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特開2023-113337情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113337
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/38 20120101AFI20230808BHJP
【FI】
G06Q20/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015630
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】宮本 圭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 聡彦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 夏男
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA71
(57)【要約】
【課題】円滑な価値情報の収納を実現する。
【解決手段】資金移動業者により管理されるユーザのアカウントから所定の請求額を収納するための、収納業者の第1情報処理システムに対応する第1のデータ形式で生成される第1請求データを、第1情報処理システムから取得する第1請求データ取得部と、第1請求データを、資金移動業者の第2情報処理システムに対応する第2のデータ形式の第2請求データに変換する形式変換部と、アカウントから請求額を減額させる減額処理を実行させるための減額要求を第2情報処理システムに送信する減額要求送信部と、第2情報処理システムから減額処理の結果を示す減額結果データを取得する減額結果データ取得部と、減額結果データに基づいて、資金移動業者から収納業者に請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを第1情報処理システムに送信する移動指示データ送信部と、を備える情報処理システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
資金移動業者により管理されるユーザのアカウントから所定の請求額を収納するための請求データであって、前記所定の請求額を収納する収納業者の第1情報処理システムに対応する第1のデータ形式で生成される前記請求データである第1請求データを、前記第1情報処理システムから取得する第1請求データ取得部と、
前記第1請求データを、前記資金移動業者の第2情報処理システムに対応するデータ形式であって、前記第1のデータ形式とは異なるデータ形式である第2のデータ形式の第2請求データに変換する形式変換部と、
前記第2請求データに基づき前記アカウントから前記所定の請求額を減額させる減額処理を実行させるための減額要求を、前記第2情報処理システムに送信する減額要求送信部と、
前記第2情報処理システムから前記減額処理の結果を示す減額結果データを取得する減額結果データ取得部と、
前記減額結果データに基づいて、前記資金移動業者から前記収納業者に前記所定の請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを、前記第1情報処理システムに送信する移動指示データ送信部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記第1請求データが示す請求額と、前記減額要求が示す請求額と、が合致するか否かを判定する第1判定部をさらに備え、
前記減額要求送信部は、前記第1判定部において合致すると判定される場合、前記減額要求を前記第2情報処理システムに送信する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1請求データが示す請求額又は前記減額要求が示す請求額の少なくともいずれかと、前記移動指示データが示す請求額と、が合致するか否かを判定する第2判定部をさらに備え、
前記移動指示データ送信部は、前記第2判定部において合致すると判定される場合、前記移動指示データを前記第1情報処理システムに送信する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1請求データ又は前記第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、前記アカウントから前記所定の請求額の収納が可能か否かを判定するための可否判定用データを生成する可否判定用データ生成部と、
前記可否判定用データを前記第2情報処理システムに送信する可否判定用データ送信部と、
前記可否判定用データに基づく判定結果を前記第2情報処理システムから取得して、前記アカウントから前記所定の請求額の収納が可能か否かを判定する収納可否判定部と、
をさらに備え、
前記減額要求送信部は、前記収納可否判定部において前記所定の請求額の収納が可能と判定される場合、前記減額要求を前記第2情報処理システムに送信する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記収納可否判定部において、前記アカウントから前記所定の請求額の収納が可能でないと判定される場合、前記ユーザの口座から前記所定の請求額を収納するための請求データである第3請求データを生成する第3請求データ生成部と、
前記第3請求データを前記第1情報処理システムに送信する第3請求データ送信部と、
をさらに備える請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記可否判定用データ生成部は、前記第1請求データ又は前記第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、前記第2情報処理システムに前記アカウントが存在するか否かを判定するための可否判定用データを生成する、請求項4又は5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記可否判定用データ生成部は、前記第1請求データ又は前記第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、前記所定の請求額に対応する残高が前記アカウントにあるか否かを判定するための可否判定用データを生成する、請求項4~6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記減額要求に基づく前記減額処理が正常に行われなかったことを示すエラー情報を、前記第2情報処理システムから取得するエラー取得部と、
前記エラー情報を取得した場合、前記ユーザの口座から前記所定の請求額を収納するための請求データである第3請求データを生成する第3請求データ生成部と、
