(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113449
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230808BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20230808BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015827
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重松 愛弓
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】共同で利用される車両の総合的な保守点検情報を効率よく管理する情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】保守点検情報管理システムにおけるサーバ装置300は、制御部303を有する。制御部303は、現利用者の利用開始時の車両の状態に関する情報である第1の状態情報を取得し、前利用者の利用時に取得した車両の状態に関する情報である第2の状態情報と、第1の状態情報とを比較する。制御部303は、第2の状態情報と第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果S4を前利用者へ通知する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者が共同で利用する車両の保守点検情報を管理する情報処理装置であって、制御部を有し、
前記制御部は、
現利用者の利用開始時の前記車両の状態に関する情報である第1の状態情報を取得し、
前利用者の利用時に取得した前記車両の状態に関する情報である第2の状態情報と、前記第1の状態情報とを比較し、
前記第2の状態情報と前記第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果を前利用者へ通知する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
現利用者の利用開始時に、現利用者の使用する端末装置で動作するアプリを介して入力された前記第1の状態情報を取得し、
前利用者の利用開始時に、前利用者の使用する前記端末装置で動作する前記アプリを介して入力された前記第2の状態情報と、前記第1の状態情報とを比較する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記アプリは、前記車両の日常的および定期的な点検整備項目を入力可能に設けられる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記点検整備項目の内容の履歴に基づいて、前記アプリの起動時に、前記アプリの画面に重点的な点検項目を表示させる、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
現利用者の利用開始時に、自動的に前記車両の車載装置によって撮影された第1の画像を前記第1の状態情報として取得し、
前利用者の利用終了時に、自動的に前記車載装置によって撮影された第2の画像である前記第2の状態情報と、前記第1の状態情報とを比較する、
請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1の画像は、
前記車両のACCスイッチがオンされ、かつ、現利用者が切り替わったことが検出された場合に撮影され、
前記第2の画像は、
前記ACCスイッチがオフされた場合に撮影される、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の画像および前記第2の画像は、前記車両の車内画像である、
請求項5または6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記比較結果に基づいて、少なくとも前記車両の清掃状況および忘れ物の有無について前利用者を評価する、
請求項1~7のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
複数の利用者が共同で利用する車両の保守点検情報を管理する情報処理システムであって、
前記利用者が使用する端末装置と、前記車両に搭載される車載装置と、サーバ装置とを有し、
前記端末装置および前記車載装置の一方または双方は、
現利用者の利用開始時の前記車両の状態に関する情報である第1の状態情報を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置は、
前記第1の状態情報を取得し、
前利用者の利用時に取得した前記車両の状態に関する情報である第2の状態情報と、前記第1の状態情報とを比較し、
前記第2の状態情報と前記第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果を前利用者の前記端末装置へ通知する、
情報処理システム。
【請求項10】
複数の利用者が共同で利用する車両の保守点検情報を管理する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
現利用者の利用開始時の前記車両の状態に関する情報である第1の状態情報を取得することと、
前利用者の利用時に取得した前記車両の状態に関する情報である第2の状態情報と、前記第1の状態情報とを比較することと、
前記第2の状態情報と前記第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果を前利用者へ通知することと、
