(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113450
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】買い物カート
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20230808BHJP
B62B 5/00 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
B62B3/02 B
B62B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015828
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000505
【氏名又は名称】アロン化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(72)【発明者】
【氏名】内野 雄市郎
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA02
3D050BB04
3D050BB05
3D050CC05
3D050DD01
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG00
(57)【要約】
【課題】バッグの容量を十分に確保しながら、前後にコンパクトに折り畳むことができる買い物カートを提供する。
【解決手段】買い物カート10は、下端部に前輪16が取り付けられた左右一対の縦フレーム部21を有する第1フレーム体11と、下端部に後輪17が取り付けられた左右一対の縦フレーム31を有する第2フレーム体12と、各縦フレーム部21の下端側にそれぞれ連結されるとともに、前後方向に延びるように設けられ、バッグ13を載せるためのバッグ載せ部14と、各縦フレーム31の下端側を連結する横フレーム32と、を備える。各フレーム体11,12は展開状態と折り畳み状態とに切替可能となっている。バッグ載せ部14と横フレーム32とは、各フレーム体11,12が折り畳み状態とされた場合に、横フレーム32がバッグ載せ部14の下方に入り込むように構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部に前輪が取り付けられた左右一対の第1縦フレーム部を有する第1フレーム体と、
下端部に後輪が取り付けられた左右一対の第2縦フレーム部を有する第2フレーム体と、
前記各第1縦フレーム部の下端側にそれぞれ連結されるとともに、前後方向に延びるように設けられ、買い物した物を収容可能なバッグを載せるためのバッグ載せ部と、
前記各第2縦フレーム部の下端側を連結する補強フレームと、を備え、
前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とは、前記前輪と前記後輪とが前後に離間する展開状態と、前記前輪と前記後輪とが前後に接近する折り畳み状態とに切替可能となっている買い物カートであって、
前記バッグ載せ部と前記補強フレームとは、前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とが前記折り畳み状態とされた場合に、前記補強フレームが前記バッグ載せ部の下方に入り込むように構成されている、買い物カート。
【請求項2】
前記バッグ載せ部は、側面視にて、前記第1フレーム体に対して後方に延びる後側部分と、前記第1フレーム体に対して前方に延びる前側部分とを有しており、
前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とが前記折り畳み状態とされた場合に、前記後側部分の下方に前記補強フレームが入り込むようになっており、
前記前側部分から下方に延びているとともに、前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体が前記展開状態にある場合には前記買い物カートの接地面から上方に離間し、前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体が前記折り畳み状態にある場合には前記接地面に接地する接地部を備える、請求項1に記載の買い物カート。
【請求項3】
前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体が前記折り畳み状態とされた場合には、前記前輪よりも後方に前記後輪が位置し、前記前輪よりも前方に前記接地部が位置した状態で、前記後輪及び前記接地部がそれぞれ前記接地面に載置されることにより、前記前輪が前記接地面から上方に離間した状態で前記買い物カートが自立する、請求項2に記載の買い物カート。
【請求項4】
