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特開2023-113553距離測定装置、自動ドアシステム、開閉システムおよび距離測定方法
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  • 特開-距離測定装置、自動ドアシステム、開閉システムおよび距離測定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023113553
(43)【公開日】2023-08-16
(54)【発明の名称】距離測定装置、自動ドアシステム、開閉システムおよび距離測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 3/06 20060101AFI20230808BHJP
【FI】
G01C3/06 110B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170949
(22)【出願日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2022015898
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】317006258
【氏名又は名称】オプテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】大庭 浩之
(72)【発明者】
【氏名】平井 和彦
【テーマコード(参考)】
2F112
【Fターム(参考)】
2F112AA09
2F112BA05
2F112CA12
2F112DA25
2F112DA28
2F112FA03
2F112FA07
2F112FA21
2F112FA35
2F112FA45
(57)【要約】
【課題】距離測定のための処理量を削減する。
【解決手段】検出装置(30)は、発光素子(31)と、受光素子(33Aa)を備える複数の画素部(33A)が2次元に配置された画像センサ(33)と、を備える。画像センサ(33)は、受光素子(33Aa)の受光量が第1閾値を上回った場合、当該受光素子(33Aa)を備える画素部(33A)の画像センサ(33)における位置を出力する位置出力部を備える。検出装置(30)は、照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが画像センサ(33)上で結像する点を、対象物との距離を変えながら画像センサ(33)上で結んだ線を反射軌跡としたとき、前記位置が反射軌跡上にあるか否かを判定する位置判定部(34B)と、前記位置が反射軌跡上にある場合、前記位置と対象物までの距離との関係を用いて、対象物までの距離を導出する距離導出部(34C)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の発光素子と、
受光素子を備える複数の画素部が2次元に配置された画像センサと、を備え、
前記画像センサは、前記受光素子において、受光量が第1閾値を上回った場合、当該受光素子を備える前記画素部の前記画像センサにおける位置を出力する位置出力部を備え、
前記発光素子からの照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが前記画像センサ上で結像する点を、前記対象物との距離を変えながら前記画像センサ上で結んだ線を反射軌跡としたとき、前記位置が前記反射軌跡上にあるか否かを判定する位置判定部と、
前記位置が前記反射軌跡上にある場合、前記位置と前記対象物までの距離との関係を用いて、前記対象物までの距離を導出する距離導出部と、を備えた距離測定装置。
【請求項2】
前記複数の画素部のそれぞれには、各受光素子における受光量が前記第1閾値を上回った場合、イベントを発生させるイベント発生部が備えられ、
前記位置出力部は、前記イベント発生部が前記イベントを発生した前記画素部の前記画像センサにおける位置を出力する、請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項3】
前記第1閾値および第2閾値は、基準受光量に対する割合として設定され、前記基準受光量は、前記イベントの発生後、該発生後の受光量に更新されるものであり、
前記第1閾値が示す受光量は前記基準受光量よりも前記基準受光量の第1割合分大きく、前記第2閾値が示す受光量は前記基準受光量よりも前記基準受光量の第2割合分小さく、
前記イベント発生部は、前記受光素子における前記受光量が前記第1閾値を上回った場合に加え、前記第2閾値を下回った場合、前記イベントを発生させる、請求項2に記載の距離測定装置。
【請求項4】
前記イベント発生部は、前記受光量が前記第1閾値を上回ったのか、または前記第2閾値を下回ったのかを識別可能なイベントを発生させる、請求項3に記載の距離測定装置。
【請求項5】
前記第1閾値を設定するための前記第1割合の絶対値は、前記第2閾値を設定するための前記第2割合の絶対値よりも大きく、
所定の時間内に、同一の受光素子において、前記受光量が、前記第1閾値を上回った後、前記第2閾値を下回ったかを判定する同一画素イベント判定部を備え、
前記位置判定部は、前記同一画素イベント判定部が、同一の受光素子において、前記受光量が、前記第1閾値を上回った後、前記第2閾値を下回ったと判定した受光素子を備える画素部の位置について、前記反射軌跡上にあるか否かを判定する、請求項4に記載の距離測定装置。
【請求項6】
前記画像センサは、前記イベント発生部が前記イベントを発生させた時刻を出力する時刻出力部を備える、請求項2に記載の距離測定装置。
【請求項7】
前記画像センサは、前記イベント発生部が前記イベントを発生させたときの、前記受光素子の受光量を示す情報を出力する受光量出力部を備える、請求項2に記載の距離測定装置。
【請求項8】
前記発光素子を複数備える、および、前記発光素子から照射された光を複数の前記照射ビームに分割する光分割機を備える、の少なくとも何れかである、請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項9】
複数の前記照射ビームによる前記反射軌跡が重ならないように、前記発光素子の発光方向が形成される、請求項8に記載の距離測定装置。
【請求項10】
同時に照射される複数の前記照射ビームによる前記反射軌跡が重ならないように、前記1以上の発光素子の発光方向が形成される、請求項8に記載の距離測定装置。
【請求項11】
前記複数の発光素子による複数の照射ビーム、または、前記光分割機により複数に分割された照射ビームは、複数の平行な第1直線上に並んでおり、
前記第1直線の方向と、前記発光素子と前記画像センサとを結んだ第2直線の方向とは異なる、請求項8に記載の距離測定装置。
【請求項12】
前記第1直線と前記第2直線とがなす角度は90度よりも小さい、請求項11に記載の距離測定装置。
【請求項13】
前記第1直線と前記第2直線とがなす角度は45度よりも小さい、請求項12に記載の距離測定装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の距離測定装置と、
自動ドアと、を含み、
前記自動ドアは、前記距離測定装置によって測定された距離を用いて判定された通行者の検出結果に基づいて開閉される、自動ドアシステム。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか1項に記載の距離測定装置と、