を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーシェアリングや社用車のように、複数のユーザが共同で車両を利用するユースケースが知られている。こうしたユースケースでは、各ユーザの利用状況を把握し、その利用状況に応じて各ユーザを評価する必要があると考えられるが、現状、これを実現するうえで利用可能な技術は数少ない。
【0003】
なお、車両に乗車する前後に車内カメラによる撮影を行い、画像の違いによって、ユーザに請求する車両の汚れに対するメンテナンス料を算出する技術は提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術には、各ユーザの利用状況およびその評価のほか、忘れ物の有無や点検整備項目の確認まで含めた総合的な車両の保守点検に関する情報(以下、「保守点検情報」という)を効率よく管理するうえで、更なる改善の余地がある。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、共同で利用される車両の総合的な保守点検情報を効率よく管理することができる情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る情報処理装置は、複数の利用者が共同で利用する車両の保守点検情報を管理する情報処理装置であって、制御部を有する。前記制御部は、現利用者の利用開始時の前記車両の状態に関する情報である第1の状態情報を取得する。また、前記制御部は、前利用者の利用時に取得した前記車両の状態に関する情報である第2の状態情報と、前記第1の状態情報とを比較する。また、前記制御部は、前記第2の状態情報と前記第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果を前利用者へ通知する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、共同で利用される車両の総合的な保守点検情報を効率よく管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る保守点検情報管理方法の概要説明図(その1)である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る保守点検情報管理方法の概要説明図(その2)である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る車載装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、車両の状態に関する履歴情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、保守点検に関するユーザの評価情報の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、専用アプリの画面例を示す図である。
【
図10】
図10は、専用アプリを介した状態情報に基づく場合のタイムチャートを示す図である。
【
図11】
図11は、ユーザが入力可能な他の保守点検項目の例を示す図である。
【
図12】
図12は、専用アプリの画面例の変形例を示す図である。
【
図13】
図13は、状態情報が車内画像である場合のタイムチャートを示す図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係るサーバ装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する情報処理装置、情報処理システムおよび情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
また、以下では、実施形態に係る情報処理システムが、ユーザ端末100、車載装置200およびサーバ装置300の連携によって車両Vの保守点検情報を管理する保守点検情報管理システム1であるものとする。また、以下では、実施形態に係る情報処理方法が、保守点検情報管理システム1の実行する保守点検情報管理方法であるものとする。
【0012】
まず、実施形態に係る保守点検情報管理方法の概要について、
図1および
図2を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る保守点検情報管理方法の概要説明図(その1)である。また、
図2は、実施形態に係る保守点検情報管理方法の概要説明図(その2)である。
【0013】
図1に示すように、実施形態に係る保守点検情報管理システム1は、ユーザ端末100と、車載装置200と、サーバ装置300とを含む。
【0014】
ユーザ端末100は、車両Vを共同で利用する複数のユーザがそれぞれ利用する端末装置であり、たとえばスマートフォンである。本実施形態では、ユーザ端末100は、スマートフォンであるものとする。車載装置200は、車両Vに搭載されるコンピュータであり、たとえばドライブレコーダである。本実施形態では、車載装置200は、ドライブレコーダであるものとする。
【0015】
サーバ装置300は、車両Vの総合的な保守点検情報を管理する装置である。サーバ装置300は、状態履歴DB(Database)302aと、ユーザ評価DB302bとを有する。
【0016】
状態履歴DB302aは、車両Vの状態に関する履歴情報を蓄積するデータベースである。ユーザ評価DB302bは、保守点検に関するユーザそれぞれについての評価情報を格納するデータベースである。
【0017】
