IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社テック技販の特許一覧

<>
  • 特開-触感抽出装置 図1
  • 特開-触感抽出装置 図2
  • 特開-触感抽出装置 図3
  • 特開-触感抽出装置 図4
  • 特開-触感抽出装置 図5
  • 特開-触感抽出装置 図6
  • 特開-触感抽出装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113530
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】触感抽出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 5/00 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
G01L5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022015988
(22)【出願日】2022-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】503061485
【氏名又は名称】株式会社テック技販
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】纐纈 和美
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA17
2F051AA18
2F051BA07
(57)【要約】
【課題】物体を触った際に得られる触感を、一定の基準で抽出できるようにした触感抽出装置を提供する。
【解決手段】布71などの物体7を載置するためのプレート21と、人間の指や模擬指5などの接触子を保持する手掌保持部4や模擬指保持体50と、前記人間の指や模擬指5を前記プレート21側に一定の押圧力で押圧させた状態で一定の速度で移動させる移動装置3と、一定の押圧力、および、スライドレール31による一定の速度で移動する前記接触子から触感データを抽出するセンサー23とを備えるようにする。そして、人間の指で押圧された荷重と同じ荷重で模擬指5を物体7に押圧させ、同じ速度で移動させて触感データを抽出できるようにする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を載置するためのプレートと、
接触子を保持する保持部と、
前記接触子を、前記プレート側に一定の押圧力で押圧した状態で、前記プレートの表面に沿って一定の速度で移動させる移動装置と、
当該移動装置によって一定の押圧力および一定の速度で移動する前記接触子から、触感データを抽出する触感抽出手段と、
を備えた触感抽出装置。
【請求項2】
前記保持部が、人間の指先を突出させた状態で手掌を保持する手掌載置部材を備えたものである請求項1に記載の触感抽出装置。
【請求項3】
前記保持部が、指の第一関節を屈曲不能に前記手掌載置部材に保持させるものである請求項2に記載の触感抽出装置。
【請求項4】
前記保持部が、模擬指を前記手掌載置部材と交換可能に装着できるようにしたものであり、
前記触感抽出手段で、前記手掌載置部材に装着された人間の指によって、一定の押圧力および一定の速度で前記プレート上を移動させて得られた人間指触感データを抽出するとともに、
前記手掌載置部材を模擬指に交換して前記物体と同一物体に接触させた際に、当該模擬指を前記一定の押圧力および一定の速度と同じ押圧力および速度で移動させて得られた模擬指触感データを抽出し、
当該得られた模擬指触感データを、前記人間指触感データに近づけるように補正する補正手段を備えた請求項1に記載の触感抽出装置。
【請求項5】
前記プレートが、前記触感データを抽出するセンサーを備えてなるものであり、
前記押圧手段および移動装置を、前記プレートから分離させて設けた請求項1に記載の触感抽出装置。
【請求項6】
前記模擬指が、指紋を有するように設けられたものである請求項4に記載の触感抽出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体を手で触ったときに得られる触感を、客観的なデータとして抽出できるようにした触感抽出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、布などの物体を手で触った際に得られる触感を、客観的なデータとして抽出できるようにした装置が提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、人間の指の爪近傍に装着される触感抽出装置であって、その装置を装着した状態で物体の表面を触った際に、指の先端から伝わる振動を抽出し、これを触感データとして出力できるようにした装置が提案されている。