シャッターおよびゲートの少なくとも何れかと、を含み、
前記シャッターおよびゲートの少なくとも何れかは、前記距離測定装置によって測定された距離を用いて判定された通行者および通行物の検出結果に基づいて開閉される、開閉システム。
【請求項16】
発光素子と、受光素子を備える複数の画素部が2次元に配置された画像センサとを備えた距離測定装置において、測定対象までの距離を測定する距離測定方法であって、
前記受光素子において、受光量が第1閾値を上回った場合、当該受光素子を備える前記画素部の前記画像センサにおける位置を出力する位置出力ステップと、
前記発光素子からの照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが前記画像センサ上で結像する点を、前記対象物との距離を変えながら前記画像センサ上で結んだ線を反射軌跡としたとき、前記位置が前記反射軌跡上にあるか否かを判定する位置判定ステップと、
前記位置が前記反射軌跡上にある場合、前記位置と前記対象物までの距離との関係を用いて、前記対象物までの距離を導出する距離導出ステップと、を含む距離測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、対象物との距離を測定する距離測定装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
対象物との距離を測定する距離測定装置が広く普及している。このような距離測定装置では、距離測定までの時間をできるだけ短縮することが要求される場合がある。このような課題を解決するために、距離測定のための処理量(計算量)を削減する技術が、特許文献1および特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2021-518535号公報
【特許文献2】特表2021-522730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2の技術については、さらなる改良の余地がある。
【0005】
本開示の一態様は、距離測定のための処理量を削減することができる距離測定装置および距離測定方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る距離測定装置は、1以上の発光素子と、前記受光素子を備える複数の画素部が2次元に配置された画像センサと、を備え、前記画像センサは、前記受光素子において、受光量が第1閾値を上回った場合、当該受光素子を備える前記画素部の前記画像センサにおける位置を出力する位置出力部を備え、前記発光素子からの照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが前記画像センサ上で結像する点を、前記対象物との距離を変えながら前記画像センサ上で結んだ線を反射軌跡としたとき、前記位置が前記反射軌跡上にあるか否かを判定する位置判定部と、前記位置が前記反射軌跡上にある場合、前記位置と前記対象物までの距離との関係を用いて、前記対象物までの距離を導出する距離導出部と、を備える。
【0007】
上記の構成によれば、受光量が第1閾値を上回った画素部についてのみ、距離導出処理を行う。そのため、距離導出のための処理量を削減することができる。
【0008】
さらに、受光量が第1閾値を上回った受光素子のうち当該受光素子の位置が反射軌跡上にある場合にのみ、距離導出処理を行う。そのため、画像センサの全体を走査する必要がないので、距離導出のための処理量をさらに削減することができる。
【0009】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、前記複数の画素部のそれぞれには、各受光素子における受光量が前記第1閾値を上回った場合、イベントを発生させるイベント発生部が備えられ、前記位置出力部は、前記イベント発生部が前記イベントを発生した前記画素部の前記画像センサにおける位置を出力してもよい。
【0010】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、前記第1閾値および第2閾値は、基準受光量に対する割合として設定され、前記基準受光量は、前記イベントの発生後、該発生後の受光量に更新されるものであり、前記第1閾値が示す受光量は前記基準受光量よりも前記基準受光量の第1割合分大きく、前記第2閾値が示す受光量は前記基準受光量よりも前記基準受光量の第2割合分小さく、前記イベント発生部は、前記受光素子における前記受光量が前記第1閾値を上回った場合に加え、前記第2閾値を下回った場合、前記イベントを発生させてもよい。
【0011】
上記の構成によれば、反射ビームが結像されなくなり受光素子における受光量がイベント発生前の受光量となったときに、イベントを発生させることができる。
【0012】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、前記イベント発生部は、前記受光量が前記第1閾値を上回ったのか、または前記第2閾値を下回ったのかを識別可能なイベントを発生させてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、受光量が大きいことによりイベントが発生したのか、受光量が小さいことによりイベントが発生したのかを認識することができる。
【0014】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、前記第1閾値を設定するための前記第1割合の絶対値は、前記第2閾値を設定するための前記第2割合の絶対値よりも大きく、所定の時間内に、同一の受光素子において、前記受光量が、前記第1閾値を上回った後、前記第2閾値を下回ったかを判定する同一画素イベント判定部を備え、前記位置判定部は、前記同一画素イベント判定部が、同一の受光素子において、前記受光量が、前記第1閾値を上回った後、前記第2閾値を下回ったと判定した受光素子を備える画素部の位置について、前記反射軌跡上にあるか否かを判定してもよい。
【0015】
上記の構成によれば、受光量が第1閾値を上回った受光素子と、その後に第2閾値を下回った受光素子が同じであるかどうかを確認できる。そのため、照射ビームにより当該受光素子において受光量が第1閾値を上回ったことを確認でき、照射ビームによりイベントが発生した画素部の位置を正確に認識することができる。また、照射ビームの照射を中止したことによりイベントが発生したときのみ処理を行うので、処理量を削減できる。
【0016】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、前記画像センサは、前記イベント発生部が前記イベントを発生させた時刻を出力する時刻出力部を備えてもよい。
【0017】
上記の構成によれば、イベントが発生した時間を認識することができる。
【0018】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、前記画像センサは、前記イベント発生部が前記イベントを発生させたときの、前記受光素子の受光量を示す情報を出力する受光量出力部を備えてもよい。
【0019】
上記の構成によれば、イベントが発生したときの明るさを認識することができる。
【0020】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、前記発光素子を複数備える、および、前記発光素子から照射された光を複数の前記照射ビームに分割する光分割機を備える、の少なくとも何れかであってもよい。
【0021】