サーバ装置300は、制御部303を有する(
図2参照)。サーバ装置300は、ユーザ端末100および車載装置200の一方または双方から取得する情報を用いて、実施形態に係る保守点検情報管理方法を制御部303で実行する。実施形態に係る保守点検情報管理方法では、制御部303が、現利用者の利用開始時の車両Vの状態に関する情報である第1の状態情報を取得する。また、制御部303が、前利用者の利用時に取得した車両Vの状態に関する情報である第2の状態情報と、第1の状態情報とを比較する。また、制御部303は、第2の状態情報と第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果を前利用者へ通知する。
【0018】
図2に示すように、サーバ装置300の制御部303は、現利用者であるユーザのユーザ端末100-1または車載装置200から、現利用者が利用開始時の車両Vの状態に関する状態情報(第1の状態情報)を取得する(ステップS1)。状態情報は、車両Vの清掃状況や、忘れ物の有無や、車両Vの各種の保守点検項目それぞれに該当する内容や、車両Vの車内画像などを含む。
【0019】
制御部303は、このような状態情報を、ユーザ端末100-1からは、ユーザ端末100-1で動作する専用アプリ(アプリケーションソフトウェアの略称)を介して取得する。
【0020】
また、制御部303は、車載装置200からは、状態情報として、車載装置200が有するカメラ204(
図5参照)が撮影した車内画像を取得する。車内画像は、ACC(Accessory)スイッチがオフされるたびに撮影され、車載装置200から送信される。また、車内画像は、ACCスイッチがオンされ、かつ、現利用者であるユーザが切り替わったことが検出された場合に撮影され、車載装置200から送信される。
【0021】
そして、制御部303は、状態履歴DB302aを参照し、前利用者の利用時に取得した状態情報(第2の状態情報)と比較する(ステップS2)。このとき、制御部303は、専用アプリを介して取得した状態情報については、前利用者の入力内容と現利用者の入力内容とを比較する。
【0022】
また、制御部303は、車内画像として取得した状態情報については、前利用者の最後のACCスイッチオフ時の車内画像と、現利用者の最初のACCスイッチオン時の車内画像とを比較する。
【0023】
そして、制御部303は、ステップS2での比較結果に基づいて前利用者であるユーザを評価する(ステップS3)。なお、制御部303は、評価結果をユーザ評価DB302bへ格納する。
【0024】
また、制御部303は、必要に応じ、評価結果を前利用者であるユーザのユーザ端末100-2へ通知する(ステップS4)。制御部303は、かかる通知の通知内容として、たとえば忘れ物があったことなどを通知する。
【0025】
このように、実施形態に係る保守点検情報管理方法によれば、清掃状況の確認や忘れ物の有無の確認を含む各種の保守点検項目を網羅した総合的な保守点検情報を管理することが可能となる。
【0026】
また、実施形態に係る保守点検情報管理方法によれば、現利用者の利用開始時に現利用者からの状態情報に基づいて前利用者の評価を行うことで、その評価情報を含む総合的な保守点検情報を効率よく管理することが可能となる。
【0027】
また、実施形態に係る保守点検情報管理方法によれば、たとえば前利用者の忘れ物があった場合などに、必要に応じてその忘れ物があったという評価結果をユーザヘ通知することができる。
【0028】
以下、実施形態に係る保守点検情報管理システム1の構成例について、より具体的に説明する。
【0029】
図3は、実施形態に係る保守点検情報管理システム1の構成例を示す図である。保守点検情報管理システム1は、1以上のユーザ端末100と、1以上の車載装置200と、サーバ装置300とを含む。
【0030】
ユーザ端末100と、車載装置200と、サーバ装置300とは、インターネットや携帯電話回線網等であるネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。
【0031】
ユーザ端末100は、上述したように、車両Vを共同で利用する複数のユーザがそれぞれ利用する端末装置であり、たとえばスマートフォンである。なお、ユーザ端末100は、スマートフォンのほか、タブレット端末や、PC(Personal Computer)や、PDA(Personal Digital Assistant)や、腕時計型、メガネ型などのウェアラブルデバイスなどであってもよい。
【0032】
また、ユーザ端末100は、保守点検情報管理システム1に係る専用アプリが動作するプラットフォームを有する。
【0033】
車載装置200は、上述したように、車両Vに搭載されるコンピュータであり、たとえばドライブレコーダである。
【0034】
サーバ装置300は、上述したように、車両Vの総合的な保守点検情報を管理する装置である。サーバ装置300の制御部303は、かかる保守点検情報の管理に関し、前述のステップS1~S4を実行する。
【0035】
次に、
図4は、実施形態に係るユーザ端末100の構成例を示すブロック図である。なお、
図4および後に示す
図5,6では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0036】
換言すれば、
図4~
図6に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0037】
また、
図4~
図6を用いた説明では、既に説明済みの構成要素については、説明を簡略するか、説明を省略する場合がある。
【0038】
