(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023011334
(43)【公開日】2023-01-24
(54)【発明の名称】アイテムの販売を管理するためのシステム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230117BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021115138
(22)【出願日】2021-07-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-15
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100125195
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 雄一
(72)【発明者】
【氏名】小林 繁議
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
(57)【要約】
【課題】 購入者の満足度を向上させると共に、様々なアイテムの販売を促進する。
【解決手段】
本発明の一実施形態に係るアイテム販売管理サーバ10は、通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されており、当該ユーザ端末30を操作するユーザに対するアイテムの販売を管理する。当該サーバ10は、複数の販売対象アイテムの中から購入可能アイテムを抽選により決定し、その後、決定した購入可能アイテムの購入の申込を受け付けるから、ユーザは、購入可能アイテムの抽選の実行後に、当該アイテムの購入の要否を判断することができる。さらに、購入可能アイテムの抽選が、抽選権利の消費を伴って実行されるから、こうした権利が消費されない場合と比較して、当選したアイテムの購入が促進される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、アイテムの販売を管理するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定するステップと、
前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示するステップと、
前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付けるステップと、を実行する、
システム。
【請求項2】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、所定条件の充足に応じて前記抽選権利を前記ユーザに対して付与するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記所定条件は、所定アクションの実行に応じて充足する条件を含む、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記所定条件は、前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入に応じて充足する条件を含む、
請求項3のシステム。
【請求項5】
前記所定条件は、所定時間の経過に応じて充足する条件を含む、
請求項2ないし4何れかのシステム。
【請求項6】
前記付与するステップは、第1所定期間における前記ユーザに対する前記抽選権利の付与回数を第1所定値に制限することを含む、
請求項2ないし5何れかのシステム。
【請求項7】
前記決定するステップは、第2所定期間における前記ユーザによる前記抽選の実行回数を第2所定値に制限することを含む、
請求項1ないし6何れかのシステム。
【請求項8】
前記アイテムは、仮想的なアイテムである、
請求項1ないし7何れかのシステム。
【請求項9】
前記アイテムは、関連付けられているパラメータの値に基づく価格が設定されている、
請求項8のシステム。
【請求項10】
前記アイテムは、ブロックチェーン上で発行される非代替性トークンを用いて管理される、
請求項1ないし9何れかのシステム。
【請求項11】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、前記複数の販売対象アイテムの各々の残数を管理するステップを実行し、
前記決定するステップは、前記複数の販売対象アイテムの各々の残数に少なくとも基づく当選確率に従って前記抽選を実行することを含む、
請求項1ないし10何れかのシステム。
【請求項12】
前記複数の販売対象アイテムは、複数のユーザによって共有される、
請求項11のシステム。
【請求項13】
前記管理するステップは、前記複数の販売対象アイテムに含まれる特定アイテムが購入可能アイテムとして当選することに応じて、前記特定アイテムの残数を減少させることを含む、
請求項12のシステム。
【請求項14】
前記管理するステップは、当選した前記特定アイテムが購入されないとの判断に応じて、前記特定アイテムの残数を増加させることを含む、
請求項13のシステム。
【請求項15】
1又は複数のコンピュータによって実行され、アイテムの販売を管理するための方法であって、
ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定する工程と、
前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示する工程と、
前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付ける工程と、を備える、
方法。
【請求項16】
アイテムの販売を管理するためのプログラムであって、コンピュータに、
ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定するステップと、
前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示するステップと、