上記の構成によれば、複数の照射ビームを生成できるので、距離測定装置の測定領域を広げることができる。
【0022】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、前記複数の照射ビームによる前記反射軌跡が重ならないように、前記発光素子の発光方向が形成されてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、反射軌跡が重なって画像センサ上で複数の反射ビームが混同してしまうことを排除することができるので、測定の精度を向上させることができる。
【0024】
本開示の一態様に係る距離測定装置では、同時に照射される前記複数の照射ビームによる前記反射軌跡が重ならないように、前記1以上の発光素子の発光方向が形成されてもよい。
【0025】
上記の構成によれば、反射軌跡が重なって画像センサ上で複数の反射ビームが混同してしまうことを排除することができるので、測定の精度を向上させることができる。
【0026】
本開示の一態様に係る自動ドアシステムは、前記距離測定装置と、前記距離測定装置によって測定された距離を用いて、通行者を検出する検出装置と、前記検出部の検出結果に基づいて開閉される自動ドアと、を含む。
【0027】
本開示の一態様に係る開閉システムは、前記距離測定装置と、前記距離測定装置によって測定された距離を用いて、通行者および通行物を検出する検出装置と、前記検出装置の検出結果に基づいて開閉されるシャッターおよびゲートの少なくとも何れかと、を含む。
【0028】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る距離測定方法は、発光素子と、受光素子を備える複数の画素が2次元に配置された画像センサとを備えた距離測定装置において、測定対象までの距離を測定する距離測定方法であって、前記複数の受光素子それぞれにおいて、受光量が第1閾値を上回った場合、当該受光素子を備える前記画素の前記画像センサにおける位置を出力する位置出力ステップと、前記発光素子からの照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが前記画像センサ上で結像する点を、前記対象物との距離を変えながら前記画像センサ上で結んだ線を反射軌跡としたとき、前記位置が前記反射軌跡上にあるか否かを判定する位置判定ステップと、前記位置が前記反射軌跡上にある場合、前記位置と前記対象物までの距離との関係を用いて、前記対象物までの距離を導出する距離導出ステップと、を含む。
【0029】
上記の構成によれば、受光量が第1閾値を上回った受光素子についてのみ、距離導出処理を行う。そのため、距離導出のための処理量を削減することができる。
【0030】
さらに、受光量が第1閾値を上回った受光素子のうち当該受光素子の位置が反射軌跡上にある場合にのみ、距離導出処理を行う。そのため、画像センサの全体を走査する必要がないので、距離導出のための処理量をさらに削減することができる。
【発明の効果】
【0031】
本開示の一態様によれば、距離測定のための処理量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本開示の実施形態1に係る自動ドアシステムの要部構成を示すブロック図である。
図2】上記自動ドアシステムの外観図である。
図3】上記自動ドアシステムが備える画像センサの正面図である。
図4】上記画像センサが備えるイベント発生部によるイベントの発生の一例を説明するための図である。
図5】本開示の実施形態1に係る反射軌跡を説明するための図である。
図6】本開示の実施形態1に係る測定対象までの距離を測定する距離測定方法の処理の一例を示すフローチャートである。
図7】本開示の実施形態1に係る測定対象までの距離を測定する距離測定方法の処理の他の一例を示すフローチャートである。
図8】本開示の実施形態2に係るシャッター開閉システムの要部構成を示すブロック図である。
図9】検出領域Dに照射される照射ビームの発光パターンの例を示す図である。
図10】自動ドアシステムの上方から検出装置および検出領域を見たときの、反射軌跡が重なる場合の発光パターンを示す図である。
図11図10に示す発光パターンにおける、各照射ビームの反射軌跡を示す図である。
図12】自動ドアシステムの上方から検出装置および検出領域を見たときの、反射軌跡が重ならない場合の発光パターンを示す図である。
図13図12に示す発光パターンにおける、各照射ビームの反射軌跡を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
〔実施形態1〕
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態における自動ドアシステム1の要部構成を示すブロック図である。図2は、自動ドアシステム1の外観図である。図2は、自動ドア10を外部側から見た図であり、後述する第1スライドドア11および第2スライドドア12が閉状態となっている様子を示す図を示している。
【0034】
なお、以下では、検出装置30が自動ドアシステム1に備えられている例を挙げて説明するが、検出装置30の用途はこれに限られるものではない。検出装置30が有する距離測定機能は、自動ドアシステム1以外にも、距離測定が必要なシステムに用いることができる。
【0035】
図1および図2に示すように、自動ドアシステム1は、自動ドア10と、検出装置30と、ドア開閉制御部40とを備える。
【0036】
自動ドア10は、第1スライドドア11および第2スライドドア12を備えている。第1スライドドア11および第2スライドドア12は、後述するドア開閉制御部40によって開閉動作が制御される。
【0037】
検出装置30は、1以上の発光素子31と、光分割機32と、画像センサ33と、制御部34を備えている。
【0038】
発光素子31は、検出装置30の検出領域に照射ビームとしての光を照射する素子である。発光素子31は、所定の時間、光をパルス照射する。
【0039】
光分割機32は、発光素子31から照射された光を複数の光(照射ビーム)に分割する。発光素子31から照射された光は、光分割機32によって分割されることにより、検出装置30から照射される照射ビームの発光パターンが形成される。当該発光パターンの詳細については後述する。光分割機32によって発光素子31から照射された光を複数の照射ビームに分割することができるので、1つの発光素子31から複数の照射ビームを生成できる。これにより、検出装置30の検出領域を広げることができる。
【0040】
画像センサ33は、発光素子31から照射された照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが結像するセンサである。図3は、画像センサ33の正面図である。図3に示すように、画像センサ33は、2次元に配置された複数の画素部33Aを有しており、各画素部33Aは、受光素子33Aaを備えている。これにより、画像センサ33には、複数の受光素子33Aaが2次元に配置されている。複数の受光素子33Aaは、発光素子31から照射された照射ビームが対象物にて反射された反射ビームを受光し、これにより画像センサ33において反射ビームが結像する。複数の受光素子33Aaは、互いに光学的に分離されているとともに、時間的動作が分離されている。
【0041】
図1に示すように、複数の画素部33Aのそれぞれには、閾値判定部33Abおよびイベント発生部33Acが備えられている。簡略化のため、図1には2つの画素部33Aのみを図示している。
【0042】
