または計測指示を受け付けた時刻を示す。また、時刻情報は、装置制御部300がセンサ情報を取得した時刻を示す。装置制御部300は、検査情報を記憶部32に保存する。例えば、検査情報はテキストデータとして構成される。
【0043】
計測指示が操作部4から出力されたとき、計測部301は、撮像素子200によって生成された静止画を使用することにより計測を実行する。例えば、計測部301は、第1の計測モードにおいて検査対象内の被写体上の2つの点の間の3次元距離(3D距離)を算出する。計測部301は、第2の計測モードにおいて被写体上の3つ以上の点によって規定された3次元領域の面積を算出する。計測部301は、第3の計測モードにおいて被写体上の2つの点で規定された3次元直線と被写体上の1つの点との間の3D距離を算出する。計測部301は、第4の計測モードにおいて被写体上の3つの点で規定された3次元領域と被写体上の1つの点との間の3D距離を算出する。
【0044】
ユーザーは、計測指示を入力するとき、計測の種類を指定することができる。計測の種類は、第1から第4の計測モードのいずれか1つを示す。計測の種類は、上記の例に限らない。
【0045】
出力部302は、検査対象の状態を示す状態情報を表示部5に出力することにより、状態情報を表示部5に表示する。状態情報は、通信部33によってサーバー7から受信される。
【0046】
制御部30は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。例えば、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびGPU(Graphics Processing Unit)の少なくとも1つである。例えば、論理回路は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field-Programmable Gate Array)の少なくとも1つである。制御部30は、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御部30は、1つまたは複数の論理回路を含んでもよい。
【0047】
内視鏡装置1のコンピュータがプログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。そのプログラムは、制御部30の動作を規定する命令を含む。つまり、制御部30の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。
【0048】
上記のプログラムは、例えばフラッシュメモリのような「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」により提供されてもよい。そのプログラムは、そのプログラムを保持するコンピュータから、伝送媒体を経由して、あるいは伝送媒体中の伝送波により内視鏡装置1に伝送されてもよい。プログラムを伝送する「伝送媒体」は、情報を伝送する機能を有する媒体である。情報を伝送する機能を有する媒体は、インターネット等のネットワーク(通信網)および電話回線等の通信回線(通信線)を含む。上述したプログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上述したプログラムは、差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。前述した機能は、コンピュータに既に記録されているプログラムと差分プログラムとの組合せによって実現されてもよい。
【0049】
湾曲制御部31は、湾曲指示に基づいて湾曲部21を湾曲させる。
【0050】
記憶部32は、揮発性または不揮発性の記録媒体である。例えば、記憶部32は、RAM(Random Access Memory)、DRAM(DynamicRandom Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、およびフラッシュメモリの少なくとも1つである。記憶部32は、検査情報を記憶する。記憶部32は、撮像素子200によって生成された動画および静止画を記憶してもよい。
【0051】
通信部33は、通信回路を有する通信機である。通信部33は、サーバー7と通信を実施する。通信部33は、記憶部32に記憶された検査情報をサーバー7に送信する。通信部33は、サーバー7から送信された状態情報を受信する。
【0052】
一般的に、検査は以下のように実施される。検査対象は、挿入部2を検査対象に挿入するためのアクセスポートを有する。ユーザーは、アクセスポートを通して挿入部2を検査対象に挿入する。挿入部2の先端部20が検査部位に近づいたとき、ユーザーは、湾曲指示を内視鏡装置1に入力し、湾曲部21を湾曲させる。これにより、ユーザーは、撮影の構図を調整する。
【0053】
その後、ユーザーは、静止画取得指示を内視鏡装置1に入力し、内視鏡装置1に静止画を取得させる。計測の実行が必要な場合、ユーザーは、計測指示を内視鏡装置1に入力し、内視鏡装置1に計測を実行させる。
【0054】
ユーザーが実施する操作は、挿入部2の第1の操作と、撮像素子200によって生成された画像に関する第2の操作とを含む。第1の操作は、ユーザーが湾曲指示を内視鏡装置1に入力する操作と、ユーザーが挿入部2を検査対象に挿入する操作とに対応する。第2の操作は、ユーザーが静止画取得指示を内視鏡装置1に入力する操作と、ユーザーが計測指示を内視鏡装置1に入力する操作とに対応する。
【0055】
状態情報は、傷検出情報、傷変化情報、および見落とし情報の少なくとも1つを含む。傷検出情報は、過去の検査において検出されず、最新の検査において検出された傷を示す。つまり、傷検出情報は、新たに検出された傷を示す。傷変化情報は、過去の検査において検出された傷の状態の変化を示す。例えば、傷変化情報は、傷の面積が大きくなったまたは傷が深さ方向に進行したことを示す。見落とし情報は、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生したことを示す。傷は、凹み、突起、または割れ等である。
【0056】
図4は、サーバー7の構成を示す。図4に示すサーバー7は、制御部70、記憶部71、および通信部72を有する。制御部70は、サーバー制御部700、解析部701、および予測部702を有する。
【0057】
サーバー制御部700は、サーバー7の全体を制御する。解析部701は、検査情報を解析し、操作データを生成する。操作データは、検査においてユーザーが実施した操作の内容を示す。
【0058】
操作データは、湾曲回数、湾曲量、および挿入量の少なくとも1つを含む。湾曲回数、湾曲量、および挿入量は、挿入部2に関する第1の操作の内容を示す。湾曲回数は、湾曲部21が湾曲した回数を示す。湾曲量は、湾曲部21が湾曲したときの先端部20の角度の変化量を示す。挿入量は、ユーザーが操作を実施したときに検査対象に挿入されている挿入部2の部分の長さを示す。
【0059】
また、操作データは、静止画取得回数、計測実行回数、および計測結果の少なくとも1つを含む。静止画取得回数、計測実行回数、および計測結果は、画像に関する第2の操作の内容を示す。静止画取得回数は、撮像素子200が静止画を生成した回数を示す。静止画取得回数は、静止画の枚数と同じである。計測実行回数は、計測部301が静止画を使用する計測を実行した回数を示す。計測結果は、計測部301によって算出された3D距離または面積である。
【0060】
解析部701は、過去の検査(第1の検査)の検査情報を解析し、第1の操作データを生成する。また、解析部701は、最新の検査(第2の検査)の検査情報を解析し、第2の操作データを生成する。第2の検査は、最後に実施された検査である。第1の検査は、第2の検査が実施される前に実施された1回以上の検査である。
【0061】
予測部702は、第1の操作データと第2の操作データとを比較し、検査対象の状態を予測する。予測部702は、検査対象の状態を示す状態情報を生成する。
【0062】
制御部70は、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。制御部70は、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御部70は、1つまたは複数の論理回路を含んでもよい。
【0063】
サーバー7のコンピュータがプログラムを読み込み、かつ読み込まれたプログラムを実行してもよい。そのプログラムは、制御部70の動作を規定する命令を含む。つまり、制御部70の機能はソフトウェアにより実現されてもよい。そのプログラムは、制御部30の機能を実現するプログラムと同様に実現されてもよい。
【0064】
記憶部71は、不揮発性の記録媒体である。例えば、記憶部71は、SRAM、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリの少なくとも1つである。記憶部71は、検査情報を記憶する。
【0065】
通信部72は、通信回路を有する通信機である。通信部72は、内視鏡装置1と通信を実施する。通信部72は、内視鏡装置1から送信された検査情報を受信する。通信部72によって受信された検査情報は記憶部71に保存される。通信部72は、予測部702によって生成された状態情報を内視鏡装置1に送信する。
