IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 沖電気工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113495
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】表示操作部および表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/042 20060101AFI20230808BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20230808BHJP
【FI】
G06F3/042 484
G06F3/041 580
G06F3/041 520
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015909
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 千晶
(57)【要約】
【課題】従来よりも操作性を向上させることができる。
【解決手段】表示操作部10は、表示に対する離間操作を検知する検知部14を有している。検知部は、複数のセンサSNにより構成されるセンサ群SGを複数段備える。検知部は、第1センサ群SG1と第2センサ群SG2とを備え、第1センサ群のセンサ(1段目センサSN1)と第2センサ群のセンサ(2段目センサSN2)の配置が表示に対して水平方向にずれている。検知部は、単一のセンサ群が搭載されたパネル部材が複数段重ねて配置されていてもよい。また、検知部は、複数段のセンサ群が単一のパネル部材に搭載されていてもよい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示に対する離間操作を検知する検知部を有し、
前記検知部は、複数のセンサにより構成されるセンサ群を複数段備える
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項2】
請求項1に記載の表示操作部において、
前記検知部は、第1センサ群と第2センサ群とを備え、
前記第1センサ群のセンサと前記第2センサ群のセンサの配置が前記表示に対して水平方向にずれている
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の表示操作部において、
前記検知部は、単一の前記センサ群が搭載されたパネル部材が複数段重ねて配置されている
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の表示操作部において、
前記検知部は、複数段の前記センサ群が単一のパネル部材に搭載されている
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の表示操作部において、
3段以上の前記センサ群と、
演算手段と、を有し、
前記演算手段は、
指が最下段のセンサ群まで挿入されなかったときに、最上段のセンサ群で検知された指の胴部の座標と指の先端部が到達した段のセンサ群で検知された指の先端部の座標とを通る延長線を算出して、当該延長線上の座標を操作者の操作位置として確定する
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の表示操作部において、
3段以上の前記センサ群と、
演算手段と、を有し、
前記演算手段は、
指が最下段のセンサ群まで挿入されなかったときに、各段のセンサ群で検知された指の先端部の座標の変化から指の先端部の軌跡を算出して、当該軌跡の延長線上の座標を操作者の操作位置として確定する
ことを特徴とする表示操作部。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表示操作部を備える
ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示操作部および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示操作部の中には、非接触型操作パネルを搭載したものがある。非接触型操作パネルは、表示部のガラス面に直接触れることなく指等をガラス面に近づけることにより、タッチパネルと同様の操作を可能にするものである。非接触型操作パネルは、ガラス面に直接触れないため、ウィルス感染等のリスクを軽減することができる。非接触型操作パネルを搭載した表示操作部としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。特許文献1には、直線状の第1の走査光路を形成する第1の走査光路形成部と、第1の走査光路に交差する直線状の第2の走査光路を形成する第2の走査光路形成部と、を備える表示操作部が記載されている。
