(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113344
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】電力需要予測装置及び電力需要予測方法
(51)【国際特許分類】
H02J 3/00 20060101AFI20230808BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20230808BHJP
【FI】
H02J3/00 130
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015646
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金川 慎史
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 雄亮
【テーマコード(参考)】
5G066
5L049
【Fターム(参考)】
5G066AA02
5G066AE03
5G066AE09
5L049CC06
(57)【要約】
【課題】
予測実行日より後の予測対象日に近い日の電力需要を考慮して、予測対象日の電力需要を精度よく予測する。
【解決手段】
電力需要予測装置1は、演算を行うプロセッサ10と、予測実行日の前日までの電力需要の実績値を格納する記憶装置20と、を備え、プロセッサ10は、記憶装置20に格納された電力需要の実績値を用いて、予測実行日から予測対象期間の初日の前日までの電力需要の予測値を算出する翌日予測実行部13と、翌日予測実行部13が算出した予測値を、当該日の電力需要の実績値に置き換えて記憶装置20に格納する予測値編集部14と、予測値編集部14によって置き換えられた実績値を用いて、予測対象期間の電力需要の予測値を算出する需要予測実行部15と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
将来の予測対象期間の電力需要を予測する電力需要予測装置であって、
予測実行日の前日までの電力需要の実績値を格納する記憶装置と、
演算を行うプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
前記記憶装置に格納された電力需要の実績値を用いて、予測実行日から予測対象期間の初日の前日までの電力需要の予測値を算出する翌日予測実行部と、
前記翌日予測実行部が算出した前記予測値を、当該日の電力需要の実績値に置き換えて前記記憶装置に格納する予測値編集部と、
前記予測値編集部によって置き換えられた実績値を用いて、前記予測対象期間の電力需要の予測値を算出する需要予測実行部と、
を有することを特徴とする電力需要予測装置。
【請求項2】
前記翌日予測実行部は、対象日の前日までの電力需要の実績値を用いて当該対象日の電力需要の予測値を算出する翌日予測の手法を再帰的に実行し、
前記予測値編集部は、前記翌日予測の手法が実行されるごとに、算出された前記対象日の電力需要の予測値を当該対象日の電力需要の実績値に置き換えて前記記憶装置に格納する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力需要予測装置。
【請求項3】
前記記憶装置は、所定種別の気象情報に関して、前記予測実行日の前日までの実績値と前記予測実行日以降の予測値とをさらに格納し、
前記翌日予測の手法の実行において、前記翌日予測実行部は、
前記記憶装置に格納された前記対象日の前日までの前記電力需要の実績値と前記気象情報とに基づいて、前記対象日における電力需要のピーク予測値を算出し、
前記記憶装置に格納されたデータに基づいて、前記対象日に類似する過去の1日分の電力需要カーブを取得し、
前記取得した電力需要カーブを前記ピーク予測値に合うようにカーブフィッティングによって最適化し、最適化した電力需要カーブから前記対象日の電力需要の予測値を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の電力需要予測装置。
【請求項4】
前記翌日予測実行部は、説明変数に気象情報の実績値、目的変数に電力需要の実績値を代入して重回帰分析によって回帰係数を算出して得られる線形モデルの予測モデルを用いて、前記ピーク予測値を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の電力需要予測装置。
【請求項5】
前記翌日予測実行部は、説明変数に気象情報の実績値、目的変数に電力需要の実績値を代入して誤差逆伝播法によって重み係数を算出して得られるニューラルネットワークの予測モデルを用いて、前記ピーク予測値を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の電力需要予測装置。
【請求項6】
前記需要予測実行部は、前記予測値編集部によって置き換えられた実績値のうちから、所定の条件に合致する日の実績値を選択し、当該選択した実績値を用いて前記予測対象期間の電力需要の予測値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力需要予測装置。
【請求項7】