【0004】
このような装置を用いれば、実際に人間が手で触ったときの触感を、客観的なデータとして抽出することができるため、例えば、そのデータを遠隔地に伝送して、商品購入者に、その商品の触感を伝えて商品購入の用に供することが可能になり、また、このような商品の購入だけでなく、物体の表面を触って表面状態を検査する場合や、あるいは、手足が麻痺している患者に対して、正常に得られる触感を脳に伝達させてリハビリの用に供したりすることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5-332917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような触感抽出装置を用いる場合、次のような問題を生ずる。
【0007】
すなわち、物体を手で触ったときに得られる触感は、その物体を手で押圧した際の押圧力や、指の移動速度によって変わってしまう。
【0008】
しかるに、従来のように、指の爪近傍に装着して触感を抽出する装置では、指の押圧力や、指の移動速度によって変わってしまうため、その装置から得られる触感データが不均一なものになってしまう。
【0009】
また、商品の検査時などのように、多くの物体を手で触って触感データを抽出する場合、多数の物体を人に触ってもらう必要があるが、連続して多くの物体を触ると、指先が乾燥してしまい、触感が変わってしまうことになる。
【0010】
そこで、本発明は、上記課題に着目してなされたもので、物体を触った際に得られる触感を、一定の基準で抽出できるようにした触感抽出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、物体を載置するためのプレートと、接触子を保持する保持部と、前記接触子を、前記プレート側に一定の押圧力で押圧した状態で、前記プレートの表面に沿って一定の速度で移動させる移動装置と、当該移動装置よって一定の押圧力および一定の速度で移動する前記接触子から、触感データを抽出する触感抽出手段とを備えるようにしたものである。
【0012】
このように構成すれば、一定の押圧力および一定の速度で接触子を物体上で移動させて触感データを抽出するため、常に同じ条件下で物体に接触することができ、客観的な触感データを抽出することができるようになる。
【0013】
また、このような発明において、前記保持部を、人間の指先を突出させた状態で手掌を保持するための手掌載置部材によって構成する。
【0014】
このように構成すれば、手掌を保持させることによって、手を安定させた状態で物体を触らせることができるようになる。
【0015】
さらに、前記保持部を、指の第一関節を屈曲不能に前記手掌載置部材に保持させるように構成する。
【0016】
このように構成すれば、指先の位置を固定させることができるため、指を屈曲状態にすることなく、一定の押圧力で触感データを抽出することができるようになる。
【0017】
また、前記保持部を、模擬指を前記手掌載置部材と交換可能に装着できるように構成し、前記触感抽出手段で、前記手掌載置部材に装着された人間の指を、一定の押圧力および一定の速度で前記プレート上を移動させて得られた人間指触感データを抽出するとともに、前記手掌載置部材を模擬指に交換して前記物体と同一物体に接触させた際に、当該模擬指を前記一定の押圧力および一定の速度と同じ押圧力および速度で移動させて得られた模擬指触感データを抽出し、当該得られた模擬指触感データを、前記人間指触感データに近づけるように補正する。
【0018】
このように構成すれば、模擬指を用いて人間の指による触感に近い触感データを抽出することができるようになる。
【0019】
また、前記プレートを、前記触感データを抽出するセンサーを備えて構成するとともに、前記押圧手段および移動装置を、前記プレートから分離させて設けるようにする。
【0020】
このように構成すれば、センサーを備えたプレート側で触感データを抽出する場合に、移動装置からの振動が伝わることがないため、正確な触感データを抽出することができるようになる。
【0021】
また、前記模擬指を用いる場合、指紋を有するように模擬指を構成する。
【0022】