【0066】
図5を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図5は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。
【0067】
通信部33は、検査フォルダのテンプレートをサーバー7から受信する(ステップS100)。受信されたテンプレートは記憶部32に保存される。
【0068】
静止画などのデータが検査において取得される。そのデータは、記憶部32内のフォルダに保存される。サーバー7の記憶部71において検査対象ごとにフォルダのテンプレートが用意されている。通信部33は、ステップS100においてそのテンプレートを受信する。そのテンプレートは、2つ以上のフォルダを有する。各フォルダは、検査部位ごとに用意されている。各フォルダの名称は、検査部位の名称と同じである。
【0069】
ユーザーは、操作部4を操作することにより、検査部位を選択する選択指示を内視鏡装置1に入力する。装置制御部300は、選択指示が示す検査部位と対応する1つのフォルダを選択する。フォルダが選択された後、以下の処理が実行される。
【0070】
ステップS100の後、装置制御部300は、湾曲指示、静止画取得指示、センサ情報、計測情報、および時刻情報を含む検査情報を生成し、かつ検査情報を記憶部32に保存する(ステップS101)。湾曲指示、静止画取得指示、センサ情報、計測情報、および時刻情報は、互いに関連付けられている。計測情報は、計測指示および計測結果を含む。検査情報は、選択指示に基づいて選択されたフォルダに保存される。
【0071】
ステップS101が実行されるタイミングにおいて装置制御部300が、湾曲指示または静止画取得指示を受け付けていない場合、検査情報が湾曲指示または静止画取得指示を含む必要はない。また、ステップS101が実行されるタイミングにおいて装置制御部300が計測指示を受け付けていない場合、検査情報が計測情報を含む必要はない。
【0072】
ステップS101の後、装置制御部300は、湾曲指示、静止画取得指示、または計測指示に基づいて処理を実行する。湾曲指示が操作部4から出力されたとき、装置制御部300は湾曲指示を湾曲制御部31に出力する。湾曲制御部31は、湾曲指示に基づいて湾曲部21を湾曲させる。静止画取得指示が操作部4から出力されたとき、装置制御部300は静止画取得指示を撮像素子200に出力する。撮像素子200は、静止画取得指示に基づいて1枚以上の静止画を生成する。計測指示が操作部4から出力されたとき、装置制御部300は計測部301に計測を実行させる(ステップS102)。ステップS101が実行されるタイミングにおいて装置制御部300が湾曲指示、静止画取得指示、または計測指示を受け付けていない場合、湾曲指示、静止画取得指示、または計測指示に関する処理が実行される必要はない。
【0073】
ステップS102の後、装置制御部300は、検査が終了したか否かを判断する(ステップS103)。例えば、ユーザーは、操作部4を操作することにより、検査の終了を示す指示を内視鏡装置1に入力する。装置制御部300がその指示を受け付けた場合、装置制御部300は、検査が終了したと判断する。装置制御部300がその指示を受け付けていない場合、装置制御部300は、検査が終了していないと判断する。
【0074】
検査が終了していないと装置制御部300がステップS103において判断した場合、ステップS101が実行される。検査が終了したと装置制御部300がステップS103において判断した場合、装置制御部300は、記憶部32に記憶されている検査情報を通信部33に出力する。装置制御部300は、通信部33を制御することにより、検査情報をサーバー7に送信する(ステップS104)。
【0075】
ステップS104の後、装置制御部300は、通信部33を制御することにより、状態情報をサーバー7から受信する(ステップS105)。
【0076】
ステップS105の後、出力部302は、ステップS105において受信された状態情報を表示部5に出力する(ステップS106)。表示部5は、状態情報を表示する。例えば、検査が終了したとき、または新たな検査が開始されたとき、ステップS106が実行される。ステップS106が実行されたとき、図5に示す処理が終了する。
【0077】
1つの検査部位における検査が終了した後、ユーザーは、操作部4を操作することにより、他の検査部位を選択する選択指示を内視鏡装置1に入力してもよい。装置制御部300は、選択指示が示す検査部位と対応する1つのフォルダを選択する。フォルダが選択された後、ステップS101からステップS103における処理が実行されてもよい。
【0078】
図6を使用することにより、サーバー7が実行する処理について説明する。図6は、サーバー7が実行する処理の手順を示す。
【0079】
サーバー制御部700は、通信部72を制御することにより、検査フォルダのテンプレートを内視鏡装置1に送信する(ステップS200)。
【0080】
ステップS200の後、サーバー制御部700は、通信部72を制御することにより、検査情報を内視鏡装置1から受信する(ステップS201)。内視鏡装置1から受信された検査情報は、記憶部71に保存される。
【0081】
ステップS201の後、解析部701は、記憶部71に記憶されている検査情報を使用することにより解析処理を実行する(ステップS202)。
【0082】
図7を使用することにより、ステップS202において実行される解析処理について説明する。図7は、解析処理の手順を示す。
【0083】
解析部701は、過去の検査におけるセンサ情報を解析し、挿入量を算出する(ステップS2020)。
【0084】
解析部701は、ステップS2020において以下の処理を実行する。解析部701は、過去の検査におけるセンサ情報を解析する。そのセンサ情報は、加速度を示す。解析部701は、その加速度を使用することにより各時刻における先端部20の位置を算出する。解析部701は、算出された位置を使用することにより各時刻における挿入量を算出する。
【0085】
例えば、解析部701は、検査の開始時刻から検査の終了時刻までの先端部20の位置の変化に基づいて挿入量を算出する。例えば、ユーザーは、操作部4を操作することにより、検査の開始を示す指示を内視鏡装置1に入力する。検査の開始時刻は、装置制御部300がその指示を受け付けた時刻を示す。検査の終了時刻は、装置制御部300が検査の終了を示す指示を受け付けた時刻を示す。
【0086】
長い挿入部を有する内視鏡装置が使用されてもよい。挿入部が、本体部内のリールに巻かれた状態で本体部に収納されてもよい。挿入部が検査対象に挿入されるとき、挿入部はリールから引き出される。装置制御部300は、リールの回転量を示す情報を含む検査情報を生成してもよい。解析部701は、リールの回転量に基づいて挿入量を算出してもよい。挿入量は、リールの回転によってリールから引き出された挿入部の部分の長さを示してもよい。その部分の全体が検査対象に挿入されているとは限らない。その部分は、検査対象に挿入されている第1の部分と、検査対象に挿入されていない第2の部分とを含んでもよい。
【0087】
ステップS2020の後、解析部701は、過去の検査における湾曲に関する検査情報を使用することにより、湾曲に関する操作データを生成する。解析部701は、湾曲に関する操作データと、挿入量とを含む第1の操作データを生成する(ステップS2021)。その第1の操作データは、過去の検査においてユーザーが実施した操作に関する。
【0088】
解析部701は、ステップS2021において以下の処理を実行する。湾曲に関する検査情報は、湾曲指示、センサ情報、および時刻情報を含む。そのセンサ情報は、加速度および角速度の少なくとも一方を示す。解析部701は、湾曲量および湾曲回数を算出する。
【0089】
解析部701は、加速度または角速度を使用することにより、湾曲部21の湾曲量(湾曲角度)を算出する。ユーザーが操作部4のジョイスティックを倒した時間の長さに応じた角度で湾曲部21が湾曲してもよい。その場合、解析部701は、湾曲指示が操作部4から出力された時間の長さを算出することにより、湾曲部21の湾曲量を算出してもよい。ユーザーがジョイスティックを倒したときのジョイスティックの角度に応じた角度で湾曲部21が湾曲してもよい。その場合、解析部701は、湾曲指示が示すジョイスティックの角度に基づいて湾曲部21の湾曲量を算出してもよい。
【0090】
解析部701は、湾曲部21の湾曲量に基づいて湾曲回数を算出する。例えば、解析部701は、湾曲量と所定量とを比較し、湾曲回数を算出する。
【0091】
図8に示すグラフG10は、湾曲量の変化の例を示す。グラフG10における横軸は時間を示し、グラフG10における縦軸は湾曲量を示す。解析部701は、各時刻における湾曲量と所定量BA10とを比較する。湾曲量が所定量BA10よりも大きくなった後、湾曲量は所定量BA10よりも小さくなる。このような湾曲量の変化が検出された場合、解析部701は、1回の湾曲を検出する。図8に示す例では、期間T10、期間T11、および期間T12の各々において湾曲量が所定量BA10以上である。そのため、図8に示す例における湾曲回数は3である。
