(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113475
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】発注支援装置、発注支援システム、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230808BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015876
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000055
【氏名又は名称】アサヒグループホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】501397920
【氏名又は名称】旭光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】光畑 伸輔
(72)【発明者】
【氏名】和田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】楠 健志
(72)【発明者】
【氏名】永井 克典
(72)【発明者】
【氏名】西尾 崇志
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB58
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって最適なタイミングでの製品の発注を支援すること。
【解決手段】発注支援装置は、取得部と、判別部と、出力部とを備える。取得部は、ユーザごとに設けられる計量装置から製品の計量結果を取得する。判別部は、前記計量結果から得られる前記製品の消費履歴と、前記計量結果が示す現在の前記製品の残量とに基づいて、前記製品の発注を行うか否かの判別を行う。出力部は、前記判別の結果に基づいて、ユーザに前記製品の発注を促す発注催促情報を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザごとに設けられる計量装置から製品の計量結果を取得する取得部と、
前記計量結果から得られる前記製品の消費履歴と、前記計量結果が示す現在の前記製品の残量とに基づいて、前記製品の発注を行うか否かの判別を行う判別部と、
前記判別の結果に基づいて、ユーザに前記製品の発注を促す発注催促情報を出力する出力部と、
を備える発注支援装置。
【請求項2】
前記判別部は、
前記消費履歴に基づいて、前記製品の消費量を予測する消費量予測部を備え、
予測した前記消費量に基づいて前記判別を行う、
請求項1に記載の発注支援装置。
【請求項3】
前記判別部は、
前記消費履歴に基づいて、発注用の閾値を変更可能にする閾値変更部を備え、
前記計量結果が示す現在の残量が前記閾値以下となるか否かの閾値判別を行う、
請求項1または2に記載の発注支援装置。
【請求項4】
前記判別部は、暦に応じた前記消費履歴に基づいて、前記判別を行う、
請求項1~3のいずれか一項に記載の発注支援装置。
【請求項5】
前記判別部は、気候および所定のイベントの有無のうち少なくともいずれかに応じた前記消費履歴に基づいて、前記判別を行う、
請求項1~4のいずれか一項に記載の発注支援装置。
【請求項6】
前記消費履歴は、発注された前記製品がユーザに届いてから消費されるまでの期間を示す消費期間情報を含み、
前記出力部は、前記消費期間情報に基づいて、ユーザに有益な有益情報を出力する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の発注支援装置。
【請求項7】
前記製品は、アルコール飲料品であり、
前記消費履歴は、発注された前記アルコール飲料品の種別と、当該アルコール飲料品が消費される期間とを示す種別期間情報とを含み、
前記出力部は、前記種別期間情報に基づいて、ユーザの健康をサポートする健康サポート情報を出力する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の発注支援装置。
【請求項8】
計量装置と、ユーザ端末装置と、発注支援装置とを備えた発注支援システムにおいて、
前記計量装置は、ユーザごとに設けられ、
前記発注支援装置は、
前記計量装置から製品の計量結果を取得する取得部と、
前記計量結果から得られる前記製品の消費履歴と、前記計量結果が示す現在の前記製品の残量とに基づいて、前記製品の発注を行うか否かの判別を行う判別部と、
前記判別の結果に基づいて、ユーザに前記製品の発注を促す発注催促情報を出力する出力部と、
を備え、
前記ユーザ端末装置は、前記発注支援装置から出力された前記発注催促情報に基づく通知を行う、
発注支援システム。
【請求項9】
発注支援装置に用いられるコンピュータを、
ユーザごとに設けられる計量装置から製品の計量結果を取得する取得部、
前記計量結果から得られる前記製品の消費履歴と、前記計量結果が示す現在の前記製品の残量とに基づいて、前記製品の発注を行うか否かの判別を行う判別部、
前記判別の結果に基づいて、ユーザに前記製品の発注を促す発注催促情報を出力する出力部、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発注支援装置、発注支援システム、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、重量を測定して在庫を管理する各種システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、ユーザが製品の発注を失念してしまうと、在庫がなくなってしまうため、ユーザに発注を支援する取り組みがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ユーザごとに製品を発注するタイミングや製品の消費スピードが異なるため、ユーザにとって最適なタイミングで製品を発注することができない、という問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザにとって最適なタイミングでの製品の発注を支援することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である発注支援装置は、ユーザごとに設けられる計量装置から製品の計量結果を取得する取得部と、前記計量結果から得られる前記製品の消費履歴と、前記計量結果が示す現在の前記製品の残量とに基づいて、前記製品の発注を行うか否かの判別を行う判別部と、前記判別の結果に基づいて、ユーザに前記製品の発注を促す発注催促情報を出力する出力部と、を備える発注支援装置である。
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である発注支援システムは、計量装置と、ユーザ端末装置と、発注支援装置とを備えた発注支援システムにおいて、前記計量装置は、ユーザごとに設けられ、前記発注支援装置は、前記計量装置から製品の計量結果を取得する取得部と、前記計量結果から得られる前記製品の消費履歴と、前記計量結果が示す現在の前記製品の残量とに基づいて、前記製品の発注を行うか否かの判別を行う判別部と、前記判別の結果に基づいて、ユーザに前記製品の発注を促す発注催促情報を出力する出力部と、を備え、前記ユーザ端末装置は、前記発注支援装置から出力された前記発注催促情報に基づく通知を行う、発注支援システムである。
【0008】
また、本発明の他の態様であるプログラムは、発注支援装置に用いられるコンピュータを、ユーザごとに設けられる計量装置から製品の計量結果を取得する取得部、前記計量結果から得られる前記製品の消費履歴と、前記計量結果が示す現在の前記製品の残量とに基づいて、前記製品の発注を行うか否かの判別を行う判別部、前記判別の結果に基づいて、ユーザに前記製品の発注を促す発注催促情報を出力する出力部、として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザにとって最適なタイミングでの製品の発注を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る発注支援システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
【
図2】発注支援装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】計量装置110のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】発注支援装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】学習済モデル510の一例を示す説明図である。
【
図7】発注支援システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図8】発注支援装置100が行う発注支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】商品管理DB102の一例を示す説明図である。
【
図10】発注支援装置100が行う予測消費本数出力処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】ユーザ端末装置120が行う発注催促通知の一例を示す説明図である。
【
図12】学習済モデル510の生成に係る発注支援装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【
図13】学習用データセットの一例を示す説明図である。
【
図14】発注支援装置100が行うモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】変形例1に係る発注ラインの一例を示す説明図である。
【
図16】変形例1に係る学習済モデル1610の一例を示す説明図である。
【
図17】変形例1に係る学習用データセットの一例を示す説明図である。
【
図18】変形例2に係る商品管理情報の一例を示す説明図である。
【
図19】変形例2に係る発注支援装置100が行う有益情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】変形例3に係る商品管理情報の一例を示す説明図である。
【