図4に示すように、実施形態に係るユーザ端末100は、HMI(Human Machine Interface)部101と、通信部102と、記憶部103と、制御部104とを有する。
【0039】
HMI部101は、ユーザに対する入力および出力に関するインターフェイス部品を提供する構成要素である。HMI部101は、ユーザからの入力操作を受け付ける入力インターフェイスを含む。入力インターフェイスは、たとえばタッチパネルによって実現される。なお、入力インターフェイスは、キーボードや、マウスや、ペンタブレットや、マイク等によって実現されてもよい。また、入力インターフェイスは、ソフトウェア部品によって実現されてもよい。
【0040】
また、HMI部101は、ユーザに対して画像情報や音声情報を提示する出力インターフェイスを含む。出力インターフェイスは、たとえばディスプレイやスピーカ等によって実現される。
【0041】
通信部102は、無線チップ、ネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部102は、ネットワークNと無線で接続され、ネットワークNを介して、サーバ装置300との間で情報の送受信を行う。
【0042】
記憶部103は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の記憶デバイスによって実現され、
図4の例では、アプリ情報103aを記憶する。アプリ情報103aは、制御部104が実行する前述の専用アプリのプログラム等を含む。
【0043】
制御部104は、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部103に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部104は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0044】
制御部104は、アプリ実行部104aと、送受信部104bとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0045】
アプリ実行部104aは、アプリ情報103aから専用アプリのプログラムを読み込んで実行する。アプリ実行部104aは、HMI部101を介し、アプリの実行における対ユーザとの情報のやり取りを行う。
【0046】
また、アプリ実行部104aは、送受信部104bを介し、アプリの実行における対サーバ装置300との情報のやり取りを行う。
【0047】
送受信部104bは、アプリ実行部104aの指示に基づき、通信部102を介して、アプリの実行における対サーバ装置300との情報の送受信を行う。
【0048】
次に、
図5は、実施形態に係る車載装置200の構成例を示すブロック図である。
図5に示すように、実施形態に係る車載装置200は、認証デバイス201と、ACC(Accessory)スイッチ202と、車載センサ203と、カメラ204と、HMI部205と、通信部206と、記憶部207と、制御部208とを有する。
【0049】
認証デバイス201は、車両Vを利用するユーザを認証するためのデバイスである。認証デバイス201は、NFC(Near Field Communication)等による認証を実現する。ACCスイッチ202は、車両Vのアクセサリ電源のスイッチである。
【0050】
車載センサ203は、車両Vに搭載される各種のセンサである。カメラ204は、フロントガラスやリアガラス、サイドミラー、ダッシュボード等の車両Vの各所に取り付けられ、車両Vの内外を撮影する。
【0051】
HMI部205は、上述したユーザ端末100のHMI部101と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0052】
通信部206は、無線チップやネットワークアダプタ等によって実現される。通信部206は、ネットワークNと無線で接続され、ネットワークNを介して、サーバ装置300との間で情報の送受信を行う。
【0053】
記憶部207は、RAM、フラッシュメモリ等の記憶デバイスによって実現され、
図5の例では、記録映像情報207aを記憶する。記録映像情報207aは、カメラ204によって撮影され、後述する映像記録部208cによって記録される記録映像群を含む情報である。
【0054】
制御部208は、上述した制御部104と同様に、コントローラであり、CPUやMPU等によって、記憶部207に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部208は、ASICやFPGA等の集積回路により実現することができる。
【0055】
制御部208は、認証部208aと、検出部208bと、映像記録部208cと、送受信部208dとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0056】
認証部208aは、認証デバイス201によって読み取られたユーザの認証情報を取得し、かかる認証情報に基づいて、ユーザを車両Vの正規の利用者として認証する認証処理を実行する。
【0057】
検出部208bは、ACCスイッチ202の状態を取得する。また、検出部208bは、車載センサ203のセンシングデータおよびカメラ204の撮影した画像に基づいて、イベント録画のトリガとなる予め定められた各種のイベントを検出する。
【0058】
映像記録部208cは、検出部208bの検出結果に基づいてカメラ204の撮影映像を記録映像情報207aへ記録する。映像記録部208cは、検出部208bによってイベント録画のトリガとなるイベントが検出された場合に、上書き禁止のイベント録画を行う。また、映像記録部208cは、イベント録画が行われる間以外は、上書き可能な常時録画を行う。
