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特開2023-113548マッサージ装置、及び、マッサージユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113548
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】マッサージ装置、及び、マッサージユニット
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
A61H7/00 323H
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143254
(22)【出願日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】P 2022015532
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100BA03
4C100BA05
4C100BB04
4C100BB05
4C100BC13
4C100CA04
4C100CA05
4C100CA06
4C100CA07
4C100CA08
4C100CA09
4C100DA04
4C100DA05
4C100DA08
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】ユーザの上腕側部に対して手技に近いマッサージを提供し得るマッサージ装置を提供する。
【解決手段】マッサージ装置100は、着座したユーザの背中を支持する背凭れ部3と、背凭れ部の内部に、着座したユーザの身長方向に移動可能に配置され、背凭れ部からユーザの背中に対してマッサージ動作を行う第1マッサージユニットであるメカマッサージユニット8と、背凭れ部の左右方向の一方側と他方側とのそれぞれに配置され、ユーザの背中を除いた上腕側部に対してマッサージ動作を行う第2マッサージユニットである肩マッサージユニット7A,7Bと、を備え、第2マッサージユニットは、着座したユーザの上腕側部を押圧する押圧部材と、押圧部材に押圧方向に交差する面内での二次元動作を含む動作を行わせる機構と、を有し、機構は、第1マッサージユニットが存在する空間を避けて配置されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座したユーザの背中を支持する背凭れ部と、
前記背凭れ部の内部に、着座した前記ユーザの身長方向に移動可能に配置され、前記背凭れ部から前記ユーザの背中に対してマッサージ動作を行う第1マッサージユニットと、
前記背凭れ部の左右方向の一方側と他方側とのそれぞれに配置され、前記ユーザの背中を除いた上腕側部に対してマッサージ動作を行う第2マッサージユニットと、を備え、
前記第2マッサージユニットは、着座した前記ユーザの上腕側部を押圧する押圧部材と、前記押圧部材に押圧方向に交差する面内での二次元動作を含む動作を行わせる機構と、を有し、
前記機構は、前記第1マッサージユニットが存在する空間を避けて配置されている
マッサージ装置。
【請求項2】
前記機構は、
前記第2マッサージユニットを駆動させるためのモータと、
前記モータの回転を前記動作に変換する変換機構と、を含む
請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記機構は、
前記一方側の前記第2マッサージユニットを駆動させるための第1モータと、
前記他方側の前記第2マッサージユニットを駆動させるための第2モータと、を含む
請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記二次元動作は、前記背凭れ部の前後方向及び長手方向の成分を含む
請求項2又は3に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記二次元動作は、第1位置から前記背凭れ部の前方である第2位置へ前進する第1移動と、前記第2位置から前記第1位置へ後退する第2移動と、を含み、
前記第1移動時の第1軌跡と、前記第2移動時の第2軌跡とは、異なる
請求項1~4のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記機構は、前記一方側の前記第2マッサージユニットの前記押圧部材と、前記他方側の前記第2マッサージユニットの前記押圧部材とのそれぞれを独立して前記動作を行わせる
請求項1~5のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項7】
前記機構を制御するコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、前記一方側及び前記他方側の前記第2マッサージユニットの前記押圧部材を前記押圧方向への押圧状態として、前記一方側及び前記他方側の前記第2マッサージユニットのうちのいずれか一つのマッサージユニットの前記押圧部材のみに前記動作を行わせるよう前記機構を制御する、よう構成されている
請求項1~6のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項8】
前記機構を制御するコントローラをさらに備え、
前記コントローラは、前記一方側及び前記他方側の前記第2マッサージユニットの前記押圧部材を前記押圧方向への押圧状態として、前記一方側及び前記他方側の前記第2マッサージユニットを交互で、一方の第2マッサージユニットの前記押圧部材のみに前記動作を行わせるよう前記機構を制御する、よう構成されている
請求項1~6のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【請求項9】
前記コントローラは、ユーザに施すべきマッサージ動作を判定する判定処理を実行するよう構成されており、
前記判定処理は、前記一方側及び前記他方側の前記第2マッサージユニットのいずれを前記マッサージ動作させるか決定することを含み、
前記コントローラは、前記判定処理によって決定した側の前記第2マッサージユニットの前記押圧部材だけに前記動作を行わせる、又は、決定した側の前記第2マッサージユニットの前記押圧部材の前記動作の強度を他方の前記第2マッサージユニットより強くさせるよう前記機構を制御する、よう構成されている
請求項7又は8に記載のマッサージ装置。
【請求項10】
着座したユーザの背中を支持する背凭れ部の内部に、着座した前記ユーザの身長方向に移動可能に、前記背凭れ部から前記ユーザの背中に対してマッサージ動作を行う背中用マッサージユニットが配置されているマッサージ装置の、前記背凭れ部の左右方向の一方側と他方側とのそれぞれに、前記背中用マッサージユニットが存在する空間を避けて配置される、前記ユーザの背中を除いた上腕側部に対してマッサージ動作を行うマッサージユニットであって、
着座した前記ユーザの上腕側部を押圧する押圧部材と、
偏心カムの回転を受けて前記押圧部材を動作させる支持部材と、
前記押圧部材に対して前記押圧部材による押圧方向の反対側に位置して、前記押圧部材の反力を受ける支持壁と、を備え、
前記支持壁の内側と前記支持部材とのいずれか一方にガイド部材が設けられ、他方に被ガイド部材が設けられており、
前記ガイド部材は前記押圧部材の動きを前記押圧方向に交差する面内での二次元動作を含む動作を行うように規制する部材である
マッサージユニット。
【請求項11】
前記被ガイド部材は、前記ガイド部材に対して凸形状の部材であり、
前記ガイド部材は、前記被ガイド部材の相対移動を阻止する凸部と、前記凸部に囲まれ前記被ガイド部材が相対移動可能な凹部と、を有し、
前記凹部は、前記交差する面内の第1の方向と第2の方向とにおける前記相対移動を許容するために、第1の方向と第2の方向とのそれぞれに長さを有する
