(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113419
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
H05K3/46 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015778
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福井 省吾
(72)【発明者】
【氏名】池田 公輔
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA32
5E316AA43
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC13
5E316CC32
5E316CC37
5E316DD17
5E316DD25
5E316DD33
5E316EE01
5E316FF15
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH08
(57)【要約】
【課題】マイグレーションが抑制されるプリント配線板の提供。
【解決手段】実施形態のプリント配線板1は、第1導体層2と、第1導体層2上に形成されている樹脂絶縁層3と、樹脂絶縁層3上に形成されている第2導体層4とを備える。樹脂絶縁層3は、平均粒子径D1を有する無機粒子を含む。平均粒子径D1と、第2導体層4における最小配線間隔Sとの比(D1/S)は0.25未満である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導体層と、
前記第1導体層上に形成されている樹脂絶縁層と、
前記樹脂絶縁層上に形成されている第2導体層と、を備えるプリント配線板であって、
前記樹脂絶縁層は、平均粒子径D1を有する無機粒子を含み、
前記平均粒子径D1と、前記第2導体層における最小配線間隔Sとの比(D1/S)は0.25未満である。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線板であって、
前記平均粒子径D1は0.5μm以下である。
【請求項3】
請求項1に記載のプリント配線板であって、
前記無機粒子は最大粒子径D2を有し、前記最大粒子径D2と前記最小配線間隔Sとの比(D2/S)は2未満である。
【請求項4】
請求項1に記載のプリント配線板であって、
前記無機粒子の最大粒子径D2は、4μm以下である。
【請求項5】
請求項1に記載のプリント配線板であって、
前記最小配線間隔Sは5μm以下である。
【請求項6】
請求項1に記載のプリント配線板であって、
前記樹脂絶縁層における前記無機粒子の含有量は45wt%以上、80wt%以下である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機粒子を含有する樹脂絶縁層を有するプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、樹脂絶縁層と、当該樹脂絶縁層を挟む第1導体層および第2導体層とを備えるプリント配線板が開示されている。第1導体層は、第1導体回路と、当該第1導体回路に隣接する第2導体回路とを有する。上記樹脂絶縁層は、平均粒子径D1を有する無機粒子を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のプリント配線板において、第1導体回路と第2導体回路間のスペースの距離をSとしたとき、平均粒子径D1と距離Sとの比(D1/S)は0.25未満である。しかしながら、さらにマイグレーションの抑制が求められることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るプリント配線板は、第1導体層と、前記第1導体層上に形成されている樹脂絶縁層と、前記樹脂絶縁層上に形成されている第2導体層と、を備えるプリント配線板であって、前記樹脂絶縁層は、平均粒子径D1を有する無機粒子を含み、前記平均粒子径D1と、前記第2導体層における最小配線間隔Sとの比(D1/S)は0.25未満である。
【0006】