【0003】
以下、図17及び図18を参照して、従来の表示操作部の概略的な構成と動作について説明する。図17及び図18は、それぞれ、従来の表示操作部310の構成と動作の説明図であり、側面方向から見た表示操作部310の内部の模式的な構成を示している。
【0004】
図17及び図18に示すように、表示操作部310は、操作画面11aが表示される表示部11と、非接触型操作パネル312と、非接触型操作パネル312を表示部11に固定する固定具313と、非接触型操作パネル312に内蔵された検知部314と、を有している。
【0005】
検知部314は、操作者が操作画面11a上の任意の操作位置を指31で指し示す動作を行う際に、非接触な状態で操作者の指31を検知する。
【0006】
表示操作部310は、表示部11のガラス面からセンサSNの赤外線通過位置が一定の距離Bで離間するように、固定具313で非接触型操作パネル312を表示部11に固定している。そのため、操作者は、表示部11のガラス面に触れることなく、表示操作部310を操作することができる。
【0007】
検知部314は、第1走査方向(例えばX方向)と第1走査方向に直交する第2走査方向(例えばY方向)のそれぞれに等間隔に配置された複数のセンサSNを有している。各センサSNは、例えば赤外線センサの発光部や受光部であり、非接触型操作パネル312を構成するパネル部材の枠型のフレーム内に内蔵されている。操作時に操作者が指31を枠内に入れると、指31によりセンサSNから出力された赤外線が遮断される。検知部314は、赤外線が遮断された位置の座標を検知し、検知位置PT1を操作者による操作位置PO1として認識する。ここで、検知位置PT1とは、センサSNが反応した点を意味している。また、操作位置PO1とは、操作者が操作したい点を意味している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015-55986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の表示操作部は、以下に説明するように、操作者による操作位置と検知位置との間にずれが発生することがある、という課題があった。
【0010】
表示操作部310は、衛生面の観点から表示部11のガラス面からセンサSNの赤外線通過位置までの距離Bを長く取ることが望ましい。しかしながら、操作者はセンサSNの赤外線通過位置を目視で確認できない。そのため、表示部11のガラス面からセンサSNの赤外線通過位置までの距離Bを長く取るほど、操作画面11aに対する視線32や操作時の指31の挿入角度θ等の影響により、本来の操作位置PO1とは異なる位置をセンサSNで検知してしまうことがある。
【0011】
例えば、図17に示すように、操作画面11aに対して操作者が垂直に指31を挿入した場合(挿入方向A31参照)、操作画面11aの座標方向COに対して操作位置PO1と検知位置PT1の座標が一致する。
【0012】
一方、図18に示すように、操作画面11aに対して斜めに指31を挿入した場合(挿入方向B31参照)、操作画面11aに対する視線32や操作時の指31の挿入角度θ等の影響により、本来の操作位置PO1とは異なる位置をセンサSNで検知してしまうことがある。具体的には、表示操作部310は、指31によって遮断された赤外線通過位置を検知位置PT1として検知し、検知位置PT1を操作位置PO1として認識する。これにより、表示操作部310は、本来の操作位置PO1からずれた検知位置PT1を操作位置PO1として認識してしまうことがある。その結果、表示操作部310を搭載する表示装置は、操作者が意図しない動作を行ってしまうことがある。
【0013】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、従来よりも操作性を向上させることができる表示操作部および表示装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明は、表示操作部であって、表示に対する離間操作を検知する検知部を有し、前記検知部は、複数のセンサにより構成されるセンサ群を複数段備える構成とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、従来よりも操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態1に係る表示操作部を搭載する表示装置の斜視図(1)である。