閾値判定部33Abは、各受光素子33Aaにおける受光量が所定の閾値(以降では、第1閾値と称する)を上回ったか否かを判定する。また、閾値判定部33Abは、各受光素子33Aaにおける受光量が所定の閾値(以降では、第2閾値と称する)を下回ったか否かを判定する。
【0043】
イベント発生部33Acは、閾値判定部33Abが各受光素子33Aaにおける受光量が第1閾値を上回ったと判定した場合、または、閾値判定部33Abが各受光素子33Aaにおける受光量が第2閾値を下回ったと判定した場合にイベントを発生させる。以降では、受光素子33Aaにおける受光量が第1閾値を上回ったことにより発生するイベントをポジティブイベントと称し、受光素子33Aaにおける受光量が第2閾値を下回ったことにより発生するイベントをネガティブイベントと称する場合がある。
【0044】
図4は、イベント発生部33Acによるイベントの発生の一例を説明するための図である。図4に示すように、一例として、或る受光素子33Aaにおいて、時刻t0から時刻t1にかけて反射ビームが結像されず、時刻t1から時刻t2にかけて、反射ビームが結像されたとする。時刻t0から時刻t1の間においては、上記の或る受光素子33Aaにおいて反射ビームが結像されていないが、外光(例えば、太陽光など)を受光しているため、所定の受光量(ここでは、受光量RAとする)の光が結像される。
【0045】
このような場合、閾値判定部33Abは、時刻t0から時刻t1における上記第1閾値(以降では、第1閾値P1と称する)を、受光量RAに対する割合として設定する。すなわち、閾値判定部33Abは、受光量RAを基準受光量として、基準受光量よりも大きくなるように、受光量RAに受光量RAの第1割合(例えば、20%)を加えた受光量を第1閾値P1として設定する。
【0046】
また、閾値判定部33Abは、時刻t0から時刻t1における上記第2閾値(以降では、第2閾値P2と称する)を、受光量RAに対する割合として設定する。すなわち、閾値判定部33Abは、受光量RAを基準受光量として、基準受光量よりも小さくなるように、受光量RAから受光量RAの第2割合(例えば、10%)を減じた受光量を第2閾値P2として設定する。
【0047】
閾値判定部33Abは、上記第1閾値を設定するための第1割合の絶対値が、上記第2閾値を設定するための第2割合の絶対値よりも大きくなるように設定する。上記の第1閾値P1および第2閾値P2の例では、第1割合の絶対値が20であり、第2割合の絶対値が10であるため、上記の設定条件を満たしている。
【0048】
イベント発生部33Acは、反射ビームが結像されたことにより上記或る受光素子33Aaにおける受光量が第1閾値P1よりも大きい受光量RBとなったと閾値判定部33Abが判定したとき、すなわち、時刻t1において、ポジティブイベントを発生させる。
【0049】
閾値判定部33Abは、イベントが発生した場合、第1閾値および第2閾値を更新する。図4に示す例では、閾値判定部33Abは、ポジティブイベントが発生した時刻t1に第1閾値および第2閾値を更新する。閾値判定部33Abは、時刻t1以降の第1閾値(以降では、第1閾値P3と称する)を、ポジティブイベント後の受光量である受光量RBに対する割合として設定する。すなわち、閾値判定部33Abは、受光量RBを基準受光量として、基準受光量よりも大きくなるように、受光量RBに受光量RBの上記第1割合を加えた受光量を第1閾値P3として設定する。
【0050】
また、閾値判定部33Abは、時刻t1以降の第2閾値(以降では、第2閾値P4と称する)を、受光量RBに対する割合として設定する。すなわち、閾値判定部33Abは、ポジティブイベント後の受光量である受光量RBを基準受光量として、基準受光量よりも小さくなるように、受光量RBから受光量RBの上記第2割合を減じた受光量を第2閾値P4として設定する。
【0051】
イベント発生部33Acは、反射ビームが結像されなくなり上記或る受光素子33Aaにおける受光量が第2閾値P4よりも小さい受光量RAとなったと閾値判定部33Abが判定したとき、すなわち、時刻t2において、ネガティブイベントを発生させる。
【0052】
ここで、上記のように、第1閾値および第2閾値は、第1閾値を設定するための第1割合の絶対値が、第2閾値を設定するための第2割合の絶対値よりも大きくなるように設定されている。このため、反射ビームが結像されなくなり上記或る受光素子33Aaにおける受光量が時刻t0から時刻t1における受光量RAになった時刻t2における受光量RAが第2閾値P4を下回り、イベント発生部33Acがネガティブイベントを発生させることができる。
【0053】
イベント発生部33Acは、受光量が第1閾値を上回ったことにより発生したイベント(すなわち、ポジティブイベント)なのか、受光量が第2閾値を下回ったことによって発生したイベント(すなわち、ネガティブイベント)なのかを識別可能となるようにイベントを発生させる。
【0054】
画像センサ33は、さらに、位置出力部33Bと、イベント時刻出力部33C(時刻出力部)と、受光量出力部33Dとを備えている。
【0055】
位置出力部33Bは、複数の受光素子33Aaのそれぞれにおいて、受光量が第1閾値を上回った場合、当該受光素子33Aaを有する画素部33Aの画像センサ33における位置を出力する。具体的には、位置出力部33Bは、イベント発生部33Acがイベントを発生させた画素部33Aの、画像センサ33における位置を制御部34に出力する。位置出力部33Bは、画像センサ33における位置として2次元座標を出力する。
【0056】
イベント時刻出力部33Cは、イベント発生部33Acがイベントを発生させた時間を制御部34に出力する。制御部34は、イベント時刻出力部33Cからの出力により、イベントが発生した時間を認識することができる。
【0057】
受光量出力部33Dは、イベント発生部33Acがイベントを発生させたときの、当該イベントを発生させた画素部33Aの受光素子33Aaの受光量を示す情報を制御部34に出力する。受光量出力部33Dからの出力により、イベントが発生したときの明るさを認識することができる。
【0058】
制御部34は、検出装置30の各部を制御する。制御部34は、同一画素イベント判定部34Aと、位置判定部34Bと、距離導出部34Cと、検出部34Dとを備えている。
【0059】
同一画素イベント判定部34Aは、イベント発生部33Acが複数のイベントを発生させた場合、同一の受光素子33Aaにおいて、所定の時間内に、ポジティブイベントが発生した後、ネガティブイベントが発生したか否かを判定する。換言すれば、同一画素イベント判定部34Aは、所定の時間内に、同一の受光素子33Aaにおいて、受光量が、第1閾値を上回った後、第2閾値を下回ったかを判定する。上記所定の時間は、例えば、発光素子31が照射する照射ビームのパルス照射時間としてもよい。これにより、パルス照射時間の間に、同一の画素部33Aにおいて、ポジティブイベントが発生した後、ネガティブイベントが発生したと同一画素イベント判定部34Aが判定した画素部33Aが、反射ビームが結像した画素部33Aであると特定することができる。
【0060】
同一画素イベント判定部34Aは、ポジティブイベントが発生した後、ネガティブイベントが発生したと判定した画素部33Aの位置情報を位置判定部34Bに出力する。
【0061】
位置判定部34Bは、位置出力部33Bが出力したイベント発生部33Acがイベントを発生させた画素部33Aの位置が後述する反射軌跡上にあるか否かを判定する。
【0062】