請求項10に記載のマッサージユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッサージ装置、及び、マッサージユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2011-000419号公報(以下、特許文献1)は、被施療者の身体部位に擦りマッサージを施す対の擦り部と、該擦り部を駆動する擦り駆動部と、を有する擦りユニットを備えたマッサージ機を開示している。このマッサージ機において、擦り部は、身体部位の両側方に配置され、該身体部位の側面に沿う方向へ往復動する対の第1擦り部と、身体部位の背面に配置され、該身体部位の背面に沿う方向及び該背面と交差する方向へ往復動する対の第2擦り部と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-000419号公報
【発明の概要】
【0004】
マッサージの手技として、対象部位を手でなでる軽擦法、例えば、手のひらでなでる手掌軽擦法や、対象部位を手で揉む揉捏法、例えば、手のひらで揉む手掌揉捏法などがある。ユーザの背中を支持する背凭れ部の内部に、背凭れ部内部からユーザの背中をマッサージするマッサージユニットが配置されているマッサージ装置においても、このような手技に近いマッサージを、いわゆる肩ぐうと呼ばれる、ユーザの上腕側部に施すことが求められる場合がある。本開示では、そのような場合であっても、ユーザの上腕側部に対して手技に近いマッサージを提供し得るマッサージ装置、及び、マッサージユニットを提供することを目的とする。
【0005】
ある実施の形態に従うと、マッサージ装置は、着座したユーザの背中を支持する背凭れ部と、背凭れ部の内部に、着座したユーザの身長方向に移動可能に配置され、背凭れ部からユーザの背中に対してマッサージ動作を行う第1マッサージユニットと、背凭れ部の左右方向の一方側と他方側とのそれぞれに配置され、ユーザの背中を除いた上腕側部に対してマッサージ動作を行う第2マッサージユニットと、を備え、第2マッサージユニットは、着座したユーザの上腕側部を押圧する押圧部材と、押圧部材に押圧方向に交差する面内での二次元動作を含む動作を行わせる機構と、を有し、機構は、第1マッサージユニットが存在する空間を避けて配置されている。
【0006】
ある実施の形態に従うと、マッサージユニットは、着座したユーザの背中を支持する背凭れ部の内部に、着座したユーザの身長方向に移動可能に、背凭れ部からユーザの背中に対してマッサージ動作を行う背中用マッサージユニットが配置されているマッサージ装置の、背凭れ部の左右方向の一方側と他方側とのそれぞれに、背中用マッサージユニットが存在する空間を避けて配置される、ユーザの背中を除いた上腕側部に対してマッサージ動作を行うマッサージユニットであって、着座したユーザの上腕側部を押圧する押圧部材と、偏心カムの回転を受けて押圧部材を動作させる支持部材と、押圧部材に対して押圧部材による押圧方向の反対側に位置して、押圧部材の反力を受ける支持壁と、を備え、支持壁の内側と支持部材とのいずれか一方にガイド部材が設けられ、他方に被ガイド部材が設けられており、ガイド部材は押圧部材の動きを押圧方向に交差する面内での二次元動作を含む動作を行うように規制する部材である。
【0007】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係るマッサージ装置の概略構成図である。
図2図2は、実施の形態に係るマッサージ装置を上方から見た概略図である。
図3図3は、マッサージ装置に備えられる肩マッサージユニットの、マッサージ装置の内側から見た分解図である。
図4図4は、マッサージ装置に備えられる肩マッサージユニットの、マッサージ装置の外側から見た分解図である。
図5図5は、マッサージ装置に備えられる肩マッサージユニットを、マッサージ装置に着座したユーザ側(内側)から見た図である。
図6図6は、肩マッサージユニットの外郭の内側と支持部材の外側の構造の概略図である。
図7図7は、肩マッサージユニットの二次元動作を説明するための図である。
図8図8は、肩マッサージユニットの二次元動作を説明するための図である。
図9図9は、肩マッサージユニットの二次元動作を説明するための図である。
図10図10は、マッサージ装置の機能ブロック図である。
図11図11は、マッサージ装置での動作の一例を表したフローチャートである。
図12図12は、マッサージ装置に備えられる他の実施の形態に係る肩マッサージユニットの、マッサージ装置の外側から見た図である。
図13図13は、マッサージ装置に備えられる他の実施形態に係る肩マッサージユニットを上方から見た図であり、(a)は外郭を移動させる前の状態であり、(b)は外郭を移動させた後の状態であり、(c)は、(b)の状態から外郭を省略した状態の図である。
図14図14は、マッサージ装置に備えられる他の実施形態に係る肩マッサージユニットを、マッサージ装置に着座したユーザ側(内側)から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.マッサージ装置、及び、マッサージユニットの概要>
【0010】
(1)実施の形態に係るマッサージ装置は、着座したユーザの背中を支持する背凭れ部と、背凭れ部の内部に、着座したユーザの身長方向に移動可能に配置され、背凭れ部からユーザの背中に対してマッサージ動作を行う第1マッサージユニットと、背凭れ部の左右方向の一方側と他方側とのそれぞれに配置され、ユーザの背中を除いた上腕側部に対してマッサージ動作を行う第2マッサージユニットと、を備え、第2マッサージユニットは、着座したユーザの上腕側部を押圧する押圧部材と、押圧部材に押圧方向に交差する面内での二次元動作を含む動作を行わせる機構と、を有し、機構は、第1マッサージユニットが存在する空間を避けて配置されている。
【0011】
第2マッサージユニットの機構が第1マッサージユニットが存在する空間を避けて配置されていることによって、第1マッサージユニットは第2マッサージユニットと干渉することなく着座したユーザの背中に対してマッサージ動作を行うことができる。また、第2マッサージユニットはユーザの背中を除いた上腕側部に対してマッサージ動作を行うマッサージユニットであるため、第1マッサージユニットが第2マッサージユニットとユーザの身長方向に同じ高さに位置している場合であっても、第1マッサージユニットは、ユーザの第2マッサージユニットによる上腕側部に対するマッサージ動作とは別に、ユーザの背中に対してマッサージ動作を行うことができる。
【0012】
二次元動作は、押圧方向に交差する面内で、第1の方向及び第2の方向の2方向の成分を有する動作を指す。第2マッサージユニットが押圧を伴って二次元動作を含む動作を行うことによって、対象部位を押圧しながら、手でなでる軽擦法、例えば、手のひらでなでる手掌軽擦法や、対象部位を手で揉む揉捏法、例えば、手のひらで揉む手掌揉捏法などによるマッサージを対象部位に施すことができる。これにより、手技に近いマッサージを提供し得る。
【0013】
(2)好ましくは、機構は、第2マッサージユニットを駆動させるためのモータと、モータの回転を動作に変換する変換機構と、を含む。これにより、第2マッサージユニットは、例えば、変換機構として、偏心カムの回転を用いて二次元動作を含む動作を行うことができる。
【0014】
(3)好ましくは、機構は、一方側の第2マッサージユニットを駆動させるための第1モータと、他方側の第2マッサージユニットを駆動させるための第2モータと、を含む。これにより、一方側の第2マッサージユニットと他方側の第2マッサージユニットとの機構を、第1マッサージユニットが存在する空間を避けて配置しやすくなる。
【0015】
(4)好ましくは、二次元動作は、背凭れ部の前後方向及び長手方向の成分を含む。これにより、第2マッサージユニットのマッサージを、手のひらで対象部位をなでる手掌軽擦法や、手のひらで揉む手掌揉捏法などの、手技に近いマッサージ動作とし得る。
【0016】
(5)好ましくは、二次元動作は、第1位置から背凭れ部の前方である第2位置へ前進する第1移動と、第2位置から第1位置へ後退する第2移動と、を含み、第1移動時の第1軌跡と、第2移動時の第2軌跡とは、異なる。これにより、第2マッサージユニットのマッサージを、手のひらで対象部位をなでる手掌軽擦法や、手のひらで揉む手掌揉捏法などの、手技に近いマッサージ動作とし得る。
【0017】