【0092】
湾曲量および湾曲回数は、湾曲に関する操作データと対応する。解析部701は、湾曲量、湾曲回数、および挿入量を含む第1の操作データを生成する。湾曲量、湾曲回数、および挿入量は、互いに関連付けられている。
【0093】
解析部701は、特定の方向における湾曲部21の湾曲回数を算出してもよい。解析部701は、2つ以上の方向における湾曲部21の湾曲回数の合計を算出してもよい。
【0094】
ステップS2021の後、解析部701は、過去の検査における画像に関する検査情報を使用することにより、画像に関する操作データを生成する。解析部701は、画像に関する操作データを挿入量と関連付けることにより、画像に関する第1の操作データを生成する(ステップS2022)。
【0095】
解析部701は、ステップS2022において以下の処理を実行する。画像に関する検査情報は、静止画取得指示、計測情報、および時刻情報を含む。解析部701は、静止画取得指示が操作部4から出力された回数を算出することにより、静止画取得回数を算出する。静止画取得回数は、過去の2回以上の検査における静止画取得回数の平均値または中央値などであってもよい。
【0096】
また、解析部701は、計測情報を使用することにより、計測実行回数を算出する。例えば、解析部701は、計測モードを選択した回数を算出することにより、計測実行回数を算出する。解析部701は、計測結果の数を算出することにより、計測実行回数を算出してもよい。計測実行回数は、過去の2回以上の検査における計測実行回数の平均値または中央値などであってもよい。計測部301が複数種類の計測を実行する場合がある。解析部701は、計測の種類毎に計測実行回数を算出してもよい。
【0097】
解析部701は、静止画取得回数、計測実行回数、および計測結果の全てを算出してもよい。解析部701は、静止画取得回数、計測実行回数、および計測結果の一部のみを算出してもよい。
【0098】
ステップS2022の後、解析部701は、最新の検査におけるセンサ情報を解析し、挿入量を算出する(ステップS2023)。解析部701は、ステップS2023において、ステップS2020と同様の処理を実行する。
【0099】
ステップS2023の後、解析部701は、最新の検査における湾曲に関する検査情報を使用することにより、湾曲に関する操作データを生成する。解析部701は、湾曲に関する操作データと、挿入量とを含む第2の操作データを生成する(ステップS2024)。その第2の操作データは、最新の検査においてユーザーが実施した操作に関する。解析部701は、ステップS2024において、ステップS2021と同様の処理を実行する。
【0100】
ステップS2024の後、解析部701は、最新の検査における画像に関する検査情報を使用することにより、画像に関する操作データを生成する。解析部701は、画像に関する操作データを挿入量と関連付けることにより、画像に関する第2の操作データを生成する(ステップS2025)。解析部701は、ステップS2025において、ステップS2022と同様の処理を実行する。ステップS2025が実行されたとき、解析処理が終了する。
【0101】
検査の手順は予め定められている。検査対象の状態が変化しない場合、操作の内容は、異なる検査間で変化しないと期待される。しかしながら、検査対象の状態が変化し、異なる検査間で操作の内容が変化する場合がある。解析部701は、検査情報を解析することにより、検査対象の状態の変化を検出する。
【0102】
解析部701は、検査情報を解析し、ユーザーが実施した操作を検出する。解析部701は、挿入量に基づいて、検査対象内の位置を判断することができる。解析部701は、検出された操作と挿入量とを関連付けることにより、ユーザーが操作を実施した位置を判断することができる。
【0103】
解析処理において実行される処理の順番は、図7に示す順番に限らない。図7に示す6つのステップは任意の順番で実行されてもよい。
【0104】
解析部701は、挿入量に基づいて検査の開始タイミングと検査の終了タイミングとを判断してもよい。例えば、挿入量が0から増加したとき、検査が開始されたと解析部701は判断してもよい。挿入量が減少し、かつ0になったとき、検査が終了したと解析部701は判断してもよい。アクセスポートの位置と対応する所定の挿入量が既知である場合、解析部701は、その所定の挿入量を使用してもよい。例えば、挿入量が所定の挿入量から増加したとき、検査が開始されたと解析部701は判断してもよい。挿入量が減少し、かつ所定の挿入量になったとき、検査が終了したと解析部701は判断してもよい。
【0105】
解析部701は、過去の検査の開始タイミングから過去の検査の終了タイミングまでに生成された検査情報を解析し、かつ第1の操作データを生成してもよい。解析部701は、最新の検査の開始タイミングから最新の検査の終了タイミングまでに生成された検査情報を解析し、かつ第2の操作データを生成してもよい。
【0106】
図6を再度使用することにより、サーバー7が実行する処理について説明する。ステップS202の後、予測部702は、第1の操作データと第2の操作データとを比較し、検査対象の状態を予測する。予測部702は、検査対象の状態を示す状態情報を生成する(ステップS203)。
【0107】
図9を使用することにより、予測部702がステップS203において実行する処理について説明する。図9は、操作データの例を示す。
【0108】
第1の操作データOD10は、過去の検査における操作データを示す。第2の操作データOD11は、最新の検査における操作データを示す。第1の操作データOD10および第2の操作データOD11は、湾曲量、静止画取得回数、計測実行回数、および挿入量を示す。
【0109】
湾曲量および挿入量の関係は、グラフとして示されている。グラフにおける横軸は挿入量を示し、グラフにおける縦軸は湾曲量を示す。挿入量は、検査対象における位置と対応する。
【0110】
検査に要する時間の長さは検査毎に異なる。そのため、湾曲量などは、時間ではなく挿入量と関連付けられる。解析部701は、挿入量を基準にすることにより第1の操作データと第2の操作データとを互いに関連付ける。予測部702は、挿入量を基準にすることにより、第1の操作データと第2の操作データとを比較する。
【0111】
第1の操作データOD10が示すグラフの区間SC10および区間SC11において湾曲量が比較的大きい。区間SC10においてマークMK10およびマークMK11が示されている。区間SC11においてマークMK12およびマークMK13が示されている。
【0112】
マークMK10およびマークMK12は、過去の検査において静止画が取得された位置を示す。マークMK11およびマークMK13は、過去の検査において計測が実行された位置を示す。区間SC10において、マークMK10が示すように静止画が2回取得され、かつマークMK11が示すように計測が1回実行される。区間SC11において、マークMK12が示すように静止画が2回取得され、かつマークMK13が示すように計測が1回実行される。
【0113】
第2の操作データOD11が示すグラフの区間SC12および区間SC13において湾曲量が比較的大きい。区間SC12においてマークMK14が示されている。区間SC13においてマークMK15およびマークMK16が示されている。
【0114】
マークMK14およびマークMK15は、最新の検査において静止画が取得された位置を示す。マークMK16は、最新の検査において計測が実行された位置を示す。区間SC12において、マークMK14が示すように静止画が2回取得される。区間SC13において、マークMK15が示すように静止画が2回取得され、かつマークMK16が示すように計測が1回実行される。
【0115】
検査対象の側面または複雑な構造が検査されることが多い。そのため、湾曲量が大きい区間において、検査部位が検査された可能性が高い。検査が実施された位置における検査の記録を残す必要がある。そのため、静止画が取得された、または計測が実行された区間において、検査部位が検査された可能性が高い。
【0116】
予測部702は、静止画取得回数または計測実行回数に基づいて、傷が新たに検出されたか否かを判断する。最新の検査が実施されたとき、区間SC12において静止画が取得される。過去の検査が実施されたとき、区間SC12と対応する区間SC14において静止画は取得されていない。これは、過去の検査が実施されたタイミングから最新の検査が実施されたタイミングまでの期間に傷が新たに発生した可能性を示す。そのため、予測部702は、傷が新たに検出されたと判断する。予測部702は、区間SC12における挿入量と関連付けられた傷検出情報を生成する。その挿入量は、傷の位置と対応する。
【0117】
予測部702は、湾曲量に基づいて、傷が新たに検出されたか否かを判断してもよい。最新の検査が実施されたとき、区間SC12において湾曲量が比較的大きい。過去の検査が実施されたとき、区間SC12と対応する区間SC14において湾曲量は小さい。そのため、予測部702は、傷が新たに検出されたと判断してもよい。
【0118】