【0059】
また、記録制御部207cは、予め送信対象として指定されたイベントについては、かかるイベントに対応するカメラ204の撮影映像を含む車両状況データを、サーバ装置300へ向けて送受信部208dに送信させる。
【0060】
また、映像記録部208cは、検出部208bによってACCスイッチ202がオフされたことが検出された場合に、カメラ204によって撮影された車両Vの車内画像をサーバ装置300へ向けて送受信部208dに送信させる。
【0061】
また、映像記録部208cは、検出部208bによってACCスイッチ202がオンされたことが検出され、かつ、認証部208aの認証結果が現利用者であるユーザが切り替わったことを示す場合に、カメラ204によって撮影された車両Vの車内画像をサーバ装置300へ向けて送受信部208dに送信させる。
【0062】
送受信部208dは、映像記録部208cの指示に基づき、通信部206を介して、対サーバ装置300との情報の送受信を行う。
【0063】
次に、
図6は、実施形態に係るサーバ装置300の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、実施形態に係るサーバ装置300は、通信部301と、記憶部302と、制御部303とを有する。
【0064】
通信部301は、NIC等によって実現される。通信部301は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末100および車載装置200との間で情報の送受信を行う。
【0065】
記憶部302は、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスク等の記憶デバイスによって実現され、
図6の例では、状態履歴DB302aと、ユーザ評価DB302bと、画像認識モデル302cとを記憶する。
【0066】
状態履歴DB302aは、上述したように、車両Vの状態に関する履歴情報を蓄積するデータベースである。ユーザ評価DB302bは、上述したように、保守点検に関するユーザそれぞれについての評価情報を格納するデータベースである。
【0067】
図7を用いて、車両Vの状態に関する履歴情報の一例について説明する。また、
図8を用いて、保守点検に関するユーザの評価情報の一例について説明する。
図7は、車両Vの状態に関する履歴情報の一例を示す図である。また、
図8は、保守点検に関するユーザの評価情報の一例を示す図である。
【0068】
図7に示すように、状態履歴DB302aが格納する車両Vの状態に関する履歴情報は、「車両名」項目と、「入力日時」項目と、「入力ユーザ名」項目と、「入力内容」項目とを含む。
【0069】
「車両名」項目は、該当する車両Vの識別子が格納される。「入力日時」項目は、専用アプリを介したユーザの入力日時が格納される。「入力ユーザ名」項目は、該当する入力レコードの入力者であるユーザの識別子が入力される。該当する入力レコードの入力者であるユーザは、言い換えれば、入力時に車両Vの現利用者であるユーザである。「入力内容」項目は、専用アプリを介した保守点検に関するユーザの入力内容が格納される。また、「入力内容」項目は、車両Vの状態情報として車両Vの車内画像を受け取った場合に、かかる車内画像を格納する。
【0070】
また、
図8に示すように、ユーザ評価DB302bが格納する保守点検に関するユーザの評価情報は、「ユーザ名」項目と、「評価日時」項目と、「車両名」項目と、「評価」項目と、「通知先」項目と、「スコア」項目とを含む。
【0071】
「ユーザ名」項目は、評価対象であるユーザの識別子が格納される。「評価日時」項目は、「評価日時」項目は、該当のユーザが評価された評価日時が格納される。評価日時は、評価対象であるユーザの次に車両Vの現利用者となったユーザが、専用アプリを介して車両Vの状態情報を入力した入力日時に一致する。
【0072】
図7および
図8の例では、ユーザBが専用アプリを介して車両Vの状態情報を入力した「XX/XX 15:00:00」に、ユーザAが評価されたことを示している。
【0073】
「車両名」項目は、保守点検対象となった車両Vの識別子が格納される。「評価」項目は、評価されるユーザの評価内容が格納される。
図7および
図8の例では、たとえばユーザBが専用アプリを介して「忘れ物」が「あり」との入力を行った結果、ユーザAの「評価」項目には「忘れ物あり」との評価値が格納された例を示している。
【0074】
「通知先」項目は、該当のユーザに通知を行う場合の通知先の識別子、たとえばネットワークID等が格納される。「スコア」項目は、該当のユーザの保守点検に関するスコア値が格納される。
【0075】
図6の説明に戻る。画像認識AI302cは、画像認識用のAIモデルである。具体的には、画像認識AI302cは、機械学習のアルゴリズムを用いて学習されたDNN(Deep Neural Network)モデル等である。画像認識AI302cは、後述する比較部303bにDNNモデルとして読み込まれた後、比較部303bに車載装置200から取得した車両Vの車内画像が入力された場合に、かかる画像に含まれる各種の物体を判別可能に設けられる。
【0076】
制御部303は、上述した制御部104,208と同様に、コントローラであり、CPUやMPU等によって、記憶部302に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部303は、ASICやFPGA等の集積回路により実現することができる。
【0077】
