(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113385
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】排気管
(51)【国際特許分類】
F01N 13/00 20100101AFI20230808BHJP
【FI】
F01N13/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015723
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】近藤 琢也
(72)【発明者】
【氏名】宇野 貴昭
【テーマコード(参考)】
3G004
【Fターム(参考)】
3G004AA01
3G004BA06
3G004DA04
(57)【要約】
【課題】簡易的な構成で、排気管の内部に溜まった凝縮水を良好に排出する。
【解決手段】排気管は、車両に搭載され、外周壁と、拡大部と、排水孔と、を備える。外周壁は、軸線に沿って延びる車両のエンジンからの排気の流路を形成する。拡大部は、排気の流れ方向の下流側に向かうに従い、排気の流路の軸線に直交する断面を拡大させる部位である。排水孔は、排気の流路に溜まった凝縮水を外部に排出するために設けられた、外周壁を貫通する。また、排水孔は、拡大部、及び/又は、拡大部の下流側であって拡大部の付近に設けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される排気管であって、
軸線に沿って延びる前記車両のエンジンからの排気の流路を形成する外周壁と、
排気の流れ方向の下流側に向かうに従い、前記排気の流路の前記軸線に直交する断面を拡大させる部位である拡大部と、
前記排気の流路に溜まった凝縮水を外部に排出するために設けられた、前記外周壁を貫通する排水孔と、を備え、
前記排水孔は、前記拡大部、及び/又は、前記拡大部の前記下流側であって前記拡大部の付近に設けられる
排気管。
【請求項2】
請求項1に記載の排気管であって、
前記外周壁において、前記拡大部に対し排気の流れ方向の上流側に隣接する部分を、上流部とし、
前記拡大部は、前記上流部から前記排水孔に向けて凝縮水を誘導するよう構成される
排気管。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の排気管であって、
前記排気の流路は、前記下流側に向かうに従い下方に向かう上流区間と、前記上流区間の終点から、前記上流区間とは異なる方向に延びる下流区間とを有し、
前記拡大部は、前記排気の流路において、前記上流区間の終点を含む部分から突出する突出領域を形成し、
前記突出領域が突出する方向は、略水平方向又は下方であり、
前記排水孔は、前記拡大部に設けられる
排気管。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の排気管であって、
前記拡大部は、前記下流側に向かうに従い前記断面を下方に拡大させる
排気管。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の排気管であって、
前記拡大部は、前記外周壁の内周面から突出する部位であって、前記外周壁の底部又はその付近に位置する部位である少なくとも1つの突出部を有し、
前記排水孔は、前記突出部の前記下流側であって前記突出部の付近に設けられる
排気管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、排気管に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンからの排気を流下させる排気管に、凝縮水を除去するための排水孔を設ける技術が知られている。一例として、特許文献1の水分除去装置は、排気通路における排気の浄化触媒の上流側に設けられ、凝縮水を排出する排水孔と、排水孔を通過した凝縮水を溜めるための容器と、容器内の凝縮水を溜めておくための排出弁とを備える。そして、触媒が活性温度に達した後に排出弁を開放し、容器内に溜まった凝縮水を排出することで、浄化前の排気が凝縮水と共に外部に排出されるのを抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の水分除去装置は、凝縮水を溜める容器や、排出弁や、浄化触媒の温度を検出する温度センサを備えているため、部品数が増加し、大型化する恐れがある。また、浄化触媒の温度に応じて排出弁が制御されるため、構成が複雑化する恐れがある。