本発明の実施形態によれば、さらにマイグレーションの抑制を行うことが可能なプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態のプリント配線板の一例を示す断面図。
【
図3】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造工程中の状態の一例を示す断面図。
【
図4】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造工程中の状態の一例を示す断面図。
【
図5】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造工程中の状態の一例を示す断面図。
【
図6】本発明の一実施形態のプリント配線板の製造工程中の状態の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態のプリント配線板が図面を参照しながら説明される。
図1は、本発明の一実施形態のプリント配線板の一例を示す断面図である。
図2は、
図1のII部の模式的拡大図である。なお、
図2においては、同一径の複数の無機粒子が一列に整列した状態で図示されているが、この整列状態は本発明をわかりやすく説明するために便宜的に記載されたものである。また、
図2においては、一列に並んだ無機粒子以外の無機粒子の図示を省略している。実際には、無機粒子はこのように整列した状態で配置されている必要はなく、同一径または異なる径の複数の無機粒子が樹脂絶縁層内でランダムな位置に配置されていてもよい。
【0009】
本実施形態に係るプリント配線板1は、プリント配線板1の厚さ方向Zの中央部に位置する図示しない絶縁層(コア絶縁層とも称する)と、コア絶縁層の両面(コア絶縁層におけるその厚さ方向Zにおいて対向する2つの主面(第1主面および第2主面)のそれぞれに交互に積層された導体層および絶縁層とを含んでいる。
図1においては、コア絶縁層の第1主面上に積層された導体層および絶縁層のみを示し、コア絶縁層の第2主面上に積層された導体層および絶縁層の図示を省略している。
【0010】
本明細書では、後述するプリント配線板1の厚さ方向においてコア絶縁層(図示せず)から遠い側は「上側」若しくは「外側」、「上方」、または単に「上」とも称され、コア絶縁層に近い側は「下側」若しくは「内側」、「下方」、または単に「下」とも称される。また、プリント配線板を構成する絶縁層のうち、コア絶縁層に積層される絶縁層を層間絶縁層とも称する。さらに、各導体層および各層間絶縁層において、コア絶縁層と反対側を向く表面は「上面」とも称され、コア絶縁層側を向く表面は「下面」とも称される。また、プリント配線板1の厚さ方向は、「厚さ方向Z」または、単に「Z方向」とも称される。
【0011】
図1に示されるプリント配線板1は、プリント配線板1の厚さ方向Zと直交する方向に広がる2つの表面として、第1面11と、第1面11に対して反対側の面である第2面(図示せず)とを有している。
【0012】
まず、プリント配線板1の概略的な構成が説明される。本実施形態に係るプリント配線板1は、プリント配線板1において厚さ方向Zの中央部に位置する図示しないコア絶縁層と、コア絶縁層の両面(コア絶縁層におけるその厚さ方向Zにおいて対向する2つの主面(第1主面および第2主面))のそれぞれに交互に積層された導体層および層間絶縁層とを含んでいる。コア絶縁層の第1主面上には、複数の導体層(たとえば、第1導体層2および第2導体層4)のそれぞれと複数の絶縁層(たとえば、樹脂絶縁層5および樹脂絶縁層3)のそれぞれとが交互に積層されている。コア絶縁層の第2主面上においても、同様に、複数の導体層のそれぞれと複数の絶縁層のそれぞれとが交互に積層されている。以下の説明では、コア絶縁層の第2主面側に積層された導体層を「第2主面側の導体層」とも称する。また、コア絶縁層の第2主面側に積層された絶縁層を「第2主面側の絶縁層」とも称する。
【0013】
本実施形態では、樹脂絶縁層5および樹脂絶縁層3は、樹脂により構成された層間絶縁層である。樹脂絶縁層3は、コア絶縁層の第1主面上に積層された複数の樹脂絶縁層のうち、最も外側(上側)に位置する樹脂絶縁層である。