このように構成すれば、指紋によって、よりリアルな触感データを抽出することができるようになる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、一定の押圧力および一定の速度で接触子を移動させて触感データを抽出できるようにしたので、常に同じ条件下で物体に接触させることができ、客観的な触感データを抽出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施の形態における人間の指を装着した状態を示す平面概略図
図2】同形態における側面概略図
図3】同形態における模擬指を装着した状態を示す側面概略図
図4】同形態における機能ブロック図
図5】同形態における人間の指と模擬指の波形を示す図
図6】同形態における人間の指で触感データを抽出するフローチャート
図7】同形態における模擬指で触感データを抽出するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施の形態における触感データ抽出装置1について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
この実施の形態における触感データ抽出装置1は、図1から図3に示すように、接触子である人間の指(図1および図2)と模擬指5(図3)とを交換可能に支持し、その人間の指と模擬指5とを、物体7の表面に接触させて移動させることによって、触感データを抽出できるようにしたものであって、図1に示すように、物体7を載置させて固定するプレート21を備えた計測装置2と、このプレート21上に載置された物体7に接触する人間の指や模擬指5を、一定の押圧力および一定の速度で移動させる移動装置3と、この移動装置3による駆動によって得られた人間の指や模擬指5から得られた触感データを抽出するセンサー23(図3参照)などを備えて構成される。以下、本実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
まず、計測装置2は、ボックス状に構成された筐体の上面に、平面状のプレート21を取り付けて構成されるものであって、そのプレート21の四隅下方にロードセルなどのセンサー23(図2参照)を備えて構成される。そして、人間の指や模擬指5などをプレート21上に接触させて移動させることによって、プレート21に掛かるZ軸方向の荷重や、XY方向の荷重をそのセンサー23によって検出し、それらの荷重を時系列で取得することによって、振動情報としての触感データを抽出できるように構成される。
【0028】
このプレート21上には、布71などのような平面状の物体7を固定するための固定プレート22(図1参照)が取り付けられる。この固定プレート22は、プレート21上に載置された物体7の表面に沿って接触子を移動させる際に、その物体7を移動方向に移動させないようにしたものであって、その物体7をプレート21との間に挟み込んでネジで固定できるようになっている。なお、ここでは、固定プレート22を、接触子の移動方向に対して上流側にのみ設けるようにしているが、下流側にも設けるようにすると、接触子が下流側に移動する際に、下流側に皺が入って触感が変わってしまう。このため、この実施の形態では、接触子の上流側にのみ固定プレート22を設けるようにしている。
【0029】
一方、移動装置3は、このセンサー23を有する計測装置2に対して一定距離空けて設けられるものであって、接触子を前記プレート21に押圧させた状態で、平面方向に沿って移動させるように構成されている。
【0030】
この移動装置3は、スライドレール31の横に設けられたモーター33を備えており、直線状に構成されたスライドレール22と、このスライドレール22に沿って移動するスライドブロック32などを備えて構成され、モーター33によって、スライドブロック32をスライドレールに沿って一定の速度で移動させるようになっている。
【0031】
このスライドブロック32は、人間の手を保持するための手掌保持部4や、模擬指5を有する模擬指保持体50を着脱可能に取り付けられるようにしたものであって、上面に設けられたネジ穴を介して、手掌保持部4と模擬指保持体50(図3参照)とを交換して取り付けられるようになっている。
【0032】
このうち、手掌保持部4は、図1図2に示すように、人間の手首から先側である手掌を載置させる手掌プレート41と、この手掌プレート41に載置された手掌から伸びる人差指を載置させる指プレート42を備え、人差指の指先部分を突出させた状態で、手掌と人差指を固定して取り付けられるようになっている。なお、この指プレート42に人指指を載置させる場合、指の第一関節が指プレート42の先端より先に位置していると、第一関節を曲げることが可能となり、これによって物体7への押圧力が変わってしまう。そこで、ここでは、指の第一関節を指プレート42の上に載置させてバンド43で固定し、第一関節を曲げられないようにしている。