図21】変形例3に係る発注支援装置100が行う健康サポート情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】変形例5に係る消費履歴テーブルの一例を示す説明図である。
【
図23】変形例6に係る発注履歴テーブルの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
【0012】
(実施形態)
(発注支援システム1のネットワーク構成)
図1は、実施形態に係る発注支援システム1のネットワーク構成を示す説明図である。
図1において、発注支援システム1は、発注支援装置100と、計量装置110と、ユーザ端末装置120とを含む。各装置は、ネットワーク140を介して通信可能に接続されている。各装置は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信部などを備えたコンピュータ装置である。
【0013】
発注支援装置100は、オフィス10等に配置されるコンピュータ装置である。発注支援装置100は、例えば、パソコンである。ただし、発注支援装置100は、パソコンに限らず、オフィス10の内部または外部に設けられるサーバ装置であってもよい。発注支援装置100は、モデル記憶部101(
図5参照)と、商品管理DB(データベース)102(
図9参照)を備える。
【0014】
発注支援装置100は、ユーザごとの製品の消費履歴と残量とを管理するとともに、ユーザ端末装置120に製品の発注を促す発注催促情報を送信する。製品は、例えば、飲料品である。ただし、製品は、飲料品に限らず、食料品であってもよい。本実施形態において、製品は、例えば、缶ビール、缶チューハイといったアルコール飲料品である。ただし、製品は、アルコール飲料品に限らず、アルコールの入っていない缶ジュースやノンアルコールカクテルなどであってもよい。また、製品は、缶製品に限らず、ペットボトルや紙パックなどの製品でもよい。また、製品は、缶などに小分けされたものに限らず、ボトルサーバーなどのように一の収納容器に封入されたものでもよい。
【0015】
発注支援装置100は、予めユーザごとに飲料品の消費に係る属性情報を登録してもよい。当該属性情報は、例えば、各家庭11における一日の消費量(飲酒量)を示す情報でもよいし、年齢、性別、家族構成、休日となる曜日、趣味、休肝日(飲酒をしない日)などの情報でもよい。
【0016】
計量装置110は、各家庭11に配置される。計量装置110は、載置される飲料品の重量を計測する。計量装置110は、例えば、24缶入りといったケースごと、飲料品の重量を計測する。計量装置110は、飲料品の1缶あたりの重量を参照し、載置された飲料品の本数を計測することが可能である。1缶の容量は、例えば、350mlや、500mlである。例えば、350mlの缶ビールを例に挙げると、1缶あたりの缶を含めた重量は、365gである。また、箱の重量は、196gである。このため、計量装置110は、0g~89560g(365g×24本に196を加算)を計量することが可能である。計量装置110は、1缶あたりの容量(350mlまたは500ml)の設定を切り替え可能にしてもよく、設定された容量に応じた本数を計測してもよい。
【0017】
計量装置110は、計量結果を発注支援装置100へ送信する。送信するタイミング(送信タイミング)は、例えば、4時間に1回といったタイミングある。すなわち、計量装置110は、4時間の1回のタイミングで、自動で計量結果を発注支援装置100へ送信する。発注支援装置100は、計量装置110に設定されている1缶あたりの容量(350mlまたは500ml)に応じた本数に変換する。なお、計量装置110の計量結果は、飲料品の重量であるが、以下では、説明の便宜上、計量結果を本数として説明する。
【0018】
なお、計量装置110は、各家庭11に1台配置されることとするが、これに限らず、各家庭11に複数台配置されてもよい。また、複数人が居住する各家庭11において、計量装置110は、個人(1人)に1台ずつ配置されてもよい。この場合、発注支援装置100は、個人ごとの消費履歴と残量とを管理すればよい。
【0019】
ユーザ端末装置120は、ユーザが所持する端末装置であり、例えば、スマートフォンである。ただし、ユーザ端末装置120は、スマートフォンに限らず、パソコン、タブレット端末、携帯電話などであってもよい。ユーザ端末装置120は、発注支援装置100からの指示(発注催促支援情報)に基づいて、ユーザに飲料品の発注を促す通知(発注催促通知)を行う。
【0020】
なお、ユーザ端末装置120は、計量装置110と有線または無線によって接続可能としてもよい。無線は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信であってもよい。ユーザ端末装置120は、計量装置110から計量結果を受信して、当該計量結果を発注支援装置100へ送信してもよい。すなわち、計量結果は、計量装置110から直接、発注支援装置100へ送信されることに限らず、ユーザ端末装置120を介して、発注支援装置100へ送信されてもよい。
【0021】
(発注支援装置100のハードウェア構成)
図2は、発注支援装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2において、発注支援装置100は、CPU201と、メモリ202と、入力デバイス203と、通信I/F(インタフェース)204と、記憶媒体I/F205と、ディスプレイ206とを備える。各構成部201~206は、バス220によってそれぞれ接続される。
【0022】
CPU201は、発注支援装置100の全体の制御を司る。メモリ202は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶する。各種プログラムは、本実施形態に係る発注支援プログラムを含む。RAMは、CPU201のワークエリアとして使用される。メモリ202に記憶されるプログラムは、CPU201にロードされることで、コーディングされている処理をCPU201に実行させる。
【0023】
入力デバイス203は、タッチパネル、キーボード、マウス、マイクなどを含む。
通信I/F204は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置(例えば、計量装置110やユーザ端末装置120など)に接続される。また、通信I/F204は、ネットワーク140と自装置内部とのインタフェースを司り、他の装置からのデータの入出力を制御する。通信I/F204には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
【0024】
記憶媒体I/F205は、CPU201の制御にしたがって、磁気ディスク、光ディスクなど不図示の記憶媒体に対するデータのリード、ライトを制御する。
ディスプレイ206は、画像を表示する出力デバイスである。なお、ディスプレイ206のほかにも、出力デバイスとして、スピーカが含まれていてもよい。
【0025】
(計量装置110のハードウェア構成)
図3は、計量装置110のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3において、計量装置110は、CPU301と、メモリ302と、ロードセル303と、通信I/F304と、ランプ305と、ボタンスイッチ306とを備える。各構成部301~306は、バス320によってそれぞれ接続される。
【0026】
CPU301は、計量装置110の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶する。各種プログラムは、本実施形態に係る計量結果送信プログラムを含む。RAMは、CPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0027】
ロードセル303は、荷重を検出するセンサであり、荷重を電気信号に変換する。
通信I/F304は、通信回線を通じて、インターネットなどのネットワーク140に接続され、ネットワーク140を介して他の装置(例えば、発注支援装置100や、ユーザ端末装置120など)に接続される。
ランプ305は、例えばLED(light emitting diode)などの発光部であり、所定の色や、所定の点滅態様で点灯可能である。ランプ305は、点灯態様によって、電源が投入されていることを示したり、通信状態を示したりする。
【0028】
ボタンスイッチ306は、ユーザの操作を受け付けるスイッチである。ボタンスイッチ306は、設置時や設定作業時などに操作される。具体的には、ボタンスイッチ306は、ユーザ端末装置120との通信接続を行う際に操作されたり、所定の送信タイミング以外のタイミングで計量結果を送信(強制送信)する場合に操作されたりする。
【0029】
(発注ラインについて)
図4は、発注ラインの一例を示す説明図である。
図4(A)、(B)において、横軸は時間を示し、縦軸は計量装置110によって計量される飲料品(缶ビール)の本数(重量)を示す。
図4(A)および
図4(B)に示すように、飲料品の本数401は、時間の経過とともに、ユーザが飲料の消費することによって減少していく。発注ライン400は、ユーザに飲料品の発注を促す通知(発注催促通知)を行うタイミングである本数(残本数)を示す。
【0030】
図4(A)に示す発注ライン400は、例えば、発注支援システム1の利用開始時にユーザによって設定される残本数である。発注ライン400は、在庫切れが生じることのないように、配送期間や消費量等を考慮して予めユーザによって設定される。本実施形態において、発注ライン400は、例えば5本(残り5本)である。なお、配送期間は、説明を簡略化するため、例えば、1日とし、すなわち、発注した日の翌日に発注者の手元に届く期間とする。なお、発注ライン400は、ユーザに応じた値(残本数)に設定されることに限らず、予め発注支援装置100で定めた一定の値としてもよい。
【0031】
本実施形態では、消費履歴に基づいて、現在の飲料品の残数が発注ライン400以下になると、ユーザに飲料品の発注を促す通知を行うようにしている。特に、本実施形態では、
図4(B)に示すように、ユーザの消費履歴に基づいて、発注ライン400を変更可能にしている。以下、
図5を参照して、発注支援装置100の機能的構成について説明する。
【0032】
(発注支援装置100の機能的構成について)