前記需要予測実行部は、前記予測値編集部によって置き換えられた実績値のうちから、前記予測対象期間から近い所定日数分の実績値を用いて、前記予測対象期間の電力需要の予測値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力需要予測装置。
【請求項8】
前記需要予測実行部は、前記予測値編集部によって置き換えられた実績値と、前記記憶装置に格納されている前記予測実行日の前日までの電力需要の実績値とを用いて、前記予測対象期間の電力需要の予測値を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力需要予測装置。
【請求項9】
前記需要予測実行部は、前記翌日予測の手法によって前記予測対象期間の電力需要の予測値を算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の電力需要予測装置。
【請求項10】
将来の予測対象期間の電力需要を予測する電力需要予測装置による電力需要予測方法であって、
前記電力需要予測装置は、
予測実行日の前日までの電力需要の実績値を格納する記憶装置と、
演算を行うプロセッサと、
を有し、
前記プロセッサが、前記記憶装置に格納された電力需要の実績値を用いて、予測実行日から予測対象期間の初日の前日までの電力需要の予測値を算出する翌日予測実行ステップと、
前記プロセッサが、前記翌日予測実行ステップで算出された前記予測値を、当該日の電力需要の実績値に置き換えて前記記憶装置に格納する予測値編集ステップと、
前記プロセッサが、前記予測値編集ステップで置き換えられた実績値を用いて、前記予測対象期間の電力需要の予測値を算出する需要予測実行ステップと、
を備えることを特徴とする電力需要予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力需要予測装置及び電力需要予測方法に関し、予測対象日の電力需要を予測する電力需要予測装置及び電力需要予測方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電力需要の予測では、予測実行日の翌日を予測対象日としてその電力需要を予測する翌日予測の他、予測実行日から数日先を予測対象日(単日でも複数日でもよく、予測対象期間とも称する)として予測する将来予測がある。また、天気、気温、湿度、日射量等の気象情報と電力需要との間に線形な関係が成り立つとして、電力需要と気象情報とに基づく予測モデルを用いて電力需要を予測する手法が知られている。
【0003】
このような従来の電力需要予測においては、一般的に、予測実行日よりも数日先に予測対象日(予測対象期間)が設定されるとき、予測実行日から予測対象日までの間の日については電力需要の実績値が存在しないことから、種々の条件が類似する過去の日の電力需要の実績値を利用して、予測対象日の電力需要が予測される。
【0004】
一方、電力需要を予測する上では、予測対象日の直近(例えばその前日や前々日等)の実績値を使用することの重要性が高い。特に、日本のように四季の変化が顕著で一年を通じて気候の変動が大きい地域では、電力需要についても同様に変動が大きいため、直近の実績値による影響が大きい。そのため、直近の電力需要の実績値を用いずに予測対象日(予測対象期間)の電力需要を予測すると、予測精度が低下する要因となり得る。
【0005】
従来技術の一例として、特許文献1には、電力需要の予測手法が開示されており、「予想対象日の予想気象だけでなく、予想対象日とその前の日々を含め少なくとも3日間における気象の変動を考慮することにより、電力需要の予測精度を向上することにある」ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示された電力需要の予測手法は、予測対象日の3日前までの気象情報の予測値を利用して電力需要を補正しているものの、その補正に用いる電力需要のデータは、予測実行日よりも過去の、気象情報が類似する日の電力需要の実績値である。すなわち、特許文献1に開示された電力需要の予測手法は、予測対象日の直近の電力需要の実績値を使用するものではないため、電力需要の予測精度が低くなるおそれがあった。
【0008】
また近年では、電気自動車(EV:Electric Vehicle)の普及等によって電気の用途が大幅に変化しており、過去の電力需要の実績値だけに基づく電力需要予測では、近年の電力需要の変化パターンに追従できず、精度の高い予測結果を得ることが難しくなっている。このような観点からも、上述した特許文献1に開示された電力需要の予測手法は、電力需要の予測精度が低くなるおそれがあった。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、予測実行日より後の予測対象日に近い日の電力需要を考慮して、予測対象日の電力需要を精度よく予測することが可能な電力需要予測装置及び電力需要予測方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、将来の予測対象期間の電力需要を予測する電力需要予測装置であって、予測実行日の前日までの電力需要の実績値を格納する記憶装置と、演算を行うプロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記記憶装置に格納された電力需要の実績値を用いて、予測実行日から予測対象期間の初日の前日までの電力需要の予測値を算出する翌日予測実行部と、前記翌日予測実行部が算出した前記予測値を、当該日の電力需要の実績値に置き換えて前記記憶装置に格納する予測値編集部と、前記予測値編集部によって置き換えられた実績値を用いて、前記予測対象期間の電力需要の予測値を算出する需要予測実行部と、を有することを特徴とする電力需要予測装置が提供される。