前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付けるステップと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテムの販売を管理するためのシステム、方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、抽選を伴うアイテムの販売を管理するための様々な技術が知られている。例えば、下記特許文献1は、抽選によって決定されたゲームカードをプレイヤに提示し、当該プレイヤから当該ゲームカードの取得の要否を受け付けることを開示している。こうした仕組みは、プレイヤが、抽選結果(購入可能なゲームカード)を確認した後でゲームカードを購入することを可能とし、この結果、プレイヤの満足度が向上し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来の仕組みは、購入者が満足するアイテムの販売を促進するものの、購入者にとってお気に入りのアイテムのみが購入される傾向となるため、多様なアイテムの販売が阻害されてしまう。
【0005】
本発明の実施形態は、購入者の満足度を向上させると共に、様々なアイテムの販売を促進することを目的の一つとする。本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るシステムは、1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、アイテムの販売を管理するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定するステップと、前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示するステップと、前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付けるステップと、を実行する。
【0007】
本発明の一実施形態に係る方法は、1又は複数のコンピュータによって実行され、アイテムの販売を管理するための方法であって、ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定する工程と、前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示する工程と、前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付ける工程と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、アイテムの販売を管理するためのプログラムであって、コンピュータに、ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定するステップと、前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示するステップと、前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付けるステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の様々な実施形態は、購入者の満足度を向上させると共に、様々なアイテムの販売を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るアイテム販売管理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図。
【
図2】ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する図。
【
図3】アイテム情報テーブル153が管理する情報を例示する図。
【
図4】ユーザ保有アイテム管理テーブル155が管理する情報を例示する図。
【
図5】アイテムを販売する際にアイテム販売管理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の又は類似する構成要素に対しては同一の参照符号が付され得る。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係るアイテム販売管理サーバ10を含むネットワークの構成を概略的に示す構成図である。サーバ10は、図示するように、インターネット等の通信ネットワーク20を介してユーザ端末30と通信可能に接続されている。
図1においては、1つのユーザ端末30のみが図示されているが、サーバ10は、複数のユーザ端末30と通信可能に接続されている。サーバ10は、ユーザ端末30を操作するユーザに対するアイテムの販売を管理する。アイテム販売管理サーバ10は、本発明のシステムの全部又は一部を実装する装置の一例である。
【0013】
まず、アイテム販売管理サーバ10のハードウェア構成について説明する。アイテム販売管理サーバ10は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ11と、メインメモリ12と、入出力I/F13と、通信I/F14と、ストレージ(記憶装置)15とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0014】
コンピュータプロセッサ11は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ15等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ12に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ12は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0015】
入出力I/F13は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F13は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F13は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0016】