図5は、発注支援装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、発注支援装置100は、計量結果取得部501と、入力情報取得部502と、判別部503と、出力部504と、モデル記憶部101とを備える。発注支援装置100内の各部は、バスを経由して互いに通信可能である。計量結果取得部501と、入力情報取得部502と、判別部503と、出力部504とは、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201が発注支援プログラムを実行することにより各部の機能を実現する。モデル記憶部101は、メモリ202によって実現される。
【0033】
計量結果取得部501(取得部の一例)は、計量装置110から所定周期(4時間周期)で送信される計量結果を取得する。すなわち、計量結果取得部501は、所定周期(4時間周期)で計量結果を取得する。
【0034】
入力情報取得部502は、所定の取得タイミングで暦情報を取得する。暦情報は、日付を示す日付情報と、曜日を示す曜日情報とを含む。なお、暦情報は、曜日情報のみを含んでもよいし、日付情報のみを含んでもよい。所定の取得タイミングは、例えば、計量結果取得部501によって計量結果が取得されたタイミングとしてもよいし、日付が変わったタイミングなど一日に一回のタイミングとしてもよい。
【0035】
モデル記憶部101は、学習済モデル510を記憶する。学習済モデル510は、後述するモデル生成部1202(
図12参照)によって生成される。学習済モデル510は、訓練(学習)によって最適化されたパラメータ(学習済パラメータ)によって表される学習モデルである。言い換えれば、学習済モデル510は、学習モデルを訓練し、訓練によってパラメータが最適化されて生成された学習モデルである。
【0036】
なお、学習済モデル510は、発注支援装置100とは異なる他の装置において生成されてもよい。この場合、学習済モデル510は、当該他の装置から供給されることによって、モデル記憶部101にされてもよい。
【0037】
また、ユーザが発注支援システム1を利用開始した際には、当該ユーザに応じた学習済モデル510が生成されていない。このため、発注支援システム1の利用開始時には、予め生成した汎用の学習済モデル510が用いられるようにすればよい。具体的には、例えば、年齢、性別、休日などのユーザの属性に応じた複数種類の汎用の学習済モデル510を用意しておき、発注支援システム1の利用を開始するユーザの属性に最も近い属性に応じた学習済モデル510が用いられるようにすればよい。
【0038】
(学習済モデル510の一例について)
図6は、学習済モデル510の一例を示す説明図である。
図6に示すように、学習済モデル510は、例えば、ニューラルネットワークを用いて表されるモデルである。ただし、学習済モデル510は、例えば、DNN(Deep Neural Network)であってもよい。学習済パラメータは、例えば、ニューラルネットワークの層数と、各層におけるニューロンの個数と、ニューロン同士の結合関係と、各ニューロン間の結合の重み(結合荷重)と、各ニューロンの閾値とを含む。学習済モデル510は、入力層601と、1以上の中間層602(隠れ層)と、出力層603とを含む。各層601~603は、1以上のニューロンを備えている。中間層602の層数や、各層におけるニューロンの個数等は、学習済パラメータによって設定されている。
【0039】
入力層601には、入力情報取得部502によって取得された暦情報(日付情報、および曜日情報)が入力される。出力層603からは、暦情報に応じた消費本数を示す出力値が出力される。
【0040】
学習済モデル510の生成の詳細については後述するが、学習済モデル510は、入力層601に各日の暦情報を入力したときに出力層603から出力される各日の消費本数(消費本数が消費される確率)が、各日の実際の消費実績(消費本数の結果)と、なるべく合致するように訓練されて、生成された学習モデルである。
【0041】
判別部503は、計量結果から得られる飲料品の消費履歴と、計量結果が示す現在の飲料品の残数(残本数)とに基づいて、飲料品の発注を行うか否かの判別を行う。具体的には、判別部503は、計量結果が示す現在の残本数が発注用の閾値以下となるか否かの判別(以下「閾値判別」という。)を行う。閾値は、発注ライン400(
図4参照)が示す値であり、予めユーザによって設定された数量(以下「基準閾値」という。)である。本実施形態において、基準閾値は、例えば、5本である。
【0042】
判別部503は、消費量予測部503aと、閾値変更部503bとを備える。消費量予測部503aは、ユーザの飲料品の消費履歴に基づいて、飲料品の消費量を予測する。具体的には、消費量予測部503aは、当日以降の所定の予測期間分の消費量(予測消費本数)を予測することが可能である。本実施形態において、予測期間は、当日の1日とする。ただし、予測期間は、例えば、3日、1週間、10日といった複数日とすることも可能である。言い換えれば、消費量予測部503aは、毎日の予測消費本数を予測せずに、複数日分の予測消費本数を予測することも可能である。なお、予測期間は、ユーザの設定または発注支援装置100のオペレータの設定により、変更可能としてもよい。
【0043】
予測期間は、配送期間に応じた期間として設定することが可能である。本実施形態においては、配送期間を1日としている。このため、予測期間を当日の1日分としている。これにより、当日の消費量の予測結果に基づいて、ユーザが発注を行うことによって、翌日には飲料品を補充することができる。なお、配送期間が2日であれば、予測期間を、当日と翌日を含めた2日とすればよい。また、配送期間がN日であれば、予測期間を、当日を含めたN日とすればよい。消費量予測部503aは、例えば、予め設定したタイミングで予測消費本数を予測する。このタイミングは、例えば、朝6時~10時(4時間)の間に計量結果を受信したタイミングである。なお、予測消費本数の予測は、1日に1回行われることとするが、1日に複数回行われるようにしてもよい。
【0044】
消費量予測部503aは、モデル記憶部101に記憶されている学習済モデル510を用いて、当日分の予測消費本数の確率を予測する。なお、消費量予測部503aは、ユーザの飲料品の消費履歴に加えて、ユーザの飲料品の消費に係る属性情報(年齢、性別、家族構成、休日となる曜日、趣味、休肝日等)に基づいて、飲料品の消費量を予測してもよい。
【0045】
閾値変更部503bは、予測消費本数に基づいて、閾値を変更する。閾値は、
図4に示した発注ライン400に相当する。以下、閾値変更部503bによって変更される閾値について、予測消費本数との関係を挙げて一例を列挙する。
・「予測消費本数=0」の場合、閾値を基準閾値(5本)のままとする。
・「予測消費本数=1」の場合、閾値を「基準閾値+1本(=6本)」とする。
・「予測消費本数=2」の場合、閾値を「基準閾値+2本(=7本)」とする。
・「予測消費本数=3」の場合、閾値を「基準閾値+3本(=8本)」とする。
・「予測消費本数=N」の場合、閾値を「基準閾値+N本(=5+N本)」とする。
【0046】
これにより、当日(予測期間)に予測消費本数分の飲料品が消費されたとしても、翌日(予測期間に相当する期間の経過後)には飲料品を補充することができる。したがって、ユーザは基準閾値を超える残本数を常時確保することができる。
【0047】
なお、予測期間を複数日とした場合、閾値変更部503bは、毎日、閾値を変更可能にせずに、複数日分の閾値を変更可能にすればよい。また、予測期間を複数日(例えば1週間)とした場合、当該複数日における予測消費本数が少なければ(例えば1週間に2本であれば)、閾値変更部503bは、基準閾値から減算した閾値(例えば3本)に変更してもよい。基準閾値から減算する値(減算値)は、複数日分の予測消費本数に応じた値(本数)としてもよい。具体的には、複数日における予測消費本数と減算値とを予め対応付けた対応情報を用意しておき、閾値変更部503bは、当該対応情報を参照して、予測消費本数に応じた減算値を特定するようにすればよい。なお、減算値は、予測消費本数に応じた値とすることに限らず、一定の値としてもよい。
【0048】
閾値判別では、閾値変更部503bによって変更可能な閾値が用いられる。すなわち、判別部503は、計量結果から予測される当日の飲料品の残数が閾値変更部503bによって変更可能な閾値以下となったか否かの閾値判別を行う。
【0049】
出力部504は、判別部503の判別結果に基づいて、ユーザに飲料品の発注を促す発注催促情報を出力する。具体的には、出力部504は、現在の飲料品の残数が閾値以下となった場合に、発注催促情報を出力する。発注催促情報の出力において、出力部504は、通信I/F204を制御して、ユーザ端末装置120へ発注催促情報を送信によって出力する。
【0050】
また、出力部は、判別部503の判別結果に基づいて、飲料品の発注を行う発注情報を出力してもよい。発注情報は、通信I/F204から、販売サイトに送信される。これにより、飲料品の自動発注を行うことが可能である。自動発注は、ユーザの設定に応じて行われてもよい。すなわち、自動発注を行う設定と、自動発注を行わない設定とが切替え可能であってもよい。また、自動発注を行う際の販売サイトについてもユーザによって設定されるようにしてもよい。自動発注を行う場合、出力部は、ユーザ端末装置120へ、自動発注を行った旨を示す情報を送信すればよい。
【0051】
ユーザ端末装置120は、発注支援装置100から発注催促情報を受信すると、当該発注催促情報に基づく通知(発注催促通知)を行う。発注催促通知の具体例については、
図11を用いて後述する。なお、発注支援装置100における自動発注の切替えが可能であるとすると、ユーザ端末装置120は、自動発注を行う設定と、自動発注を行わない設定とのいずれか一方を受け付けるようにすればよい。
【0052】
(発注支援システム1の処理の流れについて)
図7は、発注支援システム1の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7において、計量装置110は、所定タイミング(4時間経過)となったか否かを判断する(ステップS701)。所定タイミングではない場合(ステップS701:NO)、計量装置110は、そのまま終了する。一方、所定タイミングである場合(ステップS701:YES)、計量装置110は、計量結果を発注支援装置100へ送信する(ステップS702)。
【0053】