図1に示される例では、樹脂絶縁層3は、樹脂絶縁層5上に形成されている。また、第2導体層4は、樹脂絶縁層3を介して、コア絶縁層とは反対側に設けられている。樹脂絶縁層3上には、ソルダーレジスト層(図示せず)が形成されていてもよい。なお、コア絶縁層の第1主面上に積層される導体層および絶縁層の層数は、特に限定されるものではなく、任意の層数とすることが可能である。
【0014】
本実施形態では、コア絶縁層、および樹脂絶縁層3、5は、各々、たとえばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)またはフェノール樹脂などの絶縁性樹脂を用いて形成される。第2主面側の樹脂絶縁層についても同様である。なお、コア絶縁層、樹脂絶縁層3、5、および第2主面側の樹脂絶縁層は、後述の無機粒子31をさらに含んでいてもよい。
図1に示される例では、樹脂絶縁層3は複数の無機粒子31を含んでいる。
【0015】
本実施形態では、第1導体層2、第2導体層4および後述のビア6は、銅またはニッケルなどの任意の金属を用いて形成され、たとえば、銅箔などの金属箔、および/または、めっき若しくはスパッタリングなどで形成される金属膜によって構成される。
【0016】
次に、本実施形態に係るプリント配線板1が、より詳細に説明される。
図1および
図2に示されるように、プリント配線板1は、第1導体層2と、樹脂絶縁層3と、第2導体層4とを備えている。また、本実施形態では、プリント配線板1は、樹脂絶縁層5をさらに備えている。また、本実施形態では、プリント配線板1は、ビア(ビア導体)6をさらに備えている。
【0017】
図1に示される例では、第1導体層2は、樹脂絶縁層3の下の樹脂絶縁層5上に形成されている。第1導体層2は、樹脂絶縁層5に形成されているビア6と連続するパターンとして、樹脂絶縁層5上に形成されている。第1導体層2は、樹脂絶縁層3に形成されたビア6を介して、第2導体層4と電気的に接続されている。
【0018】
樹脂絶縁層3は、その外側(上側)に第2導体層4が形成される層である。樹脂絶縁層3は、樹脂絶縁層5および第1導体層2上に形成されている。すなわち、樹脂絶縁層3は、第1導体層2および樹脂絶縁層5を、コア絶縁層とは反対側から覆っている。
【0019】
また、樹脂絶縁層3は無機粒子31を含んでいる。無機粒子31は、たとえば、樹脂絶縁層3の機械的強度等の特性を向上させることが可能な補強材として機能し得る。無機粒子31は、無機フィラーとも称される。本実施形態では、無機粒子31は、たとえば、シリカ等の無機材料により構成されている。また、無機粒子31は、球状を有し得る。無機粒子31が球状であることにより、樹脂絶縁層3内に無機粒子31を満遍なく配置しやすくなる場合がある。また、無機粒子31としては、同一径または異なる径を有する複数の粒子が用いられる。
図1に示される例では、異なる径を有する球状の複数の無機粒子31が用いられている。なお、無機粒子31の形状は球状に限定されるものではなく、たとえば、長球等の楕円体状、板状、針状、または繊維状等であってもよい。
【0020】
樹脂絶縁層3に含まれる複数の無機粒子31の説明における用語「径」は、無機粒子31の外表面における最も離間する2点間の直線距離を意味している。本明細書においては、樹脂絶縁層3に含まれる複数の無機粒子31が有する径の算術平均値を「平均粒子径D1」と称する。無機粒子31の平均粒子径D1は、0.5μm以下であることが好ましい。
【0021】
第2導体層4は、樹脂絶縁層3上に形成されている。本実施形態では、第2導体層4は、複数の導体パッド4aと、複数の配線4bとを含んでいる。そのため、本実施形態では、プリント配線板1は、第1面11に複数の導体パッド4aおよび複数の配線4bを備えている。第2導体層4は、所定の形状および大きさの複数の導体パッド4aと、導体パッド4aおよび他の配線4bに対して所定の間隔をあけて並ぶ複数の配線4bと、を有するようにパターニングされている。第2導体層4における最小配線間隔をSで表す場合、平均粒子径D1と、第2導体層4における最小配線間隔Sとの比(D1/S)は0.25未満である。
【0022】
なお本明細書において、「最小配線間隔S」とは、第2導体層4を構成する導体パターン同士の間隔のうちの最小の間隔を意味する。具体的には、「最小配線間隔S」は、たとえば、隣り合う配線4b同士の間隔、隣り合う導体パッド4a同士の間隔、ならびに、隣り合う配線4bおよび導体パッド4a同士の間隔、のうちの最小の間隔である。
【0023】