図2】実施形態1に係る表示操作部を搭載する表示装置の斜視図(2)である。
図3】実施形態1に係る表示操作部の斜視図である。
図4】実施形態1に係る表示操作部の正面図である。
図5】実施形態1に係る表示操作部の模式的な内部構成を示す側断面図である。
図6】実施形態1に係る表示操作部の動作の説明図である。
図7】第1変形例の表示操作部の模式的な内部構成を示す側断面図である。
図8】第2変形例の表示操作部の模式的な内部構成を示す側断面図である。
図9】第3変形例の表示操作部の模式的な内部構成を示す側断面図である。
図10】実施形態2に係る表示操作部の模式的な内部構成を示す側断面図である。
図11A】実施形態2に係る表示操作部の正面図(1)である。
図11B】実施形態2に係る表示操作部の正面図(2)である。
図11C】実施形態2に係る表示操作部の正面図(3)である。
図12】実施形態2に係る表示操作部の動作の説明図(1)である。
図13】実施形態2に係る表示操作部の動作の説明図(2)である。
図14】実施形態3に係る表示操作部の構成と動作の説明図である。
図15】実施形態4に係る表示操作部の構成と動作の説明図である。
図16】実施形態4の変形例の表示操作部の構成と動作の説明図である。
図17】従来の表示操作部の構成と動作の説明図(1)である。
図18】従来の表示操作部の構成と動作の説明図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0018】
[実施形態1]
<表示操作部を搭載する表示装置の構成>
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態1に係る表示操作部10を搭載する表示装置の構成について説明する。図1及び図2は、それぞれ、本実施形態1に係る表示操作部10を搭載する表示装置100,200の斜視図である。図1は、表示装置100が金融機関や流通機関等に設置される自動取引装置として構成される場合の例を示している。図2は、表示装置200が空港等に設置される自動チェックイン機として構成される場合の例を示している。
【0019】
なお、本実施形態では、前後左右上下(図1参照)の各方向は、使用者から見た方向を基準にしている。例えば、表示装置100の使用者が対峙する側を前とし、その反対側を後として説明する。また、表示装置100に対峙した使用者から見た左、右、上、下の各方向をそれぞれ左、右、上、下として説明する。
【0020】
図1に示すように、自動取引装置として構成された表示装置100は、表示操作部10と、カード挿入排出口102と、レシート排出口103と、通帳挿入排出口104と、紙幣入出金部105と、硬貨入出金部106と、これらを取り付ける筐体101とを有している。表示操作部10は、表示部11と非接触型操作パネル12とを備えている。
【0021】
図2に示すように、自動チェックイン機として構成された表示装置200は、表示操作部10と、非接触ICカードリーダ202と、レシートプリンタ203と、磁気カードリーダ204と、これらを取り付ける筐体201とを有している。表示操作部10は、表示部11と非接触型操作パネル12とを備えている。
【0022】
<表示操作部の構成>
以下、図3から図5を参照して、表示操作部10の構成について説明する。図3は、表示操作部10の斜視図である。図4は、表示操作部10の正面図である。図5は、表示操作部10の模式的な内部構成を示す側断面図である。
【0023】
図3に示すように、表示操作部10は、操作画面11a(図5参照)が表示される表示部11と、非接触型操作パネル12と、非接触型操作パネル12を表示部11に固定する固定具13と、非接触型操作パネル12に内蔵された検知部14と、各種の演算を実行する演算手段CLと、を有している。ただし、演算手段CLは、表示操作部10の外部に設けることができる。
【0024】
検知部14は、操作画面11a(図5参照)に対する離間操作を検知する手段である。ここで、「離間操作」とは、非接触での操作を意味する。
【0025】
図4に示すように、検知部14は、第1走査方向(例えばX方向)と第1走査方向に直交する第2走査方向(例えばY方向)のそれぞれに等間隔に配置された複数のセンサSNを有している。したがって、検知部14では、複数のセンサSNの配置が格子状になっている。ここでは、仮に座標系の方向をX方向とY方向として説明する。ここでのXY座標系は、操作画面11a(図5参照)に平行な二次元座標系である。
【0026】