【0011】
また、かかる課題を解決するため本発明においては、将来の予測対象期間の電力需要を予測する電力需要予測装置による電力需要予測方法であって、前記電力需要予測装置は、予測実行日の前日までの電力需要の実績値を格納する記憶装置と、演算を行うプロセッサと、を有し、前記プロセッサが、前記記憶装置に格納された電力需要の実績値を用いて、予測実行日から予測対象期間の初日の前日までの電力需要の予測値を算出する翌日予測実行ステップと、前記プロセッサが、前記翌日予測実行ステップで算出された前記予測値を、当該日の電力需要の実績値に置き換えて前記記憶装置に格納する予測値編集ステップと、前記プロセッサが、前記予測値編集ステップで置き換えられた実績値を用いて、前記予測対象期間の電力需要の予測値を算出する需要予測実行ステップと、を備えることを特徴とする電力需要予測方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、予測実行日より後の予測対象日に近い日の電力需要を考慮して、予測対象日の電力需要を精度よく予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電力需要予測装置1の構成例を示すブロック図である。
【
図2】電力需要予測装置1によって実行される電力需要予測処理の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図3】翌日予測処理の実行イメージを段階的に示した図である。
【
図4】翌日予測の手法の具体例を説明するための図である。
【
図5】電力需要の予測手法に線形モデルを適用した例を説明するための図である。
【
図6】電力需要の予測手法にニューラルネットワークを適用した例を説明するための図である。
【
図7】需要予測処理の実行イメージを段階的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳述する。以下に説明する実施形態は請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、図面において、同一の機能を有する箇所には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
【0015】
(1)構成
図1は、本発明の一実施形態に係る電力需要予測装置1の構成例を示すブロック図である。電力需要予測装置1は、ユーザが指定した予測対象日(予測対象期間)における電力需要を予測する情報処理装置であって、例えば一般的な計算機で実現することができる。
図1の場合、電力需要予測装置1は、プロセッサ10、記憶装置20、データ入力装置30、及びデータ出力装置40を備えて構成されるが、データ入力装置30及びデータ出力装置40は、電力需要予測装置1に接続される外部機器として構成されてもよい。
【0016】
なお、本説明において、「予測対象日」は電力需要を予測する対象日を意味する。予測対象期間は、予測対象日と略同義であるが、厳密には、連続する複数日に亘って予測対象日が指定される場合に、複数日の全体を予測対象期間とし、個々の日を予測対象日と考えることもできる。また、本説明では、1日を単位とするが、本発明を適用可能な電力需要予測における単位はこれに限定されるものではなく、所定の時間を単位としてもよいことは明らかである。
【0017】
また、詳細は後述するが、本実施形態に係る電力需要予測装置1は、予測実行日から予測対象日の前日までの電力需要の予測値を作成して電力需要の実績値として置き換え(置き換え実績値を算出し)、置き換え実績値の少なくとも一部を、予測対象期間の電力需要の予測に利用する。したがって、置き換え実績値を算出するまでの処理において、予測対象日(予測対象期間)が単日であるか複数日であるかによる差異はない。そこで、以下では、説明の重複を避けるために、予測対象日が単日である場合を中心に説明し、必要に応じて、予測対象日が複数日である場合について補足する。
【0018】
プロセッサ10は、データの入出力や演算を制御する制御装置11と、プログラムに記述された命令を実行する演算装置12で構成される。プロセッサ10は、CPU(Central Processing Unit)であってもよいし、GPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。プロセッサ10は、シングルコアプロセッサであってもよいし、マルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサ10は、処理の一部または全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit))を備えていてもよい。プロセッサ10は、1つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。プログラムの実行は、複数のプロセッサやコンピュータに分担させてもよい。