発注支援装置100は、計量装置110から計量結果を受信すると、発注支援処理(
図8参照)を行う(ステップS703)。そして、発注支援装置100は、発注支援処理によって発注催促情報が出力されたか否かを判断する(ステップS704)。発注催促情報が出力されない場合(ステップS704:NO)、発注支援装置100は、一日(前日)の消費量の集計タイミングであるか否かを判断する(ステップS706)。
【0054】
一日の消費量の集計タイミングは、予め設定しておけばよく、例えば、午前6時~10時の間で計量結果を受信したタイミングとすればよい。一日の消費量の集計タイミングではない場合(ステップS706:NO)、発注支援装置100は、ステップS711に進む。一方、一日の消費量の集計タイミングである場合(ステップS706:YES)、一日(前日)の消費量の集計結果を用いて、学習済モデル510を更新する(ステップS707)。
【0055】
ステップS704において、発注催促情報が出力された場合(ステップS704:YES)、発注支援装置100は、発注催促情報をユーザ端末装置120へ送信する(ステップS705)。ユーザ端末装置120は、発注支援装置100から発注催促情報を受信すると、当該発注催促情報に基づいて発注催促通知(
図11参照)を行う(ステップS708)。
【0056】
ユーザ端末装置120は、発注が行われない場合(ステップS709:NO)、そのまま終了する。一方、発注が行われた場合(ステップS709:YES)、発注が行われた旨を示す発注完了通知を発注支援装置100へ送信する(ステップS710)。なお、ユーザ端末装置120は、発注完了通知を送信しないようにしてもよい。この場合、ユーザ端末装置120は、販売サイトにアクセスしたことを示す通知を発注支援装置100へ送信してもよい。
【0057】
発注支援装置100は、ユーザ端末装置120から発注完了通知を受信したか否かを判断し(ステップS711)、発注完了通知を受信しない場合(ステップS711:NO)、そのまま終了する。一方、ユーザ端末装置120から発注完了通知を受信した場合(ステップS711:YES)、ユーザごとの購入履歴を更新し(ステップS712)、そのまま終了する。なお、発注支援装置100は、ユーザ端末装置120から発注完了通知が送信されないようにする場合は、購入履歴を更新しなくてもよい。また、発注支援装置100は、ユーザ端末装置120から、販売サイトにアクセスしたことを示す通知が送信されるようにする場合には、この通知を購入と見なして、購入履歴を更新してもよい。
【0058】
(発注支援装置100が行う発注支援処理の一例について)
図8は、発注支援装置100が行う発注支援処理の一例を示すフローチャートである。
図8において、発注支援装置100は、計量結果を受信したか否かを判断する(ステップS801)。計量結果を受信しない場合(ステップS801:NO)、発注支援装置100は、そのまま終了する。一方、計量結果を受信した場合(ステップS801:YES)、発注支援装置100は、予測消費本数出力処理(
図10参照)を行う(ステップS802)。
【0059】
そして、発注支援装置100は、基準閾値と予測消費本数とに基づいて、閾値を決定する(ステップS803)。次に、発注支援装置100は、残量(現在の本数)が、決定した閾値以下であるか否かを判断する(ステップS804)。残量(現在の本数)が閾値以下ではない場合(ステップS804:NO)、発注支援装置100は、一連の処理を終了する。一方、残量(現在の本数)が閾値以下である場合(ステップS804:YES)、通知タイミングであるか否かを判断する(ステップS805)。通知タイミングは、例えば、予め設定された1日1回のタイミングである。通知タイミングは、例えば、午前6時~10時の間で計量結果を受信したタイミングとしてもよい。
【0060】
通知タイミングではない場合(ステップS805:NO)、発注支援装置100は、一連の処理を終了する。通知タイミングである場合(ステップS805:YES)、発注支援装置100は、
図9に示す商品管理DB102を参照し、ユーザの購入履歴に応じた商品の販売サイトURL(Uniform Resource Locator)を抽出する(ステップS806)。そして、発注支援装置100は、抽出した販売サイトURLを含む発注催促情報を出力し(ステップS807)、一連の処理を終了する。
【0061】
(商品管理DB102の一例)
図9は、商品管理DB102の一例を示す説明図である。
図9において、商品管理DB102は、商品名と、容量と、ケース個数と、販売サイトURLとの各項目を含む。商品名は、商品の名称を示す。容量は、1本あたりの容量を示す。ケース個数は、販売単位である1ケースに含まれる本数を示す。販売サイトURLは、インターネット等で当該商品の販売を行うサイトのURLを示す。各項目に情報が入力されることにより商品管理情報が記憶される。発注支援装置100は、商品管理DB102を参照して、ユーザごとに購入履歴に応じた商品の販売サイトURLを抽出する。
【0062】
(発注支援装置100が行う予測消費本数出力処理の一例について)
図10は、発注支援装置100が行う予測消費本数出力処理の一例を示すフローチャートである。
図10において、発注支援装置100は、当日の日付情報および曜日情報を含む暦情報を取得する(ステップS1001)。そして、発注支援装置100は、暦情報を学習済モデル510に入力する(ステップS1002)。次に、発注支援装置100は、最も確率の高い予測消費本数を出力し(ステップS1003)、一連の処理を終了する。
【0063】
(ユーザ端末装置120が行う発注催促通知の一例について)
図11は、ユーザ端末装置120が行う発注催促通知の一例を示す説明図である。
図11(A)、(B)は、ユーザ端末装置120のディスプレイに表示される発注催促通知1100(1100a、1100b)を示す。
図11(A)に示す発注催促通知1100aは、例えば、1月17日の月曜日における通知を示しており、残りが6本になったことによって発注を促す通知を示している。一方で、
図11(B)に示す発注催促通知1100bは、例えば、1月21日の金曜日における通知を示しており、残り10本になったことによって発注を促す通知を示している。このように、本実施形態では、日付や曜日ごとの予測消費本数に応じて閾値判別に係る閾値を変えて、発注を促すことができる。
【0064】
発注催促通知1100において、発注を行うことを示す「はい」ボタンがユーザに選択されると、
図11(C)に示す発注用画面1110に遷移する。発注用画面1110は、商品の販売サイトの選択を受け付ける画面を示す。発注用画面1110には、販売サイト画像1111(1111a、1111b)が表示されている。いずれかの販売サイト画像1111がユーザによって選択されると、商品の発注手続きを行う画面に遷移し、発注を確定させることができる。発注が確定すると、ユーザ端末装置120は、発注完了通知を発注支援システム1に送信する。
【0065】
(学習済モデル510の生成について)
次に、
図12を用いて、学習済モデル510の生成について説明する。
図12は、学習済モデル510の生成に係る発注支援装置100の機能的構成を示すブロック図である。発注支援装置100は、データセット取得部1201と、モデル生成部1202と、モデル生成記憶部1210とを備える。各部1201、1202は、CPU201によって実現される。すなわち、CPU201が発注支援プログラムに含まれるモデル生成プログラムを実行することにより各部の機能を実現する。モデル生成記憶部1210は、メモリ202によって実現される。
【0066】
データセット取得部1201は、学習用データセット1200を取得する。データセット取得部1201は、記憶媒体(USBメモリ等)を用いて外部から学習用データセット1200を取得してもよいし、通信によって外部から学習用データセット1200を取得してもよい。
【0067】
ここで、
図13を用いて学習用データセット1200について説明する。
図13は、学習用データセットの一例を示す説明図である。
図13において、学習用データセット1200は、学習用サンプル1~Nを含む。各学習用サンプル1~Nは、それぞれ入力サンプル1301と出力サンプル1302とを含む。
【0068】
入力サンプル1301は、学習モデルの訓練時に入力層601に入力されるデータである。具体的には、入力サンプル1301は、日付情報および曜日情報を含む暦情報であり、学習モデルの訓練時に入力層601に入力されるデータである。
出力サンプル1302は、学習モデルの訓練時に出力層603からの出力値と比較するための正解となるデータ(教師データ、正解ラベルとも称する)である。出力サンプル1302は、各日付および各曜日に消費された飲料品の本数を示す実績情報(実際の消費本数)であり、学習モデルの訓練時に出力層603からの出力値と比較するための正解となる教師データ(正解ラベル)である。
【0069】
データセット取得部1201は、学習用サンプル1~Nをまとめて取得してもよいし、個別に取得してもよい。学習用サンプル1は、ある日付(例えば12月1日)のある曜日(水曜日)の情報である。学習用サンプル2は、ある日付(例えば12月2日)のある曜日(木曜日)の情報である。
【0070】
モデル生成記憶部1210は、学習モデルとパラメータとを記憶する。なお、モデル生成記憶部1210は、データセット取得部1201によって取得された学習用データセット1200を記憶してもよい。この場合、データセット取得部1201は、モデル生成部1202から学習用データセット1200を取得すればよい。
【0071】
モデル生成部1202は、データセット取得部1201によって取得された学習用データセット1200を用いて学習モデルを訓練して、学習済モデル510を生成する。モデル生成部1202は、生成した学習済モデル510をモデル記憶部101に記憶させる。
【0072】
具体的には、モデル生成部1202は、入力サンプル1301のそれぞれを入力層601に入力して、出力層603から得られるそれぞれの出力値と、出力サンプル1302のそれぞれとの差が少なくなるように、学習モデルのパラメータを更新して、学習済モデル510を生成する。一例として、モデル生成部1202は、下記(1)~(5)に示すように、誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)を用いて、学習済モデル510を生成してもよい。
【0073】