【0005】
本開示の一態様では、簡易的な構成で、排気管の内部に溜まった凝縮水を良好に排出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、車両に搭載される排気管であって、外周壁と、拡大部と、排水孔と、を備える。外周壁は、軸線に沿って延びる車両のエンジンからの排気の流路を形成する。拡大部は、排気の流れ方向の下流側に向かうに従い、排気の流路の軸線に直交する断面を拡大させる部位である。排水孔は、排気の流路に溜まった凝縮水を外部に排出するために設けられ、外周壁を貫通する。また、排水孔は、拡大部、及び/又は、拡大部の下流側であって拡大部の付近に設けられる。
【0007】
上記構成によれば、排気の流路における拡大部の周辺の領域は、背圧が低くなり、また、排水孔は背圧が低くなる該領域に連通し得る。このため、部品数の増加を抑えながら、排水孔からの排気の流出を抑制しつつ、排水孔から凝縮水を排出できる。したがって、簡易的な構成で、排気管の内部に溜まった凝縮水を良好に排出できる。
【0008】
本開示の一態様では、外周壁において、拡大部に対し排気の流れ方向の上流側に隣接する部分を、上流部としてもよい。拡大部は、上流部から排水孔に向けて凝縮水を誘導するよう構成されてもよい。
【0009】
上記構成によれば、排気の流路における拡大部の上流側に溜まった凝縮水を、排出孔から良好に排出できる。
本開示の一態様では、排気の流路は、上流区間と、下流区間とを有してもよい。上流区間は、下流側に向かうに従い下方に向かう。下流区間は、上流区間の終点から、上流区間とは異なる方向に延びる。拡大部は、排気の流路において、上流区間の終点を含む部分から突出する突出領域を形成してもよい。突出領域が突出する方向は、略水平方向又は下方であってもよい。排水孔は、拡大部に設けられてもよい。
【0010】
上記構成によれば、突出領域は背圧が低くなり、また、排水孔は突出領域に連通し得る。このため、部品数の増加を抑えながら、排水孔からの排気の流出を抑制しつつ、排水孔から凝縮水を排出できる。また、突出領域の突出方向は、略水平方向又は下方である。このため、拡大部は、当該拡大部の上流側に溜まった凝縮水の排水孔への移動を妨げない。したがって、簡易的な構成で、排気管の内部に溜まった凝縮水を良好に排出できる。
【0011】
本開示の一態様では、拡大部は、下流側に向かうに従い断面を下方に拡大させてもよい。
上記構成によれば、排水孔は、排気の流路における背圧が低くなる領域に連通し得る。このため、部品数の増加を抑えながら、排水孔からの排気の流出を抑制しつつ、排水孔から凝縮水を排出できる。また、拡大部は、外周壁の断面を下方に拡大させているため、拡大部の上流側に溜まった凝縮水を、排水孔に向けて誘導できる。したがって、排気管の内部に溜まった凝縮水を良好に排出できる。
【0012】
本開示の一態様では、拡大部は、外周壁の内周面から突出する部位であって、外周壁の底部又はその付近に位置する部位である少なくとも1つの突出部を有してもよい。排水孔は、突出部の下流側であって突出部の付近に設けられてもよい。
【0013】
上記構成によれば、拡大部の突出部における下流側の部分により、外周壁の断面が拡大されるため、該部分の下流側の領域は背圧が低くなる。また、排水孔は、背圧が低くなる該領域に連通し得る。このため、部品数の増加を抑えながら、排水孔からの排気の流出を抑制しつつ、排水孔から凝縮水を排出できる。したがって、排気管の内部に溜まった凝縮水を良好に排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】第1実施形態の排気管における軸線を含む断面図である。
【
図4】第2実施形態の排気管における軸線を含む断面図である。
【
図5】第3実施形態の排気管の底部側からの斜視図である。
【
図6】第3実施形態の排気管を透過的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本開示の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0016】
[第1実施形態]
[1.概要]
第1実施形態の排気管1は、車両に搭載され、車両のエンジンにて生じた排気の流路を形成する(
図1、2参照)。なお、エンジンとは、例えば、ガソリン、ディーゼル、又は水素等を燃料としても良い。
【0017】