前記第3請求データを前記第1情報処理システムに送信する第3請求データ送信部と、
をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記移動指示データ送信部は、全銀協規定フォーマットのデータ形式で生成される前記移動指示データを、前記第1情報処理システムに送信する、請求項1~8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータが、
資金移動業者により管理されるユーザのアカウントから所定の請求額を収納するための請求データであって、前記所定の請求額を収納する収納業者の第1情報処理システムに対応する第1のデータ形式で生成される前記請求データである第1請求データを、前記第1情報処理システムから取得し、
前記第1請求データを、前記資金移動業者の第2情報処理システムに対応するデータ形式であって、前記第1のデータ形式とは異なるデータ形式である第2のデータ形式の第2請求データに変換し、
前記第2請求データに基づき前記アカウントから前記所定の請求額を減額させる減額処理を実行させるための減額要求を、前記第2情報処理システムに送信し、
前記第2情報処理システムから前記減額処理の結果を示す減額結果データを取得し、
前記減額結果データに基づいて、前記資金移動業者から前記収納業者に前記所定の請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを、前記第1情報処理システムに送信する、
情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
資金移動業者により管理されるユーザのアカウントから所定の請求額を収納するための請求データであって、前記所定の請求額を収納する収納業者の第1情報処理システムに対応する第1のデータ形式で生成される前記請求データである第1請求データを、前記第1情報処理システムから取得する第1請求データ取得部と、
前記第1請求データを、前記資金移動業者の第2情報処理システムに対応するデータ形式であって、前記第1のデータ形式とは異なるデータ形式である第2のデータ形式の第2請求データに変換する形式変換部と、
前記第2請求データに基づき前記アカウントから前記所定の請求額を減額させる減額処理を実行させるための減額要求を、前記第2情報処理システムに送信する減額要求送信部と、
前記第2情報処理システムから前記減額処理の結果を示す減額結果データを取得する減額結果データ取得部と、
前記減額結果データに基づいて、前記資金移動業者から前記収納業者に前記所定の請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを、前記第1情報処理システムに送信する移動指示データ送信部と、
を実現させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット等の各種ネットワークを介して、電子マネー等の価値情報を送金し、所定の請求額を収納する技術が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のプログラムでは、請求情報をユーザに提供し、ユーザの操作に基づいて、請求情報が示す請求額を支払うための決済処理を電子マネー等の送金により実行する。これにより、当該プログラムでは所定のアカウントからの価値情報を送金し、所定の請求額の収納を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6880165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のプログラムでは、決済処理の実行に際してユーザの操作を要求するため、円滑な価値情報の収納を実現できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、円滑な価値情報の収納を実現する情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、資金移動業者により管理されるユーザのアカウントから所定の請求額を収納するための請求データであって、所定の請求額を収納する収納業者の第1情報処理システムに対応する第1のデータ形式で生成される請求データである第1請求データを、第1情報処理システムから取得する第1請求データ取得部と、第1請求データを、資金移動業者の第2情報処理システムに対応するデータ形式であって、第1のデータ形式とは異なるデータ形式である第2のデータ形式の第2請求データに変換する形式変換部と、第2請求データに基づきアカウントから所定の請求額を減額させる減額処理を実行させるための減額要求を、第2情報処理システムに送信する減額要求送信部と、第2情報処理システムから減額処理の結果を示す減額結果データを取得する減額結果データ取得部と、減額結果データに基づいて、資金移動業者から収納業者に所定の請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを、第1情報処理システムに送信する移動指示データ送信部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、資金移動業者により管理されるユーザのアカウントから所定の請求額を収納するための請求データであって、所定の請求額を収納する収納業者の第1情報処理システムに対応する第1のデータ形式で生成される請求データである第1請求データを、第1情報処理システムから取得し、第1請求データを、資金移動業者の第2情報処理システムに対応するデータ形式であって、第1のデータ形式とは異なるデータ形式である第2のデータ形式の第2請求データに変換し、第2請求データに基づきアカウントから所定の請求額を減額させる減額処理を実行させるための減額要求を、第2情報処理システムに送信し、第2情報処理システムから減額処理の結果を示す減額結果データを取得し、減額結果データに基づいて、資金移動業者から収納業者に所定の請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを、第1情報処理システムに送信する。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、資金移動業者により管理されるユーザのアカウントから所定の請求額を収納するための請求データであって、所定の請求額を収納する収納業者の第1情報処理システムに対応する第1のデータ形式で生成される請求データである第1請求データを、第1情報処理システムから取得する第1請求データ取得部と、第1請求データを、資金移動業者の第2情報処理システムに対応するデータ形式であって、第1のデータ形式とは異なるデータ形式である第2のデータ形式の第2請求データに変換する形式変換部と、第2請求データに基づきアカウントから所定の請求額を減額させる減額処理を実行させるための減額要求を、第2情報処理システムに送信する減額要求送信部と、第2情報処理システムから減額処理の結果を示す減額結果データを取得する減額結果データ取得部と、減額結果データに基づいて、資金移動業者から収納業者に所定の請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを、第1情報処理システムに送信する移動指示データ送信部と、を実現させる。