通信I/F14は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0017】
ストレージ15は、例えば磁気ディスク、フラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ15は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。例えば、ストレージ15は、
図1に示すように、アイテムを購入するユーザに関する情報を管理するユーザ情報テーブル151と、販売対象となるアイテムに関する情報を管理するアイテム情報テーブル153と、各ユーザが保有するアイテムに関する情報を管理するユーザ保有アイテム管理テーブル155とを有する。また、例えば、ストレージ15は、本発明の一実施形態に係るサーバ側プログラム40を記憶する。当該プログラム40は、アイテム販売管理サーバ10を、アイテムの販売を管理するためのシステムの一部又は全部として機能させるためのプログラムである。サーバ側プログラム40の一部又は全部は、ウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介してユーザ端末30側において実行されるように構成され得る。
【0018】
本実施形態において、アイテム販売管理サーバ10は、それぞれが上述したハードウェア構成を有する複数のコンピュータを用いて構成され得る。例えば、サーバ10は、1又は複数のサーバ装置によって構成され得る。
【0019】
このように構成されたアイテム販売管理サーバ10は、ウェブサーバ及びアプリケーションサーバとしての機能を有するように構成することができ、ユーザ端末30にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーション(例えば、アイテム購入用アプリケーション等)からの要求に応答して各種の処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ(例えば、HTMLデータ)及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。ユーザ端末30では、受信したデータに基づくウェブページ又はその他の画面が表示される。
【0020】
次に、ユーザ端末30のハードウェア構成について説明する。ユーザ端末30は、一般的なコンピュータとして構成されており、
図1に示すように、コンピュータプロセッサ31と、メインメモリ32と、入出力I/F33と、通信I/F34と、ストレージ(記憶装置)35とを備え、これらの各構成要素が図示しないバス等を介して電気的に接続されている。
【0021】
コンピュータプロセッサ31は、CPU又はGPU等として構成され、ストレージ35等に記憶されている様々なプログラムをメインメモリ32に読み込んで、当該プログラムに含まれる各種の命令を実行する。メインメモリ32は、例えば、DRAM等によって構成される。
【0022】
入出力I/F33は、操作者等との間で情報をやり取りするための各種の入出力装置を含む。入出力I/F33は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチパネル等)等の情報入力装置、マイクロフォン等の音声入力装置、カメラ等の画像入力装置を含む。また、入出力I/F33は、ディスプレイ等の画像出力装置、スピーカー等の音声出力装置を含む。
【0023】
通信I/F34は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、通信ネットワーク20等を介した有線又は無線の通信を実現できるように構成されている。
【0024】
ストレージ35は、例えば磁気ディスク又はフラッシュメモリ等によって構成される。ストレージ35は、オペレーティングシステムを含む様々なプログラム及び各種データ等を記憶する。ストレージ35が記憶するプログラムは、アプリケーションマーケット等からダウンロードされてインストールされ得る。
【0025】
本実施形態において、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、又はパーソナルコンピュータ等として構成され得る。
【0026】
このように構成されたユーザ端末30のユーザは、ストレージ35等にインストールされているウェブブラウザ又はその他のアプリケーションを介したサーバ10との通信を実行することによって、サーバ10が販売を管理するアイテムを購入することができる。
【0027】
次に、このように構成されたアイテム販売管理サーバ10が有する機能について説明する。サーバ10のコンピュータプロセッサ11は、
図1に示すように、メインメモリ12に読み込まれたプログラム(例えば、サーバ側プログラム40の少なくとも一部)に含まれる命令を実行することによって、基本機能制御部111、抽選制御部113、及び、販売管理部115として機能するように構成されている。
【0028】
基本機能制御部111は、基本機能の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、基本機能制御部111は、基本機能に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30で表示される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。基本機能制御部111によって制御される基本機能は、例えば、ログイン処理(ユーザ認証)、課金制御、及び、ユーザアカウントの管理等を含む。
【0029】
抽選制御部113は、アイテムの抽選の制御に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、抽選制御部113は、アイテムの抽選に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30で表示される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理(例えば、抽選処理を含む。)を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。