(6)好ましくは、駆動機構は、一方側の第2マッサージユニットの押圧部材と、他方側の第2マッサージユニットの押圧部材とのそれぞれを独立して動作を行わせる。これにより、一方側の第2マッサージユニットと、他方側の第2マッサージユニットとを独立してマッサージ動作させることができる。
【0018】
(7)好ましくは、マッサージ装置は、機構を制御するコントローラをさらに備え、コントローラは、一方側及び他方側の第2マッサージユニットの押圧部材を押圧方向への押圧状態として、一方側及び他方側の第2マッサージユニットのうちのいずれか一つのマッサージユニットの押圧部材のみに動作を行わせるよう機構を制御する、よう構成されている。これにより、必要な側の対象部位に対して、手技に近いマッサージを提供し得る。
【0019】
(8)好ましくは、マッサージ装置は、機構を制御するコントローラをさらに備え、コントローラは、一方側及び他方側の第2マッサージユニットの押圧部材を押圧方向への押圧状態として、一方側及び他方側の第2マッサージユニットを交互で、一方の第2マッサージユニットの押圧部材のみに動作を行わせるよう駆動機構を制御する、よう構成されている。これにより、必要な側の対象部位に対して、手技に近いマッサージを提供し得るとともに、動作を行う第2マッサージユニットと反対側の動作を行わない側の第2マッサージユニットも押圧状態であることから効果的なマッサージを提供し得る。
【0020】
(9)好ましくは、コントローラは、ユーザに施すべきマッサージ動作を判定する判定処理を実行するよう構成されており、判定処理は、一方側及び他方側の第2マッサージユニットのいずれをマッサージ動作させるか決定することを含み、コントローラは、判定処理によって決定した側の第2マッサージユニットの押圧部材だけにマッサージ動作を行わせる、又は、決定した側の第2マッサージユニットの押圧部材の動作の強度を他方の第2マッサージユニットより強くさせるよう機構を制御する、よう構成されている。
【0021】
(10)実施の形態に係るマッサージユニットは、着座したユーザの背中を支持する背凭れ部の内部に、着座したユーザの身長方向に移動可能に、背凭れ部からユーザの背中に対してマッサージ動作を行う背中用マッサージユニットが配置されているマッサージ装置の、背凭れ部の左右方向の一方側と他方側とのそれぞれに、背中用マッサージユニットが存在する空間を避けて配置される、ユーザの背中を除いた上腕側部に対してマッサージ動作を行うマッサージユニットであって、着座したユーザの上腕側部を押圧する押圧部材と、偏心カムの回転を受けて押圧部材を動作させる支持部材と、押圧部材に対して押圧部材による押圧方向の反対側に位置して、押圧部材の反力を受ける支持壁と、を備え、支持壁の内側と支持部材とのいずれか一方にガイド部材が設けられ、他方に被ガイド部材が設けられており、ガイド部材は押圧部材の動きを押圧方向に交差する面内での二次元動作を含む動作を行うように規制する部材である。
【0022】
二次元動作は、押圧方向に交差する面内で、第1の方向及び第2の方向の2方向の成分を有する動作を指す。被ガイド部材がガイド部材によってガイドされることにより、偏心カムの回転が押圧部材の押圧方向に交差する面内で第1の方向及び第2の方向の2方向の成分を有する動作に変換される。これにより、押圧部材が二次元動作するようになる。押圧部材が二次元動作を行うことによって、対象部位を押圧しながら、手でなでる軽擦法、例えば、手のひらでなでる手掌軽擦法や、対象部位を手で揉む揉捏法、例えば、手のひらで揉む手掌揉捏法などによるマッサージを対象部位に施すことができる。これにより、手技に近いマッサージを提供し得る。
【0023】
(11)好ましくは、被ガイド部材は、ガイド部材に対して凸形状の部材であり、ガイド部材は、被ガイド部材の相対移動を阻止する凸部と、凸部に囲まれ被ガイド部材が相対移動可能な凹部と、を有し、凹部は、交差する面内の第1の方向と第2の方向とにおける相対移動を許容するために、第1の方向と第2の方向とのそれぞれに長さを有する。これにより、押圧部材が二次元動作するようになる。
【0024】
<2.マッサージ装置、及び、マッサージユニットの例>
【0025】
図1は、本実施の形態に係るマッサージ装置100の概略構成図である。マッサージ装置100は、ユーザの身体に刺激を与えることによってマッサージを提供する装置であって、一例として、ユーザが着座して用いるチェア型、つまり、マッサージチェアであってよい。マッサージ装置100は、他の例として、フットマッサージ機や肩マッサージ機などであってもよい。以降の例では、マッサージ装置100はマッサージチェアとする。
【0026】
図1を参照して、マッサージ装置100は、主として、ユーザが着座する座部2と、座部2の後部にリクライニング可能に設けられたユーザが凭れる背凭れ部3と、座部2の前部に上下揺動可能に設けられたユーザの下肢を支持するフットレスト4と、背凭れ部3の上部前面に設けられたユーザの頭及び/又は首を支持する枕部5と、座部2の左右両側には肘掛け部6(アームレスト)と、背凭れ部3の左右両側には側壁部7と、を有している。座部2、背凭れ部3、フットレスト4、枕部5、肘掛け部6、及び側壁部7は、ユーザの身体の一部である身体部位を支持する身体支持部として機能する。
【0027】
身体支持部2~7の各所には、ユーザの身体に対するマッサージ動作を実行するための動作機構であるマッサージユニットが複数、設けられている。マッサージユニットは、駆動機構によって駆動され、身体支持部に支持された身体部位に押圧を伴うマッサージを行う。
【0028】
詳しくは、座部2には、主に太ももに対するマッサージ動作を実行するための太ももマッサージユニット2Aが設けられている。背凭れ部3には、主に、首から腰に対するマッサージ動作を実行するためのメカマッサージユニット8(第1マッサージユニット)が設けられている。フットレスト4には、左右に、主にふくらはぎ、及び、足裏に対するマッサージ動作を実行するための足マッサージユニット4A,4Bが設けられている。肘掛け部6には、左右に、主に腕に対するマッサージ動作を実行するための腕マッサージユニット6A,6Bが設けられている。側壁部7には、左右に、主に肩から上腕側方の「肩ぐう」とも呼ばれる位置に対するマッサージ動作を実行するための肩マッサージユニット7A,7B(第2マッサージユニット)が設けられている。また、座部2の下方には、ポンプユニット9が設けられている。
【0029】
メカマッサージユニット8は、揉み動作及び/又は叩き動作を行うマッサージ動作のための動作機構である。メカマッサージユニット8は、背凭れ部3の内部に配置されて、ユーザの上半身を後方(背面)からマッサージする。メカマッサージユニット8は、ユーザの身長方向(上下方向)に配置されたガイドレール8Aの上を移動することで、身長方向に移動可能な可動ユニットである。メカマッサージユニット8は、身長方向に沿って複数(本実施形態では1つ)設けられていてもよい。
【0030】
図2図5は、肩マッサージユニット7A,7Bを説明するための図である。図2は、マッサージ装置100を上方から見た概略図であって、肩マッサージユニット7A,7B、及び、メカマッサージユニット8の概略構造を表した図である。図3および図4は、肩マッサージユニット7Bの分解図であって、図3はマッサージ装置100の内側から見た図、図4はマッサージ装置100の外側から見た図である。図5は、肩マッサージユニット7Bを、マッサージ装置100に着座したユーザX側(内側)から見た図である。
【0031】
メカマッサージユニット8は、マッサージ部材として、上下両端部に施療子8Bの設けられた、左右で対をなすアーム(図示せず)を有する。メカマッサージユニット8は、1又は複数のモータからなるマッサージモータM3を有する(図10)。マッサージモータM3は、駆動することにより左右の施療子8Bを近接離反させる揉み動作、及び左右の施療子8Bを交互にユーザ側へ進退させる叩き動作を行わせることができる。
【0032】
メカマッサージユニット8は、マッサージ部材を動作させるための機構としての昇降モータM4(図8)を有する。メカマッサージユニット8は、昇降モータM4の駆動により、ラックピニオン等よりなる昇降機構(図示せず)によって、図示しないガイドレール8A上を移動する。ガイドレール8Aは、背凭れ部3内部に、身長方向に延設されている。そのため、メカマッサージユニット8は身長方向に沿って上方又は下方へ移動して、身体に対する位置を変更したり、ローリングマッサージを行わせたりすることができる。