【0010】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、円滑な価値情報の収納を実現する情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態である収納処理システム100の構成を示す図である。
図2】記憶部111に記憶される第1請求データの例を示す図である。
図3】記憶部111に記憶される第2請求データの例を示す図である。
図4】記憶部111に記憶される可否判定用データの例を示す図である。
図5】記憶部111に記憶される減額結果データの例を示す図である。
図6】記憶部111に記憶される移動指示データの例を示す図である。
図7】収納処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
図8A】収納処理システム100における第3請求データ生成処理の例を示すフローチャートである。
図8B】収納処理システム100におけるエラー情報を取得した場合の第3請求データ生成処理の例を示すフローチャートである。
図9】コンピュータ900のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態である収納処理システム100の構成を示す図である。
【0014】
収納処理システム100は、第1情報処理システム200及び第2情報処理システム300とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されるシステムである。
【0015】
収納処理システム100は、例えば、収納業者がユーザから価値情報で所定の請求額を収納できるように、収納業者と資金移動業者との間において、データ形式を変換する処理、及び収納が可能であるか否かを判定する処理を実行する。これにより、収納処理システム100は、収納業者及びユーザの決済に関する利便性を向上させ、円滑な価値情報の収納を実現できる。収納処理システム100の詳細については後述する。
【0016】
第1情報処理システム200は、例えば、収納業者の情報処理システムである。収納業者は、第1情報処理システム200を用いて、ユーザに所定の請求を行う請求者に代わって、ユーザから所定の請求額を収納し、収納した金額を請求者に提供する。具体的には、収納業者は、例えば、ユーザが契約しているサブスクリプション型のサービスの支払いについて、サービス提供業者に代わって、ユーザの口座等から所定の請求額(例えば、月額料金)を収納し、収納した請求金額をサービス提供業者の口座に振り込む。
【0017】
第2情報処理システム300は、例えば、資金移動業者の情報処理システムである。資金移動業者は、第2情報処理システム300を用いて、銀行等を経由した所定の方法によりユーザから金銭を取得し、対応する金額の価値情報(例えば、電子マネーやポイント)をユーザのアカウントに付与する。すなわち、資金移動業者は、ユーザが保有する電子マネーやポイントを管理し、必要に応じて電子マネーやポイントを用いて決済処理等を行う。
【0018】
なお、図1では、1つの第2情報処理システム300が示されているが、第2情報処理システム300は複数であってもよく、当該複数の第2情報処理システム300のそれぞれに、複数の資金移動業者のそれぞれが対応していてもよい。
【0019】
続いて、収納処理システム100の処理の概要について説明する。収納処理システム100は、収納業者の第1情報処理システム200から第1請求データを取得する。収納処理システム100は、第1請求データに基づいて、資金移動業者が管理するユーザのアカウントから所定の請求額を収納する。以下、ユーザのアカウントから所定の請求額を収納する処理を「収納処理」という。
【0020】
具体的には、収納処理システム100は、第1のデータ形式の第1請求データを、第2情報処理システム300に対応する第2のデータ形式の第2請求データに変換する。収納処理システム100は、第2請求データが示す請求額を減額させる減額処理を実行させるための減額要求を、第2情報処理システム300に送信する。すなわち、収納処理システム100は、収納業者が使用するデータ形式の請求データを、資金移動業者が使用するデータ形式の請求データに変換することで、第2情報処理システムによる価値情報の円滑な収納を実現できる。
【0021】
そして、収納処理システム100は、第2情報処理システム300から減額処理の結果を示す減額結果データを取得する。収納処理システム100は、例えば、減額結果データに基づいて、資金移動業者におけるユーザのアカウントから減額処理が可能か否かを判定する。収納処理システム100は、判定結果に基づいて、資金移動業者から収納業者に請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを、第1情報処理システム200に送信する。すなわち、収納処理システム100は、資金移動業者において請求額に対応する価値情報の収納が可能な状態において、資金移動業者から収納業者への確実な請求額の移動を実現できる。
【0022】
次に、収納処理システム100の構成の詳細について説明する。収納処理システム100は、記憶部111、第1請求データ取得部121、形式変換部122、可否判定用データ生成部131、可否判定用データ送信部132、収納可否判定部133、第1判定部134、減額要求送信部135、減額結果データ取得部136、移動指示データ生成部141、第2判定部142、移動指示データ送信部143、エラー取得部151、第3請求データ生成部152、第3請求データ送信部153を備える。収納処理システム100を構成するコンピュータは、プロセッサ及び記憶領域を備える。図1に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0023】
記憶部111は、収納処理システム100が取得及び生成するデータを記憶する。記憶部111は、後述するように、例えば、第1請求データ、第2請求データ、可否判定用データ、減額結果データ、移動指示データ、第3請求データを記憶する。
【0024】
第1請求データ取得部121は、第1情報処理システム200から第1請求データを取得し、記憶部111に格納する。
【0025】
ここで、第1請求データは、資金移動業者により管理されるユーザのアカウントから所定の請求額を収納するための請求データである。第1請求データは、所定の請求額を収納する収納業者の第1情報処理システム200に対応する第1のデータ形式で生成される請求データである。