(1)モデル生成部1202は、学習用データセット1200の入力サンプル1301を入力層601に入力し、学習モデルの順伝播方向の演算処理を行うことにより、出力層603から出力値を得る。出力層603からの出力値は、それぞれの消費本数の確率(尤度)を表す値である。
(2)モデル生成部1202は、全ての入力サンプル1301について、例えば誤差逆伝播法により、出力層603からの出力値と出力サンプル1302との誤差を算出する。出力サンプル1302は、実績情報(実際の消費本数)である。例えば、学習用サンプル1の出力サンプル1302としての消費本数が10本を示すものであるときに、学習用サンプル1の入力サンプル1301を入力層601に入力して出力層603からの得られる出力値として消費本数が10本であれば、学習用サンプル1に関する誤差はゼロである。
(3)モデル生成部1202は、算出した誤差が所定値以内であるか否かを判断する。
(4)モデル生成部1202は、算出した誤差が所定値以内であれば、各ニューロン間の結合の重み等の各種パラメータ(各ニューロン間の結合の重み、各ニューロンの閾値等)は最適化されていると判断し、学習(訓練)を終了し、学習済モデル510の生成を完了する。各種パラメータを学習済パラメータとした学習モデルを学習済モデル510とする。
(5)モデル生成部1202は、算出した誤差が所定値以内でなければ、算出した各誤差に基づいて各種パラメータを更新する。以下、モデル生成部1202は、各種パラメータを更新した学習モデルに対し、再度、入力サンプル1301を入力層601に入力し、上記誤差が所定値以内になるまで、繰り返し、各種パラメータを更新する。
【0074】
(発注支援装置100が行うモデル生成処理の一例)
図14は、発注支援装置100が行うモデル生成処理の一例を示すフローチャートである。なお、
図14のフローチャートの開始時において、モデル生成記憶部1210には、学習用データセット1200、学習モデル、パラメータが記憶されているものとする。
図14において、発注支援装置100は、学習モデルにそれぞれの入力サンプル1301を入力し、学習モデルからそれぞれの出力値を取得する(ステップS1401)。
【0075】
そして、発注支援装置100は、それぞれの出力値と、それぞれの出力サンプル(消費本数)との誤差を算出する(ステップS1402)。次に、発注支援装置100は、誤差が所定値以内であるか否かを判断する(ステップS1403)。誤差が所定値以内ではない場合(ステップS1402:NO)、発注支援装置100は、各誤差に基づいて各種パラメータを更新し(ステップS1404)、ステップS1401に戻る。つまり、誤差が所定値以内となるまで、ステップS1401~ステップS1404を繰り返す。
【0076】
誤差が所定値以内である場合(ステップS1403:YES)、発注支援装置100は、訓練を終了し(ステップS1405)、一連の処理を終了する。つまり、発注支援装置100による学習済モデル510の生成が完了し、一連の処理を終了する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る発注支援装置100は、計量装置110の計量結果から得られる飲料品の消費履歴と、計量結果が示す現在の飲料品の残量とに基づいて、飲料品の発注を行うか否かの判別を行い、当該判別の結果に基づいて、発注催促情報を出力する。これにより、ユーザごとに飲料品の消費履歴に応じた最適なタイミングで発注催促通知を行うことができる。したがって、飲料品の発注を効率よく支援することができる。このため、各ユーザにそれぞれ最適なタイミングで製品を発注させることができるとともに、各ユーザの飲料品の在庫が切れてしまうことを抑えることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る発注支援装置100は、飲料の消費履歴に基づいて、予測消費本数を予測する。これにより、ユーザごとの予測消費本数を予測することができるため、飲料品の発注をより効率よく支援することができる。したがって、買い置きした飲料品に在庫切れが生じることを抑えることができるとともに、消費スピードの遅いユーザにとっては飲料品の鮮度が低下することや、賞味期限が切れてしまうことを抑えることができる。
【0079】
また、本実施形態に係る発注支援装置100は、飲料品の消費履歴に基づいて閾値判別に係る閾値を変更にして閾値判別を行う。これにより、ユーザごとに閾値(
図4の発注ライン400)を変更することができるため、飲料品の発注をより効率よく支援することができる。したがって、買い置きした飲料品に在庫切れが生じることを抑えることができるとともに、消費スピードの遅いユーザにとっては飲料品の鮮度が低下することや、賞味期限が切れてしまうことを抑えることができる。
【0080】
また、本実施形態に係る発注支援装置100は、暦に応じた消費履歴に基づいて、閾値判別を行う。これにより、日付や曜日に応じた消費履歴に基づいて発注催促情報を出力することができる。このため、日付や曜日ごとに最適なタイミングで発注催促通知を行うことができる。したがって、飲料品の発注をより効率よく支援することができる。
【0081】
(実施形態の変形例)
以下に、実施形態の変形例について説明する。なお、以下の変形例では、上述した実施形態で説明した内容については、適宜説明を省略する。以下に説明する各変形例や上述した実施形態は、適宜、組み合わせることも可能である。
【0082】
(変形例1)
まず、変形例1について説明する。上述した実施形態では、暦に応じた消費履歴に基づいて発注催促情報を出力する構成について説明した。変形例1では、暦に加えて、気候、および所定のイベントの有無に応じた消費履歴に基づいて発注催促情報を出力する構成について説明する。
【0083】
(変形例1に係る発注ラインについて)
図15は、変形例1に係る発注ラインの一例を示す説明図である。
図15(A)~(D)において、横軸は時間を示し、縦軸は計量装置110によって計量される飲料品(缶ビール)の本数(重量)を示す。
図15(A)~(D)に示すように、飲料品の本数401は、時間の経過とともに、ユーザが飲料品を消費することによって減少していく。発注ライン400は、ユーザに発注催促通知を行うタイミングである本数(残本数)を示す。
【0084】
図15(A)は、猛暑時の発注ライン400を示す。猛暑時の場合、飲料品の消費(本数401の減少)が多くなる傾向にある。このため、変形例1では、猛暑時における発注ライン400を高めに設定するようにしている。
一方で、
図15(B)は、天候不順時の発注ライン400を示す。天候不順の場合、飲料品の消費が乏しい傾向にある。このため、変形例1では、天候不順時における発注ライン400を低めに設定するようにしている。
【0085】
図15(C)は、第1イベント(例えばスポーツ中継)が行われる際の発注ライン400を示す。第1イベントが行われるときには、知人等が訪れることもあり、飲料品の消費が多くなる傾向にある。このため、変形例1では、第1イベントが行われる場合には、発注ライン400を高めに設定するようにしている。
一方で、
図15(D)は、第2イベント(ゴールデンウイークや年末年始)における発注ライン400を示す。第2イベントのときには、外出する機会が多いことから、飲料品の消費が乏しい傾向にある。このため、変形例1では、第2イベントの場合には、発注ライン400を低めに設定するようにしている。
【0086】
(入力情報取得部502が取得する情報について)
変形例1において、入力情報取得部502(
図5参照)は、暦情報のほかにも、気候情報を取得する。気候情報は、天気、気温、降水量、湿度、風速などの各種情報を含む。気候情報は、当日の1日分とするが、これに限らず、当日以降の1週間といった複数日分としてもよい。入力情報取得部502は、例えば、毎日1回、所定のタイミング(予測消費本数を予測するタイミング)で気候情報を取得する。気候情報の取得は、自動で行われてもよいし、発注支援装置100を操作するオペレータによる手動で行われてもよい。入力情報取得部502は、所定の天気予報サイトなどから気候情報を取得することが可能である。取得する気候情報は、ユーザの居住地の気候情報である。
【0087】
また、入力情報取得部502は、イベントの有無を示すイベント情報を取得する。イベント情報は、当日のスポーツ中継の有無を示す情報や、当日が長期休暇に含まれるか否かを示す情報、当日の祭りや花火大会といった地域の行事の有無を示す情報などである。また、イベント情報は、ユーザによって登録される誕生日、記念日、家族が集まる日などを示す情報を含む。本実施形態において、イベント情報は、当日のスポーツ中継の有無を示す第1イベント情報と、当日が長期休暇に含まれるか否かを示す第2イベント情報とを含むものとする。なお、祭りや花火大会といった地域の行事は、ユーザの居住地または居住地近傍の行事である。
【0088】
入力情報取得部502は、当日の1日分のイベント情報を取得するようにするが、当日以降の1週間といった複数日分のイベント情報をまとめて取得するようにしてもよい。入力情報取得部502は、例えば、毎日1回、所定のタイミング(予測消費本数を予測するタイミング)でイベント情報を取得する。イベント情報の取得は、自動で行われてもよいし、発注支援装置100を操作するオペレータによる手動で行われてもよい。入力情報取得部502は、スポーツ中継に関するテレビ欄を含むサイトや、地域ごとのイベントの情報を含むサイトなどから、各イベント情報を取得することが可能である。また、当日が長期休暇に含まれるか否かを示す第2イベント情報は、自装置または他の装置に記憶されるカレンダー情報から取得することが可能である。
【0089】
なお、変形例1において、入力情報取得部502は、気候情報とイベント情報との両方を取得することとするが、少なくともいずれか一方を取得することとしてもよい。すなわち、入力情報取得部502は、気候情報のみを取得することとしてもよいし、イベント情報のみを取得することとしてもよい。
【0090】
(変形例1に係る学習済モデル1610の一例について)
図16は、変形例1に係る学習済モデル1610の一例を示す説明図である。
図16において、入力層601には、入力情報取得部502によって取得された暦情報(日付情報、および曜日情報)と、気候情報(図示を省略するが、天気情報、気温情報、降水量情報など)と、イベント情報(第1イベント情報および第2イベント情報)とが入力される。出力層603からは、暦情報と気候情報とイベント情報とに応じた消費本数を示す出力値が出力される。