【0033】
肩マッサージユニット7A,7Bは、身体支持部である背凭れ部3の、左右方向の一方側と他方側とのそれぞれに配置されている。肩マッサージユニット7A,7Bは、それぞれ、身体を押圧する押圧部材の一例としてのエアセル72A,72Bを有する。エアセル72A,72Bは、エアの給排気により膨張収縮する空気袋であって、エアを給排気することでユーザを押圧することができる。エアセル72A,72Bによる押圧方向Aは、図1図2において矢印で表された、内側に向かう向きである。
【0034】
肩マッサージユニット7A,7Bは、それぞれ、押圧部材に押圧方向に交差する面内での二次元動作を含む動作を行わせる機構を有している。押圧部材に動作を行わせる機構は、一例として、支持部材71と、外郭73と、を含む。外郭73は、背凭れ部3に位置が固定されている。外郭73は、押圧方向Aに交差する面と平行な、着座したユーザXから遠い側の外側面73aと、着座したユーザX側の内側面73bとを有する。外郭73は、例えばウレタン樹脂などの硬度ある素材で形成されている。
【0035】
支持部材71は、外郭73の内側に位置する。支持部材71は、押圧方向Aに交差する面と平行な、着座したユーザXから遠い側の外側面71aと、着座したユーザX側の内側面71bとを有する。支持部材71は、外側面71aが外郭73の内側面73bに接するように配置されている。支持部材71は、外郭73に対して移動自在に設けられている。
【0036】
エアセル72A,72Bは、支持部材71の内側に位置し、支持部材71の内側面71bに接して配置されている。エアセル72A,72Bは、支持部材71と一体となって移動するように設けられている。
【0037】
押圧部材に動作を行わせる機構は、一例として、偏心カム731を含む。支持部材71は、偏心カム731の回転を受けて押圧方向Aに交差する面と平行な面内において二次元動作LA,LBを含む動作を行い、それに伴ってエアセル72A,72Bが押圧方向Aに交差する面と平行な面内において二次元動作LA,LBを含む動作を行う。二次元動作LA,LBは、押圧方向Aに交差する面と平行な面内で、第1の方向B及び第2の方向Cの2方向の成分を有する動作を指す(図3,4参照)。二次元動作LA,LBを含む動作は、一例として、二次元動作LA,LBである。
【0038】
エアセル72A,72Bの押圧方向Aの押圧力による反力は、支持部材71を介して外郭73に伝えられる。外郭73は、エアセル72A,72Bの押圧力による反力を受ける支持壁として機能する。
【0039】
押圧部材に動作を行わせる機構は、一例として、モータM1,M2を含む。モータM1,M2は、一例として、背凭れ部3の内部に、押圧方向Aに平行な軸を回転軸して配置されている。モータM1,M2は、背凭れ部3の外部に配置されていてもよい。
【0040】
偏心カム731は、一例として、モータM1,M2の回転軸に直結、又は、図示されないプーリを介して接続されて、モータM1,M2の回転に従って、回転中心732を中心として(図5参照)、押圧方向Aに平行な軸を回転軸して回転する円板カムとする。回転中心732は、円板カムの中心Оから偏心して設けられている。図において、中心Оは仮想的に示されている。これにより、偏心カム731は、押圧方向Aに交差する面と平行な面内において回転する。
【0041】
外郭73の内側面73bと支持部材71の外側面71aとのいずれか一方にガイド部材が設けられ、他方に被ガイド部材が設けられている。被ガイド部材は、ガイド部材に向けて凸形状の部材である。ガイド部材は、被ガイド部材が相対移動可能な凹部と、被ガイド部材の相対移動を阻止する凸部とを有する。移動するのは、凸部側でも凹部側でもよい。
【0042】
肩マッサージユニット7A,7Bそれぞれの押圧部材に動作を行わせる機構は、メカマッサージユニット8が存在する空間を避けて配置されている。メカマッサージユニット8が存在する空間を避けて配置されることは、メカマッサージユニット8がガイドレール8Aに沿ってユーザの身長方向に移動してマッサージ動作を行う際に存在し得る空間に押圧部材に動作を行わせる機構が配置されていないことを指す。
【0043】
一例としてモータM1,M2や偏心カム731などの、押圧部材に動作を行わせる機構のうちの背凭れ部3の内部に配置される部材について、左右方向に、メカマッサージユニット8の左右方向の長さK2より大きい間隔K1で配置されている。同様に、身長方向、及び、前後方向にも、ガイドレール8Aに沿ってユーザの身長方向に移動するメカマッサージユニット8の範囲外に配置されている。
【0044】
これにより、メカマッサージユニット8は、肩マッサージユニット7A,7Bと干渉することなく、背凭れ部3の内部から、着座したユーザの背中に対してマッサージ動作Dを行うことができる。例えば、図2に表されたように、メカマッサージユニット8がユーザの身長方向に移動して肩マッサージユニット7A,7Bと身長方向で重なった場合であっても、メカマッサージユニット8は、その位置においてユーザの背中に対して、揉み動作や叩き動作などのマッサージ動作Dを行うことができるとともに、同時に、肩マッサージユニット7A,7Bによる手技に近いマッサージ動作も可能になる。
【0045】
図6は、外郭73を内側面73b側から見た概略図、及び、支持部材71を外側面71a側から見た概略図である。また、図6には、外郭73についてのD-D断面図と、支持部材71についてのE-E断面図とが示されている。一例として、図3図4図6に示されるように、支持部材71の外側面71aにガイド部材711が設けられ、外郭73の内側面73bに被ガイド部材733Aが設けられている。ガイド部材711と被ガイド部材733Aとは、それぞれ、支持部材71の外側面71a及び外郭73の内側面73bの、図3図4に表されたように、支持部材71を外郭73の内側に配置した状態において重なる位置に設けられている。
【0046】
詳しくは、図6を参照して、ガイド部材711は、高さtの凸部711A,711Bを有する。凸部711A,711Bは、支持部材71の外側面71aの表面に、第1の方向Bに間隔dで設けられ、第2の方向Cに少なくとも長さwを有する。第1の方向B及び第2の方向Cは、押圧方向Aに交差する面内の方向である。第1の方向Bは、好ましくは、マッサージ装置100の上下方向である。第2の方向Cは、背凭れ部3に対して前後方向である。
【0047】
ガイド部材711は、高さtの凸部711Cを有する。凸部711Cは、凸部711Aと凸部711Bとの間を第1の方向Bに塞ぐ。凸部711Aと凸部711Bとの間は、凸部711Cによって、第2の方向Cの両端の少なくとも一方端が塞がれている。一例として、凸部711Cは、凸部711Aと凸部711Bとの、背凭れ部3に近い側の端部を塞ぐように設けられている。これにより、ガイド部材711は、高さtの凸部711A,711B,711Cに囲まれた、第1の方向Bの間隔d、第2の方向Cの長さwの凹部711Dを有する。
【0048】
好ましくは、ガイド部材711は、凸部711A,711Bの組を複数組、有する。図6では、一例として、ガイド部材711は、第1の方向Bに間隔gを有して2組の凸部711A,711Bの組を有し、それぞれの一方端が凸部711Cによって塞がれている。これにより、ガイド部材711は、凸部711A,711B,711Cに囲まれた、第1の方向Bの間隔d、第2の方向Cの長さwの凹部711Dを、第1の方向Bに間隔gを有して2つ有する。なお、他の例として、ガイド部材711は、凸部711A~711Cの組を1組のみ有していてもよいし、3組以上、有していてもよい。
【0049】
被ガイド部材733Aは、外郭73の内側面73bから押圧方向Aに高さhを有する凸形状を有する。一例として、被ガイド部材733Aは、外郭73の内側面73b上に設置されたベース部733に設けられた高さhの突起である。
【0050】
被ガイド部材733Aは、高さhが高さtよりも小さく(h<t)、第1の方向Bにおけるサイズが凹部711Dより小さい。これにより、後述するように、外郭73の内側面73bに支持部材71の外側面71aが接するように配置されたときに、被ガイド部材733Aは、凹部711Dに収まるとともに、凸部711A,711B,711Cによって移動が阻止される。すなわち、被ガイド部材733Aは、凹部711D内のみ移動可能となる。