【0026】
ここで、第1情報処理システム200に対応する第1のデータ形式は、第1情報処理システム200で処理可能なデータ形式であり、例えば、第1情報処理システム200において収納処理又は収納処理に関連する処理が可能なデータ形式である。第1のデータ形式は、例えば、CSV(Comma Separated Value)形式であってもよく、また、全銀協標準通信プロトコルにより企業・銀行相互間のオンラインデータを交換するために全国銀行協会連合会(全銀協)が定めた全銀協規定フォーマットであってもよい。
【0027】
図2は、記憶部111に記憶される第1請求データの例を示す図である。記憶部111に記憶される第1請求データは、例えば、収納ID、請求先情報、アカウント情報、請求額情報、請求元情報を含む。
【0028】
収納IDは、第1情報処理システム200から取得する請求データを識別する情報である。
【0029】
請求先情報は、収納IDに対応付けられる情報であって、収納処理が行われるユーザのアカウントを管理する資金移動業者に関する情報である。請求先情報は、「XXペイ」のように、資金移動業者が提供しているサービスの名称を示す情報であってもよく、また、資金移動業者の名称を示す情報であってもよい。また、請求先情報は、資金移動業者が提供しているサービスの名称若しくは資金移動業者の名称を識別する情報(例えば、4桁の数字の列で構成されるコード)であってもよい。
【0030】
アカウント情報は、収納IDに対応付けられる情報であって、ユーザのアカウントに関する情報である。アカウント情報は、資金移動業者におけるユーザのアカウントを特定可能な情報であればよく、例えば、資金移動業者の支店名を示す支店コードを含む情報であってもよい。
【0031】
請求額情報は、収納処理の対象となる請求額を示す情報である。請求元情報は、収納処理における請求元に関する情報であり、例えば、ユーザが利用するサービス(例えば、「XXペイ」)を示す情報や、当該サービスを提供している事業者(例えば、「XXペイ」を提供する事業者)又は収納業者を示す情報である。
【0032】
なお、第1請求データは、全銀協規定フォーマットで記憶部111に記憶されてもよく、また、全銀協規定フォーマットとは異なるフォーマットで記憶部111に記憶されてもよい。
【0033】
形式変換部122は、第1のデータ形式の第1請求データを、第2情報処理システム300に対応するデータ形式であって、第1のデータ形式とは異なるデータ形式である第2のデータ形式の第2請求データに変換する。形式変換部122は、第2請求データを記憶部111に格納する。ここで、第2情報処理システム300に対応するデータ形式は、第2情報処理システム300で処理可能なデータ形式であり、例えば、第2情報処理システム300において収納処理又は収納処理に関連する処理が可能なデータ形式である。
【0034】
第1情報処理システム200に対応する第1のデータ形式(すなわち、第1情報処理システム200で処理可能な第1のデータ形式)が、第2情報処理システム300に対応する第2のデータ形式(すなわち、第2情報処理システム300で処理可能な第2のデータ形式)と異なる場合、第1情報処理システム200から送信される第1請求データのデータ形式を、第2情報処理システム300で処理可能なデータ形式に変換する必要がある。
【0035】
具体的には、第2情報処理システム300では、例えば、第1のデータ形式(例えば、全銀協規定フォーマット)の第1請求データを処理できない場合がある。そこで、形式変換部122は、第1請求データを、資金移動業者の第2情報処理システム300で処理可能な第2のデータ形式の第2請求データに変換して、第2請求データを第2情報処理システム300に送信する。これにより、第2情報処理システム300は、第2請求データに基づき収納処理を実行することができる。
【0036】
また、形式変換部122は、複数の資金移動業者の第2情報処理システム300のそれぞれに収納処理を要求する場合、それぞれの第2情報処理システム300に対応するデータ形式に、第1請求データを変換することができる。これにより、収納処理システム100は、複数の資金移動業者のそれぞれに対応した収納処理を行うことができる。
【0037】
図3は、記憶部111に記憶される第2請求データの例を示す図である。記憶部111に記憶される第2請求データは、例えば、収納ID、アカウント情報、請求額情報、請求元情報を含む。第2請求データは、図2に示す第1請求データと同様の情報内容であるため、その説明を省略する。
【0038】
可否判定用データ生成部131は、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かを判定するための可否判定用データを生成し、記憶部111に格納する。
【0039】
また、可否判定用データ生成部131は、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、第2情報処理システム300に、収納処理に対応するユーザのアカウントが存在するか否かを判定するための可否判定用データを生成してもよい。この場合、可否判定用データは、ユーザのアカウントに関するアカウント情報を含んでもよい。
【0040】
また、可否判定用データ生成部131は、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、所定の請求額に対応する残高がユーザのアカウントにあるか否かを判定するための可否判定用データを生成してもよい。この場合、可否判定用データは、収納処理の対象となる請求額を示す請求額情報を含んでもよい。
【0041】
なお、可否判定用データ生成部131は、第2請求データを可否判定用データとして記憶部111に格納してもよい。すなわち、収納処理システム100は、第2請求データをそのまま可否判定用データに活用することができ、円滑な価値情報の収納が実現される。
【0042】
また、可否判定用データ生成部131は、第2請求データに含まれる情報のうち、ユーザのアカウントの存否又は当該アカウントにおける残高有無の確認に際して不要な情報(例えば、請求元情報)を除いた情報を、可否判定用データとして生成してもよい。これにより、収納処理システム100は、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かを判定するために必要なデータのみを処理することができ、例えば、収納処理システム100における処理速度の向上やセキュリティの向上が実現される。
【0043】
可否判定用データ送信部132は、可否判定用データを第2情報処理システム300に送信する。
【0044】