【0030】
販売管理部115は、アイテムの販売の管理に関する様々な処理を実行するように構成されている。例えば、販売管理部115は、アイテムの販売の管理に関する様々な画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、ユーザ端末30で表示される当該画面を介したユーザによる操作入力に応答して様々な処理を実行し、当該処理の結果に応じた画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信する。
【0031】
本実施形態において、抽選制御部113は、ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、販売の対象となる複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定するように構成されている。販売対象アイテムは、抽選の対象となる抽選対象アイテムと言うこともでき、その情報は、例えば、アイテム情報テーブル153において管理される。例えば、抽選制御部113は、購入可能アイテムを決定するための抽選を実行する前に又は後に、ユーザが有する抽選権利を消費させる。例えば、抽選制御部113は、抽選権利を有していないユーザによる抽選の実行を拒絶する。ユーザが有する抽選権利に関する情報は、例えば、ユーザ情報テーブル151において管理される。
【0032】
また、抽選制御部113は、1又は複数の購入可能アイテムをユーザに提示するように構成されている。例えば、抽選制御部113は、抽選結果を表示するための画面の画面データ及び制御データ等をユーザ端末30に対して送信し、当該画面を介して、決定した(当選した)購入可能アイテムをユーザに提示する。
【0033】
本実施形態において、販売管理部115は、1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込をユーザから受け付けるように構成されている。例えば、販売管理部115は、抽選結果を表示するための画面を介して、1又は複数の購入可能アイテムの中からユーザによって選択された1又は複数のアイテムの購入の申込を受け付ける。
【0034】
このように、本実施形態におけるアイテム販売管理サーバ10は、複数の販売対象アイテムの中から購入可能アイテムを抽選により決定し、その後、決定した購入可能アイテムの購入の申込を受け付けるから、ユーザは、購入可能アイテムの抽選の実行後に、当該アイテムの購入の要否を判断することができる。さらに、購入可能アイテムの抽選が、抽選権利の消費を伴って実行されるから、こうした権利が消費されない場合と比較して、当選したアイテムの購入が促進される。つまり、アイテム販売管理サーバ10は、購入者の満足度を向上させると共に、様々なアイテムの販売を促進する。
【0035】
本実施形態において、上記抽選を実行するための抽選権利は、様々なタイミングでユーザに対して付与され得る。例えば、抽選制御部113は、所定条件の充足に応じて抽選権利をユーザに対して付与するように構成され、当該条件は、様々な条件を含む。
【0036】
例えば、抽選権利を付与するための所定条件は、所定アクションの実行に応じて充足する条件を含む。当該アクションは、これらに限定されないが、例えば、ログイン、及び、ミニゲームのプレイ等を含む。こうした構成は、対応するアクションの実行を促進する。
【0037】
また、抽選権利を付与するための所定条件は、購入可能アイテムの購入に応じて充足する条件を含む。例えば、抽選制御部113は、当選した購入可能アイテムをユーザが購入し、かつ、その購入量に関するパラメータ(例えば、購入数、又は、購入額等)が所定値以上である場合に、当該ユーザに対して抽選権利を付与する。この場合、付与される抽選権利は、購入可能アイテムの購入から連続して(直ちに)抽選を実行する場合のみに有効な権利としてもよいし、購入可能アイテムの購入から非連続で(期間を空けて)抽選を実行する場合についても有効な権利としてもよい。こうした構成は、当選したアイテムの購入を促進する。
【0038】
また、抽選権利を付与するための所定条件は、所定時間の経過に応じて充足する条件を含む。例えば、所定条件は、毎日所定時刻(例えば、午前0時の1回、又は、午前7時、午前12時、及び、午後6時の3回等)に充足するように構成される。こうした構成は、購入可能アイテムの抽選の実行の習慣化を促進し得る。
【0039】
また、抽選制御部113は、1のユーザに対する抽選権利の所定期間における付与回数を所定値に制限する(抽選権利の付与回数に上限値を設ける)ように構成され得る。例えば、抽選権利の付与回数は、1日に1回までに制限され得る。こうした構成は、抽選権利の希少価値を向上させ、この結果、当選した購入可能アイテムの購入を促進し得る。
【0040】
また、抽選制御部113は、1のユーザによる購入可能アイテムの抽選の所定期間における実行回数を所定値に制限する(抽選の実行回数に上限値を設ける)ように構成され得る。例えば、抽選の実行回数は、(多くの抽選権利を有するユーザであっても)1日に1回までに制限され得る。こうした構成は、購入可能アイテムを決定するための抽選の希少価値を向上させ、この結果、当選した購入可能アイテムの購入を促進し得る。
【0041】
本実施形態において、抽選権利は、様々な態様で管理され得る。例えば、抽選権利は、その時点で抽選を実行可能な残りの回数として管理され得る。また、例えば、抽選権利は、その時点で抽選の実行が可能であるか否かを示すフラグ等として管理され得る。また、例えば、抽選権利は、仮想的なアイテム(チケット、ポイント及びコイン等を含む。)として管理され得る。
【0042】
本実施形態におけるアイテムは、販売対象となり得る様々な商品及びサービス等を含む。例えば、アイテムは、現実の商品及びサービス等を含む。また、例えば、アイテムは、仮想的(又は電子的)なアイテムを含む。仮想的なアイテムは、例えば、カード、キャラクタ、及び、ゲームアイテム等を含む。また、仮想的なアイテムは、関連付けられているパラメータ(例えば、レアリティ又はレベル等)の値に基づく価格が設定され得る。