【0091】
学習済モデル1610は、入力層601に暦情報と気候情報とイベント情報とを入力したときに出力層603から出力される消費本数(消費される本数を示す確率)が、実際の消費実績(消費本数の結果)と、なるべく合致するように訓練されて、生成された学習モデルである。
【0092】
消費量予測部503aは、モデル記憶部101に記憶されている学習済モデル1610を用いて、当日分の予測消費本数の確率を予測する。閾値変更部503bは、予測消費本数に基づいて、閾値を変更する。判別部503は、計量結果が示す現在の飲料品の残数(残本数)が閾値変更部503bによって変更された閾値以下となるか否かの閾値判別を行う。
【0093】
(学習済モデル1610の生成に用いられる学習用データセットについて)
図17は、変形例1に係る学習用データセットの一例を示す説明図である。
図17において、学習用データセット1700は、学習用サンプル1~Nを含む。各学習用サンプル1~Nは、それぞれ入力サンプル1701と出力サンプル1702とを含む。
【0094】
入力サンプル1701は、学習モデルの訓練時に入力層601に入力されるデータである。具体的には、入力サンプル1701は、暦情報と気候情報とイベント情報とであり、学習モデルの訓練時に入力層601に入力されるデータである。
出力サンプル1702は、学習モデルの訓練時に出力層603からの出力値と比較するための正解となるデータ(教師データ、正解ラベルとも称する)である。出力サンプル1702は、各日付、各曜日、各天気、各気温、各降水量、各湿度、各風速、各第1イベントの有無、各第2イベントの有無などに応じて消費された飲料品の本数を示す実績情報(実際の消費本数)であり、学習モデルの訓練時に出力層603からの出力値と比較するための正解となる教師データ(正解ラベル)である。
【0095】
データセット取得部1201(
図12参照)は、学習用サンプル1~Nをまとめて取得してもよいし、個別に取得してもよい。学習用サンプル1は、ある日付(例えば12月1日)のある曜日(水曜日)のある気候およびイベントの有無を示す情報である。学習用サンプル2は、ある日付(例えば12月2日)のある曜日(木曜日)の気候およびイベントの有無を示す情報である。
【0096】
モデル生成記憶部1210は、学習モデルとパラメータとを記憶する。なお、モデル生成記憶部1210は、データセット取得部1201によって取得された学習用データセット1700を、モデル生成部1202が読取可能に記憶してもよい。
【0097】
モデル生成部1202は、データセット取得部1201によって取得された学習用データセット1700を用いて学習モデルを訓練して、学習済モデル1610を生成する。具体的には、モデル生成部1202は、入力サンプル1701のそれぞれを入力層601に入力して、出力層603から得られるそれぞれの出力値と、出力サンプル1702のそれぞれとの差が少なくなるように、学習モデルのパラメータを更新して、学習済モデル1610を生成する。モデル生成部1202は、生成した学習済モデル1610をモデル記憶部101に記憶させる。
【0098】
(変形例1に係る予測消費本数出力処理について)
次に、変形例1に係る予測消費本数出力処理(
図8のステップS802)について説明する。まず、発注支援装置100は、暦情報と気候情報とイベント情報とを取得する。そして、発注支援装置100は、暦情報と気候情報とイベント情報とを学習済モデル1610に入力する。次に、発注支援装置100は、最も確率の高い予測消費本数を出力する。発注支援装置100は、上記の予測消費本数出力処理によって出力された予測消費本数と、基準閾値とに基づいて、閾値を決定し、当該閾値を用いて閾値判別を行う。これにより、変形例1に係る発注支援装置100は、暦と気候と各イベントの有無とに応じて、閾値を変更して発注催促情報を出力することができる。
【0099】
なお、変形例1では、学習モデルの入力サンプルに気候情報とイベント情報とを含ませるようにしたが、これに限らない。例えば、学習モデルの入力サンプルに気候情報やイベント情報を含ませなくても、暦情報に基づく予測消費本数を基準にして、気候情報やイベント情報に応じた所定数増減させることが可能である。所定数は、予め設定した値としてもよく、例えば、悪天候のときに「-1」とし、イベントありの時に「+2」としてもよい。また、外部の装置から、気候に応じた飲料品の消費予測を示す消費データを取得することも可能である。このようにした場合、当該消費データに基づいて、予測消費本数を変更させることが可能である。この変更は、自動で行われてもよいし、発注支援装置100のオペレータによる手動で行われてもよい。
【0100】
以上説明したように、変形例1に係る発注支援装置100は、気候情報に応じた消費履歴に基づいて閾値判別を行う。これにより、気候に応じた予測消費本数を予測することができるため、飲料品の発注をより効率よく支援することができる。したがって、買い置きした飲料品に在庫切れが生じることを抑えることができるとともに、消費スピードの遅いユーザにとっては飲料品の鮮度が低下することや賞味期限が切れてしまうことを抑えることができる。
【0101】
また、変形例1に係る発注支援装置100は、イベント情報に応じた消費履歴に基づいて発注催促情報を出力する。これにより、イベントの有無に応じた予測消費本数を予測することができる。このため、イベントがあるときに飲料品を多く消費するユーザに、飲料品の発注をより効率よく支援することができる。したがって、買い置きした飲料品に在庫切れが生じることを抑えることができる。
【0102】
(変形例2)
次に、実施形態の変形例2について説明する。変形例2では、上述した実施形態に加えて、飲料品の消費履歴に応じてユーザに有益情報を通知することについて説明する。
【0103】
(有益情報について)
本実施形態において、発注支援装置100は、ユーザごとの飲料品の購入履歴(
図7のステップS712)を得る。このため、発注支援装置100は、当該購入履歴を用いることにより、消費履歴として、発注された飲料品がユーザの手元に届いてから消費されるまでの期間を示す消費期間情報を得ることが可能である。
【0104】
なお、発注支援装置100は、ユーザ端末装置120から発注完了通知が送信されないようにする場合、購入履歴を得ることができない。このような場合、例えば、以下の2つの手法によって消費期間情報を得ることが可能である。
1つ目の手法:ユーザ端末装置120は、発注リンク(販売サイトURL)のタップを検出した場合に、発注が行われたことを示す通知を発注支援装置100に送信する。発注支援装置100は、この通知を受信することにより、前回の発注日と今回の発注日とを特定することができる。発注支援装置100は、前回の発注日から今回の発注日までの期間を、飲料品が消費されるまでの期間と見なして消費期間情報を得ることが可能である。
【0105】
2つ目の手法:発注支援装置100は、計量装置110の計量結果を用いて、飲料品が補充された補充日を特定することが可能である。具体的には、発注支援装置100は、計量結果が所定値以上増加した日を補充日として特定することが可能である。発注支援装置100は、前回の補充日から今回の補充日までの期間を、飲料品が消費されるまでの期間と見なして消費期間情報を得ることが可能である。
【0106】
変形例2において、出力部504(
図5参照)は、消費期間情報に基づいて、ユーザに有益な有益情報を出力する。有益情報は、ユーザに付与する特典情報や、新商品の広告情報などである。
【0107】
具体的に説明すると、飲料品の消費期間が短い場合には、すなわち、計量装置110によって計量される飲料品がよく消費されている場合には、発注支援装置100は、当該飲料品に係る特典をユーザに付与するようにしている。特典は、ポイント付与や優待券の付与などである。一方で、飲料品の消費期間が長い場合には、すなわち、計量装置110によって計量される飲料品が消費されにくい場合には、発注支援装置100は、当該飲料品とは異なる他の飲料品の広告を行うようにしている。他の飲料品は、例えば、自社商品(オフィス10に係る商品)のうち類似商品や新商品なである。また、他の飲料品は、自社商品のうち、ノンアルコールビールや、ノンアルコールカクテルなどであってもよい。
【0108】
出力部504によって出力された有益情報は、ユーザ端末装置120に送信されて、ユーザ端末装置120からユーザに通知される。ユーザ端末装置120は、広告情報が示す商品を表示するとともに、当該商品がユーザに選択されることによって直接販売サイトにアクセスすることが可能である。販売サイトにアクセスして発注が確定すると、ユーザ端末装置120は、発注完了通知を発注支援システム1に送信する。
【0109】
これにより、発注支援装置100は、他の商品の購入履歴を得ることができる。発注支援装置100は、他の商品(例えば24缶)が発注された場合には、当該他の商品の消費履歴と残量とを管理して、ユーザ端末装置120に当該他の商品の発注を促す発注催促情報を送信するようにしてもよい。
【0110】
(変形例2に係る商品管理情報の一例)
図18は、変形例2に係る商品管理情報の一例を示す説明図である。
図18に示す商品管理情報1800は、商品管理DB102(
図9参照)に含まれる情報であり、発注支援装置100のメモリ202に記憶される。
図18において、商品管理情報1800は、商品ごとの消費期間に応じて抽出される有益情報を示す。
【0111】
具体的には、商品管理情報1800は、商品名と、消費期間と、有益情報との各項目を含む。商品名は、商品の名称を示す。消費期間は、例えば、前回の発注から次回の発注までの期間を示す。図示において、消費期間は、T1とT2との2つの閾値を含む。なお、2つの閾値(期間)の長さの関係は「T1<T2」である。有益情報は、特典情報、または他の商品の広告情報を示す。
【0112】
発注支援装置100は、商品管理情報1800に基づいて、各商品の消費期間に応じた有益情報を抽出して、ユーザ端末装置120へ送信することが可能である。
図18を用いて具体的に説明すると、「○○ドライ」の消費期間がT1以下であれば、すなわち、消費スピードが速ければ、所定の特典を示す特典情報が送信される。「○○ドライ」の消費期間がT1を超えてT2以下であれば、すなわち、消費スピードが普通であれば、特に何も送信されない。なお、消費期間がT1を超えてT2以下の場合でも、有益情報を送信してもよい。「○○ドライ」の消費期間がT2を超えれば、すなわち、消費スピードが遅ければ、他のメーカーの飲料品が購入されてしまうおそれがあることから、自社商品のうち他の商品の広告情報が送信される。