ここで、第2情報処理システム300は、可否判定用データに基づいて、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かを判定し、判定結果を収納処理システム100に送信する。具体的には、第2情報処理システム300は、例えば、可否判定用データに含まれるアカウント情報や請求額情報に基づいて、ユーザのアカウントの存否やユーザのアカウントにおける所定の請求額に対応する残高の有無を判定し、当該判定の結果を収納処理システム100に送信する。
【0045】
なお、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かの判定を、収納処理システム100で実行してもよい。この場合、収納処理システム100は、例えば、第2情報処理システム300からユーザのアカウントに対応する残高を示す情報(以下、「残高情報」という。)を取得して、残高情報が示す残高と所定の請求額とを比較することによって、収納が可能か否かの判定を実行してもよい。
【0046】
図4は、記憶部111に記憶される可否判定用データの例を示す図である。記憶部111に記憶される可否判定用データは、例えば、収納ID、アカウント情報、請求額情報を含む。
【0047】
収納可否判定部133は、第2情報処理システム300から取得する判定結果に基づいて、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かを判定する。収納可否判定部133は、第2情報処理システム300から、例えば、「可」、「不可」、「アカウントあり」、「残高あり」等の情報を取得してもよく、また、ユーザのアカウントの残高情報を取得してもよい。
【0048】
収納可否判定部133は、例えば、残高情報と、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに含まれる請求額情報とに基づいて、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かを判定してもよい。
【0049】
収納可否判定部133において、収納が可能であると判定される場合、後述する減額要求送信部135が、減額要求を第2情報処理システム300に送信する。また、収納可否判定部133において、収納が可能でないと判定される場合、後述する第3請求データ送信部153が、後述する第3請求データ生成部152によって生成される第3請求データを第1情報処理システム200に送信する。
【0050】
第1判定部134は、第1請求データが示す請求額と、後述する減額要求送信部135が送信する減額要求が示す請求額とが合致するか否かを判定する。このとき、第1判定部134は、第1請求データが示すユーザのアカウントと、後述する減額要求送信部135が送信する減額要求が示すユーザのアカウントとが合致するか否かを判定してもよい。これにより、第1請求データが示す請求額及びユーザのアカウントに対応する価値情報の収納を、円滑かつ正確に実現することができる。
【0051】
減額要求送信部135は、減額要求を第2情報処理システム300に送信する。ここで、減額処理は、ユーザのアカウントから所定の請求額を減額する処理(すなわち、アカウントから価値情報を減算する処理)である。また、減額要求は、第2請求データが示す請求額を減額させる減額処理を第2情報処理システム300に実行させるための情報である。
【0052】
ここで、第2情報処理システム300は、減額要求に対応する減額処理を実行し、第2請求データが示す請求額をユーザのアカウントから減額する。そして、第2情報処理システム300は、減額処理の結果を示す減額結果データを収納処理システム100に送信する。
【0053】
なお、減額要求送信部135は、減額要求として、第2請求データを第2情報処理システム300に送信してもよい。この場合、第2情報処理システム300が第2請求データに基づいて減額処理を実行する。これにより、収納処理システム100は、第2請求データをそのまま可否判定用データに活用することができ、円滑な価値情報の収納が実現される。
【0054】
また、減額要求送信部135は、第2請求データを所定の形式に変換して、当該変換されたデータを減額要求として、第2情報処理システム300に送信してもよい。これにより、第2情報処理システム300は、第2情報処理システム300において処理可能な形式のデータに基づいて、減額処理を実行することができる。
【0055】
また、減額要求送信部135は、収納可否判定部133において収納が可能と判定される場合に、減額要求を第2情報処理システム300に送信してもよい。
【0056】
また、減額要求送信部135は、第1判定部134において、第1請求データが示す請求額と、減額要求が示す請求額とが合致すると判定される場合に、減額要求を第2情報処理システム300に送信してもよい。
【0057】
また、減額要求送信部135は、収納可否判定部133において収納が可能と判定され、かつ、第1判定部134において、第1請求データが示す請求額と、減額要求が示す請求額とが合致すると判定される場合に、減額要求を第2情報処理システム300に送信してもよい。これにより、収納処理システム100は、所定の請求額を収納できない事態を可及的に回避し、第1請求データが示す請求に対応する価値情報の収納を、円滑かつ正確に実現することができる。
【0058】
減額結果データ取得部136は、第2情報処理システム300から減額処理の結果を示す減額結果データを取得して、減額結果データを記憶部111に格納する。
【0059】
図5は、記憶部111に記憶される減額結果データの例を示す図である。記憶部111に記憶される減額結果データは、例えば、減額結果ID、アカウント情報、減額情報、請求元情報、収納IDを含む。減額結果IDは、記憶部111に記憶される減額結果データを識別する情報である。減額情報は、第2情報処理システム300における減額処理によって減額された額を示す情報である。アカウント情報、請求元情報及び収納IDは、図2に示す第1請求データと同様であるため、その説明を省略する。
【0060】
移動指示データ生成部141は、減額結果データに基づいて、資金移動業者から収納業者に、第2請求データが示す請求額を移動させる移動処理を実行させるための移動指示データを生成し、記憶部111に格納する。具体的には、移動処理は、資金移動業者の口座又はアカウントから収納業者の口座又はアカウントに、請求額を移動させるための処理である。これにより、収納業者は、資金移動業者から受け付けた請求額を、ユーザに所定の請求を行う請求者に移動させることができ、結果として、収納処理が実現される。
【0061】
なお、移動処理では、例えば、請求額に対応する資金(例えば、現金や仮想通貨を含む)を移動させてもよく、また、請求額に対応する価値情報を移動させてもよい。また、資金移動業者は、ユーザに所定の請求を行う請求者に請求額を移動させた後に、資金移動業者から請求額を受け付けてもよい。
【0062】