検知部14は、複数のセンサSNにより構成されたセンサ群SGを複数段有している。ここでは、検知部14が第1センサ群SG1と第2センサ群SG2の2段のセンサ群SGを有する場合を想定して説明する(図5参照)。ただし、センサ群SGは、後記するように、3段以上であってもよい。第1センサ群SG1と第2センサ群SG2は、X方向とY方向とに光軸が格子状に配置された複数のセンサSNを有している。以下、第1センサ群SG1に設けられた複数のセンサSNを「1段目センサSN1」と称し、第2センサ群SG2に設けられた複数のセンサSNを「2段目センサSN2」と称する。なお、本実施形態での「段」とは、操作画面11aに対する距離の違いを離散的(段階的)に表したものである。
【0027】
前記した通り、検知部14は、第1走査方向(例えばX方向)と第1走査方向に直交する第2走査方向(例えばY方向)のそれぞれに等間隔に配置された複数のセンサSNを有している。ここでの第1走査方向(例えばX方向)および第2走査方向(例えばY方向)は、操作画面11a(図5参照)に平行である。各センサSNは、例えば赤外線センサの発光部や受光部であり、非接触型操作パネル12を構成するパネル部材の枠型のフレーム内に内蔵されている。複数のセンサSNのうち、X方向に配置されたセンサは、光軸Rxに沿って赤外線を出力する。また、複数のセンサSNのうち、Y方向に配置されたセンサは、光軸Ryに沿って赤外線を出力する。
【0028】
各センサ群SGにおいて、複数のセンサSNは、表示部11のガラス面に対して平行になるように配置される。検知部14は、操作者が操作画面11a上の任意の操作位置を指31で指し示す動作を行う際に、非接触な状態で操作者の指31を検知する。
【0029】
図5に示すように、表示操作部10は、非接触型操作パネル12を構成するパネル部材12aとパネル部材12bとが固定具13によって表示部11に固定されている。パネル部材12aおよびパネル部材12bは、センサSN(例えば赤外線センサの発光部や受光部)を収納するフレームである。なお、図5はX方向とY方向のいずれか一方の方向から見た表示操作部10の構成を示しているが、他方の方向から見た表示操作部10の構成も同様になっている。
【0030】
パネル部材12aは、第1センサ群SG1を内蔵しており、パネル部材12bの上(パネル部材12bに対して操作画面11aから離れた位置)に配置されている。パネル部材12bは、第2センサ群SG2を内蔵しており、パネル部材12aの下(パネル部材12aに対して操作画面11aから離れた位置)に配置されている。
【0031】
表示操作部10は、表示部11のガラス面から最下段のセンサ(図示例では、2段目センサSN2)の赤外線通過位置が一定の距離Bで離間するように、固定具13で非接触型操作パネル12を表示部11に固定している。そのため、操作者は、表示部11のガラス面に触れることなく、表示操作部10を操作することができる。
【0032】
<表示操作部の動作>
以下、図6を参照して、表示操作部10の動作について説明する。図6は、表示操作部10の動作の説明図である。ここではセンサ群SGの段数が2段である場合の動作をについて説明する。操作は指31やペンのような棒状のもので操作可能であるが、ここでは指31で行うものとして説明する。
【0033】
図6に示すように、表示操作部10は、操作者が指31を操作画面11aに近づけたときに、1段目センサSN1と2段目センサSN2のそれぞれで指31の位置の座標を検知する。演算手段CLは、1段目センサSN1で検知された座標31SN1と、2段目センサSN2で検知された座標31SN2と、1段目センサSN1と2段目センサSN2との間の距離hとに基づいて、操作時の操作者の指31の位置や指31の挿入角度を算出する。ここで、距離hは、距離Bと同様に既知の値である。そして、演算手段CLは、算出された指31の位置情報や指31の挿入角度情報に基づいて、指31の延長線上にあたる操作画面11a上の点の座標を計算し、その座標(計算操作位置PC1)を操作者の操作位置PO1として認識(確定)する。
【0034】
このような表示操作部10は、計算操作位置PC1(指31の延長線上の点)を本来の操作位置PO1(操作したい点)に近づけることができ、操作位置の誤検知を低減することができる。そのため、操作者による操作位置PO1と検知位置(計算操作位置PC1)との間のずれの発生を低減することができる。
【0035】
<表示操作部の変形例>
表示操作部10は、例えば、図7から図9に示す表示操作部10A,10B,10Cのように変形することができる。図7図8、及び図9は、それぞれ、第1、第2、及び第3変形例の表示操作部10A,10B,10Cの模式的な内部構成を示す側断面図である。