予測部702は、湾曲回数に基づいて、傷が新たに検出されたか否かを判断してもよい。湾曲量が所定量以上であるとき、湾曲部21が1回湾曲したと予測部702は判断する。最新の検査が実施されたとき、区間SC12において湾曲部21が1回湾曲している。過去の検査が実施されたとき、区間SC12と対応する区間SC14において湾曲部21は湾曲していない。そのため、予測部702は、傷が新たに検出されたと判断してもよい。
【0119】
検査部位の静止画の取得および検査部位の計測は実行されずに検査部位の観察のみが実施される場合がある。予測部702は、湾曲量を使用することにより、ユーザーによって傷が観察されたと判断することができる。
【0120】
予測部702は、過去の検査と最新の検査とにおいて共通に検出された傷の傷検出情報を生成してもよい。過去の検査が実施されたとき、区間SC11において静止画が取得され、かつ計測が実行される。最新の検査が実施されたとき、区間SC13において静止画が取得され、かつ計測が実行される。区間SC13の少なくとも一部における挿入量は、区間SC11における挿入量と同じである。予測部702は、過去の検査と最新の検査とにおいて傷が共通に検出されたと判断してもよい。
【0121】
予測部702は、計測結果に基づいて、傷が変化したか否かを判断する。過去の検査が実施されたとき、区間SC11において計測が実行される。最新の検査が実施されたとき、区間SC13において計測が実行される。予測部702は、区間SC11における計測結果(第1の計測結果)と区間SC13における計測結果(第2の計測結果)とを比較する。第2の計測結果が第1の計測結果よりも大きい場合、予測部702は、傷が大きくなったと判断する。予測部702は、区間SC13における挿入量と関連付けられた傷変化情報を生成する。その挿入量は、傷の位置と対応する。
【0122】
予測部702は、静止画取得回数または計測実行回数に基づいて、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生したか否かを判断する。過去の検査が実施されたとき、区間SC10において静止画が取得され、かつ計測が実行される。最新の検査が実施されたとき、区間SC10と対応する区間SC15において静止画は取得されず、かつ計測は実行されていない。そのため、予測部702は、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生したと判断する。予測部702は、区間SC15における挿入量と関連付けられた見落とし情報を生成する。その挿入量は、見落としが発生した位置と対応する。
【0123】
予測部702は、湾曲量に基づいて、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生したか否かを判断してもよい。過去の検査が実施されたとき、区間SC10において湾曲量が比較的大きい。最新の検査が実施されたとき、区間SC10と対応する区間SC15において湾曲量は小さい。そのため、予測部702は、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生したと判断してもよい。
【0124】
予測部702は、湾曲回数に基づいて、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生したか否かを判断してもよい。過去の検査が実施されたとき、区間SC10において湾曲部21が1回湾曲している。最新の検査が実施されたとき、区間SC10と対応する区間SC15において湾曲部21は湾曲していない。そのため、予測部702は、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生したと判断してもよい。
【0125】
予測部702は、傷検出情報、傷変化情報、および見落とし情報を含む状態情報を生成する。予測部702は、傷検出情報、傷変化情報、および見落とし情報の一部のみを含む状態情報を生成してもよい。
【0126】
予測部702は、挿入量に基づいて、傷が新たに検出されたか否かを判断してもよい。例えば、予測部702は、過去の検査における挿入量の時間変化と、最新の検査における挿入量の時間変化とを比較してもよい。図10に示すグラフG11およびグラフG12は、挿入量の変化の例を示す。各グラフにおける横軸は時間を示し、各グラフにおける縦軸は挿入量を示す。
【0127】
グラフG11は、過去の検査における挿入量の時間変化を示す。グラフG12は、最新の検査における挿入量の時間変化を示す。図10に示す範囲RG10において、グラフG11およびグラフG12の各々が示す時間変化が小さい。また、図10に示す範囲RG11において、グラフG12が示す時間変化が小さい。挿入量の時間変化が小さい場合、挿入部2の先端部20が停止している。この場合、静止画が取得される、または計測が実行される可能性がある。予測部702は、範囲RG10および範囲RG11の各々と対応する位置において傷が検出されたと判断することができる。
【0128】
範囲RG10は、グラフG11およびグラフG12の両方において検出される。一方、範囲RG11は、グラフG11において検出されず、グラフG12のみにおいて検出される。つまり、最新の検査が実施されたとき、過去の検査において傷が検出されなかった範囲RG11において傷が新たに検出された可能性がある。そのため、予測部702は、傷が新たに検出されたと判断してもよい。
【0129】
予測部702は、挿入量に基づいて、検査箇所の見落としまたは傷の見落としが発生したか否かを判断してもよい。例えば、予測部702は、過去の検査における挿入量の時間変化と、最新の検査における挿入量の時間変化とを比較してもよい。図11に示すグラフG13およびグラフG14は、挿入量の変化の例を示す。各グラフにおける横軸は時間を示し、各グラフにおける縦軸は挿入量を示す。
【0130】
グラフG13は、過去の検査における挿入量の時間変化を示す。グラフG14は、最新の検査における挿入量の時間変化を示す。図11に示す範囲RG12において、グラフG13およびグラフG14の各々が示す時間変化が小さい。また、図11に示す範囲RG13において、グラフG13が示す時間変化が小さい。予測部702は、範囲RG12および範囲RG13の各々と対応する位置において傷が検出されたと判断することができる。
【0131】
範囲RG12は、グラフG13およびグラフG14の両方において検出される。一方、範囲RG13は、グラフG14において検出されず、グラフG13のみにおいて検出される。つまり、最新の検査が実施されたとき、過去の検査において傷が検出された範囲RG13においてその傷が見落とされた可能性がある。そのため、予測部702は、検査箇所の見落としまたは傷の見落としが発生したと判断してもよい。
【0132】
挿入部2が検査対象の最深部まで挿入された後、ユーザーが挿入部2を引き抜きながら検査を実施する場合がある。この場合、予測部702は、図9図10、または図11に示す方法と同様の方法を使用することにより状態情報を生成してもよい。
【0133】
予測部702は、静止画取得回数、計測実行回数、湾曲量、湾曲回数、および挿入量のいずれか2つ以上を使用することにより状態情報を生成してもよい。
【0134】
図6を再度使用することにより、サーバー7が実行する処理について説明する。ステップS203の後、サーバー制御部700は、通信部72を制御することにより、ステップS203において生成された状態情報を内視鏡装置1に送信する(ステップS204)。ステップS204が実行されたとき、図6に示す処理が終了する。
【0135】
図12は、図5に示すステップS106において表示部5に表示される画像の例を示す。新たな検査が開始された後、表示部5は画像IMG10を表示する。画像IMG10は、動画を構成する。
【0136】
挿入部2の挿入量が、傷検出情報によって示される挿入量と同じになったとき、出力部302は、傷検出情報と対応する情報を表示部5に出力する。表示部5は、情報IN10を表示する。情報IN10は、新たな傷が検出されたことを示す。例えば、傷DM10が画像IMG10に写っている。傷DM10は、前回の検査において検出された傷である。
【0137】
挿入部2の挿入量が、傷変化情報によって示される挿入量と同じになったとき、出力部302は傷変化情報と対応する情報を表示部5に出力してもよい。例えば、その情報は、傷が大きくなったことを示す。
【0138】
挿入部2の挿入量が、見落とし情報によって示される挿入量と同じになったとき、出力部302は見落とし情報と対応する情報を表示部5に出力してもよい。例えば、その情報は、前回の検査において傷が見落とされたことを示す。
【0139】
出力部302は状態情報を表示部5に出力し、かつ表示部5は状態情報を表示する。状態情報を出力する方法は、これに限らない。出力部302は状態情報を表示部5以外の報知装置に出力してもよい。
【0140】
出力部302は、音データをスピーカーに出力し、状態情報と対応する音をスピーカーに発生させてもよい。スピーカーは、状態情報と対応するメッセージ音を発生してもよい。あるいは、スピーカーは、状態情報と対応するパターンを持つ音を発生してもよい。
【0141】