【0051】
図7図9は、二次元動作LA,LBを説明するための図である。図7では、偏心カム731が基準位置(第1位置)から90°ずつ回転した状態の、内側から見た支持部材71の位置をエアセル72A,72Bを省略して概略的に表している。支持部材71-1,71-2,71-3,71-4は、それぞれ、偏心カム731の回転中心732を中心とする回転角度が0°、90°、180°、270°であるときの支持部材71の位置を表している。エアセル72A,72Bは、支持部材71と一体となって位置を変化させる。回転角度は、回転中心732と円板カムの中心Оとが、第2の方向Cに対してなす角度を指す。
【0052】
図8は、図7の基準位置と回転角度が180°であるときの支持部材71-1,71-3及び外郭73を、マッサージ装置100の上方から見た概略平面図である。図8を参照して、支持部材71及び外郭73は、被ガイド部材733Aがガイド部材711の凸部711C内に位置するように配置される。
【0053】
偏心カム731の回転は、ボールベアリングなどのベアリングを介して支持部材71に伝えられる。これにより、支持部材71は、押圧方向Aに交差する面と平行な面内において移動する。このとき、外郭73の内側の被ガイド部材733Aが、支持部材71の外側のガイド部材711の凹部711D内で移動するように、支持部材71が移動する。
【0054】
詳しくは、図7及び図8を参照して、回転角度が0°から90°に変化するとき、凸部711Aは被ガイド部材733Aに接触する。これにより、支持部材71は、第1の方向Bへの移動が阻止されながら移動する。支持部材71が移動する範囲は、被ガイド部材733Aが凹部711D内となる範囲である。その結果、支持部材71の動きは、図7において左向きの成分F1と、下向きの成分F2とを有する二次元の動作となる。
【0055】
回転角度が90°から180°に変化するとき、凸部711Bと凸部711Cとは被ガイド部材733Aに接触する。これにより、支持部材71は、第1方向Bへの移動及び第2の方向Cへの移動が阻止されながら移動する。支持部材71が移動する範囲は、被ガイド部材733Aが凹部711D内となる範囲である。その結果、支持部材71の動きは、図7において左向きの成分F3と、上向きの成分F4とを有する二次元の動作となる。
【0056】
回転角度が180°から270°に変化するとき、凸部711Bは被ガイド部材733Aに接触する。これにより、支持部材71は、第1の方向Bへの移動が阻止されながら移動する。支持部材71が移動する範囲は、被ガイド部材733Aが凹部711D内となる範囲である。その結果、支持部材71の動きは、図7において右向きの成分F5と、上向きの成分F6とを有する二次元の動作となる。
【0057】
回転角度が270°から360°(0°)に変化するとき、凸部711Aと凸部711Cとは被ガイド部材733Aに接触する。これにより、支持部材71は、第1方向Bへの移動及び第2の方向Cへの移動が阻止されながら移動する。支持部材71が移動する範囲は、被ガイド部材733Aが凹部711D内となる範囲である。その結果、支持部材71の動きは、図7において右向きの成分F7と、下向きの成分F8とを有する二次元の動作となる。
【0058】
偏心カム731が連続的に回転することによって、偏心カム731の回転に伴って、支持部材71は、押圧方向Aに交差する面と平行な面内において支持部材71-1→支持部材71-2→支持部材71-3→支持部材71-4→支持部材71-1と位置が変化する。従って、支持部材71は、第1の位置を回転角度が0°とすると、回転角度が180°である第2の位置との間で反復移動を行っていると言える。
【0059】
図9は、支持部材71-1,71-2,71-3,71-4の位置関係を表した図であって、実線で示された支持部材71-1に対して、支持部材71-2,71-3,71-4を点線にて重ねて示した図である。図9において、支持部材71-1,71-2,71-3,71-4それぞれの外縁に位置する同一の点P1,P2,P3,P4が示されている。
【0060】
図7図9より、ガイド部材711として、第2の方向Cに長さwを有する凸部711A及び凸部711Bが設けられていることによって、支持部材71に伝えられた偏心カム731の回転が、第2の方向Cの動作に変換される。また、ガイド部材711として、間隔dで配置された凸部711A及び凸部711Bの端部を第1の方向Bに塞ぐ凸部711Cが設けられていることによって、支持部材71に伝えられた偏心カム731の回転が、第1の方向Bの動作に変換される。偏心カム731が連続的に回転することによって、偏心カム731の回転が第1の方向Bの動作と第2の方向Cの動作とに交互に変換される。そのため、支持部材71による二次元動作LA,LBは、背凭れ部3の前後方向である第2の方向Cの成分F11と、長手方向である第1の方向Bの成分F12を含むようになる。言い換えると、偏心カム731、ガイド部材711、及び、被ガイド部材733Aは、モータM1,M2の回転を二次元動作LA,LBに変換する変換機構として機能する。
【0061】
詳しくは、図9を参照して、支持部材71に偏心カム731の回転が伝えられるため、回転角度が0°から180°に変化するときの支持部材71-1,71-2,71-3における同一の点P1,P2,P3の第1軌跡L1と、回転角度が180°から360°(0°)に変化するときの支持部材71-3,71-4,71-1における同一の点P3,P4,P1の第2軌跡L2とが異なる。すなわち、支持部材71による第二次元動作LA,LBは、第1位置から第2位置への移動時の第1軌跡L1と、第2位置から第1位置への移動時の第2軌跡L2とが異なる動作となる。
【0062】
支持部材71の内側に位置するエアセル72A,72Bが空気によって膨張しているとき、エアセル72A,72Bの膨張による押圧方向Aの押圧力に加えて、二次元の押圧力がユーザXに与えられる。従って、ガイド部材711は、押圧部材であるエアセル72A,72Bの動きを押圧方向Aに交差する面内で二次元動作するように規制する部材であると言える。
【0063】
ガイド部材711に規制されることによって図5図7に示されたように支持部材71が二次元動作LA,LBを行う。そのため、肩マッサージユニット7A,7Bは、エアセル72A,72Bで肩を押圧しながら、手でなでる軽擦法、例えば、手のひらでなでる手掌軽擦法や、対象部位を手で揉む揉捏法、例えば、手のひらで揉む手掌揉捏法などによるマッサージをユーザの肩付近に施すことができる。
【0064】
なお、二次元動作LA,LBを含むマッサージ動作は、他の例として、さらに押圧方向Aの成分を有する三次元動作であってもよい。この場合、一例として、支持部材71が、押圧方向Aに対して90°以外の角度を有して交差する面と平行に設けられている。また、この場合、押圧部材に動作を行わせる機構は、偏心カム731に替えて、モータM1,M2の回転に従って回転する、偏角カム、又は、偏心偏角カムを有する。これにより、支持部材71は、第1の方向B、第2の方向C、及び、押圧方向Aの3方向の成分を有する動作を行う。その結果、それに伴ってエアセル72A,72Bが第1の方向B、第2の方向C、及び、押圧方向Aの3方向の成分を有するマッサージ動作を行う。
【0065】
図10は、マッサージ装置100の機能ブロック図である。図10を参照して、マッサージ装置100は制御装置10を含む。制御装置10は、プロセッサ11とメモリ12とを有するコンピュータで構成される。プロセッサ11は各部に接続され、各部を制御する。プロセッサ11は、一部の機能が、後述するタブレット200に搭載されたプロセッサ(図示せず)によって実現されてもよい。
【0066】
メモリ12は、プログラム121を記憶している。プログラム121は、プロセッサ11にマッサージ装置100のマッサージ動作の制御を実行させるためのプログラムである。プロセッサ11は、後述するタブレット200からの操作信号に従ってプログラム121を実行する。これにより、プロセッサ11は、マッサージコントローラとして機能する。
【0067】