【0043】
また、本実施形態におけるアイテムは、ブロックチェーン上で発行される非代替性トークン(以下、「NFT」(Non-Fungible Token)と言うことがある。)を用いて管理され得る。NFTは、例えば、ブロックチェーンを用いるプラットフォームであるイーサリアムの規格である「ERC721」に従うトークンとして構成され得る。例えば、販売管理部115は、特定ユーザに対するアイテムの販売に伴って、販売した個別のアイテムの個体に対応するNFTを、当該特定ユーザのイーサリアムアドレスに関連付けて、イーサリアムブロックチェーン上で発行する。こうした構成は、販売されるアイテムのNFTを用いた管理を可能とする。
【0044】
本実施形態において、抽選制御部113は、複数の販売対象アイテムの各々の残数を管理し、こうした複数の販売対象アイテムの各々の残数に少なくとも基づく当選確率に従って、購入可能アイテムを決定するための抽選を実行するように構成され得る。この場合、複数の販売対象アイテムが、複数のユーザによって共有されるようにしてもよい。こうした構成は、購入可能アイテムの抽選に関する楽しみを向上させ得る。
【0045】
また、この場合、販売対象アイテムの残数が、購入可能アイテムとして当選することに応じて減少するようにしてもよい。こうした構成は、(実際に購入されるより前である)アイテムの当選時にその残数を減少させるから、アイテムの当選後に当該アイテムの残数が0となって購入できなくなってしまうことを抑制する。
【0046】
また、この場合、販売対象アイテムの残数が、当選したアイテムが購入されないとの判断に応じて増加する(元に戻す)ようにしてもよい。例えば、抽選制御部113は、アイテムの当選が無効となるタイミング(例えば、抽選の実行から所定時間経過したタイミング、ユーザによる取消し操作が行われたタイミング、又は、同時に当選した他のアイテムの購入が申し込まれたタイミング等)において、当該アイテムが購入されないと判断してその残数を増加させる。こうした構成は、アイテムの残数の適切な管理を支援する。
【0047】
次に、このような機能を有する本実施形態のアイテム販売管理サーバ10の一態様としての具体例について説明する。この具体例において、サーバ10は、仮想的及び電子的なアイテムとしてのデジタルカードを販売するカード販売サービスを提供する。当該カードは、ゲームキャラクタ又はスポーツ選手等が表示され、仮想的及び電子的なトレーディングカードと言うこともできる。
【0048】
まず、この例において各テーブルが管理する情報について説明する。
図2は、この例において、ユーザ情報テーブル151が管理する情報を例示する。この例におけるユーザ情報テーブル151は、カード販売サービスのユーザに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」に対応付けて、アカウント名、性別、及び生年月日等を含む「基本情報」、クレジットカード情報等を含む「支払情報」、購入可能カードを決定するための抽選を実行済みであるか否かを示す「抽選済みフラグ」、こうした抽選の連続実行回数である「抽選連続実行回数」、ブロックチェーンを用いたプラットフォームとしてのイーサリアムのアドレスである「イーサリアムアドレス」等の情報を管理する。
【0049】
詳しくは後述するが、「抽選済みフラグ」は、購入可能アイテムの抽選の実行の際に「抽選済み」を示す値に更新され、その後、毎日の所定時刻(例えば、午前0時)に「未抽選」を示す値に更新(初期化)される。
【0050】
図3は、この例において、アイテム情報テーブル153が管理する情報を例示する。この例におけるアイテム情報テーブル153は、この例のカード販売サービスにおける販売対象アイテムとしてのカードに関する情報を管理し、図示するように、個別のカードを識別する「カードID」に対応付けて、「カード名」、このカードの残数の初期値(「販売数」と言うこともできる。)を示す「残数(初期値)」、このカードの残数の現在値を示す「残数(現在値)」、「レアリティ」、「販売価格」、及び「個体ID(最新値)」等の情報を管理する。カードIDによって識別されるカードは、同じ種類の(例えば、図柄が同じである)カードであり、カードIDは、各ユーザに販売されるカードの個体を識別しない。レアリティには、1~4の何れかの値が設定されており、その値が大きいほど高いレアリティを示す。販売価格は、レアリティの値が大きいほど、大きい値(高い金額)が設定される。また、個体ID(最新値)には、ユーザに販売されたカードの個体に対して割り当てられる、後述するカード個体IDの最新値が設定される。
【0051】
図4は、この例において、ユーザ保有アイテム管理テーブル155が管理する情報を例示する。この例におけるユーザ保有アイテム管理テーブル155は、各ユーザが保有するカードに関する情報を管理し、図示するように、個別のユーザを識別する「ユーザアカウント」、及び、個別のカードの個体を識別する「カード個体ID」の組合せに対応付けて、「カードID」、「NFTID」等の情報を管理する。カード個体IDは、同じカードIDを有するカードであっても、1枚毎に(カードの個体毎に)異なる値が設定され、その値は、例えば、「カードID+枝番号」というルールで設定される。例えば、NFTIDは、イーサリアムブロックチェーン上で発行されるNFTのトークンIDであり、カード個体IDと同様に、1枚毎に異なる値が設定される。カード個体IDは、この例のカード販売サービス内でカードの個体を識別するためのIDである一方、NFTIDは、カードの個体に対応するNFTをイーサリアムブロックチェーン上で識別するためのIDであると言える。
【0052】
次に、この例においてアイテム販売管理サーバ10が実行する処理、及び、ユーザ端末30において表示される画面等について説明する。
【0053】
図5は、アイテムを販売する際にアイテム販売管理サーバ10が実行する処理を例示するフローチャートである。サーバ10は、まず、図示するように、ユーザによる抽選の実行指示を受け付ける(ステップS100)。抽選の実行指示の受付は、ユーザ端末30において表示される画面を介して行われる。
【0054】