図5は、上記の反射軌跡を説明するための図である。図5に示すように、画像センサ33には、予め、発光素子31から出射され、光分割機32によって分割された照射ビームのそれぞれについて、照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが画像センサ33上で結像する点を、上記対象物との距離を変えながら画像センサ33上で結んだ線が反射軌跡として記憶されている。図5には、複数の照射ビームのうち2本の照射ビームに関する反射軌跡A1および反射軌跡A2を示している。
【0063】
ここで、発光素子31から同時に出射される複数の照射ビームの照射領域が近い場合、複数の照射ビームの反射軌跡が重なってしまう場合があり、このような場合にはいずれの照射ビームによる反射軌跡であるかが判定することができないため、距離を正確に算出することができなくなってしまう。
【0064】
そこで、本開示の一態様では、発光素子31から照射された光を調整することにより、同時に照射される複数の照射ビームによる反射軌跡が重ならないように、1以上の発光素子31の発光方向が形成されていることが好ましい。例えば、第1方向(例えば、水平方向)において近い照射領域に複数の照射ビームを同時に照射したい場合には、上記第1方向と異なる方向(例えば、鉛直方向)において所定の距離以上互いに離間した領域に複数の照射ビームを照射することにより、複数の照射ビームによる反射軌跡が重ならないようにすることができる。その結果、いずれの照射ビームによる反射軌跡上に、イベントが発生した画素部33Aが位置しているのかを特定することができるので、測定の精度を向上させることができる。なお、複数の照射ビームが異なるタイミングで照射される場合には、当該複数の照射ビームによる反射軌跡は重なっていてもよい。
【0065】
また、本開示の一態様では、発光素子31から照射された光を調整することにより、いずれの照射ビームによる反射軌跡も互いに重ならないように、1以上の発光素子31の発光方向が形成されていてもよい。すなわち、複数の照射ビームによるすべての反射軌跡が重ならないように発光素子31から照射された光を調整してもよい。これにより、同時に複数のビームが照射されても、当該複数の照射ビームによる反射軌跡が重ならないようにできるため、測定の精度を向上させることができる。
【0066】
位置判定部34Bは、上記のように、イベント発生部33Acがイベントを発生させた画素部33Aの位置が複数の反射軌跡のうち何れかの反射軌跡上にあるか否かを判定する。位置判定部34Bは、画素部33Aの位置が複数の反射軌跡のうち何れかの反射軌跡上にある場合、当該位置を距離導出部34Cへ出力する。
【0067】
本開示の一態様では、位置判定部34Bは、ポジティブイベントが発生した後、ネガティブイベントが発生したと同一画素イベント判定部34Aが判定した画素部33Aについてのみ、当該画素部33Aが複数の反射軌跡のうち何れかの反射軌跡上にあるか否かを判定してもよい。ここで、照射ビームによって受光量が第1閾値を上回った受光素子33Aaは、当該照射ビームの照射が終わった後、受光量が第2閾値を下回るはずである。上記の構成によれば、受光量が第1閾値を上回った受光素子33Aaと、その後に第2閾値を下回った受光素子33Aaが同じであるかどうかを判定できる。そのため、照射ビームにより当該受光素子33Aaにおいて受光量が第1閾値を上回ったことを確認でき、照射ビームによりイベントが発生した画素部33Aの位置を正確に認識することができる。また、照射ビームの照射を中止したことによりイベントが発生したときのみ処理を行うので、処理量を削減できる。
【0068】
距離導出部34Cは、位置判定部34Bにより出力された何れかの反射軌跡上にある画素部33Aの位置を用いて測定対象までの距離を導出する。上記のように、反射軌跡は、反射ビームが画像センサ33で結像する点を上記対象物との距離を変えながら結んだ線である。距離導出部34Cは、反射軌跡上にある画素部33Aのそれぞれについて、画像センサ33と上記対象物との距離を画素部33Aの位置と対応させて予め記憶している。なお、画像センサ33と対象物との距離ではなく、画像センサ33を含む検出装置30が備えられている自動ドアシステム1と対象物との距離を画素部33Aの位置と対応させて予め記憶していてもよい。
【0069】
距離導出部34Cは、位置判定部34Bにより画素部33Aの位置を受け取ると、当該位置に対応する、画像センサ33と上記対象物との距離を読み出すことにより、画像センサ33から測定対象までの距離を導出する。すなわち、距離導出部34Cは、位置判定部34Bにより出力された何れかの反射軌跡上にある画素部33Aの位置が反射軌跡上にある場合、当該画素部33Aの位置と対象物までの距離との関係を用いて、画像センサ33から対象物までの距離を導出する。距離導出部34Cは、導出したから画像センサ33から測定対象までの距離を検出部34Dに出力する。
【0070】
検出部34Dは、距離導出部34Cから出力された画像センサ33から測定対象までの距離を用いて、通行者を検出する。換言すれば、検出部34Dは、距離導出部34Cから出力された画像センサ33から測定対象までの距離を用いて、通行者の検出の有無を判定する。例えば、検出部34Dは、画像センサ33から測定対象までの距離が所定の距離よりも近い場合に、通行者を検出したとしてもよい。検出部34Dは、通行者の検出結果をドア開閉制御部40に出力する。
【0071】
ドア開閉制御部40は、検出部34Dによって検出された、自動ドア10の近傍に存在する通行者の検出結果に基づいて、自動ドア10の開閉動作を制御する。例えば、ドア開閉制御部40は、検出部34Dから自動ドア10の近傍に通行者が存在するとの検出結果を受け取った場合、自動ドア10を開動作させてもよい。
【0072】
上記のように、本実施形態における自動ドアシステム1では、発光素子31、光分割機32、画像センサ33、同一画素イベント判定部34A、位置判定部34Bおよび距離導出部34Cが距離測定装置として機能する。また、自動ドアシステム1は、上記距離測定装置によって測定された距離を用いて、通行者を検出する検出部34Dを備えている。すなわち、検出装置30は、画像センサ33から測定対象までの距離を測定する距離測定装置と、通行者を検出する検出装置としての機能を備えている。また、自動ドアシステム1は、検出部34Dによって検出された通行者の検出結果に基づいて、自動ドア10の開閉動作を制御するドア開閉制御部40を備えている。換言すれば、自動ドアシステム1では、自動ドア10は、上記距離測定装置によって測定された距離を用いて判定された通行者の検出結果に基づいて開閉される。
【0073】
次に、検出装置30による測定対象までの距離を測定する距離測定方法について説明する。以下では、距離測定方法について、ポジティブイベントのみを用いた距離測定方法と、ポジティブイベントとネガティブイベントとを共に用いた距離測定方法とについて説明する。
【0074】
図6は、ポジティブイベントのみを用いた距離測定方法の処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、ポジティブイベントのみを用いた距離測定方法では、まず、制御部34の指示により、発光素子31から光が照射される(ステップS1、照射ステップ)。発光素子31から照射された光は、光分割機32によって複数の照射ビームに分割され、所定の発光パターンで検出領域Dに照射される。
【0075】
次に、各画素部33Aにおいて、閾値判定部33Abが受光素子33Aaの受光量が第1閾値を上回った否かを判定する(ステップS2)。受光量が第1閾値を上回っていない場合(ステップS2でNo)、ステップS1に戻る。