前記補強フレームは、前記各第1縦フレーム部に連結される両端部よりも中間部の方が前方に位置するように曲げ形成されており、
前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体の前記折り畳み状態では、前記補強フレームの前記中間部が前記バッグ載せ部の下方に入り込む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の買い物カート。
【請求項5】
前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とは、側面視において略X字状をなすように互いに交差して配置されているとともに、前記交差する交差部において回動可能に連結されることにより前記展開状態と前記折り畳み状態とに切替可能とされており、
前記交差部よりも上方において前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とに跨がって設けられることにより前記バッグの上方に配置されているとともに、買い物かごを載置可能なかご載置部を備える、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の買い物カート。
【請求項6】
前記バッグは、買い物した物を収容するバッグ本体と、前記バッグ本体の下端部に取り付けられた左右一対の車輪とを有しており、
前記バッグ載せ部には前記バッグ本体が載置され、その載置状態において前記各車輪が前記バッグ載せ部から外れた位置に配置され、
前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体が前記折り畳み状態とされた場合に、前記車輪の下方に前記補強フレームが入り込む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の買い物カート。
【請求項7】
前記バッグ載せ部に載せられた前記バッグを備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の買い物カート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、買い物カートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スーパーマーケット等の店内で購入した商品を運ぶ際に用いられる買い物カートが知られている。特許文献1には、購入した商品を収容するバッグを備えるバッグ付きの買い物カートが開示されている。
【0003】
特許文献1の買い物カートは、前輪が取り付けられた第1フレーム体と、後輪が取り付けられた第2フレーム体とを備えている。詳しくは、第1フレーム体は、下端部に前輪が取り付けられた左右一対の縦フレームを有し、第2フレーム体は、下端部に後輪が取り付けられた左右一対の縦フレームを有している。第1フレーム体と第2フレーム体とは、前輪と後輪とが前後に離間する展開状態と、前輪と後輪とが前後に接近する折り畳み状態とに切替可能となっている。
【0004】
特許文献1の買い物カートでは、第1フレーム体にバッグが備え付けられている。また、特許文献1には開示がされていないが、通常、第2フレーム体には、各縦フレームの下端側を連結する補強用の横フレームが設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1の買い物カートにおいて、第1フレーム体にバッグを載せるためのバッグ載せ部を設けることが考えられる。この場合、バッグ載せ部を、第1フレーム体の下端側において各縦フレームの間に配置し、それら各縦フレームにそれぞれ連結した状態で設けることが考えられる。
【0007】
ここで、買い物カートでは、バッグ内にできるだけ多くの物を収容できるように、バッグの容量を大きくすることが求められる。この場合、例えば、バッグの前後方向の寸法を大きくすることによりバッグの容量を大きくすることが考えられる。
【0008】
しかしながら、上述したバッグ載せ部を設ける構成では、バッグの前後方向寸法を大きくすると、それに伴い、バッグ載せ部の前後方向寸法を大きくする必要がある。この場合、第1フレーム体と第2フレーム体とを折り畳み状態とした際に、バッグ載せ部が第2フレーム体の横フレームと干渉して、各フレーム体を十分に折り畳むことができなくなるおそれがある。