図2には、平均粒子径D1を有する4個の無機粒子31(31a、31b、31c、31d)が、第2導体層4を構成する導体パターン同士の最小配線間隔Sに対応する領域に沿って、整列した状態で模式的に図示されている。
図2に示される例では、隣り合う配線4b同士の間隔が、隣り合う配線4b間の所定の領域において最小配線間隔Sとなっている場合が想定されている。平均粒子径D1と、第2導体層4における最小配線間隔Sとの比(D1/S)が0.25未満である場合、
図2に示されるように、たとえ4個の無機粒子31が、第2導体層4の最小配線間隔Sに対応する領域に沿って並んでいるとしても、第2導体層4における隣り合う導体パターンのうちの一方4bと無機粒子31aとの間に隙間CL1が存在すると考えられる。また、無機粒子31aと無機粒子31bとの間に隙間CL2が存在すると考えられる。また、無機粒子31bと無機粒子31cとの間に隙間CL3が存在すると考えられる。また、無機粒子31cと無機粒子31dとの間に隙間CL4が存在すると考えられる。また、第2導体層4における隣り合う導体パターンのうちの他方4bと無機粒子31dとの間に隙間CL5が存在すると考えられる。そして、それらの隙間CL1~CL5の各々に樹脂が存在すると考えられる。
【0024】
すなわち、図示される2つの配線4b間は無機粒子31の表面が連続して接続されることはなく、無機粒子31同士は隙間(詳細には、隙間に充填された樹脂絶縁層3)を介して離間している。そのため、無機粒子31の表面を介するマイグレーションの拡大が抑えられ、配線4b同士のショートが抑制され得ると考えられる。最小配線間隔Sの値が小さくても、第2導体層4における隣り合う導体パターン同士の絶縁の信頼性を高めることができると考えられる。なお、さらには、比(D1/S)は0.18以下であることが好ましい。配線4b同士のショートがさらに効果的に抑制され得ると考えられる。
【0025】
なお、無機粒子31が有する径の最大値は4μm以下であることが好ましい。無機粒子31が有する径の最大値(最大粒子径)をD2としたとき、最大粒子径D2と最小配線間隔Sとの比(D2/S)は、好ましくは2未満である。この場合、たとえ、最大粒子径D2を有する無機粒子31が、第2導体層4の最小配線間隔Sに対応する領域に沿って並んでいるとしても、第2導体層4の隣り合う導体パターン間のマイグレーションによるショートが発生しがたい。したがって、第2導体層4における隣り合う導体パターン同士の絶縁の信頼性をより高めることができる。
【0026】
最小配線間隔Sは、好ましくは5μm以下である。樹脂絶縁層3における無機粒子31の含有量は45wt%以上、80wt%以下であることが好ましい。
【0027】
次に、本実施形態に係るプリント配線板1の製造方法について、
図1~
図6を参照しつつ説明する。
図3~
図6は、本発明の一実施形態のプリント配線板の製造工程中の状態の一例を示す断面図である。
【0028】
図1に示されるプリント配線板1は、一般的なプリント配線板の製造方法によって製造され得る。たとえば、第1主面、および第1主面の反対面である第2主面を有するコア基板(図示せず)が用意され、第1主面上および第2主面上にそれぞれ絶縁層および導体層が積層される。
【0029】
コア基板の用意では、コア絶縁層を含む両面銅張積層板が用意される。そしてサブトラクティブ法などによって、所定の配線パターンを含む導体層がコア絶縁層の第1主面および第2主面にそれぞれ形成される。それとともに、コア絶縁層に設けられた貫通孔内を導体で埋めることによってスルーホール導体が形成され、プリント配線板1のコア基板が用意される。
【0030】
コア絶縁層の第1主面側に層間絶縁層が積層され、その層間絶縁層上に導体層が形成される。同様に、コア絶縁層の第2主面側に、層間絶縁層が積層され、その層間絶縁層上に導体層が形成される。そしてコア基板の両面において、各層間絶縁層の積層と各導体層の形成とが繰り返される。コア絶縁層の第1主面側の層間絶縁層およびその上の導体層、コア絶縁層の第2主面側の樹脂絶縁層およびその上の導体層は、たとえば一般的なビルドアップ基板の製造方法によって、それぞれ形成される。
【0031】