図6は、記憶部111に記憶される移動指示データの例を示す図である。記憶部111に記憶される移動指示データは、例えば、移動指示ID、移動元情報、請求額情報、移動先情報、減額結果IDを含む。
【0063】
移動指示IDは、記憶部111に記憶される移動指示データを識別する情報である。移動元情報は、移動指示データに基づいて実行される移動処理において請求額の移動元となる者(すなわち、支払元となる者)に関する情報であり、例えば、資金移動業者である。移動先情報は、移動指示データに基づいて実行される移動処理において請求額を受ける者(すなわち、支払先となる者)に関する情報であり、例えば、ユーザが利用するサービス(例えば、「XXペイ」)を示す情報や、当該サービスを提供している事業者(例えば、「XXペイ」を提供する事業者)を示す情報である。
【0064】
なお、移動指示データは、全銀協規定フォーマットのデータ形式で、記憶部111に記憶されていてもよい。
【0065】
第2判定部142は、第1請求データが示す請求額又は減額要求が示す請求額のうち少なくともいずれかと、移動指示データが示す請求額とが合致するか否かを判定する。
【0066】
移動指示データ送信部143は、例えば、第2判定部142において、第1請求データが示す請求額又は減額要求が示す請求額の少なくともいずれかと、移動指示データが示す請求額とが合致すると判定される場合に、移動指示データを第1情報処理システム200に送信してもよい。これにより、価値情報の減額処理と、請求額の移動処理とが別々に実行される場合であっても、価値情報の収納を円滑かつ正確に実現することができる。
【0067】
第1情報処理システム200は、移動指示データ送信部143から移動指示データを受け付けると、例えば、移動指示データに基づき移動処理を実行する。
【0068】
第1請求データが示す請求額と、移動指示データが示す請求額とが合致すると判定される場合、移動指示データ送信部143が移動指示データを第1情報処理システム200に送信することにより、収納処理システム100は、第1情報処理システム200から取得した第1請求データが示す請求額に対応する価値情報の収納を、円滑かつ正確に実現することができる。また、減額要求が示す請求額と、移動指示データが示す請求額とが合致すると判定される場合、移動指示データ送信部143が移動指示データを第1情報処理システム200に送信することにより、収納処理システム100は、第2情報処理システム300に送信した減額要求が示す請求額に対応する価値情報の収納を、円滑かつ正確に実現することができる。
【0069】
エラー取得部151は、第2情報処理システム300からエラー情報を取得する。エラー情報は、例えば、第2情報処理システム300において減額処理が正常に行われなかったことを示す情報である。エラー情報には、例えば、正常に収納処理が行われなかった減額処理に対応するアカウント情報や請求額情報が含まれる。
【0070】
第2情報処理システム300において減額処理が正常に行われない事態は、例えば、収納可否判定部133による収納可否判定後に、対応するアカウントが存在しなくなった場合や、残高が請求額未満になった場合に起こりうる。
【0071】
第3請求データ生成部152は、第2情報処理システムにおいて減額処理が正常に行われない場合、ユーザの口座から所定の請求額を収納するための第3請求データを生成する。
【0072】
具体的には、第3請求データ生成部152は、例えば、収納可否判定部133においてユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能でないと判定される場合、又は、エラー取得部151がエラー情報を取得した場合、第3請求データを生成してもよい。このとき、第3請求データ生成部152は、例えば、ユーザのアカウントと口座とが対応付けられる情報に基づいて、ユーザの口座から所定の請求額を収納するための第3請求データを生成してもよい。
【0073】
ここで、収納可否判定部133においてユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能でないと判定される場合、第3請求データ生成部152は、例えば、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、第3請求データを生成することができる。
【0074】
具体的には、第3請求データ生成部152は、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに含まれる請求額情報に基づいて、当該請求額情報に対応する請求額を収納するための第3請求データを生成してもよい。これにより、収納処理システム100は、所定の請求額を収納できない事態が起きた場合であっても、対応する請求額の円滑な収納を実現することができる。
【0075】
また、エラー取得部151がエラー情報を取得した場合、収納可否判定部133は、例えば、エラー情報に基づいて、第3請求データを生成することができる。
【0076】
具体的には、エラーが起きた減額処理に対応する請求額情報がエラー情報に含まれている場合、第3請求データ生成部152は、当該請求額情報に対応する請求額を収納するための第3請求データを生成してもよい。これにより、収納処理システム100は、減額要求に基づく減額処理が正常に行われないエラーが起きた場合であっても、対応する請求額の円滑な収納を実現することができる。
【0077】
また、エラーが起きた減額処理に対応するアカウント情報がエラー情報に含まれている場合、第3請求データ生成部152は、例えば、エラー情報に対応する第2請求データに基づいて、当該アカウント情報に対応する請求額を収納するための第3請求データを生成してもよい。これにより、収納処理システム100は、減額要求に基づく減額処理が正常に行われないエラーが起きた際、エラー情報に請求額情報が含まれていない場合であっても、円滑な収納を実現することができる。
【0078】
なお、ユーザのアカウントと口座とが対応付けられる情報は、収納処理システム100において事前に設定されていればよい。具体的には、収納処理システム100は、事前に、ユーザのアカウント情報と、ユーザの口座に関する情報(例えば、銀行の口座番号)とが対応づけられた情報を記憶していてもよい。そして、収納処理システム100の第3請求データ生成部152は、第1請求データ若しくは第2請求データの少なくともいずれか、又は、エラー情報に基づいて、ユーザのアカウント情報に対応するユーザの口座を特定してもよい。
【0079】
また、第3請求データ生成部152は、第1のデータ形式(例えば、全銀協規定フォーマット)で第3請求データを生成してもよく、また、第2のデータ形式、あるいは、その他のデータ形式で第3請求データを生成してもよい。これにより、収納処理システム100は、第1情報処理システム200が処理可能なデータ形式で第3請求データを生成することができ、円滑な収納を実現することができる。