【0076】
一方で、受光量が第1閾値を上回った場合(ステップS2でYES)、イベント発生部33Acは、当該受光素子33Aaを備える画素部33Aにおいてポジティブイベントを発生させる(ステップS3、イベント発生ステップ)。イベント発生部33Acがポジティブイベントを発生させると、位置出力部33Bが、ポジティブイベントが発生した画素部33Aの位置を位置判定部34Bに出力する。
【0077】
次に、位置判定部34Bが、位置出力部33Bが出力した画素部33Aの位置、すなわち、イベント発生部33Acがポジティブイベントを発生させた画素部33Aの位置が複数の反射軌跡のうち何れかの反射軌跡上にあるか否かを判定する(ステップS4、位置判定ステップ)。
【0078】
イベント発生部33Acがイベントを発生させた画素部33Aの位置が複数の反射軌跡のうちのいずれの反射軌跡上にもない場合(ステップS4でNO)、ステップS1に戻る。
【0079】
一方で、イベント発生部33Acがイベントを発生させた画素部33Aの位置が複数の反射軌跡のうち何れかの反射軌跡上にある場合(ステップS4でYES)、距離導出部34Cが、位置判定部34Bにより出力された何れかの反射軌跡上にある画素部33Aの位置を用いて測定対象までの距離を導出する(ステップS5、距離導出ステップ)。
【0080】
以上のように、本実施形態における検出装置30では、イベント発生部33Acがイベントを発生させた画素部33Aについてのみ、距離導出処理を行う。そのため、全ての画素について距離導出処理を行う従来の技術と比べて、距離導出のための処理量を削減することができる。
【0081】
また、検出装置30では、イベントが発生した画素部33Aの位置が反射軌跡上にあるか否かを判定し、当該画素部33Aの位置が反射軌跡上にある場合にのみ、距離導出処理を行う。そのため、画像センサ33の全体を走査する必要がないので、距離導出のための処理量をさらに削減することができる。
【0082】
さらに、検出装置30では、距離導出部34Cが、予め記憶していた、画素部33Aの位置に対応する、画像センサ33と上記対象物との距離を読み出すことにより、画像センサ33から測定対象までの距離を導出する。これにより、距離導出のための処理量をさらに削減することができる。
【0083】
図7は、ポジティブイベントとネガティブイベントとを共に用いた距離測定方法の処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、ポジティブイベントとネガティブイベントとを共に用いた距離測定方法では、まず、制御部34の指示により、発光素子31から光が照射される(ステップS11、照射ステップ)。発光素子31から照射された光は、光分割機32によって複数の照射ビームに分割され、所定の発光パターンで検出領域Dに照射される。
【0084】
次に、各画素部33Aにおいて、閾値判定部33Abが受光素子33Aaの受光量が第1閾値を上回った否かを判定する(ステップS12)。受光量が第1閾値を上回っていない場合(ステップS12でNo)、ステップS11に戻る。
【0085】
一方で、受光量が第1閾値を上回った場合(ステップS12でYES)、イベント発生部33Acは、当該受光素子33Aaを備える画素部33Aにおいてポジティブイベントを発生させる(ステップS13、イベント発生ステップ)。イベント発生部33Acがポジティブイベントを発生させると、位置出力部33Bが、ポジティブイベントが発生した画素部33Aの位置を制御部34に出力する。
【0086】
次に、位置判定部34Bが、位置出力部33Bが出力した画素部33Aの位置、すなわち、イベント発生部33Acがポジティブイベントを発生させた画素部33Aの位置が複数の反射軌跡のうち何れかの反射軌跡上にあるか否かを判定する(ステップS14、位置判定ステップ)。イベント発生部33Acがイベントを発生させた画素部33Aの位置が複数の反射軌跡のうちのいずれの反射軌跡上にもない場合(ステップS4でNO)、ステップS11に戻る。
【0087】
一方で、イベント発生部33Acがイベントを発生させた画素部33Aの位置が複数の反射軌跡のうち何れかの反射軌跡上にある場合(ステップS14でYES)、制御部34が当該画素部33Aの位置を記憶する(ステップS15)。
【0088】
次に、発光素子からの光照射が終了すると(ステップS16)、各画素部33Aにおいて、閾値判定部33Abが受光素子33Aaの受光量が第2閾値を下回った否かを判定する(ステップS17)。受光量が第2閾値を下回っていない場合(ステップS17でNo)、ステップS11に戻る。
【0089】
一方で、受光量が第2閾値を下回った場合(ステップS17でYES)、イベント発生部33Acは、当該受光素子33Aaを備える画素部33Aにおいてネガティブイベントを発生させる(ステップS18、イベント発生ステップ)。イベント発生部33Acがネガティブイベントを発生させると、位置出力部33Bが、ネガティブイベントが発生した画素部33Aの位置を制御部34に出力する。
【0090】
次に、同一画素イベント判定部34Aが、位置出力部33Bから出力されたネガティブイベントが発生した画素部33Aの位置が、ステップS15において記憶したポジティブイベントが発生した画素部33Aの位置と同じかどうかを判定する(ステップS19)。位置出力部33Bから出力されたネガティブイベントが発生した画素部33Aの位置が、ステップS15において記憶したポジティブイベントが発生した画素部33Aの位置と異なる場合(ステップS19でNo)、ステップS11に戻る。
【0091】
一方で、位置出力部33Bから出力されたネガティブイベントが発生した画素部33Aの位置が、ステップS15において記憶したポジティブイベントが発生した画素部33Aの位置と同じ場合(ステップS19でYes)、距離導出部34Cが、位置判定部34Bにより出力された何れかの反射軌跡上にある画素部33Aの位置を用いて測定対象までの距離を導出する(ステップS20、距離導出ステップ)。
【0092】
上記のポジティブイベントとネガティブイベントとを共に用いた距離算出方法では、同一の画素部33Aにおいて、同一の画素部33Aにおいて受光量が第1閾値を上回った後に第2閾値を下回ったかどうかを判定することができる。そのため、照射ビームにより当該画素部33Aにおいて受光量が第1閾値を上回ったことを確認でき、照射ビームによりイベントが発生した画素部33Aの位置を正確に認識することができる。また、照射ビームの照射を中止したことによりネガティブイベントが発生したときのみ処理を行うので、処理量を削減できる。
【0093】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0094】
実施形態1では、検出装置30を自動ドアシステムに適用する態様について説明したが、本実施形態では、検出装置30をシャッター開閉システム(開閉システム)に適用する態様について説明する。
【0095】
図8は、本実施形態におけるシャッター開閉システム2の要部構成を示すブロック図である。図8に示すように、シャッター開閉システム2は、実施形態1における自動ドア10およびドア開閉制御部40に代えて、シャッター50およびシャッター開閉制御部60を備えている。
【0096】
シャッター開閉制御部60は、検出部34Dによって検出された、シャッター50の近傍に存在する通行者の検出結果に基づいて、シャッター50の開閉動作を制御する。例えば、シャッター開閉制御部60は、検出部34Dからシャッター50の近傍に通行者又は通行物が存在するとの検出結果を受け取った場合、シャッター50を開動作させてもよい。