【0019】
制御装置11は、演算装置12、データ入力装置30、及びデータ出力装置40の各装置を制御し動作させる機能を有する。制御装置11は、演算装置12、データ入力装置30、及びデータ出力装置40と制御信号51で繋がれる。
【0020】
演算装置12は、電力需要の予測に関する処理等を実行する機能を有し、翌日予測実行部13、予測値編集部14、及び需要予測実行部15から構成される。演算装置12は、制御装置11と制御信号51で繋がれ、データ入力装置30と入力信号52で繋がれ、記憶装置20とデータ信号53で繋がれ、データ出力装置40と出力信号54で繋がれる。
【0021】
翌日予測実行部13は、翌日予測の手法により、実績値を用いて翌日の電力需要の予測値を算出する。翌日予測で用いられる実績値は、記憶装置20の電力需要データベース22に格納されており、翌日予測で算出された予測値も電力需要データベース22に格納される。
【0022】
予測値編集部14は、翌日予測実行部13によって算出された「翌日」の電力需要の予測値を、「翌日」の実績値に置き換えて電力需要データベース22に格納する。予測値編集部14によって置き換えられた実績値を「置き換え実績値」と称する。
【0023】
需要予測実行部15は、記憶装置20に格納された情報、具体的には、気象情報データベース21に格納された気象情報の実績値または予想値と、電力需要データベース22に格納された電力需要の実績値(置き換え実績値を含む)とを用いて、予測対象日(予測対象期間)の電力需要を予測する。
【0024】
記憶装置20は、大容量の記憶容量を有する記憶デバイスであり、例えば、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)である。記憶装置20は、各種プログラムの実行ファイルやプログラムの実行に用いられるデータを保持する。記憶装置20は、気象情報データベース21及び電力需要データベース22を有する。また、記憶装置20は、翌日予測実行部13による翌日予測を実行するための翌日予測プログラム、及び需要予測実行部15による電力需要予測を実行するための需要予測プログラムを保持する。記憶装置20は、演算装置12とデータ信号53で繋がれる。
【0025】
気象情報データベース21は、天気、気温、湿度、日射量等の所定種別の気象情報について、所定単位(例えば、1日単位や1時間単位等)で、その実績値及び予測値を格納することができる。電力需要データベース22は、所定単位(例えば、1日単位や1時間単位等)で、電力需要の実績値及び予測値を格納することができる。
【0026】
なお、
図1では、電力需要予測装置1が記憶装置20内に気象情報データベース21及び電力需要データベース22を保持する構成を示したが、気象情報データベース21及び電力需要データベース22の少なくとも何れかは、クラウドサーバに保持される構成であってもよい。
【0027】
データ入力装置30は、演算装置12を動作させるための各種条件等を入力する。データ入力装置30は、例えばキーボードやマウス等の入力装置であり、タッチパネルまたは音声指示装置等の少なくとも何れか1つを備えるようにしてもよい。データ入力装置30は、制御装置11と制御信号51で繋がれ、演算装置12と入力信号52で繋がれる。
【0028】
データ出力装置40は、演算装置12による各種処理で扱われるパラメータ、及び各種処理の処理結果等を表示する。データ出力装置40は、例えば、ディスプレイ装置であってもよいし、ディスプレイ装置とともにプリンタ装置または音声出力装置等を使用してもよい。データ出力装置40は、制御装置11と制御信号51で繋がれ、演算装置12と出力信号54で繋がれる。
【0029】
(2)電力需要予測処理
図2は、電力需要予測装置1によって実行される電力需要予測処理の処理手順例を示すフローチャートである。電力需要予測処理は、電力需要予測装置1が予測実行日に予測対象日の電力需要を予測する処理であって、予測実行日から予測対象日の前日までの電力需要を翌日予測によって予測し、その予測値を実績値に置き換えて記憶装置20に格納する翌日予測処理と、予測対象日より前の実績値(翌日予測処理によって算出された置き換え実績値を含む)を用いて予測対象日(予測対象期間)の電力需要を予測する需要予測処理と、に大別することができる。翌日予測処理は、
図2のステップS12~ステップS18の処理に相当し、主に翌日予測実行部13及び予測値編集部14によって実行される。需要予測処理は、
図2のステップS19の処理に相当し、主に需要予測実行部15によって実行される。
【0030】
なお、各処理の説明において、動作主体を「XX部」と表記する場合、詳細には、
図1に示したプロセッサ10が、プログラムである「XX部」を読み出し、DRAM(Dynamic Random Access Memory)にロードした上で「XX部」の機能を実現することを意味する。
【0031】
図2によればまず、電力需要予測の実行を開始するための指示が行われる(ステップS11)。具体的には、電力需要予測処理の開始を指示する制御装置11からの制御信号51、及び予測対象日を指定するデータ入力装置30からの入力信号52を受けて、演算装置12がステップS12以降の処理を開始する。予測対象日は、例えばユーザがデータ入力装置30を操作することにより、将来の任意の日を指定することができる。なお、ステップS11で演算装置12に送信される制御信号51及び入力信号52は、上記した以外の情報を含んでもよい。