そうすると、折り畳み状態において前後のコンパクトさに欠けることになってしまい、好ましくない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、バッグの容量を十分に確保しながら、前後にコンパクトに折り畳むことができる買い物カートを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決すべく、第1の発明の買い物用バッグは、下端部に前輪が取り付けられた左右一対の第1縦フレーム部を有する第1フレーム体と、下端部に後輪が取り付けられた左右一対の第2縦フレーム部を有する第2フレーム体と、前記各第1縦フレーム部の下端側にそれぞれ連結されるとともに、前後方向に延びるように設けられ、買い物した物を収容可能なバッグを載せるためのバッグ載せ部と、前記各第2縦フレーム部の下端側を連結する補強フレームと、を備え、前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とは、前記前輪と前記後輪とが前後に離間する展開状態と、前記前輪と前記後輪とが前後に接近する折り畳み状態とに切替可能となっている買い物カートであって、前記バッグ載せ部と前記補強フレームとは、前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とが前記折り畳み状態とされた場合に、前記補強フレームが前記バッグ載せ部の下方に入り込むように構成されている。
【0011】
第1の発明によれば、第1フレーム体と第2フレーム体とが折り畳み状態とされた場合に、補強フレームがバッグ載せ部の下方に入り込むようになっているため、バッグ載せ部の前後方向寸法を大きくしても、各フレーム体の折り畳み時にバッグ載せ部と補強フレームとが干渉するのを回避することができる。そのため、バッグの前後方向寸法を大きくとることができ、その結果、バッグの容量を十分に確保することができる。また、各フレーム体の折り畳み時に補強フレームがバッグ載せ部の下方に入り込む構成では、各フレーム体を前後にコンパクトな状態で折り畳むことができる。よって、以上より、バッグの容量を十分に確保しながら、前後にコンパクトに折り畳むことが可能となる。
【0012】
第2の発明の買い物用バッグは、第1の発明において、前記バッグ載せ部は、側面視にて、前記第1フレーム体に対して後方に延びる後側部分と、前記第1フレーム体に対して前方に延びる前側部分とを有しており、前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とが前記折り畳み状態とされた場合に、前記後側部分の下方に前記補強フレームが入り込むようになっており、前記前側部分から下方に延びているとともに、前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体が前記展開状態にある場合には前記買い物カートの接地面から上方に離間し、前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体が前記折り畳み状態にある場合には前記接地面に接地する接地部を備える。
【0013】
第2の発明によれば、バッグ載せ部が第1フレーム体に対して前方及び後方にそれぞれ延びているため、バッグ載せ部に載せられたバッグの荷重をバランスよく支えながら、バッグの容量を確保することができる。また、バッグ載せ部の前側部分からは下方に向けて接地部が延びており、第1フレーム体及び第2フレーム体が折り畳み状態とされた場合には、接地部が接地面に接地するようになっている。これにより、バッグ載せ部が前側部分を有する構成にあって、各フレーム体の折り畳み時にバッグを安定した状態で支持することができる。
【0014】
第3の発明の買い物用バッグは、第2の発明において、前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体が前記折り畳み状態とされた場合には、前記前輪よりも後方に前記後輪が位置し、前記前輪よりも前方に前記接地部が位置した状態で、前記後輪及び前記接地部がそれぞれ前記接地面に載置されることにより、前記前輪が前記接地面から上方に離間した状態で前記買い物カートが自立する。
【0015】
第3の発明によれば、第1フレーム体及び第2フレーム体が折り畳み状態とされた場合には、後輪及び接地部が前後に離間した位置でそれぞれ接地面に載置されることにより、前輪が接地面から上方に離間した状態で買い物カートが自立する。これにより、各フレーム体の折り畳み時にバッグをより安定した状態で支持することができる。
【0016】
第4の発明の買い物用バッグは、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記補強フレームは、前記各第1縦フレーム部に連結される両端部よりも中間部の方が前方に位置するように曲げ形成されており、前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体の前記折り畳み状態では、前記補強フレームの前記中間部が前記バッグ載せ部の下方に入り込む。
【0017】