制御部303は、取得部303aと、比較部303bと、評価部303cと、通知部303dとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0078】
取得部303aは、通信部301を介し、ユーザ端末100および車載装置200の一方または双方からの車両Vの状態情報を取得する。また、取得部303aは、取得した状態情報を状態履歴DB302aへ格納する。
【0079】
比較部303bは、取得部303aによって現利用者の利用開始時の状態情報が取得された場合に、状態履歴DB302aを参照し、前利用者の利用時に取得した状態情報と比較する。また、比較部303bは、比較結果を評価部303cへ出力する。
【0080】
評価部303cは、比較部303bの比較結果に基づいて前利用者であるユーザを評価する。評価部303cは、たとえば前利用者であるユーザが入力した状態情報は清掃状況が「良い」であったものの、現利用者であるユーザが入力した状態情報は清掃状況が「悪い」であった場合、前利用者であるユーザを「清掃不良」のユーザとして評価する。
【0081】
また、評価部303cは、状態情報が車内画像であった場合、前利用者の利用時の車内画像と現利用者の利用開始時の車内画像との比較結果に基づき、たとえば前利用者の利用時の物やゴミが残っていれば、前利用者であるユーザを「忘れ物あり」や「清掃不良」のユーザとして評価する。
【0082】
また、評価部303cは、評価結果をユーザ評価DB302bへ格納する。通知部303dは、必要に応じ、評価結果を前利用者であるユーザのユーザ端末100へ通信部301を介して通知する。
【0083】
次に、ユーザ端末100で動作する専用アプリの画面例について、
図9を用いて説明する。
図9は、専用アプリの画面例を示す図である。
【0084】
現利用者であるユーザが、車両Vの利用開始時にユーザ端末100において前述の専用アプリを起動すると、ユーザ端末100には、
図9に示すようなアプリ画面が表示される。
【0085】
かかる画面は、保守点検項目、
図9の例では「忘れ物」や「清掃状況」といった各項目が表示され、その内容をユーザがタップ操作等によって入力可能なレイアウトとなっている。そして、現利用者であるユーザが、かかる画面に表示された各項目を入力して「送信」ボタンをタップすると、ユーザの入力内容を含む状態情報がサーバ装置300へ送信されることとなる。
【0086】
次に、これまでの説明を分かりやすくするために、専用アプリを介した状態情報に基づく場合のタイムチャートを用いた説明を行う。
図10は、専用アプリを介した状態情報に基づく場合のタイムチャートを示す図である。
【0087】
図10に示すように、車両Vについて、時点T1~T2はユーザAが利用し、時点T3~T4はユーザBが利用し、時点T5~T6はユーザCが利用したものとする。また、各ユーザA~Cは、それぞれ車両Vの利用開始時に、専用アプリを介して状態情報を入力するものとする。なお、
図10の上部には、各ユーザA~Cの利用開始時におけるユーザ評価DB302bの評価情報の一部を抜粋して示している。
【0088】
まず、時点T1のユーザAの利用開始時には、各ユーザA~Cの評価情報は未入力であるものとする。この時点で、ユーザAが専用アプリを介して車両Vの状態情報を入力しても、その入力内容は評価情報には反映されない。
【0089】
そして、時点T3のユーザBの利用開始時に、ユーザBが専用アプリを介して車両Vの状態情報を入力すると、かかるユーザBの入力した状態情報の入力内容と、前利用者であるユーザAの入力した状態情報の入力内容とが比較される。
【0090】
ここでは、ユーザAの入力内容のうち、「忘れ物」が「なし」であるにも関わらず、ユーザBの入力内容は「忘れ物」が「あり」であることが分かる。その結果、制御部303の評価部303cは、ユーザ評価DB302bの評価情報の、前利用者であるユーザAを「忘れ物あり」として評価する。
【0091】
同様に、時点T5のユーザCの利用開始時に、ユーザCが専用アプリを介して車両Vの状態情報を入力すると、かかるユーザCの入力した状態情報の入力内容と、前利用者であるユーザBの入力した状態情報の入力内容とが比較される。
【0092】
ここでは、ユーザBの入力内容のうち、「清掃状況」が「良い」であるにも関わらず、ユーザCの入力内容は「清掃状況」が「悪い」であることが分かる。その結果、制御部303の評価部303cは、ユーザ評価DB302bの評価情報の、前利用であるユーザBを「清掃不良」として評価する。
【0093】
ところで、これまでは、専用アプリを介して入力可能な保守点検項目として主に清掃状況と忘れ物の有無を例に挙げたが、入力可能な項目はこれに限られるものではない。
図11は、ユーザが入力可能な他の保守点検項目の例を示す図である。また、
図12は、専用アプリの画面例の変形例を示す図である。
【0094】
図11に示すように、専用アプリを介して入力可能な保守点検項目は、いわゆる車両Vの日常的または定期的な点検整備項目まで網羅されてもよい。また、
図11に示す以外に、車体の傷やへこみ、塗装の状態等までも網羅されてよい。
【0095】
このような点検整備項目まで入力可能とすることにより、たとえばタクシー会社のタクシーや運送会社のトラックなど、いわゆる事業用自動車についても、車両Vごとの総合的な保守点検情報の管理が可能となる。
【0096】
また、こうした点検整備項目まで入力可能な場合、状態履歴DB302aには、各点検整備項目内容の推移が履歴として残るので、かかる履歴に基づいて専用アプリの起動時に、
図12に示すように、アプリの画面に制御部303が「重点点検項目」などを表示させるようにしてもよい。
【0097】