【0080】
第3請求データ送信部153は、第3請求データを第1情報処理システム200に送信する。第1情報処理システム200は、第3請求データを受け付けると、第3請求データに基づいて、ユーザの口座から所定の請求額を収納する収納処理を行う。
【0081】
図7は、収納処理システム100における処理の例を示すフローチャートである。
【0082】
まず、収納処理システム100は、第1情報処理システム200から、第1のデータ形式(例えば、全銀協規定フォーマットやCSV形式)で生成される、ユーザのアカウント(例えば、XXペイのID)から所定の請求額を収納するための第1請求データを取得する(S701)。収納処理システム100は、第1請求データを、第2情報処理システム300に対応するデータ形式であって、第1のデータ形式とは異なるデータ形式である第2のデータ形式(例えば、資金移動業者が処理可能なデータ形式)の第2請求データに変換する(S702)。
【0083】
収納処理システム100は、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かを判定するための可否判定用データを生成する(S703)。収納処理システム100は、可否判定用データを第2情報処理システム300に送信し(S704)、第2情報処理システム300から可否判定用データに基づく収納可否の判定結果に関する情報を取得し(S705)、収納可否の判定(収納可否判定)をする(S706)。
【0084】
収納処理システム100は、収納可否判定において収納可能と判定された場合(S706:可)、第1請求データが示す請求額と、減額要求が示す請求額とが合致するか否かの判定(第1判定)をする(S707)。
【0085】
収納処理システム100は、第1判定において合致すると判定された場合(S707:可)、第2情報処理システム300に減額要求を送信する(S708)。収納処理システム100は、第2情報処理システム300から、減額要求に対応する減額処理の結果を示す減額結果データを取得する(S709)。
【0086】
なお、第1判定に係る処理(S707)は、収納可否判定に係る処理(S703~S706)の前に行われてもよい。
【0087】
収納処理システム100は、減額結果データに基づいて、移動指示データを生成する(S710)。収納処理システム100は、第1請求データが示す請求額又は減額要求が示す請求額の少なくともいずれかと、移動指示データが示す請求額とが合致するか否かの判定(第2判定)をする(S711)。
【0088】
収納処理システム100は、第2判定において合致すると判定された場合(S711:可)、第1情報処理システム200に移動指示データを送信する(S712)。
【0089】
収納処理システム100は、収納可否判定において収納可能でないと判定された場合(S706:不可)、又は、第1判定若しくは第2判定において合致しないと判定された場合(S707:不可、若しくは、S711:不可)、第3請求データ生成処理を行う(S713)。
【0090】
次に、図8Aを参照して、収納処理システム100における第3請求データ生成処理の例について説明する。図8Aは、収納処理システム100における第3請求データ生成処理の例を示すフローチャートである。なお、図8Aに示すフローチャートは、収納可否判定において収納可能でないと判定された場合(S706:不可)、又は、第1判定若しくは第2判定において合致しないと判定された場合(S707:不可、若しくは、S711:不可)に行われる、第3請求データ生成処理の例を示す。
【0091】
まず、収納処理システム100は、収納可否判定において収納可能でないと判定し、又は、第1判定若しくは第2判定において合致しないと判定する(S801a)。続いて、収納処理システム100は、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、ユーザの口座から所定の請求額を収納するための第3請求データ(例えば、全銀協規定フォーマットのデータ)を生成する(S802a)。収納処理システム100は、第3請求データを第1情報処理システム200に送信する(S803a)。
【0092】
続いて、図8Bを参照して、収納処理システム100における第3請求データ生成処理の他の例について説明する。図8Bは、収納処理システム100におけるエラー情報を取得した場合の第3請求データ生成処理の例を示すフローチャートである。
【0093】
まず、収納処理システム100は、第2情報処理システム300から、減額要求に基づく第2情報処理システム300における減額処理が正常に行われなかったことを示すエラー情報を取得する(S801b)。収納処理システム100は、エラー情報に基づいて、ユーザの口座から所定の請求額を収納するための第3請求データ(例えば、全銀協規定フォーマットのデータ)を生成する(S802b)。収納処理システム100は、第3請求データを第1情報処理システム200に送信する(S803b)。
【0094】
次に、図9を参照して、収納処理システム100をコンピュータ900により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。図9は、コンピュータ900のハードウェア構成の例を示す図である。
【0095】
図9に示すように、コンピュータ900は、例えば、プロセッサ901、メモリ902、記憶装置903、入力I/F部904、データI/F部905、通信I/F部906、及び表示装置907を含む。
【0096】
コンピュータ900は、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、メディアコンピュータプラットフォーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ等)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアント等)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットフォームであってもよい。
【0097】
プロセッサ901は、メモリ902に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ900における各種の処理を制御する制御部である。
【0098】
メモリ902は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ902は、プロセッサ901によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0099】
記憶装置903は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置903は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0100】