マッサージ装置100は、マッサージユニットである肩マッサージユニット7A,7Bを含む。肩マッサージユニット7A,7Bは、それぞれ、1又は複数のモータからなるモータM1,M2を有する。モータM1,M2は肩マッサージユニット7A,7Bにマッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例であって、マッサージユニットを駆動させる駆動機構に含まれる。
【0068】
肩マッサージユニット7A,7Bは、それぞれ、モータM1,M2を駆動させる駆動回路75,76を含む。駆動回路75,76は、プロセッサ11からの制御信号に従ってモータM1,M2の駆動を制御する。肩マッサージユニット7A,7Bがそれぞれ、モータM1,M2及び駆動回路75,76を有することで、プロセッサ11はモータM1,M2を独立して駆動させることができる。その結果、肩マッサージユニット7A,7Bを独立して駆動させることができる。
【0069】
一例として、プロセッサ11は、肩マッサージユニット7A,7Bをいずれも押圧方向Aへの押圧状態として、肩マッサージユニット7A,7Bのうちの一方のみを二次元動作させるよう駆動回路75,76を制御してもよい。これにより、肩マッサージユニット7A,7Bのうちの一方のみによって片側にマッサージを施すことができる。
【0070】
他の例として、プロセッサ11は、肩マッサージユニット7A,7Bのうちの一方の肩マッサージユニットを押圧方向Aへの押圧状態として、肩マッサージユニット7A,7Bを交互で、一方のみを二次元動作させるよう駆動回路75,76を制御してもよい。これにより、肩マッサージユニット7A,7Bのうちの一方ずつによって左右交互にマッサージを施すことができる。
【0071】
肩マッサージユニット7A,7Bは、それぞれ、駆動回路77,78を含む。駆動回路77,78は、エアセル72A,72Bに後述するポンプユニット9からのエアを給排気するための電磁弁を駆動させる。駆動回路77,78及び電磁弁は、肩マッサージユニット7A,7Bにマッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例であって、マッサージユニットを駆動させる駆動機構に含まれる。駆動回路77,78は、プロセッサ11からの制御信号に従って電磁弁の開閉を制御する。これにより、エアセル72A,72Bへの給排気が制御される。
【0072】
マッサージ装置100は、ポンプユニット9を含む。ポンプユニット9は、ポンプ93、及び、ポンプ93の駆動を制御する駆動回路91を含み、各マッサージユニットに含まれるエアセルに対してエアを給排気する。ポンプ93は、ポンプユニット9を動作させるアクチュエータの一例である。駆動回路91は、プロセッサ11からの制御信号に従ってポンプ93の駆動を制御して、エアセルに対するエアの給排気を制御する。
【0073】
マッサージ装置100は、マッサージユニットであるメカマッサージユニット8を含む。メカマッサージユニット8は、マッサージモータM3を有する。マッサージモータM3は、マッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例である。メカマッサージユニット8は、マッサージモータM3を駆動させる駆動回路81を含む。駆動回路81は、プロセッサ11からの制御信号に従ってマッサージモータM3の駆動を制御する。
【0074】
メカマッサージユニット8は、昇降モータM4を有する。昇降モータM4は、マッサージ動作を行わせるアクチュエータであるとともに、メカマッサージユニット8をガイドレール8Aに沿って上下方向に移動させるアクチュエータの一例である。メカマッサージユニット8は、昇降モータM4を駆動させる駆動回路82を含む。駆動回路82は、プロセッサ11からの制御信号に従って昇降モータM4の駆動を制御する。
【0075】
メカマッサージユニット8は、図示しないセンサを有し、アームが肩などの所定の揺動位置となったことを検出することでユーザXの体型情報を得るように構成されていてもよい。検出された肩などの所定位置を示す信号はプロセッサ11に入力される。プロセッサ11は、所定位置を基準として、その他の部位(首、背中、腰等)の位置を計算により求め、ユーザXの体型を検出する。
【0076】
マッサージ装置100は、マッサージユニットである腕マッサージユニット6A,6B、太ももマッサージユニット2A、及び、足マッサージユニット4A,4Bを含む。各マッサージユニット6A,6B、2A、及び、4A,4Bは、押圧部材の一例として図示しないエアセル、及び、その駆動回路を含む。駆動回路は、エアセルにポンプユニット9からのエアを給排気するための電磁弁を駆動させる。駆動回路及び電磁弁は、各マッサージユニット6A,6B、2A、及び、4A,4Bにマッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例であって、マッサージユニットを駆動させる駆動機構に含まれる。駆動回路は、プロセッサ11からの制御信号に従って電磁弁の開閉を制御する。これにより、エアセルへの給排気が制御される。
【0077】
マッサージ装置100は、マッサージユニットであるセンサユニット14を有する。センサユニット14は、マッサージ動作の程度や、ユーザの状態を検出するための、図示しないセンサを有する。具体的に、センサは、アクチュエータの動作量を検出したり、エアセルの内圧を検出したりする。エアセルの内圧を検出することで、マッサージ動作にバリエーションを与えることができる。詳しくは、後述する。センサは、各マッサージユニットに配置されていてもよい。センサユニット14でのセンシング結果を示す信号は、プロセッサ11に入力される。
【0078】
マッサージ装置100は、マッサージユニットであるリクライニングユニット18を有する。リクライニングユニット18は、マッサージ動作に従って背凭れ部3の角度を変化させるユニットであり、角度を変化させるための、図示しないアクチュエータと、その駆動回路とを含む。駆動回路は、プロセッサ11からの制御信号に従ってアクチュエータの駆動を制御する。
【0079】
マッサージ装置100は、ユーザ操作を受け付ける操作部の一例としてのタブレット200を有する。タブレット200は、マッサージ装置100と一体の装置であってもよいし、マッサージ装置100から独立した別の装置であってもよい。タブレット200は、ユーザの操作入力を受け付けて、操作を表す操作信号をプロセッサ11に入力する。タブレット200はプロセッサ11からの制御信号に従って情報を出力してもよい。タブレット200の出力する情報は、ディスプレイ(図示せず)への画像の表示であってもよいし、スピーカ(図示せず)からの音声出力であってもよいし、それらの両方であってもよい。
【0080】
プロセッサ11は、プログラム121を実行することでマッサージコントローラとして機能し、判定処理111を実行する。判定処理111は、ユーザXに施すべきマッサージ動作を判定することを含む。施すべきマッサージ動作を判定することは、肩マッサージユニット7A,7Bのいずれに二次元動作を行わせるかを判定することを含む。また、施すべきマッサージ動作を判定することは、マッサージ動作の強度や時間を判定することを含んでもよい。
【0081】
判定処理111において、プロセッサ11は、センサユニット14からのセンシング結果を用いてもよい。例えば、プロセッサ11は、センサユニット14からのセンシング結果からユーザXの凝りの程度や体型などを計算し、凝りの程度や体型などと予め対応付けて記憶している二次元動作を行わせる肩マッサージユニットを決定したり、マッサージの強度を決定したりするようにしてもよい。
【0082】
判定処理111において、プロセッサ11は、タブレット200からの操作信号を用いてもよい。例えば、プロセッサ11は、肩マッサージユニット7A,7Bを指定してマッサージを指示する操作信号を受け付けた場合に、指定された肩マッサージユニットを、二次元動作を行わせる肩マッサージユニットに決定したり、指定された強度を行わせるマッサージ動作の強度として決定したりしてもよい。
【0083】