出力部302は、振動のパターンを示す制御信号を振動発生器に出力し、状態情報と対応するパターンを持つ振動を振動発生器に発生させてもよい。出力部302は、発光のパターンを示す制御信号を光源に出力し、状態情報と対応するパターンを持つ光を光源に発生させてもよい。
【0142】
検査対象の種類に応じた型番が検査対象に与えられる。また、シリアル番号が検査対象の個体に与えられる。検査対象Aの型番が検査対象Bの型番と同じである場合、検査対象Aおよび検査対象Bは同種の検査対象である。検査対象Aの型番が検査対象Bの型番と同じであり、かつ検査対象Aのシリアル番号が検査対象Bのシリアル番号と異なる場合、検査対象Aおよび検査対象Bは同種の検査対象であり、かつ互いに異なる個体である。
【0143】
例えば、解析部701は、検査対象A1の過去の検査における検査情報を解析し、かつ検査対象A1の最新の検査における検査情報を解析する。検査対象A1の最新の検査における検査情報が存在し、かつ検査対象A1の過去の検査における検査情報が存在しない場合がある。その場合、解析部701は、検査対象A2の過去の検査における検査情報を解析し、かつ検査対象A1の最新の検査における検査情報を解析する。検査対象A1の型番は検査対象A2の型番と同じである。検査対象A1のシリアル番号は検査対象A2のシリアル番号と異なる。つまり、検査対象A1および検査対象A2は同種の検査対象であり、かつ互いに異なる個体である。
【0144】
本発明の各態様の検査解析方法は、挿入部2(内視鏡)を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する方法を提供する。その操作は、挿入部2の第1の操作と、挿入部2の先端部20に配置された撮像素子200によって生成された画像に関する第2の操作とを含む。検査解析方法は、解析ステップ、予測ステップ、および出力ステップを有する。解析部701は、解析ステップ(ステップS202)において、その操作に関する検査情報を解析し、その操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する。第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示す。第2の操作データは、第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す。予測部702は、予測ステップ(ステップS203)において、第1の操作データと第2の操作データとを比較し、検査対象の状態を予測する。出力部302は、出力ステップ(ステップS106)において、検査対象の状態を示す状態情報を表示部5(報知装置)に出力する。
【0145】
本発明の各態様の検査解析システムは、サーバー7(検査解析装置)および内視鏡装置1を有する。サーバー7は、解析部701、予測部702、および通信部72(第1の通信部)を有する。解析部701は、ユーザーが実施した操作に関する検査情報を解析し、その操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する。予測部702は、第1の操作データと第2の操作データとを比較し、検査対象の状態を予測する。通信部72は、検査情報を内視鏡装置1から受信し、かつ検査対象の状態を示す状態情報を内視鏡装置1に送信する。内視鏡装置1は、挿入部2(内視鏡)、通信部33(第2の通信部)、および出力部302を有する。通信部33は、検査情報をサーバー7に送信し、かつ状態情報をサーバー7から受信する。出力部302は、状態情報を表示部5(報知装置)に出力する。
【0146】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。解析部701は、解析ステップ(ステップS202)において、ユーザーが操作を実施したときに検査対象に挿入されている挿入部2(内視鏡)の部分の長さを示す挿入量を算出する。予測部702は、予測ステップ(ステップS203)において、挿入量を基準にすることにより第1の操作データと第2の操作データとを比較する。
【0147】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。解析部701は、解析ステップ(ステップS202)において、挿入量に基づいて検査の開始タイミングと検査の終了タイミングとを判断する。解析部701は、解析ステップにおいて、第1の検査の開始タイミングから第1の検査の終了タイミングまでに生成された検査情報を解析し、かつ第1の操作データを生成する。解析部701は、解析ステップにおいて、第2の検査の開始タイミングから第2の検査の終了タイミングまでに生成された検査情報を解析し、かつ第2の操作データを生成する。
【0148】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。第1の操作データおよび第2の操作データは、内視鏡の湾曲回数、内視鏡の湾曲量、および挿入量の少なくとも1つを含む。挿入量は、ユーザーが操作を実施したときに検査対象に挿入されている挿入部2(内視鏡)の部分の長さを示す。
【0149】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。内視鏡は、リールに巻かれた状態で収納することができる。挿入量は、リールから引き出されている内視鏡の部分の長さを示す。
【0150】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。第1の操作データおよび第2の操作データは、静止画を取得した回数、画像を使用する計測を実行した回数、および計測の結果の少なくとも1つを含む。
【0151】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。第2の検査における検査対象の種類は、第1の検査における検査対象の種類と同じである。第2の検査における検査対象の個体は、第1の検査における検査対象の個体と同じである、または異なる。
【0152】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。第2の検査が終了した後、出力部302は、出力ステップ(ステップS106)において状態情報を表示部5(報知装置)に出力する。
【0153】
第1の実施形態において、解析部701は、検査情報を解析し、かつ操作データを生成する。予測部702は、操作データに基づいて検査対象の状態を予測する。そのため、検査解析システム10は、画像を必要とせずに検査結果を解析することができる。ユーザーは、検査対象の状態を確認することができる。
【0154】
検査情報のデータ量は画像のデータ量よりも小さい。そのため、ネットワーク上のサーバーを使用するサービスにおける課金額が抑制される。ユーザーの操作の内容を取得するためには検査情報の解析が必要である。そのため、検査情報の機密性は、画像の機密性よりも高い。
【0155】
(第1の実施形態の変形例)
本発明の第1の実施形態の変形例を説明する。図3に示す内視鏡装置1は、図13に示す内視鏡装置1a(検査解析装置)に変更される。図13は、内視鏡装置1aの構成を示す。図3に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0156】
図3に示す本体部3は、図13に示す本体部3aに変更される。本体部3aにおいて、図3に示す制御部30は、図13に示す制御部30aに変更される。制御部30aは、装置制御部300、計測部301、出力部302、解析部303、および予測部304を有する。
【0157】
制御部30aは、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。制御部30aは、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御部30aは、1つまたは複数の論理回路を含んでもよい。
【0158】
解析部303は、図4に示す解析部701の機能と同様の機能を持つ。解析部303は、記憶部32に記憶されている検査情報を解析し、操作データを生成する。解析部303は、過去の検査の検査情報を解析し、第1の操作データを生成する。また、解析部303は、最新の検査の検査情報を解析し、第2の操作データを生成する。
【0159】
予測部304は、図4に示す予測部702の機能と同様の機能を持つ。予測部304は、第1の操作データと第2の操作データとを比較し、検査対象の状態を予測する。予測部304は、検査対象の状態を示す状態情報を生成する。
【0160】
第1の実施形態の変形例におけるサーバー7は、図4に示す解析部701および予測部702を有する必要はない。
【0161】
図14を使用することにより、内視鏡装置1aが実行する処理について説明する。図14は、内視鏡装置1aが実行する処理の手順を示す。図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0162】
検査が終了したと装置制御部300がステップS103において判断した場合、解析部303は解析処理を実行する(ステップS110)。ステップS110における解析処理は、図7に示す解析処理と同じである。
【0163】