図6は、ユーザ端末30において表示される抽選指示画面50を例示する。当該画面50は、ユーザが抽選の実行を指示するための画面であり、図示するように、販売対象カードの販売状況を表示する状況表示領域52と、「抽選を実行する」というテキストが付加された抽選実行ボタン54とを有する。
【0055】
状況表示領域52は、複数の販売対象カードの各々について、名称、レアリティ(星型の記号の右隣の数字)、及び、残数等を表示する。カードの残数は、[現在値/初期値]の形式でゲージ状のオブジェクトと共に表示される。これらの情報は、アイテム情報テーブル153において管理されている。この例では、複数の販売対象カードは、複数のユーザによって共有される。
【0056】
抽選指示画面50の抽選実行ボタン54が選択されると、抽選の実行指示が行われる。
図5のフローチャートに戻り、抽選の実行指示を受け付けると、次に、サーバ10は、抽選を実行する(ステップS110)。具体的には、その残数(現在値)に従って設定される各カードの当選確率に基づく抽選が行われる。また、この例では、1回の抽選で5枚のカードが当選する。なお、1回の抽選で、所定値(例えば、3)以上のレアリティを有するカードが所定枚数(例えば、1枚)以上、必ず当選するようにしてもよい。また、抽選の実行に応じて、ユーザ情報テーブル151の抽選連続実行回数が更新(1加算)される。
【0057】
続いて、サーバ10は、抽選結果に基づいてカードの残数を更新する(ステップS120)。具体的には、アイテム情報テーブル153において、当選したカードの種類及び枚数に基づいて、対応するカードの残数(現在値)の値が減少する。カードの残数が更新されると、他のユーザ端末30では、更新後のカードの残数に基づく表示及び抽選の実行が行われる。
【0058】
そして、サーバ10は、抽選結果を提示する(ステップS130)。
図7は、抽選結果を表示するための抽選結果画面60を例示する。当該画面60は、抽選の実行後、抽選指示画面50に代えて表示される。抽選結果画面60は、図示するように、当選した5枚のカードに関する情報を表示する当選カード表示領域62と、「購入手続へ」というテキストが付加された購入ボタン64と、「購入しない」というテキストが付加されたキャンセルボタン66とを有する。
【0059】
当選カード表示領域62には、各々が個別の当選カードに関する情報を表示する5つの個別表示領域622が配置される。当該領域622は、対応するカードの画像、名称、レアリティ及び販売価格を表示すると共に、その下端部において、「カートへ」というテキストが付加されたカート追加ボタン624が配置されている。当該ボタン624が選択されると、対応するカードが仮想的なショッピングカートに追加される。
【0060】
また、当選カード表示領域62の下側には、「※1000円以上の購入で、再度抽選が実行できます(最大4回まで)。」というテキストが表示されている。このように、この例では、1回の当選結果に含まれる5枚のカードの中から合計で1000円以上のカードを購入したユーザは、抽選を再び実行することができる。また、こうした抽選の再実行回数の上限値は4回である。1回目の抽選を考慮すると、最大5回の抽選が可能である。
【0061】
ユーザは、当選した5枚のカードの何れかを購入する場合には、対応する個別表示領域622が有するカート追加ボタン624の選択を介して対応するカードをショッピングカートに追加した上で、購入ボタン64を選択する。一方、当選した5枚のカードの何れのカードも購入しない場合には、ユーザは、キャンセルボタン66を選択する。
【0062】
図5のフローチャートに戻り、抽選結果画面60の購入ボタン64が選択されると(ステップS140においてYES)、サーバ10は、購入手続処理を実行する(ステップS150)。
図8は、ユーザが購入手続を進めるための購入手続画面70を例示する。当該画面70は、図示するように、仮想的なショッピングカートの中身、支払方法、及び、請求額(購入額)等を表示する。ユーザは、購入手続画面70を介して、支払方法を変更することもできる。また、当該画面70は、その下端部において、「購入を確定する」というテキストが付加された購入確定ボタン72を有し、当該ボタン72が選択されると、購入手続処理が実行される。購入手続処理では、決済処理等の一般的な商取引サービスにおける処理が行われる。
【0063】
続いて、サーバ10は、ユーザの保有カード情報を更新する(ステップS160)。具体的には、購入された各カードについて、ユーザ保有アイテム管理テーブル155に新たなレコードが作成され、対応するユーザアカウント、カード個体ID、及び、カードIDが設定される。カード個体IDについては、サーバ10が、アイテム情報テーブル153の個体ID(最新値)に基づいて新たな値を生成する。新たなカード個体IDの生成に応じて、アイテム情報テーブル153の個体ID(最新値)が更新される。
【0064】
次に、サーバ10は、購入された各カードに対応するNFTを発行する(ステップS170)。具体的には、各カードについて、イーサリアムブロックチェーン上でNFTが発行され、発行されたNFTのトークンIDが、ユーザ保有アイテム管理テーブル155のNFTIDに設定される。NFTの発行は、例えば、スマートコントラクトの実行を介して実現され、発行されたNFTは、イーサリアムブロックチェーン上で、ユーザのイーサリアムアドレスに関連付けられる。これによって、ユーザは購入したカードを、NFTアイテムの取引が可能なNFTマーケットプレイスで販売したり、あるいは他のNFTアイテムと交換したりすることが可能となる。
【0065】
続いて、サーバ10は、購入されなかったカードの残数の更新を取り消す(ステップS180)。つまり、ステップS120において行われたカードの残数の更新(減少)のうち、購入されなかったカードの残数の更新の取消(増加)が行われる。
【0066】
そして、購入額が1000円以上であり(ステップS190においてYES)、かつ、抽選の連続実行回数が5回に到達していない場合(つまり、4回以下である場合)には(ステップS200においてNO)、ステップS100(抽選の実行指示の受付)へと戻り、ユーザは、再度の抽選の実行指示が可能となる。つまり、この例では、購入額が1000円以上であり、かつ、抽選連続実行回数が4回以下である場合に、新たな抽選権利が付与される。なお、購入額に関する条件に代えて、又は、これに加えて、購入枚数に関する条件(例えば、購入枚数が3枚以上である等)を適用することもできる。