【0097】
本実施形態におけるシャッター開閉システム2においても、実施形態1における自動ドアシステム1と同様に、検出装置30の検出結果に基づいてシャッター50の開閉動作を制御する。そのため、従来のシャッター開閉システムと比べて、通行者または通行物からシャッター50までの距離を少ない処理量で測定することができる。
【0098】
上述の実施形態1および実施形態2では、検出装置30を自動ドアシステムまたはシャッター開閉システムに適用する態様について説明したが、検出装置30は、例えば、ゲートの開閉を制御するゲート開閉システムなどの他の戸開閉システムに適用することもできる。
【0099】
〔反射軌跡が重ならない構成例〕
次に、図9図13を参照して、反射軌跡が重ならない構成例について説明する。まず、図9を参照して、検出装置30から照射される照射ビームについて説明する。図9は、検出領域Dに照射される照射ビームの発光パターンの例を示す図である。上述したように、検出装置30の発光素子31から照射された光は光分割機32により分割される。分割された光は、図9に示すように複数の照射ビームとなって検出領域Dに照射される。図9に示す各ドットBは、検出領域Dにおける照射ビームそれぞれの照射位置を示す。よって、各ドットBは、検出領域Dにおける照射ビームの位置ということができる。図9に示す例では、各ドットBは、検出領域Dにおいて、自動ドア10と並行な方向に所定の間隔をあけて配置されているとともに、所定の間隔を開けて自動ドア10と並行に並んでいるドットBが自動ドア10から離れる方向にも配置されている。なお、これは、照射ビームの発光パターンの一例である。
【0100】
次に、図10および図11を参照して、反射軌跡が重なる場合の例について説明する。図10は、自動ドアシステム1の上方から検出装置30および検出領域Dを見た状態における発光パターンを示す図である。図10に示すように、検出領域DにおけるドットBを自動ドア10の方向に結ぶ直線を第1直線L1、発光素子31と画像センサ33とを結ぶ直線を第2直線L2とする。換言すれば、照射ビームの位置を示すドットBは第1直線L1上に並んでいる。また、発光素子31および画像センサ33は、第2直線L2上に並んでいる。なお、図10に示す例では、第1直線L1は、第1直線L1Aから第1直線L1Gまでの6本ある。ここでは、第1直線L1Aから第1直線L1Gまでをまとめて第1直線L1と呼ぶ。
【0101】
図11に、図10に示す発光パターンにおける、各照射ビームの反射軌跡を示す。図11は、一例として、対象物までの距離を0.5mから4mまでの間で移動させたときの反射軌跡を示す。図11では、図10に示す各ドットBに対応する反射軌跡Rがそれぞれ示されている。
【0102】
図11の1101は、対象物までの距離を2mから4mまで移動させたときの反射軌跡Rである。1102は、対象物までの距離を1.5mから4mまで移動させたときの反射軌跡Rである。1103は、対象物までの距離を0.5mから4mまで移動させたときの反射軌跡Rである。
【0103】
図11の1101に示すように、対象物までの距離が2mから4mまでの間であれば、反射軌跡Rは、それぞれ重なることはない。よって、この場合は、対象物までの距離を正確に導出することができる。また、図11の1102に示すように、対象物までの距離が1.5mから4mまでの間であっても、反射軌跡Rは、重ならない。よって、この場合も対象物までの距離を導出できる。しかし、図11の1103に示すように、対象物までの距離が0.5mから4mとなった場合、それぞれの反射軌跡Rが重なってしまう。よって、この場合、対象物までの距離を正確に導出することができなくなる。
【0104】
例えば、ドットB1(図10)の照射ビームに対応する反射軌跡R1(図11)の線分の伸びる方向と、ドットB2(図10)の照射ビームに対応する反射軌跡R2(図11)の線分の伸びる方向とが同じとなり、図11の1103に示す例では、反射軌跡R1と反射軌跡R2との区別がつかなくなる。
【0105】
したがって、図10に示すような、照射ビームの発光パターンを示す第1直線L1と発光素子31および画像センサ33の位置関係を示す第2直線L2とが平行になるような関係にある場合、反射軌跡Rが重なり、対象物までの距離を正確に導出できないことが分かる。なお、反射軌跡は、同じ移動距離であっても、対象物までの距離が遠くなるほど短く、距離が近くなるほど長くなるため、検出装置30からの距離が近い対象物までの距離の導出が求められる場合ほど、反射軌跡Rが重なる可能性が高くなる。
【0106】
上述した課題を解決するために、本願発明者らは、発光素子31と画像センサ33との位置関係と、照射ビームの発光パターンの位置関係とを工夫することにより、反射軌跡を重ならないようにするができることを見出した。以下に、本願発明者が見出した構成について説明する。
【0107】
図12および図13を参照して、本願発明者らが見出した、発光素子31と画像センサ33との位置関係と、照射ビームの発光パターンの位置関係とについて説明する。図12は、自動ドアシステム1の上方から検出装置30および検出領域Dを見た状態における発光パターンを示す図である。図12に示すように、本構成例では、検出領域DにおけるドットBを自動ドア10の方向に結ぶ第1直線L1と、発光素子31と画像センサ33とを結ぶ第2直線L2とが平行ではなく、角度αを有している。この構成例における反射軌跡を図13に示す。
【0108】
図13は、上述した図11と同様に、一例として、対象物までの距離を0.5mから4mまでの間で移動させたときの反射軌跡Rを示す。図13の1301は、対象物までの距離を2mから4mまで移動させたときの反射軌跡Rである。1302は、対象物までの距離を1.5mから4mまで移動させたときの反射軌跡Rである。1303は、対象物までの距離を0.5mから4mまで移動させたときの反射軌跡Rである。
【0109】
図13の1301、1302、1303では、上述した図11の例と異なり、対象物までの距離が0.5mから4mまでの間の何れにおいても反射軌跡Rが重なっていない。
【0110】
例えば、ドットB3(図12)の照射ビームに対応する反射軌跡R3(図13)の線分の伸びる方向と、ドットB4(図12)の照射ビームに対応する反射軌跡R4(図13)の線分の伸びる方向とは同じであるが、重なることはしない。図13の1303に示す例でも、反射軌跡R3と反射軌跡R4との区別は可能である。
【0111】
よって、照射ビームの発光パターンを示す第1直線L1と、発光素子31および画像センサ33の位置関係を示す第2直線L2とが平行にならない関係にある本構成例の場合、反射軌跡Rが重なることはなく、対象物までの距離を正確に導出できることが分かる。
【0112】
また、上述した角度αは、90度より小さいことが望ましく、45度よりも小さくてもよい。第2直線L2は、発光素子31と画像センサ33とを結ぶ直線であるので、角度αが90度であるということは、第1直線L1に対して、発光素子31と画像センサ33とが垂直方向に並んでいることになる。これは、発光素子31および画像センサ33を備える検出装置30の巨大化につながる。よって、角度αを90度より小さく、さらには45度より小さくすることで、検出装置30の巨大化を防ぎつつ、対象物までの距離を正確に導出することが可能となる。
【0113】
以上のように、本願発明者ら見出した構成は、照射ビームの検出領域Dにおける位置であるドットBを結ぶ直線、すなわち照射ビームの位置を結ぶ直線を第1直線L1とし、発光素子31と画像センサ33を結ぶ直線を第2直線L2としたとき、第1直線L1と第2直線L2との方向が異なる、すなわち第1直線L1と第2直線L2とが平行でない構成である。
