(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113527
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】販売用の花の陳列装置
(51)【国際特許分類】
A47F 7/00 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
A47F7/00 W
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015985
(22)【出願日】2022-02-03
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】522038352
【氏名又は名称】株式会社ハナプロ
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】大沼 誠
(72)【発明者】
【氏名】寺町 優也
(72)【発明者】
【氏名】寺町 詠子
(57)【要約】
【課題】 造花などの販売用の花を店頭で効果的に陳列する。
【解決手段】 花の陳列装置を店舗の壁面Wに設置したパネル1または壁面の正面に開口を位置させた複数の挿入用穴部1と、販売用の花を収容可能な有底筒状の花バケツから構成し、花バケツは上記挿入用穴部に挿入可能に構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の壁面に設置したパネルまたは壁面の正面に開口を位置させた複数の挿入用穴部と、販売用の花を収容可能な有底筒状の花バケツからなり、花バケツは上記挿入用穴部に挿入可能に構成されることを特徴とする販売用の花の陳列装置。
【請求項2】
花は造花である請求項1記載の販売用の花の陳列装置。
【請求項3】
花バケツは開口近辺の両側または片側に持ち手を設けた請求項1または2記載の販売用の花の陳列装置。
【請求項4】
挿入用穴部の奥に花バケツの後端を受け止めるための受け座を設けることにより、花バケツを挿入用穴部の開口端と上記受け座の2点で受け止め、この場合、花バケツは水平状態でなく、水平面に対し後傾した状態で受け止められるように受け座の高さを設定した請求項1から3のいずれかに記載の販売用の花の陳列装置。
【請求項5】
複数の挿入用穴部には個々に識別記号を付した請求項1から4のいずれかに記載の販売用の花の陳列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は造花などの販売用の花を店頭で陳列するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
造花店などで造花を販売するために陳列する手段としては、束にした造花を棚に陳列していた。
【0003】
また、造花を容器に収容して、この容器を懸架バーに懸架する発明(特許文献1)が公知であった。
【0004】
一方、生花に関しては、生花を容器に収容して、これを多段の陳列台に載置する発明(特許文献2)、生花を容器に収容して、これを多数の収容室を有する面状支持体に載置する発明(特許文献3)が公知であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3039528号公報
【特許文献2】実開平2ー105766号公報
【特許文献3】特許3754442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
束にした造花を棚に陳列する従来技術においては、造花は棚に寝かせて陳列されるので、客はそれを上面一方向からしか観察できない問題があり、また、スペースの関係で多数の造花が近接して寝かされた場合は個々の造花の特徴が埋没してしまうおれがあった。
【0007】
一方、生花を容器に収容して、これを陳列台や面状支持体に載置する従来技術においては、客は花を側面一方向からしか観察できない問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明の花の陳列装置は以上の従来技術の問題点に鑑みて創作されたものであり、店舗の壁面に設置したパネルまたは壁面の正面に開口を位置させた複数の挿入用穴部と、販売用の花を収容可能な有底筒状の花バケツからなり、花バケツは上記挿入用穴部に挿入可能に構成されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、前記の花の陳列装置において、花は造花であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、前記の花の陳列装置において、花バケツは開口近辺の両側または片側に持ち手を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、前記の花の陳列装置において、挿入用穴部の奥に花バケツの後端を受け止めるための受け座を設けることにより、花バケツを挿入用穴部の開口端と上記受け座の2点で受け止め、この場合、花バケツは水平状態でなく、水平面に対し後傾した状態で受け止められるように受け座の高さを設定したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、前記の花の陳列装置において、複数の挿入用穴部には個々に識別記号を付したたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本願発明においては、花は花バケツに収容され、この花バケツは店舗の壁面に設置したパネルまたは壁面の正面に開口を位置させた複数の挿入用穴部に底部から挿入されるので、店舗の壁面空間には花バケツに収容された花が露出することになり、客はその花を180度方向から観察することが可能となり効果的な陳列効果を得ることができる。また、この場合、挿入用穴部を壁面空間の全域に渡り開口すれば多数の花を互いに干渉することなく陳列することが可能となり、多数の花で壁面空間を飾ることにより店舗のインテリア効果的が高まる。
【0014】
一方、陳列した花を客が選んで購入する場合は、それが収容された花バケツを挿入用穴部から引き抜けば直ちに販売可能となる。この場合、請求項3記載の発明のように花バケツの開口近辺の両側または片側に持ち手を設ければ、高所に位置する場合でも持ち手を手がかりとして容易に挿入用穴部から引き抜くことが可能となる。
【0015】
次に、請求項4記載の発明のように挿入用穴部の奥に花バケツの後端を受け止めるための受け座を設けることにより、花バケツを挿入用穴部の開口端と上記受け座の2点で受け止め、この場合、花バケツは水平状態でなく、水平面に対し後傾した状態で受け止められるようにした場合は、花バケツは重力により挿入用穴部内に確実に保持され、不用意に落下することが防止される。
【0016】
また、請求項5記載の発明のように複数の挿入用穴部の個々に識別記号を付せば、陳列した花を客が選んで購入する場合はその識別記号で購入したい花を容易に特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本願発明の具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。ここでは店舗の壁面に設置したパネルに挿入用穴部を設けた例を示しているが、挿入用穴部は店舗の壁面に直接設けてもよいことは勿論である。
【0019】
図中符号1は店舗の壁面Wに設置されるパネルである。このパネル1は縦枠4と横枠3からなる枠組みの正面に正面板を接合した構成よりなり、正面板には多数の挿入用穴部2が設けられる。
【0020】
図中符号10は前記の挿入用穴部2に着脱自在に挿入される花バケツである。この花バケツ10は有底筒状に構成されるものであり、開口から花Fを収容する。ここでは開口近辺の両側にそこから外方に張り出すようにコ字状の持ち手11、11を設けているが、持ち手は片側でもよい。
【0021】
図8はパネル1内部を示す断面図である。ここでは挿入用穴部2の奥に花バケツ10の後端を受け止めるための受け座5を設けることにより、花バケツを挿入用穴部の開口端と上記受け座の2点で受け止めている。この場合、ここでは花バケツ10は水平状態でなく、水平面に対し後傾した状態で受け止められるように受け座5の高さを設定している。
図9はその状態を示す斜視図である。
【0022】
前記の結果、花バケツ10は重力により挿入用穴部2内に確実に保持され、不用意に落下することが防止される。また、花バケツ10に持ち手11が設けられているので、高所に位置する場合でも持ち手を手がかりとして容易に挿入用穴部2から引き抜くことが可能となる。
【0023】
なお、複数の挿入用穴部1の個々に数字や文字からなる識別記号を付せば、陳列した花を客が選んで購入する場合はその識別記号で購入したい花を容易に特定することが可能となる。
【0024】
図10は本願発明の花の陳列装置の使用状態を示す図である。図中符号Fは花バケツ10に収容される花(ここでは造花)であり、挿入用穴部2を壁面空間の全域に渡り開口すれば多数の花を互いに干渉することなく陳列することが可能となり、多数の花で壁面空間を飾ることにより店舗のインテリア効果的が高まる。
【符号の説明】
【0025】
W 壁
F 花
1 パネル
2 挿入用穴部
3 横枠
4 縦枠
5 受け座
10 花バケツ
11 持ち手