【0113】
(発注支援装置100が行う有益情報の送信処理の一例について)
図19は、変形例2に係る発注支援装置100が行う有益情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
図19において、発注支援装置100は、ユーザ端末装置120から発注完了通知(
図7のステップS711参照)を受信したか否かを判断する(ステップS1901)。発注完了通知を受信しない場合(ステップS1901:NO)、発注支援装置100は、所定期間(例えば、1日)に1回といった消費期間確認タイミングであるか否かを判断する(ステップS1902)。
【0114】
消費期間確認タイミングではない場合(ステップS1902:NO)、発注支援装置100は、一連の処理を終了する。一方、消費期間確認タイミングである場合(ステップS1902:YES)、発注支援装置100は、消費期間がT2を超えるか否かを判断する(ステップS1903)。
【0115】
消費期間がT2を超えない場合(ステップS1903:NO)、発注支援装置100は、一連の処理を終了する。消費期間がT2を超える場合(ステップS1903:YES)、発注支援装置100は、商品管理情報1800(
図18参照)を参照して他の商品の広告情報を抽出し、抽出した広告情報をユーザ端末装置120へ送信し(ステップS1904)、一連の処理を終了する。
【0116】
ステップS1901において、発注完了通知を受信した場合(ステップS1901:YES)、発注支援装置100は、消費期間がT1を超えてT2以下であるか否かを判断する(ステップS1905)。消費期間がT1を超えてT2以下である場合(ステップS1905:YES)、発注支援装置100は、一連の処理を終了する。
【0117】
一方、消費期間がT1を超えてT2以下ではない場合(ステップS1905:NO)、発注支援装置100は、消費期間がT2を超えるか否かを判断する(ステップS1906)。消費期間がT2を超える場合(ステップS1906:YES)、発注支援装置100は、ステップS1904に進み、他の商品の広告情報を送信する。
【0118】
消費期間がT2を超えない場合(ステップS1906:NO)、すなわち、消費期間がT1以下である場合、発注支援装置100は、商品管理情報1800(
図18参照)を参照して特典情報を抽出し、抽出した特典情報をユーザ端末装置120へ送信し(ステップS1907)、一連の処理を終了する。
【0119】
変形例2に係る発注支援装置100は、飲料品の消費履歴に応じてユーザに有益情報を通知する。これにより、当該飲料品の消費スピードが速いユーザに対しては、さらなる消費を促すことができる。また、当該飲料品の消費スピードの遅いユーザに対しては、自社商品のうち他の商品を推奨することができるため、他のメーカーの飲料品が購入されてしまうことを抑えることができる。したがって、当該飲料品および他の自社商品の発注を効率よく支援することができる。
【0120】
(変形例3)
次に、実施形態の変形例3について説明する。変形例3では、上述した実施形態に加えて、飲料品の消費履歴に応じてユーザに健康サポート情報を通知することについて説明する。
【0121】
(健康サポート情報について)
また、発注支援装置100は、ユーザごとの飲料品の購入履歴(
図7のステップS712)を得る。発注支援装置100は、当該購入履歴を用いることにより、消費履歴として、発注された飲料品(アルコール飲料品)の種別と、発注された飲料品が消費されるまでの期間を示す種別期間情報とを得ることが可能である。
【0122】
変形例3において、出力部504(
図5参照)は、種別期間情報に基づいて、ユーザの健康をサポートする健康サポート情報を出力する。健康サポート情報は、健康を促す通知情報や、健康商品などの広告情報を含む。健康を促す通知情報は、適切な飲酒を促す旨の情報や、適度な運動を促す旨の情報を含む。広告情報は、アルコールの過剰摂取に適した食品(ウコン、しじみなど)の広告情報や、ノンアルコールビールや炭酸水の広告情報を含む。また、発注支援装置100は、予めユーザの年齢や体重などのユーザの属性を登録しておくことにより、当該属性に応じた健康サポート情報を出力してもよい。
【0123】
具体的に説明すると、24缶の飲料品が所定の消費期間以内(例えば6日以内)に消費されたとすると、消費スピードが速い傾向にあり、健康を損ねる可能性がある。特に、アルコール度数が高い飲料品ほど、健康を損ねる可能性が高くなる。このため、変形例2では、アルコール度数が所定値以上(例えば5%以上)の飲料品が所定の消費期間内(例えば6日以内)に消費された場合に、出力部504は、健康サポート情報を出力するようにしている。また、アルコール度数が所定値以上であっても、所定の消費期間よりも長い期間をかけて消費された場合も、出力部504は、健康サポート情報を出力しないようにする。
【0124】
なお、複数人が居住する家庭11では、複数人で飲料品が消費されることもある。例えば、2人で飲料品を消費する場合には、消費スピードは2倍になる。このため、飲料品を消費する人数を予め登録しておくことによって、所定の消費期間を、登録した人数に応じた期間とすることも可能である。具体的には、例えば、2人で消費する場合には、所定の消費期間を、例えば3日とすればよい。
【0125】
出力部504によって出力された健康サポート情報は、ユーザ端末装置120に送信されて、ユーザ端末装置120からユーザに通知される。ユーザ端末装置120は、広告情報が示す商品を表示するとともに、当該商品がユーザに選択されることによって直接販売サイトにアクセスすることを可能にする。販売サイトにアクセスして発注が確定すると、ユーザ端末装置120は、当該商品に係る発注完了通知を発注支援システム1に送信する。これにより、発注支援装置100は、当該商品の購入履歴を得ることができる。
【0126】
(変形例3に係る商品管理情報の一例)
図20は、変形例3に係る商品管理情報の一例を示す説明図である。
図20に示す商品管理情報2000は、商品管理DB102(
図9参照)に含まれる情報であり、発注支援装置100のメモリ202に記憶される。
図20において、商品管理情報2000は、商品名と、アルコール度数と、アルコール量と、消費期間と、健康サポート情報との各項目を含む。商品名は、商品の名称を示す。アルコール度数は、商品に含まれるアルコールの割合を示す。アルコール量は、350ml、5%の「○○ドライ」の24本分のアルコール量を示す。アルコール量は、発注支援装置100によって算出される。消費期間は、例えば、前回の発注から次回の発注までの期間である。
【0127】
図示において、消費期間は、t1とt2との2つの閾値を含む。なお、2つの閾値(期間)の長さの関係は、「t1<t2」である。発注支援装置100は、商品管理情報2000に基づいて、各商品のアルコール度数と消費期間とに応じた健康サポート情報を抽出して、ユーザ端末装置120へ送信することが可能である。
【0128】
発注支援装置100は、商品管理情報2000に基づいて、各商品のアルコール度数と消費期間とに応じた健康サポート情報を抽出して、ユーザ端末装置120へ送信することが可能である。
図20を用いて具体的に説明すると、「○○ドライ」の消費期間がt1以下であれば、すなわち、消費スピードが速ければ、健康の留意に係る強調度合いが最も高い健康サポート情報1が送信される。「○○ドライ」の消費期間がt1を超えてt2以下であれば、すなわち、消費スピードが普通であれば、健康サポート情報1に比べて、健康の留意に係る強調度合いが低い健康サポート情報2が送信される。「○○ドライ」の消費期間がt2を超えれば、すなわち、消費スピードが遅ければ、特に何も送信されない。なお、消費期間がt2を超えた場合でも、健康サポート情報を送信してもよい。なお、この場合の健康サポート情報は、健康サポート情報2と同じでもよいし、健康サポート情報2に比べて、健康に留意に係る強調度合いが低い健康サポート情報でもよい。
【0129】
(発注支援装置100が行う健康サポート情報の送信処理の一例について)
図21は、変形例3に係る発注支援装置100が行う健康サポート情報の送信処理の一例を示すフローチャートである。
図21において、発注支援装置100は、ユーザ端末装置120から発注完了通知を受信したか否かを判断する(ステップS2101)。発注完了通知を受信しない場合(ステップS2101:NO)、発注支援装置100は、一連の処理を終了する。
【0130】
発注完了通知を受信した場合(ステップS2101:YES)、発注支援装置100は、消費期間がt2を超えるか否かを判断する(ステップS2102)。消費期間がt2を超える場合(ステップS2102:YES)、発注支援装置100は、一連の処理を終了する。
【0131】
一方、消費期間がt2を超えない場合(ステップS2102:NO)、発注支援装置100は、消費期間がt1以下であるか否かを判断する(ステップS2103)。消費期間がt1以下ではない場合(ステップS2103:NO)、すなわち、消費期間がt1を超えてt2以下である場合、発注支援装置100は、商品管理情報2000(
図20参照)を参照して健康サポート情報2を抽出し、抽出した健康サポート情報2をユーザ端末装置120へ送信し(ステップS2104)、一連の処理を終了する。
【0132】
消費期間がt1以下である場合(ステップS2103:YES)、発注支援装置100は、商品管理情報2000(
図20参照)を参照して健康サポート情報1を抽出し、抽出した健康サポート情報1をユーザ端末装置120へ送信し(ステップS2105)、一連の処理を終了する。
【0133】
変形例3に係る発注支援装置100は、飲料品の消費履歴に応じてユーザに健康サポート情報を通知する。これにより、ユーザの健康的な生活をサポートしつつ、当該飲料品および他の飲料品の発注をより効率よく支援することができる。
【0134】
(変形例4)
次に、実施形態の変形例4について説明する。上述した実施形態では、暦ごとの消費予測本数を予測して、発注催促情報を出力する構成について説明した。変形例5では、このような構成に代えて、暦ごとの発注の有無を予測して、発注催促情報を出力する構成について説明する。
【0135】
(入力情報取得部502が取得する情報について)
変形例4において、入力情報取得部502(