【0032】
次に、翌日予測実行部13が、「翌日予測日」のパラメータ値に予測実行日(すなわち本日)をセットする(ステップS12)。「翌日予測日」は、翌日予測によって予測値を予測する対象日を示すパラメータであり、翌日予測日の前日までの電力需要の実績値が存在することが条件となる。ステップS12では、予測実行日の前日までしか電力需要の実績値が存在していないと想定して、翌日予測日に予測実行日を設定している。仮に、予測実行日の当日の電力需要の実績値が得られている場合には、ステップS12の処理後、ステップS13~S16の処理をスキップしてステップS17の処理に進めばよい。
【0033】
次に、演算装置12(翌日予測実行部13)からのデータ信号53を受けて、記憶装置20が、気象情報データベース21に格納されている気象情報の実績値と、電力需要データベース22に格納されている電力需要の実績値とを演算装置12に出力する(ステップS13)。演算装置12に取り込まれた各実績値は、翌日予測実行部13に送られる。
【0034】
ステップS13の処理後、翌日予測実行部13が、記憶装置20から受け取った実績値を用いて、翌日予測の手法により、「翌日予測日」の電力需要の予測値を算出する(ステップS14)。
【0035】
なお、ステップS14で実行される翌日予測の手法は、既知の確立された手法であれば、何れの手法を使用してもよく、予測精度が高い手法が使用されることが好ましい。翌日予測の詳細については、
図4~
図6を参照しながら後述する。
【0036】
次に、翌日予測実行部13は、ステップS14で算出した翌日予測日の電力需要の予測値を、記憶装置20の電力需要データベース22に格納する(ステップS15)。
【0037】
次に、予測値編集部14が、ステップS14で算出された翌日予測日の電力需要の予測値を、当該日の電力需要の実績値に置き換え、記憶装置20の電力需要データベース22に実績値として格納する(ステップS16)。ステップS16で置き換えた実績値を置き換え実績値と称する。
【0038】
次に、翌日予測実行部13は、「翌日予測日」のパラメータ値を1日追加し(ステップS17)、追加後の翌日予測日が予測対象日に該当するか否かを判定する(ステップS18)。追加後の翌日予測日が予測対象日に該当しない場合は(ステップS18のNO)、ステップS13に戻り、ステップS13~S17の処理を繰り返し、追加後の翌日予測日に対して、他の電力需要の実績値と先のステップS16で置き換えた実績値とを用いて、翌日予測処理を実行する。このように、翌日予測を回帰的に実行することにより、電力需要予測装置1は、予測実行日から予測対象日前日までの電力需要の予測値を作成し、作成した予測値を当該日の実績値として置き換えることで、予測対象日の直近の電力需要の実績値のデータ点数を増やすことができる。
【0039】
一方、ステップS18において追加後の翌日予測日が予測対象日に該当する場合は(ステップS18のYES)、置き換え実績値の作成が十分に進んだことを意味するため、ステップS19に進み、需要予測処理が開始される。
【0040】
ステップS19では、需要予測実行部15が、これまでの翌日予測処理(ステップS12~S18)で作成された実績値の少なくとも一部を利用して、所定の予測手法により、予測対象日の電力需要の予測値を算出する。そして需要予測実行部15は、算出した予測値を記憶装置20の電力需要データベース22に予測値として格納し、需要予測処理を終了する。需要予測処理の詳細については、
図7を参照しながら後述するが、翌日予測処理で作成された置き換え実績値を利用できることから、需要予測実行部15は、予測対象日の直近の実績値がない状態で電力需要を予測する場合に比べて、予測の精度を高め得る多くデータに基づいて、予測対象日の電力需要を予測することができる。
【0041】
以上、
図2のステップS11~S19の処理が実行されることにより、電力需要予測装置1は、予測対象日の直近の電力需要の実績値(置き換え実績値を含む)を用いて予測対象日の電力需要を予測することができるため、電力需要の予測精度を高めることができる。
【0042】
以下では、上述した電力需要予測処理に含まれる翌日予測処理及び需要予測処理について、より詳しく説明する。
【0043】
(2-1)翌日予測処理
図3は、翌日予測処理の実行イメージを段階的に示した図である。
図3には、
図3(A),
図3(B),
図3(C)が時系列で示されている。
図3(A)は、初回の翌日予測の実行イメージを示し、
図3(B)は、2回目の翌日予測の実行イメージを示し、
図3(C)は、翌日予測処理における翌日予測の再帰的な実行イメージを示している。前述した通り、
図2のフローチャートは、ステップS18でNOと判定された場合に、ステップS13~S17の処理が繰り返される。
図3(A)はこのようなループ処理の初回に相当し、
図3(B)はループ処理の2回目に相当する。そして、
図3(C)は、ループ処理のたびに繰り返される翌日予測の回帰的な実行イメージを示している。
【0044】
図3の場合、予測実行日が「12日」であり、予測対象日が「16日~22日」に設定されている。前述したように、予測対象日は単日(例えば16日のみ)でもよいし、連続した複数日(例えば16日~22日の7日間)でもよい。また、