【0114】
換言すれば、複数に分割された照射ビームは、複数の平行な第1直線L1上に並んでおり、第1直線L1の方向と、発光素子31と画像センサ33とを結んだ第2直線L2の方向とは異なる構成である。
【0115】
この構成により、測定距離が近い場合から遠い場合までのどのような場合であっても、反射軌跡が重ならないようにすることができる。よって、検出装置30は対象物までの距離が近い場合から遠い場合までのどのような場合でも対象物までの距離を正確に導出することができる。
【0116】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る距離測定装置は、1以上の発光素子と、受光素子を備える複数の画素部が2次元に配置された画像センサと、を備え、前記画像センサは、前記受光素子において、受光量が第1閾値を上回った場合、当該受光素子を備える前記画素部の前記画像センサにおける位置を出力する位置出力部を備え、前記発光素子からの照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが前記画像センサ上で結像する点を、前記対象物との距離を変えながら前記画像センサ上で結んだ線を反射軌跡としたとき、前記位置が前記反射軌跡上にあるか否かを判定する位置判定部と、前記位置が前記反射軌跡上にある場合、前記位置と前記対象物までの距離との関係を用いて、前記対象物までの距離を導出する距離導出部と、を備える。
【0117】
本発明の態様2に係る距離測定装置は、前記態様1において、前記複数の画素部のそれぞれには、各受光素子における受光量が前記第1閾値を上回った場合、イベントを発生させるイベント発生部が備えられ、前記位置出力部は、前記イベント発生部が前記イベントを発生した前記画素部の前記画像センサにおける位置を出力する。
【0118】
本発明の態様3に係る距離測定装置は、前記態様1または2において、前記第1閾値および第2閾値は、基準受光量に対する割合として設定され、前記基準受光量は、前記イベントの発生後、該発生後の受光量に更新されるものであり、前記第1閾値が示す受光量は前記基準受光量よりも前記基準受光量の第1割合分大きく、前記第2閾値が示す受光量は前記基準受光量よりも前記基準受光量の第2割合分小さく、前記イベント発生部は、前記受光素子における前記受光量が前記第1閾値を上回った場合に加え、前記第2閾値を下回った場合、前記イベントを発生させる。
【0119】
本発明の態様4に係る距離測定装置は、前記態様1~3の何れかにおいて、前記イベント発生部は、前記受光量が前記第1閾値を上回ったのか、または前記第2閾値を下回ったのかを識別可能なイベントを発生させる。
【0120】
本発明の態様5に係る距離測定装置は、前記態様1~4の何れかにおいて、前記第1閾値を設定するための前記第1割合の絶対値は、前記第2閾値を設定するための前記第2割合の絶対値よりも大きく、所定の時間内に、同一の受光素子において、前記受光量が、前記第1閾値を上回った後、前記第2閾値を下回ったかを判定する同一画素イベント判定部を備え、前記位置判定部は、前記同一画素イベント判定部が、同一の受光素子において、前記受光量が、前記第1閾値を上回った後、前記第2閾値を下回ったと判定した受光素子を備える画素部の位置について、前記反射軌跡上にあるか否かを判定する。
【0121】
本発明の態様6に係る距離測定装置は、前記態様1~5の何れかにおいて、前記画像センサは、前記イベント発生部が前記イベントを発生させた時刻を出力する時刻出力部を備える。
【0122】
本発明の態様7に係る距離測定装置は、前記態様1~6の何れかにおいて、前記画像センサは、前記イベント発生部が前記イベントを発生させたときの、前記受光素子の受光量を示す情報を出力する受光量出力部を備える。
【0123】
本発明の態様8に係る距離測定装置は、前記態様1~7の何れかにおいて、前記発光素子を複数備える、および、前記発光素子から照射された光を複数の前記照射ビームに分割する光分割機を備える、の少なくとも何れかである。
【0124】
本発明の態様9に係る距離測定装置は、前記態様1~8の何れかにおいて、複数の前記照射ビームによる前記反射軌跡が重ならないように、前記発光素子の発光方向が形成される。
【0125】
本発明の態様10に係る距離測定装置は、前記態様1~9の何れかにおいて、同時に照射される複数の前記照射ビームによる前記反射軌跡が重ならないように、前記1以上の発光素子の発光方向が形成される。
【0126】
本発明の態様11に係る距離測定装置は、前記態様1~10の何れかにおいて、前記複数の発光素子による複数の照射ビーム、または、前記光分割機により複数に分割された照射ビームは、複数の平行な第1直線上に並んでおり、前記第1直線の方向と、前記発光素子と前記画像センサとを結んだ第2直線の方向とは異なる。
【0127】
本発明の態様12に係る距離測定装置は、前記態様1~11の何れかにおいて、前記第1直線と前記第2直線とがなす角度は90度よりも小さい。
【0128】
本発明の態様13に係る距離測定装置は、前記態様1~12の何れかにおいて、前記第1直線と前記第2直線とがなす角度は45度よりも小さい。
【0129】
本発明の態様14に係る自動ドアシステムは、前記態様1~13の何れかの距離測定装置と、自動ドアと、を含み、前記自動ドアは、前記距離測定装置によって測定された距離を用いて判定された通行者の検出結果に基づいて開閉される。
【0130】
本発明の態様15に係る開閉システムは、前記態様1~13の何れかの距離測定装置と、シャッターおよびゲートの少なくとも何れかと、を含み、前記シャッターおよびゲートの少なくとも何れかは、前記距離測定装置によって測定された距離を用いて判定された通行者および通行物の検出結果に基づいて開閉される。
【0131】
本発明の態様16に係る距離測定方法は、発光素子と、受光素子を備える複数の画素部が2次元に配置された画像センサとを備えた距離測定装置において、測定対象までの距離を測定する距離測定方法であって、前記受光素子において、受光量が第1閾値を上回った場合、当該受光素子を備える前記画素部の前記画像センサにおける位置を出力する位置出力ステップと、前記発光素子からの照射ビームが対象物にて反射された反射ビームが前記画像センサ上で結像する点を、前記対象物との距離を変えながら前記画像センサ上で結んだ線を反射軌跡としたとき、前記位置が前記反射軌跡上にあるか否かを判定する位置判定ステップと、前記位置が前記反射軌跡上にある場合、前記位置と前記対象物までの距離との関係を用いて、前記対象物までの距離を導出する距離導出ステップと、を含む。
【0132】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0133】
1 自動ドアシステム
2 シャッター開閉システム
10 自動ドア
30 検出装置(距離測定装置)
31 発光素子
32 光分割機
33 画像センサ
33A 画素部
33Aa 受光素子
33Ab 閾値判定部
33Ac イベント発生部
33B 位置出力部
33C イベント時刻出力部(時刻出力部)
33D 受光量出力部
34 制御部
34A 同一画素イベント判定部
34B 位置判定部
34C 距離導出部
34D 検出部
40 ドア開閉制御部
50 シャッター
60 シャッター開閉制御部
図1
図2
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