図5参照)は、暦情報のほかにも、飲料品の残数を示す残数情報を取得する。残数情報は、消費履歴に含まれる情報である。残数情報は、例えば、0~24本を示す情報である。残数情報は、当日の残数を示す情報である。入力情報取得部502は、例えば、毎日1回、所定のタイミング(例えば、朝6時~10時の間に計量結果を受信したタイミング)で計量装置110から送信される計量結果から残数情報を取得する。
【0136】
(変形例4に係る学習モデルについて)
変形例4において、入力層601(
図6参照)には、入力情報取得部502によって取得された暦情報(日付情報、および曜日情報)と、残数情報とが入力される。出力層603からは、暦情報と残数情報とに応じた発注の有無を示す出力値が出力される。
【0137】
変形例4に係る学習済モデルは、入力層601に暦情報と残数情報とを入力したときに出力層603から出力される発注の有無(発注ありの確率または発注なしの確率)が、実際の発注実績(発注の有無の結果)と、なるべく合致するように訓練されて、生成された学習モデルである。
【0138】
判別部503は、計量装置110の計量結果から得られる飲料品の消費履歴と、計量結果が示す現在の飲料品の残数(残本数)とに基づいて、飲料品の発注を行うか否かの判別を行う。具体的には、判別部503は、入力層601に暦情報と残数情報とを入力したときに、発注ありを示す出力値が所定確率(例えば80%以上)の場合に、発注を行うと判別する。出力部504は、判別部503によって発注を行うと判別された場合に、発注催促情報を出力する。
【0139】
(変形例4に係る学習済モデルの生成に用いられる学習用データセットについて)
変形例4に学習用データセットに含まれる入力サンプルは、暦情報と残数情報とであり、学習モデルの訓練時に入力層601に入力されるデータである。
変形例4に係る学習用データセットに含まれる出力サンプルは、学習モデルの訓練時に出力層603からの出力値と比較するための正解となるデータ(教師データ、正解ラベルとも称する)である。出力サンプルは、各日付、各曜日、各残数に応じて発注されたか否かを示す実績情報(発注の有無を示す情報)であり、学習モデルの訓練時に出力層からの出力値と比較するための正解となる教師データ(正解ラベル)である。
【0140】
変形例4に係るモデル生成記憶部は、学習モデルとパラメータとを記憶する。変形例4に係るモデル生成部は、学習用データセットを用いて学習モデルを訓練して、具体的には、モデル生成部は、入力サンプルのそれぞれを入力層601に入力して、出力層603から得られるそれぞれの出力値と、出力サンプルのそれぞれとの差が少なくなるように、学習モデルのパラメータを更新して、学習済モデルを生成する。モデル生成部は、生成した学習済モデルをモデル記憶部に記憶させる。
【0141】
(変形例4に係る発注支援装置100が行う発注支援処理について)
次に、変形例4に係る発注支援装置100が行う発注支援処理(
図7のステップS703)について説明する。まず、発注支援装置100は、計量装置110から計量結果を受信すると、残数情報を取得するとともに、暦情報を取得する。そして、発注支援装置100は、暦情報と残数情報とを学習済モデルに入力する。次に、発注支援装置100は、発注ありを示す確率が所定確率以上であれば、通知タイミングである否かを判断する。通知タイミングであれば、発注支援装置100は、発注催促情報を出力する。
【0142】
なお、変形例4においても、気候情報やイベント情報を含めて、発注の有無を予測することも可能である。具体的には、気候情報やイベント情報を含む入力サンプルと、発注の有無を示す出力サンプルとを用いて学習済モデルを用いて、発注の有無を予測することが可能である。
【0143】
以上説明したように、変形例4に係る発注支援装置100は、暦ごとの発注の有無を予測して、発注催促情報を出力する。このようにしても、暦ごとに飲料品の発注をより効率よく支援することができる。
【0144】
(変形例5)
次に、実施形態の変形例5について説明する。上述した実施形態では、閾値判別に用いる閾値を、学習済モデル510を用いて予測した消費予測本数に基づいて変更する構成について説明した。変形例5では、このような構成に代えて、閾値判別に用いる閾値を、飲料品の消費履歴テーブルを用いて変更する構成について説明する。
【0145】
(消費履歴テーブルの一例)
図22は、変形例5に係る消費履歴テーブルの一例を示す説明図である。
図22に示す消費履歴テーブル2200は、例えば、発注支援装置100のメモリ202に記憶される。
図22において、消費履歴テーブル2200は、顧客情報と、商品名と、曜日と、予測消費本数との項目を含む。
【0146】
顧客情報は、顧客を識別するための顧客IDと、顧客の住所と、顧客の氏名とを含む。曜日は、暦の一例である。なお、説明を簡略化するため、暦には、曜日のみが含まれるようにしているが、日付も含まれていてもよい。すなわち、消費履歴テーブル2200には、曜日に代えてまたは加えて、日付の項目が含まれていてもよい。予測消費本数は、各曜日の消費履歴に基づいて、各曜日に飲料が消費された平均の本数を示す。
【0147】
変形例5において、入力情報取得部502(
図5参照)は、当日の曜日情報を取得する。消費量予測部503aは、曜日情報が示す曜日に基づいて、消費履歴テーブル2200を用いて、当日の予測消費本数を予測する。閾値変更部503bは、予測消費本数に基づいて、閾値を変更する。判別部503は、計量結果が示す現在の飲料品の残数が閾値変更部503bによって変更可能な閾値以下となったか否かの閾値判別を行う。出力部504は、現在の飲料品の残数が閾値以下となった場合に、発注催促情報を出力する。
【0148】
なお、消費履歴テーブル2200に、気候情報やイベント情報を含ませることも可能である。具体的には、過去の消費履歴に基づいて、曜日ごとの気候情報別の予測消費本数や、曜日ごとのイベントの有無別の予測消費本数を消費履歴テーブル2200に記憶させるようにすればよい。また、外部の装置から、気候に応じた飲料品の消費予測を示す消費データを取得することも可能である。このようにした場合、当該消費データに基づいて、予測消費本数を変更させることが可能である。この変更は、自動で行われてもよいし、発注支援装置100のオペレータによる手動で行われてもよい。このように、変形例5においても、気候やイベントの有無に応じた予測消費本数を予測して、閾値を変更することが可能である。
【0149】
また、消費履歴テーブル2200に気候情報やイベント情報を含ませなくても、気候情報やイベント情報に応じて、予測消費本数を所定数増減させることが可能である。例えば、所定数は、予め設定した値としてもよく、悪天候のときに「-1」にしたり、イベント時に「+2」にしたりしてもよい。
【0150】
変形例5の発注支援装置100によれば、ユーザごとに、飲料品の消費履歴(消費予測本数)に応じた最適なタイミングで発注催促通知を行うことができる。したがって、飲料品の発注を効率よく支援することができる。
【0151】
(変形例6)
次に、実施形態の変形例6について説明する。上述した変形例5では、閾値判別に用いる閾値を、飲料品の消費履歴テーブル2200を用いて変更する構成について説明した。変形例6では、このような構成に代えて、閾値判別に用いる閾値を、飲料品の発注履歴テーブル2300を用いて変更する構成について説明する。
【0152】
(発注履歴テーブルの一例)
図23は、変形例6に係る発注履歴テーブルの一例を示す説明図である。
図23に示す発注履歴テーブル2300は、例えば、発注支援装置100のメモリ202に記憶される。
図23において、発注履歴テーブル2300は、顧客情報と、商品名と、曜日と、発注時の残数(本数)との項目を含む。顧客情報は、顧客を識別するための顧客IDと、顧客の住所と、顧客の氏名とを含む。曜日は、暦の一例である。なお、発注履歴テーブル2300には、曜日に代えてまたは加えて、日付の項目が含まれていてもよい。発注時の残数は、各曜日の発注履歴に基づいて、各曜日に発注されたときの平均の残数(閾値)を示す。
【0153】
変形例6において、入力情報取得部502(
図5参照)は、当日の曜日情報を取得する。閾値変更部503bは、曜日情報が示す曜日に基づいて、発注履歴テーブル2300に示す発注時の残数に閾値を変更する。判別部503は、計量結果が示す現在の飲料品の残数が閾値変更部503bによって変更可能な閾値以下となったか否かの閾値判別を行う。出力部504は、現在の飲料品の残数が閾値以下となった場合に、発注催促情報を出力する。
【0154】
なお、発注履歴テーブル2300に、気候情報やイベント情報を含ませることも可能である。具体的には、過去の発注履歴に基づいて、曜日ごとの気候情報別の発注時の残数や、曜日ごとのイベントの有無別の発注時の残数を発注履歴テーブル2300に記憶させるようにする。また、外部の装置から、気候に応じた飲料品の消費予測を示す消費データを取得することも可能である。このようにした場合、当該消費データに基づいて、閾値を変更させることが可能である。この変更は、自動で行われてもよいし、発注支援装置100のオペレータによる手動で行われてもよい。このように、変形例6においても、気候やイベントの有無に応じて閾値を変更することが可能である。
【0155】
また、発注履歴テーブル2300に気候情報やイベント情報を含まなくても、気候情報やイベント情報に応じて、発注時の残数から所定数増減させて閾値を決定することも可能である。例えば、所定数は、予め設定した値としてもよく、悪天候のときに「-1」にしたり、イベント時に「+2」にしたりしてもよい。
【0156】
変形例6の発注支援装置100によれば、ユーザごとに、飲料品の発注履歴(発注時の残数)に応じた最適なタイミングで発注催促通知を行うことができる。したがって、飲料品の発注を効率よく支援することができる。
【0157】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0158】
なお、以上に説明した発注支援システム1および発注支援装置100を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0159】
1…発注支援システム、100…発注支援装置、110…計量装置、120…ユーザ端末装置、501…計量結果取得部、502…入力情報取得部、503…判別部、503a…消費量予測部、503b…閾値変更部、504…出力部、510…学習済モデル、データセット取得部1201、モデル生成部1202