図3に示す「気象情報」及び「電力需要」は、記憶装置20の各データベースに格納された情報を示している。具体的には、
図3(A)の場合、予測実行日の前日(11日)までは、気象情報及び電力需要ともに実績値が格納されていることが分かる。なお、気象情報については、予測実行日以降の日に予測値が格納されているが、これらは、任意の予測手法や気象情報の提供サービス等によって取得及び格納される。
【0045】
図3(A)の場合、予測実行日の12日から予測対象日の前日の15日までの期間は、電力需要の実績値が存在しないため、このままでは、需要予測処理において予測対象日(16日以降)の電力需要を予測する際に、上記期間の実績値を利用することができない。そこで、本実施形態では、このような予測対象日より前の将来の期間(本例だと12日~15日)に対して、確立された任意の翌日予測の手法を再帰的に利用することにより、当該期間における電力需要の予測値を作成し、これらを暫定的に実績値に置き換える。この結果、需要予測処理で利用可能な実績値の候補及びその精度を高めることができる。以下、
図3(A)~
図3(C)を参照しながら、具体的に確認していく。
【0046】
まず、
図3(A)では、初回のステップS13の処理によって、予測実行日より前の実績値として、4日~11日の気象情報及び電力需要の実績値が記憶装置20から演算装置12に出力され、これらの実績値を用いてステップS14の翌日予測が行われる。このとき、翌日予測日は予測実行日の12日であるから、12日の電力需要の予測値が算出される。そして、ステップS16の処理により、この予測値は12日の置き換え実績値として記憶装置20(電力需要データベース22)に格納される。
【0047】
次に、ステップS17で翌日予測日が1日加算されて13日となるが、この翌日予測日は予測対象日(16日)に該当しないため、ステップS18でNOと判定されて2回目のループ処理が行われる。このとき、
図3(B)によれば、
図3(A)の翌日予測で算出された12日の電力需要の予測値は「置き換え実績値」となっていることから、ステップS14において12日までの実績値(置き換え実績値を含む)を用いて翌日予測が行われることにより、13日の電力需要の予測値が算出され、ステップS16においてこの予測値が13日の置き換え実績値として記憶装置20(電力需要データベース22)に格納される。
【0048】
そして以降は、
図3(C)に示すように、翌日予測日を1日ずつ進めながら、翌日予測を回帰的に実行することで、実績値に基づく翌日予測によって電力需要の予測値を精度よく算出していくことができる。そして最終的には、ステップS17で1日加算された翌日予測日が予測対象日(16日)に該当するとき、ステップS18でYESと判定され、ステップS19の需要予測処理に進むことができる。需要予測処理の実行イメージは、後述する
図7に示される。
【0049】
以上が、翌日予測処理における翌日予測の再帰的な利用である。なお、翌日予測の再帰的な利用によって電力需要の予測値(置き換え実績値)を作成する期間は、特定の期間に限定されなくてもよい(必ずしも予測実行日から開始しなくてもよいし、必ずしも予測対象日の前日まで実行しなくてもよい)が、電力需要予測処理(需要予測処理)における予測精度を高めるためには、予測実行日から予測対象日の前日までを対象とすることが好適である。また、翌日予測の再帰的な利用により、予測対象日まで上記期間に含めて、電力需要の予測値を作成することもできる。
【0050】
図4は、翌日予測の手法の具体例を説明するための図である。
図4には、
図2のステップS14で実行される翌日予測の手法の一例として、カーブフィッティングを利用した手法が示されている。
図4の左側には、翌日予測の詳細な処理手順例がステップS21~S23で示され、
図4の右側には、各ステップの処理の具体的なイメージ例が(A)~(C)に示されている。
【0051】
まず、ステップS21では、翌日予測実行部13は、所定の電力需要の予測手法を使用して、翌日予測日における気象情報の予測値のうちの所定項目(例えば、最高気温やピーク時日射量など)の予測値を予測モデルに代入し、翌日予測日において電力需要が最大になる時間の予測値(ピーク電力需要予測値)を算出する。上記で使用可能な電力需要の予測手法としては、例えば、線形モデルを適用した手法、及びニューラルネットワークを適用した手法を挙げることができる。
【0052】
図5は、電力需要の予測手法に線形モデルを適用した例を説明するための図である。一般に、線形モデルは、説明変数Xと目的変数Yとの間に、線形な関係が成り立つとして、回帰係数aを使用して重回帰式「目的変数Y=回帰係数a×説明変数X+定数b」で表される。この重回帰式に説明変数Xと目的変数Yを代入して重回帰分析を行い、回帰係数aを算出することで、予測モデルを作成する。
【0053】
上記の電力需要の予測においては、説明変数Xに気象情報の実績値、目的変数Yに電力需要の実績値を代入して重回帰分析を行い、回帰係数aを算出することで、
図5に示したような予測モデル(線形モデル)を作成する。そして、作成した予測モデルに対して、説明変数Xとして翌日予測日の気象情報の予測値のうち最高気温やピーク時日射量等を代入することにより、目的変数Yである翌日予測日のピーク電力需要予測値を算出することができる。