排気管1は、軸線1Aに沿って延びる排気の流路を形成する外周壁10を備える。排気は、上流側から下流側に向かって軸線1Aに沿って該流路を流下する。また、第1実施形態では、外周壁10における軸線1Aに直交する断面(以後、単に断面と記載)は、略円形となっており、軸線1Aは、該断面の略中心を通過する。しかし、これに限らず、外周壁10の断面の形状は適宜定められ得る。また、排気の流路は、第1~第3区間1B~1Dを有する。
【0018】
排気管1の車両の搭載時において、第1区間1Bは、排気管1の入口11から略水平方向に真っ直ぐに延びる。
また、第2区間1C(換言すれば、上流区間)は、第1区間1Bの終点から真っ直ぐに延びる区間であり、下流側に向かうに従い下方に向かう。なお、下方とは、水平方向や鉛直方向に対し傾斜しつつ下側に向かう方向であっても良いし、鉛直方向の下側に向かう方向であっても良い。
【0019】
また、第3区間1D(換言すれば、下流区間)は、第2区間1Cの終点から排気管1の出口12まで、略水平方向に真っ直ぐに延びる。
以後、排気管1における第1~第3区間1B~1Dを形成する部位を、それぞれ、第1~第3部位13~15と記載する。
【0020】
[2.拡大部及び排水孔]
排気管1の外周壁10には、拡大部16と排水孔17とが設けられおり、これらの部位により、排気管1の内部に溜まった凝縮水2が外部に排出される(
図1、2参照)。
【0021】
拡大部16は、下流側に向かうに従い外周壁10(換言すれば、排気の流路)の断面を拡大させる。具体的には、拡大部16は、排気の流路内に突出領域1Eを形成する。突出領域1Eは、排気の流路における第2区間1Cの終点を含む部分から、予め定められた突出方向に突出するように設けられる。なお、一例として、突出方向とは、第3区間1Dが下流側に向かう方向とは反対の方向となっている。つまり、突出方向は、略水平方向となっている。
【0022】
また、第1実施形態では、一例として、拡大部16における突出方向に直交する断面は、略円筒状であり、拡大部16は、先端に向かうに従い細くなっている。
また、拡大部16及び第3部位13は、排気管1における底部18を形成する。底部18は、略水平方向に延びており、凝縮水2が溜まる。
【0023】
そして、拡大部16の先端には、底部18に隣接するようにして、排気の流路に溜まった凝縮水を外部に排出するための1つの排水孔17が設けられる。排水孔17は、拡大部16(換言すれば、外周壁10)を貫通する。なお、拡大部16の先端には、複数の排水孔が設けられていても良い。底部18に溜まった凝縮水2は、排水孔17から外部に排出される。
【0024】
また、上述したように、第1区間1Bは略水平方向に延びており、第2区間1Cは下流側に向かうに従い下方に向かう。また、拡大部16の突出方向は略水平方向である。このため、第2部位14及び拡大部16で生じた凝縮水は、底部18に溜まり、排水孔17から排出される。つまり、拡大部16は、第2部位14における拡大部16の上流側に隣接する部分(換言すれば、上流部)に溜まった凝縮水を、排水孔17まで誘導する流路を形成する。
【0025】
[3.変形例]
第1実施形態の排気管1において、第1区間1Bの形状は適宜定められ得る。
また、第3区間1Dは、第2区間1Cの終点から略水平方向に真っ直ぐに延びる(
図1、2参照)。しかし、第3区間1Dの延びる向きはこれに限らず、第3区間1Dは、第2区間1Cの終点から、当該終点における第2区間1Cの方向とは異なる方向に延びていても良い。また、第3区間1Dの形状は、真っ直ぐに限らず、曲がっていてもよい。
【0026】
また、拡大部16により形成される突出領域1Eの突出方向は、略水平方向に限らず、例えば、下方に向かう方向であっても良い。
また、排水孔17は、拡大部16の先端における底部18から離間した位置に設けられていても良い。また、排水孔17は、拡大部16の先端に限らず、拡大部16における側面を形成する部分に設けられていても良い。この場合、排水孔17は、底部18に設けられても良いし、底部18に隣接して設けられても良いし、底部18から離間した位置に設けられていても良い。また、拡大部16における上述した位置に、複数の排水孔が設けられていてもよい。
【0027】
[第2実施形態]
[4.概要]
第2実施形態の排気管3もまた、第1実施形態と同様にして、車両のエンジンからの排気の流路を形成する(
図3、4参照)。排気管3は、軸線3Aに沿って延びる排気の流路を形成する外周壁30を備え、排気は、上流側から下流側に向かって軸線3Aに沿って該流路を流下する。また、第2実施形態においても、外周壁30の断面は略円形となっているが、これに限らず、断面の形状は適宜定められ得る。また、排気の流路は、第1、第2区間3B、3Cを有する。