【0036】
図7に示す例では、第1変形例の表示操作部10Aは、2段のセンサ群SGが単一のパネル部材12AAに搭載された構成になっている。
【0037】
図8に示す例では、第2変形例の表示操作部10Bは、それぞれに、1段のセンサ群SGが搭載されたパネル部材が複数段(図示例ではn段)重ねて配置された構成になっている。
【0038】
図9に示す例では、第3変形例の表示操作部10Cは、n段のセンサ群SGが単一のパネル部材12ACに搭載された構成になっている。
【0039】
<表示操作部の主な特徴>
(1)図5に示すように、本実施形態に係る表示操作部10は、操作画面11aを有する表示部11と、操作画面11aに対する離間操作を検知する検知部14と、を有している。検知部14は、複数のセンサSNにより構成されるセンサ群SGを複数段備える。ここで、「離間操作」とは、非接触での操作を意味する。
【0040】
本実施形態に係る表示操作部10は、操作時の操作者の指31の位置情報や指31の挿入角度情報に基づいて、操作画面11a上の点の座標を計算操作位置PC1として計算することができる。このような表示操作部10は、計算操作位置PC1(指31の延長線上の点)を本来の操作位置PO1(操作したい点)に近づけることができ、操作位置の誤検知を低減することができる。そのため、操作者による操作位置PO1と検知位置(計算操作位置PC1)との間のずれの発生を低減することができる。その結果、表示操作部10は、操作者にとって操作性のよいものとなる。
【0041】
(2)図5及び図8に示すように、検知部14は、単一のセンサ群SGが搭載されたパネル部材12a,12bが複数段重ねて配置されるように構成してもよい。
【0042】
このような本実施形態に係る表示操作部10は、複数段で同様の構成のパネル部材を用いることができるため、製造コストを低減することができる。
【0043】
(3)図7及び図9に示すように、検知部14は、複数段のセンサ群SGが単一のパネル部材12AA,12ACに搭載されるように構成してもよい。
【0044】
このような本実施形態に係る表示操作部10は、複数段のセンサ群SGを単一のパネル部材に集積することができるため、非接触型操作パネル12の厚さを薄くすることができる。
【0045】
以上の通り、本実施形態1に係る表示操作部10によれば、操作者による操作位置PO1と検知位置(計算操作位置PC1)との間のずれの発生を低減することができる。その結果、従来よりも操作性を向上させることができる。
【0046】
[実施形態2]
以下、図10から図11Cを参照して、本実施形態2に係る表示操作部10Dの構成について説明する。図10は、本実施形態2に係る表示操作部10Dの模式的な内部構成を示す側断面図である。図11A図11B、及び図11Cは、表示操作部10Dの正面図である。
【0047】
図10に示すように、本実施形態2に係る表示操作部10Dは、前記した実施形態1に係る表示操作部10(図5参照)と比較すると、1段目センサSN1と2段目センサSN2の配置が操作画面11aに対して水平方向にずれた構成になっている点で相違している。つまり、本実施形態2に係る表示操作部10Dは、実施形態1に係る表示操作部10(図5参照)とほぼ同じ構成になっているが、1段目センサSN1と2段目センサSN2とで光軸Ryの間隔をずらした構成になっている。なお、図10はY方向の方向から見た表示操作部10Dの構成を示しているが、X方向から見た表示操作部10Dの構成も同様にしてもよい。この場合に、表示操作部10Dは、1段目センサSN1と2段目センサSN2とで光軸Rxの間隔をずらした構成になる。
【0048】
図10に示すように、表示操作部10Dは、1段目センサSN1と2段目センサSN2の配置を、センサ間の距離Pの1/2倍の距離(つまり、距離P×1/2)分だけずらして配置している。なお、本実施形態2に係る表示操作部10Dは、実施形態1に係る表示操作部10に比べて、センサ間の距離Pが広くなっている。ここでは、表示操作部10Dのセンサ間の距離Pが、実施形態1に係る表示操作部10のセンサ間の距離よりも広く、かつ、例えば指31の直径の2倍以下であるものとして説明する。
【0049】
図11Aに示すように、表示操作部10Dは、1段目センサSN1と2段目センサSN2の配置をX方向にのみずらすようにしてもよい。図11Aは、1段目センサSN1と2段目センサSN2がそれぞれ光軸Rxに沿ってX方向に向けて赤外線を出力していることを示している。また、図11Aは、1段目センサSN1と2段目センサSN2がそれぞれ光軸Ry1,Ry2に沿ってY方向に向けて赤外線を出力していることを示している。