【0054】
図6は、電力需要の予測手法にニューラルネットワークを適用した例を説明するための図である。一般に、ニューラルネットワークは、脳の働きを模擬した階層型ネットワークモデルであり、入力層、中間層、出力層で構成される。各階層では、ニューロンと呼ばれる各変数が結合しており、入力層の変数X
1~X
nは、中間層の変数V
1~V
mと重み係数a
11~a
nmで対応付けられ、中間層の変数V
1~V
mは、出力層の変数Yと重み係数b
1~b
mで対応付けられる。このようなニューラルネットワークに説明変数X及び目的変数Yを代入し、誤差逆伝播法のアルゴリズムによって重み係数a
11~a
nm,b
1~b
mを算出することで、予測モデルを作成する。
【0055】
上記の電力需要の予測においては、説明変数Xに気象情報の実績値、目的変数Yに電力需要の実績値を代入して誤差逆伝播法を行い、重み係数a11~anm,b1~bmを算出することで予測モデルを作成する。そして、作成した予測モデルに対して、説明変数Xとして翌日予測日の気象情報の予測値のうち最高気温やピーク時日射量等を代入することにより、目的変数Yである翌日予測日のピーク電力需要予測値を算出することができる。
【0056】
図4の説明に戻る。
図4のステップS21で翌日予測日のピーク電力需要予測値が算出された後、ステップS22において、翌日予測実行部13は、記憶装置20に実績値が格納された過去データを候補として、これらの候補のうちから、翌日予測日との類似度が高い日を選択し、選択した日の1日分の電力需要カーブを取得する。電力需要カーブは、予め記憶装置20に格納されていてもよいし、記憶装置20(電力需要データベース22の実績値に基づいて生成される等してもよい。
図4(B)には、ステップS21で算出したピーク電力需要予測値と、ステップS22で取得した電力需要カーブとが描画されている。なお、電力需要カーブを取得する日を選択する方法は、特定の手法に限定されないが、例えば、ステップS21で算出したピーク電力需要予測値や、気象情報の予測値等を参考にして、類似度の高い日を選択すればよい。
【0057】
次に、ステップS23において、翌日予測実行部13は、ステップS21で算出したピーク電力需要予測値に合うように、カーブフィッティングの手法によって、ステップS22で選択した電力需要カーブを最適化する(
図4(C)参照)。そして翌日予測実行部13は、カーブフィッティングで最適化した後の電力需要カーブから、翌日予測日における全時間帯の予測値を算出する。
【0058】
以上、ステップS21~S23の処理を行うことにより、翌日予測実行部13は、翌日予測日における電力需要の予測値を算出することができる。
【0059】
(2-2)需要予測処理
図7は、需要予測処理の実行イメージを段階的に示した図である。
図7には、
図7(A)から
図7(B)または
図7(C)への状態の変化が時系列で示されている。
図7(A)は、需要予測処理開始時の記憶装置20における気象情報及び電力需要の格納状態を示している。
図7(B),
図7(C)はそれぞれ、需要予測処理の実行イメージの一例を示している。
【0060】
まず、
図7(A)では、
図3(C)で説明したように翌日予測処理で翌日処理を回帰的に実行したことにより、電力需要データベース22において、予測実行日である12日から予測対象日(予測対象期間)の開始前日である15日まで期間について、電力需要の置き換え実績値が格納されている。すなわち、電力需要予測装置1は、予測対象日の直近の電力需要の実績値のデータ点数を増やした状態で、需要予測処理を開始することができる。そして、需要予測処理において需要予測実行部15は、このような予測対象日の前日までの電力需要の実績値を用いて、予測対象日(予測対象期間)の電力需要の予測値を算出する。
【0061】
なお、
図7(A)にも示したように、需要予測処理では、予測実行日(12日)から予測対象日前日(15日)までの置き換え実績値のすべてを利用しなくてもよく、後述する電力需要の予測手法にしたがって、予測実行日から予測対象日前日までの期間のうちの少なくとも1日以上を候補日として選択し、当該候補日の置き換え実績値が利用されればよい。
【0062】
電力需要の予測手法としては、例えば、予測実行日から予測対象日前日までの電力需要の置き換え実績値を1日分だけ使用して、予測対象日(単日でも複数日に亘る期間でもよい)の電力需要の予測値を算出する方法が挙げられる。
図7(B)は、このような電力需要の予測手法の実行イメージを示している。具体的には
図7(B)の場合、需要予測実行部15は、予測対象日の前日である15日を候補日として選択し、15日の置き換え実績値を用いて、予測対象日である16日から22日までの電力需要の予測値を算出する。なお、
図7(B)では予測対象日の前日の置き換え実績値を選択したが、他の日の置き換え実績値を選択して電力需要の予測値を算出してもよい。
【0063】
また、別の電力需要の予測手法としては、例えば、予測実行日から予測対象日前日までの電力需要の置き換え実績値のうち複数日分(すべてでもよい)を使用して、予測対象日(単日でも複数日に亘る期間でもよい)の電力需要の予測値を算出する方法が挙げられる。
図7(C)は、このような電力需要の予測手法の実行イメージを示している。具体的には