ステップS110の後、予測部304は、第1の操作データと第2の操作データとを比較し、検査対象の状態を予測する。予測部304は、検査対象の状態を示す状態情報を生成する(ステップS111)。ステップS111における処理は、図6に示すステップS203における処理と同じである。ステップS111の後、ステップS106が実行される。
【0164】
サーバー7は、図6に示すステップS201からステップS204を実行する必要はない。内視鏡装置1の記憶部32は、検査フォルダのテンプレートを予め記憶してもよい。したがって、サーバー7は、図6に示すステップS200を実行する必要はない。
【0165】
本発明の各態様の検査解析装置は、解析部303、予測部304、および出力部302を有する。解析部303は、操作に関する検査情報を解析し、その操作の内容を示す操作データを生成する。予測部304は、第1の操作データと第2の操作データとを比較し、検査対象の状態を予測する。第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示す。第2の操作データは、第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す。出力部302は、検査対象の状態を示す状態情報を表示部5(報知装置)に出力する。
【0166】
第1の実施形態の変形例において、解析部303は、検査情報を解析し、かつ操作データを生成する。予測部304は、操作データに基づいて検査対象の状態を予測する。そのため、内視鏡装置1aは、画像を必要とせずに検査結果を解析することができる。ユーザーは、検査対象の状態を確認することができる。
【0167】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を説明する。検査解析システム10は、検査におけるユーザーの技量に関する情報をユーザーに報知するサービスを提供する。
【0168】
図4に示すサーバー7は、図15に示すサーバー7b(検査解析装置)に変更される。図15は、サーバー7bの構成を示す。図4に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0169】
図4に示す制御部70は、図15に示す制御部70bに変更される。制御部70bは、サーバー制御部700および解析部701を有する。
【0170】
制御部70bは、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。制御部70bは、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御部70bは、1つまたは複数の論理回路を含んでもよい。
【0171】
解析部701は、検査情報を解析し、操作データを生成する。操作データは、検査においてユーザーが実施した操作の内容を示す。
【0172】
操作データは、湾曲回数、湾曲量、挿入量、および挿入時間の少なくとも1つを含む。湾曲回数、湾曲量、挿入量、および挿入時間は、挿入部2に関する第1の操作の内容を示す。挿入時間は、挿入部2が検査対象に挿入されている時間の長さを示す。
【0173】
例えば、挿入時間は、挿入部2が検査対象に挿入されたタイミングから挿入部2が検査対象の最深部に到達するまでの時間の長さを示す。あるいは、挿入時間は、挿入部2が検査対象の最深部から検査対象外に引き抜かれるまでの時間の長さを示す。挿入時間は、挿入量の時間変化に基づいて算出されてもよい。ユーザーが挿入時間を設定してもよい。
【0174】
また、操作データは、静止画取得回数、計測実行回数、計測結果、静止画取得時間、計測実行時間、およびパラメーター設定回数の少なくとも1つを含む。静止画取得回数、計測実行回数、計測結果、静止画取得時間、計測実行時間、およびパラメーター設定回数は、画像に関する第2の操作の内容を示す。
【0175】
静止画取得時間は、静止画を取得するために要した時間の長さを示す。例えば、2枚以上の静止画が取得される場合、静止画取得時間は、挿入量がほぼ一定であるときに静止画が最初に取得されたタイミングから静止画が最後に取得されたタイミングまでの時間の長さを示す。
【0176】
計測実行時間は、計測を実行するために要した時間の長さを示す。例えば、計測が2回以上実行される場合、計測実行時間は、挿入量がほぼ一定であるときに計測が最初に実行されたタイミングから計測が最後に実行されたタイミングまでの時間の長さを示す。
【0177】
パラメーター設定回数は、画像処理のパラメーターを設定した回数を示す。画像処理のパラメーターは、画像の明るさ、エンハンスの強度、およびノイズリダクションの強度の少なくとも1つに使用されるパラメーターを示す。
【0178】
解析部701は、静止画取得回数、計測実行回数、計測結果、静止画取得時間、計測実行時間、およびパラメーター設定回数の全てを算出してもよい。解析部701は、静止画取得回数、計測実行回数、計測結果、静止画取得時間、計測実行時間、およびパラメーター設定回数の一部のみを算出してもよい。
【0179】
解析部701は、過去の検査の検査情報を解析し、第1の操作データを生成する。また、解析部701は、最新の検査の検査情報を解析し、第2の操作データを生成する。通信部72は、解析部701によって生成された第1の操作データおよび第2の操作データを内視鏡装置1に送信する。
【0180】
検査の手順は予め定められている。ユーザー間の技量が均一である場合、操作の内容は、異なる検査間で変化しないと期待される。しかしながら、ユーザー間の技量が均一ではなく、異なる検査間で操作の内容が変化する場合がある。解析部701は、検査情報を解析することにより、操作の変化を検出する。
【0181】
内視鏡装置1の構成に関して、第1の実施形態における部分と異なる部分を説明する。ユーザーは、操作部4を操作することにより、パラメーター設定指示を内視鏡装置1に入力する。パラメーター設定指示は、画像処理のパラメーターを設定する指示を示す。パラメーター設定指示が操作部4から出力されたとき、装置制御部300は画像処理のパラメーターを設定する。装置制御部300は、湾曲指示、静止画取得指示、計測指示、パラメーター設定指示、センサ情報、および時刻情報を含む検査情報を生成する。
【0182】
通信部33は、サーバー7bから送信された第1の操作データおよび第2の操作データを受信する。出力部302は、第1の操作データおよび第2の操作データを表示部5に出力することにより、第1の操作データおよび第2の操作データを表示部5に表示する。
【0183】
図16を使用することにより、内視鏡装置1が実行する処理について説明する。図16は、内視鏡装置1が実行する処理の手順を示す。図5に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0184】
ステップS104の後、装置制御部300は、通信部33を制御することにより、第1の操作データおよび第2の操作データをサーバー7bから受信する(ステップS120)。
【0185】
ステップS120の後、出力部302は、ステップS120において受信された第1の操作データおよび第2の操作データを表示部5に出力する(ステップS121)。表示部5は、第1の操作データおよび第2の操作データを表示する。例えば、検査が終了したとき、ステップS121が実行される。ステップS121が実行されたとき、図16に示す処理が終了する。
【0186】
図17を使用することにより、サーバー7bが実行する処理について説明する。図17は、サーバー7bが実行する処理の手順を示す。図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0187】
ステップS202の後、サーバー制御部700は、通信部72を制御することにより、ステップS202において生成された第1の操作データおよび第2の操作データを内視鏡装置1に送信する(ステップS220)。ステップS220が実行されたとき、図17に示す処理が終了する。
【0188】
図18を使用することにより、表示部5に表示された操作データについて説明する。図18は、表示部5に表示された操作データの例を示す。内視鏡装置1は、操作データを表示部5に表示することにより、ユーザーによる自身の技量の判断を支援する。
【0189】
第1の操作データOD20は、過去の検査における操作データを示す。第2の操作データOD21は、最新の検査における操作データを示す。第1の操作データOD20および第2の操作データOD21は、湾曲量、静止画取得回数、計測実行回数、および挿入量を示す。
【0190】
湾曲量および挿入量の関係は、グラフとして示されている。グラフにおける横軸は挿入量を示し、グラフにおける縦軸は湾曲量を示す。挿入量は、検査対象における位置と対応する。解析部701は、挿入量を基準にすることにより第1の操作データと第2の操作データとを互いに関連付ける。互いに関連付けられた第1の操作データおよび第2の操作データが表示部5に表示される。
【0191】
図18に示す例では、第1の操作データOD20および第2の操作データOD21は垂直方向に並んでいる。第1の挿入量および第2の挿入量が同じ値を持つ場合、その値における第1の挿入量の水平位置は、その値における第2の挿入量の水平位置と同じである。第1の挿入量は、第1の操作データOD20における挿入量を示す。第2の挿入量は、第2の操作データOD21における挿入量を示す。ユーザーは、第1の操作データOD20および第2の操作データOD21を容易に比較することができる。