【0067】
図9は、1回目の抽選結果に対する購入額が1000円以上であった場合に再度表示される抽選指示画面50を例示する。この場合、2回目の抽選が可能となり、図示するように、抽選実行ボタン54の上側において「連続抽選 2回目」というテキスト(対応する抽選連続実行回数)が表示される。抽選連続実行回数は、ユーザ情報テーブル151において管理されている。
【0068】
図5のフローチャートに戻り、一方、購入額が1000円未満であり(ステップS190においてNO)、又は、購入額が1000円以上であっても抽選の連続実行回数が5回に到達した場合には(ステップS200においてYES)、サーバ10は、抽選済みフラグを更新する(ステップS210)。具体的には、ユーザ情報テーブル151の抽選済みフラグの値が、抽選済みであることを示す値に更新される。また、こうした抽選済みフラグの更新に応じて、抽選連続実行回数もクリアされる。なお、上述したように、抽選済みフラグは、その後、所定時刻に初期化され、未抽選であることを示す値に更新される。
【0069】
図10は、ユーザ情報テーブル151の抽選済みフラグの値が抽選済みであることを示す値である場合の抽選指示画面50を例示する。この状態の画面50では、図示するように、抽選実行ボタン54には、「抽選を実行する」というテキストに代えて、「本日分実行済み」というテキストが付加される。また、当該ボタン54は、無効化されており、ユーザによって選択できないようになっている。このように、抽選済みフラグの値の「抽選済み」への更新は、抽選する権利の消費と言うことができる。
【0070】
図5のフローチャートに戻り、抽選結果画面60において、キャンセルボタン66が選択されると(ステップS140においてNO)、サーバ10は、当選した5枚のカードの各々の残数の更新を取り消して(ステップS220)、抽選済みフラグを更新する(ステップS210)。残数の更新の取消では、具体的には、アイテム情報テーブル153において、当選した5枚のカードの種類及び枚数に基づいて、対応する残数(現在値)の値が増加する。
【0071】
このように、この例では、ユーザは、複数の販売対象カードの中から購入可能カードを決定するための抽選の実行後に、抽選結果画面60を介して、当選したカードの購入の要否を入力することができる。さらに、一度抽選を実行すると、1000円以上のカードを購入しない限りにおいて、(抽選済みフラグが初期化される)所定時刻まで次の抽選が実行できないから、当選したカードの購入が促進される。
【0072】
上述した例では、カードの抽選を実行するための権利は、毎日所定時刻に付与される(抽選済みフラグが初期化される)と共に、抽選結果に対する購入額が1000円以上であって、かつ、抽選の連続実行回数が4回以下である場合に付与される(再度の抽選指示が可能となる)ようにしたが、抽選権利が付与される条件はこれらに限定されない。例えば、ログインボーナスとして抽選権利が付与されるようにし、ミニゲーム(例えば、販売されるカードでデッキを構築するゲーム等)の報酬として抽選権利が付与されるようにし、又は、その他のアクションの実行に応じて抽選権利が付与されるようにしてもよい。
【0073】
上述した例では、ユーザは、複数の抽選権利を保有することはできないが、本実施形態の他の例では、複数の抽選権利がユーザによって保有(蓄積)される。この場合、抽選権利は、仮想的な抽選用アイテム(ポイント及びコイン等を含む。)として管理することもでき、当該抽選用アイテムは、所定条件の充足に応じてユーザに対して付与されると共に、抽選の実行に応じて消費される。
【0074】
上述した例では、複数の販売対象カードが複数のユーザによって共有されるようにしたが、本実施形態の他の例では、複数のユーザの各々に対して、専用の複数の販売対象カードが設定され得る。また、さらに、各カードの残数を管理することなく、所定の当選確率に従ってカードの抽選が実行されるようにしてもよい。
【0075】
上述した例では、アイテム販売管理サーバ10において、カードの購入手続が行われるようにしたが、こうしたアイテムの購入に関する処理の少なくとも一部が、他のサーバ、システム、及びサービスにおいて行われるようにしてもよい。この場合、サーバ10は、抽選結果に含まれるアイテムの購入の申込のみを受け付けるようにしてもよい。
【0076】
上述した例では、トレーディングカードを販売するようにしたが、本実施形態の他の例では、カード以外の仮想的なアイテム、又は、現実の商品及びサービス等が販売され得る。
【0077】
以上説明した本実施形態に係るアイテム販売管理サーバ10は、複数の販売対象アイテム(例えば、カード等)の中から購入可能アイテムを抽選により決定し、その後、決定した購入可能アイテムの購入の申込を受け付けるから、ユーザは、購入可能アイテムの抽選の実行後に、当該アイテムの購入の要否を判断することができる。さらに、購入可能アイテムの抽選が、抽選権利の消費を伴って実行されるから、こうした権利が消費されない場合と比較して、当選したアイテムの購入が促進される。つまり、アイテム販売管理サーバ10は、購入者の満足度を向上させると共に、様々なアイテムの販売を促進する。
【0078】
本発明の他の実施形態において、上述した実施形態におけるアイテム販売管理サーバ10が有する機能の一部又は全部は、アイテム販売管理サーバ10及びユーザ端末30が協動することによって実現され、又は、ユーザ端末30によって実現され得る。例えば、サーバ側プログラム40が有する機能の一部又は全部は、ユーザ端末30側において実行されるアイテム購入用アプリケーション等によって実現され得る。
【0079】
本明細書で説明された処理及び手順は、明示的に説明されたもの以外にも、ソフトウェア、ハードウェアまたはこれらの任意の組み合わせによって実現される。例えば、本明細書で説明される処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク等の媒体に、当該処理及び手順に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明された処理及び手順は、当該処理・手順に相当するコンピュータプログラムとして実装し、各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0080】