図7(C)の場合、需要予測実行部15は、12日から15日までを候補日として選択し、各候補日の置き換え実績値を用いて、予測対象日である16日から22日までの電力需要の予測値を算出する。
【0064】
なお、
図7(C)では予測実行日から予測対象日前日までのすべてを候補日として選択したが、所定日数分だけを候補日として選択するようにしてもよい。この場合、所定日数分の候補日は、所定の条件に基づいて選択される。具体的には例えば、予測対象日の前日から順に遡って予測対象日に近い所定日数を候補日として選択したり、気象情報の予測値を考慮して関連度が高いと判断される日を候補日として抽出したり、平日や週末といった暦の種別に基づいて候補日を抽出したりすることが考えられる。
【0065】
また、上記したそれぞれの電力需要の予測手法で電力需要の予測値を算出する際は、予測実行日から予測対象日前日までの電力需要の置き換え実績値だけを用いて予測値を算出することに限定されず、予測実行日より前の電力需要の実績値(これは置き換え実績値ではない)と組み合わせて予測値を算出するようにしてもよい。
【0066】
また、さらに別の電力需要の予測手法として、翌日予測処理で再帰的に実行される翌日予測の手法を、需要予測処理でも使用するようにしてもよい。このとき、予測対象期間が1日である場合は、当該日の前日までの置き換え実績値を用いて翌日予測を行うことで、当該日の電力需要を予測することができる。また、予測対象期間が複数日である場合は、予測対象期間の初日から順次、翌日予測を繰り返し実行することにより、予測対象期間の各日の電力需要を予測することができる。
【0067】
以上をまとめると、本実施形態に係る需要予測処理では、予測実行日から予測対象日前日までの少なくとも何れかの日の電力需要の置き換え実績値を含めて、電力需要の実績値に基づいて、予測対象日(予測対象期間)における電力需要の予測値を算出するものである。さらに言えば、予測対象日の電力需要の予測値を算出するために、電力需要の実績値だけでなく、気象情報の実績値または予測値も利用してもよい。
【0068】
また、これまでの説明では、翌日予測の回帰的な実行により、予測実行日から予測対象日の前日までの日々について置き換え実績値を作成したが、本実施形態の変形例として、予測対象日当日あるいは予測対象日以降の日々についても置き換え実績値を作成するようにしてもよく、さらにこれらの予測対象日以降の置き換え実績値も需要予測処理における電力需要の予測で利用可能としてもよい。
【0069】
以上のように、上述した何れの電力需要の予測手法を採用する場合であっても、本実施形態に係る電力需要予測装置1によれば、予測実行日以降の予測対象日に近い日の電力需要の実績値のデータ点数を翌日予測の回帰的な実行によって増やし、これらの実績値を用いて予測対象日の電力需要を予測することができる。このようにして算出された電力需要の予測値は、変動が大きい近年の電力需要の変化パターンにも追従しやすいものであり、高い予測精度を実現することができる。
【0070】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除または置換をすることができる。
【0071】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、本発明は、実施形態に示した機能を実現するソフトウェアのプログラムコードによっても実現できる。この場合、プログラムコードを記録した記憶媒体をコンピュータに提供し、そのコンピュータが備えるプロセッサが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が、前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそれを記憶した記憶媒体は、本発明を構成することになる。このようなプログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD-ROM、DVD-ROM、ハードディスク、SSD、光ディスク、光磁気ディスク、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等が用いられる。
【0072】
また、実施形態に記載した機能を実現するプログラムコードは、例えば、アセンブラ、C/C++、perl、Shell、PHP、Java(登録商標)等の広範囲のプログラムまたはスクリプト言語で実装できる。
【0073】
さらに、実施形態に記載した機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを、ネットワークを介して配信することによって、それをコンピュータのハードディスクやメモリ等の記憶手段またはCD-RW、CD-R等の記憶媒体に格納し、コンピュータが備えるプロセッサが当該記憶手段や当該記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 電力需要予測装置
10 プロセッサ
11 制御装置
12 演算装置
13 翌日予測実行部
14 予測値編集部
15 需要予測実行部
20 記憶装置
21 気象情報データベース
22 電力需要データベース
30 データ入力装置
40 データ出力装置
51 制御信号
52 入力信号
53 データ信号
54 出力信号