図11は、マッサージ装置100での動作の一例を表したフローチャートである。図11の動作は、制御装置10によって制御されることによって行われる動作である。すなわち、プロセッサ11がタブレット200からの操作信号に従ってメモリ12に記憶されているプログラム121を実行し、プログラム121に従って各マッサージユニットを制御する。
【0084】
図11を参照して、初めに、プロセッサ11は、タブレット200などから、マッサージ装置100のユーザXについてのユーザ情報の入力を受け付ける(ステップS101)。ユーザ情報は、例えば、ユーザXの年齢帯、性別などである。これにより、ユーザに関連付けて、提供したマッサージに関する情報を記憶させることが可能になる。その結果、例えば、マッサージの提案や課金などに有用に用いられ得るデータを構築することができる。
【0085】
次に、プロセッサ11は、必要なマッサージユニットを動作させることによって、ユーザXの体型を検出する(ステップS103)。例えば、プロセッサ11は、メカマッサージユニット8を起動させてセンシング結果を得ることによって、ユーザXの体型を検出することができる。これにより、プロセッサ11は、以降の動作パラメータの設定においてユーザXの体型を用いることができる。
【0086】
次に、プロセッサ11は、ユーザXの体型やタブレット200からの操作信号などに基づいてマッサージコースを判定する(ステップS105)。マッサージコースは、1又は複数のマッサージ動作の組み合わせを指す。マッサージコースを判定する処理は、二次元動作を行わせる肩マッサージユニットを決定すること(ステップS51)や、肩マッサージユニットの押圧力を決定すること(ステップS52)、などを含む。
【0087】
これにより、肩マッサージユニット7A,7Bのうち、必要な肩マッサージユニットに二次元動作を行わせることができる。そのため、肩マッサージユニット7A,7Bの両方に二次元動作を行わせることもできるし、肩マッサージユニット7A,7Bのうちのいずれか一方に二次元動作を行わせることもできる。また、肩マッサージユニット7Aと肩マッサージユニット7Bとで、異なる押圧力で二次元動作を行わせることもできる。
【0088】
例えば、肩マッサージユニット7A,7Bの両方に二次元動作を行わせる場合について説明する。肩マッサージユニット7A,7Bは、平面視において、背凭れ部3の中央を中心線としてみたときに、左右で線対称となるように配置されている。つまり、モータM1,M2は、モータM1,M2から伸びる出力軸が互いに相対する方向を向いて配置されている。
従って、左右のモータM1,M2を両方とも同じ方向に回転(M1正転,M2正転、または、M1反転,M2反転)させた場合には、肩マッサージユニット7A,7Bは、互いに相対する方向に移動することとなり、左右のモータM1,M2をそれぞれ異なる方向に回転(M1正転,M2反転、または、M1反転,M2正転)させた場合には、肩マッサージユニット7A,7Bは、互いに同じ方向に移動することとなる。
【0089】
例えば、肩マッサージユニット7AのモータM1を正転させ、肩マッサージユニット7BのモータM2を反転させる。そうすることで、肩マッサージユニット7A,7Bの移動方向が互いに同一の方向となる二次元動作をすることができる。また、肩マッサージユニット7AのモータM1を正転させ、肩マッサージユニット7BのモータM2を正転させる。そうすることで、肩マッサージユニット7A,7Bの移動方向が互いに異なる方向となる二次元動作をすることができる。また、肩マッサージユニット7A,7Bのうちいずれか一方のモータM1,M2のみを正転又は反転させ、他方の肩マッサージユニットは停止させておくことで、左右どちらか一方の肩部を重点的にマッサージすることもできる。
【0090】
また、センサユニット14により、エアセルの内圧を検出することで、肩マッサージユニット7A,7Bの動作について、より細かな制御を行うことができる。例えば、肩マッサージユニット7Aと肩マッサージユニット7Bとで、異なる押圧力で二次元動作を行わせることもできる。詳しくは、肩マッサージユニット7Aのエアセル72Aの内圧と肩マッサージユニット7Bのエアセル72Bの内圧を異ならせる(エアセル72Aの内圧>エアセル72Bの内圧,エアセル72Aの内圧<エアセル72Bの内圧)ことで、肩マッサージユニット7Aが与える押圧力と、肩マッサージユニット7Bが与える押圧力と、を異ならせることができる。つまり、左右の肩マッサージユニット7A,7Bで異なる押圧力によるマッサージをすることができる。
また、検出する内圧の設定をマッサージ動作のタイミングに応じて適宜変更可能に構成すれば、さらに細かな制御をすることができ、バリエーションに富んだマッサージ動作をすることができる。
【0091】
例えば、エアセル72Aの内圧が低い状態で肩マッサージユニット7Aを駆動させれば、肩マッサージユニット7Aとエアセル72Aとによる擦り動作を実現することができる。また、エアセル72Aの内圧が強い状態で肩マッサージユニット7Aを駆動させれば、肩マッサージユニット7Aとエアセル72Aとによる揉み動作を実現することができる。そうすることで、肩マッサージユニット7Aとエアセル72Aとによるハイブリッドなマッサージ動作を実現することができる。
なお、肩マッサージユニット7Bも肩マッサージユニット7Aと同様に、肩マッサージユニット7Bの駆動とエアセル72Bの内圧とを組み合わせることで、ハイブリッドなマッサージ動作を実現することができる。
【0092】
以降、通常のマッサージ装置の制御が行われる。すなわち、プロセッサ11は、決定したマッサージコースに必要な動作パラメータを設定する(ステップS107)。ステップS107では、ステップS103で検出したユーザXの体型や、タブレット200からの操作信号などに基づいて必要な動作パラメータが設定される。動作パラメータは、例えば、マッサージの位置やエアセルの押圧力、などである。それにより、必要なアクチュエータの動作量が決定される。その結果、ユーザXの体型やユーザ操作に応じたマッサージ動作を行わせることが可能になる。
【0093】
次に、プロセッサ11は、設定した動作パラメータを用いて、決定したマッサージコースに従ってマッサージを行うよう必要なマッサージユニットの動作を制御する(ステップS109)。これにより、マッサージ動作が行われる。
【0094】
プロセッサ11は、マッサージ動作中、センサユニット14のセンサからセンシング結果を得る(ステップS111)。プロセッサ11は、必要に応じて(ステップS113でYES)、センシング結果に応じて実行させる動作を変更する(ステップS115)。また、タブレット200からユーザ操作を受け付けた場合も(ステップS117でYES)、プロセッサ11は、ユーザ操作に応じて、実行させる動作を変更する(ステップS115)。
【0095】
プロセッサ11は、マッサージコースに規定されたマッサージ動作が終了するまで、ステップS109~S117を繰り返す(ステップS119でNO)。そして、マッサージコースに規定されたマッサージ動作が終了すると(ステップS119でYES)、プロセッサ11は一連の制御を終了する。
【0096】
以上の説明では、肩マッサージユニット7A,7Bが側壁部7に設けられているものとしているが、肩マッサージユニット7A,7Bは、側壁部7に替えて、又は、側壁部7に加えて他の位置に設けられていてもよい。他の位置は、身体支持部の左右方向の一方側と他方側とのそれぞれであればよく、例えば、フットレスト4や肘掛け部6などであってもよい。これにより、他の部位に対しても、同様にして、対象部位を押圧しながら手でなでる軽擦法、例えば、手のひらでなでる手掌軽擦法や、対象部位を手で揉む揉捏法、例えば、手のひらで揉む手掌揉捏法などによるマッサージを対象部位に施すことができる。
【0097】
図12は、マッサージ装置100に備えられる他の実施の形態に係る肩マッサージユニット7Bをマッサージ装置100の外側から見た図である。図13は、マッサージ装置100に備えられる他の実施形態に係る肩マッサージユニット7Bを上方から見た図であり、(a)は外郭73を移動させる前の状態であり、(b)は外郭73を移動させた後の状態であり、(c)は、(b)の状態から外郭73を省略した状態の図である。図14は、マッサージ装置100に備えられる他の実施形態に係る肩マッサージユニット7Bを、マッサージ装置100に着座したユーザ側(内側)から見た図である。実施の形態に係る肩マッサージユニット7Bと同じ構成の部材については、同一の番号を付している。