【0028】
排気管3の車両の搭載時において、第1区間3Bは、排気管3の入口31から下流側に向かうに従い下方に向かうように湾曲する。
また、第2区間3Cは、第1区間3Bの終点から排気管3の出口32まで、略水平方向に真っ直ぐに延びる。また、第2区間3Cは、第1区間3Bに比べ断面が大きい。
【0029】
以後、排気管3における第1、第2区間3B、3Cを形成する部位を、それぞれ、第1、第2部位33、34と記載する。
[5.拡大部及び排水孔]
第2実施形態においても、第1実施形態と同様、排気管3の外周壁30には、拡大部35と排水孔36とが設けられおり、これらの部位により、排気管3の内部に溜まった凝縮水が外部に排出される(
図3、4参照)。
【0030】
拡大部35は、上述した第2部位34に含まれ、第1部位33の下流側の端部に繋がっている。拡大部35は、外周壁30に設けられた段差状の部位であり、第1部位33の下流側の端部から下方に突出することで、下流側に向かうに従い外周壁30の断面を下方に拡大させる。なお、拡大部35は、鉛直方向に広がっていても良いし、鉛直方向に対し傾斜するように広がっていても良い。
【0031】
また、第2部位34における拡大部35の下流側に隣接する部位は、排気管3における底部37を形成する。底部37は、略水平方向に延びており、凝縮水が溜まる。
そして、底部37における拡大部35の付近には、外周壁30を貫通する1つの排水孔36が設けられる。なお、拡大部35の付近には、複数の排水孔が設けられていても良い。また、拡大部35に隣接するように排水孔36が設けられても良い。底部37に溜まった凝縮水2は、排水孔36から外部に排出される。
【0032】
また、上述したように、第1区間3Bは、下流側に向かうに従い下方に向かうように湾曲しており、拡大部35は、下方に突出するように設けられる。このため、拡大部35は、当該拡大部35の上流側に隣接する第1部位33(換言すれば、上流部)に溜まった凝縮水を、排水孔36まで誘導する流路を形成する。該流路は、上流部から排水孔36まで下方に延びる。
【0033】
[6.変形例]
第2実施形態の排気管3において、第1区間3Bは、下流側に向かうに従い下方に向かうように真っ直ぐに延びていても良いし、略水平方向に延びていても良い。
【0034】
また、第2区間1Cは、第1区間1Bの終点から略水平方向に真っ直ぐに延びる。しかし、第2区間1Cは、下流側に向かうに従い下方に向かうよう、水平方向に対し傾斜していても良い。また、第2区間1Cは、曲がっていても良い。
【0035】
また、排水孔36は、底部37における拡大部35の付近に設けられるが、これに替えて、又は、これに加えて、拡大部35に排水孔が設けられていても良い。なお、拡大部35に排水孔を設ける場合には、排水孔は底部37の付近に配置するのが好適である。
【0036】
[第3実施形態]
[7.概要]
第3実施形態の排気管4もまた、第1及び第2実施形態と同様にして、車両のエンジンからの排気の流路を形成する(
図5~7参照)。排気管4は、軸線4Aに沿って延びる排気の流路を形成する外周壁40を備え、排気は、上流側から下流側に向かって軸線4Aに沿って該流路を流下する。また、第3実施形態においても、外周壁40の断面は略円形となっているが、これに限らず、断面の形状は適宜定められ得る。
【0037】
排気管4の車両の搭載時において、外周壁40は、排気の入口41から出口42まで、略水平方向に真っすぐに延びる排気の流路を形成する。なお、外周壁40は、下流側に向かうに従い下方に向かう排気の流路を形成してもよい。また、軸線4Aは、外周壁40の断面の略中心を通過する。
【0038】
[8.拡大部及び排水孔]
第3実施形態においても、第1及び第2実施形態と同様、排気管4の外周壁40には、拡大部43と排水孔45とが設けられおり、これらの部位により、排気管4の内部に溜まった凝縮水が外部に排出される(
図5~7参照)。
【0039】
拡大部43は、外周壁40における内周面40Aから突出する2つの突出部44を有する。軸線4Aに直交する向きに視認すると、各突出部44は、軸線4Aに向かって円弧状に突出する。このため、各突出部44における排気の流れ方向の中央44Aよりも下流側の部分は、下流側に向かうに従い軸線4Aから離間するように湾曲しており、該部分は、下流側に向かうに従い外周壁40の断面を下方に拡大させる。