入力I/F部904は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部904は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部904は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ900に接続されてもよい。
【0101】
データI/F部905は、コンピュータ900の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部905は、例えば、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等である。データI/F部905は、コンピュータ900の外部に設けられてもよい。データI/F部905がコンピュータ900の外部に設けられる場合、データI/F部905は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ900に接続される。
【0102】
通信I/F部906は、コンピュータ900の外部の装置と有線又は無線により、インターネット等のネットワークを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部906は、コンピュータ900の外部に設けられてもよい。通信I/F部906がコンピュータ900の外部に設けられる場合、通信I/F部906は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ900に接続される。
【0103】
表示装置907は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置907は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等である。表示装置907は、コンピュータ900の外部に設けられてもよい。表示装置907がコンピュータ900の外部に設けられる場合、表示装置907は、例えば、ディスプレイケーブル等を介してコンピュータ900に接続される。また、入力I/F部904としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置907は、入力I/F部904と一体化して構成されてもよい。
【0104】
以上、本発明の一実施形態について説明した。収納処理システム100は、第1のデータ形式の第1請求データを、第2情報処理システム300に対応する第2のデータ形式の第2請求データに変換して、第2請求データに基づいて、第2情報処理システム300に対し減額要求を送信し、減額要求に対応する減額処理の結果を示す減額結果データに基づいて、第1情報処理システム200に対し移動指示データを送信することができる。これにより、収納処理システム100は、円滑な価値情報の収納を実現することができる。
【0105】
また、収納処理システム100は、第1請求データが示す請求額と、減額要求が示す請求額とが合致すると判定される場合に、減額要求を第2情報処理システム300に送信することができる。これにより、収納処理システム100は、第1請求データが示す請求額に対応する価値情報の収納を、円滑かつ正確に実現することができる。
【0106】
また、収納処理システム100は、第1請求データが示す請求額又は減額要求が示す請求額の少なくともいずれかと、移動指示データが示す請求額とが合致すると判定される場合に、移動指示データを第1情報処理システム200に送信することができる。これにより、収納処理システム100は、第1請求データ又は減額要求が示す請求額に対応する価値情報の収納を、円滑かつ正確に実現することができる。
【0107】
また、収納処理システム100は、第1請求データ又は第2請求データの少なくともいずれかに基づいて、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かを判定した上で、当該収納が可能と判定される場合に、第2情報処理システム300に対し減額要求を送信することができる。このとき、収納処理システム100は、アカウントの存否又は請求額に対応するアカウントの残高の存否に基づいて、収納の可否を判定することができる。これにより、収納処理システム100は、所定の請求額を収納できない事態を可及的に回避し、円滑な価値情報の収納を実現することができる。
【0108】
また、収納処理システム100は、ユーザのアカウントから所定の請求額の収納が可能か否かを判定した上で、当該収納が可能でないと判定される場合に、ユーザの口座から所定の請求額を収納するための第3請求データを生成し、第3請求データを第2情報処理システム300に送信することができる。これにより、収納処理システム100は、所定の請求額を収納できない事態が起きた場合であっても、円滑な収納を実現することができる。
【0109】
また、収納処理システム100は、減額要求に基づく第2情報処理システム300における減額処理が正常に行われなかったことを示すエラー情報を第2情報処理システム300から取得し、ユーザの口座から所定の請求額を収納するための第3請求データを生成し、第3請求データを第2情報処理システム300に送信することができる。これにより、収納処理システム100は、減額要求に基づく減額処理が正常に行われないエラーが起きた場合であっても、円滑な収納を実現することができる。
【0110】
また、収納処理システム100は、全銀協規定フォーマットのデータ形式で生成される移動指示データを、第1情報処理システム200に送信することができる。これにより、第1情報処理システム200は、全銀協標準通信プロトコルを用いて、円滑に収納処理を行うことができる。
【0111】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0112】
100 収納処理システム、111 記憶部、121 第1請求データ取得部、122 形式変換部、131 可否判定用データ生成部、132 可否判定用データ送信部、133 収納可否判定部、134 第1判定部、135 減額要求送信部、136 減額結果データ取得部、141 移動指示データ生成部、142 第2判定部、143 移動指示データ送信部、151 エラー取得部、152 第3請求データ生成部、153 第3請求データ送信部、200 第1情報処理システム、300 第2情報処理システム、900 コンピュータ、901 プロセッサ、902 メモリ、903 記憶装置、904 入力I/F部、905 データI/F部、906 通信I/F部、907 表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9