第4の発明によれば、補強フレームが、その両端部よりも中間部の方が前方に位置するように曲げ形成されているため、買い物カートの移動時にカートの後方に立つユーザの脚が補強フレームに当たりにくくすることができる。そのため、買い物カートの移動をし易くすることが可能となる。また、第1フレーム体と第2フレーム体とを折り畳み状態とした際には、補強フレームの中間部がバッグ載せ部の下方に入り込むため、折り畳み状態における前後のコンパクトさを確保しながら、上記の効果を得ることができる。
【0018】
第5の発明の買い物用バッグは、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とは、側面視において略X字状をなすように互いに交差して配置されているとともに、前記交差する交差部において回動可能に連結されることにより前記展開状態と前記折り畳み状態とに切替可能とされており、前記交差部よりも上方において前記第1フレーム体と前記第2フレーム体とに跨がって設けられることにより前記バッグの上方に配置されているとともに、買い物かごを載置可能なかご載置部を備える。
【0019】
第5の発明によれば、バッグの上方にかご載置部が設けられているため、店舗ではかご載置部に買い物かごを載置することで買い物カートをショッピングカートとして利用することが可能となる。また、バッグの上方にかご載置部が設けられる構成では、バッグの高さ寸法がかご載置部により制限されるため、バッグの高さ寸法を大きくすることによりバッグの容量を確保するのが難しい。この点、第5の発明では、かかる構成に第1の発明を適用しているため、バッグの前後寸法については十分に確保することができ、その結果、バッグの容量を十分確保することが可能となる。
【0020】
第6の発明の買い物用バッグは、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記バッグは、買い物した物を収容するバッグ本体と、前記バッグ本体の下端部に取り付けられた左右一対の車輪とを有しており、前記バッグ載せ部には前記バッグ本体が載置され、その載置状態において前記各車輪が前記バッグ載せ部から外れた位置に配置され、前記第1フレーム体及び前記第2フレーム体が前記折り畳み状態とされた場合に、前記車輪の下方に前記補強フレームが入り込む。
【0021】
第6の発明によれば、バッグが車輪を有しているため、バッグを買い物カートから取り出して車輪を転がしながら移動させることができる。また、バッグ載せ部にはバッグ本体が載置され、その載置状態において各車輪がバッグ載せ部から外れた位置に配置される。これにより、車輪付きのバッグを安定した状態で支持することが可能となる。
【0022】
また、第1フレーム体及び第2フレーム体が折り畳み状態とされた場合には、バッグ載せ部から外れた位置にあるバッグの車輪の下方に補強フレームが入り込む。そのため、車輪付きのバッグを上記のように支持する構成にあっても、車輪と補強フレームとが干渉することなく、各フレーム体をコンパクトに折り畳むことが可能となる。
【0023】
第7の発明の買い物用バッグは、第1乃至第6のいずれかの発明において、前記バッグ載せ部に載せられた前記バッグを備える。
【0024】
第7の発明によれば、バッグ付きの買い物カートにおいて、第1乃至第6の発明の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】展開状態における買い物カートを前方から見た斜視図。
【
図2】展開状態における買い物カートを前方から見た斜視図であり、バッグを買い物カートから取り外した状態で示している。
【
図3】展開状態における買い物カートを示す側面図。
【
図4】折り畳み状態における買い物カートを示す側面図。
【
図5】展開状態における買い物カートを後方から見た斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1及び
図2はいずれも展開状態における買い物カート10を前方から見た斜視図である。なお、
図2では、バッグ13を買い物カート10から取り外した状態で示している。
図3は、展開状態における買い物カート10を示す側面図であり、
図4は、折り畳み状態における買い物カート10を示す側面図である。なお、
図3では便宜上、買い物かごKを二点鎖線で示している。また、
図5は、展開状態における買い物カート10を後方から見た斜視図である。
【0027】
以下の説明では、買い物カート10を移動させる際の移動方向を前後方向とし、その前後方向に対して直交する方向を左右方向とする。また、以下の説明では、特に断りがない限り、展開状態における買い物カート10の構成をいうものとする。
【0028】
図1~