【0033】
一方、模擬指保持体50は、図3に示すように、水平方向に設けられたアーム51aと、このアーム51aの一旦側に設けられた垂下アーム51bと、この垂下アーム51bの下端側に取り付けられた模擬指5と、アーム51aの他担側に設けられた錘部52とを設けて構成され、模擬指5と錘部52が釣り合うように天秤状に設けられる。この模擬指5は、人間の指と弾力が同じになるようなシリコンゴムなどの樹脂によって形成され、しかも、得られる触感が人間の指と同じになるように、指紋を有するように形成されている。この模擬指5を取り付けている垂下アーム51bの上方には、分銅55を取り付けるための棒状の分銅取付部53が設けられる。そして、この分銅取付部53に分銅55を載せることによって、人間の指の押圧力と同じ押圧力で物体7を押圧させるようにしている。一方、アーム51aは、ベース部51cに設けられた回動軸54を中心に揺動可能に取り付けられており、分銅55の荷重によって模擬指5を物体7側に揺動させることによって、模擬指5で物体7を押圧させるようになっている。なお、この分銅55によって、人間の指と同じ押圧力となるように調整する場合、分銅55だけでは、細かい荷重の調整ができないため、このような場合は、このアーム51aの後端側に設けられる錘部52を回転させて、アーム51aに対してネジ止めされて位置を移動させて、模擬指5の押圧力を調整できるようにしている。
【0034】
次に、このように構成された触感抽出装置1の使用方法について、図6図7のフローチャートなどを用いて説明する。
【0035】
まず、平面状の物体7として、例えば、布71の触感データを抽出する場合、計測装置2のプレート21に布71を載置させ、固定プレート22で一端側を固定する。そして、その状態で、センサー23による荷重をリセットする。
【0036】
そして、このように載置された布71から触感データを抽出する場合、まず、人間の指を用いて触感データを抽出する。
【0037】
このとき、移動装置3のスライドレール31に設けられたスライドブロック32に、手掌保持部4を取り付ける(図1図2の状態)。
【0038】
そして、この取り付けられた手掌保持部4の手掌プレート41に人間の手掌を載置させるとともに、人差指を指プレート42に載置させ、人差指の第一関節よりも先端側のみを突出させた状態で、人差指の第一関節が曲がらないように、バンド43で固定する。このとき、人差指の指先を布71に接触させた状態で固定する。
【0039】
そして、指先を布71に接触させた静止状態で、指の押圧力を計測し(ステップST1)、その押圧力を記憶させておいて、後に、模擬指5を用いて触感データを抽出する際の押圧荷重に用いるようにする。
【0040】
このように静止状態の荷重を検出した後、移動装置3のモーター33を駆動させ、人間の指をスライドレール31に沿って直線状に一定速度で移動させる(ステップST2)。このとき、人間の手は手掌保持部4に固定されているため、Z軸方向の押圧力が一定になり、また、平面方向に沿った移動速度も一定となる。
【0041】
このように、指が布71の上を移動すると、人間の指による振動がプレート21に伝わり、そのZ軸方向の荷重がセンサー23によって検出される(ステップST3)。
【0042】
そして、一定距離を移動させて、Z軸方向の時系列の荷重情報を取得し、これを振動情報として記憶させておく(ステップST4)。
【0043】
次に、今度は、模擬指5を用いて触感データを抽出する場合、スライドブロック32に取り付けられていた手掌保持部4を取り外し、模擬指保持体50に交換する(図3の状態)。
【0044】
模擬指保持体50に交換する場合、その垂下アーム51bに取り付けられている模擬指5を、物体7の表面に接触させるように、錘部52を回転させてアーム51aの取付位置を調整し、荷重ゼロで模擬指5を布71の表面に接触させるようにしておく。
【0045】
として、このように釣り合いが取れている状態で、ステップST1で記憶させていた静止荷重と同じ荷重の分銅55を、垂下アーム51bの上に取り付け、人間の指による荷重と同じ荷重で模擬指5を物体7に押圧させる(ステップST5)。このとき、取り付けられる分銅55の種類によっては、人間の指による静止荷重と全く同じにならない場合があるため、このときは、アーム51aの後端側にネジ止めされていた錘部52を回転させることによって、アーム51aに対する錘部52の取付位置を調整し、人間の指による静止荷重と同じになるように微調整する。
【0046】