【0192】
第1の操作データOD20が示すグラフの区間SC20および区間SC21において湾曲量が比較的大きい。区間SC20においてマークMK20およびマークMK21が示されている。区間SC21においてマークMK22およびマークMK23が示されている。
【0193】
マークMK20およびマークMK22は、過去の検査において静止画が取得された位置を示す。マークMK21およびマークMK23は、過去の検査において計測が実行された位置を示す。区間SC20において、マークMK20が示すように静止画が2回取得され、かつマークMK21が示すように計測が1回実行される。区間SC21において、マークMK22が示すように静止画が2回取得され、かつマークMK23が示すように計測が1回実行される。
【0194】
第2の操作データOD21が示すグラフの区間SC22において湾曲量が比較的大きい。区間SC22においてマークMK24およびマークMK25が示されている。
【0195】
マークMK24は、最新の検査において静止画が取得された位置を示す。マークMK25は、最新の検査において計測が実行された位置を示す。区間SC22において、マークMK24が示すように静止画が3回取得され、かつマークMK25が示すように計測が1回実行される。
【0196】
ユーザーは、第1の操作データOD20および第2の操作データOD21を比較し、自身の技量を判断する。過去の検査が実施されたとき、区間SC20において静止画が2回取得される。最新の検査が実施されたとき、区間SC20と対応する区間SC22において静止画が4回取得される。最新の検査における静止画取得回数が過去の検査における静止画取得回数よりも大きい。そのため、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。区間SC22の直前において湾曲量の変動が大きい。そのため、静止画が取得される直前のカメラの位置決めが不安定であることが予想できる。区間SC22においても湾曲量の変動が見られ、ユーザーが静止画の取得を繰り返す。そのため、ユーザーは自身の技量が低いと判断してもよい。
【0197】
ユーザーは、計測実行回数に基づいて自身の技量を判断してもよい。例えば、最新の検査における計測実行回数が過去の検査における計測実行回数よりも大きい場合、計測の失敗回数が多いことが予想される。そのため、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。
【0198】
過去の検査が実施されたとき、区間SC21において静止画が取得され、かつ計測が実行される。最新の検査が実施されたとき、区間SC21と対応する区間SC23において静止画は取得されず、かつ計測は実行されていない。そのため、ユーザーは、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生した可能性があると判断してもよい。
【0199】
多くの場合においてユーザーは、湾曲部21が湾曲している状態で検査部位を確認する。過去の検査が実施されたとき、区間SC21において湾曲量が比較的大きい。最新の検査が実施されたとき、区間SC21と対応する区間SC23において湾曲量は小さい。そのため、ユーザーは、検査部位の見落としまたは傷の見落としが発生した可能性があると判断してもよい。
【0200】
第1の操作データおよび第2の操作データは、検査の全体における湾曲回数を示してもよい。あるいは、第1の操作データおよび第2の操作データは、挿入量がほぼ一定であるときの湾曲回数を示してもよい。ユーザーは、湾曲回数に基づいて自身の技量を判断してもよい。挿入部2の挿入時に先端部20が検査対象内の構造に接触し、挿入部2の進行が妨害される場合がある。そのため、ユーザーは、湾曲部21を湾曲させながら挿入部2を検査対象に挿入する。例えば、最新の検査における挿入量に対する湾曲回数が過去の検査における挿入量に対する湾曲回数よりも大きい場合、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。
【0201】
第1の操作データおよび第2の操作データは、1つの湾曲方向に関する湾曲回数を示してもよい。例えば、その湾曲回数が2回以上である場合、ユーザーが湾曲部21を同じ方向に繰り返し湾曲させた可能性がある。この場合、ユーザーが湾曲のための操作をうまく実施することができなかったことが予想される。そのため、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。
【0202】
第1の操作データおよび第2の操作データは、静止画取得時間または計測実行時間を示してもよい。ユーザーは、静止画取得時間または計測実行時間に基づいて自身の技量を判断してもよい。例えば、最新の検査における静止画取得時間または計測実行時間が過去の検査における静止画取得時間または計測実行時間よりも長い場合、ユーザーの技量が低いと必ずしも判断できるわけではない。しかしながら、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。
【0203】
第1の操作データおよび第2の操作データは、パラメーター設定回数を示してもよい。ユーザーは、パラメーター設定回数に基づいて自身の技量を判断してもよい。例えば、最新の検査におけるパラメーター設定回数が過去の検査におけるパラメーター設定回数よりも大きい場合、ユーザーがパラメーターの設定に失敗したことが予想される。そのため、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。
【0204】
第1の操作データおよび第2の操作データは、挿入量の時間変化を示してもよい。ユーザーは、挿入量の時間変化に基づいて自身の技量を判断してもよい。例えば、挿入量が変化しない時間が長い場合、静止画の取得または計測の実行のために長い時間を要している可能性がある。そのため、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。挿入量の増加および減少が繰り返される場合、ユーザーの無駄な操作が多いことが予想される。そのため、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。
【0205】
解析部701は、挿入量の時間変化に基づいて挿入時間を算出してもよい。例えば、挿入量が0から増加したとき、挿入が開始されたと解析部701は判断する。挿入量が増加し続けている間、挿入が継続していると解析部701は判断する。挿入量の増加が停止したとき、挿入部2の先端部20が所定の位置に到達したと解析部701は判断する。解析部701は、挿入量が増加し続ける時間の長さを算出することにより挿入時間を算出してもよい。挿入部2が検査対象の最深部まで挿入された後、ユーザーが挿入部2を引き抜きながら検査を実施する場合がある。挿入部2が検査対象の最深部に到達した後、解析部701は、挿入量が減少し続ける時間の長さを算出することにより挿入時間を算出してもよい。
【0206】
解析部701は、過去の検査における挿入時間の長さを示す第1の操作データを生成してもよい。解析部701は、最新の検査における挿入時間の長さを示す第2の操作データを生成してもよい。ユーザーは、挿入時間の長さに基づいて自身の技量を判断してもよい。例えば、最新の検査における挿入時間が過去の検査における挿入時間よりも長い場合、ユーザーは、自身の技量が低いと判断してもよい。
【0207】
解析部701は、第1の操作データおよび第2の操作データを含むレポートを生成してもよい。内視鏡装置1は、レポートを表示部5に表示することにより、ユーザーによる自身の技量の判断を支援してもよい。図19は、レポートの例を示す。
【0208】
図19に示すレポートRP20は、第1の操作データOD22および第2の操作データOD23を含む。レポートRP20は、表の形式を持つ。レポートRP20は、第1の操作データOD22および第2の操作データOD23における各項目の値を示す。レポートRP20において、過去の検査における第1の操作データOD22の項目の値と、最新の検査における第2の操作データOD23の項目の値とが並べられている。
【0209】
出力部302は、第1の操作データおよび第2の操作データのいずれか一方のみを表示部5に出力してもよい。例えば、通信部33は、ステップS120において、第2の操作データのみをサーバー7bから受信してもよい。出力部302は、ステップS121において、第2の操作データを表示部5に出力してもよい。ユーザーは、第2の操作データのみに基づいて、自身が検査を所定の手順に従って実施したか否かを判断してもよい。
【0210】
通信部33は、ステップS100において、検査フォルダのテンプレートと第1の操作データとをサーバー7bから受信してもよい。ステップS101の前に出力部302は第1の操作データを表示部5に出力してもよい。ユーザーは、第1の操作データを参照しながら検査を実施してもよい。第1の操作データの各項目の値は、過去の2回以上の検査における平均値である必要はなく、1回の検査における値であってもよい。例えば、初心者がトレーニングを受けるとき、初心者は、熟練者が実施した検査における第1の操作データを参照することができる。