図3に示すように、買い物カート10は、当該カート10の骨組を構成する第1フレーム体11及び第2フレーム体12と、買い物した物(商品)を収容するバッグ13と、バッグ13を載せるためのバッグ載せ部14と、買い物かごKを載置するかご載置部15とを備える。本買い物カート10によれば、スーパーマーケット等の店内ではかご載置部15に買い物かごKを載せることでショッピングカートとしての利用が可能となる。また、買い物した後は、買い物した物をバッグ13内に収容し、自宅まで運ぶことが可能となる。
【0029】
第1フレーム体11と第2フレーム体12とは、側面視において略X字状をなすように互いに交差して配置されている。第1フレーム体11は後方に傾斜して延びており、第2フレーム体12は前方に傾斜して延びている。第1フレーム体11の下端部には前輪16が取り付けられ、第2フレーム体12の下端部には後輪17が取り付けられている。また、第1フレーム体11は第2フレーム体12よりも上方に延びており、第1フレーム体11の上端側には、ユーザが買い物カート10を移動する際に把持するハンドル18が設けられている。
【0030】
第1フレーム体11と第2フレーム体12とは、互いに交差する交差部19において回動可能に連結されている。これら各フレーム体11,12は、その回動により、前後に展開する展開状態(
図1~
図3に示す状態)と、前後に折り畳まれる折り畳み状態(
図4に示す状態)とに切替可能とされている。各フレーム体11,12の展開状態では、前輪16と後輪17とが前後に離間し、各フレーム体11,12の折り畳み状態では、前輪16と後輪17とが前後に接近する。
【0031】
第1フレーム体11は、左右一対の縦フレーム部21と、各縦フレーム部21の中間部に架け渡された横フレーム22と、各縦フレーム部21の上端部に架け渡されたハンドルフレーム23とを有する。縦フレーム部21は、下部フレーム25と、下部フレーム25に対して上側に配置された上部フレーム26と、下部フレーム25と上部フレーム26とを連結する連結具27とを有する。下部フレーム25及び上部フレーム26は金属製のパイプ材又は棒材により形成され、連結具27は樹脂材料により形成されている。各下部フレーム25の下端部には前輪16が取り付けられ、各上部フレーム26の上端部にはハンドルフレーム23が架け渡されている。ハンドルフレーム23によりハンドル18が構成されている。なお、縦フレーム部21が「第1縦フレーム部」に相当する。
【0032】
第2フレーム体12は、左右一対の縦フレーム31と、各縦フレーム31の下端側を連結する横フレーム32とを有している。各縦フレーム31及び横フレーム32は金属製のパイプ材又は棒材により形成されている。各縦フレーム31は、第1フレーム体11の下部フレーム25とX字状に交差しており、その交差する交差部19には左右方向に延びる軸部28が設けられている。縦フレーム31と下部フレーム25とは、軸部28を介して回動可能に連結され、ひいては第1フレーム体11と第2フレーム体12とが軸部28を介して回動可能に連結されている。これにより、各フレーム体11,12が、軸部28を中心とした回動により、上述した展開状態及び折り畳み状態に切替可能となっている。なお、縦フレーム31が「第2縦フレーム部」に相当する。
【0033】
横フレーム32は、左右方向に延びており、その両端部がそれぞれ各縦フレーム31に連結されている。横フレーム32は、その左右方向の中間部が左右方向の両端部よりも前方に位置するよう曲げ形成されている。詳しくは、横フレーム32は、各縦フレーム31に連結される連結端部からそれぞれ前方に延びる一対の端フレーム部32aと、各端フレーム部32aの前端部を接続し左右方向に延びる中間フレーム部32bとを有する。各端フレーム部32aは、前方に向かうにつれ左右方向の内側に傾斜して延びている。また、各端フレーム部32aひいては横フレーム32は、側面視にて、前方に向かうにつれ下方に傾斜して延びている。なお、横フレーム32が「補強フレーム」に相当する。
【0034】
続いて、バッグ13について
図1に加え、
図6に基づき説明する。
図6は、バッグ13を示す斜視図である。なお、
図6では、前側カバー43をバッグ本体41から取り外した状態で示している。
【0035】
図1に示すように、バッグ13は縦長の略直方体状に形成され、バッグ載せ部14に着脱可能な状態で載せられている。
図6に示すように、バッグ13は、箱状のバッグ本体41と、バッグ本体41の内部に設けられたトレイ42と、複数のカバー43,44とを有する。バッグ本体41には、前方に開口された前側開口部45と、上方に開口された上側開口部46とが形成されている。前側開口部45と上側開口部46とは互いに連続しており、それらの開口部45,46を通じてバッグ本体41に物の出し入れが可能となっている。
【0036】
トレイ42は上下に複数設けられている。それらのトレイ42には、買い物した物を載せることが可能となっている。また、カバー43,44には、前側開口部45を開閉する前側カバー43と、上側開口部46を開閉する上側カバー44とがある。前側カバー43は、例えばバッグ本体41に面ファスナ等を介して着脱可能に取り付けられている。また、上側カバー44は、例えば後縁部がバッグ本体41に接続されることにより後方に開くことが可能となっている。