【0040】
また、各突出部44は、外周壁40を陥没させることで形成される。しかし、これに限らず、例えば、外周壁40の厚みを増加させることで、各突出部44が形成されていても良い。
【0041】
また、2つの突出部44は、外周壁40の底部46の付近に設けられており、予め定められた間隔を開けて、軸線4Aを中心とした周方向に並んで配置され、これらの突出部44の間に底部46が位置する。
【0042】
そして、各突出部44に対応して、外周壁40を貫通する1つ又は複数の排水孔45が設けられる。すなわち、各突出部44の下流側であって各突出部44の付近には、該突出部44に対応する排水孔45が設けられる。各突出部44に対応する排水孔45は、底部46の付近に位置する。
【0043】
このため、外周壁40の底部46は、拡大部43の上流側から下流側にわたって略水平方向に延び、底部46に凝縮水2が溜まる。つまり、拡大部43は、外周壁40における拡大部43の上流側に隣接する部分(換言すれば、上流部)に溜まった凝縮水2を、2つの突出部44の間を介して排水孔45まで誘導する流路を形成する。該流路は、拡大部43における底部46に位置しており、上流部の底部46に溜まった凝縮水2は、略水平方向に延びる該流路を通過して排水孔45から外部に排出される。
【0044】
[9.変形例]
第3実施形態の排気管4において、拡大部43は、1つの突出部44と、該突出部44に対応する排水孔45とを有していても良い。この場合、突出部44は、上述したようにして外周壁40の底部46の付近に設けられていても良い。また、この場合、突出部44は、底部46に設けられていても良く、このような場合には、該突出部44に対応する排水孔45は、底部46に設けられても良い。
【0045】
また、拡大部43における各突出部44は、軸線4Aに直交する向きに視認すると、中央44Aにて屈曲した形状を有していても良い。つまり、各突出部44における中央44Aよりも下流側の部分は、下流側に向かうに従い軸線4Aから離間するように傾斜する平面状の部位であっても良い。
【0046】
[6.効果]
(1)第1実施形態の排気管1によれば、突出領域1Eは背圧が低くなり、また、排水孔17は突出領域1Eに連通する。このため、部品数の増加を抑えながら、排水孔17からの排気の流出を抑制しつつ、排水孔17から凝縮水を排出できる。また、突出領域1Eの突出方向は、略水平方向である。このため、排気の流路における拡大部16の上流側に溜まった凝縮水を、排水孔17に向けて誘導できる。したがって、簡易的な構成で、排気管1の内部に溜まった凝縮水を良好に排出できる。
【0047】
(2)また、第2実施形態の排気管3によれば、排気の流路における拡大部35の周辺の領域は、背圧が低くなり、また、排水孔36は、背圧が低くなる該領域に連通する。このため、部品数の増加を抑えながら、排水孔36からの排気の流出を抑制しつつ、排水孔36から凝縮水を排出できる。また、拡大部35は、外周壁30の第1部位33の下流側の端部から下方に突出することで、外周壁30の断面を下方に拡大させる。このため、拡大部35の上流側に溜まった凝縮水を、排水孔36に向けて誘導できる。したがって、排気管3の内部に溜まった凝縮水を良好に排出できる。
【0048】
(3)また、第3実施形態の排気管4によれば、拡大部43の突出部44における中央44Aの下流側の部分により、外周壁40の断面が拡大されるため、該部分の下流側に位置し、且つ、該部分の付近に位置する領域は、背圧が低くなる。また、排水孔45は、背圧が低くなる該領域に連通する。このため、部品数の増加を抑えながら、排水孔45からの排気の流出を抑制しつつ、排水孔45から凝縮水を排出できる。
【0049】
また、拡大部43の2つの突出部44は、外周壁40の底部46を挟むように配置され、2つの突出部44の間を通過して排水孔45まで到達する凝縮水の流路が形成される。このため、排気管4の内部に溜まった凝縮水を良好に排出できる。
【0050】
[7.他の実施形態]
上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…排気管、1A…軸線、1B~1D…第1~第3区間、1E…突出領域、10…外周壁、16…拡大部、17…排水孔、18…底部、2…凝縮水、3…排気管、3A…軸線、3B、3C…第1、第2区間、30…外周壁、35…拡大部、36…排水孔、37…底部、4…排気管、4A…軸線、40…外周壁、40A…内周面、43…拡大部、44…突出部、45…排水孔、46…底部。