図12の例は、状態履歴DB302aの履歴から、経時劣化等が見込まれる項目として、「空気圧」と、「ワイパーゴム」が重点的な点検項目として表示された例を示している。こうした重点的な点検項目を明示することにより、ユーザは車両Vの利用に際して状態が悪化する可能性のある箇所を早期に把握できる。事業用自動車であれば、事業者は、部品交換が発生しそうな箇所を早期に把握し、部品手配など事前に進めることができる。
【0098】
次に、状態情報が車載装置200からの車内画像である場合のタイムチャートを用いた説明を行う。
図13は、状態情報が車内画像である場合のタイムチャートを示す図である。
【0099】
図13に示すように、車両Vについて、時点T11~T12はユーザAが利用し、時点T13~T14も引き続きユーザAが利用し、時点T15以降はユーザBが利用したものとする。なお、
図13の上部には、
図10と同様に、ユーザ評価DB302bの評価情報の一部を抜粋して示している。
【0100】
まず、ユーザAが時点T11で認証されるとともにACCスイッチ202をオンにした利用開始時には、各ユーザA~Cの評価情報は未入力であるものとする。かかる場合、車載装置200は、ACCスイッチ202がオフされるたびに(すなわち、時点T12,T14に)、カメラ204によって車内画像を撮影し、車両Vの状態情報としてサーバ装置300へ送信する。なお、かかる時点T12,T14の車内画像は、「第2の画像」の一例に相当する。
【0101】
そして、サーバ装置300の制御部303は、同じユーザAが現利用者である間は、ACCスイッチ202がオフ時の車内画像同士を比較しない。したがって、ユーザ評価DB302bの評価情報もその間、更新されない。
【0102】
そして、ユーザBが時点T15で認証されるとともにACCスイッチ202をオンにしたユーザBの利用開始時、車載装置200は、ACCスイッチ202のオンと現利用者の切り替わりを検出し、これをトリガとしてかかる時点15の車内画像をサーバ装置300へ送信する。なお、かかる時点T15の車内画像は、「第1の画像」の一例に相当する。
【0103】
そして、制御部303は、前利用者であるユーザAの最後のACCスイッチ202オフ時(すなわち、時点14)の車内画像と、現利用者であるユーザBのACCスイッチ202オン時(すなわち、時点15)の車内画像とを比較する。
【0104】
ここでは、時点14の車内画像に写っていたメガネgや缶cが、時点15の車内画像にも写っている、すなわち車内に残っていることが分かる。かかる場合、制御部303は、その比較結果に基づいて、ユーザ評価DB302bの評価情報の、前利用者であるユーザAを「忘れ物あり」や「清掃不良」として評価する。
【0105】
図13の例の場合、車内画像に基づいて自動的に総合的な保守点検情報の管理が可能となる。また、かかる場合、車両Vを利用するユーザや、保守点検情報を管理する管理者の工数削減にも寄与することができる。なお、これまでは、カメラ204によって撮影される画像が車内画像である例を挙げたが、車外画像であってもよい。車外画像の場合、複数のカメラ204によって撮影された複数の車外画像から車体を立体的に俯瞰する画像を合成し、かかる合成画像の第1の画像と第2の画像とを比較することによって、車両Vの外観の変化を確認することができる。
【0106】
次に、実施形態に係るサーバ装置300が実行する処理手順について、
図14を用いて説明する。
図14は、実施形態に係るサーバ装置300が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0107】
図14に示すように、サーバ装置300の制御部303は、現利用者の利用開始時の車両Vの状態情報を取得する(ステップS101)。そして、制御部303は、取得した状態情報を、前利用者の利用時に取得した状態情報と比較する(ステップS102)。
【0108】
そして、制御部303は、比較結果に基づいて前利用者であるユーザを評価する(ステップS103)。また、制御部303は、評価結果の通知を要するか否かを判定する(ステップS104)。
【0109】
ここで、通知を要する場合(ステップS104,Yes)、制御部303は、評価結果を前利用者であるユーザへ通知し(ステップS105)、処理を終了する。一方、通知が不要である場合(ステップS104,No)、制御部303は、通知を行わずに処理を終了する。
【0110】
上述してきたように、実施形態に係るサーバ装置300は、複数の利用者が共同で利用する車両Vの保守点検情報を管理する情報処理装置であって、制御部303を有する。制御部303は、現利用者の利用開始時の車両Vの状態に関する情報である第1の状態情報を取得する。また、制御部303は、前利用者の利用時に取得した車両Vの状態に関する情報である第2の状態情報と、第1の状態情報とを比較する。また、制御部303は、第2の状態情報と第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果を前利用者へ通知する。
【0111】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、共同で利用される車両Vの総合的な保守点検情報を効率よく管理することができる。
【0112】
また、制御部303は、現利用者の利用開始時に、現利用者の使用するユーザ端末100-1で動作するアプリを介して入力された第1の状態情報を取得し、前利用者の利用開始時に、前利用者の使用するユーザ端末100-2で動作する上記アプリを介して入力された第2の状態情報と、第1の状態情報とを比較する。