そして、このように人間の指による静止荷重と同じ荷重に設定した状態で、先の移動速度と同じ速度で模擬指5を移動させ(ステップST6)、Z軸方向の時系列の荷重を抽出する(ステップST7)。
【0047】
このとき、模擬指5と人間の指とでは、それぞれの硬さが異なるため、図5の上段図と中段図に示すように、センサー23によって得られる波形が異なる。そこで、人間の指によって得られた波形と、模擬指5によって得られた波形とを、ほぼ同じになるように補正部6(図4の機能ブロック図参照)で補正を行う(ステップST8)。
【0048】
この補正を行う場合、種々の方法を用いることができるが、例えば、時間ごとに検出された模擬指5による荷重を、人間の指による荷重に一致させるために、係数を設定する方法を用いることができる。具体的には、図5に示すように、時刻tにおける人間の指の押圧荷重がfz1(t)であり、模擬指5の押圧荷重がfz2(t)である場合、その時刻における模擬指5の荷重に対して、k(t)=fz1(t)/fz2(t)の係数を設定しておく。なお、ここでは、時刻ごとに係数を設定しているが、押圧される位置ごとに係数を設定してもよい。
【0049】
そして、このように模擬指5を用いて触感データを取得するとともに、時刻ごとの係数を設定する。
そして、この物体7と異なる物体から触感データを抽出する場合は、同様に、プレート21に物体を載置して固定した後、先の静止荷重と同じ荷重で模擬指5を載せ、同じ速度で移動させることによって触感データを抽出するとともに、設定された時刻ごとに係数を掛けて、人間の指による触感データとして出力できるようにする。
【0050】
このように上記実施の形態によれば、布71などの物体7を載置するためのプレート21と、人間の指や模擬指5などの接触子を保持する手掌保持部4や模擬指保持体50と、前記接触子を、前記プレート21側に一定の押圧力で押圧させた状態で、一定の速度で移動させる移動装置3と、前記一定の押圧力および一定の速度で移動する前記接触子から触感データを抽出するセンサー23とを備えるようにしたので、常に同じ条件下で、客観的な触感データを抽出することができるようになる。
【0051】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々の態様で実施することができる。
【0052】
例えば、上記実施の形態では、人間の動作によって布71を指で押圧させ、次に、模擬指5で、その押圧力と同じ押圧力で模擬指5による触感データを抽出するようにしたが、移動装置3のスライドレールをZ軸方向に上下動可能に構成しておき、手掌保持部4に保持された指で布71を押圧する際、プレート21のセンサー23で一定の押圧力となるように、手掌保持部4のZ軸方向の位置を調整するようにしてもよい。そして、模擬指5で触感データを抽出する際にも、同様に、模擬指5を取り付けた後、スライドレール31のZ軸方向の位置を調整し、一定の押圧力となる位置で、模擬指5を水平方向に移動させるようにしてもよい。
【0053】
また、上記実施の形態では、プレート21の下方に設けられたセンサー23によって触感データを抽出するようにしたが、指に装着されたセンサーによって触感データを抽出できるようにしてもよい。この場合、人間の指による触感と、模擬指5による触感が同じになるように、指の同じ位置にセンサーを取り付けるようにしておく。
【0054】
さらに、上記実施の形態では、プレート21の下方に設けられたセンサー23によって触感を抽出できるようにしたが、プレート21で振動が減衰されて触感が変わる可能性がある。その場合は、まず、プレート21に物体7を載置させていない状態で、人間の指を移動させてZ軸方向の荷重による振動情報を抽出し、その後、物体7を載置させてZ軸方向の荷重による振動情報を抽出する際に、プレート21のみの振動情報を減ずるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1・・・触感データ抽出装置
2・・・計測装置
21・・・プレート
22・・・固定部
23・・・センサー
3・・・移動装置
31・・・スライドレール
32・・・スライドブロック
33・・・モーター
4・・・手掌保持部材
41・・・手掌プレート
42・・・指プレート
43・・・バンド
5・・・模擬指
50・・・模擬指保持体
51a・・・アーム
51b・・・垂下アーム
51c・・・ベース部
52・・・錘部
53・・・分銅取付部
54・・・回動軸
55・・・分銅
6・・・補正部
7・・・物体
71・・・布
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7