【0037】
バッグ本体41の下端部には、左右一対の車輪48が取り付けられている。各車輪48は、バッグ本体41の後部に配置されている。これにより、バッグ13をバッグ載せ部14(ひいては買い物カート10)から取り出して、車輪48を転がしながら移動させることが可能となっている。したがって、例えば買い物して帰宅した後、玄関でバッグ13を買い物カート10から取り出し、室内側に運ぶことが可能となっている。
【0038】
バッグ本体41の背面側には、バッグ13を移動させる際に把持する持ち手49が取り付けられている。持ち手49は、バッグ本体41の背面側に回動可能に取り付けられている。バッグ13がバッグ載せ部14に載せられている場合、つまりバッグ13が買い物カート10に取り付けられている場合には、持ち手49がバッグ本体41の背面に沿って配置される(
図5参照)。一方、バッグ13を買い物カート10から取り出して移動させる際には、持ち手49が上方に回動されバッグ本体41よりも上方に立ち上がった状態とされる(
図6参照)。
【0039】
続いて、バッグ載せ部14の説明を行う前に、かご載置部15について説明を行う。
【0040】
図1~
図3に示すように、かご載置部15は、第1フレーム体11と第2フレーム体12とが交差する交差部19よりも上方において各フレーム11,12に跨がって設けられている。詳しくは、かご載置部15は、第1フレーム体11の中間部と第2フレーム体12の上端部とに跨がって設けられている。この場合、かご載置部15は、バッグ13の上方に配置されている。
【0041】
かご載置部15は、平面視コの字形の枠状に形成されている。かご載置部15は、前後方向に延びる左右一対のアーム51と、各アーム51の前端部に架け渡された前端フレーム52とを有している。各アーム51は、後端側が第1フレーム体11の連結具27に回動可能に支持されている。これにより、かご載置部15は、上記回動により、バッグ13上に配置され買い物かごKを載置可能な載置可能位置(
図3参照)と、載置可能位置から第1フレーム体11側に跳ね上げられた退避位置(
図4参照)との間で移動可能となっている。
【0042】
各アーム51は、前端部が第2フレーム体12の縦フレーム31の上端部に連結されている。これにより、かご載置部15が載置可能位置から退避位置に切り替えられると、それに連動して第1フレーム体11及び第2フレーム体12が展開状態から折り畳み状態に切り替わるようになっている(
図4参照)。この場合、買い物カート10は、全体として前後に折り畳まれた折り畳み状態とされる。また、かご載置部15が退避位置から載置可能位置に切り替えられると、それに連動して各フレーム体11,12が折り畳み状態から展開状態に切り替わる。この場合、買い物カート10は、全体として前後に展開された展開状態とされる(
図3参照)。
【0043】
続いて、バッグ載せ部14について説明する。
【0044】
図2及び
図3に示すように、バッグ載せ部14は、金属製の棒材により枠状に形成された枠体54からなる。バッグ載せ部14は、第1フレーム体11の下端側において各縦フレーム部21の間に配置され、それら各縦フレーム部21の下端側にそれぞれ連結されている。
【0045】
枠体54は、棒材により矩形枠状に形成された矩形枠が側面視にて略Z字状をなすように曲げられることにより形成されている。枠体54は、前後方向に延びる第1部分54aと、第1部分54aの後端部から上方に延びる第2部分54bと、第1部分54aの前端部から下方に延びる第3部分54cとを有して形成されている。
【0046】
バッグ載せ部14は、バッグ13が載置される載置部55と、バッグ13を後方から受ける受け部56と、接地部57とを有している。載置部55は枠体54の第1部分54aにより構成され、受け部56は第2部分54bにより構成され、接地部57は第3部分54cにより構成されている。
【0047】
載置部55は、その左右方向の両側がそれぞれ第1フレーム体11の各縦フレーム部21(詳しくは下部フレーム25)の下端側に連結されている。詳しくは、載置部55は、各縦フレーム部21にそれぞれ左右に延びる連結バー59を介して連結されている。また、載置部55は、前後方向の中間部(詳しくは略中央部)において各縦フレーム部21と連結されている。この場合、載置部55は、側面視にて、縦フレーム部21に対して後方に延びる後側部分55aと、縦フレーム部21に対して前方に延びる前側部分55bとを有している。
【0048】
載置部55には、バッグ13のバッグ本体41が載置されている。かかる載置状態において、バッグ13の各車輪48は、載置部55を挟んだ左右両側にそれぞれ配置されている(