【0113】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、アプリを介した利便性の高い手法により、車両Vの総合的な保守点検情報を効率よく管理することができる。
【0114】
また、上記アプリは、車両Vの日常的および定期的な点検整備項目を入力可能に設けられる。
【0115】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、点検整備項目を含む総合的な保守点検情報を効率よく管理することが可能となる。
【0116】
また、制御部303は、上記点検整備項目の内容の履歴に基づいて、上記アプリの起動時に、上記アプリの画面に重点的な点検項目を表示させる。
【0117】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、こうした重点的な点検項目を明示することにより、ユーザは車両Vの利用に際して状態が悪化する可能性のある箇所を早期に把握できる。事業用自動車であれば、事業者は、部品交換が発生しそうな箇所を早期に把握し、部品手配など事前に進めることができる。
【0118】
また、制御部303は、現利用者の利用開始時に、自動的に車両Vの車載装置200によって撮影された第1の画像を第1の状態情報として取得し、前利用者の利用終了時に、自動的に車載装置200によって撮影された第2の画像である第2の状態情報と、第1の状態情報とを比較する。
【0119】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、前利用者の利用終了時に自動で撮影された第2の画像と、現利用者の利用開始時に自動で撮影された第1の画像との比較による自動評価によって、保守点検情報の管理工数の削減に寄与することができる。
【0120】
また、上記第1の画像は、車両VのACCスイッチ202がオンされ、かつ、現利用者が切り替わったことが検出された場合に撮影され、上記第2の画像は、ACCスイッチ202がオフされた場合に撮影される。
【0121】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、前利用者の利用終了時のイベントを検出して自動で撮影された第2の画像と、現利用者の利用開始時のイベントを検出して自動で撮影された第1の画像との比較による自動評価が可能となる。また、これにより、保守点検情報の管理工数の削減に寄与することができる。
【0122】
また、上記第1の画像および上記第2の画像は、車両Vの車内画像である。
【0123】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、たとえば前利用者の利用時の物やゴミが車内に残っていれば、前利用者であるユーザを「忘れ物あり」や「清掃不良」のユーザとして評価することができる。
【0124】
また、制御部303は、上記比較結果に基づいて、少なくとも車両Vの清掃状況および忘れ物の有無について前利用者を評価する。
【0125】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、少なくとも車両Vの清掃状況および忘れ物の有無について前利用者を評価することができる。
【0126】
また、実施形態に係る保守点検情報管理システム1は、複数の利用者が共同で利用する車両Vの保守点検情報を管理する情報処理システムであって、利用者が使用するユーザ端末100と、車両Vに搭載される車載装置200と、サーバ装置300とを有する。ユーザ端末100および車載装置200の一方または双方は、現利用者の利用開始時の車両Vの状態に関する情報である第1の状態情報をサーバ装置300へ送信する。サーバ装置300は、第1の状態情報を取得する。また、サーバ装置300は、前利用者の利用時に取得した車両Vの状態に関する情報である第2の状態情報と、第1の状態情報とを比較する。また、サーバ装置300は、第2の状態情報と第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果を前利用者のユーザ端末100へ通知する。
【0127】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理システム1によれば、共同で利用される車両Vの総合的な保守点検情報を効率よく管理することができる。
【0128】
また、実施形態に係る保守点検情報管理方法は、複数の利用者が共同で利用する車両Vの保守点検情報を管理する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、現利用者の利用開始時の車両の状態に関する情報である第1の状態情報を取得することを含む。また、保守点検情報管理方法は、前利用者の利用時に取得した車両Vの状態に関する情報である第2の状態情報と、第1の状態情報とを比較することを含む。また、保守点検情報管理方法は、第2の状態情報と第1の状態情報との比較結果に基づいて前利用者を評価し、評価結果を前利用者へ通知することを含む。
【0129】
したがって、実施形態に係る保守点検情報管理方法によれば、共同で利用される車両Vの総合的な保守点検情報を効率よく管理することができる。
【0130】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 保守点検情報管理システム
100 ユーザ端末
101 HMI部
102 通信部
103 記憶部
104 制御部
200 車載装置
201 認証デバイス
202 ACCスイッチ
203 車載センサ
204 カメラ
205 HMI部
206 通信部
207 記憶部
208 制御部
300 サーバ装置
301 通信部
302 記憶部
303 制御部
V 車両