【0050】
また、図11Bに示すように、表示操作部10Dは、1段目センサSN1と2段目センサSN2の配置をY方向にのみずらすようにしてもよい。図11Bは、1段目センサSN1と2段目センサSN2がそれぞれ光軸Rx1,Rx2に沿ってX方向に向けて赤外線を出力していることを示している。また、図11Bは、1段目センサSN1と2段目センサSN2がそれぞれ光軸Ryに沿ってY方向に向けて赤外線を出力していることを示している。
【0051】
また、図11Cに示すように、表示操作部10Dは、1段目センサSN1と2段目センサSN2の配置をX方向とY方向の双方にずらすようにしてもよい。図11Cは、配置された1段目センサSN1と2段目センサSN2がそれぞれ光軸Rx1,Rx2に沿ってX方向に向けて赤外線を出力していることを示している。また、図11Cは、1段目センサSN1と2段目センサSN2がそれぞれ光軸Ry1、Ry2に沿ってY方向に向けて赤外線を出力していることを示している。
【0052】
以下、図12及び図13を参照して、表示操作部10Dの動作について説明する。図12及び図13は、それぞれ、表示操作部10Dの動作の説明図である。
【0053】
本実施形態2に係る表示操作部10Dは、実施形態1に係る表示操作部10とほぼ同様の動作を行う。ただし、本実施形態2に係る表示操作部10Dは、実施形態1に係る表示操作部10に比べて、センサ間の距離Pが広くなっている。このような本実施形態2に係る表示操作部10Dは、1段目センサSN1と2段目センサSN2のON/OFFパターンの判別処理も利用して操作者による操作位置PO1を認識するとよい。
【0054】
例えば、図12に示すように、本実施形態2に係る表示操作部10Dは、操作者が指31を操作画面11aに近づけたときに、1段目センサSN1と2段目センサSN2のそれぞれで指31の位置の座標を検知する。図12は、操作者が指31を操作画面11aに対して指31を斜めに挿入した場合の例を示している。この場合に、1段目センサSN1と2段目センサSN2が反応して(つまり、指31を検知して)ON状態になる。ここでのON状態は、発光部から出た赤外線を対応する受光部で受け取れない状態である。演算手段CLは、1段目センサSN1で検知された座標31SN1と、2段目センサSN2で検知された座標31SN2と、1段目センサSN1と2段目センサSN2との間の距離h(図10参照)とに基づいて、操作時の操作者の指31の位置や指31の挿入角度を算出する。そして、演算手段CLは、算出された指31の位置情報や指31の挿入角度情報に基づいて、指31の延長線上にあたる操作画面11a上の点の座標を計算し、その座標(計算操作位置PC1)を操作者の操作位置PO1として認識(確定)する。
【0055】
ここで、図13に示すように、操作者が指31を操作画面11aに対して指31を垂直に挿入したとする。この場合に、1段目センサSN1が反応せず(つまり、指31を検知せず)にOFF状態となり、2段目センサSN2が反応して(つまり、指31を検知して)ON状態になるときがある。ここでのOFF状態は、発光部から出た赤外線を受光部で受け取った状態である。このようなときに、演算手段CLは、指31が操作画面11aに対して垂直に挿入されていると判断して、2段目センサSN2がON状態になっている座標の直下の位置を操作位置PO1として認識(確定)する。なお、2段目センサSN2が反応しない場合についても同様に処理を行うことができる。
【0056】
このような表示操作部10Dは、1段目センサSN1と2段目センサSN2の座標検知処理に加え、センサのON/OFFパターンの判別処理も利用して操作位置PO1を認識することで、センサ間の距離Pを広くしている。このような表示操作部10Dは、センサSNの光軸の数量を減らすことができるため、製造コストを低減することができる。
【0057】
以上の通り、本実施形態2に係る表示操作部10Dによれば、実施形態1に係る表示操作部10と同様に、操作者による操作位置PO1と検知位置(計算操作位置PC1)との間のずれの発生を低減することができる。その結果、従来よりも操作性を向上させることができる。
しかも、本実施形態2に係る表示操作部10Dによれば、実施形態1に係る表示操作部10に比べて、センサSNの光軸の数量を減らすことができるため、製造コストを低減することができる。
【0058】
[実施形態3]
以下、図14を参照して、本実施形態3に係る表示操作部10Eの構成と動作について説明する。図14は、本実施形態3に係る表示操作部10Eの構成と動作の説明図である。
【0059】