図5も参照)。したがって、各車輪48は、載置部55から外れた位置に配置され、載置部55に対して非載置の状態とされている。また、各車輪48は、連結バー59よりも後方に配置され、前後方向において載置部55の後端部と同じ位置に位置している。なお、各車輪48は、載置部55に載置されたバッグ本体41の下面よりも下方に突出した状態でバッグ本体41に取り付けられている。
【0049】
バッグ載せ部14は、後方に傾いた状態で配置されている。この場合、側面視にて、載置部55は前方に向かうにつれ上方に傾斜しており、受け部56は上方に向かうにつれ後方に傾斜している。これにより、バッグ13は載置部55上において後方に傾いた状態で載置され、その傾いたバッグ13が受け部56により後方から受けられている。
【0050】
また、バッグ13の背面側には、その上部にフック61が設けられている。バッグ13がバッグ載せ部14上に載せられた状態では、フック61が第1フレーム体11の横フレーム22に引っ掛けられるようになっている(
図5参照)。また、バッグ13は、第1フレーム体11の各縦フレーム部21の間に配置されている。
【0051】
バッグ載せ部14の接地部57は、載置部55の前端部から下方に向けて前方に傾斜して延びている。接地部57は、その下端部が接地面G(床面や地面)から上方に離間しており、前輪16よりも前方に配置されている。また、接地部57には、載置部55よりも上方に突出するストッパ部62が固定されている。このストッパ部62によりバッグ13が前方に脱落することが防止されている。
【0052】
続いて、買い物カート10の折り畳み状態におけるバッグ載せ部14周辺の構成について
図4に基づき説明する。
【0053】
図4に示すように、買い物カート10の折り畳み状態、換言すると第1フレーム体11及び第2フレーム体12の折り畳み状態では、接地部57が鉛直下向きに延びる状態となり、その下端部が接地面Gに接地する。また、それとともに、前輪16が接地面Gから上方に離間する。これにより、各フレーム体11,12の折り畳み状態では、接地部57と後輪17とが接地面G上に載置され、その載置状態で買い物カート10が自立するようになっている。この場合、側面視において、後輪17は前輪16よりも後方に位置し、接地部57は前輪16よりも前方に位置している。また、各フレーム体11,12の折り畳み状態では、載置部55が前後に水平に延びる状態となる。そのため、載置部55上のバッグ13は直立の状態(つまり非傾斜の状態)で支持される。
【0054】
各フレーム体11,12の折り畳み状態では、第2フレーム体12の横フレーム32がバッグ載せ部14の載置部55の下方に入り込んでいる。この場合、横フレーム32の中間フレーム部32bが少なくとも載置部55の下方に入り込んでいる。また、横フレーム32が載置部55の下方に入り込んだ状態では、横フレーム32の後端部が、載置部55の後端部と前後方向にて略同じ位置に位置している。
【0055】
各フレーム体11,12の折り畳み状態では、横フレーム32が、側面視にて、縦フレーム31から後方に向けて水平に延びる状態となる。そのため、横フレーム32は、水平の向きで載置部55の下方に入り込んでいる。この場合、横フレーム32と載置部55とは、側面視にて互いに平行に配置されている。また、各フレーム体11,12の折り畳み状態では、横フレーム32が、載置部55上に載置されたバッグ13の各車輪48の下方にも入り込んでいる。
【0056】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0057】
第1フレーム体11と第2フレーム体12とが折り畳み状態とされた場合に、横フレーム32がバッグ載せ部14の下方に入り込むようになっているため、バッグ載せ部14の前後方向寸法を大きくしても、各フレーム体11,12の折り畳み時にバッグ載せ部14と横フレーム32とが干渉するのを回避することができる。そのため、バッグ13の前後方向寸法を大きくとることができ、その結果、バッグ13の容量を十分に確保することができる。また、各フレーム体11,12の折り畳み時に横フレーム32がバッグ載せ部14の下方に入り込む構成では、各フレーム体11,12を前後にコンパクトな状態で折り畳むことができる。よって、以上より、バッグ13の容量を十分に確保しながら、前後にコンパクトに折り畳むことが可能となる。
【0058】
バッグ載せ部14が、側面視にて、第1フレーム体11に対して後方に延びる後側部分55aと、第1フレーム体11に対して前方に延びる前側部分55bとを有しているため、バッグ載せ部14に載せられたバッグ13の荷重をバランスよく支えながら、バッグ13の容量を確保することができる。また、バッグ載せ部14の前側部分55bからは下方に向けて接地部57が延びており、第1フレーム体11及び第2フレーム体12が折り畳み状態とされた場合には、接地部57が接地面Gに接地するようになっている。これにより、バッグ載せ部14が前側部分55bを有する構成にあって、各フレーム体11,12の折り畳み時にバッグ13を安定した状態で支持することができる。