【0098】
図12を参照して、他の実施形態に係る肩マッサージユニット7Bは、エアセル72Bを有する肩マッサージユニットの本体を取り付けるための第一枠体90,第二枠体91,第三枠体92と、外郭73を移動させるための移動機構を備える点で、実施の形態とは構成が異なっている。第一枠体90~第三枠体92は、互いに組み合わされている。
【0099】
第一枠体90は、前後方向に伸びる金属製の部材で構成されている。第一枠体90は、前方と後方とで異なる形状をなしている。より詳しくは、第一枠体90は、前方から中央付近までは左右方向の幅が同じ棒のような形状となっており、中央付近から後方に向かって左右方向の幅が徐々に大きくなっていくような、略稲妻のような形状をなしている。
第一枠体90は、上下で対となっている。詳しくは、第二枠体91分の所定間隔を空けて、上下で対となっている。第一枠体90の中央付近より前方は、L字型に構成されている。第一枠体90の前方をL字型に構成することで、第二枠体91をL字型の溝に嵌め入れて固定することができる。また、第一枠体90の強度を確保することができる。第一枠体90の前方(より詳しくは、第一枠体90の前方に構成されたL字型の部分)には、第二枠体91が取り付けられている。第一枠体90の後方には、第三枠体92が取り付けられている。
【0100】
第二枠体91は、上下方向に伸びる金属製の板状の部材で構成されている。第二枠体91は、コの字型に構成されている。第二枠体91をコの字型に構成することで、第二枠体91の強度を確保することができる。第二枠体91の上端は、上方に位置する第一枠体90の前方に対して取り付けられている。第二枠体91の下端は、下方に位置する第一枠体90の前方に対して取り付けられている。
図14に示すように、第二枠体91の中央付近には、支持部材71の動きを規制するための凸形状の被ガイド部材733Aが1つ取り付けられている。被ガイド部材733Aが支持部材71の前方に設けられたガイド部材711としての長孔によってガイドされることにより、偏心カム731の回転が押圧部材の押圧方向に交差する面内で第1の方向及び第2の方向の2方向の成分を有する動作に変換される。
【0101】
第三枠体92は、金属製の板状の部材で構成されている。第三枠体92は、第一枠体90と固定枠99との間に位置するように取り付けられている。第三枠体92は、上下で対となっている。
第三枠体92の両側(第1の方向Bの両側)には、移動機構が取り付けられている。外郭73は、移動機構により、マッサージ装置100に着座したユーザXから離れる方向又はユーザXに接近する方向に移動させることができる。
第三枠体92の後方には、孔が設けられており、揺動軸98が挿通されている。また、第三枠体92の後方であって、揺動軸98より前方の位置には、リンク部材94が取り付けられている。第三枠体92の前方は、第一枠体90の後方と連結して取り付けられている。
【0102】
上下で対となっている第三枠体92の間には、コの字型に構成された金属製の板状の部材からなるエアセル取付板100が取り付けられている(図14参照)。より詳しくは、エアセル取付板100は、平面視で左右方向内側から左右方向外側に向かって傾斜するように第三枠体92に対して取り付けられている。エアセル取付板100の中央付近には、エアセル95の給排気口を挿通させるための孔が設けられており、エアセル95は、エアセル取付板100に対して取り付けられている。つまり、エアセル取付板100は、エアセル95が膨張した際の反力受けとしての機能も有している。
【0103】
図12に示すように、エアセル95の左右方向外側には、支持板93が取り付けられている。支持板93は、金属製の部材であり、前方を除く三辺が左右方向外側に屈曲した形状となっている。支持板93の上辺と下辺の後方には、それぞれ切欠きが設けられている。その切欠きに揺動軸98が嵌りこむようになっており、支持板93は、揺動軸98とねじ止めして固定されている。支持板93の側方には、リンク軸97が取り付けられている。リンク軸97は、リンク部材94に設けられた孔Kに挿通されている。
つまり、支持板93は、揺動軸98を支点として左右方向に移動することができ、その移動範囲は、リンク軸97と孔Kにより、規制されている。
【0104】
リンク部材94の端部は、ダブルトーションバネ96が取り付けられている。ダブルトーションバネ96により、リンク部材94は、押圧方向Aの方向に常時付勢されている。外郭73は、リンク部材94に取り付けられている。
【0105】
エアセル95を膨張させると、揺動軸98を支点として支持板93が揺動し、それに伴って、リンク部材94も押圧方向Aと反対の方向に移動する。リンク部材94の孔Kには、支持板93のリンク軸97が挿通されているため、リンク部材94の移動と支持板93の移動とが連動し、マッサージ装置100に着座したユーザXから離れる方向に移動する。
エアセルを収縮させると、ダブルトーションバネ96の作用により、揺動軸98を支点として、リンク部材94は押圧方向Aに移動する。リンク部材94の孔Kには、支持板93のリンク軸97が挿通されているため、リンク部材94の移動と支持板93の移動とが連動し、マッサージ装置100に着座したユーザXに接近する方向に移動する。
つまり、支持板93とリンク部材94とエアセル95とダブルトーションバネ96とリンク軸97と揺動軸98は、外郭73を移動させるための移動機構である。
【0106】
第三枠体92の側方(押圧方向A側)には、肩マッサージユニット7Bを背凭れ部3に対して取り付けるための固定枠99が取り付けられている。固定枠99と背凭れ3とをねじ止め(実施例においては、上下3ヶ所ずつ)することで、肩マッサージユニット7Bを背凭れ部3に取り付けることができる。
つまり、肩マッサージユニット7Bは、固定枠99を介して、背凭れ部3に対して取り付けられている。
【0107】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0108】
1a :施療機
2 :座部
2A :太ももマッサージユニット
2a :側壁部
3 :背凭れ部
4 :フットレスト
4A :足マッサージユニット
4B :足マッサージユニット
4a :膨縮袋
5 :枕部
6 :肘掛け部
6A :腕マッサージユニット
6B :腕マッサージユニット
7 :側壁部
7A :肩マッサージユニット
7B :肩マッサージユニット
8 :メカマッサージユニット
8A :ガイドレール
8B :施療子
9 :ポンプユニット
10 :制御装置
11 :プロセッサ
11a :座部
12 :メモリ
12a :背当て部
14 :センサユニット
18 :リクライニングユニット
22a :突起体
61 :プロセッサ
71 :支持部材
71a :外側面
71b :内側面
71-1 :支持部材
71-2 :支持部材
71-3 :支持部材
71-4 :支持部材
72A :エアセル
72B :エアセル
73 :外郭
73a :外側面
73b :内側面
75 :駆動回路
76 :駆動回路
77 :駆動回路
78 :駆動回路
81 :駆動回路
82 :駆動回路
91 :駆動回路
93 :ポンプ
100 :マッサージ装置
111 :判定処理
121 :プログラム
200 :タブレット
711 :ガイド部材
711A :凸部
711B :凸部
711C :凸部
711D :凹部
731 :偏心カム
732 :回転中心
733 :ベース部
733A :被ガイド部材
A :押圧方向
B :第1の方向
C :第2の方向
D :マッサージ動作
F1 :成分
F11 :成分
F12 :成分
F2 :成分
F3 :成分
F4 :成分
F5 :成分
F6 :成分
F7 :成分
F8 :成分
K1 :間隔
K2 :長さ
L1 :第1軌跡
L2 :第2軌跡
LA :二次元動作
LB :二次元動作
M1 :モータ
M2 :モータ
M3 :マッサージモータ
M4 :昇降モータ
X :ユーザ
h :高さ
t :高さ
О :中心
P1 :点
P2 :点
P3 :点
P4 :点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14