図14に示すように、本実施形態3に係る表示操作部10Eは、前記した実施形態2に係る表示操作部10D(図10参照)と比較すると、センサ群SGの段数が3段以上(図示例ではn段)になっている点で相違している。
【0060】
本実施形態では、演算手段CLは、操作者の指31が最下段のセンサ群(第nセンサ群SGn)まで挿入されなかったときに、以下のようにして計算操作位置PC1を計算して操作位置PO1として認識する。
【0061】
例えば、操作者が操作画面11aに指31を近づけていき、その結果、1段目センサSN1が座標31SN1で指31の胴体部を検知し、2段目センサSN2が座標31SN2で指31の先端部を検知したとする。この場合に、演算手段CLは、最上段のセンサ群(第1センサ群SG1)で検知された指31の胴部の座標31SN1と指31の先端部が到達した段のセンサ群SGで検知された指31の先端部の座標とを通る延長線を算出する。次に、演算手段CLは、その延長線上の座標(計算操作位置PC1)を操作者の操作位置PO1として認識(確定)する。
【0062】
なお、ここでは、指31の先端部が到達した段が2段目であるものとして説明している。しかしながら、2段目よりも下の段に指31の先端部が到達している場合は、座標31SN2の代わりに、その段のセンサ群SGで検知された指31の先端部の座標を用いるようにしてものよい。
【0063】
このような表示操作部10Eは、操作者の指31が最下段のセンサ群(第nセンサ群SGn)まで挿入されなかったときであっても、計算操作位置PC1を計算して操作位置PO1として認識することができ、操作位置の誤検知を低減することができる。
【0064】
以上の通り、本実施形態3に係る表示操作部10Eによれば、他の実施形態と同様に、操作者による操作位置PO1と検知位置(計算操作位置PC1)との間のずれの発生を低減することができる。その結果、従来よりも操作性を向上させることができる。
しかも、本実施形態3に係る表示操作部10Eによれば、センサ群SGの段数が3段以上になっている構成において、操作者の指31が最下段のセンサ群(第nセンサ群SGn)まで挿入されなかったときであっても、計算操作位置PC1を計算して操作位置PO1として認識することができ、操作位置の誤検知を低減することができる。
【0065】
[実施形態4]
以下、図15を参照して、本実施形態4に係る表示操作部10Fの構成と動作について説明する。図15は、本実施形態4に係る表示操作部10Fの構成と動作の説明図である。
【0066】
図15に示すように、本実施形態4に係る表示操作部10Fは、センサ群SGの段数が2段になっているものである。本実施形態4に係る表示操作部10Fは、前記した実施形態1に係る表示操作部10(図5参照)や前記した実施形態1の第1変形例に係る表示操作部10A(図7参照)と同様の構成になっている。
【0067】
本実施形態では、演算手段CLは、各段のセンサSNで座標検知処理を段階的に行うことにより、各段のセンサSNで検知された指31の先端部の座標の変化から指31の先端部の軌跡を算出する。そして、演算手段CLは、その軌跡の延長線上の座標(計算操作位置PC1)を操作者の操作位置PO1として認識(確定)する。例えば、演算手段CLは、1段目センサSN1で検知された指31aの座標31SN1aと、2段目センサSN2で検知された指31bの座標31SN2aと、1段目センサSN1と2段目センサSN2との間の距離hとに基づいて、操作時の操作者の指31の軌跡を算出する。そして、演算手段CLは、軌跡の延長線上にあたる操作画面11a上の点の座標(計算操作位置PC1)を計算して操作者の操作位置PO1として認識(確定)する。
【0068】
このような表示操作部10Fは、センサ群SGの段数が2段になっている構成において、指31の先端部の軌跡に基づいて操作位置PO1を認識することができ、操作位置の誤検知を低減することができる。
【0069】
以上の通り、本実施形態4に係る表示操作部10Fによれば、他の実施形態と同様に、操作者による操作位置PO1と検知位置(計算操作位置PC1)との間のずれの発生を低減することができる。その結果、従来よりも操作性を向上させることができる。
しかも、本実施形態4に係る表示操作部10Fによれば、センサ群SGの段数が2段になっている構成において、指31の先端部の軌跡に基づいて操作位置PO1を認識することができ、操作位置の誤検知を低減することができる。
【0070】
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
【0071】