【0059】
第1フレーム体11及び第2フレーム体12が折り畳み状態とされた場合には、後輪17及び接地部57が前後に離間した位置でそれぞれ接地面Gに載置されることにより、前輪16が接地面Gから上方に離間した状態で買い物カート10が自立する。これにより、各フレーム体11,12の折り畳み時にバッグ13をより安定した状態で支持することができる。
【0060】
横フレーム32が、その両端部よりも中間部(中間フレーム部32b)の方が前方に位置するように曲げ形成されているため、買い物カート10の移動時にカートの後方に立つユーザの脚が横フレーム32に当たりにくくすることができる。そのため、買い物カート10の移動をし易くすることが可能となる。また、第1フレーム体11と第2フレーム体12とを折り畳み状態とした際には、横フレーム32の中間フレーム部32bがバッグ載せ部14の下方に入り込むため、折り畳み状態における前後のコンパクトさを確保しながら、上記の効果を得ることができる。
【0061】
バッグ13の上方にかご載置部15が設けられる構成では、バッグ13の高さ寸法がかご載置部15により制限されるため、バッグ13の高さ寸法を大きくすることによりバッグ13の容量を確保するのが難しい。この点、上記の実施形態では、かかる構成に、各フレーム体11,12の折り畳み時に横フレーム32がバッグ載せ部14の下方に入り込む上述の構成を適用したため、バッグ13の前後寸法については十分に確保することができ、その結果、バッグ13の容量を十分確保することが可能となる。
【0062】
バッグ載せ部14にはバッグ13のバッグ本体41が載置され、その載置状態においてバッグ13の各車輪48がバッグ載せ部14から外れた位置に配置される。これにより、車輪付きのバッグ13を安定した状態で支持することが可能となる。
【0063】
また、第1フレーム体11及び第2フレーム体12が折り畳み状態とされた場合には、バッグ載せ部14から外れた位置にあるバッグ13の車輪48の下方に横フレーム32が入り込む。そのため、車輪付きのバッグ13を上記のように支持する構成にあっても、車輪48と横フレーム32とが干渉することなく、各フレーム体11,12をコンパクトに折り畳むことが可能となる。
【0064】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0065】
・接地部57を設けない構成としてもよい。この場合、各フレーム体11,12が折り畳み状態にある場合に、前輪16と後輪17とがそれぞれ前後に離間した位置で接地面Gに接地することにより、買い物カート10が自立するようにすればよい。
【0066】
・上記実施形態では、バッグ載せ部14を枠状に形成したが、バッグ載せ部14を板状に形成してもよい。
【0067】
・バッグ13は必ずしも車輪付きである必要はなく、車輪を有しないものであってもよい。また、バッグ13は必ずしもバッグ載せ部14から着脱できるようにする必要はなく、例えばバッグ13をバッグ載せ部14に固定する等して、着脱不能に設けてもよい。
【0068】
・上記実施形態では、かご載置部15が載置可能位置と退避位置とに移動するのに連動して、各フレーム体11,12が展開状態と折り畳み状態とに切り替わる構成としたが、かご載置部15の移動と各フレーム体11,12の状態切替とは必ずしも連動させる必要はなく、それらが個別に独立して行われる構成としてもよい。
【0069】
・横フレーム32を、左右方向の全域に亘って直線状に形成してもよい。この場合にも、横フレーム32がバッグ載せ部14の下方に入り込むようにすることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
・上記実施形態では、かご載置部15を備える買い物カート10に本発明を適用したが、かご載置部15を備えない買い物カートに本発明を適用してもよい。
【0071】
・上記実施形態では、バッグ13を備えるバッグ付きの買い物カート10に本発明を適用したが、バッグを備えない買い物カートに本発明を適用してもよい。その場合、買い物カートとは別でバッグを用意し、その用意したバッグを買い物カートのバッグ載せ部14に載せて使用することになる。
【符号の説明】
【0072】
10…買い物カート、11…第1フレーム体、12…第2フレーム体、13…バッグ、14…バッグ載せ部、15…かご載置部、16…前輪、17…後輪、21…第1縦フレーム部としての縦フレーム部、31…第2縦フレーム部としての縦フレーム、32…補強フレームとしての横フレーム、41…バッグ本体、48…車輪、55…載置部、57…接地部。