本明細書中で説明された処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理または手順は複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は複数のモジュールによって実行され得る。また、本明細書において説明されたソフトウェアおよびハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、またはより多い構成要素に分解することによって実現することも可能である。
【0081】
本明細書において、発明の構成要素が単数もしくは複数のいずれか一方として説明された場合、又は、単数もしくは複数のいずれとも限定せずに説明された場合であっても、文脈上別に解すべき場合を除き、当該構成要素は単数又は複数のいずれであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
10 アイテム販売管理サーバ
11 コンピュータプロセッサ
111 基本機能制御部
113 抽選制御部
115 販売管理部
15 ストレージ
151 ユーザ情報テーブル
153 アイテム情報テーブル
155 ユーザ保有アイテム管理テーブル
30 ユーザ端末
40 サーバ側プログラム
50 抽選指示画面
60 抽選結果画面
70 購入手続画面
【手続補正書】
【提出日】2022-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のコンピュータプロセッサを備え、アイテムの販売を管理するためのシステムであって、前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、読取可能な命令の実行に応じて、
ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定するステップと、
前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示するステップと、
前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付けるステップと、
前記複数の販売対象アイテムの各々の残数を管理するステップと、を実行し、
前記決定するステップは、前記複数の販売対象アイテムの各々の残数に少なくとも基づく当選確率に従って前記抽選を実行することを含む、
システム。
【請求項2】
前記1又は複数のコンピュータプロセッサは、さらに、所定条件の充足に応じて前記抽選権利を前記ユーザに対して付与するステップを実行する、
請求項1のシステム。
【請求項3】
前記所定条件は、所定アクションの実行に応じて充足する条件を含む、
請求項2のシステム。
【請求項4】
前記所定条件は、前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入に応じて充足する条件を含む、
請求項3のシステム。
【請求項5】
前記所定条件は、所定時間の経過に応じて充足する条件を含む、
請求項2ないし4何れかのシステム。
【請求項6】
前記付与するステップは、第1所定期間における前記ユーザに対する前記抽選権利の付与回数を第1所定値に制限することを含む、
請求項2ないし5何れかのシステム。
【請求項7】
前記決定するステップは、第2所定期間における前記ユーザによる前記抽選の実行回数を第2所定値に制限することを含む、
請求項1ないし6何れかのシステム。
【請求項8】
前記アイテムは、仮想的なアイテムである、
請求項1ないし7何れかのシステム。
【請求項9】
前記アイテムは、関連付けられているパラメータの値に基づく価格が設定されている、
請求項8のシステム。
【請求項10】
前記アイテムは、ブロックチェーン上で発行される非代替性トークンを用いて管理される、
請求項1ないし9何れかのシステム。
【請求項11】
前記複数の販売対象アイテムは、複数のユーザによって共有される、
請求項1ないし10何れかのシステム。
【請求項12】
前記管理するステップは、前記複数の販売対象アイテムに含まれる特定アイテムが購入可能アイテムとして当選することに応じて、前記特定アイテムの残数を減少させることを含む、
請求項11のシステム。
【請求項13】
前記管理するステップは、当選した前記特定アイテムが購入されないとの判断に応じて、前記特定アイテムの残数を増加させることを含む、
請求項12のシステム。
【請求項14】
1又は複数のコンピュータによって実行され、アイテムの販売を管理するための方法であって、
ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定する工程と、
前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示する工程と、
前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付ける工程と、
前記複数の販売対象アイテムの各々の残数を管理する工程と、を備え、
前記決定する工程は、前記複数の販売対象アイテムの各々の残数に少なくとも基づく当選確率に従って前記抽選を実行することを含む、
方法。
【請求項15】
アイテムの販売を管理するためのプログラムであって、コンピュータに、
ユーザが有する抽選権利の消費を伴って、複数の販売対象アイテムの中から購入可能な1又は複数の購入可能アイテムを抽選により決定するステップと、
前記1又は複数の購入可能アイテムを前記ユーザに提示するステップと、
前記1又は複数の購入可能アイテムの少なくとも一部の購入の申込を前記ユーザから受け付けるステップと、
前記複数の販売対象アイテムの各々の残数を管理するステップと、を実行させ、
前記決定するステップは、前記複数の販売対象アイテムの各々の残数に少なくとも基づく当選確率に従って前記抽選を実行することを含む、
プログラム。