【0211】
本発明の各態様の検査解析方法は、挿入部2(内視鏡)を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する方法を提供する。その操作は、挿入部2の第1の操作と、挿入部2の先端部20に配置された撮像素子200によって生成された画像に関する第2の操作とを含む。検査解析方法は、解析ステップおよび出力ステップを有する。解析部701は、解析ステップ(ステップS202)において、その操作に関する検査情報を解析し、その操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する。第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示す。第2の操作データは、第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す。出力部302は、出力ステップ(ステップS121)において、第1の操作データおよび第2の操作データを表示部5(報知装置)に出力する。
【0212】
本発明の各態様の検査解析システムは、サーバー7b(検査解析装置)および内視鏡装置1を有する。サーバー7bは、解析部701および通信部72(第1の通信部)を有する。解析部701は、ユーザーが実施した操作に関する検査情報を解析し、その操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する。通信部72は、検査情報を内視鏡装置1から受信し、かつ第1の操作データおよび第2の操作データを内視鏡装置1に送信する。内視鏡装置1は、挿入部2(内視鏡)、通信部33(第2の通信部)、および出力部302を有する。通信部33は、検査情報をサーバー7bに送信し、かつ第1の操作データおよび第2の操作データをサーバー7bから受信する。出力部302は、第1の操作データおよび第2の操作データを表示部5(報知装置)に出力する。
【0213】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。解析部701は、解析ステップ(ステップS202)において、ユーザーが操作を実施したときに検査対象に挿入されている挿入部2(内視鏡)の部分の長さを示す挿入量を算出する。解析部701は、解析ステップにおいて、挿入量を基準にすることにより第1の操作データと第2の操作データとを互いに関連付ける。
【0214】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。第1の操作データおよび第2の操作データは、内視鏡の湾曲回数、内視鏡の湾曲量、挿入量、および挿入時間の少なくとも1つを含む。挿入時間は、挿入部2が検査対象に挿入されている時間の長さを示す。挿入量は、ユーザーが操作を実施したときに検査対象に挿入されている挿入部2(内視鏡)の部分の長さを示す。
【0215】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。内視鏡は、リールに巻かれた状態で収納することができる。挿入量は、リールから引き出されている内視鏡の部分の長さを示す。
【0216】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。第1の操作データおよび第2の操作データは、静止画を取得した回数、画像を使用する計測を実行した回数、静止画を取得するために要した時間の長さ、計測を実行するために要した時間の長さ、および画像を使用する画像処理のパラメーターを設定した回数の少なくとも1つを含む。
【0217】
本発明の各態様は、次の変形例を含んでもよい。第2の検査が終了した後、出力部302は、出力ステップ(ステップS121)において第1の操作データおよび第2の操作データを表示部5(報知装置)に出力する。
【0218】
本発明の各態様の検査解析方法は、挿入部2(内視鏡)を検査対象に挿入することにより実施された検査においてユーザーが実施した操作を解析する方法を提供する。検査解析方法は、解析ステップおよび出力ステップを有する。解析部701は、解析ステップ(ステップS202)において、ユーザーが実施した操作に関する検査情報を解析し、その操作の内容を示す操作データを生成する。出力部302は、出力ステップ(ステップS121)において、操作データを表示部5(報知装置)に出力する。
【0219】
第2の実施形態において、解析部701は、検査情報を解析し、かつ操作データを生成する。出力部302は、操作データを表示部5に出力する。そのため、検査解析システム10は、画像を必要とせずに検査結果を解析することができる。ユーザーは、過去に実施された検査における操作の内容と、最新の検査における操作の内容とを比較することができる。ユーザーは、比較結果に基づいて自身の技量を判断することができる。
【0220】
(第2の実施形態の変形例)
本発明の第2の実施形態の変形例を説明する。図3に示す内視鏡装置1は、図20に示す内視鏡装置1c(検査解析装置)に変更される。図20は、内視鏡装置1cの構成を示す。図3に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0221】
図3に示す本体部3は、図20に示す本体部3cに変更される。本体部3cにおいて、図3に示す制御部30は、図20に示す制御部30cに変更される。制御部30cは、装置制御部300、計測部301、出力部302、および解析部303を有する。
【0222】
制御部30cは、プロセッサおよび論理回路の少なくとも1つで構成される。制御部30cは、1つまたは複数のプロセッサを含んでもよい。制御部30cは、1つまたは複数の論理回路を含んでもよい。
【0223】
解析部303は、図4に示す解析部701の機能と同様の機能を持つ。解析部303は、記憶部32に記憶されている検査情報を解析し、操作データを生成する。解析部303は、過去の検査の検査情報を解析し、第1の操作データを生成する。また、解析部303は、最新の検査の検査情報を解析し、第2の操作データを生成する。
【0224】
第2の実施形態の変形例におけるサーバー7bは、図15に示す解析部701を有する必要はない。
【0225】
図21を使用することにより、内視鏡装置1cが実行する処理について説明する。図21は、内視鏡装置1cが実行する処理の手順を示す。図16に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0226】
検査が終了したと装置制御部300がステップS103において判断した場合、解析部303は解析処理を実行する(ステップS110)。ステップS110における解析処理は、図7に示す解析処理と同じである。ステップS110の後、ステップS121が実行される。
【0227】
サーバー7bは、図17に示すステップS201、ステップS202、およびステップS220を実行する必要はない。内視鏡装置1cの記憶部32は、検査フォルダのテンプレートを予め記憶してもよい。したがって、サーバー7bは、図17に示すステップS200を実行する必要はない。
【0228】
本発明の各態様の検査解析装置は、解析部303および出力部302を有する。解析部303は、操作に関する検査情報を解析し、その操作の内容を示す第1の操作データおよび第2の操作データを生成する。第1の操作データは、第1の検査における操作の内容を示す。第2の操作データは、第1の検査が終了した後に実施された第2の検査における操作の内容を示す。出力部302は、第1の操作データおよび第2の操作データを表示部5(報知装置)に出力する。
【0229】
第2の実施形態の変形例において、解析部303は、検査情報を解析し、かつ操作データを生成する。出力部302は、操作データを表示部5に出力する。そのため、内視鏡装置1cは、画像を必要とせずに検査結果を解析することができる。ユーザーは、過去に実施された検査における操作の内容と、最新の検査における操作の内容とを比較することができる。ユーザーは、比較結果に基づいて自身の技量を判断することができる。
【0230】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態およびその変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0231】
1,1a,1c 内視鏡装置
2 挿入部
3,3a,3c 本体部
4 操作部
5 表示部
6 ケーブル
7,7b サーバー
10 検査解析システム
20 先端部
21 湾曲部
30,30a,30c,70,70b 制御部
31 湾曲制御部
32,71 記憶部
33,72 通信部
200 撮像素子
201 センサ
300 装置制御部
301 計測部
302 出力部
303,701 解析部
304,702 予測部
700 サーバー制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21