たとえば各層間絶縁層は、フィルム状のエポキシ樹脂を、コア基板または先に形成されている各層間絶縁層および各導体層上に熱圧着することによって形成される。また、各導体層は、たとえば、めっきレジストの形成およびパターンめっきなどを含むセミアディティブ法やフルアディティブ法などの導体パターンの任意の形成方法を用いて形成される。セミアディティブ法などの導体パターンの形成方法を用いる各導体層の形成では、ビアが各層間絶縁層内に形成され得る。
【0032】
図3では、コア絶縁層の第1主面側において、樹脂絶縁層5が形成され、樹脂絶縁層5内にビア6が形成され、樹脂絶縁層5上に第1導体層2が形成された状態が示されている。
【0033】
図3に示される例の状態の形成においては、ビア形成用の貫通孔を含む樹脂絶縁層5上および当該貫通孔内面に、無電解めっきなどにより、シード金属膜となる無電解めっき膜21が形成される。そして、ビア形成用の貫通孔内には電解めっき膜22が充填される。樹脂絶縁層5上の無電解めっき膜21上に電解めっき膜22が形成される。樹脂絶縁層5上の電解めっき膜22と、ビア形成用の貫通孔内の電解めっき膜22とは一体に形成される。ビア形成用の貫通孔内の無電解めっき膜21および電解めっき膜22により、ビア6が形成される。樹脂絶縁層5上の無電解めっき膜21および電解めっき膜22により、第1導体層2が形成される。
【0034】
その後、
図4に示されるように、樹脂絶縁層5および第1導体層2上に、樹脂絶縁層3が形成される。樹脂絶縁層3の形成には、複数の無機粒子31を含有するフィルム状の樹脂が用いられ得る。好ましくは、樹脂絶縁層3を形成するフィルム状の樹脂は無機粒子31の含有率が45wt%以上、且つ、80wt%以下である。また、無機粒子31の平均粒子径D1は、0.5μm以下である。
【0035】
その後、
図5に示されるように、貫通孔32がレーザ光の照射などにより樹脂絶縁層3に形成される。貫通孔32は、第1導体層2を露出させるように形成される。
【0036】
その後、
図6に示されるように、樹脂絶縁層3上にさらに第2導体層4が形成される。第2導体層4は、複数の導体パッド4aおよび複数の配線4bを所定の位置に形成できるような適切な開口パターンを有するめっきレジスト7を用いるセミアディティブ法などの任意の導体パターンの形成方法を用いて形成される。具体的には、無機粒子31の平均粒子径D1と、第2導体層4における最小配線間隔Sとの比(D1/S)が0.25未満である第2導体層4が形成される(
図2参照)ような位置に、めっきレジスト7が設けられる。
【0037】
好ましくは、無機粒子31の最大粒子径D2と最小配線間隔Sとの比(D2/S)が2未満である第2導体層4が形成されるような位置に、めっきレジスト7が設けられる。貫通孔32の内面および樹脂絶縁層3上には、無電解めっきなどにより、無電解めっき膜41が形成される。上述のめっきレジスト7は、無電解めっき膜41上に設けられる。めっきレジスト7を形成した後、貫通孔32内には電解めっき膜42が充填される。また、樹脂絶縁層3上の無電解めっき膜41上に電解めっき膜42が形成される。貫通孔32内の無電解めっき膜41および電解めっき膜42により、ビア6が構成される。
【0038】
続いて、めっきレジスト7が除去される。その後、めっきレジスト7の除去によって露出した無電解めっき膜41がエッチング処理により除去される。これにより、導体パッド4aおよび配線4bを含む第2導体層4が形成され、
図1に示される状態のプリント配線板1が形成される。その後、図示しないソルダーレジスト層が樹脂絶縁層4上に形成され得る。
【0039】
なお、コア絶縁層の第2主面側においても、絶縁層および導体層が積層される。以上の工程を経ることにより、配線間のショートの発生を抑制することが可能なプリント配線板1が完成する。
【0040】
本実施形態のプリント配線板は、各図面に例示される構造や、本明細書において例示された構造や材料を備えるものに限定されない。本実施形態のプリント配線板は、任意の積層構造を有し得る。本実施形態のプリント配線板は、コア基板を含まないコアレス基板であってもよい。また、本実施形態のプリント配線板は任意の数の導体層および絶縁層を含み得る。たとえば、第2導体層4には、導体パッド4a、配線4bの他にも異なる導体パターンが含まれ得る。
【符号の説明】
【0041】
1 プリント配線板
2 第1導体層
3 樹脂絶縁層
31、31a~31d 無機粒子
4 第2導体層
D1 平均粒子径
S 最小配線間隔