例えば、前記した実施形態は、本発明の要旨を分かり易く説明するために詳細に説明したものである。そのため、本発明は、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されるものではない。また、本発明は、ある構成要素に他の構成要素を追加したり、一部の構成要素を他の構成要素に変更したりすることができる。また、本発明は、一部の構成要素を削除することもできる。
【0072】
例えば、本発明は、ホバータッチ(静電容量方式のセンサ出力を上げることで非接触での操作を実現する方式)と、1段又は複数段の公知のハイジェニックな検知手段と、を組み合わせた構成であってもよい。
【0073】
また、例えば、本発明は、本発明に係る表示操作部10と表示部11とを別々に用意して、後から表示操作部10を表示部11に取り付けるようにしてもよい。
【0074】
また、例えば、前記した実施形態4に係る表示操作部10Fは、図16に示す表示操作部10Gのように変形することができる。図16は、前記した実施形態4に係る表示操作部10Fの変形例である表示操作部10Gの構成と動作の説明図である。
【0075】
図16に示すように、変形例の表示操作部10Gは、センサ群SGの段数が3段以上(図示例ではn段)になっているものである。変形例の表示操作部10Gは、前記した実施形態1の第2変形例に係る表示操作部10B(図8参照)や前記した実施形態1の第3変形例に係る表示操作部10C(図9参照)と同様の構成になっている。
【0076】
本変形例では、演算手段CLは、各段のセンサSNで座標検知処理を段階的に行うことにより、各段のセンサSNで検知された指31の先端部の座標の変化から指31の先端部の軌跡を算出する。そして、演算手段CLは、その軌跡の延長線上の座標(計算操作位置PC1)を操作者の操作位置PO1として認識(確定)する。例えば、演算手段CLは、1段目センサSN1で検知された指31aの座標31SN1aと、k段目センサSNkで検知された指31kの座標31SNkaと、1段目センサSN1とk段目センサSNkとの間の距離hkとに基づいて、操作時の操作者の指31の軌跡を算出する。そして、演算手段CLは、軌跡の延長線上にあたる操作画面11a上の点の座標(計算操作位置PC1)を計算して操作者の操作位置PO1として認識(確定)する。
【0077】
このような表示操作部10Gは、センサ群SGの段数が3段以上になっている構成において、操作者の指31が最下段のセンサ群(第nセンサ群SGn)まで挿入されなかったときであっても、指31の先端部の軌跡に基づいて操作位置PO1を認識することができ、操作位置の誤検知を低減することができる。
【0078】
以上の通り、本変形例の表示操作部10Gによれば、前記した各実施形態と同様に、操作者による操作位置PO1と検知位置(計算操作位置PC1)との間のずれの発生を低減することができる。その結果、従来よりも操作性を向上させることができる。
しかも、本変形例の表示操作部10Gによれば、センサ群SGの段数が3段以上になっている構成において、操作者の指31が最下段のセンサ群(第nセンサ群SGn)まで挿入されなかったときであっても、指31の先端部の軌跡に基づいて操作位置PO1を認識することができ、操作位置の誤検知を低減することができる。
【符号の説明】
【0079】
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,310 表示操作部
11 表示部
11a 操作画面
12,312 非接触型操作パネル
12a,12b,12n,12AA,12AC パネル部材
13,313 固定具
14,314 検知部
31,31a,31b,31k 指
31SN1,31SN1a,31SN2,31SN2a,31SNka 座標
32 視線
100 表示装置(自動取引装置)
101 筐体
102 カード挿入排出口
103 レシート排出口
104 通帳挿入排出口
105 紙幣入出金部
106 硬貨入出金部
200 表示装置(自動チェックイン機)
201 筐体
202 非接触ICカードリーダ
203 レシートプリンタ
204 磁気カードリーダ
θ 挿入角度
A31,B31 挿入方向
B 距離
CL 演算手段
CO 座標方向
h,hk,P 距離
PC1 計算操作位置
PO1 操作位置
PT1 検知位置
Rx,Rx1,Rx2,Ry,Ry1,Ry2 光軸
SG センサ群
SG1 第1センサ群
SG2 第2センサ群
SGn 第nセンサ群
SN センサ
SN1 1段目センサ
SN2 2段目センサ
SNn n段目センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18